JP2005189631A - 光学シート及びその製造方法並びにレンチキュラーレンズシート及びその製造方法 - Google Patents

光学シート及びその製造方法並びにレンチキュラーレンズシート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
光学特性の優れた光学シート光学シート及びその製造方法並びにファインピッチで位置精度の高いレンチキュラーレンズシート及びその製造方法を提供すること
【解決手段】
本発明にかかる光学シートの製造方法は、支持体フィルム1の片面に第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層5を形成するステップと、レンズ成型用ロール3に第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層11を形成するステップと、第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層5と第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層11とが接するように、レンズ成型用ロール対間に支持体フィルム1を通して、第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層11にパターンを転写するステップと、パターンが転写された第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層11を硬化するステップとを有するものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光学シート及びその製造方法並びにレンチキュラーレンズシート及びその製造方法に関する。
近年、液晶、デジタルマイクロデバイスなどの光学エンジンを備えたプロジェクションテレビが普及し、その映像を観察するための透過型スクリーンが要求されている。映像画質の高精細化に伴い、プロジェクターの画素数も増大していることから、レンチキュラーレンズシートに対してもシリンドリカルレンズのファインピッチ化が要求されている。
図6にレンチキュラーレンズシートの1例を示す。レンチキュラーレンズシート151には透明シート154の片面に複数のレンズ152が配置されている。透明シート154のレンズ152が設けられている面の反対面にはBS(Black Stripe)153が形成されている。レンズ152は半円柱形状の凸レンズ(シリンドリカルレンズ)であり、それぞれが平行に配置されている。BS153はそれぞれのレンズ152の間に配置される。具体的には、現状のシリンドリカルレンズのピッチが0.7mm前後であるのに対して、0.3mm以下のファインピッチ化が要求されている
ファインピッチなレンズシートを成型するのに好適な製造方法として、紫外線(または、電子線)硬化性樹脂を用いた各種の成型方法が公知である。例えば、透明フィルム表面に紫外線硬化性樹脂を塗布し、成型用ロールでレンズ形状を転写すると同時に紫外線照射により、前記樹脂層を硬化させ、レンチキュラーレンズシートを製造する方法が知られている(特許文献1)。
しかしながら、上記のような製造方法においては、フィルム上の樹脂液が成型ロールで形状を転写される際、樹脂中に気泡が発生し、製造したレンズシートに光学欠点、外観欠点が発生する、という問題があった。
また、コントラスト性能の向上、光透過効率の改善のためには、3次元の凸状レンズ列、いわゆるハエの目レンズ形状を格子状に配列したレンズシートや、図7のように、低屈折率樹脂層401と高屈折率樹脂層402が直交するレンズ列を構成した、格子状レンチキュラーレンズシートが考えられるが、このような3次元レンズ列や、凹凸面上に樹脂液を充填して成型するような場合は、特に気泡が発生しやすい、
また、レンチキュラーレンズシートの光学特性を劣化させないため、成型ロールからの離形性と、透明支持体フィルムとの密着性をより高いレベルで両立したいという要望があった。
特開2001−113538号公報
このように従来のレンチキュラーシートの製造方法では、気泡が発生しやすく、製造したレンズシートに光学欠点、外観欠点が発生する問題点があった。
本発明は以下の問題点に鑑みてなされたものであり、光学特性の優れた光学シート光学シート及びその製造方法並びにファインピッチで位置精度の高いレンチキュラーレンズシート及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる光学シートの製造方法は、支持体フィルム(例えば、本発明の実施の形態における支持体フィルム1)の片面に0.2mm〜1mmの厚みの活性エネルギー線硬化性樹脂層(例えば、本発明の実施の形態における紫外線硬化性樹脂5)を形成するステップと、前記活性エネルギー線硬化性樹脂層が形成された支持体フィルムを成型用ロール対間(例えば、本発明の実施の形態におけるレンズ成型用ロール3及び加圧用ロール3’)に通し、前記活性エネルギー線硬化性樹脂層に前記成型用ロールのパターンを転写するステップと、前記パターンが転写された活性エネルギー線硬化性樹脂層に活性エネルギー線を照射して、前記活性エネルギー線硬化性樹脂層を硬化するステップとを有するものである。これにより、
本発明の第2の態様にかかる光学シートの製造方法は、支持体フィルム(例えば、本発明の実施の形態における支持体フィルム1)の片面に第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層(例えば、本発明の実施の形態における第1の紫外線硬化性樹脂5)を設けるステップと、成型用ロールに第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層(例えば、本発明の実施の形態における第2の紫外線硬化性樹脂11)を形成するステップと、前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層と前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層とが接するように、前記成型用ロール(例えば、本発明の実施の形態におけるレンズ成型用ロール3)を有する成型用ロール対間に前記支持体フィルムを通して、前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層に前記成型用ロールのパターンを転写するステップと、前記パターンが転写された第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層に活性エネルギー線を照射して、前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層及び前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層を硬化するステップとを有するものである。
本発明の第3の態様にかかる光学シートの製造方法は、上述の製造方法において、前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層が0.1mm以下の厚みで形成され、前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層0.02mm〜1mmの厚みで形成されるものである。
本発明の第4の態様にかかる光学シートの製造方法は、上述の製造方法において、前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層が、前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層よりも前記成型用ロールとの離型性が高い材質により形成されているものである。
本発明の第5の態様にかかる光学シートの製造方法は、上述の製造方法において、前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層が、前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層よりも前記支持体フィルムとの密着性が高い材質により形成されているものである。
本発明の第6の態様にかかる光学シートの製造方法は、上述の製造方法により、前記支持体フィルムにレンチキュラーレンズパターンを形成するステップと、前記支持体フィルムの前記レンチキュラーレンズパターンが設けられた面と反対側の面に感光性粘着層(例えば、本発明の実施の形態における感光層21)を設けるステップと、前記レンチキュラーレンズパターン側から光を照射して、前記感光性粘着層に露光部(例えば、本発明の実施の形態における感光層211)及び非露光部(例えば、本発明の実施の形態における212)を形成するステップと、前記非露光部に対応する遮光パターンを前記感光性粘着層に形成するステップとを備えるものである。これにより、ファインピッチで位置精度の高いレンチキュラーレンズシートを簡易な工程で製造することができる。
本発明の第7の態様にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法は、上述の製造方法により、レンチキュラーレンズパターンを形成するステップと、前記支持体フィルムの前記レンチキュラーレンズパターンが設けられた面と反対側の面に、第1の組成物と前記第1の組成物よりも表面自由エネルギーが低い第2の組成物とからなる光硬化性組成物層を形成するステップと、前記光硬化性組成物層が前記第2の組成物よりも表面自由エネルギーが低い媒質に接触した状態で、前記レンチキュラーレンズパターン側から前記光硬化性組成物層に光を照射し、前記レンチキュラーレンズパターンによる集光部分にある前記光硬化性組成層を硬化するステップと、前記光硬化性組成物層が第1の組成物よりも表面自由エネルギーが高い媒質に接触した状態で、前記光硬化性組成物層側から前記光硬化性組成物層に光を照射し、前記集光部分以外の非集光部分にある前記光硬化性組成物層を硬化するステップと、前記光硬化性組成物層上に着色材料を配置し、前記非集光部分に対応した遮光パターンを形成するステップとを備えるものである。これにより、ファインピッチで位置精度の高いレンチキュラーレンズシートを簡易な工程で製造することができる。
本発明の第8の態様にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法は、上述の製造方法において、前記光硬化性組成物層が、表面自由エネルギーが30mN/m以上である第1の組成物(a)100質量部および表面自由エネルギーが25mN/m以下である第2の組成物(b)0.01~10質量部からなるものである。これにより、ファインピッチで位置精度の高いレンチキュラーレンズシートを簡易な工程で製造することができる。
本発明の第9の態様にかかる光学シートは上述のいずれかに記載の光学シートの製造方法により形成されたものである。
本発明の第10の態様にかかる光学シートは上述のいずれかに記載のレンチキュラーレンズの製造方法により形成されたものである。
本発明によれば、光学特性の優れた光学シート及びその製造方法並びにファインピッチで位置精度の高いレンチキュラーレンズシート及びその製造方法を提供することができる。
発明の実施の形態1.
本発明にかかるレンズシートの製造方法に用いる製造装置の構成を図1によって説明する。図1は、本発明のレンチキュラーレンズシートの製造方法に用いる製造装置の1例の説明図である。この製造装置は、シリンドリカルレンズを形成するレンズ形成工程とBS(Black Stripe)を形成する遮光パターン形成工程を有している。
まず、レンズ形成工程について説明する。フィルムロール10から供給される支持体フィルム1に紫外線硬化性樹脂5を塗布する塗布装置2、表面にレンチキュラーレンズの逆形状が形成されたレンズ成型用ロール3、レンズ成型用ロール3と相対する加圧用ロール3’及び紫外線照射装置4を備えている。21は支持体フィルム1に塗布された紫外線硬化性樹脂である。
フィルムロール10から矢印の方向に水平に送り出された支持体フィルム1の上面に塗布装置2を用いて紫外線硬化性樹脂5を塗布する。紫外線硬化性樹脂5が塗布された支持体フィルム1はレンズ成型用ロール3と加圧用ロール3’からなるレンズ成型用ロール対間に送り込まれる。レンズ成型用ロール3には形成するレンズのパターンに対応して逆パターンが形成されている。これにより、レンズ成型用ロール3に形成されたパターンが紫外線硬化性樹脂5に転写され、レンズパターンの形状に成型することができる。
レンズ成型用ロール対の手前には送風装置6が設けられている。送風装置6はレンズ成型用ロール対に送り込まれる前の紫外線硬化性樹脂5に熱風を送風することができる。熱風を送風することにより、樹脂の粘度を低くし、それによって発生した気泡の脱泡を促進することができる。
図2は図1の部分拡大図であり、レンズ成型用ロール3と加圧用ロール3’に挟まれた支持体フィルム1とその表面に塗布された紫外線硬化性樹脂5の様子を示している。
本発明では、透明支持体フィルムの片面に0.2mm〜1mmの厚みの紫外線硬化性樹脂層を塗布形成している。よって、図2に示すように、レンズ成型用ロール3と加圧用ロール3’との間の入口近傍には樹脂だまり8が生じている。紫外線硬化性樹脂5中に存在する気泡9はこの樹脂だまり8に留まる。気泡9を含んだ紫外線硬化性樹脂5はレンズ成型用ロール対間には浸入せずに支持体フィルム1端部からあふれるため、成型されたレンチキュラーレンズシート中に気泡が生じる事を抑制できる。さらに樹脂だまり8に対して送風装置6により熱風を送風している。熱風を送風することにより、樹脂の粘度を低くし、それによって発生した気泡の脱泡を促進することができる。
塗布する紫外線硬化性樹脂5の厚みは、レンズシート厚みや形状によって適便調整すれば良いが、0.2mm以下であると、樹脂だまりの量が不十分で、シート中に生じる気泡を充分に抑制できない場合がある。また、塗布する紫外線硬化性樹脂5の厚みは例えば、1mm以下が好適である。
また、樹脂だまり8の紫外線硬化性樹脂5は支持体フィルム1の端部からあふれてしまうが、図1に示すようにレンズ成型用ロール対の下に回収容器7を載置して、支持体フィルム1からあふれ出た紫外線硬化性樹脂5を回収、ろ過して再び使用する事が材料の効率的利用の点で好ましい。
レンズ成型用ロール対から送り出され、レンズパターンが成型された紫外線硬化性樹脂5に紫外線照射装置4を用いて紫外線を照射する。紫外線は支持体フィルム1の紫外線硬化性樹脂5が設けられている面と反対側の平坦面から照射される。これにより、紫外線硬化性樹脂5全体に均一に紫外線が照射され、レンチキュラーレンズシート151が形成される。
上述のようにレンチキュラーレンズシート151を形成した後、遮光パターンの印刷工程が行われる。遮光パターン形成工程では、レンチキュラーレンズシートの反レンズ部側すなわち紫外線硬化性樹脂5が設けられている面とは反対側の面に、感光性粘着フィルム303をラミネートする。感光性粘着フィルム303は1対の粘着フィルムロール301からラミネート用ロール対間に送り出される。ラミネート用ロール302はレンチキュラーレンズシート151と感光性粘着フィルム303を重ね合わせて、レンチキュラーレンズシート151の支持体フィルム1に感光性粘着層を転写する。
粘着フィルムロール対間から送り出されたレンチキュラーレンズシート151に対してレンズ部側から紫外線照射装置220により露光光線を照射し、感光性粘着層に、レンズ部の形状及びレンズのピッチに対応した露光部と非露光部を形成する。ここで非露光部は粘着性を有しているが、露光部は感光されているため、粘着性を有していない。
次いで、感光性粘着層の表面に、黒色に着色された黒色転写層を有する黒色転写シート313を重ね合わせて黒色転写層を転写する。黒色転写シート313は転写シートロール311からラミネート用ロール対間に粘着性感光層が形成されたレンチキュラーレンズシート151と共に送り出される。ラミネート用ロール312によって感光性粘着層の非露光部のみに黒色転写層を転写することでBSを形成することができる。これにより、位置精度の良好なファインピッチな遮光パターンを有するレンチキュラーレンズシートの製造ができる。
次に、図3を用いて、遮光パターンの製造方法について詳細に説明する。ここで、感光性粘着フィルム303の粘着性の差を利用して遮光パターンを製造する方法について説明する。図3は、遮光パターンの製造方法を示す工程断面図である。
図3(a)に示すように、上記のレンズ形成工程で形成されたレンチキュラーレンズシート151の平坦面に、感光性粘着層を転写して、感光層21を形成する。感光層21は、例えば紫外線硬化感光樹脂を用いて形成することができる。この感光層21は、レンチキュラーレンズシート151の平坦面に、感光樹脂が転写されて形成される。ここではさらに、感光層21上に、保護層22を形成している。
図3(b)に示すように、感光層21は、紫外線照射装置220に設けられている光源23により、レンチキュラーレンズシート151のレンチキュラーレンズ152側から紫外線を照射される。このとき、光源23から出た光は、紫外線照射装置220に設けられているマスク24の開口部241を通過したスリット光25として、レンチキュラーレンズシート151に対して入射される。このスリット光25は、レンチキュラーレンズシート151の長手方向(図中、紙面に対して垂直な方向)に延びたストライプ状のスリット光として、レンチキュラーレンズシート151に入射される。また、このストライプ状のスリット光25は、レンチキュラーレンズシート151がレンチキュラーレンズ152の並設方向に移動しながら、レンチキュラーレンズ152側からレンチキュラーレンズシート151の平坦面に対して垂直に照射される。
このように光源23からのスリット光25が感光層21に照射されると、未硬化状態の感光層21は、レンチキュラーレンズ152側からの紫外線により露光される。このとき、スリット光25は、レンチキュラーレンズ152のレンズ機能によって集光され、この集光された部分(図中、ハッチング部分)の感光層211が硬化して非粘着性を有するようになる。ここで、レンズ機能によって集光されない部分(図中、白色部分)の感光層212は、粘着性を有したままである。すなわち、露光部は粘着性を有していない感光層211となり、非露光部は粘着性を有している感光層212となる。
また、ストライプ状のスリット光25が感光層21に照射されるため、非粘着性を有する感光層211は、レンチキュラーレンズシート151の長手方向に延びたストライプ状に形成されている。そのため、感光層211以外の感光層21である粘着性を有する感光層212は、感光層211と同様に、レンチキュラーレンズシート151の長手方向に延びたストライプ状に形成される。
図3(c)に示すように、感光層21上の保護層22が剥離され、未硬化状態の粘着性を有する感光層212が黒色に着色され、外光吸収層26から構成される遮光パターンが形成される。遮光パターンは、粘着性を有する感光層212がレンチキュラーレンズシート151の長手方向に延びたストライプ状に形成されているため、感光層212と同様にストライプ状に形成される。
遮光パターンが形成された後、感光層21の全面に紫外線を照射して、感光層21を完全に硬化させる(図示せず)。そして、遮光パターン上に、レンチキュラーレンズシート151の平坦面側から観測したときに光を拡散させて視野領域を拡げる拡散層を形成する。この拡散層は、遮光パターンの保護層としても機能する。また、拡散層としては、樹脂に酸化珪素・酸化チタン等の分散材を混合したものがある。さらに、拡散層上に、透明樹脂フィルムを設け、レンズシートが形成される。
上述の製造装置では紫外線硬化性樹脂を用いたが、紫外線以外の活性エネルギー線で硬化する樹脂を用いることも可能である。この場合、紫外線硬化性樹脂ではなく、照射する活性エネルギー線に対応した活性エネルギー線硬化性樹脂を用いる。例えば、光硬化性樹脂や電子線で硬化する硬化性樹脂を利用することができる。
レンズ成型用ロール3は、加熱して常温より高温で使用すると活性エネルギー線硬化性樹脂の粘度が低下し、樹脂液中の気泡を脱気しやすい点でより好ましい。本発明における樹脂液塗布工程、成型工程は減圧雰囲気中、特に真空中で行う事が樹脂液中の気泡を脱気しやすい点でより好ましい。
さらに、連続状のレンチキュラーレンズシートに、連続状の部材(活性エネルギー線感光性フィルム、転写シート、及び拡散フィルム)を用いて順次、ロール対間を通し、積層すると、効率的に生産できるのでより好ましい。
また本発明は、レンチキュラーレンズシートの製法に限定されず、プリズム列シート、リニアフレネルシート、サーキュラーフレネルレンズシートなどの成型に使用しても効果を発揮する。本発明のレンチキュラーレンズシートのピッチは、特に限定されないが、成型の精密さ向上や気泡の抑制が従来技術と比べて特に顕著になる点で、0.3mm以下が好ましい。より好ましい範囲は0.2mm以下である。
本発明における支持体フィルム1としては、透明な樹脂フィルムを使用できる。また、別に製造した光学シート、レンズシートを使用する事ができ、レンズ部の形成される側に紫外線硬化性樹脂の易接着処理が施されてあることが一層好ましい。材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などが使用される。
本発明によって透明な支持体フィルムを用いて図6に示すようなレンチキュラーレンズシートを製造することができる。これにより、透明シート154の上にレンチキュラーレンズ152のパターンが形成され、さらに透明シート154のレンチキュラーレンズ152と反対側にはBS153が形成される。これにより、位置精度の良好でファインピッチな遮光パターンを有するレンチキュラーレンズシートの製造ができる。
図6に示すようなレンチキュラーレンズシートを製造した後、支持体フィルムとして該レンチキュラーレンズシートを用いて再び本発明の製造方法を適用することも可能である。例えば、更にレンズ列を積層し、図7に示すような低屈折率樹脂層401及び高屈折率樹脂層402を有する複層レンズ構造を持つレンチキュラーレンズシートを製造するなど、本発明を複数回適用してもよい。
紫外線硬化性樹脂の塗布装置2は、特に限定されるものではないがドクターブレード、ダイコートなどの塗布装置が望ましい。
レンチキュラーレンズの逆形状が表面に形成されたレンズ成型用ロール3は、切削加工された金属型や前記金属型から所定の方法により複製した樹脂製型を、ロール表面に配設するなどして得ることができる。
発明の実施の形態2.
本発明の実施の形態2にかかるレンズシートの製造方法について図4を用いて説明する。図4は、本発明のレンチキュラーレンズシートの製造方法に用いる製造装置の1例の説明図である。図4ではレンズ形成工程に対する構成を示している。実施の形態1と同様の構成については説明を省略する。本実施の形態にかかるレンズシートの製造方法は、レンズ形成工程と遮光パターン印刷工程を備えている。
まず、レンズ形成工程について説明する。この製造装置は、実施の形態1と同様にロールから供給される支持体フィルム1に第1の紫外線硬化性樹脂5を塗布する塗布装置2備えている。また、製造装置は、表面にレンチキュラーレンズの逆形状が形成されたレンズ成型用ロール3、加圧用ロール3’、紫外線照射装置4を備えている。さらに本実施の形態にかかる製造装置はレンズ成型用ロール3に直接、第2の紫外線硬化性樹脂11を塗布する塗布装置2’を備えている。
本実施の形態では、支持体フィルム1に第1の紫外線硬化性樹脂5を塗布すると共にレンズ成型用ロール3の表面に第2の紫外線硬化性樹脂11を直接塗布している。第2の紫外線硬化性樹脂11では支持体フィルム1と一体化するまでの間に樹脂液中から気泡が脱しやすいために、レンズシート中の気泡を抑制する事ができる。また図4に示すように、第2の紫外線硬化性樹脂を塗布する位置はロールの上方近傍である事が、この効果を特に発揮できるので好ましい。
本発明に用いられる第1の紫外線硬化性樹脂5及び第2の紫外線硬化性樹脂11は同一のものであっても良いが、第1の紫外線硬化性樹脂5は支持体フィルムとの密着性を考慮して選択し、第2の紫外線硬化性樹脂11はレンズ成型用ロール3との離形性を考慮して選択するとより好ましい。
第1の紫外線硬化性樹脂5と第2の紫外線硬化性樹脂11とが接するように紫外線硬化性樹脂層が形成された支持体フィルム1はレンズ成型用ロール対間に送り込まれる。この時、レンズ成型用ロール3に設けられた第2の紫外線硬化性樹脂11と支持体フィルム1に設けられた第1の紫外線硬化性樹脂5とが重なり合わされる。従って、支持体フィルム1の上に設けられた第1の紫外線硬化性樹脂5のさらに上に第2の紫外線硬化性樹脂11が配設される。
第1の紫外線硬化性樹脂5と第2の紫外線硬化性樹脂11とが形成された支持体フィルム1はレンズ成型用ロール対間に送り込まれる。レンズ成型用ロール3には実施の形態1と同様にレンズパターンに対応する逆パターンが形成されている。従って、第1の紫外線硬化性樹脂5及び第2の紫外線硬化性樹脂11にそのパターンが転写される。これにより、樹脂層にレンズパターンが形成される。
また、レンズ成型用ロール対に送り込まれる前の第1の紫外線硬化性樹脂5と第2の紫外線硬化性樹脂11には送風装置6により熱風が送風される。これによりレンズシート中の気泡の発生を低減することができる。レンズ成型用ロール対から送り出された第1の紫外線硬化性樹脂5と第2の紫外線硬化性樹脂11は支持体フィルム1側から紫外線照射装置4により紫外線が照射され硬化される。これにより、レンズが形成され、レンチキュラーレンズシート151が形成される。
本実施の形態では、支持体フィルム1に第1の紫外線硬化性樹脂5を塗布すると共に、レンズパターンに対応する逆パターンが形成されたレンズ成型用ロール3に第1の紫外線硬化性樹脂5を塗布している。第1の紫外線硬化性樹脂5は0.1mm以下の厚みで形成し、第2の紫外線硬化性樹脂11は0.02~1mmの厚みで形成する。これによりレンズシート中の気泡の発生を低減することができる。
上述のようにレンチキュラーレンズシート151を形成した後、遮光パターンの印刷工程が行われる。図1において、201、202は紫外線反応性樹脂を塗工するための塗工ロール、210は乾燥装置、220は紫外線照射装置、230はロール、231、232は紫外線インクを塗工するための塗工ロール、233はロール、240は紫外線照射装置、250は紫外線照射装置、260はロールである。
遮光パターンの印刷工程において、まず、レンチキュラーレンズシート151の平坦面には、塗工ロール201、202によって、紫外線反応性樹脂が塗工される。この塗工された紫外線反応性樹脂は、乾燥装置210において乾燥された後、紫外線照射装置220において紫外線照射される。レンチキュラーレンズシート151のレンズ機能により、紫外線反応性樹脂は選択的に硬化する。その後、レンチキュラーレンズシート151の紫外線反応性樹脂上に、紫外線感光性インクが塗工されたフィルム160が貼合わせられる。このフィルム160は、ロール230から送られたフィルムに塗工ロール231、232が紫外線感光性インクを塗工することにより形成される。
レンチキュラーレンズシート151は、この貼合せ状態で、紫外線照射装置240において、平坦面側から紫外線照射される。これによって、フィルム160から粘着性を有する紫外線反応性樹脂の未硬化部分に、紫外線感光性インクが転写される。この転写後、レンチキュラーレンズシート151の紫外線反応性樹脂からフィルム160が剥離され、剥離されたフィルム160はロール233によって巻き取られる。フィルム160を剥離されたレンチキュラーレンズシート151は、紫外線照射装置250において紫外線照射され、その紫外線反応性樹脂が完全に硬化される。そして、レンチキュラーレンズシート151は、巻取り機のロール260によって巻き取られ、遮光パターン印刷工程が終了する。
感光層212への着色方法として、転写シートの転写インキ層(黒色)を感光層21に重ね合わせ、粘着性を有する感光層212のみにインキ層を転写する方法がある。この転写の際、非粘着性の感光層211にはインキ層は転写されない。また、遮光パターンの上から感光性フィルムをラミネートし、紫外線照射によりそのラミネートしたフィルムを硬化させ、感光層212上のインキ層が剥離しないための保護層としてもよい。これらの工程においても、図3で示した遮光パターンの形成工程と同様にレンズ効果を利用して遮光パターンが形成されるため、図3で示した構成と同様の構成となる。
他の着色方法として、カーボンブラックの黒色トナーを平坦面の全面に散布した後、非粘着性の感光層211に散布された黒色トナーを除去し、遮光パターンを形成する方法もある。もちろん、実施の形態1で示した工程で遮光パターンを形成することも可能であり、本実施の形態で示した遮光パターンの形成方法を実施の形態1で示したレンズ形成工程の後に利用することも可能である。
さらに、連続状のレンチキュラーレンズシートに、連続状の部材(活性エネルギー線感光性フィルム、転写シート、及び拡散フィルム)を用いて順次、ロール対間を通し、積層すると、効率的に生産できるのでより好ましい。
また本発明のレンチキュラーレンズシートに、表面自由エネルギーの差を利用してレンズ位置及びピッチに対応した遮光パターンを設けると位置精度の良好でファインピッチな遮光パターンを有するレンチキュラーレンズシートの製造ができる。表面自由エネルギーの差を利用する製造工程について図5を用いて説明する。
図5は、遮光パターンの他の形成方法を示す工程断面図である。図5(a)に示すように、レンチキュラーレンズシート151の出射面に光硬化性組成物層41を塗工する。光硬化性組成物層41は、光硬化性樹脂組成物および表面自由エネルギーが低い化合物からなる組成物から構成される。
光硬化性樹脂組成物の表面自由エネルギーは、例えば30mN/m以上であり、より好ましくは40mN/m以上である。このような光硬化性樹脂組成物は、表面自由エネルギーが30mN/m以上である重合性の単量体、および所望に応じて光重合開始剤等の他の成分を含む。ただし、後述する表面自由エネルギーが25mN/m以下である化合物は除く。
表面自由エネルギーが低い化合物の表面自由エネルギーは、例えば25mN/m以下であり、好ましくは20mN/m以下である。このような化合物としては、ポリジメチルシロキサン等のシリコーンオイルやその側鎖、アルコキシシラン類等の含けい素(高分子)化合物、フロオロアルキルシラン類等の含フッ素(高分子)化合物などが挙げられる。
また、光硬化性組成物層41は、光硬化性樹脂組成物100質量部に対し、化合物0.01〜10質量部を混合するものであり、化合物を0.1質量部以上、8質量部以下を混成することが好ましい。
図5(b)に示すように、レンチキュラーレンズ152側から、化合物よりも表面自由エネルギーが低い媒質42に光硬化性組成物層41が接触した状態で光を照射する。この照射された光は、レンチキュラーレンズ152により集光され、集光部43の光硬化性組成物層41のみが選択的に硬化させる(図5(b)中の縦縞)。これにより、表面自由エネルギーが低い表面を得ることができ、集光部43の表面エネルギーが25mN/m以下であるレンズシート30を得ることができる。
表面自由エネルギーが低い媒質42としては、大気、窒素、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスなどが挙げられる。特に、表面自由エネルギーが低い媒質42として大気を用いることが可能であり、大気を用いることはコスト面や環境面から有意である。また、照射する光としては、可視光、紫外線等が挙げられるが、光硬化性組成物層41の硬化に有利な高いエネルギーを持つ紫外線が好ましい。
レンチキュラーレンズ152側から光を照射するとき、レンチキュラーレンズ152側から照射される光は、略平行な進行方向を有していることが好ましい。また、レンズシート30が背面から画像を投射して表示する画像表示装置に用いられる透過型スクリーン用レンズシートの場合は、レンチキュラーレンズ152側から照射される光が画像の投射光と略等価な進行方向を有していることが好ましい。
図5(c)に示すように、得られたレンズシート30にレンズシート30の出射面側から、光硬化性樹脂組成物よりも表面自由エネルギーが高い媒質44に接触した状態で、光を照射する。すると、未硬化の光硬化性組成物層41のみが硬化する(図5(c)中の横縞)。これにより、表面自由エネルギーが高い表面を得ることができ、レンズシート30の出射面の集光部43と非集光部45をそれぞれ、表面自由エネルギーの低い領域と表面自由エネルギーの高い領域とに表面改質することができる。
表面自由エネルギーが高い媒質44としては、水;グリセリン等の高級アルコール類などが挙げられる。特に、表面自由エネルギーが高い媒質44として水を用いることが可能であり、水を用いることは、コスト面や環境面から有意である。また、レンズシート30の出射面側から光を照射するとき、非集光部45の表面自由エネルギーを集光部43の表面自由エネルギーよりも5mN/m以上高くすることが遮光パターンを形成する上で好ましい。
表面自由エネルギーの異なる表面では、各種液体の漏れ性が異なる。一般的に用いられる溶剤、塗料の場合には、表面自由エネルギーの高い表面の方が表面自由エネルギーの低い表面よりも液体が漏れ易い。したがって、表面改質したレンズシート30は集光部43よりも非集光部45の方が各種液体に漏れ易いことになる。
この性質を利用して、遮光パターンを形成することができる。すなわち、表面改質したレンズシート30に着色塗料を塗工すると、非集光部45のみに、その着色塗料が付着し、遮光パターン46が形成される(図5(d))。このとき用いられる着色塗料としては、グラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、オフセットインキ、凸版インキなどが挙げられる。コントラスト向上の点から、着色塗料は黒色塗料であるのが好ましい。
このように、表面自由エネルギーの差を利用することにより、遮光パターンの製造工程が煩雑になるのを回避し、遮光パターン46を簡便に形成することができる。さらに、表面自由エネルギーの差を利用して遮光パターン46を形成することにより、レンチキュラーレンズシートの高精度なファインピッチ化を実現することが可能となる
上述のように本発明のレンチキュラーレンズシートの反レンズ部側に、例えば、表面自由エネルギーが30mN/m以上である光硬化性樹脂組成物(a)100質量部および表面自由エネルギーが25mN/m以下である化合物(b)0.01〜10質量部からなる組成物の層を設ける。次いでレンズ部側から化合物(b)よりも表面自由エネルギーが低い媒質(例えば大気)に接触した状態で露光光線を照射する。照射された光はレンズにより集光し、集光部の光硬化性組成物(A)のみが選択的に硬化する。上記により、集光部の表面エネルギーが25mN/m以下であるレンズシート30を得ることができる。
得られたレンズシートを光硬化性樹脂組成物(a)よりも表面自由エネルギーが高い媒質(例えば水)に接触した状態で、レンズシートの出射面側から光を照射することにより、未硬化の光硬化性組成物(A)のみが硬化する。
表面自由エネルギーの異なる表面では各種液体の濡れ性も異なり、一般的に用いられる溶剤、塗料の場合は表面自由エネルギーの高い表面の方が表面自由エネルギーの低い表面よりも液体が濡れ易い。したがって、表面改質したレンズシートは集光部よりも非集光部の方が各種液体に濡れ易いことになる。この性質を利用して、表面改質したレンズシートに着色塗料を塗工することにより、非集光部のみに該着色塗料が付着した遮光パターンを形成することが可能となる。
紫外線硬化性樹脂の塗布装置2及び塗布装置2’は、特に限定されるものではないがドクターブレード、ダイコートなどの塗布装置が望ましい。
実施例1
本実施例では実施の形態1と同様の工程によりレンチキュラーレンズシートを形成した。支持体フィルム1として100μm厚の透明PETを使用し、活性エネルギー線硬化性樹脂として紫外線硬化樹脂を使用し、図1に示すような装置で支持体フィルムに塗布する紫外線硬化樹脂の厚みを0.3mmとして0.3mmピッチのレンチキュラーレンズシートを製造した。本実施例では、送風装置6により、レンズ成型用ロール3と加圧用ロール3’との間に生じた樹脂だまりへ60℃の熱風を吹き付けることにより、樹脂中に生じた気泡の脱気を促進した。
次いで、レンチキュラーレンズシートの平坦面に遮光パターンを形成した。紫外線露光部が反応により非粘着性となり、未露光部が粘着性である特性を示す紫外線感光性樹脂フィルムとして、デュポン社製クロマリンフィルムを使用し、加熱されたラミネート用ロール対を通して、支持体フィルムの反レンズ側にラミネートした。次いで、紫外線照射装置紫外線を照射することによって、レンチキュラーレンズの集光作用に基づく集光部・非集光部に対応する非粘着部・粘着部を紫外線感光性樹脂フィルムに形成し、前記フィルムから表面の保護フィルムを剥離した。
その後、黒色転写フィルムとして、デュポン社製クロマリンインキフォイルを使用し、ラミネート用ロール対に通すことによって、供給される転写フィルムから前記粘着部のみに黒色の転写層を転移させ、遮光パターンを形成した。
次いで、遮光パターンを設けた観視者側に、透明接着剤を使用して光拡散性シートを貼り合せ、透過型スクリーンを作製した。
実施例2
本実施例では実施の形態2と同様の製造工程により、レンチキュラーレンズシートを形成した。支持体フィルム1として100μm厚の透明PETを使用し、活性エネルギー線硬化性樹脂として紫外線硬化樹脂を使用し、図3に示すような装置で支持体フィルムに塗布する紫外線硬化樹脂の厚みを0.1mmとし、レンズ成型用ロール3へ塗布する紫外線硬化樹脂の厚みを0.5mmとして0.3mmピッチのレンチキュラーレンズシートを製造した。本実施例では、送風装置6により、レンズ成型用ロール3と加圧用ロール3’との間に生じた樹脂だまりおよび成型ロール上の樹脂へ60℃の熱風を吹き付けることにより、樹脂中に生じた気泡の脱気を促進した。
次いで、レンチキュラーレンズシートの平坦面に遮光パターンを形成した。日本化薬株式会社製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA)60質量部、東亞合成株式会社製イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート(アロニックスM−315)40質量部、日本化薬株式会社製2,4−ジエチルチオキサントン1質量部、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(イルガキュア907)3質量部の割合で混合して光硬化性樹脂組成物(a)を調製した。該光硬化性樹脂組成物(a)の表面自由エネルギーをウィルヘルミー法により測定したところ、42.6mN/mであった。該光硬化性樹脂組成物(a)に表面自由エネルギーの低い化合物(b)としてウィルヘルミー法による表面自由エネルギーの測定値が20.7mN/mである信越化学工業株式会社製アミノ変性シリコーンオイル(KF857)を0.5質量部添加し光硬化性組成物(A)とした。該光硬化性組成物(A)は粘度が高く、塗工性の面を考慮すると取り扱いにくいため、該光硬化性組成物(A)の濃度が5%となるようにトルエンで希釈した。
該レンチキュラレンズシートの平坦面にトルエンで希釈した該光硬化性組成物(A)をマイクログラビアコーターで厚さ0.02mmとなるよう塗工し、120℃で5分間の乾燥でトルエンを揮発させ、光硬化性組成物(A)の塗工厚さを0.001mmとした。上記レンチキュラーレンズシートを窒素雰囲気下で凸シリンドリカルレンズ側から高圧水銀ランプにより略平行な紫外光を照射した。さらに、該レンチキュラレンズシートを水中に浸漬したまま該レンチキュラレンズシートの平坦面側から高圧水銀ランプにより紫外光を照射した。
得られたレンチキュラーレンズシートの平坦面側に、東洋インキ製造株式会社製PS(pre−sensitive)版オフセット印刷用UV硬化性インキ(FDカルトン墨)を厚さ0.003mm塗工したポリエチレンテレフタレートフィルム基材を貼り合せた。ポリエチレンテレフタレートフィルム基材上から高圧水銀ランプにより紫外光を照射し、該PS版オフセット印刷用UV硬化性インキを乾燥した後、該ポリエチレンテレフタレートフィルム基材を剥離した結果、集光部の黒色塗料のみを除去することにより、表裏両面で軸ずれなく遮光パターンを形成することができた。次いで、実施例1と同様にして、遮光パターンを設けた観視者側に、透明接着剤を使用して光拡散性シートを貼り合せ、透過型スクリーンを作製した。
比較例
支持体フィルムに塗布する紫外線硬化樹脂の厚みを0.15mmとした以外は実施例1と同様にして、遮光パターンが形成され、観視者側に光拡散性シートを貼り合せた透過型スクリーンを作製した。
実施例1、2及び比較例の透過型スクリーンを液晶方式プロジェクションテレビに設置して映像を観察して比較評価したところ、実施例1および2の透過型スクリーンは良好な映像を観察することが可能であったが、比較例の透過型スクリーンはレンチキュラーレンズシート中に生じた気泡による点状の輝度ムラが発生した。また、比較例の透過型スクリーンの遮光パターンは気泡による点状の白抜け部分があり、外観品位を損なうものであった。
以上、説明した通り、本発明によれば、レンズシート内の気泡による光学欠点、外観欠点の発生が抑制され、優れた光学特性を有する光学シート及びその製造方法を製造する事が可能である。さらに、離型性が高く、支持体フィルムとの密着性が高い光学シート及びその製造方法を提供することができる。本発明は、高精細・高画質のプロジェクションテレビの観察に好適な、ファインピッチなレンズ部を有し、光学欠点、外観欠点が少ないレンチキュラーレンズシート及びその製造方法を提供することができる。さらにそのレンズ部に対応するさらにファインピッチな遮光パターンの形成された精密な構成でありながら、製造の容易なレンチキュラーレンズシート及びその製造方法を提供することできる。
本発明の実施の形態1にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法に用いる製造装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法に用いる製造装置におけるレンズ成型用ロール対間周辺の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法における遮光パターンの製造工程を示す工程断面図である。 本発明の実施の形態2にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法に用いる製造装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法における遮光パターンの形成工程を示す工程断面図である。 レンチキュラーレンズシートの構成を示す斜視図である。 低屈折率樹脂層と高屈折率樹脂層とを有するレンズシートの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 支持体フィルム、2 塗布装置、3 レンズ成型用ロール、3’ 加圧用ロール、
4 紫外線照射装置、5 紫外線硬化性樹脂、6 送風装置、7 回収容器、
9 気泡、10 フィルムロール、11 紫外線硬化性樹脂、21 感光層、
22 保護層、23 光源、24 マスク、25 スリット光、26 外光吸収層、
30 レンズシート、41 光硬化性組成物層、42 媒質、43 集光部、
44 媒質、45 非集光部、46 遮光パターン、
151 レンチキュラーレンズシート、152 レンズ、153 BS
152 レンチキュラーレンズ、154 透明シート、160 フィルム、
201 塗工ロール、210 乾燥装置、211 感光層、212 感光層
220 紫外線照射装置、230 ロール、231 塗工ロール、233 ロール
240 紫外線照射装置、241 開口部、250 紫外線照射装置、260 ロール
301 粘着フィルムロール、302 ラミネート用ロール、
303 感光性粘着フィルム、311 転写フィルムロール、
312 ラミネート用ロール、313 黒色転写シート、401 低屈折率樹脂層
402 高屈折率樹脂層

Claims (10)

  1. 支持体フィルムの片面に0.2mm〜1mmの厚みの活性エネルギー線硬化性樹脂層を設けるステップと、
    前記活性エネルギー線硬化性樹脂層が形成された支持体フィルムを成型用ロール対間に通し、前記活性エネルギー線硬化性樹脂層に前記成型用ロールのパターンを転写するステップと、
    前記パターンが転写された活性エネルギー線硬化性樹脂層に活性エネルギー線を照射して、前記活性エネルギー線硬化性樹脂層を硬化するステップとを有する光学シートの製造方法。
  2. 支持体フィルムの片面に第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層を設けるステップと、
    成型用ロールに第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層を設けるステップと、
    前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層と前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層とが接するように、前記成型用ロールを有する成型用ロール対間に前記支持体フィルムを通して、前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層に前記成型用ロールのパターンを転写するステップと、
    前記パターンが転写された第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層に活性エネルギー線を照射して、前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層及び前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層を硬化するステップとを有する光学シートの製造方法。
  3. 前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層が0.1mm以下の厚みで形成され、
    前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層0.02mm〜1mmの厚みで形成される請求項2記載の光学シートの製造方法。
  4. 前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層が、前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層よりも前記成型用ロールとの離型性が高い材質により形成されている請求項2又は3記載の光学シートの製造方法。
  5. 前記第1の活性エネルギー線硬化性樹脂層が、前記第2の活性エネルギー線硬化性樹脂層よりも前記支持体フィルムとの密着性が高い材質により形成されている請求項2乃至4いずれかに記載の光学シートの製造方法。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載の光学シートの製造方法により、前記支持体フィルムにレンチキュラーレンズパターンを形成するステップと、
    前記支持体フィルムの前記レンチキュラーレンズパターンが設けられた面と反対側の面に感光性粘着層を設けるステップと、
    前記レンチキュラーレンズパターン側から光を照射して、前記感光性粘着層に露光部及び非露光部を形成するステップと、
    前記非露光部に対応する遮光パターンを前記感光性粘着層に設けるステップとを備えるレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  7. 請求項1乃至5いずれかに記載の光学シートの製造方法により、レンチキュラーレンズパターンを形成するステップと、
    前記支持体フィルムの前記レンチキュラーレンズパターンが設けられた面と反対側の面に、第1の組成物と前記第1の組成物よりも表面自由エネルギーが低い第2の組成物とからなる光硬化性組成物層を形成するステップと、
    前記光硬化性組成物層が前記第2の組成物よりも表面自由エネルギーが低い媒質に接触した状態で、前記レンチキュラーレンズパターン側から前記光硬化性組成物層に光を照射し、前記レンチキュラーレンズパターンによる集光部分にある前記光硬化性組成層を硬化するステップと、
    前記光硬化性組成物層が第1の組成物よりも表面自由エネルギーが高い媒質に接触した状態で、前記光硬化性組成物層側から前記光硬化性組成物層に光を照射し、前記集光部分以外の非集光部分にある前記光硬化性組成物層を硬化するステップと、
    前記光硬化性組成物層上に着色材料を配置し、前記非集光部分に対応した遮光パターンを形成するステップとを備えるレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  8. 前記光硬化性組成物層が、表面自由エネルギーが30mN/m以上である第1の組成物100質量部及び表面自由エネルギーが25mN/m以下である第2の組成物0.01~10質量部からなる請求項7記載のレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  9. 請求項1乃至5いずれかに記載の光学シートの製造方法により形成された光学シート。
  10. 請求項6乃至8いずれかに記載のレンチキュラーレンズシートの製造方法により形成されたレンチキュラーレンズシート。
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