JP2005189213A - 水素センサ - Google Patents

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敏明 紺野
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Abstract

【課題】 温度等の影響により出力値の原点が変動しても、所定の濃度の水素を確実に検出できる水素センサを提供する。。
【解決手段】 気体に含まれる水素を検知する水素センサ1であって、
可逆的に水素を吸収・排出する水素吸収材15a,16aと、吸収・排出に伴う水素吸収材15a,16aの重量変化を検出する重量変化検出手段11とを有し、
水素吸収材15a,16aが、所定の温度において、水素濃度が特定の値を超えたときに急峻に水素吸収量が増加する特性を持つ。
【選択図】 図3

Description

本発明は、水素センサ、特に微量の水素を確実に検知する水素センサに用いて好適な技術に関する。
燃料電池の普及に伴う課題として水素ガスの安全対策があげられる。水素ガスの漏洩を素早く、確実に検知できる水素センサが必要である。
特許文献1に開示されている水素ガスセンサがある。これは、水晶振動子の表面に水素ガスを吸収するパラジウムのスパッタリング膜を形成してなるものである。雰囲気中の水素ガスの濃度に応じてパラジウムが水素を吸収し、この吸収による重量変化に応じて水晶振動子の共振周波数が変化する。共振周波数の変化を測定すれば水素ガス濃度を測定できる原理である。
特開平02−110341号公報
水晶振動子の共振周波数は温度により変化する特性を有し、これは出力値の原点変動の大きな要因である。つまり温度が変動すると、水素吸収量に対応する共振周波数の出力値が変動する可能性がある。湿度、気圧等の変化も原点変動の要因である。また、他の要因として、水晶振動子に固定する水素吸収材の自然酸化による重量増もある。
原点が変動すると正確な水素濃度の測定が困難になる。対策として、定期的に原点を補正することが必要となる。
しかし、上記の水素センサでは出力値変動の各要因に対する感度が非常に高く、例えば温度による原点変動を補償しようとした場合、温度を0.1℃の精度で制御することが必要であり、工業的に適用しようとした場合に現実的ではなかった。
また、同様にして、他の湿度、気圧、あるいは、水素吸収材の自然酸化の原点変動に対する影響もセンサの感度に対して非常に大きいため、これらに対する制御をおこなって原点変動を補償しようとした場合、いずれも非常に精密な制御をおこなうことが必要であり、実用的ではなかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、雰囲気中の水素濃度が所定の値を超えたときに確実に検知できる水素センサを提供することを目的としている。
すなわち、検知したい水素濃度(所定の閾値)の近傍で水素センサ出力が大きく変化するようにして、たとえ、出力ノイズがあっても検知したい水素濃度(閾値)を確実に検知できるようにすることにある。また水晶振動子に固定する水素吸収材の自然酸化による出力変動を小さくすることにある。
本発明の水素センサは、気体に含まれる水素を検知する水素センサであって、
可逆的に水素を吸収・排出する水素吸収材と、前記吸収・排出に伴う前記水素吸収材の重量変化を検出し、対応する水素濃度を算出する重量変化検出手段とを有し、
前記水素吸収材が、所定の温度において水素濃度が特定の閾値を越えたときに急峻に水素吸収量が増加する特性を持つことにより上記課題を解決した。
また、本発明において、前記重量変化検出手段が、圧電振動体に電極を設けた圧電振動素子とされ、該圧電振動素子の周波数変化により検出するものである手段か、または、圧電層上に少なくとも一対の櫛歯状電極を設けた表面弾性波素子とされ、該表面弾性波素子の表面弾性波伝播速度変化により検出するものである手段を採用することもできる。
本発明においては、前記水素吸収材が粒状であり、バインダー樹脂との混合物とされて前記重量変化検出手段の素子表面に設けられてなることが可能であり、さらに、前記バインダー樹脂が水素選択透過性を有することが望ましい。
本発明において、前記水素吸収材が、前記重量変化検出手段の素子表面に薄膜状に設けられてなることができ、この場合、前記水素吸収材が水素透過膜により保護されてなることがより好ましい。
本発明においては、前記水素吸収材における前記閾値が所定の検知水素濃度条件と一致するように水素センサの温度条件を制御する温度制御手段が設けられてなることができる。
本発明の水素センサにおいては、前記水素吸収材料が、Pdを主成分とする材料、ZrNi合金、ZrCr合金、TiMn合金、TiFeMn合金、TiFeZrNb合金、FeTiO合金、MgNi合金、CaNi合金、LaNi合金、LaNiAl合金、MmNiAl合金、MmNiFe合金、LmNi合金のいずれかを含む材料であることができる。
ただし、Mmはミッシュメタルであり、Lmはランタンリッチミッシュメタルである。
本発明の水素センサにおいては、前記バインダー樹脂が、ポリイミド、あるいは、ベンゾシクロブテン樹脂とされてなることができる。
本発明では、前記水素透過膜が、酸化珪素、窒化珪素、あるいは前記バインダー樹脂からなることができる。
ここで、前記水素透過膜が、窒化珪素からなる場合には、水素を選択的に透過可能とするように、いわゆる分子レベルでの孔を有する構造とすることができ、このような窒化珪素膜は、ポリシラザンを塗布し、酸素のない状態で加熱することにより有機物を除去すること等により多数のボアを形成することにより製造可能である。
本発明の水素センサは、前記水素吸収材が、所定の温度において水素濃度が特定の閾値を越えたときに急峻に水素吸収量が増加する特性を持つことにより、閾値以下の水素濃度では、出力に影響がない程度にしか水素吸収材が水素を吸収しないとともに、閾値あるいは閾値を越えた水素濃度では急激に水素を吸収するため、水素濃度が閾値を越えると、水素吸収材の重量が急激に増加する。従って、この水素吸収材が急激に水素を吸収した際に、この水素の吸収に伴って急激に変化する水素吸収材の重量変化を重量変化検出手段により検出することで、水素濃度が閾値を越えているか否かを確実に検知することができる。
本発明において、特筆すべきは、水素吸収材が閾値を有するために、例え温度・湿度・気圧・自然酸化等による原点変動が発生したとしても、閾値における検知状態としては影響がないため、安定して所定の水素濃度に対応して検知をおこなうことが可能となることである。
具体的には、水素吸収材料の重量変化を、周波数を出力信号として検出する場合に、図9に示すように、従来のように水素濃度と周波数とが(代数的に)線形に変化するものが破線で示されるのに対して、本願発明では、図8で実線に示すように、閾値である水素濃度になってはじめて水素が大幅に吸収されるため、水素濃度が閾値になってはじめて大幅な重量変化がおこり、周波数の急峻な変化が出力信号として出力される。
したがって、図9においてC0で示す幅で出力が原点変動した際に、破線で示す線形出力の従来例では、検知濃度よりも水素濃度が低い場合の変動幅C1’,C2’が、C3で示す検知濃度における周波数の変動幅とΔf’で示すように重なってしまう。つまり温度・湿度・気圧・自然酸化等による原点変動の影響で、水素濃度検知が不正確になることがある。
これに対して、本願発明では、図8において実線で示すように、閾値近辺で水素吸収量が急峻に増える、つまり、それまでほぼ変化しなかった周波数出力が急激に低下する。したがって、図8においてC0で示す幅で出力が原点変動した際に、閾値である水素濃度における出力の変動幅C3がそれより低い水素濃度での出力の変動幅C2と重なっていない。したがって、たとえ、例え原点変動が生じたとしても、原点変動に影響を受けることなく極めて正確に水素濃度が閾値を越えたかどうかの検知をおこなうことができる。
また、本発明において、前記重量変化検出手段が、圧電振動体に電極を設けた圧電振動素子とされ、該圧電振動素子の周波数変化により水素濃度変化を検出する手段とされることにより、図1に示すように、水素吸収材料の重量変化を、周波数を出力信号として検出することが可能となる。このような構成とすることで、9MHz程度とされる厚みすべりモードの振動数に対して、数Hzの周波数変化を検出する精度を有するとともに、原点変動の影響を受けずに水素濃度の閾値を越える変化を検知して、動作信頼性を向上することが可能となる。
また、本発明では、前記重量変化検出手段が、圧電層上に少なくとも一対の櫛歯状電極を設けた表面弾性波素子とされ、該表面弾性波素子の表面弾性波伝播速度変化により水素濃度を検出する手段を採用することにより、たとえ水素センサ自体が振動する環境で使用したとしても影響がないため、上記圧電振動素子とされた構成よりも振動に対して動作信頼性が高い水素センサを提供することが可能となる。
本発明においては、前記水素吸収材が粒状であり、バインダー樹脂との混合物とされて前記重量変化検出手段の素子表面に設けられてなることにより、層状・板状等のバルクの水素吸収材料とされた場合に比べて水素吸収材料が割れ、剥離等を起こすことを防止することができ、これらの割れ・剥離等に起因する動作の不正確性を回避することが可能であり、さらに、前記バインダー樹脂が水素選択透過性を有することにより、水素吸収材をコーティングすることができ、雰囲気ガス中の酸素、水分等の影響から水素吸収材を保護して湿度・気圧・自然酸化等による原点変動が発生することを低減できる。
本発明において、前記水素吸収材が、前記重量変化検出手段の素子表面に薄膜状に設けられてなることにより、前記重量変化検出手段が、圧電振動素子とされた場合には、圧電振動体または電極表面とされる素子表面に水素吸収材を設けて、水素吸収材の重量変化を圧電振動素子の周波数変化として検出することが可能となり、また、前記重量変化検出手段が表面弾性波素子とされた場合には、圧電層上水素吸収材を設けて、水素吸収材の重量変化を圧電素子上の表面弾性波の伝播速度変化として検出することができる。これらによって、より精度の高い、閾値水素濃度の検知が可能となる。
本発明において、前記水素吸収材が水素透過膜により保護されてなることにより、水素を選択的に透過して水素吸収材に到達させ、精度よく水素濃度の検知をおこなうとともに、同時に、水素吸収材をコーティングすることができ、雰囲気ガス中の酸素、水分等の影響から水素吸収材を保護して湿度・気圧・自然酸化等による原点変動が発生することを低減できる。
本発明においては、前記水素吸収材における前記閾値が水素センサの検知水素濃度条件と一致するように水素センサの温度条件を制御する温度制御手段が設けられ、温度制御手段によって水素吸収材を一定温度に制御することで、水素吸収材の吸収開始分圧(後述)を設定することができ、水素吸収材に設けられた重量変化検出手段が、水素吸収材の重量の変化をモニタ可能となる。
ここで、水素吸収材を所定の一定温度とすると、その温度と水素吸収材中に既に存在する水素量により一義的に、水素吸収材が水素の吸収を開始する水素分圧(以下、 「吸収開始分圧」と言う)が決定される。水素吸収材が一定温度においては、プラトーと呼ぱれる、水素吸収材中の水素量に関らず吸収開始分圧がほとんど変化しない領域がある。このプラトー領域では、温度により一義的に、水素吸収材の吸収開始分圧が決定される。水素吸収材は、気体中の水素分圧が吸収開始分圧未満の場合には、水素を吸収せず、水素分圧が吸収開始分圧以上となると水素の吸収を開始する。
水素吸収材が水素の吸収を開始すると、水素吸収材の重量に変化が生じるので、この重量の変化を追跡することで、気体中における吸収開始分圧以上の水素の存在を検知することができる。
より具体的には、温度制御手段によって水素吸収材を一定温度に制御することで、水素吸収材の吸収開始分圧を設定し、水素吸収材に設けられた重量変化検出手段が、水素吸収材の重量の変化をモニタする。気体中の水素分圧が、吸収開始分圧以上の場合には、水素吸収材は水素を吸収して、重量が変化するので、この変化は、重量変化検出手段により検出され、気体中に吸収開始分圧以上の水素が存在することが検知される。
気体に含まれる水素分圧が所定値以上の場合に水素吸収材が水素を吸収するように、温度を制御するので、予め水素センサを設置する場所の圧カが分かれば、水素分圧から水素濃度を検知することができる。
本発明の水素センサは、水素吸収材を用いているので、水素に対して高い選択性を有する。
温度制御手段は、例えば、重量変化検出手段に設けられたペルチェ素子(熱電素子)を有する構成とすることができる。
図10は、温度制御手段の一例を示すブロック図であり、図において、符号50は、温度制御手段の全体構成を示す。
この温度制御手段50は、水素吸収材を有する水素反応素子10と、該水素反応素子10と熱を受け渡し可能な熱電素子53と、該熱電素子53に接続された駆動回路54と、前記水素反応素子10の温度を測定する温度センサ55と、該温度センサ55の出力により前記熱電素子53へ供給する駆動電流を制御して前記水素吸収材52の温度を一定に保つ温度制御回路56と、を有するものとされる。
本発明によれば、上記の構成を有するため、原点変動の影響を受けずに、閾値以下の水素濃度では、出力に影響がない程度にしか水素吸収材が水素を吸収しないとともに、閾値あるいは閾値を越えた水素濃度では急激に水素を吸収するため、水素濃度が閾値を越えると、水素吸収材の重量が急激に増加する。従って、この水素吸収材が急激に水素を吸収した際に、この水素の吸収に伴って急激に変化する水素吸収材の重量変化を前記重量変化検出手段により検出することで、水素濃度が閾値を越えているか否かを確実に検知することができるという効果を奏することができる。
以下、本発明に係る水素センサの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における水素センサの動作を示すためのブロック図であり、図において、符号1は、水素センサである。
本実施形態の水素センサ1は、重量変化検出手段として周波数変化を検出するタイプとされ、水素反応素子10と発振回路20と判定回路30とから構成されている。
この水素センサ1では、水素反応素子10の周波数変化から所定の水素濃度以上になったことを判定回路で判断して最終的に水素検知信号を出カする。
図2は、本実施形態の水素反応素子10を示す模式断面図である。
本実施形態の水素反応素子10では、圧電振動素子11表面に粒状の水素吸収材とバインダー樹脂との複合体(混合物)15,16が形成されている。
圧電振動素子11は、ATカットした薄い板状の水晶とされる圧電振動体12と、この圧電振動体12の両面に設けられた電極13,14とから構成されている。
つまり、重量変化検出手段としては、圧電振動素子11と発振回路20と判定回路30とを有するものとされる。
電極13,14には発振回路20と判定回路30とに接続される電気信号伝達用の端子13a,14aが接続され、この電極13,14の表面に、水素吸収材であるZrNi合金粉末とバインダー樹脂で構成された複合体(混合物)15,16が形成されている。
水素吸収材は、粒径が30μm以下のものが選択されることが好ましく、30μmよりも粒径を大きくした場合には、水素吸収材が欠け、割れ等を生じて水素センサの出力が変動してしまう可能性があるため好ましくない。
バインダー樹脂がベンゾサイクロブテン樹脂と溶剤(メシチレン)とからなるものとされる。
複合体(混合物)15,16は、上記の樹脂とZrNi合金粉末とを自動乳鉢で十分に混合しぺ一ストを作成し、得られたぺ一ストをディスペンサで電極13,14上に極微少量を塗工し、これを乾燥、焼成して厚さ120μmとして形成した。
本実施形態の水素センサ1においては、水素反応素子10が発振回路20からの信号により所定の周波数で振動され、この状態で判定回路30により周波数変化を測定する。
ここで、圧電振動体12と電極13,14からなる圧電振動素子11は概略9MHzの厚みすべりモードで振動するようにされている。ここで、ATカットの水晶振動子には温度変化による共振周波数変化がすくないという特長がある。
図4は、本実施形態の水素センサ1の出力である周波数が水素濃度の変化によってどのように変化するかを示すグラフである。
図4に示す状態では、水素センサ1の閾値水素濃度として1%となるように温度を設定した。すなわち、水素反応素子10を配置した測定チャンバーを恒温槽に入れて、水素反応素子10と雰囲気空気を10℃に維持した。この温度において、空気のみを処置状態とし、それから切り替えて、水素ガス0.9%および水素1%含有空気に曝した際における水素センサ1の応答を示している。
空気から水素1%含有空気への雰囲気切り替えにより振動周波数が30Hz程皮低下した。水素吸収材料が水素を吸収することで重量増となり式(1)で示した数式により共振周波数が低下したからである。

△f=C×△m (1)
△f:共振周波数変化
C:定数
△m:電極表面付着物質の質量変化

一方、空気から0.9%水素含空気への切り替えでは共振周波数の変化を測定できなかった。
実験結果から、本実施形態の水素センサ1では1%の水素で急激に共振周波数変化を示す水素センサ1を使用することで共振周波数のノイズ成分に影響されずに確実に水素濃度閾値1%を検知できることがわかる。
以下、本発明に係る水素センサの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態における水素センサの水素反応素子10を示す断面図である。
本実施形態の水素センサ1では、その基本構成は図1に示す第1実施形態と概略同様に水素反応素子10と発振回路20と判定回路30とから構成されているが、水素感応素子10に関する点が異なるものである。
本実施形態でも、図3に示すように、圧電振動素子11は概略9MHzの厚みすべりモードで振動するように設計されたものを適用した。水晶振動子12表面には電極13,14としてCr/Auをスパッタリング法で成膜した。パターニングはフォトプロセスで行なった。Au電極13,14は酸素に対して耐性があり、水素を透過しないので水素感応素子10用として適材である。
本実施形態では、図3に示すように、圧電振動素子11表面に水素吸収材15a,16aが板状(薄膜層状)に設けられ、この水素吸収材15a、16aが水素透過膜17,18により覆われている。
具体的には、Au電極13,14上に水素吸収材15a,16aとしてZrNi薄膜を真空成膜プロセスのスパッタリング法で500nm厚に成膜した。
ZrNi合金は薄膜として用いると非常に酸化しやすいことが知られている。したがって、酸化を防ぎ水素を透過させる膜による保護が必須となる。
水素透過膜17,18は、水素吸収材15a,16aを外部の水分、酸素等から保護するように、全体を覆って保護しており、この水素透過膜17,18は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、あるいは第1実施形態におけるバインダー樹脂と同様、ベンゾサイクロブテン樹脂と溶剤(メシチレン)とからなることもできるが、本実施形態では、酸化ケイ素を真空蒸着により成膜した。酸化ケイ素からなる水素透過膜17とAu電極13とでZrNi薄膜からなる水素吸収材15aを、また、水素透過膜18とAu電極14とでZrNi薄膜からなる水素吸収材16aを包み込んだ構造とされている。
本実施形態において、水素吸収材15a.16aが、水素感応素子10表面に薄膜状に設けられ、水素吸収材15a.16aが水素透過膜17,18およびAuからなる電極13,14により保護されてなることにより、第1実施形態と同様に水素の検知をおこなうことができ、さらに、その際、水素透過膜17,18が水素を選択的に透過して水素吸収材15a.16aに到達させ、精度よく水素濃度の検知をおこなうことができるとともに、同時に、水素吸収材15a.16aをコーティングすることができ、雰囲気ガス中の酸素、水分等の影響から水素吸収材15a.16aを保護して湿度・気圧・自然酸化等による原点変動が発生することを低減できる。
図5は、本実施形態の水素センサ1の出力である周波数が水素濃度の変化によってどのように変化するかを示すグラフである。
図5に示す状態では、1日空気中に放置した後、酸化ケイ素からなる水素透過膜17,18の有無によって生じる特性の違いを比較した。
水素透過膜17,18ありの水素反応素子10は水素1%含有空気に曝されることで、共振周波数が10Hz程度低下した。この低下は水素吸収材15a.16aが水素を吸収することで質量増加したからである。一方、水素透過膜17,18なしの水素反応素子10では、水素1%含有空気に曝されると共振周波数が増加した。図5においては、保護膜有り、無しと表記してある。
このように水素透過膜17,18なしの水素反応素子10で周波数が増加する現象は、1日放置したことによって水素吸収材15a.16a表面に生成していた酸化物からの酸素の解離(還元)によって水素吸収材15a.16aにおける水素吸収による重量増加を打ち消してしまっているものと考えられる。つまり、酸化ケイ素水素からなる水素透過膜17,18を形成していないために水素吸収材15a.16a表面に酸化物が生成することが根本原因であり、本実施形態のように、水素透過膜17,18を設けることにより、雰囲気ガス中の酸素、水分等の影響から水素吸収材15a.16aを保護して湿度・気圧・自然酸化等による原点変動を低減できることがわかる。
以下、本発明に係る水素センサの第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態における水素センサの水素反応素子を示す斜視図である。
本実施形態の水素センサ1では、その基本構成は図1に示す第1実施形態と概略同様に水素反応素子10と発振回路20と判定回路30とから構成されているが、水素反応素子10に関する点が異なるものである。
本実施形態では、図6に示すように、重量変化検出手段として、圧電層(圧電体基板)42上に一対の櫛歯状電極43,44を設けた表面弾性波素子(SAW素子)41とされ、表面弾性波伝播速度変化を検出するタイプとされる。
表面弾性波素子41は、弾性体の表面を伝播する表面弾性波(Surface Acoustic Wave,以下、SAWと略記することもある)を利用した電気・機械変換素子である。
本実施形態のSAW素子41では圧電体単結晶材料からなる基板42の表面に入力用電極43、出力用電極44が形成されている。これら電極43,44は複数の電極指を有する櫛形の電極であり、電気信号と弾性表面波との間の変換器(Inter-Digital Transducer, 以下、IDT電極と記すこともある)として機能する。また、基板42の圧電体材料としては、タンタル酸リチウム(LiTaO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)などが用いられる。
基板42上の電極43,44の間には、実施形態1と同様に、水素吸収材料であるZrNi合金粉末とバインダー樹脂で構成された複合体45が形成されている。 電極43,44には発振回路20と判定回路30とに接続される電気信号伝達用の端子43a,44aが接続され、
この水素センサ1では、水素反応素子10の周波数変化から所定の水素濃度以上になったことを判定回路30で判断して最終的に水素検知信号を出カする。
この水素センサ1は、水素吸収材であるZrNi合金粉末は粒径が30μm以下とされている。また、水素センサ1の製造方法としては、バインダー樹脂のベンゾサイクロブテン樹脂と溶剤(メシチレン)とZrNi合金粉末を白動乳鉢で十分に混合しぺ一ストを作成し、得られたぺ一ストをロールコーターで圧電体基板42上に塗布し乾燥、焼成して複合体45を形成した。
この水素センサ1では、水素雰囲気に暴露することで水素吸収材に水素を吸収させ、水素の吸収により水素吸収材の質量が重くなることで、電極43から送信された弾性表面波が受信電極44に到達するまでの時間が遅くなる。この遅延時間を測定することで水素濃度を検知する。
本実施形態の水素センサ1では、圧電基板42上の櫛歯状電極43,44間に水素吸収材を設けた表面弾性波素子41とし、表面弾性波伝播速度変化により水素濃度を検知する構成としたことにより、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、さらに、たとえ水素センサ1自体が振動する環境で使用したとしても振動による影響がないため、上述した圧電振動素子とされた第1実施形態よりも振動に対して動作信頼性が高い水素センサを提供することが可能となる。
以下、本発明に係る水素センサの第4実施形態を、図面に基づいて説明する。
図7は、本実施形態における水素センサの水素反応素子を示す断面図である。
本実施形態の水素センサ1では、その基本構成は図6に示す第1実施形態と概略同様に水素反応素子10と発振回路20と判定回路30とから構成されているが、水素感応素子10に関する点が異なるものである。
本実施形態では、図3に示すように、圧電体基板42表面に水素吸収材45aが板状(薄膜層状)に設けられ、この水素吸収材45aが水素透過膜47により覆われている。
具体的には、水素吸収材45aとしてZrNi薄膜を真空成膜プロセスのスパッタリング法で500nm厚に成膜した。
本実施形態においても、第2実施形態と同様に、水素吸収材45aが、SAW素子41表面に薄膜状に設けられ、水素吸収材45aが水素透過膜47により保護されてなることにより、第1〜3実施形態と同様に水素の検知をおこなうことができ、さらに、その際、水素透過膜47が水素を選択的に透過して水素吸収材45aに到達させ、精度よく水素濃度の検知をおこなうことができるとともに、同時に、水素吸収材45aをコーティングすることができ、雰囲気ガス中の酸素、水分等の影響から水素吸収材45aを保護して湿度・気圧・自然酸化等による原点変動が発生することを低減できる。
なお、上記の第3,4実施形態では、圧電体基板42としたが、基板表面に圧電層を形成した構成とすることもできる。
本発明に係る水素センサの第1実施形態における動作を示すためのブロック図である。 本発明に係る水素センサの第1実施形態における水素反応素子10を示す模式断面図である。 本発明に係る水素センサの第2実施形態における水素反応素子10を示す模式断面図である。 本発明に係る水素センサの第1実施形態における出力である周波数が水素濃度の変化によってどのように変化するかを示すグラフである。 本発明に係る水素センサの第2実施形態における出力である周波数が水素濃度の変化によってどのように変化するかを示すグラフである。 本発明に係る水素センサの第3実施形態における水素反応素子10を示す斜視図である。 本発明に係る水素センサの第4実施形態における水素反応素子10を示す模式断面図である。 本発明に係る水素センサの出力である周波数が水素濃度の変化によってどのように変化するかを示す模式的グラフである。 従来の水素センサの出力である周波数が水素濃度の変化によってどのように変化するかを示す模式的グラフである。 本発明に係る水素センサに設けられる温度制御手段の一例を示すブロック図である。
符号の説明
1 水素センサ
10 水素反応素子
11 圧電振動素子
12 圧電振動体
13a,14a 端子
13,14 電極
15a,16a 水素吸収材
15,16 複合体
17,18 水素透過膜
20 発振回路
30 判定回路
41 表面弾性波素子
42 圧電体基板
43,44 電極
43a,44a 端子
45 複合体
45a 水素吸収材
47 水素透過膜


Claims (8)

  1. 気体に含まれる水素を検知する水素センサであって、
    可逆的に水素を吸収・排出する水素吸収材と、前記吸収・排出に伴う前記水素吸収材の重量変化を検出し、対応する水素濃度を算出する重量変化検出手段とを有し、
    前記水素吸収材が、所定の温度において水素濃度が特定の閾値を越えたときに急峻に水素吸収量が増加する特性を持つことを特徴とする水素センサ。
  2. 前記重量変化検出手段が、圧電振動体に電極を設けた圧電振動素子とされ、該圧電振動素子の周波数変化により検出するものであることを特徴とする請求項1記載の水素センサ。
  3. 前記重量変化検出手段が、圧電層上に少なくとも一対の櫛歯状電極を設けた表面弾性波素子とされ、該表面弾性波素子の表面弾性波伝播速度変化により検出するものであることを特徴とする請求項1記載の水素センサ。
  4. 前記水素吸収材が粒状であり、バインダー樹脂との混合物とされて前記重量変化検出手段の素子表面に設けられてなることを特徴とする請求項2または3記載の水素センサ。
  5. 前記バインダー樹脂が水素選択透過性を有することを特徴とする請求項4記載の水素センサ。
  6. 前記水素吸収材が、前記重量変化検出手段の素子表面に薄膜状に設けられてなることを特徴とする請求項2または3記載の水素センサ。
  7. 前記水素吸収材が水素透過膜により保護されてなることを特徴とする請求項6記載の水素センサ。
  8. 前記水素吸収材における前記閾値が所定の検知すべき水素濃度と一致するように水素センサの温度条件を制御する温度制御手段が設けられてなることを特徴とする請求項1から7のいずれか記載の水素センサ。

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