JP2005189083A - 自動車用角速度または自動車用角度センサ、およびそれらの故障検出方法 - Google Patents

自動車用角速度または自動車用角度センサ、およびそれらの故障検出方法 Download PDF

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Futoshi Magosaki
太 孫崎
Toru Kitamura
透 北村
Kenichi Shiiyama
賢一 椎山
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Abstract

【課題】XYZ直交3軸の角速度または角度を検知できる自動車用角速度または自動車用角度センサ、ならびにそれらの故障検出方法の提供
【解決手段】直交するX軸とY軸を含む水平平面とこの平面に垂直なZ軸からなる直交3軸座標系において、下記の(a)および(b)の条件を満足する4つのジャイロから構成されることを特徴とする自動車用角速度または自動車用角度センサ。このセンサは、それぞれのジャイロで角速度ω1、ω2、ω3およびω4を測定し、f値(=ω1−ω2+ω3−ω4)に基づいて故障の有無を判断することができる。
(a)上記4つのジャイロの測定軸と水平平面とがなす角度をθ1、θ2、θ3およびθ4(但し、いずれも90°未満)とするとき、これらの角度が相互に等しいこと
(b)上記4つのジャイロのうちの1つのジャイロの測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度をαとするとき、他の3つのジャイロの測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度がそれぞれ180°−α、180°+αおよび360°−αであること
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車用角速度または自動車用角度センサ、およびそれらの故障検出方法に関する。
近年の自動車には、ビークルダイナミックスシステム(路面状態に応じて自動車を安全に走行させるシステム)、アクティブサスペンションシステム、アクティブ後輪操舵システム、ロールオーバー検出システムなど走行の安全性を高めるためのシステムが多く採用されている。これらのシステムは、車体に取り付けられた角速度センサ、加速度センサなどの測定データに基づいて自動車の動作を制御することとしている。
角速度センサとしてはジャイロが用いられる。従来、ビークルダイナミクスシステムにおいては、他のセンサ(例えば、車速センサ、ステアリングの舵角センサ等)を併用することによりフェールセーフ構築されており、角速度センサは垂直軸(Z軸)周りの角速度の検知ができればよいこととされていた。このため、自動車用角速度センサとしては、1つのジャイロをその測定軸がZ軸と平行になるように車体に設置したものが用いられてきた。
しかし、最近では、より高い精度と信頼性をもって自動車の状態を検知し、上述の車両制御システムにフィードバックすることが求められてきている。このため、垂直軸(Z軸)と平行方向の角速度だけでなく、XYZ直交3軸座標系の3軸それぞれの角速度も検知できる角速度センサへの要請が強くなっている。また、角速度ではなく、角度も出力するセンサ、または角速度および角度を出力するセンサも求められている。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、XYZ直交3軸座標系の3軸それぞれの角速度および角度も検知できる自動車用角速度または自動車用角度センサ、およびその故障検出方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記(A)の自動車用角速度または自動車用角度センサ、および下記(B)の故障検出方法を要旨とする。
(A)直交するX軸とY軸を含む水平平面とこの平面に垂直なZ軸からなる直交3軸座標系において、下記の(a)および(b)の条件を満足する4つのジャイロから構成されることを特徴とする自動車用角速度または自動車用角度センサ。
(a)上記4つのジャイロの測定軸と水平平面とがなす角度をθ1、θ2、θ3およびθ4(但し、θ1、θ2、θ3およびθ4はいずれも90°未満)とするとき、これらの角度θ1、θ2、θ3およびθ4が相互に等しいこと、
(b)上記4つのジャイロのうちの1つのジャイロの測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度をαとするとき、他の3つのジャイロの測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度がそれぞれ180°−α、180°+αおよび360°−αであること。
(B)直交するX軸とY軸を含む水平平面とこの平面に垂直なZ軸からなる直交3軸座標系において、下記の(a)および(b)の条件を満足する4つのジャイロから構成される自動車用角速度または自動車用角度センサの故障検知方法であって、それぞれのジャイロで角速度ω1、ω2、ω3およびω4を測定し、下記の(1)式から得られるf値に基づいて故障の有無を判断することを特徴とする自動車用角速度または自動車用角度センサの故障検知方法。
(a)上記4つのジャイロの測定軸と水平平面とがなす角度をθ1、θ2、θ3およびθ4(但し、θ1、θ2、θ3およびθ4はいずれも90°未満)とするとき、これらの角度θ1、θ2、θ3およびθ4が相互に等しいこと、
(b)上記4つのジャイロのうちの1つのジャイロの測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度をαとするとき、他の3つのジャイロの測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度がそれぞれ180°−α、180°+αおよび360°−αであること。
f=ω1−ω2+ω3−ω4 ・・・(1)
上記(A)および(B)において、上記の角度θ1、θ2、θ3およびθ4は、相互に25°〜55°の範囲で等しいことが望ましく、上記の角度αは35°〜55°の範囲内にあることが望ましい。
1.自動車用角速度または自動車用角度センサについて
自動車用角速度センサは、自動車の角速度信号を検知、出力するセンサであり、自動車用角度センサは、検知された角速度信号を積分して得られる角度を出力するセンサである。従って、これらのセンサの検知手段は共通し、その故障検知方法も共通するので、以下の説明では自動車用角速度センサについて述べる。
図1は、本発明に係る自動車用角速度センサの一例を模式的に表した斜視図であり、図2は、その上面図である。
図1および図2に示すように、本発明に係る自動車用角速度センサ1は、4つのジャイロG1、G2、G3およびG4から構成されている。そして、XYZ直交3軸座標系において、これらのジャイロG1、G2、G3およびG4は、その測定軸と水平平面(XY平面)とがなす角度をθ1、θ2、θ3およびθ4(但し、θ1、θ2、θ3およびθ4はいずれも90°未満)とするとき、これらの角度θ1、θ2、θ3およびθ4が相互に等しい(以下、これらの角度をθとする)。また、ジャイロG1の測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度をαとするとき、他の3つのジャイロG2、G3およびG4の測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度がそれぞれ180°−α、180°+αおよび360°−αである。
本発明に係る自動車用角速度センサは、このような構成を有するので、Z軸方向の回転の検知だけでなく、X軸方向、Y軸方向の回転の検知もできる。
この自動車用角速度センサにおいて、各ジャイロG1、G2、G3およびG4で検出される角速度ω1、ω2、ω3およびω4は、自動車の回転運動についての角速度のX軸成分(ロール角速度)Ωx、Y軸成分(ピッチ角速度)ΩyおよびZ軸成分(ヨー角速度)Ωz を用いて、下記の(2)〜(5)式により求められる。
ω1=(Ωx cosα+Ωy sinα)cosθ+Ωz sinθ ・・・(2)
ω2=(−Ωx cosα+Ωy sinα)cosθ+Ωz sinθ ・・・(3)
ω3=(−Ωx cosα−Ωy sinα)cosθ+Ωz sinθ ・・・(4)
ω4=(Ωx cosα−Ωy sinα)cosθ+Ωz sinθ ・・・(5)
従って、自動車の回転運動についての角速度のX軸成分Ωx、Y軸成分ΩyおよびZ軸成分Ωz は、ω1、ω2、ω3およびω4を使って、下記の(6)〜(8)式のように表される。
Ωx=(ω1−ω2)/(2cosαcosθ)または(ω4−ω3)/(2cosαcosθ)・・・(6)
Ωy=(ω2−ω3)/(2sinαcosθ)または(ω1−ω4)/(2sinαcosθ)・・・(7)
Ωz=(ω1+ω3)/(2sinθ)または(ω2+ω4)/(2sinθ)・・・(8)
上記の(6)〜(8)式に示すように、Ωx、ΩyおよびΩz の解は2ずつ得られるが、通常は下記の(9)〜(11)に示す平均値を各軸方向の角速度とすればよい。
Ωx=(ω1−ω2−ω3+ω4)/(4cosαcosθ) ・・・(9)
Ωy=(ω1+ω2−ω3−ω4)/(4sinαcosθ) ・・・(10)
Ωz=(ω1+ω2+ω3+ω4)/(4sinθ) ・・・(11)
自動車用角速度センサの設置角度αは35°〜55°が望ましく、設置角度θは25°〜55°が望ましい。その理由は下記のとおりである。
図3および図4は、設置角度αおよびθと3軸それぞれの角速度誤差との関係を示す図であり、図3は、設置角度θを45°一定に保った状態で設置角度αを変化させたときの結果であり、図4は、設置角度αを45°一定に保った状態で設置角度θを変化させたときの結果である。なお、角速度誤差とは、角速度誤差の評価基準としては、通常のジャイロ単体の角速度誤差と同程度である1.2以下を良好な範囲とする。
図3に示すように、Z軸方向の角速度誤差σは、設置角度αの値によって変動しないが、Y軸方向の角速度誤差σは、設置角度αが35°未満では1.2を超え、X軸方向の角速度誤差σは、設置角度αが55°を超えると1.2を超える。また、図4に示すように、σは、設置角度αが25°未満で1.2を超え、σおよびσは、設置角度θが55°を超えると1.2を超える。従って、自動車用角速度センサの設置角度αは35°〜55°が望ましく、設置角度θは25°〜55°が望ましい。
なお、4つのジャイロを設置する支持台としては、図1および図2に示すような正四角錐形のものに限定されることはなく、例えば、円錐形のものであってもよい。
2.自動車用角速度または自動車用角度センサの故障検知方法
本発明の自動車用角速度センサは、例えば、図1および図2における4つのジャイロG1、G2、G3およびG4で角速度ω1、ω2、ω3およびω4を測定し、下記の(1)式から得られるf値に基づいて故障の有無を判断することができる。
f=ω1−ω2+ω3−ω4 ・・・(1)
前記の(6)〜(8)式に示すように、本発明の自動車用角速度センサで検知される角速度のX軸成分Ωx、Y軸成分ΩyおよびZ軸成分Ωzの解は2ずつ得られる。そして、各成分の2つの解は故障がない場合には実質的に同一の値となるはずである。 前記の(6)〜(8)式に示すそれぞれの2つの解の差dΩx、dΩyおよびdΩzを求めると、下記の(12)〜(14)式のようになる。
x=(ω1−ω2+ω3−ω4)/(2cosαcosθ) ・・・(12)
y=(ω1−ω2+ω3−ω4)/(2sinαcosθ) ・・・(13)
z=(ω1−ω2+ω3−ω4)/(2sinθ) ・・・(14)
上記の(12)〜(14)式中のαおよびθは変動しないから、故障を検知する指標としては、各式の分子だけを残し、上記の(1)式で表すf値を用いることができる。そして、このf値が各ジャイロの許容誤差を考慮して大きすぎる場合には、故障したものと判断することができる。
なお、自動車用角速度センサとしては、3つのジャイロをX軸、Y軸、Z軸方向に向けて設置したものも考えられる。しかし、このような3つのジャイロから構成されるセンサでは、自動車が停止している状態か、走行中でも直線運動をしている場合を除いて故障を検知することができない。
しかし、実際には走行中、それも、蛇行やカーブを曲がっている最中にもジャイロの故障を検知する必要がある。これは、センサが走行中に故障したことをリアルタイムにシステムに出力して自動車の誤動作を防止するためである。本発明の自動車用角速度センサは、このようなときにもジャイロの故障を検知できるので、有用である。
本発明の自動車用角速度センサまたは自動車用角度センサによれば、Z軸方向だけでなく、X軸およびY軸方向の角速度または角度を検出することができる。また、上記の(1)式で示されるf値を用いて、停車中や直線走行中に限らず、蛇行やカーブを曲がっているときでも、容易に故障を検知できるので、ビークルダイナミクス制御用センサに最適である。
本発明に係る自動車用角速度センサの一例を模式的に表した斜視図である。 本発明に係る自動車用角速度センサの一例を模式的に表した上面図である。 設置角度θを45°の一定に保った状態で設置角度αを変化させたときの設置角度αと3軸それぞれの角速度誤差との関係を示す図である。 設置角度αを45°の一定に保った状態で設置角度θを変化させたときの設置角度θと3軸それぞれの角速度誤差との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 直交するX軸とY軸を含む水平平面とこの平面に垂直なZ軸からなる直交3軸座標系において、下記の(a)および(b)の条件を満足する4つのジャイロから構成されることを特徴とする自動車用角速度または自動車用角度センサ。
    (a)上記4つのジャイロの測定軸と水平平面とがなす角度をθ1、θ2、θ3およびθ4(但し、θ1、θ2、θ3およびθ4はいずれも90°未満)とするとき、これらの角度θ1、θ2、θ3およびθ4が相互に等しいこと、
    (b)上記4つのジャイロのうちの1つのジャイロの測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度をαとするとき、他の3つのジャイロの測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度がそれぞれ180°−α、180°+αおよび360°−αであること。
  2. 直交するX軸とY軸を含む水平平面とこの平面に垂直なZ軸からなる直交3軸座標系において、下記の(a)および(b)の条件を満足する4つのジャイロから構成されることを特徴とする自動車用角速度または自動車用角度センサ。
    (a)上記4つのジャイロの測定軸と水平平面とがなす角度をθ1、θ2、θ3およびθ4(但し、θ1、θ2、θ3およびθ4はいずれも90°未満)とするとき、これらの角度θ1、θ2、θ3およびθ4が相互に25°〜55°の範囲で等しいこと、
    (b)上記4つのジャイロのうちの1つのジャイロの測定軸の水平平面上における投射像とX軸とがなす角度をα(但し、αは35°〜55°の範囲内における角度)とするとき、他の3つのジャイロの測定軸の水平平面上における投射像とX軸とがなす角度がそれぞれ180°−α、180°+αおよび360°−αであること。
  3. 直交するX軸とY軸を含む水平平面とこの平面に垂直なZ軸からなる直交3軸座標系において、下記の(a)および(b)の条件を満足する4つのジャイロから構成される自動車用角速度または自動車用角度センサの故障検知方法であって、それぞれのジャイロで角速度ω1、ω2、ω3およびω4を測定し、下記の(1)式から得られるf値に基づいて故障の有無を判断することを特徴とする自動車用角速度または自動車用角度センサの故障検知方法。
    (a)上記4つのジャイロの測定軸と水平平面とがなす角度をθ1、θ2、θ3およびθ4(但し、θ1、θ2、θ3およびθ4はいずれも90°未満)とするとき、これらの角度θ1、θ2、θ3およびθ4が相互に等しいこと、
    (b)上記4つのジャイロのうちの1つのジャイロの測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度をαとするとき、他の3つのジャイロの測定軸を水平平面に投射した投射像とX軸とがなす角度がそれぞれ180°−α、180°+αおよび360°−αであること。
    f=ω1−ω2+ω3−ω4 ・・・(1)
  4. 直交するX軸とY軸を含む水平平面とこの平面に垂直なZ軸からなる直交3軸座標系において、下記の(a)および(b)の条件を満足する4つのジャイロから構成される自動車用角速度または自動車用角度センサの故障検知方法であって、それぞれのジャイロで角速度ω1、ω2、ω3およびω4を測定し、下記の(1)式から得られるf値に基づいて故障の有無を判断することを特徴とする自動車用角速度または自動車用角度センサの故障検知方法。
    (a)上記4つのジャイロの測定軸と水平平面とがなす角度をθ1、θ2、θ3およびθ4(但し、θ1、θ2、θ3およびθ4はいずれも90°未満)とするとき、これらの角度θ1、θ2、θ3およびθ4が相互に25°〜55°の範囲で等しいこと、
    (b)上記4つのジャイロのうちの1つのジャイロの測定軸の水平平面上における投射像とX軸とがなす角度をα(但し、αは35°〜55°の範囲内における角度)とするとき、他の3つのジャイロの測定軸の水平平面上における投射像とX軸とがなす角度がそれぞれ180°−α、180°+αおよび360°−αであること。
    f=ω1−ω2+ω3−ω4 ・・・(1)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102927995A (zh) * 2012-10-24 2013-02-13 北京航天自动控制研究所 一种在五个陀螺仪配置下的一致性故障诊断方法
CN104061933A (zh) * 2014-07-18 2014-09-24 上海新跃仪表厂 一种用于运载火箭的捷联惯性导航系统

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