JP2005183612A - 電子ビーム露光用マスク及び該マスクを用いた露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスクに歪を生じている場合であっても、マスクパターンを精度よくウエハに転写する。
【解決手段】所定のマスクパターンが形成されたマスクパターン領域を複数備えた電子ビーム露光用マスク30であって、複数のマスクパターン領域のうちの2以上には略同一のマスクパターンが形成されており、このうちの1以上のマスクパターン領域にはマスク歪計測用のパターンMが1以上形成されている。この電子ビーム露光用マスクにウエハ40を近接配置し、電子ビームによって電子ビーム露光用マスクを走査することにより電子ビーム露光用マスクに形成されたマスクパターンをウエハ上のレジスト層に転写する。その際、座標測定手段によりマスク歪計測用のパターンの位置座標を測定し、これにより電子ビーム露光用マスクの歪を算出し、算出された電子ビーム露光用マスクの歪より、ウエハ上のレジスト層に転写されるパターンが歪が除去された形状となるように、電子ビームの入射角度を制御しながらマスクパターンをウエハ上のレジスト層に転写する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子ビーム露光用マスク及び該マスクを用いた露光方法に係り、特に、高精度の転写を要求される電子ビーム露光に好適な電子ビーム露光用マスク及び該マスクを用いた露光方法に関する。
従来、この種の電子ビーム近接露光技術については、米国特許第5,831,272号(日本特許第2951947号に対応)に開示されている(特許文献1)。
図8は上記LEEPL(low energy electron beam proximity projection lithography )方式の電子ビーム近接露光装置の基本構成を示す図である。この電子ビーム近接露光装置10は、主として電子ビーム15を発生する電子ビーム源14と、電子ビーム15を平行ビームにするレンズ16及び整形アパーチャ18を含む電子銃12と、主偏向器22、24及び副偏向器26、28を含み、電子ビームを光軸に平行に走査する走査手段20と、マスク30とから構成されている。
マスク30は、表面にレジスト層42が形成されたウエハ40に近接するように(たとえば、隙間が50μmとなるように)配置される。この状態で、マスク30に垂直に電子ビームを照射すると、マスク30のマスクパターンを通過した電子ビームがウエハ40上のレジスト層42に照射される。
また、走査手段20は、図9に示されるように電子ビーム15がマスク30の全面を走査するように電子ビームを偏向制御する。これにより、マスク30のマスクパターンがウエハ40上のレジスト層42に等倍転写される。
この電子ビーム近接露光装置10は、図10に示されるように真空チャンバ50内に設けられている。真空チャンバ50内には、マスク30を支持するマスクステージ80と、このマスクステージ80に支持されたマスク30を水平の直交2軸方向(X方向及びY方向)に移動させるとともに、水平面内で回転させるためのマスク移動機構83が設けられている。また、真空チャンバ50内には、ウエハ40を吸着するために静電チャック60と、この静電チャック60に吸着されたウエハ40を水平の直交2軸方向に移動させるとともに、水平面内で回転させるためのθXYステージ(ウエハステージ)70が設けられている。θXYステージ70は、マスクパターンの等倍転写が終了するごとにウエハ40を所定量移動させ、これにより1枚のウエハ40に複数のマスクパターンが転写できるようにしている。なお、図10上で、ウエハ40の導通をとるために、ウエハ40の上面に押し当てられた導通ピン81が設けられる。
ところで、ウエハはそれぞれマスクパターンの異なる複数のマスクを用いて複数回露光され、これにより集積回路が形成される。そして、各マスクパターンの露光時には、露光するマスクパターンが、既に露光済みのマスクパターンと所定の位置関係になるようにマスクとウエハとを相対的に位置決めする必要がある。
ところが、マスクとウエハとの位置決めを精度よく行っても、例えばマスクに歪を生じている場合には、マスクパターンが設計値に対して伸縮している状態となり、露光されるパターンが設計値に一致しないという問題がある。
この問題を解決するために、マスクとウエハの倍率補正量を求める倍率補正量検出方法が提案されている(特許文献2)。この文献には、マスクをウエハに近接配置し、マスクパターンをウエハ上にX線露光する方法が開示され、また、倍率補正は、マスクを局所的に加熱して熱変形させたり、マスクに外部から応力を加えてマスクを変形させることによって行うことが開示されている。
また、これらとは別に、半導体回路等の集積回路の製造に必須の露光工程において、1枚のマスクに露光すべきパターンを複数個形成し、マスクの交換回数の低減、露光時間の短縮を図る提案がなされている(特許文献3)。この技術は1枚の電子ビーム露光用マスクに、たとえばホール層露光領域、配線層露光領域、ゲート層露光領域の3種の露光領域を設け、露光を行う際に、それぞれの露光領域を所定の位置に移動させて露光を行う方法を採用している。
米国特許第5,831,272号 特開2000−353647号公報 特開2002−367885号公報
しかしながら、マスクが設計値に対して伸縮している場合、特許文献2に記載のようにマスクを熱や外力によって変形させてマスクとウエハとの倍率を補正しても、精度よく変形させることが難しく、またマスクの変形の度合いを確認する必要があり、簡単に倍率補正を行うことができないという問題もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、マスクに歪を生じている場合であっても、マスクパターンを精度よくウエハに転写するのに好適な電子ビーム露光用マスク及び該マスクを用いた露光方法を提供することを目的とする。
前記課題を達成するために、本発明は、所定のマスクパターンが形成されたマスクパターン領域を複数備えた電子ビーム露光用マスクであって、前記複数のマスクパターン領域のうちの2以上は略同一のマスクパターンが形成されているマスクパターン領域であり、このうちの1以上のマスクパターン領域にはマスク歪計測用のパターンが1以上形成されていることを特徴とする電子ビーム露光用マスク、及び、この電子ビーム露光用マスクにウエハを近接配置し、電子ビームによって前記電子ビーム露光用マスクを走査することにより該電子ビーム露光用マスクに形成されたマスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写する電子ビーム近接露光方法において、座標測定手段により前記マスク歪計測用のパターンの位置座標を測定し、これにより前記電子ビーム露光用マスクの歪を算出するステップと、算出された前記電子ビーム露光用マスクの歪より、前記ウエハ上のレジスト層に転写されるパターンが前記歪が除去された形状となるように、前記電子ビームの入射角度を制御しながら前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写するステップと、を含むことを特徴とする電子ビーム近接露光方法を提供する。
本発明によれば、この電子ビーム露光用マスクは、所定のマスクパターンが形成されたマスクパターン領域を複数備えているので、マスクパターン領域が1個の通常のマスクと比べて、マスクのコストを低減することができる。
また、1以上のマスクパターン領域にはマスク歪計測用のパターンが1以上形成されているので、このパターンの測定によりマスクの歪を算出でき、ウエハ上のレジスト層に転写されるパターンの歪が除去された形状となるように制御できる。これによりマスクパターンを精度よくウエハに転写できる。
本発明において、前記マスクがステンシルマスクであることが好ましい。このようなステンシルマスクは、マスクパターン領域が薄膜により形成されており、歪が生じ易いことより、本発明の、歪が除去された形状となるように露光できる効果が発揮できる。
以上説明したように、本発明によれば、電子ビーム露光用マスクは、所定のマスクパターンが形成されたマスクパターン領域を複数備えているので、マスクパターン領域が1個の通常のマスクと比べて、マスクのコストを低減することができる。
また、1以上のマスクパターン領域にはマスク歪計測用のパターンが1以上形成されているので、このパターンの測定によりマスクの歪を算出でき、ウエハ上のレジスト層に転写されるパターンの歪が除去された形状となるように制御できる。これによりマスクパターンを精度よくウエハに転写できる。
以下、添付図面に従って本発明に係る電子ビーム露光用マスク及び該マスクを用いた露光方法の好ましい実施の形態について説明する。図1は、電子ビーム露光用マスク30を示す説明図である。このマスク30にはマスクパターン領域が9箇所(A〜I)設けられている。この9箇所のマスクパターン領域は、同一サイズ(35×27mm)である。マスク30におけるこの9箇所のマスクパターン領域の配置は、3列×3行のマトリックス配置であり、マスクパターン領域同士の隙間は縦横いずれも5mmとなっている。
この複数のマスクパターン領域(A〜I)のうちの2以上(たとえばG、H及びI)は略同一のマスクパターンが形成されているマスクパターン領域であり、このうちの1以上のマスクパターン領域(たとえばG)にはマスク歪計測用のパターンMが1以上形成されている
このマスク歪計測用のパターンMは、既存のマスクパターンに埋め込んだときに目立つ形状であり、かつ、二次元方向の位置計測が容易な形状であることが好ましい。したがって、パターンMとしては、たとえば図1に示されるマスクパターン領域Gの円内の拡大図のような十字形状や、L字形状等が好ましく採用できる。
マスク歪計測用のパターンMを、既存のマスクパターンに埋め込むときには、この部分のマスクパターンは除去される。すなわち、ステンシルマスクであれば、開口のない状態とされ、ここにパターンMの形状の開口が形成される。すなわち、図1に示されるマスクパターン領域Gの円内の拡大図のように、平行線からなるマスクパターンの一部が除去され、ここに十字形状のマスク歪計測用のパターンMが埋め込まれている。
このように、図1に示されるマスクパターン領域Gにおいては、マスクパターンの一部が除去されており、デバイスパターン形成用(転写用)のマスクパターン領域としては使用できず、専ら歪計測用のマスクパターン領域として使用される。このマスクパターン領域Gにおけるマスク歪計測用のパターンMの二次元方向の位置を計測することにより、マスクパターンの設計値とのずれが読み取れる。
なお、マスクパターン領域Gにおけるマスク歪計測用のパターンMの二次元方向の位置の計測には、座標測定手段として、たとえばライカ社製の二次元座標測定機(商品名:Iプロ)が好適に使用できる。
また、パターンMの二次元方向の位置を計測する際の基準となるマーク等としては、同一のマスクパターン領域G又は他のマスクパターン領域(たとえばC)に設けられたマスク歪計測用のパターンMでもよいし、図1に示されるマスク30のマスクパターン領域外に設けられた基準マークNでもよい。
このマスクパターンの設計値と実際のマスク30のマスクパターンとのずれは、以下に列挙する要因によるものと推定される。マスク30に起因する内的要因として、1)設けるマスクパターン領域の個数、2)マスクパターン領域のサイズ、3)マスクパターン領域の配置、4)マスクパターンの線幅、5)マスクパターンの種類(線状部分が多いか、パット状部分が多いか等)、6)パターンの開口率、7)マスク(メンブレン)の厚さ、8)マスク(メンブレン)の材質、等である。マスク30以外に起因する外的要因として、1)測定雰囲気(温湿度)、2)マスク30の保持方法、等である。
上記のマスク30に起因する内的要因のうち、4)マスクパターンの線幅、5)マスクパターンの種類(線状部分が多いか、パット状部分が多いか等)、6)パターンの開口率は、同一マスクパターンであれば同様となることより、マスクパターン領域Gの設計値と実際値とのずれを求めることにより、他の同一マスクパターン領域(たとえばH及びI)の設計値と実際値とのずれも、上記要因に関する限り同一と推定できる。
このように、マスク歪計測用のパターンMが埋め込まれたマスクパターン領域がデバイスパターン形成に寄与できなくても、これにより他の同一パターンのマスクパターン領域の歪状態が推定できるのであれば、マスクパターンを精度よくウエハに転写するのに寄与できることとなる。
一方、このようなマスク歪計測用のパターンMを設けずに、各マスクパターン領域のマスクパターンを二次元座標測定機で読み取ることにより、設計値と実際値とのずれを求めることもできる。このようにすれば、図1に示される9箇所のマスクパターン領域(A〜I)全てをデバイスパターン形成用(転写用)のマスクパターン領域としては使用でき、マスクの利用効率が良い。しかし、実際に各マスクパターン領域のマスクパターンを二次元座標測定機で読み取るのは、目印となるパターンがないので、非常に作業効率が悪く、現実的ではない。
次に、マスク30における複数のマスクパターン領域(A〜I)の一部にマスク歪計測用のパターンMを形成し、マスクパターンの設計値と実際値とのずれを求める具体例について説明する。なお、以下の例におけるマスクパターン領域(A〜I)のサイズや配置は、図1と同一である。
図2は、電子ビーム露光用マスク30の第1の具体例を示す説明図である。この例において、マスクパターン領域(A〜I)には3種類のマスクパターンが形成されている。このうち、左右の隣接したマスクパターン領域A、B及びCにおけるマスクパターンが同一であり、左右の隣接したマスクパターン領域D、E及びFにおけるマスクパターンが同一であり、左右の隣接したマスクパターン領域G、H及びIにおけるマスクパターンが同一である。
そして、左右の隣接した3箇所のマスクパターン領域のうち、中央のマスクパターン領域(B、E及びH)にマスク歪計測用のパターンMがそれぞれ4個形成されている。この4個のマスク歪計測用のパターンMは、マスクパターン領域の上下縁の中央部近傍と、左右縁の中央部近傍とに設けられている。このマスク歪計測用のパターンM同士の二次元方向の相対位置関係を計測することにより、マスクパターンの設計値とのずれが読み取れる。
なお、マスクパターンの設計値とのずれをより詳細に求める場合には、マスク歪計測用のパターンMの配置箇所を増加させれば、その分だけ計測精度は向上する。
以上のような構成のマスク30とすることにより、中央のマスクパターン領域(たとえばB)のマスク歪計測用のパターンM同士の二次元方向の相対位置関係を計測することにより、両側のマスクパターン領域(この場合A及びC)のマスクパターンの設計値とのずれが推定でき、露光の際に(図8〜図10参照)ウエハ40上のレジスト層42に転写されるパターンの歪が除去された形状となるように制御できる。これによりマスクパターンを精度よくウエハに転写できる。
図3は、電子ビーム露光用マスク30の第2の具体例を示す説明図である。この例において、マスクパターン領域(A〜I)には全て同一種類のマスクパターンが形成されている。
そして、四隅に配されるマスクパターン領域(A、C、G及びI)及び中央に配されるマスクパターン領域(E)にマスク歪計測用のパターンMがそれぞれ4個形成されている。この4個のマスク歪計測用のパターンMは、マスクパターン領域の四隅近傍に設けられている。このマスク歪計測用のパターンM同士の二次元方向の相対位置関係を計測することにより、マスクパターンの設計値とのずれが読み取れる。
すなわち、マスクパターン領域A、C及びEのそれぞれ4個のマスク歪計測用のパターンMの相対位置関係を計測することにより、A、C及びEと隣接するマスクパターン領域Bにおけるマスクパターンの設計値とのずれが推定でき、マスクパターン領域Bを使用した露光の際に(図8〜図10参照)ウエハ40上のレジスト層42に転写されるパターンの歪が除去された形状となるように制御できる。これによりマスクパターンを精度よくウエハに転写できる。
同様に、マスクパターン領域A、E及びGのそれぞれ4個のマスク歪計測用のパターンMの相対位置関係を計測することにより、A、E及びGと隣接するマスクパターン領域Dにおけるマスクパターンの設計値とのずれが推定でき、マスクパターン領域Dを使用した露光の際に(図8〜図10参照)ウエハ40上のレジスト層42に転写されるパターンの歪が除去された形状となるように制御できる。
以下、C、E及びIと隣接するマスクパターン領域Fの場合、及び、E、G及びIと隣接するマスクパターン領域Hの場合も同様であり、これらの説明は省略する。
図4は、電子ビーム露光用マスク30の第3の具体例を示す説明図である。この例において、マスクパターン領域(A〜I)には全て同一種類のマスクパターンが形成されている。
そして、マスクパターン領域B、D、F及びHにマスク歪計測用のパターンMがそれぞれ1個形成されている。このマスク歪計測用のパターンMは、それぞれのマスクパターン領域の外側の縁部の中央部近傍に設けられている。このマスク歪計測用のパターンM同士の二次元方向の相対位置関係を計測することにより、マスクパターンの設計値とのずれが読み取れる。
特に、本例では、マスク30の中心Oを基準にして、マスク30が均等に膨張した場合、又は、均等に収縮した場合に好適に対応できる構成となっている。
すなわち、マスクパターン領域B、D、F及びHのそれぞれ1個のマスク歪計測用のパターンMの相対位置関係を計測することにより、これらと隣接するマスクパターン領域(A、C、E、G及びI)におけるマスクパターンの設計値とのずれが推定でき、マスクパターン領域(A、C、E、G及びI)を使用した露光の際に(図8〜図10参照)ウエハ40上のレジスト層42に転写されるパターンの歪が除去された形状となるように制御できる。これによりマスクパターンを精度よくウエハに転写できる。
次に、図5により、電子ビーム露光用マスク30としてステンシルマスクを形成する工程について説明する。この工程は図5(a)から(g)までの順で進行する。
図5(a)において、ステンシルマスク112はシリコン114を備え、このシリコン114の下側表面の全面には酸化シリコン層116、シリコン膜118の順で薄膜が形成されている。なお、シリコン膜118がダイヤモンドやSiCの場合、酸化シリコン層116は無くてもよい。シリコン114、酸化シリコン層116、シリコン膜118夫々の膜厚には特に制限はないが、たとえばシリコン114の膜厚は525μm程度、酸化シリコン層116やシリコン膜118の膜厚は0.3〜1.0μmの範囲のものが好適に使用できる。
図5(b)は、ステンシルマスク112の裏面(上面)にレジスト120が形成され、このレジスト120がバックエッチング処理のために窓状にパターニングされた状態を示す。
図5(c)は、シリコン114および酸化シリコン層116がバックエッチング処理によって窓状に除去された状態を示す。除去されたシリコン114および酸化シリコン層116によって透過孔125、125…が形成され、メンブレン126、126…がステンシルマスク112の裏面(上面)に、当該透過孔125、125…から露呈される。ここで、バックエッチング処理は、たとえばウェットエッチング液、すなわち水酸化カリウムやヒドラジンなどのアルカリ溶液を加熱したものが用いられる。また、このようなウェットエッチング方式以外にドライエッチング方式を用いてもよい。

図5(d)以降において、ステンシルマスク112は上下が反転した状態で示される。図5(d)は、ステンシルマスク112表面(上面)のシリコン膜118にレジスト122が塗布形成された後、所定パターン部分が露光されている状態を示す。この露光によって図5(e)に示すようにレジスト122にはパターンが形成される。
図5(f)は、ステンシルマスク112の表面側(上面側)に露呈されたメンブレン126(シリコン膜118)の部分がドライエッチングによって除去され、マスクパターン127、127…が形成された状態を示す。
図5(g)は、レジスト122が剥離された状態を示しており、本発明に係るステンシルマスク112の最終形態である。
ステンシルマスク112のマスクパターン形成領域には透過孔125、125…が形成され、ステンシルマスク112の上面にはマスクパターン127が形成されたメンブレン126、126…が成膜されている。バックエッチング処理において残されたシリコン114の一部が梁124として残され、メンブレン126、126…を支持している。以上が、電子ビーム露光用マスク30として、ステンシルマスク112を形成する工程の1例である。
次に、図8〜図10により説明した露光の際に、ウエハ40上のレジスト層42に転写されるパターンの歪が除去された形状となるように制御する構成について説明する。図6は、電子ビーム近接露光装置10において、副偏向器26、28によって電子ビーム15の転写位置をシフトする様子を示す図である。
この転写に際して、マスク30に歪みを生じている場合には、転写したパターンが歪んでしまうことより、副偏向器26、28により転写時における電子ビーム15の入射角度の制御を行い、マスク歪みの修正を行う。この電子ビーム15の入射角度の制御は、予め測定済みのマスク30のデータ(マスクの歪み)に応じた補正データに基づいて、図示しないデジタル演算回路の指示により、マスク歪みを補正するように電子ビーム15のマスクパターンへの入射角度を制御(傾き補正)する。
図6に示されるように、電子ビーム15のマスク30への入射角度をΨ、マスク30とウエハ40との間隔をGとすると、入射角度Ψによるマスクパターンの転写位置のシフト量δは、δ=G・tan Ψで表される。図6上ではマスクパターンは、シフト量δだけ当初の位置からずれた位置に転写される。したがって、電子ビームの走査位置に応じて入射角度Ψを変化させることにより、転写位置を変化させることができる。
マスク歪みを補正は、たとえばマスクパターンを拡大したり、マスクパターンを縮小したりして転写することにより、マスク歪みのない状態でマスクパターンが転写されたのと同じになるように電子ビームの傾き補正を行うことによりなされる。
以上のように制御しながら、電子ビーム15によってマスク30に形成されたマスクパターンをウエハ40に転写し、この転写を繰り返して、所望のデバイスに必要な全てのマスクパターンを転写する。
図7は、ステンシルマスクの歪を除去するように転写する様子を示す図である。図7(a)において、マスクパターンの設計形状は、破線で示されるような形状であるが、歪みにより実線で示されるような形状に変形した状態にある。これに対し、図2〜図4の具体例で説明したように、マスク歪計測用のパターンMの相対位置関係を計測することにより、これと隣接するマスクパターン領域におけるマスクパターンの設計値とのずれが推定でき、当該マスクパターン領域を使用した露光の際に(図8〜図10参照)ウエハ40上のレジスト層42に転写されるパターンの歪が除去された形状となるように制御できる。その結果、図7(b)に示されるような設計形状と同一のマスクパターンの転写がなされる。
以下、本発明に係る電子ビーム露光用マスク及び該マスクを用いた露光方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。たとえば、マスク30における複数のマスクパターン領域の配置状態は、図1〜図3に示される形態以外の各種態様が採り得る。
また、本発明においては、マスク歪計測用のパターンMの配置個数、配置箇所を極めて単純な状態で例示したが、これよりもより複雑化し、実際の状況により合致した構成とできる。
更に、本発明に係る電子ビーム露光用マスク及び該マスクを用いたマスク歪の評価方法は、マスクパターンをウエハに転写する露光工程意外にも適用できる。このような適用例としては、マスクの受け入れ検査、製造工程におけるマスクの定期的検査、品質保証の共通化、マスクの規格化等である。
電子ビーム露光用マスクの例を示す説明図 電子ビーム露光用マスクの他の例を示す説明図 電子ビーム露光用マスクの更に他の例を示す説明図 電子ビーム露光用マスクの更に他の例を示す説明図 ステンシルマスクを形成する工程を示す断面図 副偏向器によって電子ビームの転写位置をシフトする様子を示す図 ステンシルマスクの歪を除去するように転写する様子を示す図 電子ビーム近接露光装置の基本構成を示す図 電子ビームによるマスクの走査を説明するために用いた図 電子ビーム近接露光装置の全体構成図
符号の説明
10…電子ビーム近接露光装置、12…電子銃、15…電子ビーム、20…走査手段、22、24…主偏向器、26、28…副偏向器、30…マスク、40…ウエハ、70…ウエハステージ、80…マスクステージ、M…マスク歪計測用のパターン

Claims (3)

  1. 所定のマスクパターンが形成されたマスクパターン領域を複数備えた電子ビーム露光用マスクであって、
    前記複数のマスクパターン領域のうちの2以上は略同一のマスクパターンが形成されているマスクパターン領域であり、このうちの1以上のマスクパターン領域にはマスク歪計測用のパターンが1以上形成されていることを特徴とする電子ビーム露光用マスク。
  2. 前記マスクがステンシルマスクであることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光用マスク。
  3. 所定のマスクパターンが形成されたマスクパターン領域を複数備えた電子ビーム露光用マスクであって、前記複数のマスクパターン領域のうちの2以上は略同一のマスクパターンが形成されているマスクパターン領域であり、このうちの1以上のマスクパターン領域にはマスク歪計測用のパターンが1以上形成されている電子ビーム露光用マスクにウエハを近接配置し、電子ビームによって前記電子ビーム露光用マスクを走査することにより該電子ビーム露光用マスクに形成されたマスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写する電子ビーム近接露光方法であって、
    座標測定手段により前記マスク歪計測用のパターンの位置座標を測定し、これにより前記電子ビーム露光用マスクの歪を算出するステップと、
    算出された前記電子ビーム露光用マスクの歪より、前記ウエハ上のレジスト層に転写されるパターンが前記歪が除去された形状となるように、前記電子ビームの入射角度を制御しながら前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写するステップと、
    を含むことを特徴とする電子ビーム近接露光方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9146458B2 (en) 2013-01-09 2015-09-29 Kabushiki Kaisha Toshiba EUV mask

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