JP2005183540A - 露光方法及びマスク - Google Patents

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Abstract

【課題】 原版上のパターン配列と被転写基板上のパターン配列が異なる場合にも、被転写基板上小領域内のドーズ量を一様にして近接効果を補正し、パターン線幅制御を行うことのできる露光方法等を提供する。
【解決手段】 まず、マスクを作成する。マスク上には、デバイスパターン小領域と近接効果補正パターン小領域を形成する。デバイスパターン小領域を形成する際には、隣接サブフィールドからのドーズのしみ出し量が最大と仮定して寸法補正を行う。また、近接効果補正パターン小領域は、ドーズ補充用のパターンを小領域の外周部に形成したものである。ここで、近接効果補正パターン小領域は、周囲のパターン配列に対応したものを複数種類作製する。次に、デバイスパターン小領域をウェハ上に露光・転写する。そして、近接効果補正の必要がある場合には、適当な近接効果補正パターン小領域をデバイスパターン小領域に重ねて露光する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原版上のパターンを被転写基板上に露光する露光方法及びマスクに関する。
いわゆる分割転写方式の露光においては、原版(マスク)上に原パターンを多数の小領域に分割して形成し、荷電粒子線の偏向動作やステージの移動を行いながら、この小領域ごとに露光されたパターンを被転写基板(感応基板)上でつなぎ合わせて露光する。このマスクとしては、電子線露光の場合、シリコン基板を加工したもの等が使用される。
ところで、同じパターンが繰り返されるようなパターンを作製する場合等には、繰り返しパターン(原版上小領域)を繰り返し露光するために、原版上小領域と被転写基板上のパターン小領域の像(被転写基板上小領域)の配列が異なるような方法で露光を行うことが提案されている。このような方法の例は、光リソグラフィ用のマスクの露光方法としては非特許文献1に開示されている。
図6は、原版上のパターン小領域の配列と、被転写基板上のパターン小領域の像の配列の例を模式的に示す平面図である。図中の正方形は原版上小領域及び被転写基板上小領域である。各原版上小領域とその像である被転写基板上小領域には同じ符号を付してある。
図6(A)の例では、原版上のパターン小領域の配列通りに、被転写基板上にパターンが露光転写されている。これに対して、図6(B)の例では、原版上右上の小領域Tが2回露光されているなど、原版上のパターン小領域の配列と被転写基板上のパターン小領域の配列とは対応していない。また、図6(C)の例では、原版上の6つの小領域R〜Wがそれぞれ2回ずつ露光されている。したがって、この例では、転写すべきデバイスパターンを単純に小領域に分割する場合に比べて原版の面積が半分で済んでいる。
ヨシオカ・ノブユキ、外3名、「EPL技術を採用したマスクパターン生成器(Mask pattern generator employing EPL technology)」、「国際光工学会会報(Proceedings of SPIE)」、(米国)、国際光工学会(SPIE, The International Society for Optical Engineering)、2003年8月、第5130巻、p.33〜38
ところで、電子線露光において、被転写基板(感応基板)に照射された電子は、基板(ウェハ)表面に塗布されたレジスト中を散乱しながら基板表面に到達する。これらの電子のほとんどは、そのまま基板中に入り込み、そのエネルギーがほとんどゼロになるまで散乱を繰り返す。その散乱半径は電子線が高加速化するほど大きくなり、100kVの電圧では、約50μmにまで達すると考えられる。基板に入り込んだ電子の一部は、散乱を繰り返しながら再び基板表面まで戻ってきて、レジスト中に堆積し、レジスト感光反応に寄与することになる。この基板表面に戻ってきた電子がいわゆる後方散乱電子であり、レジスト感光反応への寄与によるドーズ量変動を引き起こす。このドーズ量変動を近接効果という。
一般に、電子線露光においては、上述のような近接効果を補正するため、原版(マスク又はマザーマスク)製作時にマスク上のパターンの寸法をあらかじめ補正していた。例えば、パターン密度が高い部分では、近接効果の影響が大きくなり、パターン線幅が太くなる。このため、線幅が近接効果で太る分だけ、マスク作成時に原版上のパターン線幅を細くしておく。
ところで、上述のような後方散乱電子は、電子線の入射した被転写基板上小領域内だけでなく、隣接する小領域外周部にまでしみ出すため、隣接小領域のドーズ量変動にも寄与する。したがって、上述の方法で近接効果を補正するためには、原版上のパターン配列(パターン小領域の配列)と、被転写基板上小領域のパターン配列が対応している場合(図6(A)参照)のように、被転写基板上で隣接する小領域のパターン密度があらかじめ判っていなければならない。しかしながら、図6(B)や図6(C)の例のように、原版上のパターン配列と被転写基板上のパターン配列が異なる場合には、被転写基板上で隣同士になる小領域がマスク作成時には特定できないので、被転写基板上小領域の境界部分での近接効果補正を行うことができず、同境界部分における線幅制御が困難になるという問題がある。
上記の点に鑑み、本発明は、原版上のパターン配列と被転写基板上のパターン配列が異なる場合にも、被転写基板上小領域内のドーズ量を一様にして近接効果を補正し、パターン線幅制御を行うことのできる露光方法等を提供することを目的とする。
本発明の露光方法は、被転写基板上に転写すべきパターンを原版上に複数の小領域に分割して形成し、該原版を荷電粒子線(照明ビーム)で照明し、該原版を通過した荷電粒子線(パターンビーム)を前記被転写基板上に投影し、該被転写基板上では、各小領域のパターンの像(被転写基板上小領域)をつなぎ合わせることにより前記転写すべきパターンを形成する露光方法であって、前記原版上に、前記転写すべきパターンを分割・形成したデバイスパターン小領域と、該デバイスパターン小領域とは別の近接効果補正パターン小領域を形成し、ここで、前記デバイスパターン小領域を作製する際には、前記被転写基板上において該デバイスパターン小領域の像の周囲に配置される被転写基板上小領域からのドーズのしみ出し量の値を仮定して、この仮定値に基づいて該デバイスパターン小領域の外周部のパターンをリシェイプしておき、また、前記近接効果補正パターン小領域は、小領域の外周部又は外周部の一部のみにドーズ補充用のパターンを形成したものであり、前記デバイスパターン小領域を前記被転写基板上に転写し、前記デバイスパターン小領域の像の周囲に配置される被転写基板上小領域からのドーズのしみ出し量が前記仮定値より少ない場合に、前記近接効果補正パターン小領域を、前記デバイスパターン小領域の像に重なり合うように被転写基板上に転写して、近接効果を補正することを特徴とする。
本発明の露光方法においては、デバイスパターン小領域のパターンをあらかじめリシェイプしておく。そして、原版上にデバイスパターン小領域とは別に近接効果補正パターン小領域を形成し、デバイスパターン小領域と近接効果補正パターン小領域とを重ね合わせて露光することにより、隣のサブフィールドからのドーズのしみ出し(近接効果)量分のドーズ量を補正する。本発明の露光方法によれば、原版(マスク)の作成時に、被転写基板(ウェハ)上における小領域(サブフィールド)の配列があらかじめ判っていない場合でも、隣のサブフィールドからのドーズのしみ出し(近接効果)の補正を行うことができる。これにより、被転写基板全面において高精度な線幅制御を行うことができる。
上記の露光方法においては、前記原版上に、前記複数のデバイスパターン小領域をある形態で配列し、この原版上の小領域の配列とは異なるパターン配列で前記被転写基板上に前記複数のデバイスパターン小領域を転写することとしてもよい。
上記の露光方法においては、ドーズ補充量及び/又はドーズ補充分布の異なる前記近接効果補正パターン小領域が複数種類用意されており、前記被転写基板上小領域の周囲に配置されるパターン配列に応じて、重ねて露光する前記近接効果補正パターン小領域を選択することが好ましい。
上記の露光方法においては、前記デバイスパターン小領域の露光量と、該デバイスパターン小領域に重ねて露光する前記近接効果補正パターン小領域の露光量が異なっていてもよい。
本発明のマスクは、被転写基板上に転写すべきパターンが分割・形成されたデバイスパターン小領域と、前記小領域の外周部又は外周部の一部にのみドーズ補充用のパターンが形成された近接効果補正パターン小領域と、を含むことを特徴とする。
なお、本発明は、セルプロジェクションタイプの露光方法及びマスクにも適用可能である。したがって、上述の転写すべきパターンとは、ウェハ等の感応基板上に形成されるチップパターン全体を指す場合もあるが、チップパターンの一部を指す場合もある。
本発明によれば、原版上のパターン配列と被転写基板上のパターン配列が異なる場合であっても、被転写基板上の全面にわたって高精度な線幅制御を行うことができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図4は、分割転写方式の電子線投影露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
光学系の最上流に配置されている電子銃1は、下方に向けて電子線(照明ビームIB)を放射する。電子銃1の下方には2段のコンデンサレンズ2、3が備えられており、照明ビームIBは、これらのコンデンサレンズ2、3によって収束されブランキング開口7にクロスオーバーC.O.を結像する。
二段目のコンデンサレンズ3の下には、矩形開口4が備えられている。この矩形開口(照明ビーム成形開口)4は、マスク(レチクルを含む)10の一つのサブフィールド(露光の1単位となるパターン小領域)を照明する照明ビームのみを通過させる。この開口4の像は、レンズ9によってマスク10に結像される。
ビーム成形開口4の下方には、ブランキング偏向器5が配置されている。同偏向器5は、必要時に照明ビームIBを偏向させてブランキング開口7の非開口部に当て、ビームがマスク10に当たらないようにする。
ブランキング開口7の下には、照明ビーム偏向器(主偏向器)8が配置されている。この偏向器8は、主に照明ビームIBを図4の横方向(X方向)に順次走査して、照明光学系の視野内にあるマスク10の各サブフィールドの照明を行う。偏向器8の下方には、照明レンズ9が配置されている。照明レンズ9は、マスク10上にビーム成形開口4を結像させる。
マスク10は、実際には(図5を参照しつつ後述)光軸垂直面内(XY面)に広がっており、多数のサブフィールドを有する。マスク10上には、全体として一個の半導体デバイスチップをなすパターン(チップパターン)が形成されている。もちろん、複数のマスクに1個の半導体デバイスチップをなすパターンを分割して配置しても良い。
マスク10は移動可能なマスクステージ11上に載置されており、マスク10を光軸垂直方向(XY方向)に動かすことにより、照明光学系の視野よりも広い範囲に広がるマスク上の各サブフィールドを照明することができる。
マスクステージ11には、レーザ干渉計を用いた位置検出器12が付設されており、マスクステージ11の位置をリアルタイムで正確に把握することができる。
マスク10の下方には投影レンズ15及び19並びに偏向器16が設けられている。マスク10の1つのサブフィールドを通過した電子線(パターンビームPB)は、投影レンズ15、19、偏向器16によってウェハ23上の所定の位置に結像される。ウェハ23上には、適当なレジストが塗布されており、レジストに電子線のドーズが与えられ、マスク上のパターンが縮小されてウェハ23上に転写される。
マスク10とウェハ23の間を縮小率比で内分する点にクロスオーバーC.O.が形成され、同クロスオーバー位置にはコントラスト開口18が設けられている。同開口18は、マスク10の非パターン部で散乱された電子線がウェハ23に到達しないよう遮断する。
ウェハ23の直上には反射電子検出器22が配置されている。この反射電子検出器22は、ウェハ23の被露光面やステージ上のマークで反射される電子の量を検出する。例えばマスク10上のマークパターンを通過したビームでウェハ23上のマークを走査し、その際のマークからの反射電子を検出することにより、マスク10とウェハ23の相対的位置関係を知ることができる。
ウェハ23は、静電チャック(図示されず)を介して、XY方向に移動可能なウェハステージ24上に載置されている。上記マスクステージ11とウェハステージ24とを、互いに逆の方向に同期走査することにより、投影光学系の視野を越えて広がるチップパターン内の各部を順次露光することができる。なお、ウェハステージ24にも、上述のマスクステージ11と同様の位置検出器25が装備されている。
上記各レンズ2、3、9、15、19及び各偏向器5、8、16は、各々のコイル電源制御部2a、3a、9a、15a、19a及び5a、8a、16aを介してコントローラ31によりコントロールされる。また、マスクステージ11及びウェハステージ24も、ステージ制御部11a、24aを介して、コントローラ31により制御される。ステージ位置検出器12、25は、アンプやA/D変換器等を含むインターフェイス12a、25aを介してコントローラ31に信号を送る。また、反射電子検出器22も同様のインターフェイス22aを介してコントローラ31に信号を送る。
コントローラ31は、ステージ位置の制御誤差やパターンビームPBの位置誤差を把握し、その誤差を像位置調整偏向器16で補正する。これにより、マスク10上のサブフィールドの縮小像がウェハ23上の目標位置に正確に転写される。そして、ウェハ23上で各サブフィールド像が繋ぎ合わされて、マスク上のチップパターン全体がウェハ上に転写される。
次に、分割転写方式の電子線投影露光に用いられるマスクの詳細例について、図5を参照しつつ説明する。
図5は、電子線投影露光用のマスクの構成例を模式的に示す図である。図5(A)は全体の平面図であり、図5(B)は一部の斜視図であり、図5(C)は一つの小メンブレン領域の平面図である。このようなマスクは、例えばシリコンウェハに電子線描画・エッチングを行うことにより製作できる。
図5(A)には、マスク10における全体のパターン分割配置状態が示されている。同図中に多数の正方形41で示されている領域が、一つのサブフィールドに対応したパターン領域を含む小メンブレン領域(上述の一括露光領域に相当、厚さ0.1μm〜数μm)である。図5(C)に示すように、小メンブレン領域41は、中央部のパターン領域(サブフィールド)42と、その周囲の額縁状の非パターン領域(スカート43)とからなる。サブフィールド42は転写すべきパターンの形成された部分である。スカート43はパターンの形成されてない部分であり、照明ビームの縁の部分が当たる。
一つのサブフィールド42は、現在検討されているところでは、マスク上で1mm角程度の大きさを有する。投影の縮小率は1/4であり、サブフィールドがウェハ上に縮小投影された投影像の大きさは、0.25mm角である。小メンブレン領域41の周囲の直交する格子状のマイナーストラットと呼ばれる部分45は、マスクの機械強度を保つための、例えば厚さ0.5〜1mm程度の梁である。マイナーストラット45の幅は、例えば0.1mm程度である。なお、スカート43の幅は、例えば0.05mm程度である。
図5(A)に示すように、図の横方向(X方向)に多数の小メンブレン領域41が並んで一つのグループ(エレクトリカルストライプ44)をなし、そのようなエレクトリカルストライプ44が図の縦方向(Y方向)に多数並んで1つのメカニカルストライプ49(上述の露光領域に相当)を形成している。エレクトリカルストライプ44の長さ(メカニカルストライプ49の幅)は照明光学系の偏向可能視野の大きさによって制限される。
メカニカルストライプ49は、X方向に並列に複数存在する。
隣り合うメカニカルストライプ49の間にメジャーストラット47として示されている幅の太い梁は、マスク全体のたわみを小さく保つためのものである。メジャーストラット47はマイナーストラット45と一体である。
現在有力と考えられている方式によれば、1つのメカニカルストライプ49内のX方向のサブフィールド42の列(エレクトリカルストライプ44)は電子線偏向により順次露光される。一方、ストライプ49内のY方向の列は、連続ステージ走査により順次露光される。
図3は、ウェハ上に転写された1つのサブフィールドの像(被転写基板上小領域)を示す平面図である。
既述のように、照明ビーム(電子線)の加速電圧が100kVの場合、被転写基板(ウェハ)に照射された電子は後方散乱されて、ウェハ上の照射位置から半径約50μmの範囲にわたってレジストを感光させる。したがって、被転写基板上小領域WSFが1辺W=250μmの正方形であるとすると、中央部分WSF1(一辺W=約150μmの正方形)は周囲のサブフィールドを露光する際に周りからしみ込んでくる散乱電子の影響(近接効果)を受けない。すなわち、隣に配置されるサブフィールドのパターンによらず、近接効果による線幅の変化量が変化しないので、マスク作成時にあらかじめパターンの寸法を補正(リシェイプ、リサイズ)しておくことで、近接効果補正を行うことができる。
一方、外周部WSF2(幅W=約50μm)は、周囲のサブフィールドからのドーズのしみ出しの影響を受けるため、マスク作成時のパターン寸法補正だけでは近接効果を十分に補正することができない。そこで、本実施例では、原版(マスク)上にデバイスパターン小領域を作製する際に、あらかじめしみ出しの量を仮定してリシェイプしておき、実際のしみ出し量が仮定値より少ない場合に、近接効果補正パターン小領域を被転写基板(ウェハ)上のデバイスパターン小領域の像と重なり合うように露光して、ドーズの不足分を補充することにより近接効果の補正を行う。ドーズの不足量はウェハ上の位置に応じて変化するため、ドーズの補充量はウェハ上の位置に応じて分布をもたせることが好ましい。この近接効果補正パターン小領域に形成するドーズ補充用のパターンとしては、ドーズの補充量や補充分布が所望のものになればどのようなものでも良い。
なお、一般的には、本実施例の方法で補充されたドーズ量では、レジストの閾値を越えないため、このドーズ補充用パターンが、レジストを現像した後に残ることはない。しかし、パターンが残り問題となる場合には、十分にぼかして露光したり、解像限界以下のパターンを用いると有効な場合がある。
以下、本実施例の露光方法について具体的に説明する。
まず、マスクを作成する。マスク上には、全体パターンを分割・形成するデバイスパターン小領域とともに近接効果補正パターン小領域を形成する。デバイスパターン小領域を形成する際には、隣接サブフィールドからのドーズのしみ出し量を最大と仮定して寸法補正を行う。したがって、デバイスパターン小領域の外周部(図3のWSF2に相当する部分)のパターン線幅は一般に最小となる。この条件は、ウェハ上で大規模パターンを有するサブフィールドに包囲されている状態(図1(C)参照)に相当する。また、近接効果補正パターン小領域は、ドーズ補充用のパターンを小領域の外周部に形成したものである。ここで、近接効果補正パターン小領域は、周囲の小領域のパターン配列に対応したものを複数種類作製する。近接効果補正パターン小領域には、隣接して露光される小領域のパターン分布に応じて、ドーズの補充量が最大のものから最小のものまであるステップをもってパターンが配置されるが、このステップは要求される精度に応じて決めればよい。近接効果補正パターン小領域の種類については図1及び図2を参照して後述する。
次に、デバイスパターン小領域をウェハ上に露光・転写する(以下の説明ではこれを本露光という)。そして、近接効果補正の必要がある場合(周囲のサブフィールドからのしみ出しドーズの量がデバイスパターン小領域作成時のしみ出しドーズ量の仮定値より少ない場合)には、近接効果補正パターン小領域をデバイスパターン小領域に重ねて露光する(これを第2露光という)。この第2露光の際には、デバイスパターン小領域の像の周囲に配置される被転写基板上小領域のパターン密度等を考慮して、近接効果補正パターン小領域と露光量(照明ビームの強度やショットタイム)を選択する。以下に、第2露光の方法について、図1及び図2を参照して具体的に説明する。
図1及び図2は、本発明の一実施例に係る露光方法を説明するための図である。図1及び図2の左側の列の図(図1(A)、図1(D)、図2(A)及び図2(C))は、原版上の近接効果補正パターン小領域の例を模式的に示す平面図であり、図1及び図2の右側の列の図(図1(B)、図1(C)、図1(E)、図2(B)及び図2(D))は、被転写基板上小領域とその周囲のサブフィールドを模式的に示す平面図である。
図1(B)に示す例では、被転写基板上小領域WSFの周りに、WSFに近接効果の影響を及ぼすようなパターンが配置されていない。換言すれば、周囲の被転写基板上小領域A〜Hのパターン密度が低いため、A〜Hの露光時にWSF側にしみ出すドーズの量が少なく、WSFに与える近接効果の影響が小さい。デバイスパターン小領域の外周部はあらかじめ寸法補正されているため、本露光だけではWSFの額縁状の外周部WSF2に形成されるパターン線幅は細くなる。したがって、この例では、図1(A)に示すような、外周部MSF2にドーズ補充用のパターンが形成された近接効果補正パターン小領域MSFで第2露光を行って、WSF2への周辺の小領域からのしみ出しの不足分を補う。これにより、被転写基板上小領域WSF全面で所望のパターン線幅が得られる。
図1(C)に示す例では、被転写基板上小領域WSFの周りの4つの小領域B、D、E及びGが、WSFに近接効果の影響を及ぼし得る領域(WSF側の幅約50μmの範囲)にパターン密度の高いパターン(大面積パターンBP)を含んでいる。この場合、WSFの外周部SF2は、これらの大面積パターンBPから受ける近接効果の影響が最大となっている。既述のように、原版上のサブフィールドは、近接効果補正量を最大としてあらかじめ寸法が補正されているので、この例では第2露光を行う必要はない。
図1(E)に示す例では、被転写基板上小領域WSFの右側の小領域Eが大面積パターンBPを含んでいる。したがって、WSFの上下の辺と左側の辺の近傍の領域WSF2は近接効果の影響が小さいため、本露光で形成される線幅は細くなる。この場合には、図1(D)に示すような、「コ」の字型の領域MSF2にドーズ補充用のパターンが形成された近接効果補正パターン小領域MSFで第2露光を行って、WSF2への周辺の小領域からのしみ出しの不足分を補う。
図2(B)に示す例では、被転写基板上小領域WSFの上側の小領域Bと左側の小領域Dとが大面積パターンBPを含んでいる。したがって、WSFの下側の辺と右側の辺の近傍の領域WSF2は近接効果の影響が小さいため、本露光で形成される線幅が細くなる。この場合には、図2(A)に示すような、「L」字型の領域MSF2にドーズ補充用のパターンが形成された近接効果補正パターン小領域MSFで第2露光を行って、WSF2への周辺の小領域からのしみ出しの不足分を補う。
図2(D)に示す例では、被転写基板上小領域WSFの上側の小領域Bと左右の小領域D及びEとが大面積パターンBPを含んでいる。したがって、WSFの下側の辺の近傍の領域WSF2は近接効果の影響が小さいため、本露光で形成される線幅が細くなる。この場合には、図2(C)に示すような、下側の辺に沿った領域MSF2にドーズ補充用のパターンが形成された近接効果補正パターン小領域MSFで第2露光を行って、WSF2への周辺の小領域からのしみ出しの不足分を補う。
なお、上述の実施例では、小領域の縦方向と横方向の小領域(例えば、図1あるいは図2の小領域B、D、E及びG)を考慮しているが、斜め方向の小領域(例えば、図1あるいは図2の小領域A、C、F及びH)についても考慮するとより線幅制御の精度が高くなる。
本発明の一実施例に係る露光方法を説明するための図である。 (A)、(D) 原版上の近接効果補正パターン小領域の例を模式的に示す平面図である。 (B)、(C)、(E) 被転写基板上小領域とその周囲のサブフィールドを模式的に示す平面図である。 本発明の一実施例に係る露光方法を説明するための図である。 (A)、(C) 原版上の近接効果補正パターン小領域の例を模式的に示す平面図である。 (B)、(D) 被転写基板上小領域とその周囲のサブフィールドを模式的に示す平面図である。 ウェハ上に転写された1つのサブフィールドの像(被転写基板上小領域)を示す平面図である。 分割転写方式の電子線投影露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。 電子線投影露光用のマスクの構成例を模式的に示す図である。 (A) 全体の平面図である。 (B) 一部の斜視図である。 (C) 一つの小メンブレン領域の平面図である。 原版上のパターン小領域の配列と、被転写基板上のパターン小領域の像の配列の例を模式的に示す平面図である。
符号の説明
MSF 近接効果補正パターン小領域
MSF1 MSFの非パターン領域
MSF2 MSFのパターン領域
WSF 被転写基板上小領域
A、B、…、H 被転写基板上小領域
BP 大面積パターン
1 電子銃
2、3 コンデンサレンズ
4 照明ビーム成形開口
5 ブランキング偏向器
7 ブランキング開口
8 照明ビーム偏向器
9 照明レンズ
10 マスク
11 マスクステージ
11a ステージコントローラ
12、25 位置検出器
12a、25a インターフェイス
15、19 投影レンズ
16 偏向器
18 コントラスト開口
22 反射電子検出器
22a インターフェイス
23 ウェハ
24 ウェハステージ
24a ステージコントローラ
2a、3a、5a、8a、9a、15a、16a、19a コイル電源制御部
31 コントローラ
41 小メンブレン領域
42 サブフィールド
43 スカート
44 エレクトリカルストライプ
45 マイナーストラット
47 メジャーストラット
50 保持部

Claims (5)

  1. 被転写基板上に転写すべきパターンを原版上に複数の小領域に分割して形成し、
    該原版を荷電粒子線(照明ビーム)で照明し、
    該原版を通過した荷電粒子線(パターンビーム)を前記被転写基板上に投影し、
    該被転写基板上では、各小領域のパターンの像(被転写基板上小領域)をつなぎ合わせることにより前記転写すべきパターンを形成する露光方法であって、
    前記原版上に、前記転写すべきパターンを分割・形成したデバイスパターン小領域と、該デバイスパターン小領域とは別の近接効果補正パターン小領域を形成し、
    ここで、前記デバイスパターン小領域を作製する際には、前記被転写基板上において該デバイスパターン小領域の像の周囲に配置される被転写基板上小領域からのドーズのしみ出し量の値を仮定して、この仮定値に基づいて該デバイスパターン小領域の外周部のパターンをリシェイプしておき、
    また、前記近接効果補正パターン小領域は、小領域の外周部又は外周部の一部のみにドーズ補充用のパターンを形成したものであり、
    前記デバイスパターン小領域を前記被転写基板上に転写し、
    前記デバイスパターン小領域の像の周囲に配置される被転写基板上小領域からのドーズのしみ出し量が前記仮定値より少ない場合に、前記近接効果補正パターン小領域を、前記デバイスパターン小領域の像に重なり合うように被転写基板上に転写して、近接効果を補正することを特徴とする露光方法。
  2. 前記原版上に、前記複数のデバイスパターン小領域をある形態で配列し、
    この原版上の小領域の配列とは異なるパターン配列で前記被転写基板上に前記複数のデバイスパターン小領域を転写することを特徴とする請求項1記載の露光方法。
  3. ドーズ補充量及び/又はドーズ補充分布の異なる前記近接効果補正パターン小領域が複数種類用意されており、
    前記被転写基板上小領域の周囲に配置されるパターン配列に応じて、重ねて露光する前記近接効果補正パターン小領域を選択することを特徴とする請求項1又は2記載の露光方法。
  4. 前記デバイスパターン小領域の露光量と、該デバイスパターン小領域に重ねて露光する前記近接効果補正パターン小領域の露光量が異なることを特徴とする請求項1〜3記載の露光方法。
  5. 被転写基板上に転写すべきパターンが分割・形成されたデバイスパターン小領域と、
    前記小領域の外周部又は外周部の一部にのみドーズ補充用のパターンが形成された近接効果補正パターン小領域と、
    を含むことを特徴とするマスク。
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