JP2005181040A - 表示パネルの欠陥検出方法及びその検出装置並びに表示パネルの製造方法 - Google Patents

表示パネルの欠陥検出方法及びその検出装置並びに表示パネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 少なくとも潜在的な欠陥の検出を可能にした可能にした表示パネルの欠陥検出方法及びその装置並びに表示パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】 検査対象の表示パネルに、所定の第1の電圧と第2の電圧とにおける透過率が一致するような第1の共通電圧に対して所定のバイアス電圧を付加した第2の共通電圧を印加する特殊駆動をする工程と、前記特殊駆動された表示パネルを撮像する工程と、前記撮像された検査画像に基づいて潜在的欠陥の有無を検出し又は前記欠陥の程度を評価する工程とを有する。第1の共通電圧を印加しても検出できないような欠陥(潜在的欠陥)であっても、第1の共通電圧に対してバイアス電圧を付加した第2の共通電圧を印加することにより、正電圧による透過率と負電圧による透過率とのバランスが大きく崩れてしまい、正常な画素の輝度値と潜在的欠陥の輝度値との差が顕著になり、両者の識別ができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液晶パネル等の検査工程において画面のシミ欠陥等を自動的に検出する表示パネルの欠陥検出方法及びその検出装置並びに表示パネルの製造方法に関する。
液晶表示装置等の画面に現れる欠陥の中の一つに例えばシミ欠陥と呼ばれるものがある。シミ欠陥とは、表示画面のある領域が他の領域と輝度の差がある状態であり、ある程度狭い範囲で、周りに比べて明るい部分や暗い部分がある状態をいう。しかし、厳密な定義はなく欠陥サイズの小さいムラ欠陥又はシミ欠陥と呼ばれている(以下、単にシミ欠陥と称する。)。このようなシミ欠陥は、画質を落とすことになるので、表示体の外観検査の対象となっている。従来は人による目視検査が普通であったが、最近では自動検査が行われるようになってきている。このシミ欠陥に対する自動的な検査方法についても、多くの提案があり、例えば次のような検査方法がある。
例えば『対象物の映像を入力し原画像データに変換する光電変換入力部と、原画像データを保存するための画像メモリと、原画像データの検査領域を調節して検査領域データを作成する階層化処理部と、検査領域データよりテクスチャ解析の一種である二次元統計データを作成するための二次元統計データ処理部と、二次元統計データの輝度分布より表示むら欠陥を抽出するためのむら検出部と、検査結果を画面表示するための検査結果表示部とで構成される…』ようにしたものがあり(特許文献1)、階層化処理を行った画像に対して2次元統計データから欠陥を検出している。
特開平10−10007号公報(請求項1等)
しかしながら、上記の検出方法(特許文献1)では、照明の光源の影響や撮像レンズ等の影響で生じる輝度の変動と、検査したい欠陥との区別ができない、或いは潜在的シミ欠陥を検出することができないという問題点があった。なお、潜在的シミ欠陥の内容について後述の実施形態において説明する。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、少なくとも潜在的な欠陥の検出を可能にした可能にした表示パネルの欠陥検出方法及びその装置並びに表示パネルの製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法は、検査対象の表示パネルに対して、所定の第1の電圧と第2の電圧とにおける透過率が一致するような第1の共通電圧に対して所定のバイアス電圧を付加した第2の共通電圧を印加する特殊駆動をする工程と、前記表示パネルを撮像する工程と、前記撮像された検査画像に基づいて欠陥の有無を検出し又は前記欠陥の程度を評価する工程とを有する。所定の正電圧と負電圧とにおける透過率が一致するような第1の共通電圧を印加しても検出できないような欠陥(潜在的欠陥)であっても、第1の共通電圧に対してバイアス電圧を付加した第2の共通電圧を印加することにより、正電圧による透過率と負電圧による透過率とのバランスが大きく崩れてしまい、正常な画素の輝度値と潜在的欠陥の輝度値との差が顕著になり、両者の識別が可能になっている。本発明ににおいては潜在的欠陥を含めた欠陥を検出することを前提しているが、潜在的欠陥とは、通常駆動(上記の第1の共通電圧による駆動)では現れないような欠陥を意味している。この潜在的欠陥は、表示パネルに設けられている例えば配向膜が紫外線や熱等により変質しているための起こると予測されており、したがって、その欠陥(潜在的欠陥)はその欠陥の程度が進行することから進行性の欠陥とも称される。この進行性の欠陥に対して、通常駆動により検出される欠陥はその程度が進行しないことから非進行性の欠陥と称される。なお、上記の潜在的欠陥にはついては後述の実施形態において詳細に説明する(特に、図3〜図6参照)。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法において、前記特殊駆動する工程は、前記第2の共通電圧を前記第1の共通電圧に対して正電圧側又は負電圧側にシフトさせた値に設定して印加する。前記第2の共通電圧として、前記第1の共通電圧に対して正電圧側又は負電圧側にシフトさせた値を設定して印加することにより、正電圧による透過率と負電圧による透過率とのバランスが正電圧側又は負電圧側にシフトして大きく崩れてしまい、正常な画素の輝度値と潜在的欠陥の輝度値との差が顕著になり、両者の識別が可能になっている。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法において、前記特殊駆動する工程は、前記第2の共通電圧として、前記第1の共通電圧に対して正電圧側にシフトさせた値及び負電圧側にシフトさせた値を所定の周期(例えば1画面分〜数画面分の周期)で印加する。正電圧による透過率と負電圧による透過率とのバランスが正電圧側及び負電圧側にそれぞれシフトして大きく崩れてしまい、正常な画素の輝度値と潜在的欠陥の輝度値との差が顕著になり、両者の識別が可能になっている。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法において、前記潜在的欠陥の有無を検出し又は前記欠陥の程度を評価する工程はシミ欠陥を対象としており、潜在的シミ欠陥を高精度に検出し又はその程度を評価することが可能になっている。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法は、検査対象の表示パネルに対して前記第1の共通電圧を印加して通常駆動をする工程を更に備え、前記通常駆動において欠陥が検出されず、前記特殊駆動において欠陥が検出されたときに、当該欠陥を潜在的シミ欠陥とする。前記通常駆動による欠陥検出及び前記特殊駆動による欠陥検出の双方を行うこことにより、潜在的シミ欠陥を識別することが可能になっている。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法において、前記潜在的欠陥の有無を検出し又は前記欠陥の程度を評価する工程は、前記通常駆動及び前記特殊駆動のそれぞれについて、前記検査画像のシミ欠陥強調のためのフィルタ処理を行う工程を有し、前記フィルタ処理された検査画像に基づいてシミ欠陥の有無を検出し又はシミ欠陥の程度を評価する。シミ欠陥強調のためのフィルタ処理を行った後に、シミ欠陥の有無の検出処理をするようにしたので、シミ欠陥を高精度に検出することが可能になっている。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法において、前記潜在的欠陥の有無を検出し又は前記欠陥の程度を評価する工程は、前記副通駆動及び前記特殊駆動のそれぞれについて、前記撮像された検査対象の画面の画像を取り込んで、その取り込まれた画像から、予め作成しておいた背景画像との差をとり背景差分画像を作成する工程と、前記背景差分画像の平坦化処理を行う工程と、前記平坦化画像から複数段階の縮小画像を作成する工程とを更に備え、前記縮小画像のそれぞれを検査画像として前記フィルタ処理を行う。本発明においては、コントラスの低く、サイズの大きいシミ欠陥から小さいシミ欠陥まで検出できるようにするために、まず、検査対象の画面を撮像し、その画像から背景画像との差をとって検査対象以外によって生じる輝度変化を除去した背景差分画像である検査画像を作成する。そして、この検査画像の平坦化処理を行い、その平坦化画像から複数段階にわたって画像サイズを縮小する画像サイズ縮小処理を行う。この縮小処理により、検査画像内の大小様々なシミ欠陥も縮小され、その結果、複数の縮小画像のどれかに、検出可能なサイズの欠陥として存在することとなる。次に、縮小画像のそれぞれに対して欠陥強調のためのフィルタ処理を行うことによって、シミ欠陥のコントラストが強調される。従って、欠陥サイズの大小、あるいはコントラストの高低にかかわらず、シミ欠陥を高精度に検出することができる。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法において、前記欠陥の有無を検出し又前記欠陥の程度を評価する工程は、前記副通駆動及び前記特殊駆動のそれぞれについて、前記フィルタ処理後における画像内の各画素の輝度値の統計データを求める工程と、前記輝度統計データに基づいて閾値を決定し、前記閾値に基づいて欠陥候補を抽出する工程とを有する。シミ欠陥の有無を判断し、欠陥候補の抽出を行うための閾値が、検出画像内の各画素の輝度値の統計データを計算することにより、その輝度統計データに基づいて自動的に決定されるので、検査対象の画像に応じて最適な閾値が得られ、これによりシミ欠陥を高精度に検出することができる。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法において、前記検査対象の画面の画像のデータは、12ビットの4096階調以上のデータである。このような高解像度の画像データを用いることにより、前記輝度統計データの精度が上がるため、欠陥検出精度の更なる向上を図ることが可能となる。また、後述する欠陥候補の評価値の精度も向上する。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法において 前記背景画像は、同一の光学系および同一の撮像系により撮像された複数の画像を平均化したものである。背景画像は、検査対象以外によって生じる輝度変化を除去し、検査対象の欠陥を抽出するためにつくられる。従って、背景画像は検査対象以外によって生じる輝度変化のみの画像であり、同一の光学系及び同一の撮像系により、できるだけ欠陥の少ない表示画面を複数撮像し、それらの撮像された複数の画像を平均化することによって、画像内にランダムに存在する検査対象の欠陥部分の成分は弱められ、画像内に常に同じ位置に存在する、スクリーンや照明、レンズ特性等検査対象以外によって生じる輝度変化のみが残る背景画像が得られる。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法は、前記背景差分画像を作成する前に、前記背景差分画像の表示エリアを抽出し、この表示エリアに幾何学的変形を施して長方形にする。検査画像が例えば検査対象の画面が例えばプロジェクタによりスクリーン上に投射された画像であるような場合には、その画像にスクリーンの縁部分が入っていたり、表示エリアの部分がスクリーンに対して斜めになっていたりすることがある。そこで、検査画像を作成する場合には、検査対象の画面を含む画像から表示エリアを抽出し、この表示エリアに幾何学的変形を施して長方形にすることにより、上記のような画像の歪み、変形等を補正することができる。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法は、前記閾値を明欠陥及び暗欠陥に対応してそれぞれ求める。白シミ欠陥と黒シミ欠陥の両方を検出できるようにするために、欠陥候補の閾値は、明欠陥及び暗欠陥に対応して決定する。例えば、明欠陥を抽出するための白シミ閾値は、平均輝度データ+a1×標準偏差、暗欠陥を抽出するための黒シミ閾値は、平均輝度データ−a2×標準偏差なる計算式より求めることができる。計算式のa1、a2は、ある決められた定数である。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法は、前記閾値を前記輝度統計データの平均値及び標準偏差を用いて求める。従って、欠陥候補を客観的・定量的に評価することができ、かつ、正確な評価を行うことができる。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法は、前記欠陥候補の特性値をblob処理によって求め、前記欠陥候補の特性値と前記輝度統計データとに基づいて評価値を算出する工程を更に備えている。欠陥候補の特性値をblob処理によって求め、この特性値と前記統計データに基づいて所定の式により欠陥候補の評価値を算出するため、欠陥候補の程度を定量的に評価することができる。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法は、前記欠陥候補の評価値を、明欠陥及び暗欠陥に対応してそれぞれ求める。前記欠陥候補の評価値が明欠陥及び暗欠陥の両方に対して得られる。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法は、前記欠陥候補の評価値を、前記輝度統計データの平均値及び標準偏差と、欠陥候補の最大輝度及び最小輝度とを用いて求める。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出方法は、前記欠陥候補の評価値の大きさによって製品の良品ランクの分類をする。従って、シミ欠陥を製品(部品を含む。)別に客観的に評価することができ、シミ欠陥のランク付け、製品の等級化が可能となる。なお、これらの統計データは品質管理に活用することができる。
本発明に係る表示パネルの欠陥検出装置は、検査対象の表示パネルに、検査対象の表示パネルに、所定の正電圧と負電圧とにおける透過率が一致するような第1の共通電圧に対してバイアス電圧を付加した第2の共通電圧を印加して特殊駆動する駆動手段と、前記特殊駆動された表示パネルを撮像する撮像手段と、前記撮像された検査画像に基づいて潜在的欠陥の有無を検出し又は前記欠陥の程度を評価する演算手段とを有する。この演算手段は、上記に記載の欠陥検出方法における潜在的欠陥を検出し又は前記欠陥の程度を評価する演算処理を行う。
本発明に係る表示パネルの製造方法は、上記の表示パネルの欠陥検査方法を製造工程に含むものであり、高精度に欠陥検査がなされた表示パネルを製造することが可能になっている。
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係る液晶パネルの欠陥検出装置及びその関連設備の構成図である。この実施形態1においては暗ボックス10を備えており、暗ボックス10を内の一方の側にスクリーン11が設置され、他方の側部には開口部10a,10bが設けられている。検査対象となるTFT素子を用いた液晶パネル(TFTパネル又は液晶ライトバルブともいう)12は開口部10bに対向して配置されており、プロジェクタ光源13の光が液晶パネル12に照射される。液晶パネル12には信号発生器14により所定のパターンを描画するための画像信号等が与えられ、描画された画像は投射レンズ15により拡大されてスクリーン11に表示される。暗ボックス10の開口部10aには撮像手段として例えばCCDカメラ(以下、カメラという)16が対向配置されており、カメラ16が
スクリーン11に表示された画像を撮像し、その画像信号はA/D変換器(図示せず)によりアナログ信号からデジタル信号に変換されてコンピュータ17に取り込まれる。このとき、画像データはA/D変換器により画素毎に例えば、黒を“0”、白を“4095”とする12ビットのデータで4096階調の輝度値で表される。
コンピュータ17には演算手段(CPU)17a及び記憶手段17bが内蔵されており、記憶手段17bは、デジタル信号に変換された画像データを記憶手段17bに格納し、また、記憶手段17bに格納された画像データを後述する方法により処理することにより、明・暗欠陥ごとにシミ欠陥(通常のシミ欠陥及び潜在的シミ欠陥)を検出する。欠陥検出にあたっては複数の縮小サイズによる縮小画像とシミ欠陥強調のためのフィルタ処理(シミ欠陥強調処理)を行ったうえで、検出画像内の輝度情報の統計処理を行い、その統計データをもとに欠陥候補を抽出するための閾値を決定して欠陥候補を抽出し、さらに、抽出された欠陥候補について定量的に評価する評価値を演算して求める。これらの検査結果は出力手段としての表示手段18に表示される。また、演算手段17aは、上記のシミ欠陥を検出するのに、液晶パネル12を駆動させる際には、通常の駆動だけでなく、特殊駆動によって画像を描画させて液晶パネル12の潜在的シミ欠陥についても検出する。これらの通常駆動及び特殊駆動の詳細を図2〜図6に基づいて説明する。
図2は液晶パネル12の1つの画素に着目した等価回路図である。TFT(薄膜トランジスタ)20のソースには駆動電圧(制御電圧)Vsが供給されるが、この駆動電圧は所定の周期で正負に振動するパルス電圧(交流電圧)となっている。TFT20のドレインは液晶セル22を介して共通電極(図示せず)に接続されており、共通電極には共通電圧Vcomが供給されている。この共通電圧Vcomは、通常駆動の状態においては、所定の設定電圧において(即ち第1の電圧と第2の電圧とで)透過率が一致するように調整されるものであり、必ずしも零電圧ではないが、本実施形態においては零電圧の例について説明するものとする。特殊駆動の場合には、上記の共通電圧(第1の共通電圧)に対して所定の電圧(バイアス電圧)が付加された共通電圧(第2の共通電圧)Vcomが供給されるものとする。実際の液晶パネル12においてはこの駆動電圧Vsの値(大きさ)により階調表示が制御されることになる。なお、上記の設定電圧(第1の電圧、第2の電圧)は必ずしも正・負の値をとるものではなく、所定の基準電圧に対して正側及び負側にそれそれぞれ所定の電圧だけ振幅するような例もあり、何れも正の値をとる場合がある。
図3は通常駆動時の正常な画素及び潜在的シミ欠陥のある画素の駆動電圧Vsと透過率Tとの関係を示した特性図である。ここでは、共通電圧(第1の共通電圧)Vcomは零電圧となっており、正常の画素の透過率は共通電圧Vcomに対して対称となっているが、潜在的シミ欠陥のある画素の透過率は共通電圧Vcomに対して負電圧側に若干ずれた特性になっている。即ち、透過率の立ち上がり(負側電圧)と立ち下がり(正側電圧)とで白色と黒色に偏った値になっている。このように潜在的シミ欠陥のある画素が正常な画素と異なった特性を示すのは、例えば配向膜が紫外線、熱、衝撃等により劣化するためであると考えられている。しかし、これらの特性が発生する周期は極めて短いため、識別できる点は平均化された点になり、図3の特性で「得られた透過率」と示される点が該当する画素の値であり、その隣接する正常な素子(画素)との差異が小さいため識別することができない。このように、通常駆動時において検出できない欠陥を潜在的シミ欠陥と称している。
図4は特殊駆動時の正常な画素及び潜在的シミ欠陥のある画素の駆動電圧Vsと透過率Tとの関係を示した特性図である。ここでは、共通電圧(第2の共通電圧)Vcomは正電圧側に所定の電圧(例えば0.1V〜0.2V程度)を付加しており(バイアス電圧を付加しており)、正常な画素及び潜在的シミ欠陥のある画素の透過率は、何れも共通電圧Vcomに対して非対称となっており、透過率の平均値の差異が拡大されて差異ΔTが現れる。この差異ΔTにより正常な画素と潜在的シミ欠陥のある画素とを区別することができるので、潜在的シミ欠陥のある画素を検出することができる。
図5は通常駆動時の正常な画素、白シミ及び黒シミのある画素の駆動電圧Vsと透過率Tとの関係を示した特性図である。ここでは、共通電圧Vcomは零電圧となっており、正常な画素、白シミ及び黒シミのある画素の透過率は共通電圧Vcomに対して対称となっており、正常な画素の透過率と、白シミ及び黒シミのある画素の透過率とは異なった輝度値を示し、その差異ΔTも大であることから、正常な画素、白シミ及び黒シミのある画素の相互の識別が可能になっており、白シミ及び黒シミのある画素の検出が可能になっている。
図6は特殊駆動時の正常な画素、白シミ及び黒シミのある画素の駆動電圧Vsと透過率Tとの関係を示した特性図である。正常な画素の透過率と、白シミ及び黒シミのある画素の透過率とは異なった輝度値を示し、その差異ΔTも大であることから、正常な画素、白シミ及び黒シミのある画素の相互の識別が可能になっており、白シミ及び黒シミのある画素の検出が可能になっている。
図3〜図6の説明から明らかなように、白シミ及び黒シミのある画素の検出ついては通常駆動及び特殊駆動の何れにおいても検出され、潜在的シミ欠陥のある画素については通常駆動では検出されず、特殊駆動により検出されることになる。したがって、潜在的シミ欠陥は、通常駆動においては欠陥が検出されなかった検査画像が、特殊駆動により欠陥が検出されときに、当該欠陥を潜在的シミ欠陥とする。本実施形態1における動作原理が明らかになったところで、次に、図1のシミ欠陥検出装置の動作を図7に基づいて説明する。
図7は主として図1の演算手段17aの処理経過を示したフローチャートであり、これは記憶手段17bに格納された検査プログラムによって自動的に行われる。図8は図7の処理(S6)〜(S8)及び(S13)〜(S16)の詳細を示したフローチャートであり、図9は上記の処理過程における画像の遷移を示した説明図である。
(1)液晶パネルのセット(S1)。
液晶パネル12を所定の位置にセットし、プロジェクタ光源13を点灯して液晶パネル12に描画された画像をスクリーン11に投影させるための準備をする。
(2)通常駆動信号の送信(S2)
演算手段17aは、信号発生器14に対して制御信号を送信し、液晶パネル12に対して通常駆動のための制御信号を送信させる。即ち、信号発生器14は、図3及び図5に示されるように、共通電圧(第1の共通電圧)Vcomを零電圧とし、また、液晶パネル12に所定の画像を描画させるべく駆動電圧(画像制御信号)Vsを供給する。液晶パネル12は供給された駆動電圧Vsに基づいてTFT素子20を駆動して液晶セル22に電圧を印加し、液晶パネル12に画像を描画させる。ここでは、液晶パネル12の表示部全体を中間調(例えば透過率を256段階の場合には128)で表示させる。液晶パネル12に描画された画像は拡大されてスクリーン11に投影される。スクリーン11に投影された画像はカメラ16により撮像される。撮像時は、表示面が飽和(カメラ16の最大輝度値を超える)しないように輝度レベルを調整し(露光時間や絞り)して撮像する。
(3)通常駆動画像の取り込み(S3)
演算手段17aはカメラ16により撮影された画像信号を取り込むが、画像信号はA/D変換器(図示せず)によりアナログ信号からデジタル信号に変換されてコンピュータ17に取り込まれる。このとき、画像データはA/D変換器により画素毎に例えば、黒を“0”、白を“4095”とする12ビットのデータで4096階調の輝度値で表される。
(4)表示エリア抽出処理(S4)
演算手段17aは、記憶手段17bに格納された画像(画像データ)についての表示エリア抽出処理を行う。表示エリアの抽出処理とは、撮像により取り込まれた入力画像から検査対象の画面部分のみを抽出することをいう。例えば、図9(a)は撮像時の入力画像である。この図に示されるように、撮像時の入力画像41にはスクリーン11の縁部分に相当する画像11aを含んでいたり、また表示画面部分に対応する表示エリア画像42が正確に長方形でなくスクリーン11に対して斜めに歪んでいたりすることがある。これは、スクリーン11とカメラ16とが厳密に平行でなかったり、また、投射レンズ15の特性やカメラ16のレンズ特性などにより歪みを起こしたりすることに起因するものである。また、上記のように間接的撮像でなく、液晶パネル12等の画像を直接撮像した場合でも入力画像の歪みや変形等が生じる場合がある。もちろん、上記のような縁部分に相当する画像11aが入らないようにカメラ16や検査対象の液晶パネル12画面を正確にセットして撮像した場合には、例えばカメラ16の視野内に検出対象の画面部分全体が収まるように視野が正確にセットされている場合には、この表示エリア抽出処理及び次に述べる補正処理は省略することが可能であり、撮像により取り込まれた画像が直接、原画像となる。
入力画像41が図9(a)に示されるように歪んだりしているような場合には、同図(b)に示されるように、画面部分の表示エリア画像42のみを抽出し、これに幾何学的変形を施して正確な長方形になるように補正した表示エリア補正画像43を作成する。この表示エリア補正画像43がここでは実際の検査対象となる原画像である。この幾何学的変形による画像の補正処理は、前記スクリーン11の縁部分に相当する画像11aを含まない表示エリア画像42をその四隅の座標をパターンマッチング処理により検出し、その座標が長方形の四隅の座標に合致するように座標変換することにより行う。このときに設定する長方形のサイズを、例えば1200×1000画素サイズとすることで、原画像43の画像サイズは1200×1000画素となる。このサイズについては、特に固定しているわけではなく、カメラ16の画素サイズと同等か、それに近いサイズで設定すればよい。
(5)背景画像の差分処理(S5)
演算手段17aは、表示エリア抽出処理された画像について、背景画像の差分処理を行う。背景画像の差分処理とは、上記のように作成された原画像43から、図9(c)に示されるような予め作成しておいた背景画像44を減算する処理である。この背景画像44は、例えば欠陥の少ない液晶パネルを本発明の装置構成(同一光学系および同一撮像系からなる構成)で例えば20枚程度撮像して、その画像を平均化したものであり、予め前記原画像43と同様な方法で作成され、記憶手段17bに記憶されている。この背景画像44を原画像43から減算することによって、原画像43に含まれている検査対象以外のスクリーンや撮像手段の照明、プロジェクタの投射レンズ15の特性等によって生じる明るさの変化を除去することができる。また、この差分処理では、輝度データがマイナスの値とならないようにオフセット値として2048(4096×1/2)を加えている。背景画像差分処理の結果、図9(d)に示されるような背景差分画像すなわち検査画像45が得られる。そして、もしあるとすれば、この背景差分画像(検査画像)45の中にサイズやコントラストの異なるシミ欠陥50あるいはサイズの比較的大きいムラ欠陥51が存在することになる。
(6)平坦化処理(S6)
背景差分画像(検査画像)45には、表示エリア全体に生じる大きな輝度変化、すなわち人間が見てもそれほど問題にならないような、広い範囲にわたって明るいところや暗いところがあるといった明るさの変化や、上記のようにサイズの比較的大きいムラ欠陥51などが含まれるおそれがあるので、これらを検出対象から除外するために、演算手段17aは、背景差分画像すなわち検査画像45に対して平坦化処理を行う。この平坦化処理によって、照度ムラのような大きな明るさの変化やサイズの大きいムラ欠陥は除去されるので、比較的小さいサイズのシミ欠陥やコントラストの異なるシミ欠陥のみが残った図9(e)に示すような平坦化画像46が得られる。なお、平坦化処理とは、平滑化フィルタを用いた処理、あるいはモフォロジ処理などによって平滑化する処理である。
(7)画像サイズ縮小処理(S7、図8のS7a〜S7e参照)
シミ欠陥のサイズは小さいといってもその中でも様々な大きさのものがあり、また、シミ欠陥のコントラストについても高いものや低いものなど様々である。後述するフィルタは、所定のサイズのシミ欠陥しか強調できないので、平坦化画像46内に存在する様々なサイズのシミ欠陥に対応させるために、平坦化画像46の画像サイズを複数段階にわたって縮小する処理を行う。ここでは、元画像1200×1000ピクセルの平坦化画像46から、1/2(600×500ピクセル)、1/4(300×250ピクセル)、1/8(150×125ピクセル)、1/16(75×62ピクセル)、1/32(38×31ピクセル)の5段階に縮小した5枚の縮小画像をそれぞれ作成する。
図10は画像サイズの縮小方法の説明図である。画像サイズの縮小方法は、同図に示されるように、元画像の4画素分の輝度データの平均値を新たな画像の1画素に割り付けることにより1/2サイズに縮小する。この方法を繰り返すことにより、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32の縮尺サイズの各画像を得る。なお、本実施形態1においてはこれらの縮小された画像を検査画像として後述のシミ検出処理をそれぞれ行う。
(8)シミ強調処理(ステップS8、図8のS8a〜S8e参照)
このシミ強調処理は、上記のように縮小された画像にシミがあるかどうかについての判断しやくするための前処理(シミ欠陥強調処理)をするものであり、次の述べるようなフィルタを用いて処理する。なお、この処理は縮小された各画像に対してそれぞれ行われる。このシミ強調処理としては、本実施形態1においては、各縮小画像に対して空間フィルタとしてトップハット(Tophat)フィルタを用いてシミ欠陥のコントラストを強調する。トップハットフィルタは、コントラスト強調を行うフィルタで、例えば図11に示すように7×7画素で構成されており、注目画素に対してこのフィルタ構成数値と畳み込み演算を行うことにより、画素内に背景と比べて約3×3画素くらいのサイズの明点(ここでは白シミ欠陥)が存在するときに、これを強調するものである。しかし、トップハットフィルタは明点を強調した結果はプラスの値となるため、明欠陥(白シミ)の検出には有効であるが、暗点(ここでは黒シミ欠陥)を強調した結果はマイナスの値となり、画像処理の画像フォーマットでは通常正の値しかとれないため、結果は0と置き換えられ、暗欠陥(黒シミ)の検出には難点がある。そこで、トップハットフィルタ処理で畳み込み演算を行うと同時にオフセット値として「2048」の値を加えることで、本来はマイナスの値となる暗点の強調部分をプラスにして、その結果トップハットフィルタ処理のみで、明点と暗点の強調処理を可能にする。もちろん、空間フィルタはトップハットフィルタに限定されるものではなく、暗点を強調した結果がプラスの値となる(トップハットフィルタとは符号が逆になる)ウェル(Well)フィルタ(図12参照)を使用してもよい。また、これらの空間フィルタのフィルタサイズ、重み付け等も図示のものに限定されるものではない。
図9(f)は、縮小画像に上記のトップハットフィルタ処理を行ったときの検出画像47を模式的に示すものである(但し、わかりやすくするために画像サイズは同じサイズで図示してある。実際には縮小サイズである)。上記のようなトップハットフィルタ処理とオフセット処理を同時に行うことにより、白シミ、黒シミを強調した結果を一度で取得することができ、シミ欠陥50の検出が容易になる。なお、図9(f)で欠陥の強調がなされていないサイズのシミ欠陥については、何段階かに縮小されることで強調可能なサイズとなった他の縮小画像において同様の方法で欠陥が強調されることになる。
(9)欠陥判断処理(S9)
ここでは、欠陥判断処理として、統計計算(S21a〜S21e)、チェック1(S22)、blob処理(S23a〜S23e)及びチェック2(S24)の各演算処理を行う。
(9.1)統計計算(S21a〜S21e)
次に、上記の検出画像47内の各画素の輝度値に基づく統計データの計算を行う。統計データの計算では、画像全体での輝度値の平均値Lave、標準偏差σ、最大値Lmax、最小値Lminを求める。これら4つの輝度統計データから、白シミ、黒シミの閾値を、例えば次のように決定する。
白シミ閾値:Lave+a1×σ
黒シミ閾値:Lave−a2×σ
ここで、a1、a2は、ある決められた定数である。
従って、白シミ、黒シミを検出するための閾値を、検出画像47内の輝度データを統計計算することにより、その輝度統計データに基づいて自動的に決定することができる。そのため、閾値が人為的・試行錯誤的でなく、客観的・相対的なものとなる。
(9.2)チェック1:欠陥候補の有無の判定(S23)
そして、上記検出画像47内に白シミ欠陥や黒シミ欠陥の候補があるかどうかを、上記閾値に基づいて1回目のチェックを行う。すなわち、統計データの計算で求めた輝度値の最大値Lmaxが白シミ閾値を超えていれば、検出画像47内に白シミ欠陥があると判定し、輝度値の最小値Lminが黒シミ閾値以下であれば、検出画像47内に黒シミ欠陥があると判定する。もし、欠陥候補が皆無であれば、この段階でその製品は良品と判定され、検査を終了する。
(9.3)blob処理(S23a〜S23e)
上記チェック1で検出画像47内に欠陥候補があると判定された場合には、閾値を用いて欠陥候補を抽出し、blob処理を行って欠陥候補の特性値を計算する。blob(ブロブ)とは、画像内に存在する特定範囲の値を持った「かたまり」のことであり、ここでは白シミ閾値以上の領域、もしくは黒シミ閾値以下の領域である欠陥候補となる。従って、白シミ閾値と黒シミ閾値を用いて2値化処理で欠陥候補を抽出し、その抽出された領域に対して画像処理の手法であるblob処理を行って、欠陥候補の特性値を計算する。ここでは欠陥候補の特性値として、領域の重心位置X,Y座標と、白シミ欠陥候補であれば領域内の輝度の最大値(Lmax(n))、黒シミ欠陥の候補であれば領域内の輝度の最小値(Lmin(n))を求める。
(9.4)チェック2:評価値の計算(S24)
この2回目(つまり最終的な)チェックにおいて、欠陥候補として抽出された欠陥候補に対して、欠陥の程度を定量化するため評価値計算を行う。評価値は、縮小された画像毎に求められた輝度統計データ(平均値Lave(i)、標準偏差σ(i)、iは縮小画像の画面番号)とblob処理により求められた特性値(最大値Lmax(n)、最小値Lmin (n)、nはblob番号)を用いて、次式により評価値を計算する。
白シミ:
Ev(n)=k(i)×(Lmax(n)−Lave (i))/σ(i)
黒シミ:
Ev(n)=k(i)×(Lave (i)−Lmin(n))/σ(i)
但し k(i)=縮小画面係数 i=画面番号
Lmax(n)=欠陥候補の最大輝度 n=blob番号
Lmin(n)=欠陥候補の最小輝度
Lave=画像全体の平均輝度
σ=画像全体の輝度の標準偏差
これらの計算式により評価値を求めることにより、欠陥候補として抽出された白シミ欠陥、黒シミ欠陥を、座標位置、個数(blob番号)と共に、客観的なデータで定量的に評価することができ、白シミ欠陥、黒シミ欠陥の有無を判断するだけではなく、欠陥の程度に基づくランクを決定することができる。従って、シミ欠陥の検出精度が高いものとなる。
この評価値に対し、ランク分類するための閾値は、製品の良品ランク毎に何段階かに設定することができる。これによりシミ欠陥の良品内のランク(等級)付けや製品の等級化が可能となる。例えば、液晶パネルをR(赤)、G(緑)、B(青)のカラー別に、プロジェクタのライトバルブとして使用する場合に、比視感度は緑のとき(波長λ=555nmのとき)が最も高いので、緑のライトバルブのランクを設定する閾値が最も厳しく他の場合よりも小さい値に設定される。
(10)特殊駆動による潜在的シミ欠陥の検出(S10〜S17)
演算手段17aは、信号発生器14に対して制御信号を送信し、液晶パネル12に対して特殊駆動をさせるための制御信号を供給させる。信号発生器14は、図4に示されるような共通電圧(第2の共通電圧)Vcom及び駆動電圧Vsを液晶パネル12に供給する(S10)。液晶パネル12は供給された駆動電圧に基づいてTFT素子20を駆動して液晶セル22に電圧を印加して画像を描画する。液晶パネル12に描画された画像はスクリーン11に投影される。スクリーン11に投影された画像はカメラ16により撮影される。その後は、上記の通常駆動画像の取込み(S3)、表示エリア抽出処理(S4)、背景画像差分処理(S5)、平均化処理(S6)、サイズ縮小処理(S7)、シミ強調処理(S8)及び欠陥判処理(S9)の各処理と同様な内容の処理を、特殊駆動画像の取り込み(S11)、表示エリア抽出処理(S12)、背景画像差分処理(S13)、平均化処理(S14)、サイズ縮小処理(S15)、シミ強調処理(S16)及び欠陥判断処理(S17)として行う。
但し、欠陥判断処理(S17)においては、上記の通常駆動による欠陥判断処理(S9においてシミ欠陥を検出することができなかった検査画像に、特殊駆動によってシミ欠陥が検出されたときに、当該シミ欠陥を潜在的シミ欠陥であると判断する。
(12)上記の欠陥判断処理(S9)及び(S17)における判断結果を記憶手段17bに格納し、表示手段18に表示させる。
本実施形態1は、以上のように構成されており、通常駆動によれば検出できない潜在的シミ欠陥を検出することができるようになったので、液晶パネルのシミ欠陥検出の精度が飛躍的に向上している。また、液晶パネルの画面に存在するシミ欠陥を欠陥サイズの大小にかかわらず、またコントラストの高低にかかわらず、高精度に自動的に検出することができ、かつ、シミ欠陥を個々に定量的に評価することができる。また、輝度統計データに基づいてシミ欠陥を評価しているので、製品や部品の品質データを収集・分析することにより、品質管理に役立てることができ、更なる品質の向上を目指した手法を構築することも可能となる。また、本実施形態1の欠陥検査は液晶パネルの製造過程においてはなされるものであり、高精度な欠陥検査がなされ、品質保証された液晶パネルが得られる。
実施形態2.
なお、上述の実施形態1においては、第2の共通電圧を第1の共通電圧に対して正電圧側にバイアスする例について説明したが、負電圧側にバイアスしても同様に潜在的シミ欠陥を検出することができる。また、第2の共通電圧として、第1の共通電圧に対して正電圧側にシフトした値及び負電圧側にシフトさせた値を所定の周期(少なくとも1画面分の周期)で設定して印加するようにしてもよい。
実施形態3.
また、上述の実施形態1においては潜在的シミ欠陥を検出する例について説明したが、本発明は、個々の画素に着目してその潜在的な欠陥を検出するようにしているので、シミ
欠陥だけでなく、点欠陥、スジ欠陥、ムラ欠陥、線欠陥、画素ムラ欠陥等の検出においても同様に適用される。例えば、点欠陥を検出する場合には、検査画像に対してトップハットフィルタ又はウェルフィルタをかけて明点欠陥及び暗点欠陥を強調し、明点欠陥及び暗点欠陥を強調すると同時に画像を表示している階調の略中央値をオフセット値として加算して、その値に基づいて明・暗欠陥を抽出するとともにその評価値を計算する。また、スジ欠陥を検出する場合には、上記と同様にして縮小された各縮小画像に対して様々な方向のスジに対応するようにして、強調角度を4段階に変えた線検出フィルタをそれぞれかけてスジ欠陥を強調し、スジ欠陥を強調すると同時に画像を表示している階調の略中央値をオフセット値として加算し、その値に基づいてスジ欠陥を抽出するとともにその評価値を計算する。
また、ムラ欠陥を検出する場合には、検査画像又は検査画像を縮小した縮小画像に対して複数段階の画像の平坦化処理を行い、第1及び第2の平坦化画像を作成し、検査画像又は検査画像の縮小画像と前記第1の平坦化画像との画像間、及び第1の平坦化画像と第2の平坦化画像との画像間で、それぞれ差分処理を行い、同時に画像を表示している階調の略中央値をオフセット値として加算して、その値に基づいてスジ欠陥を抽出するとともにその評価値を計算する。また、線欠陥を検出する場合には、検査画像に対して平坦化処理を行い、平坦化画像に対してそれぞれ水平方向と垂直方向のエッジを強調するエッジ検出フィルタをかけて線欠陥を強調し、線欠陥を強調すると同時に画像を表示している階調の略中央値をオフセット値として加算して、その値に基づいてスジ欠陥を抽出するとともにその評価値を計算する。更に、画素ムラ欠陥を検出する場合には、検査画像の各画素について膨張処理を行い、膨張処理を行った画像に対してソーベルフィルタ又はラプラシアンフィルタをかけて隣接画素の輝度差を強調し、その後上記の例に同様に処理をする。
実施形態4.
また、上記の実施形態1においては、検査対象の画像を複数段階に縮小して、同じ大きさのフィルタを適用する例について説明したが、その逆に、検査対象の画像を縮小せずに、複数段階の大きさのフィルタを用意しておいて適用するようにしてもよい。また、上記の実施形態1においては、検査対象となる液晶パネルの画像をプロジェクタにより拡大して表示し、その拡大された画像を撮像して検査する方法が採用されているが、液晶パネルの画像を直接撮像して検査するようにしてもよい。
また、上記の実施形態1においては、通常駆動と特殊駆動の双方の検査画像に基づいて潜在的シミ欠陥を検出する例について説明したが、特殊駆動だけで、通常の欠陥(白シミ、黒シミ)及び潜在的シミ欠陥を含めてシミ欠陥として検出するようにしもよい。
また、本発明の検査対象は、上記のようなTFT素子を用いた液晶パネルに限られるものではなく、その他のダイオード素子を用いた液晶パネルやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、DMD(ダイレクト・ミラー・デバイス)などの表示体部品、ならびにそれらを使用した表示装置・製品の検査に利用することができるものであり、これらに使用した場合でも本発明の範囲から除外されるものでないことはいうまでもない。また、本発明において用いられるフィルタは上記の実施形態1に示されたものに限定されず、本発明の目的の範囲内に適宜変更される。
本発明の実施形態1によるシミ欠陥検出装置の構成図。 液晶パネルの1つの画素の等価回路図。 通常駆動の駆動電圧Vsと透過率Tとの関係を示した特性図。 特殊駆動の駆動電圧Vsと透過率Tとの関係を示した特性図。 通常駆動の駆動電圧Vsと透過率Tとの関係を示した特性図。 特殊駆動の駆動電圧Vsと透過率Tとの関係を示した特性図。 シミ欠陥の検出処理を示すフローチャート。 図7のフローチャートの詳細を示したフローチャート。 上記の処理過程における画像の遷移を示した模式図。 画像サイズの縮小方法の説明図。 トップハットフィルタの構成図。 ウェルフィルタの構成図。
符号の説明
10 暗ボックス、11 スクリーン、12 液晶パネル、13 プロジェクタ光源、14 信号発生器、15 投射レンズ、16 カメラ、17 コンピュータ、17a 演算手段、17a 記憶手段、18 表示手段。

Claims (20)

  1. 検査対象の表示パネルに対して、所定の第1の電圧と第2の電圧とにおける透過率が一致するような第1の共通電圧に対して所定のバイアス電圧を付加した第2の共通電圧を印加する特殊駆動をする工程と、
    前記特殊駆動された表示パネルを撮像する工程と、
    前記撮像された検査画像に基づいて欠陥の有無を検出し又は前記欠陥の程度を評価する工程と
    を有することを特徴とする表示パネルの欠陥検査方法。
  2. 前記特殊駆動する工程は、前記第2の共通電圧として、前記第1の共通電圧に対して正電圧側又は負電圧側にシフトさせた値を設定して印加することを特徴とする請求項1記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  3. 前記特殊駆動する工程は、前記第2の共通電圧として、前記第1の共通電圧に対して正電圧側にシフトさせた値及び負電圧側にシフトさせた値を所定の周期で印加することを特徴とする請求項1記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  4. 前記潜在的欠陥の有無を検出し又は前記欠陥の程度を評価する工程は、潜在的シミ欠陥を対象とすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  5. 検査対象の表示パネルに対して前記第1の共通電圧を印加して通常駆動をする工程を更に備え、前記通常駆動において欠陥が検出されず、前記特殊駆動において欠陥が検出されたときに、当該欠陥を潜在的シミ欠陥とすることを特徴とする請求項4記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  6. 前記潜在的欠陥の有無を検出し又は前記欠陥の程度を評価する工程は、前記通常駆動及び前記特殊駆動のそれぞれについて、
    前記検査画像のシミ欠陥強調のためのフィルタ処理を行う工程を有し、
    前記フィルタ処理された検査画像に基づいてシミ欠陥の有無を検出し又はシミ欠陥の程度を評価することを特徴とする請求項5記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  7. 前記潜在的欠陥の有無を検出し又は前記欠陥の程度を評価する工程は、前記通常駆動及び前記特殊駆動のそれぞれについて、
    前記撮像された検査対象の画面の画像を取り込んで、その取り込まれた画像から、予め作成しておいた背景画像との差をとり背景差分画像を作成する工程と、
    前記背景差分画像の平坦化処理を行う工程と、
    前記平坦化画像から複数段階の縮小画像を作成する工程と
    を更に備え、
    前記縮小画像のそれぞれを検査画像として前記フィルタ処理を行うことを特徴とする請求項6記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  8. 前記潜在欠陥の有無を検出し又前記欠陥の程度を評価する工程は、前記通常駆動及び前記特殊駆動のそれぞれについて、
    前記フィルタ処理後における画像内の各画素の輝度値の統計データを求める工程と、
    前記輝度統計データに基づいて閾値を決定し、前記閾値に基づいて欠陥候補を抽出する工程と
    を有することを特徴とする請求項7記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  9. 前記検査対象の画面の画像のデータは、12ビットの4096階調以上のデータであることを特徴とする請求項7又は8記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  10. 前記背景画像は、同一の光学系及び同一の撮像系により撮像された複数の画像を平均化したものであることを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  11. 前記背景差分画像を作成する前に、前記検査画像の表示エリアを抽出し、この表示エリアに幾何学的変形を施して長方形にする工程を更に有することを特徴とする請求項8乃至10の何れかに記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  12. 前記閾値を明欠陥及び暗欠陥に対応してそれぞれ求めることを特徴とする請求項8乃至11の何れかに記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  13. 前記閾値を前記輝度統計データの平均値及び標準偏差を用いて求めることを特徴とする請求項12記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  14. 前記潜在欠陥の有無を検出し又前記欠陥の程度を評価する工程は、前記欠陥候補の特性値をblob処理によって求め、前記欠陥候補の特性値と前記輝度統計データとに基づいて評価値を算出する工程を更に有することを特徴とする請求項8乃至13の何れかに記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  15. 前記欠陥候補の評価値を明欠陥及び暗欠陥に対応してそれぞれ求めることを特徴とする請求項14記載の表示パネルの欠陥検出方法。
  16. 前記欠陥候補の評価値を、前記輝度統計データの平均値及び標準偏差と、欠陥候補の最大輝度及び最小輝度とを用いて求めることを特徴とする請求項14又は15記載の表示パネルの欠陥検査方法。
  17. 前記欠陥候補の評価値の大きさによって製品の良品ランクの分類をすることを特徴とする請求項14乃至16の何れかに記載の表示パネルの欠陥検出方法。
  18. 検査対象の表示パネルに、所定の正電圧と負電圧とにおける透過率が一致するような第1の共通電圧に対してバイアス電圧を付加した第2の共通電圧を印加して特殊駆動する駆動手段と、
    前記特殊駆動された表示パネルを撮像する撮像手段と、
    前記撮像された検査画像に基づいて潜在的欠陥の有無を検出し又は前記欠陥の程度を評価する演算手段と
    を有することを特徴とする表示パネルの欠陥検査装置。
  19. 前記演算手段は、請求項4〜17の何れかに記載の欠陥を検出し又は前記欠陥の程度を評価する演算処理を行うことを特徴とする請求項17記載の表示パネルの欠陥検査装置。
  20. 請求項1〜17の何れかの表示パネルの欠陥検査方法を製造工程に含むことを特徴とする表示パネルの製造方法。
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