JP2005180769A - 高湿度貯蔵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷蔵室の高湿度を確保しつつ効率的な冷却を行ない得ると共に、氷塊が無駄に融解されるのを防止する。
【解決手段】貯氷庫12には、オーガ式製氷機で製造した圧縮氷が貯留される段部24と、該圧縮氷を融解して得られる冷水が貯留される凹部25とが形成される。そして、凹部25に貯留された冷水が、循環ポンプ34を介して冷蔵庫に内部画成した空間に循環供給され、冷蔵室を冷却すると共に加湿する。前記段部24の上面には傾斜が付され、該傾斜上面24aに貯留される圧縮氷は、貯留レベルが所定高さまで上がると、前記凹部25に向けて滑落し、凹部25に貯留されている冷水に浸漬されて該冷水を冷やす。
【選択図】図3

Description

この発明は、高湿度貯蔵装置に関し、更に詳細には、製氷機で製造した氷塊を融解することで得た冷水を、冷蔵室の内壁面に流下させることで、室内を高湿度に保持すると共に冷却するよう構成した高湿度貯蔵装置に関するものである。
生花や野菜等の高湿度での貯蔵が求められる被貯蔵物を貯蔵する高湿度貯蔵装置として、圧縮機、凝縮器、および膨張弁等からなる冷凍装置に接続する冷却器に冷媒を循環供給し、該冷却器と接触して熱交換した冷気を冷蔵室内に吹出すと共に、該冷気を冷蔵室に吹出すためのダクト内部に設けた加湿器からの水蒸気を冷蔵室内に噴霧することで、室内を冷却すると共に高湿度に保持するよう構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−292979号公報
しかし、前記特許文献1のように室内の湿度を高めるために加湿器を設けるだけでは、湿度90%程度が限界であった。また、室内を冷却するために用いられている冷却器に、経時的に霜が付くのは避けられない。すなわち、加湿器で加湿を行ないながら、冷却器で除湿していることとなり、効率的な加湿が阻害される難点が指摘される。
そこで、本願の発明者は、前記課題に対処し得る装置として、高湿度貯蔵装置を提案した。この装置は、製氷機で製造した氷塊を融解することで得た冷水を、冷蔵室に循環供給することで、冷蔵室の高湿度を保持しつつ冷却するよう構成したものであって、加湿器を用いた場合と同程度またはそれ以上の高い湿度を達成することができる。この基本構造に係る高湿度貯蔵装置においては、製氷機で製造した氷塊を、冷水と共に貯氷庫に貯留している。この場合において、全ての氷塊を冷水に浸した状態で貯留すると、氷塊が短かい時間で融けて冷水の量が増加するものの、冷蔵室との間で循環される量は略一定であるため、冷水が過剰となってしまう。すなわち、融解された圧縮氷が無駄となってしまい、該圧縮氷を製造するための電力も無駄となるおそれがあり、これを如何にして解決するか、が新たな解決課題となっている。
すなわち本発明は、前述した課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、冷蔵室の高湿度を確保しつつ効率的な冷却を行ない得ると共に、氷塊が無駄に融解されるのを防止し得る高湿度貯蔵装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明に係る高湿度貯蔵装置は、
自動的に氷塊を製造する製氷機と、
前記製氷機で製造した氷塊を貯留すると共に、該氷塊を融解した冷水を貯留する貯氷庫と、
前記貯氷庫に貯留した氷塊に前記冷水を散水して該氷塊を融解する散水手段と、
被貯蔵物が収納される冷蔵室が内部画成された冷蔵庫と、
前記貯氷庫に貯留されている冷水を、前記冷蔵室の内部空気と接触するように循環供給する供給手段とからなり、
前記貯氷庫には、氷塊が貯留される貯氷部に隣接して、冷水が貯留される貯水部が凹設され、貯氷部上で氷塊が融解することで得られる冷水が貯水部に流入し得るよう構成されていることを特徴とする。
本発明に係る高湿度貯蔵装置によれば、製氷機で製造した氷塊を融解することで得た冷水を、冷蔵室の室内空気と接触するように循環供給することで、該冷蔵室の冷却と加湿とを行なうよう構成したから、加湿器を用いた場合と同程度またはそれ以上の高い湿度が得られる。また冷却器を用いていないので、除湿が行なわれることはなく、効率的に加湿することができると共に、冷却も好適に行なわれる。更に、貯氷庫に、氷塊を貯留する貯氷部と、冷水を貯留する貯水部とを分けて設けたことで、製氷機で製造した氷塊が無駄に融解するのを防止でき、ランニングコストを低減し得る。
また、貯氷部の上面に傾斜を設け、貯留された氷塊を貯水部に滑落し得るよう構成したことで、該貯水部に貯留されている冷水を氷塊で冷やすことができ、冷蔵室の冷却効率を向上し得る。
次に、本発明に係る高湿度貯蔵装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
図1は、実施例に係る高湿度貯蔵装置の概略構成を示すものであって、該高湿度貯蔵装置10は、氷塊を連続的かつ自動的に製造するオーガ式製氷機(製氷機)11と、該製氷機11で製造された氷塊を貯留する貯氷庫12と、該貯氷庫12内の氷塊が融解されることで得られた冷水が循環供給される冷蔵庫13とから基本的に構成される。
(オーガ式製氷機について)
前記オーガ式製氷機11は、図2に示す如く、箱状本体14の内部に配設された円筒状の冷凍ケーシング15の外周に、圧縮機CMや凝縮器16等からなる冷凍系17に連通する蒸発管18が密着的に巻回され、製氷運転時に冷媒を該蒸発管18に循環させることにより、冷凍ケーシング15を強制冷却するよう構成される。また、冷凍ケーシング15には図示しない製氷水タンクから製氷水が所定レベルで供給され、製氷運転が開始されて冷凍ケーシング15が強制冷却されることで、製氷水がケーシング内壁面から徐々に氷結を始め、層状の薄氷が形成されるようになっている。なお、製氷水タンクには外部水道系に接続する給水管が接続され、該給水管に介挿した給水弁を該タンクに配設した水位設定手段(何れも図示せず)により開閉制御することで、製氷水タンクには常に所定量の水道水が貯留されるよう構成される。
前記冷凍ケーシング15の内部には、製氷機下部に配設されたオーガモータAMにより回転駆動されるオーガスクリュー19が回転可能が配設され、冷凍ケーシング15の内壁面に氷結する薄氷を、オーガモータAMにより回転されるオーガスクリュー19で削り取りつつ上方に移送するよう構成される。そして、前記オーガスクリュー19により削り取られつつ上方に移送されるフレーク状氷が、前記冷凍ケーシング15の上部内側に配設された押圧頭20を通過する過程で圧縮されて水分が除去されることで圧縮氷(氷塊)が製造され、この得られた圧縮氷が、該冷凍ケーシング15の上部に配設されて横方向に延在する筒状の放出部材21および、該放出部材21に連結されて下方に向けて延在する筒状の案内部材22を介して、前記貯氷庫12内に放出されて貯留されるようになっている。
なお、放出部材21の内部には、図示しない貯氷検知手段が配設され、該貯氷検知手段の配設位置まで圧縮氷が貯留されたときには、該手段が満杯検知を行ない、オーガ式製氷機11の運転を停止するよう構成される。そして、圧縮氷が融けて貯留量が減り、貯氷検知手段が満杯検知をしなくなったときに、オーガ式製氷機11の運転を再開するよう設定されている。
(貯氷庫について)
前記貯氷庫12は、図3〜図5に示す如く、上方に開放する箱状に形成された断熱箱体23を備え、該断熱箱体23の上に、前記オーガ式製氷機11が載置されて、前記案内部材22から放出される圧縮氷を内部に受容し得るようになっている(図1参照)。断熱箱体23の内部は、前記案内部材22の下方に位置する部位(実施例では後側)に、底面から所定高さで立ち上がる貯氷部としての段部24が設けられ、該段部24の上面に圧縮氷が貯留されるよう構成される。また、段部24を形成することにより、断熱箱体23の内部前側には、該段部24に隣接して所定深さの凹部25が凹設され、前記段部24から滑落した圧縮氷は該凹部25にも貯留されるようになっている。なお、段部24の上面は、凹部25に向けて下方傾斜するよう設定されており(例えば5〜10°の傾斜角度)、この傾斜上面24aに貯留される圧縮氷が、凹部25に向けてスムーズに滑落するよう構成される。前記凹部25は、後述する散水手段により段部24に貯留されている圧縮氷が融解されることで得られる冷水が流入して貯留されるよう構成され、該凹部25が貯水部としても機能するようになっている。また、凹部25にはオーバーフロー管26が配設され、所定水位を越えた冷水は、該オーバーフロー管26を介して機外に排出されるよう構成される。なお、オーバーフロー管26の上部にはキャップ26aが配設され、該オーバーフロー管26内に圧縮氷が入らないようにしてある。
(散水手段について)
前記貯氷庫12の下部には機械室27が画成され、該機械室27に配置された散水用の散水ポンプ28の吸込口に接続する吸込管29が前記凹部25の内部に配管され、その入口29aが凹部内で開口し、該凹部25に貯留されている冷水を散水ポンプ28に吸込み得るよう構成してある。また断熱箱体23の内部上方に、散水パイプ30がロ字状に配管されると共に、該散水パイプ30には複数の散水ノズル31が配設されている。前記散水パイプ30には、前記散水ポンプ28の吐出口に接続する吐出管32が接続されており、散水ポンプ28を運転することで、前記凹部25に貯留されている冷水が、各散水ノズル31を介して断熱箱体23の内部に貯留されている圧縮氷に散水され、これにより圧縮氷が融解して冷水が得られるよう構成される。そして、この冷水が凹部25内に貯留され、凹部25内に残留している融解していない圧縮氷により冷水は冷えた状態が維持されるようになっている。実施例では、散水ポンプ28、吸込管29、吐出管32、散水パイプ30および散水ノズル31から散水手段が構成されているが、散水ノズル31を配設するのに代えて、散水パイプ30に複数の散水孔を穿設するようにしてもよい。すなわち、散水手段は、少なくとも散水ポンプ28、吸込管29、吐出管32および散水パイプ30で構成することができる。
なお、前記凹部25内には、前記冷蔵庫13からの冷水を戻すための後述する第2戻り管58の出口58aが開口すると共に、該出口58aは、図5に示す如く、前記散水ポンプ28の吸込管29における入口29aと所定間隔離間して対向するよう設定される。そして、散水ポンプ28の運転中においては、冷蔵庫13から戻ってくる冷水を優先的に散水ポンプ28に吸込んで圧縮氷を融解するために用いられるよう構成してある。また、第2戻り管58の出口58aと吸込管29の入口29aとの間は、メッシュ状の連結部材33で囲繞されており、圧縮氷が散水ポンプ28に吸込まれるのを防止すると共に、第2戻り管58から戻ってくる冷水を凹部25に貯留し得るよう構成される。
ここで、前記散水ポンプ28は、前記冷蔵庫13の後述する冷蔵室40の温度を検知する図示しないセンサが上限設定温度を検知したときに運転を開始し、貯氷庫12に貯留されている圧縮氷を散水により融解することで、前記凹部25に貯留されている冷水の温度を低下させるよう制御される。そして、前記センサが下限設定温度を検知したときに散水ポンプ28の運転が停止されるようになっている。
(供給手段について)
前記機械室27には冷水循環用の循環ポンプ34が配置され、該循環ポンプ34の吸込口に接続する吸込管35の入口が前記凹部25の内部で開口し、凹部25に貯留されている冷水を循環ポンプ34に吸込み得るよう構成される。なお、この循環ポンプ34の吸込管35における入口は、前記第2戻り管58の出口58aから離間する位置に臨み、該戻り管58から凹部25内に戻ってきた冷水が、直ぐには循環ポンプ34に吸込まれないようにしてある。また凹部25の内部には、多数の通孔を穿設したパンチングメタルからなるフィルタ部材36が配設され、該フィルタ部材36の内部で前記吸込管35の入口が開口し、圧縮氷が循環ポンプ34に吸込まれないようになっている。
前記循環ポンプ34の吐出口に接続する吐出管37は、前記冷蔵庫13に配設された後述する散水管49に接続されている。なお、吐出管37には調節弁38が介挿され(図1参照)、貯氷庫12に貯留される冷水の量との関係で、散水管49に供給する冷水の量を適切に調節し得るようになっている。そして、実施例では、循環ポンプ34、散水管49および冷蔵庫13から冷水を貯氷庫12に戻すための後述する戻り管56,58とから供給手段が構成される。
(冷蔵庫について)
前記冷蔵庫13は、図6および図7に示す如く、本体をなす断熱構造の筐体39の内部に、生花や野菜等の被貯蔵物を貯蔵する冷蔵室40が画成されている。また筐体39の前部には開口部が開設され、該開口部は、筐体前面に開閉自在に枢支された複数の扉41により開閉されるようになっている。なお、冷蔵室40には、図示しない複数の棚部材が、上下方向の高さ位置を調節自在に配設され、各棚部材に被貯蔵物を載置し得るよう構成してある。
前記冷蔵室40の奥側には、その後部内壁面(内壁面)から内方に所定間隔離間して該後部内壁面の全面を覆う画壁42が配設され、該画壁42と後部内壁面との間に空間Sを画成している。前記画壁42は、上部に位置して高さ寸法の短かい第1画壁板43と、該第1画壁板43の下端部から下方に所定長さで延在する第2画壁板44と、該第2画壁板44の下端部から冷蔵室40の下端まで延在する第3画壁板45とから構成される。また後部内壁面には、その上端から第2画壁板44の下端までの間に、図7に示す如く、幅方向に延在する凹凸が、上下方向に交互に形成される波板状の波板46が配設され、後述する冷水が流下する面積が大きくなるよう設定される。
前記第1画壁板43は、図8に示す如く、その下端縁に、前記波板46に向けて下方傾斜する傾斜部43aが折曲形成され、その開放端は、波板46の表面(波板面)から所定長さだけ離間している。また傾斜部43aには、その傾斜に沿って位置調節可能な調節板47が配設され、該調節板47の波板46を向く端部は傾斜部43aの開放端より延出し、調節板47を傾斜部43aに沿って進退移動することで、調節板47の端部と波板46との間に形成される隙間Gの広さを調節し得るよう構成してある。第1画壁板43には、幅方向に離間して複数の庫内ファン48が配設され、該庫内ファン48は、前記冷蔵室40内の空気を吸込んで前記空間Sに吹出すよう設定され、該空間S内に吹出された空気は、前記隙間Gを介して第2画壁板44により画成される空間Sに流れ込むようになっている。
前記第1画壁板43で画成される空間Sには、幅方向の略全長に亘って延在するよう散水管49が配設され、該散水管49には、前記波板46の表面と対向する面に、複数の散水孔49aが幅方向に所定間隔離間して穿設されている。この散水管49には、前記循環ポンプ34の吐出口に接続する吐出管37が接続されており、前記貯氷庫12内の冷水は、該散水管49の各散水孔49aを介して波板46の表面に向けて散水されるよう構成される。
前記第2画壁板44は、図6に示す如く、上下に位置する取付板50,51の間に、複数の板部材52を前後および左右に離間して架設(所謂千鳥状に配設)することで構成され、前記第1画壁板43と第3画壁板45との間に配設される。なお、実施例では2つの第2画壁板44,44が左右平行に配設され、図6では右側の第2画壁板44を取外した状態で示してあるが、該第2画壁板44は、後部内壁面の幅方向の全体を覆い得るものであれば1つあるいは3つ以上であってもよい。各第2画壁板44において、前側に位置する板部材群と後側に位置する板部材群との間には隙間が画成され、該隙間を介して前記空間Sと冷蔵室40とが連通するよう構成される。そして、前記庫内ファン48の運転により空間Sに吸込まれ、前記波板46の表面を流下する冷水と接触して冷却されると共に水分を含んだ冷気が、第2画壁板44の隙間から冷蔵室40側に吹出されることで、該冷蔵室40は冷却されると共に加湿されるようになっている(図8参照)。前記各板部材52は、後方に開放する断面コ字状に形成されて所要の剛性が確保されると共に、前側の板部材52と後側の板部材52とは、その左右の端部が所定幅で前後に重なるよう設定され、前記空間S内を流下している冷水の飛沫が冷蔵室40内に飛散することがないよう構成してある。
前記前側に位置する各板部材52の後面における上下方向の適宜位置(例えば中間位置)には、後方に開放するコ字状の規制部材53が、その開放端を所定長さだけ後方に延出するようにして配設され、該規制部材53の開放端が、後側に位置する対応する板部材52,52の前面に当接するよう構成される(図9参照)。すなわち、冷蔵室40に収納した被貯蔵物により前側に位置する板部材52が後側に押されて該板部材52が弾性変形した際に、各規制部材53が後側に位置する板部材52,52に当接することで、前後の板部材間に形成されている前記隙間が閉塞されるのを防止するようになっている。
前記第2画壁板44の下端に配設される下取付板51には、図9に示す如く、前側および後側に位置する板部材群の各配設位置から後方に向けて下方傾斜する傾斜面51a,51aが形成され、前記各板部材52に付着して流下する水滴を、該傾斜面51a,51aに沿って空間S側に案内することで、水滴が冷蔵室40に入るのを防止するよう構成してある。
前記第3画壁板45により画成される空間S内には、図6に示す如く、幅方向の左右両端から略中央部に向けて下方傾斜する受板54,54が配設され、該受板54,54、第3画壁板45および後部内壁面とにより、上方に開放する回収タンク55が形成され、前記波板46の表面を流下した冷水は回収タンク55に回収されるよう構成してある。また、受板54,54の傾斜下端に位置する筐体39の後壁に、図10に示す如く、タンク内で開口する第1戻り管(戻り管)56が背面側に突出するよう配設されている。この第1戻り管56の外側端部は、フィルタホルダ57に連通接続されると共に、該フィルタホルダ57には、前記貯氷庫12の凹部25内で出口58aが開口する第2戻り管(戻り管)58の入口側が連通接続されている。すなわち、回収タンク55に回収された冷水は、第1戻り管56、フィルタホルダ57および第2戻り管58を介して貯氷庫12に戻るようになっている。
前記フィルタホルダ57は、上方に開放する筒状に形成され、その上部開口は蓋体60により開閉自在に閉成されるよう構成される。またフィルタホルダ57の内部には、上部開口から挿脱可能なフィルタ61が収納され、前記第1戻り管56からフィルタホルダ57内に流入した冷水は、フィルタ61によりゴミ等が除去された後、第2戻り管58に流入するよう構成されている。なお、前記回収タンク55の上端部近傍に水位センサ62が配設され、タンク内の水位が所定水位まで上昇したことを該水位センサ62が検知したときには、前記フィルタ61が詰まる等、冷水の戻り経路中に異常が発生したと判断して、図示しない報知手段を作動して使用者に異常を覚知させ得るよう構成される。
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る高湿度貯蔵装置の作用につき説明する。
前記オーガ式製氷機11の製氷運転の開始により、前記冷凍ケーシング15は蒸発管18内を循環する冷媒と熱交換を行なって強制冷却され、前記製氷水タンクから冷凍ケーシング15に供給される製氷水は、ケーシング内壁面から徐々に氷結を始め、層状の薄氷が形成される。この薄氷は、前記オーガモータAMにより回転駆動されているオーガスクリュー19により削り取られつつ上方に移送される。そして、該オーガスクリュー19により移送されるフレーク状氷は、冷凍ケーシング15の上部内側に配設した前記押圧頭20を通過する際に圧縮され、得られた圧縮氷は放出部材21および案内部材22を介して前記貯氷庫12における段部24の傾斜上面24aに落下して貯留される(図1参照)。
前記段部24上での圧縮氷の貯留レべルが所定高さまで上がると、この圧縮氷は傾斜上面24aを滑落して前記凹部25にも貯留される。なお、凹部25にある程度の圧縮氷が貯留されると、以後の圧縮氷は主に段部24上に貯留され、前記オーガ式製氷機11で製造される全ての圧縮氷が凹部25に貯留されることはない。該凹部25には予め所定量の水が貯留されており、前記散水ポンプ28を運転することで、凹部25に貯留されている水が、前記散水パイプ30の各散水ノズル31から貯氷庫12内に貯留されている圧縮氷に散水され、これにより該圧縮氷が融解し、得られた冷水が凹部25に貯留される。
前記循環ポンプ34を運転すると、前記凹部25に貯留されている冷水は、吐出管37を介して冷蔵庫13の空間Sにおける上部に配設されている散水管49に供給され、該散水管49の各散水孔49aから前記波板46の表面に向けて散水される。この冷水は、波板46の表面を流下して、前記回収タンク55に回収された後、第1戻り管56、フィルタホルダ57および第2戻り管58を介して貯氷庫12の凹部25に戻され、再循環に供される。なお、空間Sを流下する冷水が、前記画壁42側に飛散することがあるが、該画壁42を構成する前記第2画壁板44は、その前側に位置する板部材群と後側に位置する板部材群とが部分的に前後に重なっているから、冷水の飛沫が冷蔵室40内に入るのは防止される。また各板部材52に付着して流下する水滴は、前記下取付板51の各傾斜面51aに沿って空間S側に流れるようにしてあるから、該水滴が冷蔵室40内に入るのも防止される。
前記冷蔵庫13に配設された庫内ファン48が運転されると、前記冷蔵室40側の空気が画壁42と後部内壁面との間に画成された前記空間Sの上部に吸込まれ、該空気は空間Sに沿って流下する。この空間Sには冷水が流下しているから、空間Sに吸込まれた空気は冷水と接触して冷却されると共に湿り気を帯び、この高湿度冷気が画壁42の隙間から冷蔵室40内に吹出される。すなわち、冷水に接触することで得られた高湿度冷気を冷蔵室40内に循環させることで、該冷蔵室40内は低温かつ高湿度となる。ちなみに、冷水が直に冷蔵庫13の内部を流下するため、冷蔵室40の湿度を90%より高くすることができる。また前記冷水を、前記波板46の表面に流下させるよう構成したから、波板46の表面を流下する冷水と空間S内に吸込まれる空気との接触面積を大きくすることができ、熱交換が効率的になされ、冷蔵室40を効率的に冷却し得る。
なお、前記第1画壁板43に配設された調節板47を移動調節し、該調節板47と波板46との間の隙間Gの広さを可変することで、空間Sへの室内空気の流入量を調節することができ、冷蔵室40の温度や湿度を変えることができる。例えば、湿度を85%からそれ以上の値に設定し得る。
ここで、前記貯氷庫12の凹部25には、圧縮氷を融解することで得られた冷水と、圧縮氷とが貯留されており、該冷水は常に圧縮氷により冷却されている。この場合に、凹部25に貯留されている冷水を、前記散水ポンプ28に吸込んで散水ノズル31を介して圧縮氷に向けて散水しても、該冷水が冷えているために圧縮氷を効率的に融解し得なくなるおそれがある。そこで実施例においては、前記空間Sからの冷水を凹部25に戻すための第2戻り管58の出口58aを、前記散水ポンプ28の吸込管29の入口29aに対向するよう配置し、該出口58aから流出する冷水が、吸込管29の入口29aを介して優先的に散水ポンプ28に吸込まれるようにしてある。すなわち、第2戻り管58から凹部25に戻る冷水は、前記冷蔵室40の内部空気との間で熱交換しており、凹部25に貯留されている冷水よりは温度が高くなっているから、この熱交換後の冷水を圧縮氷を融解するために用いることで、該圧縮氷の効率的な融解が達成される。従って、圧縮氷の融解が効率的になされないために、凹部25に貯留される冷水の量が少なくなってしまい、前記空間Sへの冷水の循環量が減少して冷蔵室40の冷却および加湿効率が低下するのを未然に防止することができる。
前記冷蔵室40の温度を検知するセンサが下限設定温度を検知すると、前記散水ポンプ28は運転停止され、圧縮氷は融解されなくなる。なお、周囲温度の影響により散水ポンプ28の運転停止中にも、貯氷庫12内の圧縮氷は自然に少しづつ融けて前記凹部25に貯留される。また、前記オーガ式製氷機11で製造されて前記段部24の傾斜上面24aに貯留される圧縮氷は、その貯留レべルがある程度上がると傾斜上面24aを滑落して凹部25に入り、該凹部25に貯留されている冷水が圧縮氷で冷される。更に、散水ポンプ28の運転停止中において、空間Sから貯氷庫12に戻ってくる冷水は、前記循環ポンプ34の吸込管35における入口から離間する位置に流入するから、熱交換後の冷水が直ぐに冷蔵室40に供給されることはない。
そして、前記冷蔵庫13の扉41を開放することにより冷蔵室40内の温度が上昇し、前記センサが上限設定温度を検知したときには、前記散水ポンプ28が運転されて、圧縮氷を積極的に融解することで冷水を作り、この冷水を循環ポンプ34を介して前記空間Sに供給することで冷蔵室40を効率的に冷却することができる。すなわち、散水ポンプ28の停止中において、前記凹部25に貯留されている冷水は、該凹部25内に存在する圧縮氷により冷されているものの、空間Sから熱交換後の冷水が戻ってくることで、僅かではあるが温度が上昇する。そこで、冷蔵室40の温度が上昇した際に、圧縮氷に散水して大量の冷水を作って補給することで、凹部25に貯留される冷水の温度を全体的に低くし、これによって冷蔵室40の効率的な冷却が達成されるものである。
また、前述した如く、前記貯氷庫12に、冷水が貯留される凹部25と圧縮氷が貯留される段部24とを分けて形成したから、前記オーガ式製氷機11で製造した圧縮氷が全て凹部25に貯留されることはなく、凹部25に過剰な冷水が貯留されて、前記オーバーフロー管26から無駄に排出されるのは防止される。すなわち、折角製造した圧縮氷が無駄となるのを抑制し、ランニングコストを抑えることができる。なお、段部24の上面に傾斜を設けることで、圧縮氷の一部は凹部25にも滑落し、該圧縮氷により冷水を冷すことができるから、前記散水ポンプ28の運転停止中であっても、冷蔵庫13との間を循環する冷水の温度が大きく上昇するのは防止される。
ここで、従来技術のように冷蔵室を冷却するのに冷媒を循環する冷却器を用いる場合は、センサが上限設定温度を検知してから冷凍装置における圧縮機の運転を開始して冷却器での冷却を行なうまでに時間を要し、冷蔵室の温度変化範囲が大きくなる。これに対して、散水ポンプ28の応答速度は圧縮機に比べて速く、センサが上限設定温度を検知して冷水により冷蔵室40を冷却するまでに要する時間は短かく、冷蔵室40の温度変化範囲を小さく抑えることができる。
前記オーガ式製氷機11の製氷水として水道水を用いる場合、該製氷機11で製造される圧縮氷には、水道水に含まれる殺菌・消毒剤としての次亜塩素酸がそのまま存在する。すなわち、次亜塩素酸が含まれる圧縮氷を融解して得られた冷水を前記冷蔵室40に供給することで、次亜塩素酸による殺菌・消毒作用によって、冷水の循環経路や前記波板46の表面に、長期に亘ってぬめり等が発生することはなく、常に衛生的に保つことができる。また、清掃を必要とする期間を長くすることができる。
前記冷蔵室40に収納した被貯蔵物のクズやカス等のゴミが前記回収タンク55に混入し、これが前記貯氷庫12に戻り、循環ポンプ34または散水ポンプ28に吸込まれると、故障の原因となる。そこで実施例では、前記第1戻り管56と第2戻り管58との間にフィルタホルダ57を配設し、該ホルダ57に収納したフィルタ61によりゴミを捕集して清浄な冷水を貯氷庫12に戻すようにしているから、循環ポンプ34または散水ポンプ28が故障するのを防止することができる。
また、前記フィルタ61に多量のゴミが捕集されることで、冷水の流通が阻害されると、前記回収タンク55内の冷水の水位が次第に上昇し、その水位が所定水位となったことを前記水位センサ62が検知すると、前記報知手段を作動して使用者に異常を覚知させる。このときには、使用者は、前記フィルタホルダ57の蓋体60を取外して上部開口を開放し、フィルタ61を外部に取出して清掃することで対処し得る。
〔変更例〕
なお、実施例では製氷機としてオーガ式製氷機を挙げたが、他の型式の製氷機を採用することができる。また実施例の庫内ファンは、冷蔵室内の空気を吸込んで冷水が流下する空間に吹出す方式としたが、逆に空間内の空気(高湿度冷気)を吸込んで冷蔵室内に吹出す方式を採用し得る。但し、実施例の方式の方が、逆の方式に比べて冷蔵室内をより高湿度とすることができるので、実施例の方式の方が好適である。更に、実施例では冷蔵室の後部内壁面側に冷水を流下させるようにしたが、左右両側の内壁面に冷水を流下させるよう構成してもよく、また後部および左右両側の内壁面に冷水を流すようにしてもよい。
本発明の好適な実施例に係る高湿度貯蔵装置の概略構成図である。 実施例に係るオーガ式製氷機を示す概略図である。 実施例に係る貯氷庫を示す概略縦断側面図である。 実施例に係る貯氷庫を示す概略縦断背面図である。 実施例に係る貯氷庫を示す概略横断平面図である。 実施例に係る冷蔵庫を、扉および一方の第2画壁板を取外した状態で示す概略正面図である。 実施例に係る冷蔵庫を示す概略縦断側面図である。 実施例に係る冷蔵庫における冷水の供給部を示す要部縦断側面図である。 実施例に係る冷蔵庫における冷水の回収部を示す要部縦断側面図である。 実施例に係る冷蔵庫からの冷水の帰還部を示す要部縦断側面図である。
符号の説明
11 オーガ式製氷機(製氷機),12 貯氷庫,13 冷蔵庫,24 段部(貯氷部)
24a 傾斜上面,25 凹部(貯水部),28 散水ポンプ(散水手段)
29 吸込管(散水手段),30 散水パイプ(散水手段),31 散水ノズル(散水手段)
32 吐出管(散水手段),34 循環ポンプ(供給手段),40 冷蔵室
49 散水管(供給手段),56 第1戻り管(供給手段),58 第2戻り管(供給手段)

Claims (2)

  1. 自動的に氷塊を製造する製氷機(11)と、
    前記製氷機(11)で製造した氷塊を貯留すると共に、該氷塊を融解した冷水を貯留する貯氷庫(12)と、
    前記貯氷庫(12)に貯留した氷塊に前記冷水を散水して該氷塊を融解する散水手段(28,29,30,31,32)と、
    被貯蔵物が収納される冷蔵室(40)が内部画成された冷蔵庫(13)と、
    前記貯氷庫(12)に貯留されている冷水を、前記冷蔵室(40)の内部空気と接触するように循環供給する供給手段(34,49,56,58)とからなり、
    前記貯氷庫(12)には、氷塊が貯留される貯氷部(24)に隣接して、冷水が貯留される貯水部(25)が凹設され、貯氷部(24)上で氷塊が融解することで得られる冷水が貯水部(25)に流入し得るよう構成されている
    ことを特徴とする高湿度貯蔵装置。
  2. 前記貯氷部(24)における氷塊が貯留される上面には、前記貯水部(25)に向けて下方傾斜する傾斜が付され、該傾斜上面(24a)に貯留される氷塊を貯水部(25)に向けて滑落させ得るよう構成されている請求項1記載の高湿度貯蔵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011089681A (ja) * 2009-10-21 2011-05-06 Toshiba Corp 冷蔵庫

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