JP2005180315A - 回転式圧縮機 - Google Patents

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Hirofumi Azuma
洋文 東
Masanori Masuda
正典 増田
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Abstract

【課題】 通常運転時においては元来の圧縮性能を確実に発揮でき、液冷媒の混入時などには、液圧縮などに起因するシリンダ室内の圧力の急激な上昇を確実に抑制することができる回転式圧縮機を提供する。
【解決手段】駆動軸(33)の偏心部(34)とピストン(28a)との間にピストン(28a)の位置調整手段(70)として変形部材(71,72)を設ける。そして、外部入力によって変形部材(71,72)を伸縮させることにより、通常運転時には、ピストン(28a)の公転半径を第1公転半径(R1)とする一方、液圧縮時には、ピストン(28a)の公転半径を第1公転半径(R1)より小さい第2公転半径(R2)にできるようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、被処理流体の圧縮を行う回転式圧縮機に係り、特にシリンダ室をピストンが公転する回転式圧縮機のピストン内部構造に関するものである。
従来より、空気調和装置や冷凍装置などの冷媒回路に設けられ、この冷媒回路の冷媒(被処理流体)の圧縮を行う回転式圧縮機としてロータリー圧縮機が知られている。このロータリー圧縮機は、例えば図9に示すように、密閉ケーシング(80)内に内装されるシリンダ(81)にシリンダ室(82)を形成し、このシリンダ室(82)内にピストン(83)を備えている。このピストン(83)は、駆動軸(84)に対して偏心して備えられた偏心部(85)によって回転可能に支持されている。そして、駆動軸(84)が回転すると、ピストン(83)がシリンダ室(82)の内周面に沿って公転する。この際、シリンダ室(82)において、上記ピストン(83)と、このピストン(83)とほぼ密着しながらシリンダ(81)内に摺動可能に内装されたブレード(86)とによって区画形成される吸入側空間(低圧空間)(87)と吐出側空間(高圧空間)(88)との容積が変動することで、冷媒の圧縮が行われる(特許文献1参照)。
ところで、このようなロータリー圧縮機において、圧縮機の起動/停止、運転切換などのような過渡的な運転が行われると、湿り状態となったガス冷媒が圧縮機に混入し、液圧縮運転となる可能性がある。このような液圧縮運転が行われると、急激に上昇した高圧の圧力が例えば上記ピストン(83)やブレード(86)などに作用し、ピストン(83)やブレード(86)が折損に至り、ロータリー圧縮機が運転不能となる恐れがある。
このような課題を解決する先行技術として、例えば特許文献2に開示されているロータリー圧縮機では、ブレード(86)に緩衝材を設けることで、液圧縮時にブレード(86)に作用する圧力を低減するようにしている。
また、例えば特許文献3や特許文献4に開示されているロータリー圧縮機では、シリンダ(81)にシリンダ室(82)の外部の空間へのリリーフポートを設け、液圧縮時には、このリリーフポートの弁体(リリーフ弁)を開状態とすることで、液圧縮時における圧力の急激な上昇を抑制するようにしている。
特開平4−183989号公報 特開平2−81986号公報 特開平1−244189号公報 特開2001−280281号公報
しかしながら、特許文献2に開示されたロータリー圧縮機では、ブレード(86)の折損は抑制できるものの、依然として液圧縮運転を回避をすることができず、シリンダ室(82)に過大な圧力が作用し、例えばピストン(83)などの折損の恐れがある。
また、特許文献3や特許文献4に開示されたロータリー圧縮機では、通常運転時において、リリーフ弁とリリーフポートとの間にリークが生じる可能性がある。通常運転時に、このようなリークが生じると、所定の圧縮性能を得ることができず、この圧縮機の圧縮効率が大幅に低下してしまう可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、通常運転時においては元来の圧縮性能を確実に発揮できるとともに、液圧縮などに起因するシリンダ室内の圧力の急激な上昇を確実に抑制することができる回転式圧縮機を提供することである。
本発明は、位置調整手段(70)によって、ピストン(28a)の公転半径を調整して、高圧空間の被処理流体を低圧空間へ逃がすようにすることで、シリンダ室(25)内の圧力を低下させ、液圧縮時におけるシリンダ室(25)内の急激な圧力上昇を抑制するようにしたものである。
具体的に、第1の発明は、シリンダ室(25)が形成されたシリンダ(19)と、シリンダ室(25)内に設けられるピストン(28a)と、該ピストン(28a)を駆動する駆動軸(33)とを備え、上記ピストン(28a)が駆動軸(33)に対して偏心しながら上記シリンダ室(25)内で公転することにより被処理流体の圧縮を行う回転式圧縮機を前提としている。そして、この回転式圧縮機は、上記ピストン(28a)の公転半径を調整する位置調整手段(70)を備え、上記位置調整手段(70)は、外部入力によって形状が変化する変形部材(71,72)を備えていることを特徴とするものである。
上記第1の発明では、回転式圧縮機に変形部材(71,72)を備えた位置調整手段(70)が設けられる。そして、外部入力によって変形部材(71,72)を変形させることで、ピストン(28a)の公転半径が調節される。
ここで、ピストン(28a)の公転半径を、ピストン(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面とがほぼ密接する(実質的に被処理流体の漏れが生じないシール状態となる)ような公転半径に調節することで、シリンダ室(25)を低圧空間と高圧空間とに区画形成し、これら低圧空間と高圧空間の容積変化によって、被処理流体の圧縮を行うことができる。
一方、ピストン(28a)の公転半径を、ピストン(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面との間に隙間が形成されるような公転半径に調節することで、上記低圧空間と高圧空間とが連通し、被処理流体の圧縮を行わないようにできる。このようにすると、例えば液圧縮などによるシリンダ室(25)内の急激な圧力上昇が抑制できる。
第2の発明は、第1の発明の回転式圧縮機において、変形部材(71,72)が、ピストン(28a)の公転半径を第1公転半径(R1)に保持する第1状態と、該ピストンの公転半径を第2公転半径(R2)に保持する第2状態との間で変形するように構成されていることを特徴とするものである。なお、上記変形部材(71,72)は、第1状態と第2状態との間で連続的に変形するものであってもよいし、段階的に変形するようなものであってもよい。
上記第2の発明では、変形部材(71,72)が第1状態に変形することで、ピストン(28a)の公転半径が第1公転半径となる。この第1状態においては、ピストン(28a)をシリンダ室(25)の内周面とほぼ密接して公転させ、被処理流体の圧縮を行うことができる。
一方、変形部材(71,72)が第2状態に変形することで、ピストン(28a)の公転半径を第1公転半径より小さい第2公転半径にできる。この第2状態においては、ピストン(28a)をシリンダ室(25)の内周面と隙間空間を保持しながら公転させ、被処理流体の圧縮を行わないようにできる。このように変形部材(71,72)を第1状態と第2状態との間で変形させることで、この圧縮機による通常運転と、例えば液圧縮などを回避する液圧縮回避運転とを切り換えることができる。なお、変形部材(71,72)の第2状態では、ピストン(28a)の公転半径を第1公転半径よりも大きい第2公転半径とすることもできる。
第3の発明は、第1または第2の発明の回転式圧縮機において、変形部材(71,72)が、駆動軸(33)の回転中心とピストン(28a)の中心を通る線分の方向に伸縮するように構成されていることを特徴とするものである。
上記第3の発明では、変形部材(71,72)の伸縮によって、ピストン(28a)が、このピストン(28a)の中心から駆動軸(33)の回転中心の方向、あるいは駆動軸(33)の回転中心からピストン(28a)の方向に変位する。すなわち、ピストン(28a)がシリンダ室(25)の内周面に対して直角方向(法線方向)に変位して、このピストン(28a)の公転半径が調整される。
第4の発明は、第1,第2または第3の発明の回転式圧縮機において、駆動軸(33)の外周に、該駆動軸(33)の回転中心に対して偏心した偏心部(34)が備えられ、ピストン(28a)が、上記偏心部(34)に遊嵌するように筒状に構成され、変形部材(71,72)が、上記偏心部(34)の外周面とピストン(28a)の内周面との間に設けられていることを特徴とするものである。
上記第4の発明では、筒状のピストン(28a)の内周面と偏心部(34)の外周面との間に配置された変形部材(71,72)が伸縮することによって、ピストン(28a)の公転半径が調節される。
第5の発明は、第4の発明の回転式圧縮機において、変形部材(71,72)が、偏心部(34)の中心を挟んで相対する位置に配置された第1変形部材(71)と第2変形部材(72)とから構成され、第1変形部材(71)と第2変形部材(72)とは、一方が伸長すると他方が収縮し、その伸長長さと収縮長さとが一致するように構成されていることを特徴とするものである。
上記第5の発明では、偏心部(34)の外周面とピストン(28a)の内周面との間に、第1変形部材(71)と第2変形部材(72)とが配置される。ここで、例えば第1変形部材(71)が所定の長さ伸長すると、第2変形部材(72)は第1変形部材(71)が伸長した長さと等量で、かつ第1変形部材(71)の伸長方向と同一方向に収縮する。一方、例えば第1変形部材(71)が所定の長さ収縮すると、第2変形部材(72)は第1変形部材(71)が伸長した長さと等量で、かつ第1変形部材(71)の収縮方向と同一方向に伸長する。このような第1,第2変形部材(71,72)の伸縮変形によってピストン(28a)の公転半径が調節される。
第6の発明は、第4または第5の発明の回転式圧縮機において、変形部材(71,72)とピストン(28a)との間には、中間部材(73a,73b)が設けられていることを特徴とするものである。
上記第6の発明では、変形部材(71,72)の伸縮変形によって中間部材(73a,73b)とピストン(28a)が変位して、ピストン(28a)の公転半径が調節される。
第7の発明は、第1から第6のいずれか1の発明の回転式圧縮機において、変形部材(71,72)が、高分子アクチュエータであることを特徴とするものである。
上記第7の発明では、電圧が印加されることで高分子アクチュエータが変形し、この高分子アクチュエータの変形に伴ってピストン(28a)の公転半径が調節される。
本発明では、以下の効果が発揮される。
上記第1の発明によれば、位置調整手段(70)の変形部材(71,72)を変形させることで、ピストン(28a)の公転半径を調節するようにしている。ここで、ピストン(28a)の公転半径を、ピストン(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面とがほぼ密着する(実質的に被処理流体の漏れが生じないシール状態とする)ような公転半径とすることで、低圧空間と高圧空間との容積変化を行い、被処理流体の圧縮を行うことができる。この際、本発明では、特許文献3や特許文献4に開示されている圧縮機のように、シリンダ室(25)にリリーフポートなどを設けていないため、通常運転時に上記リリーフポートよりリークが生じ、圧縮効率が低下することも抑制できる。すなわち、通常運転時においては、この圧縮機の圧縮性能を確実に発揮することができる。
一方、ピストン(28a)の公転半径を、ピストン(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面とが離反するような公転半径とすることで、低圧空間と高圧空間とを連通させ、被処理流体の圧縮を行わないようにできる。このようにすると、例えば液圧縮などに起因するシリンダ室(25)内の急激な圧力上昇を確実に抑制することができる。したがって、このような液圧縮運転により、例えばブレードやピストンなどに高圧の圧力が作用し、これらブレードやピストンが折損してしまうことを抑止できる。すなわち、この圧縮機の信頼性を向上させることができる。
さらに、この圧縮機を空気調和装置や冷凍装置の冷媒回路に設ける場合、液圧縮を回避するための例えばアキュムレータなどを冷媒回路に設ける必要がなくなる。したがって、この圧縮機が設けられる冷媒回路の構成を簡略化できる。
また、変形部材(71,72)を伸縮させ、ピストン(28a)の公転半径を微調整することで、この圧縮機の容量制御を行うことができる。具体的に、例えばピストン(28a)の公転半径を、ピストン(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面とが実質的に密着するような公転半径と、ピストン(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面とが離反するような公転半径との間で間欠的に調節することで、通常の圧縮を行う動作と圧縮を行わない動作とを間欠的に切り換えて運転することができる。このようにすると、例えばインバータなどの高価な容量制御装置を設けなくても、この圧縮機の容量制御を行うことが可能となる。
さらに、この圧縮機の長期使用により、例えばピストン(28a)の外周面が摩耗し、ピストン(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面との間にわずかな隙間が生じた際、変形部材(71,72)を変形させ、ピストン(28a)の公転半径を大きくすることで、この隙間を埋めることができる。すなわち、位置調整手段(70)によって、ピストン(28a)の摩耗による圧縮効率の低下を抑制することができる。
上記第2の発明によれば、変形部材(71,72)を第1状態に変形させることで、ピストン(28a)を第1公転半径で公転させ、被処理流体の圧縮を行うことができる。一方、変形部材(71,72)を第2状態に変形させることで、ピストン(28a)を第2公転半径で公転させ、被処理流体の圧縮を行わないようにすることができる。このように、ピストン(28a)の公転半径を調整することで、通常の運転と、液圧縮回避運転とを切り換えて行うことができる。
上記第3の発明によれば、変形部材(71,72)の伸縮変形によって、ピストン(28a)をシリンダ室(25)の内周面に対して直角方向(法線方向)に変位させ、このピストン(28a)の公転半径を調整するようにしている。このため、ピストンがシリンダ室(25)の内周面に対して直角方向(法線方向)に変位しない場合と比較して、シリンダ室(25)の内周面とピストン(28a)とを実質的に密接、あるいは離反させる際に必要な変形部材(71,72)の伸縮量を低減できる。したがって、変形部材(71,72)を変形させるために必要な、例えば電力などの外部入力量を低減できる。
上記第4の発明によれば、変形部材(71,72)をピストン(28a)と偏心部(34)との間に配置することで、変形部材(71,72)を圧縮機内でコンパクトに収装できる。
上記第5の発明によれば、第1,第2変形部材(71,72)の伸縮変形によってピストン(28a)の公転半径を確実に第1公転半径と第2公転半径との間で調整できる。
上記第6の発明によれば、変形部材(71,72)とピストン(28a)の内周面との間に、中間部材(73a,73b)を設けている。このため、ピストン(28a)の内周面と当接する中間部材(73a,73b)の外側面をピストン(28a)の摺動面として利用することで、ピストン(28a)をシリンダ室(25)で円滑に公転させることができる。 また、変形部材(71,72)とピストン(28a)の内周面は接していない状態となるので、変形部材(71,72)の摩耗や損傷を確実に防止することができる。
上記第7の発明によれば、変形部材(71,72)を高分子アクチュエータで構成し、電圧印加によって変形部材(71,72)を変形させることで、ピストン(28a)の公転半径を調整するようにしている。
ここで、この高分子アクチュエータは、印加された電圧の大きさに相当して変形し、電圧の印加を止めると、その変形状態を継続する特性を有する。したがって、ピストン(28a)の公転半径の微調整を確実に行うことができるとともに、その公転半径を確実に保持することができる。
また、高分子アクチュエータは、電圧印加に伴う高分子材料の内部におけるイオンの移動によって変形するものであるため、作動音がほとんどない状態でピストン(28a)を変位させることができる。
さらに、高分子アクチュエータは、金属などからなるアクチュエータと比較して、コンパクトかつ軽量であるため、この回転式圧縮機の小型化、軽量化が可能となる。
《発明の実施形態1》
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係る回転式圧縮機(1)は、図1及び図2に示すような、いわゆるスイング型の圧縮機である。この回転式圧縮機(1)は、ドーム型のケーシング(10)内に、圧縮機構(20)と電動機(30)とが収納され、全密閉型に構成されている。この回転式圧縮機(1)は、例えば空気調和装置や冷凍装置などの冷媒回路の圧縮行程に用いられる。
回転式圧縮機(1)のケーシング(10)は、円筒状の胴部(11)と、この胴部(11)の上下にそれぞれ設けられた鏡板(12,13)とによって構成されている。胴部(11)には、下方寄りの位置に、この胴部(11)を貫通する吸入管(14)が設けられている。一方、上部の鏡板(12)には、ケーシング(10)の内外を連通する吐出管(15)と、図示しない外部電源に接続されて電動機(30)に電力を供給するターミナル(16)とが設けられている。
圧縮機構(20)は、シリンダ(19)と、このシリンダ(19)に形成されたシリンダ室(25)に収納された揺動ピストン(28)とを備えており、ケーシング(10)内の下部側に配置されている。シリンダ(19)は、上下方向に延びる円筒状のシリンダ部(21)と、このシリンダ部(21)の上部開口を閉塞するフロントヘッド(22)と、このシリンダ部(21)の下部開口を閉塞するリヤヘッド(23)とで構成されている。そして、シリンダ部(21)の内周面と、フロントヘッド(22)の下端面と、リヤヘッド(23)の上端面との間に、円柱状のシリンダ室(25)が形成されている。
電動機(30)は、ステータ(31)とロータ(32)とを備えている。ステータ(31)は、圧縮機構(20)の上方でケーシング(10)の胴部(11)に固定されている。
ロータ(32)には駆動軸(33)が連結されている。駆動軸(33)は、シリンダ室(25)の上下方向に貫通されている。フロントヘッド(22)とリヤヘッド(23)には、駆動軸(33)を支持するための軸受部(22a,23a)がそれぞれ形成されている。また、駆動軸(33)には、その軸方向に縦貫する図示しない給油路が設けられている。さらに、駆動軸(33)の下端部には、油ポンプ(36)が設けられている。そして、ケーシング(10)内の底部に貯留されている油は、この油ポンプ(36)によって上記給油路内を流通して圧縮機構(20)のシリンダ室(25)内へ供給される。
図2に示すように、揺動ピストン(28)には、円環状のピストン本体(ピストン)(28a)と、このピストン本体(28a)の外周面の一箇所から径方向外側に突出して延びるブレード(28b)とが一体的に形成されている。
シリンダ部(21)には、駆動軸(33)の軸方向に延びる断面円形状のブッシュ孔(21b)が貫通形成されている。ブッシュ孔(21b)は、シリンダ部(21)の内周面側に形成され、かつ周方向の一部分がシリンダ室(25)と連通するように形成されている。また、ブッシュ孔(21b)の内部には、断面が略半円形状の一対のブッシュ(51,52)が挿入されている。そして、揺動ピストン(28)のブレード(28b)は、ブッシュ(51,52)を介してシリンダ(19)のブッシュ孔(21b)に挿入されている。
一対のブッシュ(51,52)は、フラットな面同士が対向するように配置されている。そして、この一対のブッシュ(51,52)の対向面の間のスペースがブレード溝(29)として形成されている。このブレード溝(29)には、揺動ピストン(28)のブレード(28b)が挿入されている。一対のブッシュ(51,52)は、ブレード溝(29)にブレード(28b)を挟んだ状態で、ブレード(28b)がブレード溝(29)に沿って進退自在となるように構成されている。同時に、ブッシュ(51,52)は、ブレード(28b)と一体的にブッシュ孔(21b)の中で揺動するように構成されている。また、シリンダ部(21)には、ブレード(28b)の先端を収容するためのブッシュ背部室(50)が形成されている。このブッシュ背部室(50)は、ブッシュ孔(21b)よりも径方向外側に、ブッシュ孔(21b)と連通するように形成されている。
また、シリンダ室(25)は、上記ピストン本体(28a)とブレード(28b)とによって、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とに区画形成されている。シリンダ部(21)には、吸入側空間(25a)と連通する吸入口(41)が形成されている。吸入口(41)は、シリンダ部(21)をその径方向に貫通しており、一端が吸入側空間(25a)内に臨むように開口している。一方、吸入口(41)の他端には、上記吸入管(14)の端部が接続されている。また、フロントヘッド(22)には吐出口(42)が駆動軸(33)の軸方向に貫通形成されている。さらに、シリンダ部(21)の内周面には、吐出口(42)と同じく駆動軸(33)の軸方向に延びる溝状の吐出路(43)が、吐出口(42)に連通して形成されている。なお、フロントヘッド(22)の上面には、切り欠き凹部(45)が形成されている。この切り欠き凹部(45)は略長円形状に形成され、この切り欠き凹部(45)には、吐出口(42)を開閉する吐出弁(46)が設けられている。
ピストン本体(28a)は、図2に示すように、筒状ないし円環状に形成されている。このピストン本体(28a)は、駆動軸(33)の回転中心に対して偏心して備えられた偏心部(34)の外周に遊嵌するように設けられている。また、ピストン本体(28a)の内周面と偏心部(34)の外周面との間には、位置調整手段(70)が設けられている。
位置調整手段(70)は、ピストン(28a)の公転半径を調整するように構成されている。この位置調整手段(70)は、電圧印加(外部入力)によって形状が変形する変形部材(71,72)を備えている。
変形部材(71,72)は、第1変形部材(71)と第2変形部材(72)とで構成されている。これら第1変形部材(71)と第2変形部材(72)とは、ピストン本体(28a)の内周面と偏心部(34)との間に介設されている。第1変形部材(71)及び第2変形部材(72)は、棒状ないし直方体形状をしている。そして、第1変形部材(71)は、偏心部(34)の外周面に形成された第1溝(71a)に嵌設されている。一方、第2変形部材(72)は、偏心部(34)において第1溝(71a)と反対側に形成された第2溝(72a)に嵌設されている。このようにして、第1変形部材(71)と第2変形部材(72)とは、偏心部(34)の中心を挟んで相対する位置に配置されている。なお、変形部材(71,72)は、電圧印加(外部入力)によって伸縮変形する高分子アクチュエータで構成されている。
この高分子アクチュエータは、例えば図5に示すように、「ポリアニリン」などの高分子材料(91)と、電解液(92)とが接触して配置されている。そして、上記高分子材料(91)の外側に第1電極(93)が設けられ、上記電界液(92)の外側に第2電極(94)が設けられている。なお、上記第1,第2電極(93,94)の外側は樹脂膜などによって保護被覆が施されている。上記各電極(93,94)は、例えば切換スイッチを介して直流電源が接続されている(図示省略)。そして、高分子アクチュエータは、切換スイッチの操作によって電極(93,94)の極性を適宜変更し、図5の矢印の方向に伸縮可能となっている。
具体的に、高分子アクチュエータは、第1電極(93)を「陽極」に、第2電極(94)を「陰極」に設定すると、上記電解液(92)内の「陰イオン」が上記高分子材料(91)に取り込まれ、この高分子材料(91)が膨潤して、結果的に伸長変形する。逆に、この高分子アクチュエータは、第1電極(93)を「陰極」に、第2電極(94)を「陽極」に設定すると、上記高分子材料(91)に取り込まれていた「陰イオン」が上記電解液(92)内へ放出され、上記高分子材料(91)が縮小変形する。このように、高分子アクチュエータは、印加電圧の極性を変更することによって、伸長又は縮小する特性を有している。なお、この高分子アクチュエータに電圧を印加する電源手段として、本実施形態では、図1における駆動軸(33)の上端に設けられた誘電起電力発生用コイル(37)を用いている。
また、図2に示すように、変形部材(71,72)とピストン(28a)との間には、中間部材(73a,73b)が設けられている。この中間部材(73a,73b)は、第1変形部材(71)の外縁部とピストン本体(28a)の内周面との間に介設される第1ピン(73a)と、第2変形部材(72)の外縁部とピストン本体(28a)の内周面との間に介設される第2ピン(73b)とで構成されている。これら第1,第2ピン(73a,73b)の内側面は、第1,第2変形部材(71,72)の外縁部にそれぞれ固定されている。一方、第1,第2ピン(73a,73b)の外縁部には、ピストン(28a)が挿嵌されており、ピストン本体(28a)は、第1,第2ピン(73a,73b)の外縁部に沿って摺動可能に構成されている。
以上の構成により、ロータ(32)の回転に連動して駆動軸(33)が回転すると、駆動軸(33)の回転力が偏心部(34)、変形部材(71,72)、中間部材(73a,73b)に伝達される。そして、ピストン本体(28a)が駆動軸(33)に対して所定の偏心量でシリンダ室(25)内を公転するとともにに、揺動ピストン(28)が、ブレード溝(29)内を進退するブレード(28b)の一点(ブッシュ孔(21b)の軸心に対応する点)を軸心として揺動する。
なお、変形部材(71,72)は、上述したように、ピストン本体(28a)の公転半径を調整するように構成されている。より具体的に、変形部材(71,72)は、図2に示すように、駆動軸(33)の回転中心(O1)とピストン本体(28a)の中心(O2)を通る線分(C線)の方向に伸縮するように構成されている。また、第1変形部材(71)と第2変形部材(72)とは、一方が伸長すると他方が収縮するとともに、これらの伸長長さと縮小長さとが一致するように構成されている。このようにして、変形部材(71,72)は、ピストン(28a)の公転半径を第1公転半径(R1)に保持する第1状態(図2の状態)と、ピストン(28a)の公転半径を図3に示すような第1公転半径(R1)より小さい第2公転半径(R2)に保持する第2状態(図3の状態)との間で変形するように構成されている。
−運転動作−
次に、本実施形態における回転式圧縮機(1)の運転動作について説明する。
本実施形態の回転式圧縮機(1)は、変形部材(71,72)により、ピストン(28a)の公転半径を第1公転半径(R1)に保持することで、通常の圧縮運転を行う。さらに、この回転式圧縮機(1)は、ピストン本体(28a)の公転半径を第2公転半径(R2)に保持することで、例えば湿り状態の冷媒ガスの混入などによりシリンダ室(25)内の圧力が急激に上昇することを抑制する運転(液圧縮回避運転)を行う。
まず、この回転式圧縮機(1)における通常の圧縮運転時には、変形部材(71,72)が図2に示す第1状態となり、ピストン本体(28a)の公転半径が、第1公転半径(R1)となる。この状態では、ピストン本体(28a)とシリンダ室(25)の内周面とは、実質的に漏れ隙間が生じないシール状態となっている。
この状態で、電動機(30)のロータ(32)が回転すると、ロータ(32)の回転力が駆動軸(33)、偏心部(34)、変形部材(71,72)、中間部材(73a,73b)を介して圧縮機構(20)の揺動ピストン(28)に伝達される。
まず、図4に示す(A)の状態から、電動機(30)が回転すると、ピストン本体(28a)はシリンダ室(25)の内周面に沿って時計回り方向に公転し、(B)の状態となる。そして、シリンダ室(25)の内部空間は、ブレード(28b)によって、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とに区画される。この際、吸入口(41)より吸入側空間(25a)へ被処理流体であるガス冷媒が吸入される。
(B)の状態から、ピストン本体(28a)がさらに公転すると、徐々に吸入側空間(25a)の容積が拡大される一方、吐出側空間(25b)の容積が縮小される(例えば(B)→(C)→(D)→(E))。よって、この動作時において、吐出側空間(25b)内のガス冷媒は次第に圧縮され、高圧状態となっていく。そして、吐出側空間(25b)がさらに縮小されて、ガス冷媒が所定の圧力値以上になると(例えば(F)の状態)、この圧力によって吐出弁(46)が開き、高圧となった被処理ガスが、吐出側空間(25b)からシリンダ室(25)外へ吐出される。そして、ピストン本体(28a)がさらに公転すると、再び(A)の状態となる。このように、揺動ピストン(28)は、(A)から(G)のサイクルを繰り返すことで、ガス冷媒の圧縮を行う。
一方、このような通常の圧縮運転時に、湿り状態となったガス冷媒が回転式圧縮機(1)に混入すると、液滴を含む冷媒が(A)から(G)のサイクルによって圧縮され、特に(E)、(F)、(G)などの状態における吐出側空間(25b)では圧力が急激に上昇してしまう。このため、シリンダ室(25)内の圧力が所定値以上に上昇すると、この回転式圧縮機(1)では、次のような液圧縮回避運転が行われる。
例えば圧力検知手段などによって検知されたシリンダ室(25)内の圧力が所定圧力以上になると、変形部材(71,72)には、上記誘電起電力発生用コイル(37)より電圧が印加される。そして、変形部材(71,72)に電圧が印加されると、高分子材料(91)の内部におけるイオンの移動によって変形材料(71,72)が伸縮変形する。
具体的に第1変形部材(71)は、図3に示すように、第1ピン(73a)から駆動軸(33)の方向へ収縮変形する。一方、第2変形部材(72)は、第1変形部材(71)と同一方向で、かつ第1変形部材(71)の収縮量と等量で伸長変形する。そして、第1,第2変形部材(71,72)のこのような伸縮変形によって、ピストン本体(28a)は駆動軸(33)に近づく方向へ変位し、その結果、ピストン本体(28a)の公転半径は、第1公転半径(R1)より小さい、第2公転半径(R2)となる。この状態では、ピストン本体(28a)とシリンダ室(25)の内周面との間には、隙間が形成される。そして、この隙間によって、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とが連通する。このため、急激に圧力が上昇した湿り状態のガス冷媒が膨張され、このガス冷媒の圧力の上昇が抑制される。
一方、このような液圧縮回避運転により、シリンダ室(25)内の圧力が所定の圧力以下になると、液圧縮回避運転への移行時とは逆の極性の電圧が誘電起電力用発生コイル(37)より変形部材(71,72)に印加される。そして、この高分子材料(91)の内部におけるイオンの移動によって伸縮材料(71,72)が伸縮変形する。
具体的に第1変形部材(71)は、図2に示すように、駆動軸(33)から第1ピン(73a)の方向へ伸長変形する。一方、第2変形部材(72)は、第1変形部材(71)と同一方向で、かつ第1変形部材(71)の伸長量と等量で収縮変形する。そして、第1,第2変形部材(71,72)のこのような伸縮変形によって、ピストン本体(28a)は駆動軸(33)から離れる方向へ変位し、その結果、ピストン本体(28a)の公転半径は、第1公転半径(R1)となる。そして、ピストン本体(28a)は、シリンダ室(25)の内周面と実質的に密接しながらこのシリンダ室(25)で公転し、再び通常時の圧縮運転が行われる。
−実施形態の効果−
本実施形態では、以下の効果が発揮される。
本実施形態の回転式圧縮機(1)では、変形部材(71,72)を伸縮させ、ピストン本体(28a)の公転半径を調整し、ピストン本体(28a)を変位させている。このため、ピストン本体(28a)の公転半径を第1公転半径(R1)とすることで、シリンダ室(25)内におけるピストン本体(28a)の公転により、通常の圧縮運転を行うことができる。
一方、この回転式圧縮機(1)では、ピストン本体(28a)の公転半径を第2公転半径(R2)とすることで、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とを連通させ、圧縮運転を行わないようにできる。したがって、液圧縮運転などに起因するシリンダ室(25)内の急激な圧力上昇を確実に抑制することができ、例えばブレード(28b)やピストン本体(28a)などに高圧力が作用し、これらブレード(28b)やピストン本体(28a)が折損してしまうことを抑止できる。
また、変形部材(71,72)の伸縮により、ピストン本体(28a)が変位する方向は、駆動軸(33)の中心とピストン本体(28a)の中心とを通る線分(例えば図2及び図3のC線)の方向と同一方向となる。この場合、ピストン本体(28a)の公転半径を例えば図2の第1公転半径(R1)から、例えば図3の第2公転半径(R2)まで調整するために必要なピストン本体(28a)の変位距離(第1,第2変形部材(71,72)の伸縮量)が最小となる。したがって、低電力で効率良くピストン本体(28a)の公転半径を変化させて、通常運転、液圧縮回避運転の切換を行うことができる。
さらに、第1,第2変形部材(71,72)の外縁部とピストン本体(28a)の内周面との間には、第1,第2ピンからなる中間部材(73a,73b)を設けている。このため、中間部材(73a,73b)の外縁部をピストン本体(28a)の摺動面として利用することで、ピストン本体(28a)をシリンダ室(25)で円滑に公転させることができるとともに、変形部材(71,72)の摩耗を確実に防止することができる。
また、本実施形態では、変形部材(71,72)を高分子アクチュエータで構成している。この高分子アクチュエータは、電圧印加に伴う高分子材料(91)の内部におけるイオンの移動によって伸縮変形するものであるため、作動音がほとんどない状態でピストン本体(28a)を変位させることができる。さらに、高分子アクチュエータは、金属などからなるアクチュエータと比較して、コンパクトかつ軽量であるため、この回転式圧縮機(1)の小型化、軽量化が可能となる。
《発明の実施形態2》
次に、実施形態2に係る回転式圧縮機(1)について図面に基づいて説明する。なお、実施形態2に係る回転式圧縮機(1)は、ピストン(28a)の内部構造以外は、実施形態1と同様となっている。
図6に示すように、この回転式圧縮機(1)のシリンダ室内(25)において、駆動軸(33)の外周には、この駆動軸(33)の回転中心に対して偏心した第1偏心部(34)が備えられている。なお、駆動軸(33)と第1偏心部(34)とは、一体的に固定されている。さらに、この第1偏心部(34)の外周には、第1偏心部(34)の中心に対して偏心した第2偏心部(35)が挿嵌されている。なお、第2偏心部(35)は、第1偏心部(34)を軸として摺動可能となっている。この第2偏心部(35)の内周面で、かつ第2偏心部(25)において径方向の厚みが最も大きい部分には、長方形状の係合溝(74)が形成されている。一方、この第2偏心部(35)の外周には、円環状のピストン本体(28a)が挿嵌されている。
第2偏心部(35)の内周側と駆動軸(33)の外周側との間には、位置調整手段として変形部材(71)が設けられている。具体的に、変形部材(71)は、直方体形状をしており、その内縁部が、第1偏心部(34)から駆動軸(33)に跨って形成された固定溝(75)に嵌設されている。なお、この変形部材(71)は、電圧印加(外部入力)によって伸縮変形する高分子アクチュエータで構成されており、径方向に伸縮自在に構成されている。そして、この変形部材(71)は、駆動軸(33)からピストン本体(28a)に向かって伸長することで、第2偏心部(35)の内周面に形成された係合溝(74)に係止する(図7(A)の状態)一方、ピストン本体(28a)から駆動軸(33)に向かって縮小することで、この係止状態を解除する(図6(A)の状態)ように構成されている。
−運転動作−
次に、実施形態2における回転式圧縮機(1)の運転動作について説明する。
本実施形態の回転式圧縮機(1)は、実施形態1と同様に、変形部材(71)により、ピストン(28a)の公転半径を調節することで、通常の圧縮運転と液圧縮回避運転とを切り換えて行うことができる。
この回転式圧縮機(1)における液圧縮回避運転では、図7に示すように、電圧印加によって変形部材(71)が伸長し、第2偏心部(35)の係合溝(74)に変形部材(71)が係止する。この状態では、第2偏心部(35)において、シリンダ室(25)の内周面に最も近い側の径方向の厚みが小さくなるため、シリンダ室(25)の内周面とピストン本体(28a)の外周面との間に隙間空間が形成される状態となる(図7(A)の状態)。また、変形部材(71)は、第2偏心部(35)の摺動を禁止するため、ピストン本体(28a)は、図7(B)に示すように、この公転半径(第2公転半径(R2))を保持しながらシリンダ室(25)の内周面に沿って公転する。この状態では、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とが連通するため、例えば湿り状態のガス冷媒が膨張され、このガス冷媒の圧力の上昇が抑制される。
一方、この回転式圧縮機(1)における通常運転時では、図6(A)に示すように、電圧印加によって変形部材(71)が縮小し、第2偏心部(35)の係合溝(74)に対する変形部材(71)の係止が解除される。このようにして第2偏心部(35)が第1偏心部(34)に対して摺動自在となると、ピストン本体(28a)の公転に伴い、第2偏心部(35)に遠心力が作用し、第2偏心部(35)が第1偏心部(34)を軸として自転する。この第2偏心部(35)の自転により、例えば図6(B)に示すように、第2偏心部(35)においてシリンダ室(25)の内周面に最も近い側の径方向の厚みが大きくなるため、ピストン本体(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面とが密接するようになる。そして、ピストン本体(28a)は、この公転半径(第1公転半径(R1))を保持しながらシリンダ室(25)の内周面に沿って公転する。このため、吸入側空間(25a)及び吐出側空間(25b)のそれぞれの容積が拡縮され、通常の圧縮運転が行われる。
以上のように、実施形態2においては、変形部材(71)の伸縮により、ピストン本体(28a)の偏心量を調整する第2偏心部(35)の自転を禁止/解除することで、ピストン本体(28a)の公転半径を調整するようにしている。このため、液圧縮運転などに起因するシリンダ室(25)内の急激な圧力上昇を確実に抑制することができ、例えばブレード(28b)やピストン本体(28a)が折損してしまうことを抑止できる。さらに、通常運転時には、ピストン本体(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面とを密接させるようにすることで、冷媒の圧縮を確実に行うことができる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
実施形態1においては、偏心部(34)の外周面とピストン本体(28a)の内周面との間変形部材(71,72)を設けている。しかしながら、例えば図8に示すように、上記偏心部(34)を設けずに、駆動軸(33)の外周面とピストン本体(28a)の内周面との間に変形部材(71,72)を設けるようにしてもよい。この場合にも、第1,第2変形部材(71,72)を第1状態と第2状態との間で変形させることで、ピストン本体(28a)の公転半径を調整することができ、上述した液圧縮回避の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、回転式圧縮機(1)は、揺動ピストン(28)を備えたスイング型の回転式圧縮機で構成されている。しかしながら、この回転式圧縮機(1)は、ピストン本体(28a)が自転しながらシリンダ室(25)の内周面を公転するようなロータリー式圧縮機であってもよい。この場合にも、この駆動軸(33)とピストン本体(28a)との間に位置調整手段(70)として変形部材(71,72)を設けることで、ピストン本体(28a)の公転半径を変化させ、液圧縮などに起因するシリンダ室(25)内の圧力の急激な上昇を抑制することができる。
以上説明したように、本発明は、空気調和装置や冷凍装置の冷媒回路に設けられる回転式圧縮機について有用である。
本実施形態に係る回転式圧縮機の縦断面図である。 実施形態1に係る通常運転時の回転式圧縮機におけるシリンダの内部構造を示す横断面図である。 実施形態1に係る液圧縮回避運転時の回転式圧縮機におけるシリンダの内部構造を示す横断面図である。 実施形態1に係るシリンダ室内のピストンの動作を示す説明図である。 高分子アクチュエータの基本構造を示す説明図である。 実施形態2に係る通常運転時の回転式圧縮機のシリンダ内部構造を示す横断面図である。 実施形態2に係る液圧縮回避運転時時の回転式圧縮機のシリンダ内部構造を示す横断面図である。 その他の実施形態に係る回転式圧縮機のシリンダ内部構造を示す横断面図である。 従来技術における回転式圧縮機のシリンダ内部構造を示す横断面図である。
符号の説明
(1) 回転式圧縮機
(19) シリンダ
(25) シリンダ室
(25a) 吸入側空間
(25b) 吐出側空間
(28a) ピストン
(28b) ブレード
(33) 駆動軸
(34) 偏心部
(70) 位置調整手段
(71) 第1変形部材(偏心量調整手段)
(72) 第2変形部材(偏心量調整手段)
(73) 中間部材

Claims (7)

  1. シリンダ室(25)が形成されたシリンダ(19)と、シリンダ室(25)内に設けられるピストン(28a)と、該ピストン(28a)を駆動する駆動軸(33)とを備え、
    上記ピストン(28a)が駆動軸(33)に対して偏心しながら上記シリンダ室(25)内で公転することにより被処理流体の圧縮を行う回転式圧縮機であって、
    上記ピストン(28a)の公転半径を調整する位置調整手段(70)を備え、
    上記位置調整手段(70)は、外部入力によって形状が変化する変形部材(71,72)を備えていることを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 請求項1に記載の回転式圧縮機において、
    変形部材(71,72)は、ピストン(28a)の公転半径を第1公転半径(R1)に保持する第1状態と、該ピストンの公転半径を第2公転半径(R2)に保持する第2状態との間で変形するように構成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  3. 請求項1または2に記載の回転式圧縮機において、
    変形部材(71,72)は、駆動軸(33)の回転中心とピストン(28a)の中心を通る線分の方向に伸縮するように構成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 請求項1,2または3に記載の回転式圧縮機において、
    駆動軸(33)の外周には、該駆動軸(33)の回転中心に対して偏心した偏心部(34)が備えられ、
    ピストン(28a)が、上記偏心部(34)に遊嵌するように筒状に構成され、
    変形部材(71,72)が、上記偏心部(34)の外周面とピストン(28a)の内周面との間に設けられていることを特徴とする回転式圧縮機。
  5. 請求項4に記載の回転式圧縮機において、
    変形部材(71,72)は、偏心部(34)の中心を挟んで相対する位置に配置された第1変形部材(71)と第2変形部材(72)とから構成され、
    第1変形部材(71)と第2変形部材(72)とは、一方が伸長すると他方が収縮し、その伸長長さと収縮長さとが一致するように構成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  6. 請求項4または5に記載の回転式圧縮機において、
    変形部材(71,72)とピストン(28a)との間には、中間部材(73a,73b)が設けられていることを特徴とする回転式圧縮機。
  7. 請求項1から6のいずれか1に記載の回転式圧縮機において、
    変形部材(71,72)は、高分子アクチュエータであることを特徴とする回転式圧縮機。
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