JP2005176654A - 簡易ハウス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の簡易ハウスは、防曇性を有する合成樹脂製フィルムが2枚重ねられ、それらの周囲が固定されて袋状に設けられた屋根部15と、屋根部15の2枚の合成樹脂製フィルム12,12間に空気を送風する送風機20とを備え、屋根部15は、送風機20が2枚の合成樹脂製フィルム12,12間に送風した際に膨らむものであることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
この簡易ハウスにおいて、合成樹脂製フィルムはバンドで骨組に押さえつけられているので、風圧による合成樹脂製フィルムのばたつきが防止されている。
また、この簡易ハウスでは、日中の昇温による植物の成長障害を防止するために、簡易ハウス内を換気できるようになっている。具体的には、合成樹脂製フィルムの一端56が骨組51に固定されておらず、巻き取り可能になっている。そして、合成樹脂製フィルムの一端を巻き取り、外気を簡易ハウス内に流入させて換気する。
本発明は、前記事項を鑑みてなされたものであり、バンドを用いずに風圧による合成樹脂製フィルムのばたつきを防止し、断熱性を向上させた簡易ハウスを提供することを目的とする。
本発明の簡易ハウスにおいては、送風機の送風部には、逆止弁が設置されていることが好ましい。
また、本発明の簡易ハウスにおいては、該合成樹脂製フィルムの片面には、親水性無機化合物と合成樹脂バインダ成分とからなる防曇性塗布組成物が塗布・乾燥されて防曇塗膜が形成されており、該防曇塗膜が形成された面が内側に位置するように2枚の合成樹脂製フィルムが配置されていることが好ましい。
さらに、本発明の簡易ハウスにおいては、該合成樹脂製フィルムが、保温材が練り込まれた層を有するポリオレフィン系樹脂製多層フィルムであることが好ましい。
本実施形態例の簡易ハウスは、図1および図2に示すように、パイプを支柱として組み立てられた骨組11と、その骨組11に沿って張られた透明フィルム12(合成樹脂製フィルム)と、透明フィルム12を取り付けた留め具13と、留め具13を骨組11に固定する固定具14とを有するものである。また、この簡易ハウス10の屋根部15は、図2に示すように、透明フィルム12が2枚重ねられ、その周囲が固定されて袋状に設けられたものである。
ここで、親水性無機化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、水不溶性リチウムシリケート、硫酸バリウム等の無機質水性コロイド粒子を水または親水性媒体中に分散させた無機質コロイドゾルが挙げられ、これらは単独で用いても併用しても良い。これら無機質コロイドゾルの中でも、シリカゾル、アルミナゾルが好ましい。
また、合成樹脂バインダ成分としては、各種の水性合成樹脂バインダが用いられ、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチロール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等の水性合成樹脂バインダが挙げられるが、特に水性アクリル系樹脂、水性ポリウレタン系樹脂が好適である。
防曇塗膜を形成する方法としては、防曇性塗布組成物をポリオレフィン樹脂製フィルムの片面に塗布する方法が挙げられる。
透明フィルム12は、防曇塗膜が内側(室内側)に位置するように張り付けられる。外側の方が高温に、内側の方が低温になるため、内側に水滴が付着しやすいからである。
透明フィルム12に保温材が練り込まれていれば、簡易ハウス内の熱を簡易ハウス外に逃がしにくい。
そして、シロッコファン20のノズル23は、蛇腹管29を介して2枚重ねられた透明フィルム12,12の内側のフィルムに接続されている(図2参照)。
また、このシロッコファン20により送風することで、2枚の透明フィルムの間に結露した水分を外部に放出でき、透明性を確保できるので好ましい。
なお、シロッコファン20は、小型であっても2枚のフィルムの間に十分に空気を送り込める送風圧力を有しており、空間に余裕がなく設置場所が限られた簡易ハウスに設置するのに好適である。
さらに、ノズルホルダ24によってノズル23が回転可能な状態で固定されており、ノズル23の向きが自在なので、シロッコファン20は設置場所の規制がより少ない。
また、2枚の透明フィルムの間に空気を送風することで、屋根部に空気の層を設けることができるので、断熱性を高めることができ、簡易ハウスの保温性が高くなる。その結果、この簡易ハウスを温室として用いた場合には、温度を高めるためのエネルギー量を少なくできる。
また、上述した実施形態例においては、透明フィルムの材質がポリエチレン樹脂であったが、例えば、塩化ビニル樹脂であってもよい。
さらに、合成樹脂製フィルムに防曇性組成物が塗布されて防曇塗膜が形成されていたが、透明フィルムに防曇性組成物が練り込まれていてもよい。ただし、練り込みより塗布の方がより防曇性を発揮する。
福島県郡山地区にて、2枚のフィルムが重ねられ、それらの周囲が固定されて袋状になった屋根部を2個有する2連棟の簡易ハウス(間口6m×2、長さ40m)を組み立てた。2枚のフィルムの間に、図8に記載の送風機で空気を送風した。その送風の設定は、3分間送風、5分間停止とした。
(比較例)
実施例と同じ場所で、屋根部が従来の一枚のフィルムからなり、屋根部をバンドで抑えた2連棟の簡易ハウス(間口6m×2、長さ40m)を組み立てた。
なお、実施例および比較例で用いたフィルムとしては、農業用ポリオレフィンフィルム(シーアイ化成製「テキナシ5」、厚さ0.15mm)を用いた。このフィルムは5層構造であり、内側の3層には保温材であるハイドロタルサイトが含まれている。また、片面には、シリカゾル(親水性無機化合物)とアクリル変性ウレタンエマルジョン(合成樹脂バインダ成分)とを含む防曇性組成物が塗布されて防曇塗膜が形成されている。
実施例での重油消費量は7500リットル、比較例での重油消費量は5250リットルであった。すなわち、実施例での重油消費量は比較例の3割程度であり、重油の価格を40円/リットルとして計算すると9万円のコストダウンが図れる。このような差が生じたのは、断熱性に優れていたためである。
12 透明フィルム(合成樹脂製フィルム)
15 屋根部
20 シロッコファン(送風機)
23 ノズル(送風部)
26 逆止弁
Claims (4)
- 防曇性を有する合成樹脂製フィルムが2枚重ねられ、それらの周囲が固定されて袋状に設けられた屋根部と、屋根部の2枚の合成樹脂製フィルム間に空気を送風する送風機とを備え、
屋根部は、送風機が2枚の合成樹脂製フィルム間に送風した際に膨らむものであることを特徴とする簡易ハウス。 - 送風機の送風部には、逆止弁が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の簡易ハウス。
- 該合成樹脂製フィルムの片面には、親水性無機化合物と合成樹脂バインダ成分とからなる防曇性塗布組成物が塗布・乾燥されて防曇塗膜が形成されており、
該防曇塗膜が形成された面が内側に位置するように2枚の合成樹脂製フィルムが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の簡易ハウス。 - 該合成樹脂製フィルムは、保温材が練り込まれた層を有するポリオレフィン系樹脂製多層フィルムであることを特徴とする請求項3に記載の簡易ハウス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003419480A JP2005176654A (ja) | 2003-12-17 | 2003-12-17 | 簡易ハウス |
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JP2003419480A JP2005176654A (ja) | 2003-12-17 | 2003-12-17 | 簡易ハウス |
Publications (1)
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---|---|
JP2005176654A true JP2005176654A (ja) | 2005-07-07 |
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ID=34781359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003419480A Pending JP2005176654A (ja) | 2003-12-17 | 2003-12-17 | 簡易ハウス |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005176654A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-12-17 JP JP2003419480A patent/JP2005176654A/ja active Pending
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