JP2005175743A - 映像信号処理装置、映像信号処理方法および映像信号処理プログラム - Google Patents

映像信号処理装置、映像信号処理方法および映像信号処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】なるべく低減対象以外の信号には影響を与えないで、低減対象部分を低減することができるようにする。
【解決手段】入力映像信号を低域成分と高域成分とに分ける。分割された入力映像信号の高域成分を大振幅部分と小振幅部分とに分ける。分けられた小振幅部分について、信号低減領域・低減量検出手段で求められた信号低減量に応じた信号量だけ出力信号量を低減させる。信号低減領域・低減量検出手段は、入力映像信号のエッジを検出し、当該エッジの前後の信号低減量を求める。分割された大振幅部分と、入力映像信号の低域成分と、信号低減された入力映像信号の高域成分の小振幅部分とを混合して、出力映像信号とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、映像信号のエッジ部の近傍に存在する例えばリンギングやモスキートノイズなどのノイズを除去するための映像信号処理装置、映像信号処理方法および映像信号処理プログラムに関する。
テレビジョン受信機において受信され、映像検波されて得られる、例えばNTSC(National Television System Committee)信号などの映像信号は、例えば音声信号成分を除去するためのフィルタの特性が急峻であるため等の理由により、図21に示すように、映像信号のエッジ部分1の前後に、リンギング2が多く発生し、エッジ部分1の前後が図21のように平坦である場合に、当該リンギングが画面上で目に付き、画質を劣化させる原因となる。
従来から、この映像信号のエッジ部分近傍のリンギング等を低減するための発明が種々提案されている。例えば特許文献1(特開平5−183778号公報)には、その一例の映像信号補償回路が記載されている。
この特許文献1に記載の映像信号補償回路は、図22に示すような構成を備えている。この図22の構成は、リンギングが生じている入力映像信号のエッジ部近傍では、入力映像信号はローパスフィルタを通したものとして、リンギングを平滑して目立たなくするようにするものである。
すなわち、図22に示すように、入力端11を通じて入力された入力映像信号Viは、そのまま混合回路12に供給されると共に、ローパスフィルタ13を通じて混合回路12に供給される。
また、入力映像信号Viは、リンギング検出回路14に供給される。このリンギング検出回路14では、入力映像信号Viから図21に示したエッジ部分1を検出し、この検出出力に基づいて、リンギング2が存在しているであろうところの、当該エッジ部分1の前側部分と、エッジ部分1の後側部分とを固定的にリンギング低減区間として検出する。そして、リンギング検出回路14は、このリンギング低減区間において、検出したエッジ部のレベル(レベル差)に応じた低減量α(α<1)を混合回路12に出力する。
混合回路12では、低減量αに応じた割合で、入力映像信号Viと、ローパスフィルタ12からの映像信号VLiとを混合する。この場合、混合回路12では、
Vi×(1−α)+VLi×α
で表わされる混合を行なう。
リンギング検出回路14は、エッジ部分以外のリンギングがない部分では、低減量αとしてはα=0を出力すると共に、リンギング低減区間とするエッジ部分の前側部分と、エッジ部分の後側部分とでは、検出したエッジ部のレベルに応じた低減量αを出力する。
混合回路12では、低減量α=0であれば、信号低減は行なわれず、入力映像信号Viは、そのまま出力端15を通じて出力されて出力映像信号Voとされる。そして、低減量αが0でなければ、混合回路12では、当該低減量αの値に応じた割合で、入力映像信号Viと、ローパスフィルタ13からの映像信号VLiとが混合されて、出力映像信号Voとされる。したがって、出力映像信号Voは、エッジ部の大きさに応じてリンギングが低減されたものとなる。
上記の特許文献および非特許文献は、次の通りである。
特開平5−183778号公報
しかしながら、上述した従来のリンギング低減装置においては、ローパスフィルタにより平滑化した信号と、ローパスフィルタを通らない信号とを、リンギング検出回路14からの信号低減量に応じて単純に混合するように構成されている。
ところで、リンギング等は、図21に示したように、一般に小振幅であり、大振幅のエッジ等の信号部分にはリンギングは生じないし、あっても目立たない。
しかしながら、図21の従来のリンギング低減装置では、信号を大振幅部分と小振幅部分とに分けることなく、ローパスフィルタを通した信号を、入力映像信号Viと混合するようにしている。このため、大振幅の信号にもローパスフィルタがかかり、出力画像がボケてしまう。すなわち、従来の装置では、リンギングではないところにもローパスフィルタがかかってしまうことになり、この結果、出力画像がボケてしまうという問題がある。
この発明は、以上の点にかんがみ、なるべく低減対象以外の信号には影響を与えないで、低減対象部分を低減することができるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明においては、
前記入力映像信号から、前記入力映像信号のエッジ部の前後の信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を算出する信号低減領域・低減量検出手段と、
前記第1の分割手段により分割された前記入力映像信号の高域成分を大振幅部分と小振幅部分とに分ける第2の分割手段と、
前記第2の分割手段からの前記小振幅部分を、前記信号低減領域・低減量検出手段の検出出力に応じて低減処理する小振幅部分出力制御手段と、
前記第2の分割手段で分割された前記入力映像信号の高域成分の大振幅部分と、前記小振幅部分出力制御手段からの前記入力映像信号の高域成分の小振幅部分と、前記入力映像信号の低域成分とを混合する混合手段と、
を備えることを特徴とする映像信号処理装置を提供する。
この請求項1の発明によれば、入力映像信号は低域成分と高域成分とに分けられ、さらに、分割後の高域成分が大振幅部分と小振幅部分とに分けられる。そして、小振幅部分のみについて、信号低減領域・低減量検出手段で求められた信号低減量に応じた信号レベル低減が行われる。
したがって、この請求項1の発明によれば、入力映像信号の高域成分のうち、大振幅部分は低減されず、小振幅部分が信号低減領域・低減量検出手段で検出された信号低減量に応じて低減されるので、例えばリンギングとして低減したい部分のみについて低減が可能となり、画像の劣化を最小限に抑えることができる。
この発明によれば、入力映像信号のうちの、低減したいリンギングやモスキートノイズなどの部分のみを有効に低減することができるので、画像の劣化を最小限に抑えることができる。
以下、この発明による映像信号処理装置および方法の実施形態を、図を参照しながら説明する。
図1は、実施形態の映像信号処理装置の全体の構成を示すブロックであり、この例は、入力映像信号のエッジ部の前後に存在するリンギングを低減する場合の例である。
入力映像信号Viは、入力端21を通じて第1の分割手段を構成する帯域分割回路22および信号低減領域・低減量検出回路50に供給される。
信号低減領域・低減量検出回路50は、後で詳述するように、入力映像信号Viのエッジ部分を検出し、その検出したエッジ部分の前後の所定領域を信号低減領域とすると共に、検出したエッジ部分に基づいて検出される信号低減量に応じた検出出力αを出力する。すなわち、信号低減領域・低減量検出回路50は、前述の図21に示したように、エッジ部分の前後のリンギングが存在するであろう区間を信号低減領域とするようにすると共に、エッジ部分の大きさに応じたリンギングが生じるであろうと推定して、当該エッジ部分の大きさに対応した信号低減量となるように、検出出力αを生成して出力する。
帯域分割回路22は、高域成分抽出回路30と、減算回路31とからなる。高域成分抽出回路30は、入力映像信号Viから、その高域成分VHiを抽出する。減算回路31は、入力映像信号Viから、高域成分抽出回路30からの高域成分VHiを減算して、入力映像信号の低域成分VLiを抽出する。帯域分割回路22を、この例のように高域成分抽出回路30と減算回路31とで構成するのは、リンギングが生じるのはエッジ部分であって、高域においてであり、そのため、後述するように高域成分について信号低減することにより、リンギングの低減が図れるからである。
帯域分割回路22からの低域成分VLiは、混合回路27に供給され、高域成分VHiは、第2の分割手段を構成する振幅分割回路23に供給される。
振幅分割回路23は、小振幅部分抽出回路40と、減算回路41とからなる。小振幅部分抽出回路40は、入出力特性が、図2に示すような非線形特性の非線形変換回路により構成されており、入力映像信号Viの高域成分VHiのうちの、小振幅部分SVHiのみを抽出する。減算回路41は、入力映像信号Viの高域成分VHiから、小振幅部分抽出回路40からの小振幅部分出力SVHiを減算して、入力映像信号Viの高域成分VHiの大振幅部分BVHiを出力する。
小振幅部分抽出回路40は、図2に示すように、入出力の非線形特性により、入力映像信号Viの高域成分VHiが小振幅のときには、それに比例した出力信号を出力するが、入力映像信号Viの高域成分VHiが大振幅のときには、出力を零とするものである。そして、この実施形態では、後述するように、小振幅部分抽出回路40の非線形特性は、信号低減領域・低減量検出回路50からの入力映像信号のエッジの前後の信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力αに応じて、出力する小振幅部分の最大振幅値が制御されるように構成されている。
すなわち、小振幅部分抽出回路40では、検出出力αが小さいときには、図2(A)に示すように、出力する小振幅部分の最大振幅値は小さくされ、検出出力αが大きいときには、図2(A)に示すように、出力する小振幅部分の最大振幅値は大きくされる。つまり、小振幅部分抽出回路40から出力される大振幅部分の量が、信号低減領域・低減量検出回路50の検出出力αに応じて制御され、検出出力αが大きいほど、小振幅部分抽出回路40から、より大振幅の成分が出力されるように制御される。
これは、検出出力αが小さいときには、リンギングが少ないので、小振幅部分として検出する信号の最大振幅は小さくても良いが、検出出力αが大きいときには、よりリンギングの低減量を多くするほうが良いためである。
振幅分割回路23から得られた入力映像信号の高域成分VHiの大振幅部分BVHiは、この例では、出力制御回路24を通じて混合回路27に供給されて、帯域分割回路22からの入力映像信号の低域成分VLiと混合される。また、振幅分割回路23から得られた入力映像信号の高域成分VHiの小振幅部分SVHiは、出力制御回路25を通じて混合回路28に供給されて、混合回路27の出力信号と混合される。図1の例では、混合回路27が混合回路28の前段に設けられているが、混合回路28が混合回路27の前段に設けられていても良く、また、混合回路27と28とを一つにまとめても良い。
出力制御回路25は、信号低減領域・低減量検出回路50の検出出力αに応じて、入力映像信号の高域成分VHiの小振幅部分SVHiを低減するようにする。したがって、検出出力αが大きいほど、入力映像信号の高域成分VHiの小振幅部分SVHiの低減量は大きくなるものである。そして、この出力制御回路25の出力が混合回路28に供給され、混合回路27からの信号に混合される。
この例においては、振幅分割回路23からの大振幅部分BVHiについても、出力制御回路24において、信号低減領域・低減量検出回路50の検出出力αに応じて出力低減されるが、その低減量は、小振幅成分SVHiに比べて1/m(m>1)となるように、前記検出出力αは、1/m回路26を通じて、出力制御回路24に供給されている。そして、この出力制御回路24の出力が混合回路27に供給されて、入力映像信号の低域成分VLiに混合される。
なお、出力制御回路24および1/m回路26を設けずに、振幅分割回路23からの大振幅部分BVHiをそのまま混合回路27に供給して、入力映像信号の低域成分VLiに混合するようにしても良い。
そして、この実施形態では、混合回路28の出力として、出力映像信号Voが得られ、出力端29を通じて次段に出力される。
この実施形態の映像信号処理装置は、以上のような構成を備え、入力映像信号の高域成分のうち、大振幅部分は低減せず、小振幅部分が信号低減領域・低減量検出回路50で検出された信号低減量に応じて低減されるので、例えばリンギングが生じている部分のみについて低減が可能となり、画像の劣化を最小限に抑えることができる。
そして、この実施形態では、高域成分抽出回路30および信号低減領域・低減量検出回路50が以下に説明するように構成されることにより、より低減したい信号部分を良好に低減処理することができるので、画像の劣化をさらに抑えることができる。
[実施形態の映像信号処理装置の、より詳細な構成]
図1の構成は、アナログ回路としても構成することもできるが、この実施形態では、デジタル回路として構成されている。したがって、入力映像信号Viは、標本化周波数が13.5MHzのデジタル映像信号とされており、帯域分割回路22の高域成分抽出回路30には、デジタルフィルタが用いられたハイパスフィルタが用いられる。この場合、デジタルフィルタとしては、FIR(Finite Impulse Response)型のもの、あるいは、IIR(Infinite Impulse Response)型のものの、いずれでも使用可能である。
図3は、FIR型のデジタルフィルタの構成例を示すもので、入力信号に対して直列に接続される複数個の1サンプル遅延回路61と、入力信号および各遅延回路61の出力信号に係数を乗算する複数個の係数乗算回路62と、複数個の係数乗算回路62の出力の総和を算出する総和算出回路63とで構成され、総和算出回路63から出力信号が出力される。そして、このデジタルフィルタは、タップ数(遅延回路61の数+1)および複数個の係数乗算回路62で乗算するフィルタ係数W0、W1、W2・・・W(n−2)、W(n−1)(nは、タップ数)を設定することにより、所望の特性のフィルタを構成することができる。
前述したように、帯域分割回路22は、高域成分抽出回路30と減算回路31とによって、ローパスフィルタを構成している。このため、高域成分抽出回路30としてのハイパスフィルタの特性は、そのまま入力映像信号Viの低域成分を抽出するローパスフィルタの特性に影響する。
そして、この実施形態では、なるべくリンギング以外の信号はローパスフィルタによりぼかさないで、リンギングのみを平滑化するようにするために、高域成分抽出回路30としてのハイパスフィルタの特性は、例えば図4(A)に示すように、カットオフ周波数が高く、減衰特性が急峻なものとすることが望ましい。このようなハイパスフィルタの特性は、タップ数の多いデジタルフィルタで構成できる。
しかしながら、このようなタップ数の多いデジタルフィルタを用いて、高域成分抽出回路30としてのハイパスフィルタを構成すると、タップ数が多いために、注目サンプルデータの近傍のサンプルデータの影響を受ける。このため、信号のエッジが近くに存在すると、減算回路31からのローパスフィルタ出力には、エッジ近傍の平坦な信号部分に、でこぼこが発生する。
例えば、図5(A)に示すような信号のエッジ部分を、タップ数の多いハイパスフィルタと減算回路からなるローパスフィルタに通すと、図5(B)に示すように、エッジ部の前後の平坦部のエッジ部近傍に、でこぼこ64が生じてしまう。これに対して、タップ数の少ないデジタルフィルタの場合には、カットオフ周波数が低くなると共に、図4(B)に示すように緩慢な減衰特性となるが、タップ数が少ないため、図5(C)に示すように、エッジ部の前後の平坦部には、でこぼこは生じない。
<帯域分割回路22の構成>
以上のことを考慮して、この実施形態では、帯域分割回路22の高域成分抽出回路30は、図6に示すような構成としている。
すなわち、この実施形態では、タップ数の多いデジタルフィルタからなる第1のハイパスフィルタ301と、タップ数の少ないデジタルフィルタからなる第2のハイパスフィルタ302とを設け、入力映像信号Viをそれぞれのハイパスフィルタ301および302に供給するようにする。そして、これらハイパスフィルタ301および302の出力は、それぞれ出力制御回路303および304を通じて混合回路305に供給する。そして、この混合回路305からの混合出力を、高域成分抽出回路30の出力とする。
この例の場合、第1のハイパスフィルタ301は、例えば9タップのデジタルフィルタが用いられ、そのフィルタ係数W1〜W9としては、図7に示すようなものとされている。また、第2のハイパスフィルタ302は、例えば3タップのデジタルフィルタが用いられ、そのフィルタ係数W1〜W3としては、図8に示すようなものとされている。
なお、前述した図4(A)の特性は、ハイパスフィルタ301のものであり、図4(B)の特性は、ハイパスフィルタ302のものである。
また、この例では、高域成分抽出回路30には、入力映像信号Viの平坦部を検出する平坦部検出回路306を設ける。この例では、この平坦部検出回路306は、注目サンプル位置よりも前側(進み位相側)の平坦部を検出するためのフィルタ311および絶対値化回路312と、注目サンプル位置よりも後側(遅れ位相側)の平坦部を検出するためのフィルタ313および絶対値化回路314と、絶対値化回路312および絶対値化回路314の出力の最小値を検出する最小値検出回路315と、最小値検出回路315の出力から、信号の平坦さの度合いに対応する検出出力値β(β≦1)を生成する非線形変換回路316とからなる。
この例において、フィルタ311および312は、例えば7タップのデジタルフィルタで構成され、フィルタ係数は、フィルタ311のそれは、図9に示すようなものとされ、また、フィルタ313のそれは、図10に示すようなものとされる。
また、非線形変換回路316の入出力の非線形特性は、図11に示すようなものとされる。すなわち、図11に示すように、検出出力値βは、最小値検出回路315で検出した最小値が第1の所定値θ1よりも小さいときには、β=0であり、前記第1の所定値θ1よりも大きくなると、入力値に応じたものとなる。そして、最小値検出回路315で検出した最小値が第2の所定値θ2よりも大きくなると、検出出力値βは、一定とされる。
そして、この平坦部検出回路306からの信号の平坦さの度合いに対応する検出出力値βを出力制御回路303および304に供給する。そして、出力制御回路303では、ハイパスフィルタ301の出力に対して、検出出力値βを乗算したものを混合回路305に出力する。出力制御回路304では、ハイパスフィルタ301の出力に対して、(1−β)を乗算したものを混合回路305に出力する。
すなわち、検出出力値βが小さいとき、つまり、信号が平坦であるときには、タップ数の少ないデジタルフィルタからなるハイパスフィルタ302の出力をより多く含む信号を、高域成分抽出回路30の出力とし、検出出力値βが大きく、信号が平坦ではないときには、前記でこぼこ64は目立たないとして、タップ数の多い、本来使用したいハイパスフィルタ301からの出力をより多く含む信号を、高域成分抽出回路30の出力とする。
したがって、この実施形態によれば、信号の平坦な部分においては、タップ数の少ないデジタルフィルタからなるハイパスフィルタ302の出力の混合割合が多くなって、注目サンプル位置近傍のサンプルの影響を受け難くなるので、エッジ部の前後の平坦部において、図5(B)に示したようなでこぼこ64の発生を軽減することができる。
なお、上述の構成において、混合回路305の2つの入力信号については、デジタルフィルタのタップ数が異なることから、図示は省略したが、それぞれの入力信号について、注目サンプル位置として同期させるための遅延回路が、それぞれの系に設けられるのは言うまでもない。また、平坦部検出回路306や、減算回路31の系においても、同様に、タイミング合わせのための遅延回路が設けられるが、説明の簡単のため、図示は省略してある。後述する他の回路部分についても同様である。
<信号低減領域・低減量検出回路50の詳細な構成例>
次に、この実施形態における信号低減領域・低減量検出回路50の詳細な構成例について説明する。この実施形態の信号低減領域・低減量検出回路50は、対象となる入力映像信号Viに発生するリンギングの発生状況に応じて、エッジ部分からどれくらい離れた領域までを信号低減領域とするかを、容易に設定することができるような構成を備えている。そのため、この実施の形態では、例えば、対象となる入力映像信号Viに発生するリンギングの発生状況を予め調べて、その発生状況に応じて、エッジ部分からどれくらい離れた領域までを信号低減領域とするかを決定するようにしている。
図12は、この実施形態における信号低減領域・低減量検出回路50の構成例を示すブロック図である。また、図13〜図16は、この実施形態における信号低減領域・低減量検出回路50の構成例の説明のための図である。以下、図12〜図16を参照して、この実施形態における信号低減領域・低減量検出回路50の構成について説明する。
図12に示すように、この実施形態における信号低減領域・低減量検出回路50においては、入力映像信号(デジタル映像信号)Viは、デジタルフィルタで構成されるハイパスフィルタ501に供給される。この例では、このハイパスフィルタ501は、5タップのデジタルフィルタとされ、そのフィルタ係数は、例えば図13に示すようなものとされている。
このハイパスフィルタ501の出力S1は、絶対値化回路502に供給されて絶対値化され、その絶対値化出力S2は、非線形変換回路503および504に供給される。これらの非線形変換回路503および504は、後で詳述するように、リンギングは大振幅のエッジ部分で目立ち、中振幅や小振幅のエッジ部分では目立たないので、大振幅のエッジ部分と、中振幅や小振幅のエッジ部分とで、リンギングかどうかの検出判断を変えるようにするために設けられている。
これら非線形回路503および504は、それぞれデジタルフィルタからなるローパスフィルタ505および506に供給される。このローパスフィルタ505および506は、この例では、共に、例えば3タップのデジタルフィルタであって、図14に示すようなフィルタ係数とされたものが用いられている。
そして、ローパスフィルタ505の出力S3は、信号低減領域設定回路507に供給される。この信号低減領域設定回路507は、信号低減領域を設定するための複数個の遅延回路508〜512と、アンプ513〜516と、最大値検出回路517とからなる。
信号低減領域設定回路507では、ローパスフィルタ505の出力S3は、遅延回路510により所定遅延量DLcだけ遅延される。この例では、この遅延回路510の出力S4が注目サンプル位置の信号となる。そして、遅延回路508および509は、それぞれ遅延量DLcよりも小さい、異なる遅延量だけローパスフィルタ505の出力S3を遅延させて、注目サンプル位置の出力S4よりも前の時点の信号S5およびS6を得る。
さらに、遅延回路511および512は、遅延回路510の出力S4をさらに遅延することにより、それぞれ遅延量DLcよりも大きい、異なる遅延量だけローパスフィルタ505の出力S3を遅延させた、注目サンプル位置よりも後の時点の信号S7およびS8を得る。
この実施形態では、各遅延回路508〜512の遅延量は、例えば次のようにされている。すなわち、遅延回路510の遅延量DLcは17サンプル分とされ、遅延回路508の遅延量は0サンプル分(遅延なし)とされ、遅延回路509の遅延量は8サンプル分とされる。また、遅延回路511の遅延量は9サンプル分とされ、遅延回路512の遅延量は17サンプル分とされる。
したがって、この例においては、遅延回路510の出力S4と遅延回路508の出力S5とは17サンプル分、遅延回路510の出力S4と遅延回路509の出力S6とは9サンプル分、それぞれ離れており、遅延回路511の遅延量は9サンプル分とされ、遅延回路512の遅延量は17サンプル分とされていることから、遅延回路510の出力S4を中心にすると、信号S5,S6,S7,S8は、前後に同一の時間だけ異なる位置の信号となっている。
そして、遅延回路508,509および遅延回路511,512の出力S5,S6およびS7,S8が、それぞれアンプ513,514,515,516を通じて最大値検出回路517に供給される。最大値検出回路517は、各時点において、その入力信号S5,S6およびS7,S8の最大値を出力する。この最大値検出回路517の出力S9は、割り算回路518に供給される。
また、ローパスフィルタ506の出力が、注目サンプル位置の出力S4を得る遅延回路510と等しい遅延量の遅延回路519を通じて割り算回路518に供給される。遅延回路519は、ローパスフィルタ506の出力を注目サンプル位置に同期させるためのものである。
割り算回路518では、最大値検出回路517の出力S9を、遅延回路519を通じたローパスフィルタ506の出力で割り算するようにする。なお、割り算回路518では、遅延回路519を通じたローパスフィルタ506の出力の値がゼロであるときには、当該ローパスフィルタ506の出力の値を表現し得る最小値に置き換えて、割り算を行なうようにする。
前述した非線形変換回路503および504と、この割り算回路518での処理により、リンギングが目立つ大振幅のエッジ部分では、リンギングが検出されやすくされ、また、リンギングがあまり目立たない中振幅や小振幅のエッジ部分では、リンギングの検出感度を低くするようにしている。
すなわち、この実施形態においては、非線形変換回路503は、その入出力特性が、入力信号の小振幅および中振幅の領域において、図15(A)に示すように、破線のような線形の場合よりも、実線のように持ち下がった非線形特性を備えるものとされる。つまり、非線形変換回路503は、入力信号が所定のレベルθ2以下であるときには、線形の場合よりも小さい出力レベルで出力信号を出力し、入力信号が所定のレベルθ2以上であるときには、線形の場合よりも大きい出力レベルで出力信号を出力する。
一方、非線形変換回路504は、その入出力特性が、入力信号の小振幅および中振幅の領域において、図15(B)に示すように、破線のような線形の場合よりも、実線のように持ち上がった非線形特性を備えるものである。つまり、非線形変換回路504は、入力信号が所定のレベルθ2以下であるときには、線形の場合よりも大きい出力レベルで出力信号を出力し、入力信号が所定のレベルθ2以上であるときには、線形の場合よりも小さい出力レベルで出力信号を出力する。
割り算回路518では、上述のように、非線形変換回路503の出力をローパスフィルタ505に通したものを、非線形回路504の出力をローパスフィルタ506に通したもので割り算しているので、割り算結果は、大振幅部分は強調されてリンギングとして検出されやすくなり、小振幅部分は、リンギングとして検出されにくくされる。
このことを、図16および図17を参照してさらに説明する。
すなわち、図16(A)に示すように、信号が大振幅の場合には、リンギングも大きいものとなり、一方、図16(B)に示すように、信号が中振幅および小振幅の場合には、エッジ部分にリンギングあるいはリンギングに似た信号が生じても、それは小さいものとなり、表示画像上では目立たない。
非線形変換回路503および504の代わりに入出力特性が線形の回路を設けた場合には、割り算回路518では、信号が大振幅の場合でも、また、中振幅および小振幅の場合でも、検出出力の値は、同様となる。
これに対して、入出力特性が非線形の非線形変換回路503および504を設けた場合には、信号が大振幅の場合には、非線形変換回路503では、より大振幅で出力するようにされると共に、非線形変換回路504では、振幅が低減されたものとして出力される。割り算回路518では、非線形変換回路503側の信号が分子になり、非線形変換回路504側の信号が分母になるので、割り算結果は、図17(A)に示すように、より強調されるように検出される。
また、入出力特性が非線形の非線形変換回路503および504を設けた場合において、信号が中振幅および小振幅の場合には、非線形変換回路503では、より小振幅で出力するようにされると共に、非線形変換回路504では、振幅がより大振幅で出力される。したがって、割り算回路518での割り算結果は、図17(B)に示すように、より小さいものとして検出される。
したがって、大振幅部分でのリンギングは、より検出されやすくなり、また、中振幅および小振幅部分ではリンギングの検出感度は低くなる。
この割り算回路518の出力は、リンギングを低減する期間および低減量に応じた検出出力値αを生成するための非線形変換回路520に供給される。この非線形変換回路520は、図11に示したものと同様の入出力非線形特性を備える。すなわち、非線形変換回路520からの検出出力値αは、割り算回路518の出力が第1の所定値θ1よりも小さいときには、α=0となり、第1の所定値θ1よりも大きくなると入力値に応じたものとなり、第2の所定値θ2よりも大きくなると、一定とされる。
この非線形変換回路520の出力は、広げ回路521に供給され、リンギングを低減する期間を前後に広げる処理がなされた後、信号低減領域・低減量検出回路50の検出出力値αとして出力される。この例では、広げ回路521では、1サンプル分を信号低減領域として前後に広げるようにする。なお、この広げ回路521は、適用される入力映像信号Viによっては設けなくてもよい。
次に、この信号低減領域・低減量検出回路50の動作を、各部の出力波形を示す図18および図19を参照しながら説明する。ここでは、信号低減領域・低減量検出回路50に図18(A)に示すようなリンギングが乗ったエッジ部分を備える入力映像信号Viが供給された場合について説明する。
ハイパスフィルタ501では、図18(A)に示すようなエッジ部分が供給されると、その出力S1として、図18(B)に示すように、当該エッジ部分を微分したような信号を出力する。この出力信号S1は、絶対値化回路502を通されて、その出力信号S2として、図18(C)に示すような信号が得られる。なお、図18(B)以下では、図18(K)の波形図を除き、説明の簡単のため、リンギングは省略してある。
そして、非線形変換回路503および504をそれぞれ通された後、ローパスフィルタ505および506に供給され、これらローパスフィルタ505および506からは、図18(D)に示すように絶対値化回路502の出力S2が平滑化された出力信号S3が得られる。
この図18(D)に示す信号S3を遅延回路510により遅延した信号が注目サンプル位置となる出力信号S4であるので、この図18(D)の信号を、出力S4として考えると、遅延回路508、509および511、512の出力S5,S6およびS7,S8は、図18(E)、(F)および(G)、(H)に示すようなものとなる。
したがって、最大値検出回路517の出力S9は、図18(I)に示すように、エッジ部分の前部で、出力S7,S8を合成したような信号となり、また、エッジ部分の後部で、出力S5,S6を合成したような信号となる。そして、これを広げ回路521で広げると、図18(J)に示すような信号となる。
したがって、この図18(J)に示した信号を検出出力値αとして、出力制御回路24および25に供給することにより、出力端29からは、図18(K)に示すように、エッジ部の前後のリンギングを低減した出力信号Voが得られる。
以上の説明から判るように、遅延回路508、509、511、512は、信号低減領域を生成するための回路である。そして、これら遅延回路508、509、511、512の遅延量を変更することにより、エッジ部の前後の信号低減領域をどの程度の幅にするかを容易に変更設定することができる。また、この例では、エッジ部の前後の信号低減領域をそれぞれ2個ずつの遅延回路で生成するようにしたが、その個数も、信号低減領域をどの程度の幅にするかに応じて変更して、それぞれ希望する幅の信号低減領域を生成することができる。
したがって、対象となる入力映像信号Viに発生するリンギングの発生状況を予め調べて、その発生状況に応じて、信号低減領域設定回路507を構成する遅延回路の数や遅延量を設定することにより、所期の信号低減領域を得ることができる。なお、信号低減領域は、リンギング等の発生状況に合わせて設定すればよく、エッジ部を中心として前後対象の区間でなくともよい。
なお、エッジ部分の前後に平坦部がないときには、リンギングがあっても目立たないので、それらの部分は、信号低減する必要はなく、前記検出出力値αは、ゼロあるいは微小な値でよい。この実施形態の信号低減領域・低減量検出回路50では、前述の構成により、この点も考慮されている。
すなわち、例えば入力映像信号Viが図19(A)に示すように、エッジのみからなるような信号であった場合、ハイパスフィルタ501の出力S1は、図19(B)に示すように、ほぼ入力信号がそのまま表れるような信号となる。そして、絶対値化回路502からは、図19(C)に示すように、信号S1が正極性に全て折り返されたような信号S2が得られる。
そして、ローパスフィルタ505および506からは、図19(D)に示すように、この高周波信号S2が平滑化されたほぼ直流の信号S3が得られる。このため、図19(E)に示すように、最大値検出回路517の出力信号S9も同様にほぼ直流の信号となる。したがって、割り算回路518の出力は、図19(F)に示すような微小な一定値が得られ、検出出力値αは、ほぼゼロあるいは微小値となるので、出力映像信号Voは、図19(G)に示すように、入力映像信号Viがほぼ低減されることなく出力されたような信号となる。
なお、リンギングは、エッジ部から離れるにしたがって、そのレベルが小さくなるようになることを考慮して、遅延回路508〜512で生成する信号低減領域の信号は、エッジから離れるに従ってレベルが小さくなるような信号とするようにしても良い。
例えば、上述の信号低減領域・低減量検出回路50において、注目サンプル位置から遠い遅延回路の出力ほど、そのレベルを低くするような重み付けをするようにする。例えば、前述の図12の場合の例で言えば、図20(A),(D)に示すように、遅延回路508および512の出力S5,S8に対しては、そのレベルを低くするような重み付けをすると共に、遅延回路509および511の出力に対しては、図20(B),(C)に示すように、レベルを低くしないようにする。
このようにすれば、最大値検出回路517の出力S9は、図20(E)に示すように、エッジ部の前部および後部において、エッジ部から離れるとレベルが低くなる信号となる。なお、理想的には、図20(F)に示すように、この出力S9を平滑化したような信号が好ましい。
[その他の実施形態および変形例]
なお、振幅分割回路23では、減算回路41において、小振幅部分抽出回路40で抽出した小振幅部分を、高域成分抽出回路30からの出力VHiから減算することにより、大振幅部分を得るようにしたが、減算回路41を設けずに、高域成分抽出回路30からの出力VHiを、大振幅部分のみを出力するようにする入出力非線形特性の非線形変換回路を通すことにより、高域成分の大振幅部分を抽出するようにしても勿論よい。
なお、以上の説明は、リンギングを低減する場合について説明したが、画像を例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)圧縮したときなど、信号成分が消失してしまうことが原因として、大振幅の信号の近傍の平坦部で発生するモスキートノイズを低減する場合にも、上述と同様にして、この発明による映像信号処理装置が適用可能である。
また、映像信号についての水平方向の処理に関する場合だけではなく、垂直方向の処理についても、この発明による映像信号処理装置が適用可能である。つまり、画面の水平方向において発生するリンギングやモスキートノイズの低減処理のみではなく、画面の垂直方向において発生するモスキートノイズの低減処理についてもこの発明は適用できるものである。
また、上述の構成は、入力映像信号をデジタル映像信号としたデジタル回路の構成としたが、アナログ入力映像信号を対象としたアナログ回路の構成とすることも勿論できる。
また、デジタル入力映像信号を対象とする場合においては、ハードウエアのデジタル回路で上述した映像信号処理装置を構成するのではなく、全ての処理をプログラム化し、そのプログラムを用いて、コンピュータでソフトウエア処理により、処理を実行するようにすることもできる。
この発明による映像信号処理装置の実施形態の全体の構成例を示すブロック図である。 図1の構成の一部の回路の入出力特性を説明するための図である。 デジタルフィルタを説明するための図である。 ハイパスフィルタの周波数特性を説明するための図である。 フィルタのタップ数の違いにより発生する不具合を説明するための図である。 図1の一部の帯域分割回路の、より詳細な構成例を示すブロック図である。 デジタルフィルタのフィルタ係数の例を示す図である。 デジタルフィルタのフィルタ係数の例を示す図である。 デジタルフィルタのフィルタ係数の例を示す図である。 デジタルフィルタのフィルタ係数の例を示す図である。 図1の回路の一部に用いる非線形変換回路の入出力非線形特性の一例を示す図である。 図1の一部の信号低減領域・低減量検出回路の、より詳細な構成例を示すブロック図である。 デジタルフィルタのフィルタ係数の例を示す図である。 デジタルフィルタのフィルタ係数の例を示す図である。 図12の回路の説明に用いる図である。 図12の回路の説明に用いる図である。 図12の回路の説明に用いる図である。 図12の回路の動作説明に用いる波形図である。 図12の回路の動作説明に用いる波形図である。 図12の回路の他の例の説明に用いる図である。 エッジ部近傍のリンギングを説明するための図である。 従来のリンギング低減装置の一例を示すブロック図である。
符号の説明
22…帯域分割回路、23…振幅分割回路、24,25…出力制御回路、27,28…混合回路、30…高域成分抽出回路、40…小振幅部分抽出回路、50…信号低減領域・低減量検出回路、301…タップ数の多いハイパスフィルタ、302…タップ数の少ないハイパスフィルタ、305…混合回路、306…平坦部検出回路、501…ハイパスフィルタ、502…絶対値化回路、503,504…非線形変換回路、505,506…ローパスフィルタ、508〜512および519…遅延回路、517…最大値検出回路、518…割り算回路

Claims (24)

  1. 入力映像信号を低域成分と高域成分とに分ける第1の分割手段と、
    前記入力映像信号から、前記入力映像信号のエッジ部の前後の信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を算出する信号低減領域・低減量検出手段と、
    前記第1の分割手段により分割された前記入力映像信号の高域成分を大振幅部分と小振幅部分とに分ける第2の分割手段と、
    前記第2の分割手段からの前記小振幅部分を、前記信号低減領域・低減量検出手段の検出出力に応じて低減処理する小振幅部分出力制御手段と、
    前記第2の分割手段で分割された前記入力映像信号の高域成分の大振幅部分と、前記小振幅部分出力制御手段からの前記入力映像信号の高域成分の小振幅部分と、前記入力映像信号の低域成分とを混合する混合手段と、
    を備えることを特徴とする映像信号処理装置。
  2. 請求項1に記載の映像信号処理装置において、
    前記第2の分割手段は、前記入力映像信号の高域成分の小振幅部分を抽出するための入出力特性が非線形な非線形手段を備え、
    前記信号低減領域・低減量検出手段で求められた前記信号低減量に応じて前記非線形手段が制御されて、信号低減量が大きいほど、前記非線形手段から、大振幅の信号が、より出力される
    ことを特徴とする映像信号処理装置。
  3. 入力映像信号を低域成分と高域成分とに分ける帯域分割手段と、
    前記帯域分割手段により分割された前記入力映像信号の高域成分に対して、そのうちの少なくとも小振幅部分を低減するようにする信号低減手段と、
    前記信号低減手段からの前記入力映像信号の高域成分と、前記入力映像信号の低域成分とを混合する第1の混合手段と
    を備える映像信号処理装置において、
    前記入力映像信号は、デジタル信号であると共に、
    前記帯域分割手段は、減衰特性が急峻でタップ数が多い第1のデジタルフィルタと、減衰特性が第1のデジタルフィルタよりは緩慢でタップ数が少ない第2のデジタルフィルタとを備えると共に、前記第1のデジタルフィルタの出力と、前記第2のデジタルフィルタの出力とを混合する第2の混合手段を備える
    ことを特徴とする映像信号処理装置。
  4. 請求項3に記載の映像信号処理装置において、
    前記入力映像信号のレベルが平坦なときほど、前記第2の混合手段における前記第2のデジタルフィルタの出力の混合割合を大きくする
    ことを特徴とする映像信号処理装置。
  5. 入力映像信号を低域成分と高域成分とに分ける帯域分割手段と、
    前記入力映像信号から、前記入力映像信号のエッジ部の前後の信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を算出する信号低減領域・低減量検出手段と、
    前記帯域分割手段により分割された前記入力映像信号の高域成分に対して、そのうちの少なくとも小振幅部分を、前記信号低減領域・低減量検出手段の検出出力に応じて低減処理する信号低減手段と、
    前記信号低減手段からの前記高域成分と、前記入力映像信号の低域成分とを合成する混合手段と
    を備える映像信号処理装置において、
    前記信号低減領域・低減量検出手段は、
    前記入力映像信号の高域成分を抽出するためのハイパスフィルタと、
    前記ハイパスフィルタの出力信号の絶対値を求める絶対値化手段と、
    前記絶対値化手段の出力の低域成分を抽出する第1のローパスフィルタと、
    前記第1のローパスフィルタの出力を第1の所定量だけ遅延させた位置を注目信号位置として、前記第1のローパスフィルタの出力を前記第1の所定量よりも小さい量だけ遅延させることにより、前記注目信号位置よりも前の時点の第1の出力を得ると共に、前記第1のローパスフィルタの出力を前記第1の所定量よりも大きい量遅延させることにより、前記注目信号位置よりも後の時点の第2の出力を得る手段と、
    前記第1の出力と前記第2の出力とが入力信号として供給され、前記入力信号の最大値を出力する最大値出力手段と、
    を備え、前記最大値出力手段の出力に基づいて、前記信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を生成する
    ことを特徴とする映像信号処理装置。
  6. 請求項5に記載の映像信号処理装置において、
    前記最大値出力手段の出力を、前記絶対値化手段の出力の低域成分を前記第1の所定量だけ遅延させたもので割り算する割り算手段を備え、
    前記割り算手段の出力に基づいて、前記信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を生成する
    ことを特徴とする映像信号処理装置。
  7. 請求項5に記載の映像信号処理装置において、
    前記絶対値化手段の出力の低域成分を抽出する第2のローパスフィルタと、
    前記最大値算出手段の出力を、前記第2のローパスフィルタの出力を前記第1の所定量だけ遅延させたもので割り算する割り算手段と、
    前記第1のローパスフィルタの前段に設けられ、入出力特性が、入力信号の小振幅および中振幅の領域において、線形の場合よりも持ち下がった非線形特性の第1の非線形処理手段と、
    前記第2のローパスフィルタの前段に設けられ、入出力特性が、入力信号の小振幅および中振幅の領域において、線形の場合よりも持ち上がった非線形特性の第2の非線形処理手段と、
    を備えることを特徴とする映像信号処理装置。
  8. 請求項5に記載の映像信号処理装置において、
    前記第1の出力および前記第2の出力のそれぞれは、前記第1のローパスフィルタの出力を、異なる遅延量ずつ遅延させた複数の遅延出力からなると共に、
    前記複数の遅延出力のうちの、前記注目信号位置から遠い方の出力ほど、その出力レベルを下げるようにする
    ことを特徴とする映像信号処理装置。
  9. 入力映像信号を低域成分と高域成分とに分ける第1の分割ステップと、
    前記入力映像信号から、前記入力映像信号のエッジ部の前後の信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を算出する信号低減領域・低減量検出ステップと、
    前記第1の分割ステップにより分割された前記入力映像信号の高域成分を大振幅部分と小振幅部分とに分ける第2の分割ステップと、
    前記第2の分割ステップで分けられた前記小振幅部分を、前記信号低減領域・低減量検出手段の検出出力に応じて低減処理する小振幅部分出力制御ステップと、
    前記第2の分割ステップで分割された前記入力映像信号の高域成分の大振幅部分と、前記小振幅部分出力制御ステップで出力制御された前記入力映像信号の高域成分の小振幅部分と、前記入力映像信号の低域成分とを混合する混合ステップと、
    を備えることを特徴とする映像信号処理方法。
  10. 請求項9に記載の映像信号処理方法において、
    前記第2の分割ステップでは、前記入力映像信号の高域成分の小振幅部分を抽出するために入出力特性が非線形特性である非線形処理を行ない、
    前記信号低減領域・低減量検出ステップで求められた前記信号低減量に応じて前記非線形特性が制御されて、信号低減量が大きいほど、大振幅の信号が、より出力されるようにする
    ことを特徴とする映像信号処理方法。
  11. 入力映像信号を低域成分と高域成分とに分ける帯域分割ステップと、
    前記帯域分割ステップにおいて分割された前記入力映像信号の高域成分に対して、そのうちの少なくとも小振幅部分を低減するようにする信号低減ステップと、
    前記信号低減ステップから得られる前記入力映像信号の高域成分と、前記入力映像信号の低域成分とを混合する第1の混合ステップと
    を備える映像信号処理方法において、
    前記入力映像信号は、デジタル信号であると共に、
    前記帯域分割ステップでは、減衰特性が急峻でタップ数が多い第1のデジタルフィルタと、減衰特性が第1のデジタルフィルタよりは緩慢でタップ数が少ない第2のデジタルフィルタとを用いると共に、前記第1のデジタルフィルタの出力と、前記第2のデジタルフィルタの出力とを混合する第2の混合ステップを備える
    ことを特徴とする映像信号処理方法。
  12. 請求項11に記載の映像信号処理方法において、
    前記入力映像信号のレベルが平坦なときほど、前記第2の混合ステップにおける前記第2のデジタルフィルタの出力の混合割合を大きくする
    ことを特徴とする映像信号処理方法。
  13. 入力映像信号を低域成分と高域成分とに分ける帯域分割ステップと、
    前記入力映像信号から、前記入力映像信号のエッジ部の前後の信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を算出する信号低減領域・低減量検出ステップと、
    前記帯域分割ステップにより分割された前記入力映像信号の高域成分に対して、そのうちの少なくとも小振幅部分を、前記信号低減領域・低減量検出ステップで求められた前記検出出力に応じて低減処理する信号低減ステップと、
    前記信号低減ステップで得られた前記入力映像信号の高域成分と、前記入力映像信号の低域成分とを混合する混合ステップと
    を備える映像信号処理方法において、
    前記信号低減領域・低減量検出ステップは、
    前記入力映像信号の高域成分を抽出する高域成分抽出ステップと、
    前記高域成分抽出ステップで得られた高域成分出力の絶対値を求める絶対値化ステップと、
    前記絶対値化ステップの出力の低域成分を抽出する第1の低域成分抽出ステップと、
    前記第1の低域成分抽出ステップで得られた前記低域成分出力を第1の所定量だけ遅延させた位置を注目信号位置として、前記第1の低域成分抽出ステップで得られた低域成分出力を前記第1の所定量よりも小さい量だけ遅延させることにより、前記注目信号位置よりも前の時点の第1の出力を得ると共に、前記第1の低域成分抽出ステップで得られた低域成分出力を前記第1の所定量よりも大きい量遅延させることにより、前記注目信号位置よりも後の時点の第2の出力を得るステップと、
    前記第1の出力と前記第2の出力とを入力信号として、その最大値を出力する最大値出力ステップと、
    を備え、前記最大値出力ステップの出力に基づいて、前記信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を生成する
    ことを特徴とする映像信号処理方法。
  14. 請求項13に記載の映像信号処理方法において、
    前記最大値出力ステップの出力を、前記絶対値化ステップの出力の低域成分を前記第1の所定量だけ遅延させたもので割り算する割り算ステップを備え、
    前記割り算ステップの出力に基づいて、前記信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を生成する
    ことを特徴とする映像信号処理方法。
  15. 請求項13に記載の映像信号処理方法において、
    前記絶対値化ステップの出力の低域成分を抽出する第2の低域成分抽出ステップと、
    前記最大値算出ステップの出力を、前記第2の低域成分抽出ステップの出力を前記第1の所定量だけ遅延させたもので割り算する割り算ステップと、
    前記第1の低域成分抽出ステップの前に行なわれ、入出力特性が、入力信号の小振幅および中振幅の領域において、線形の場合よりも持ち下がった非線形特性の処理を行なう第1の非線形処理ステップと、
    前記第2の低域成分抽出ステップの前に行なわれ、入出力特性が、入力信号の小振幅および中振幅の領域において、線形の場合よりも持ち上がった非線形特性の処理を行なう第2の非線形処理ステップと、
    を備えることを特徴とする映像信号処理方法。
  16. 請求項13に記載の映像信号処理装置において、
    前記第1の出力および前記第2の出力のそれぞれは、前記第1の低域成分抽出ステップの出力を、異なる遅延量ずつ遅延させた複数の出力からなると共に、
    前記複数の出力のうちの、前記注目信号位置から遠い方の出力ほど、その出力レベルを下げるようにする
    ことを特徴とする映像信号処理方法。
  17. 入力映像信号のエッジ部近傍のノイズを低減処理するために、コンピュータを、
    前記入力映像信号を低域成分と高域成分とに分ける第1の分割手段、
    前記入力映像信号から、前記入力映像信号のエッジ部の前後の信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を算出する信号低減領域・低減量検出手段と、
    前記第1の分割手段により分割された前記入力映像信号の高域成分を大振幅部分と小振幅部分とに分ける第2の分割手段、
    前記第2の分割手段からの前記小振幅部分を、前記信号低減領域・低減量検出手段の検出出力に応じて低減処理する小振幅部分出力制御手段と、
    前記第2の分割手段で分割された前記入力映像信号の高域成分の大振幅部分と、前記小振幅部分出力制御手段からの前記入力映像信号の高域成分の小振幅部分と、前記入力映像信号の低域成分とを混合する混合手段と、
    として機能させるための映像信号処理プログラム。
  18. 請求項17に記載の映像信号処理プログラムにおいて、
    前記第2の分割手段は、前記入力映像信号の高域成分の小振幅部分を抽出するための入出力特性が非線形な非線形手段を備え、
    前記信号低減領域・低減量検出手段で求められた前記信号低減量に応じて前記非線形手段が制御されて、信号低減量が大きいほど、前記非線形手段から、大振幅の信号が、より出力される
    ことを特徴とする映像信号処理プログラム。
  19. 入力映像信号のエッジ部近傍のノイズを低減処理するために、コンピュータを、
    減衰特性が急峻でタップ数が多い第1のデジタルフィルタ手段の出力と、減衰特性が第1のデジタルフィルタ手段よりは緩慢でタップ数が少ない第2のデジタルフィルタ手段の出力とを混合する第1の混合手段を含み、前記入力映像信号を低域成分と高域成分とに分ける帯域分割手段、
    前記帯域分割手段により分割された前記入力映像信号の高域成分に対して、そのうちの少なくとも小振幅部分の信号量を低減するようにする信号低減手段、
    前記信号低減手段からの前記入力映像信号の高域成分と、前記入力映像信号の低域成分とを混合する第2の混合手段
    として機能させるための映像信号処理プログラム。
  20. 請求項19に記載の映像信号処理プログラムにおいて、
    前記入力映像信号のレベルが平坦なときほど、前記第1の混合手段における前記第2のデジタルフィルタの出力の混合割合を大きくする
    ことを特徴とする映像信号処理プログラム。
  21. 入力映像信号のエッジ部近傍のノイズを低減処理するために、コンピュータを、
    前記入力映像信号を低域成分と高域成分とに分ける帯域分割手段、
    前記入力映像信号から、前記入力映像信号のエッジ部の前後の信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を算出する信号低減領域・低減量検出手段と、
    前記帯域分割手段により分割された前記入力映像信号の高域成分に対して、そのうちの少なくとも小振幅部分を、前記信号低減領域・低減量検出手段の検出出力に応じて低減処理する信号低減手段と、
    前記信号低減手段からの前記高域成分、前記入力映像信号の低域成分とを混合する混合手段、
    として機能させるための映像信号処理プログラムにおいて、
    前記信号低減領域・低減量検出手段は、
    前記入力映像信号の高域成分を抽出するためのハイパスフィルタ手段、
    前記ハイパスフィルタの出力信号の絶対値を求める絶対値化手段、
    前記絶対値化手段の出力の低域成分を抽出する第1のローパスフィルタ手段、
    前記第1のローパスフィルタ手段の出力を第1の所定量だけ遅延させた位置を注目信号位置として、前記第1のローパスフィルタ手段の出力を前記第1の所定量よりも小さい量だけ遅延させることにより、前記注目信号位置よりも前の時点の第1の出力を得ると共に、前記第1のローパスフィルタ手段の出力を前記第1の所定量よりも大きい量遅延させることにより、前記注目信号位置よりも後の時点の第2の出力を得る手段、
    前記第1の出力と前記第2の出力とが入力信号として供給され、前記入力信号の最大値を出力する最大値出力手段と、
    を備え、前記最大値出力手段の出力に基づいて、前記信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を生成する
    ことを特徴とする映像信号処理プログラム。
  22. 請求項21に記載の映像信号処理プログラムにおいて、
    前記最大値算出手段の出力を、前記絶対値化手段の出力の低域成分を前記第1の所定量だけ遅延させたもので割り算する割り算手段として機能する処理プログラムを含み、
    前記割り算手段の出力に基づいて、前記信号低減領域および信号低減量に応じた検出出力を生成する
    ことを特徴とする映像信号処理プログラム。
  23. 請求項21に記載の映像信号処理プログラムにおいて、
    前記絶対値化手段の出力の低域成分を抽出する第2のローパスフィルタ手段、
    前記最大値算出手段の出力を、前記第2のローパスフィルタ手段の出力を前記第1の所定量だけ遅延させたもので割り算する割り算手段、
    前記第1のローパスフィルタ手段の前段に設けられ、入出力特性が、入力信号の小振幅および中振幅の領域において、線形の場合よりも持ち下がった非線形特性の第1の非線形処理手段、
    前記第2のローパスフィルタ手段の前段に設けられ、入出力特性が、入力信号の小振幅および中振幅の領域において、線形の場合よりも持ち上がった非線形特性の第2の非線形処理手段、
    として機能する処理プログラムを含むことを特徴とする映像信号処理プログラム。
  24. 請求項21に記載の映像信号処理プログラムにおいて、
    前記第1の出力および前記第2の出力のそれぞれは、前記第1のローパスフィルタ手段の出力を、異なる遅延量ずつ遅延させた複数の出力からなると共に、
    前記複数の出力のうちの、前記注目信号位置から遠い方の出力ほど、その出力レベルを下げるようにする
    ことを特徴とする映像信号処理プログラム。
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