JP2005174082A - 位置決め制御装置 - Google Patents

位置決め制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005174082A
JP2005174082A JP2003414754A JP2003414754A JP2005174082A JP 2005174082 A JP2005174082 A JP 2005174082A JP 2003414754 A JP2003414754 A JP 2003414754A JP 2003414754 A JP2003414754 A JP 2003414754A JP 2005174082 A JP2005174082 A JP 2005174082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer function
command
compensator
current
inverse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003414754A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Hagiwara
萩原  淳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yaskawa Electric Corp filed Critical Yaskawa Electric Corp
Priority to JP2003414754A priority Critical patent/JP2005174082A/ja
Publication of JP2005174082A publication Critical patent/JP2005174082A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Abstract

【課題】位置指令に対する制御対象の応答を改善し、整定時間を0とする。
【解決手段】加算器11では、元の位置指令Prefに、ハイパスフィルタ5からの低周波成分を除去した信号を加算して信号Brefとして出力する。逆伝達関数補償器2は、電流指令Irefから負荷機械8の位置までの伝達関数の逆数(逆伝達関数)の特性を有し、信号Brefを入力して電流フィードフォワード指令Iffを出力する。逆伝達関数補償器3は、制御対象12から入力された位置検出値Xfbから負荷機械8の位置までの伝達関数の逆数の特性を有し、信号Brefを入力して第2の位置指令Xrefを出力する。誤差補償器4は、第2の位置指令Xrefと位置検出値Xfbが一致するような電流フィードバック指令Ifbを出力する。加算器13は、電流フィードフォワード指令Iffと電流フィードバック指令Ifbとを加算して電流指令Irefとして出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力された位置指令と、検出された電動機の位置検出値とに基づいて電動機に対する電流指令を生成することによりこの電動機と結合された負荷機械の位置決め制御を行う位置決め制御装置に関する。
従来の電動機のサーボ制御を行う位置決め制御装置では、フィードフォワード補償を行うことにより応答性の改善を図っている(例えば、特許文献1の実施例5、第7−8ページ、図6参照)。
このような従来の位置決め制御装置を図5に示す。この図5に示した従来技術では、位置決め制御装置である2自由度制御装置41により制御対象12の制御を行っている。ここで、2自由度制御装置とは、目標値応答特性とフィードバック特性とを独立に設定することが可能な制御装置である。
2自由度制御装置41は、位置指令Prefと、制御対象12からの位置検出値Xfbを入力し、制御対象12に対して電流指令Irefを出力する。
制御対象12は、2自由度制御装置41からの電流指令Irefを入力し、位置検出値Xfbを2自由度制御装置41に出力する。
制御対象12は、図5に示されるように、電流制御部6と、電動機7と、負荷機械8と、位置検出器9と、電流検出器10とから構成され、電流制御部6、電流検出器10を用いて入力された電流指令Irefに基づいた電動機7の制御を行い、電動機7に接続された負荷機械8の位置を制御するとともに位置検出器9により電動機7の位置を検出して位置検出値Xfbとして出力する
電動機7は、負荷機械8を駆動する。位置検出器9は、電動機7の位置を検出する。電流検出器10は、電動機7に与えられる電流値を検出して電流検出値Ifbとして出力する。電流制御部6は、電流指令Irefと電流検出器10で検出された電流検出値Ifbが一致するような制御を行う。
次に2自由度制御装置41内部の構成を説明する。この2自由度制御装置41は、図5に示されるように、フィードフォワード補償器42と、前置フィルタ43と、フィードバック補償器44と、減算器45と、加算器46とから構成されている。
フィードフォワード補償器42は、位置指令Prefを入力し電流フィードフォワード指令Iffを出力する。前置フィルタ43は、位置指令Prefを入力しCf(s)という特性をもつフィルタ処理を施し第2の位置指令Xrefを出力する。
そして、減算器45において、前置フィルタ43からの第2の位置指令Xrefと、制御対象12からの位置検出値Xfbとの差が演算され、その演算結果が偏差Errとして出力される。フィードバック補償器44は、減算器45からの偏差Errを入力し、電流フィードバック指令Ifbを出力する。そして、最終的には電流フィードフォワード指令Iffと電流フィードバック指令Ifbが加算器46において加算され、その和が電流指令Irefとして制御対象12に出力される。
次にこの2自由度制御装置41を構成している各構成要素の詳細を説明する。
フィードバック補償器44は、外乱抑圧特性などのフィードバック特性を決定するものであるため、閉ループ系が安定な範囲内でゲインを上げ、かつ積分特性を持つ必要がある。
フィードバック補償器44は下記の式(1)により示される伝達関数を持つ。
Cb(s)={Kb・a1(s+a1)(s+a2)}/[a1・a2・s(s+a3)] ・・・(1)
ここでa1、a2、a3は無駄時間の大きさから決まる閉ループ系の目標応答周波数から決定でき、KbはイナーシャJの大きさに応じて決定できる。
前置フィルタ43は、負荷機械8の機械共振を励起しない、電流指令Irefに飽和を生じないなどの条件を満足するように、入出力の応答を制限するためのものである。
前置フィルタ43は下記の式(2)により示される伝達関数を持つ。
Cf(s)=b1・b2/[(s+b1)(s+b2)] ・・・(2)
ここで、b1,b2は、負荷機械8の機械共振を励起しない、電流指令Irefに飽和を生じないなどの上述した条件を満足するように決定される。
さらに、フィードフォワード補償器42は、伝達関数がCf(s)/Pm(s)となるように決定する。Pm(s)は制御対象のモデルであり、下記の式(3)により示される。
Pm(s)=(1/Jm・s2) ・・・(3)
ここでJmはイナーシャJの推定値である。
このように、従来の位置決め制御装置は、高速な応答を可能とすることを目的として、フィードバック補償器44により外乱抑制などのフィードバック特性を良好に保ち、前置フィルタ43とフィードフォワード補償器42により望ましい応答モデルに実際の応答を一致させるものとして開示されている。
しかし、このような従来の位置決め制御装置では、前置フィルタ43の特性Cf(s)によって応答が決定される。そのため、位置指令Prefに対して必ずCf(s)というフィルタの遅れが存在するという問題がある。また、たとえb1,b2を無限大にでき、Cf(s)の遅れを0にできたとしても、制御演算を行う時間は必ず存在するため、この場合も整定時間を0とすることはできないという問題があった。
特に、制御対象が振動を有する2慣性系の場合には、振動を抑えるためには、前置フィルタ43の特性Cf(s)の応答を極端に遅くして、位置指令Prefを大きく鈍らせて振動が発生しないように動作させる必要がでてくるので整定時間が長くなってしまうという問題がより顕著に現れてしまう。
特開平6−28006号公報
上述した従来の位置決め制御装置では、前置フィルタの特性によって応答が決定されるため、位置指令に対して必ず遅れを生じ整定時間を0とすることができないという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、整定時間0を実現することができる位置決め制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の位置決め制御装置は、入力された位置指令と、検出された電動機の位置検出値とに基づいて前記電動機に対する電流指令を生成することにより前記電動機と結合された負荷機械の位置決め制御を行う位置決め制御装置であって、
前記位置指令を入力して低周波成分を除去した信号を出力するハイパスフィルタと、
前記位置指令に、前記ハイパスフィルタを通過した信号を加算する第1の加算器と、
前記電流指令から前記負荷機械の位置までの伝達関数の逆数の特性を有し、前記第1の加算器の出力を入力して電流フィードフォワード指令として出力する第1の逆伝達関数補償器と、
前記位置検出値から前記負荷機械の位置までの伝達関数の逆数の特性を有し、前記第1の加算器の出力を入力して新たな位置指令として出力する第2の逆伝達関数補償器と、
前記第2の逆伝達関数補償器からの新たな位置指令と、前記電動機の位置検出値が一致するようなフィードバック制御を行うための電流フィードバック指令を出力する誤差補償器と、
前記第1の逆伝達関数補償器からの電流フィードフォワード指令と、前記誤差補償器からの電流フィードバック指令とを加算して、前記電動機に対する電流指令として出力する第2の加算器とを備えている。
本発明によれば、入力された位置指令をハイパスフィルタに通した信号を元の位置指令に加算するようにしていることにより、元の位置指令よりも先行した(位相の進んだ)信号を作り出し、その信号に制御対象が追従するよな制御が行われるため、ハイパスフィルタの遮断周波数を調整することで、制御演算時間の遅れ分を改善することができ、結果として、整定時間0を実現できるとともに、位置指令よりも早く位置決めを完了させることも可能にすることができる。
また、本発明の位置決め制御装置では、前記電流指令から前記負荷機械の位置までの伝達関数が不安定な零点を持つ場合、前記第1の逆伝達関数補償器は不安定な零点を無視した伝達関数の逆数の特性を有し、前記第2の逆伝達関数補償器は前記位置検出値から前記負荷機械の位置までの伝達関数の逆数の特性と、前記不安定な零点の特性を併せ持つ特性を有するようにしてもよい。
本発明によると、電流指令から制御量である負荷機械の位置までの伝達関数が不安定な零点を持つ場合に、逆伝達関数が不安定になることを回避することができ、制御対象を安定に制御することができる。
また、本発明の位置決め制御装置では、前記第2の逆伝達関数補償器は、前記位置検出値から前記負荷機械の位置までの伝達関数が不安定な零点を持つ場合、不安定な零点を無視した伝達関数の逆数の特性を有するようにしてもよい。
本発明によると、位置検出値から制御量である負荷機械の位置までの伝達関数が不安定な零点を持つ場合に、逆伝達関数が不安定になることを回避することができ、制御対象を安定に制御することができる。
さらに、本発明の位置決め制御装置では、前記誤差補償器は、PID制御を行うことにより前記第2の逆伝達関数補償器の出力と前記電動機の位置検出値とから前記電流フィードバック指令を生成するようにしてもよい。
本発明によると、誤差補償器内部ではPID制御を用いて電流フィードバック指令を生成しているため、調整が簡単であるとともに、本制御系の構築が容易となる。
以上説明したように、本発明によれば、ハイパスフィルタの遮断周波数の調整により位置指令の位相を進めることができ、整定時間を0、あるいは、指令より早く位置決めを完了することが可能になるという効果を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の位置決め制御装置の構成を表すブロック図である。図1において、電流制御部6、電動機7、負荷機械8、位置検出器9、電流検出器10により構成される制御対象12は、図5に示した従来の位置決め制御装置において説明したものと同じものである。
本実施形態における位置決め制御装置1も、図5に示した2自由度制御装置41と同様に、位置指令Prefと、制御対象12からの位置検出値Xfbを入力し、制御対象12に対して電流指令Irefを出力する。
次に位置決め制御装置1内部の構成を説明する。本実施形態における位置決め制御装置1は、図1に示されるように、逆伝達関数補償器2、3と、誤差補償器4と、ハイパスフィルタ5と、加算器11、13とから構成されている。
ハイパスフィルタ5は、位置指令Prefを入力して低周波成分を除去した信号を出力する。加算器11は、元の位置指令Prefに、ハイパスフィルタ5を通過した信号を加算して信号Brefとして出力する。
第1の逆伝達関数補償器である逆伝達関数補償器2は、電流指令Irefから制御量である負荷機械8の位置までの伝達関数の逆数(逆伝達関数)の特性を有し、加算器11の出力である信号Brefを入力して電流フィードフォワード指令Iffとして出力する。
第2の逆伝達関数補償器である逆伝達関数補償器3は、制御対象12から入力された位置検出値Xfbから負荷機械8の位置までの伝達関数の逆数の特性を有し、加算器11の出力である信号Brefを入力して第2の位置指令(新たな位置指令)Xrefとして出力する。
誤差補償器4は、逆伝達関数補償器3からの第2の位置指令Xrefと、電動機7の位置検出値Xfbが一致するようなフィードバック制御を行うための電流フィードバック指令Ifbを出力する。
加算器13は、逆伝達関数補償器2からの電流フィードフォワード指令Iffと、誤差補償器4からの電流フィードバック指令Ifbとを加算して、電動機7に対する電流指令Irefとして制御対象12に出力する。
本実施形態の位置決め制御装置1が、上記の特許文献1に記載された従来の位置決め制御装置と異なる部分は、ハイパスフィルタ5と加算器11とを備えた部分および、逆伝達関数補償器2と逆伝達関数補償器3の処理内容である。次に、本実施形態の位置決め制御装置1を構成各構成要素ごとの処理内容をそれぞれ具体的に説明する。
尚、本実施形態では、電動機7と負荷機械8は剛体結合されており、また電流制御部6の応答は無視できるほど十分速いものとする。
本実施形態では、電動機7と負荷機械8が剛体結合されているため、電動機7の位置と負荷機械8の位置とは同じとなり、制御量Yは、位置検出値Xfbにより表される電動機7の位置とする。よって、操作量である電流指令Irefから負荷機械8の位置である制御量Yまでの伝達関数G(s)および、位置検出値Xfbから制御量Yまでの伝達関数M(s)は、下記の式(5)、式(6)のように簡単化することができる。
G(s) = Y/Iref = Kt/(J・s2) ・・・(5)
M(s) = Y/Xfb = 1 ・・・(6)
ここで、Jは電動機7と負荷機械8をあわせた総イナーシャを表し、Ktは電流とトルクの換算係数を表す。
では、まず最初にハイパスフィルタ5の処理であるが、本実施形態では、下記の式(7)に示すようなハイパスフィルタを用いる。
H(s)=s/(s+λ) ・・・(7)
ここで、λはハイパスフィルタの遮断周波数を表す変数である。
したがって、位置指令Prefと前述した信号Brefとの関係は、下記の式(8)のようになる。
Bref = Pref + s/(s+λ)・Pref ・・・(8)
次に、逆伝達関数補償器2の処理を説明する。G(s)は上記の式(5)で表されるため、逆伝達関数補償器2内部では、下記の式(9)に示されるような処理が行われる。
Iff = 1/G(s) ・Bref = (J・s2)/Kt・Bref ・・・(9)
また、逆伝達関数補償器2は、上記の式(9)の特性をもっているものならばどのような構成のものでも良く、例えば上記の式(9)に適当なゲインを乗じた処理を行っても良い。
次に、逆伝達関数補償器3の処理を説明する。M(s)は上記の式(6)で表されるため、逆伝達関数補償器3内部では、下記の式(10)により示される処理を行う。
Xref = 1/M(s) ・Bref = 1/1・Bref = Bref ・・・(10)
次に、誤差補償器4内の処理を図2に基づいて説明する。本実施形態では、位置をP(比例)制御、速度をPI(比例・積分)制御で制御する場合を用いて説明する。
誤差補償器4は、図2に示されるように、微分器20、23と、減算器21と、位置制御器22と、減算器24と、乗算器25と、積分器26と、加算器27と、電流指令生成器28とから構成され、PID(比例・積分・微分)制御を行うことにより、逆伝達関数補償器3の出力と電動機7の位置検出値Xfbとから電流フィードバック指令Ifbを生成している。
ここで、Kpは位置比例ゲイン、Kvは速度ループゲイン、Kiは積分ゲイン、Ktは電流とトルクの換算係数である。
減算器21は、第2の位置指令Xrefと位置検出値Xfbとの差を求めることにより位置偏差を算出する。位置制御器22は、減算器21からの位置偏差に位置比例ゲインKpを乗算して速度指令としてして出力している。減算器24では、この速度指令と微分器20からの値を加算した値から、微分器23からの回転速度を減算した値が算出され、この算出結果が速度偏差として出力される。乗算器25、積分器26、加算器27からなる速度制御器では、減算器24からの速度偏差にKv・(1+Ki/s)を乗算してトルク指令として出力している。そして、電流指令生成器28は、このトルク指令に係数Ktを乗算することにより、電動機7を制御するための電流指令Ifbを発生させている。
上記のような処理が行われることにより、電流フィードバック指令Ifbは下記の式(11)のように計算される。
Ifb = Kt・Kv・[Kp・(Xref-Xfb)+(s・Xref-s・Xfb)](1+Ki/s) ・・・(11)
このように、式(8)から式(11)までの処理を各要素ごとに行うことで、最終的な電流指令Irefは下記の式(12)で求められる。
Iref = Ifb + Iff ・・・(12)
次に、本実施形態の位置決め制御装置1における、制御周期毎の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。
先ずハイパスフィルタ5では、入力された位置指令Prefの低周波成分を除去した信号を生成する(ステップ101)。そして、このステップ101において生成された信号と、元の位置指令Prefとが加算器11において加算され、信号Brefとなる(ステップ102)。
次に、逆伝達関数補償器2では、加算器11により生成された信号Brefから電流フィードフォワード指令Iffを生成する(ステップ103)。また、逆伝達関数補償器3では、加算器11により生成された信号Brefから第2の位置指令Xrefを生成する(ステップ104)。そして、誤差補償器4では、逆伝達関数補償器3により生成された第2の位置指令Xrefと、制御対象12からの位置検出値Xfbをもとに、電流フィードバック指令Ifbを生成する(ステップ105)。
最後に、加算器13において、逆伝達関数補償器2により生成された電流フィードフォワード指令Iffと、誤差補償器4により生成された電流フィードバック指令Ifbとが加算されて電流指令Irefが生成される(ステップ106)。
次に、本実施形態の位置決め制御装置による効果について、図4に基づいて説明する。
図4(a)は、従来の制御装置を用いた時の位置指令Prefと制御量Yとの関係を示したものである。ここでTbは位置指令がPref目標値に到達してから位置決めが完了するまでの時間であり、一般的に整定時間と呼ばれる。このように、従来の制御を用いた場合は、応答を改善しても、必ず、制御演算部の処理時間分だけは遅れる。
次に、図4(b)に、本実施形態の位置決め制御装置を用いた場合の位置指令Prefと制御量Y、および上述したBrefとの関係を示す。この場合、ハイパスフィルタ処理することで、位置指令Prefに対して信号Brefが先行する(位相が進んだ)関係となる。したがって、従来の制御を用いた場合と同様の制御演算時間の遅れが存在しても、信号Brefに対して制御量Yが遅れるだけなので、ハイパスフィルタ5の遮断周波数λの値を適当な値に設定すれば、結果的に、位置指令Prefと制御量Yは同時に終了し、整定時間0(Tb=0)を実現することが可能となる。
また、ハイパスフィルタ5の遮断周波数λを調整することにより、位置指令Prefが目標値に行き着く前に、制御量Yはすでに、位置決めを完了するような動作を実現することも可能である。
さらに、本実施形態の位置決め制御装置1では、逆伝達関数補償器2に、電流指令Irefから負荷機械8の位置までの伝達関数G(s)の逆数(1/G(s))の特性を設定していることにより、信号Brefから負荷位置までの伝達特性が理想的には、G(s)*1/G(s)=1となる。(*は乗算を示す。)
この結果、実際には、信号Brefに対する負荷位置の応答が、制御演算周期分の遅れのみになるため、ハイパスフィルタでは制御演算周期の遅れ分のみ、位置指令Prefの位相を進めればよいため、指令を進めることによるオーバシュートが発生しにくくなるという効果がある。
また、ハイパスフィルタで指令を進める際、進め量が少し(制御演算周期分のみ)だけでよいため、ハイパスフィルタの遮断周波数の調整も簡単になるという効果も得られる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の位置決め制御装置について説明する。
実施形態2では、制御対象として、電動機7と負荷8が振動要素で結合されている2慣性系である場合を考える。この場合、電動機7の位置と負荷機械8の位置は一致しないため、負荷機械8の位置を制御量Yとする。
この場合も制御系の構成は図1に示すとおりである。上記で説明した第1の実施形態との違いはG(s)とM(s)の値である。
このような制御対象の場合、G(s)とM(s)はそれぞれ下記の式(13)、式(14)のようになる。
G(s) = Y/Iref = Kt / [(J1・J2)/K2 ・s4+ (J1+J2)・s2] ・・・(13)
M(s) = Y/Xfb = 1 / (J2/K2・s2 + 1) ・・・(14)
ここで、J1は電動機7のイナーシャ、J2は負荷のイナーシャ、K2はばね定数を表す。
よって、逆伝達関数補償器2では、下記の式(15)により示される処理を行うことになる。
Iff = 1/G(s) =[(J1・J2)/K2 ・s4+ (J1+J2)・s2]/Kt ・Bref ・・・(15)
ここで、逆伝達関数補償器2は、上記の式(15)の特性をもっているものならば何でも良く、例えば式(15)に適当なゲインを乗じた処理を行っても良い。
また、逆伝達関数補償器3では、下記の式(16)に示されるような処理することになる。
Xref = 1/M(s)・Bref = (J2/K2・s2 + 1)・Bref ・・・(16)
ここで、本実施形態の位置決め制御装置1では、逆伝達関数補償器2に、電流指令Irefから負荷機械8の位置までの伝達関数G(s)の逆数(1/G(s))の特性を設定していることにより、信号Brefから負荷位置までの伝達特性が理想的には、G(s)*1/G(s)=1となる。(*は乗算を示す。)
制御対象12が2慣性系のような振動を有するメカであっても、伝達特性が1ということは、負荷位置が位置指令と一致するということであるから、本実施形態の位置決め制御装置を用いれば、振動を発生しない動作も実現できるという効果もある。
このように、本実施形態では、ハイパスフィルタおよび逆伝達関数を使用しているため、応答性向上の効果だけでなく、振動抑制効果も同時に得ることが可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態の位置決め制御装置について説明する。
本発明の第3の実施形態では、制御対象として、電動機7が地面との間に振動特性を有する台の上に取り付けれているような場合を考える。
この場合も制御系の構成は図1に示す第1の実施形態と同様であるが、上記の第1の実施形態の場合との違いはG(s)とM(s)の値である。
このような制御対象の場合、G(s)とM(s)はそれぞれ下記の式(17)、式(18)のようになる。
G(s) = Y/Iref = Kt・[(M+Mb)/Kb・s2 + 1]/[M・Mb/Kb・s4 + M・s2] ・・・(17)
M(s) = Y/Xfb = 1 ・・・(18)
ここで、Mは電動機7の質量、Mbは台の質量、Kbは台と地面の間のばね定数を表す。
この場合、G(s)の伝達関数は不安定な零点(虚軸上に存在する)を持つ。よって、G(s)の逆数を表す1/G(s)は不安定な極を持つことになり、その場合、システムが不安定になることが知られている。
このように、G(s)の伝達関数が不安定な零点を持つ場合は、逆伝達関数補償器2では、下記の式(19)に示すように、G(s)の不安定な零点[(M+Mb)/Kb・s2 + 1]を無視した伝達関数の逆数を用いればよい。
Iff ={M・Mb/Kb・s4 + M・s2}/Kt・Bref ・・・(19)
ここで、逆伝達関数補償器2は、上記の式(19)の特性をもっているものならばどのような構成のものでも良く、例えば式(19)に適当なゲインを乗じた処理を行っても良い。
また、逆伝達関数補償器3は、不安定な零点[(M+Mb)/Kb・s2 + 1]とM(s)の逆数の特性を併せ持つよう、下記の式(20)のように処理することになる。
Xref = 1/M(s) ・[(M+Mb)/Kb・s2 + 1]・Bref
= [(M+Mb)/Kb・s2 + 1]・Bref ・・・(20)
こうすることによって、もともとの制御対象の伝達関数が不安定な零点を持つ場合も、安定に制御対象を制御することができる。
また、同様にして、逆伝達関数補償器3は、位置検出値Xfbから負荷機械8の位置までの伝達関数が不安定な零点を持つ場合、不安定な零点を無視した伝達関数の逆数を用いればよい。
本発明は、ハイパスフィルタを用いて指令の位相を進ませることによって、制御対象の応答を早くでき、整定時間0あるいは位置指令より早く位置決めが完了できるので、タクトタイムの短縮が望まれる半導体製造装置や電子部品実装装置の位置決め用途にも適用することができる。
本発明の第1実施形態の位置決め制御装置の構成を示すブロック図である。 図1中の誤差補償器4内部の処理を説明するブロック図である。 本発明の第1の実施形態の位置決め制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の位置決め制御装置における各信号の関係を説明する図である。 従来の電動機のサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 位置決め制御装置
2、3 逆伝達関数補償器
4 誤差補償器
5 ハイパスフィルタ
6 電流制御部
7 電動機
8 負荷機械
9 位置検出器
10 電流検出器
11 加算器
12 制御対象
20 微分器
21 減算器
22 位置制御器
23 微分器
24 減算器
25 乗算器
26 積分器
27 加算器
28 電流指令生成器
41 2自由度制御装置
42 フィードフォワード補償器
43 前置フィルタ
44 フィードバック補償器
45 減算器
46 加算器
101〜106 ステップ

Claims (4)

  1. 入力された位置指令と、検出された電動機の位置検出値とに基づいて前記電動機に対する電流指令を生成することにより前記電動機と結合された負荷機械の位置決め制御を行う位置決め制御装置であって、
    前記位置指令を入力して低周波成分を除去した信号を出力するハイパスフィルタと、
    前記位置指令に、前記ハイパスフィルタを通過した信号を加算する第1の加算器と、
    前記電流指令から前記負荷機械の位置までの伝達関数の逆数の特性を有し、前記第1の加算器の出力を入力して電流フィードフォワード指令として出力する第1の逆伝達関数補償器と、
    前記位置検出値から前記負荷機械の位置までの伝達関数の逆数の特性を有し、前記第1の加算器の出力を入力して新たな位置指令として出力する第2の逆伝達関数補償器と、
    前記第2の逆伝達関数補償器からの新たな位置指令と、前記電動機の位置検出値が一致するようなフィードバック制御を行うための電流フィードバック指令を出力する誤差補償器と、
    前記第1の逆伝達関数補償器からの電流フィードフォワード指令と、前記誤差補償器からの電流フィードバック指令とを加算して、前記電動機に対する電流指令として出力する第2の加算器と、
    を備えている位置決め制御装置。
  2. 前記電流指令から前記負荷機械の位置までの伝達関数が不安定な零点を持つ場合、前記第1の逆伝達関数補償器は不安定な零点を無視した伝達関数の逆数の特性を有し、前記第2の逆伝達関数補償器は前記位置検出値から前記負荷機械の位置までの伝達関数の逆数の特性と、前記不安定な零点の特性を併せ持つ特性を有する請求項1記載の位置決め制御装置。
  3. 前記第2の逆伝達関数補償器は、前記位置検出値から前記負荷機械の位置までの伝達関数が不安定な零点を持つ場合、不安定な零点を無視した伝達関数の逆数の特性を有する請求項1記載の位置決め制御装置。
  4. 前記誤差補償器は、PID制御を行うことにより前記第2の逆伝達関数補償器の出力と前記電動機の位置検出値とから前記電流フィードバック指令を生成している請求項1記載の位置決め制御装置。
JP2003414754A 2003-12-12 2003-12-12 位置決め制御装置 Pending JP2005174082A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003414754A JP2005174082A (ja) 2003-12-12 2003-12-12 位置決め制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003414754A JP2005174082A (ja) 2003-12-12 2003-12-12 位置決め制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005174082A true JP2005174082A (ja) 2005-06-30

Family

ID=34734463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003414754A Pending JP2005174082A (ja) 2003-12-12 2003-12-12 位置決め制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005174082A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009042985A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Sumitomo Heavy Ind Ltd モータ制御装置及びモータ制御方法
US7603187B2 (en) 2006-09-29 2009-10-13 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Adapative control device, image forming apparatus, and recording medium
JP2011022562A (ja) * 2009-06-18 2011-02-03 Sanyo Electric Co Ltd フォーカス制御回路
JP2015173546A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 日産自動車株式会社 電動機の制御装置
US20160209829A1 (en) * 2015-01-16 2016-07-21 Fanuc Corporation Motor controlling apparatus for suppressing vibrations
DE102016103301B4 (de) 2015-02-27 2019-07-11 Fanuc Corporation Motorsteuereinheit mit einer funktion zur unterdrückung von schwingungen
CN114123895A (zh) * 2021-11-25 2022-03-01 广东美的智能科技有限公司 振动抑制方法及装置、伺服驱动器和伺服驱动系统

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7603187B2 (en) 2006-09-29 2009-10-13 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Adapative control device, image forming apparatus, and recording medium
JP2009042985A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Sumitomo Heavy Ind Ltd モータ制御装置及びモータ制御方法
JP4685071B2 (ja) * 2007-08-08 2011-05-18 住友重機械工業株式会社 モータ制御装置及びモータ制御方法
JP2011022562A (ja) * 2009-06-18 2011-02-03 Sanyo Electric Co Ltd フォーカス制御回路
JP2015173546A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 日産自動車株式会社 電動機の制御装置
CN105811817A (zh) * 2015-01-16 2016-07-27 发那科株式会社 电动机控制装置
US20160209829A1 (en) * 2015-01-16 2016-07-21 Fanuc Corporation Motor controlling apparatus for suppressing vibrations
US9766614B2 (en) * 2015-01-16 2017-09-19 Fanuc Corporation Motor controlling apparatus for suppressing vibrations
DE102016000265B4 (de) 2015-01-16 2022-08-04 Fanuc Corporation Motorsteuervorrichtung mit Schwingungsunterdrückung
DE102016103301B4 (de) 2015-02-27 2019-07-11 Fanuc Corporation Motorsteuereinheit mit einer funktion zur unterdrückung von schwingungen
CN114123895A (zh) * 2021-11-25 2022-03-01 广东美的智能科技有限公司 振动抑制方法及装置、伺服驱动器和伺服驱动系统
CN114123895B (zh) * 2021-11-25 2022-11-15 广东美的智能科技有限公司 振动抑制方法及装置、伺服驱动器和伺服驱动系统
WO2023092925A1 (zh) * 2021-11-25 2023-06-01 广东美的智能科技有限公司 振动抑制方法及装置、伺服驱动器和伺服驱动系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5120654B2 (ja) サーボ制御装置
JP5169836B2 (ja) 位置制御装置
JPH05207767A (ja) モータ駆動制御装置
JP6007987B2 (ja) モータ制御装置
JP2004213472A (ja) 制御装置
JP2737669B2 (ja) 自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置
WO1998040801A1 (fr) Dispositif de commande de position
JP6007986B2 (ja) モータ制御装置
JP4992909B2 (ja) サーボ制御装置とその制御方法
JP2009303432A (ja) モータによる位置制御装置
JP3900219B2 (ja) 電動機速度制御装置および同装置のゲイン設定方法
JP4294344B2 (ja) 電動機の制御方法及び制御装置
JP2005174082A (ja) 位置決め制御装置
JP7061684B2 (ja) フィードバック制御方法、およびフィードバック制御装置
JP5413036B2 (ja) モータ制御装置及びモータ制御システム
WO2003010880A1 (fr) Dispositif de regulation de vitesse
JP2008097334A (ja) サーボ制御装置とその制御方法
JP2008310651A (ja) 二自由度制御装置とその制御方法
JP2002182705A (ja) フィードバック制御装置
JP5292637B2 (ja) 駆動装置および方法
JP2010051162A (ja) Pmモータの制御装置及び制御方法
TW201841085A (zh) 馬達控制裝置
JPH086603A (ja) サーボ系の調整方法及びそのサーボ制御装置
JPH03107384A (ja) モータ駆動制御装置
JP3972155B2 (ja) モータ制御装置