JP2005173673A - マークシート方式 - Google Patents
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Abstract
従来の公知の方式の多くの場合、例えば○、0 、「」、□などのような枠の内部を全面塗りつぶしてマークする方法を採用している。このため、回答者は、列状に並んだ意味を有しないこの種枠中の狭い範囲を確実に塗りつぶす作業の繰り返しを強いられ、回答者にとって大きな負担になっている。この欠点は、自動読取り方式のマークシートに対する回答者の不人気の一因となっている。本発明の主たる課題は自動読取り方式のマークシートの回答者に対するマーク作業の負担の軽減である。
【解決手段】表の複数の欄をマーク欄として指定し、各マーク欄内の任意の文字または空白をマーク対象箇所に指定し、それらの文字または空白に筆記によって図形を記入させて得たマーク済みの表を文字認識機能と罫線認識機能を併有するOCRにて表として認識して取得した表データをデータ処理し、マーク欄内の文字列を元の文字列と比較して互に異なるか否かによってそのマーク欄に対するマークの有無を認識し、マーク欄の表中の位置によってマーク位置を同定する。
【選択図】図1
Description
これらの欠点の改善のための提案が特許文献1、特許文献2など幾つか開示されているが、これらの欠点が十分改善されたとは言い難いのが現状である。
本発明の課題はマークシート回答者に対するマーク作業の負担を軽減した読取り方式を提案することである。
説明の簡略化のため、今、白色紙に黒インクなどで印刷したマークシートを仮定しよう。従来公知の方式では一般に枠などで位置を決められた狭い範囲を塗りつぶしてマークさせ、その狭い範囲の黒度もしくは画像密集度の変化をOMR方式では光電管によって、光学画像読取方式では画像処理によって検出することによってマーキングを認識している。これに対し、本発明の基本手段は、マーク欄中に図形を記入させてマークさせ、マーク欄内の文字の変化を検出することによってマーキングを検出する。それ故、検出のために利用する画像の範囲の広さが大きく異なる。従来の方式では、検出の対象が普通の文字の外形以下の限られた範囲であるが、本発明の場合は、最小の場合でも文字とその周辺以上の大きさの範囲、時として文字の大きさの数百倍に及ぶ広い範囲を対象として利用する。このような従来公知の方式との基礎的な相異が本発明の種々な特長を生み出す根元となっている。
(イ)外周枠中空形状の文字以外であるマーク対象箇所を塗面を含有しない図形をマーク図形として上書きすることによってマークさせること、(ロ)マーク欄内の先頭文字の前方に位置する空白あるいは終末文字の後方に位置する空白をマーク対象箇所に指定すること、(ハ)一つのマーク欄内の複数の文字もしくは空白を複数のマーク対象箇所に指定してマーク用図形を一括記入することによってマークさせること、(ニ)順序の意味を有することが容易に類推可能な文字列をマーク対象箇所に指定すること、および(ホ)正否等の意味を有することが容易に類推可能な文字列をマーク対象箇所に指定することである。
(イ)によって生じる最大の利点は、従来から普及している目視方式のマークシートで慣用されているマークの方法がそのまま採用できることである。すなわち、文字をマーク対象場所に指定する場合、“はい”、“いいえ”などの回答語句をマーク対象箇所にし、長円などで囲んでマークする慣用のマーク手段法が可能になる。他方空白をマーク対象箇所に指定することによって、同様に慣用されている○印、×印、あるいはチェック印をマーク用図形として記入することができる。画像認識を用いる提案を含めて公知の機械式読取法では、このような慣用のマーク手段を用いて誤りなくマークを認識できなかった。
付加手段(ニ)の利点は付加手段(イ)において空白をマーク対象箇所にする場合の利点に加え、(イ)において文字をマーク対象箇所にする場合の利点を有することであり、しかも、マーキングの判定に使える論理の数が(イ)の場合よりも多いため、(イ)の場合よりも的確に補正できる。さらに、文字が複数になるため、付加手段(ホ)(へ)に対して“はい”、“いいえ“など複数の文字を使うことができるため、付加手段(ニ)(ホ)を一層効果的にすることができる。
本発明の課題であるマーク作業の負担の軽減は、以下のように実現された。
各マーク欄が罫線で分離されていることにより、視認性のが大幅に改善された。さらに加えて、数字、アルファベット等順序を容易に類推可能な文字などをマーク用図形あるいは、マーク箇所として回答の選択肢符号と合致させることが可能になり、また、回答者に回答者の回答意志と意味的に関連したマーク用図形あるいはマーク対象箇所とすることが可能となり、さらにマークをする位置を従来の方式のように厳しく要求されないなどの結果、心理的にも視認性が改良された。さらに目視式読取り方式のマークシートで慣用されている空欄に○印、×印、あるいはチェック印を記入する方法と“はい”、“いいえ”などの回答語句を長円などで囲んでマークする方法のいずれも利用できるようになった。また、短直線、“○“、”דなども含め任意の簡単な文字(記号を含む)あるいは直線などの簡単な図形を記入するのみでマークすることが可能になり、枠で囲まれた空白部分を全面塗りつぶす必要のあった従来の方式に比較してマーク作業時間が大幅に短縮できた。このようにマーク時間の短縮と心理的な効果を含めての視認性の改善によってマーククシート記入者の負担を大幅に軽減できた。
マークの判別は文字種の認識のみで行うため、マークシートは単色印刷でよい。また、このマークシート方式の実用に必要な設備は、汎用のスキャナ、汎用の表罫線が認識可能な画像認識方式ソフトウエアおよび汎用の表計算ソフトウエアのみでも実施可能であり、しかも、表計算ソフトウエアを利用した場合、マークシートの設計から、マークの認識処理、マーク認識結果の統計処理、グラフの作成に至るマークシートの応用に関する全てのデータ処理を、楽な操作で、高度の専門的知識なしに一貫して実施できた。
前記他の部分には、任意の文字、図形、写真、マーク用表以外の表などが含まれる。
マークシートは、紙、フィルムなどの媒体の面にインクなどによって文字、図形などを印刷などの技術によって描写した物である。一般にマークシートは白色、明色、もしくは無色の媒体表面に暗色の文字、図形などを描写した印刷物であるが、逆に、暗色の媒体表面に白色、明色、もしくは無色の文字、図形などを描写した印刷物も本発明のマークシートとして使用できる。
本請求範囲1に云う“記述“とは、表の欄内にある、文字、図形、写真など意味する。
本請求範囲1に云う”文字“には、記号を含み、かつ日本語のみでなく外国語に用いられる文字も含まれる。ただし、文字には空白文字、および制御用文字は含まない。
なお 、本発明の効果を達成するためには“文字”はOCRによる読取り時に、正しく認識される字体のものを用いることが好ましい。一般に、日本語の場合、行書体、草書体よりも明朝体、ゴシック体などの楷書形の活字体の方が適している。
本請求範囲1において“記述”は任意の文字、写真を含む図形、および空白によって構成される。
本請求範囲1に云う“マーク用表”には、欄内に文字、空白の外に図形や写真を含む欄も混在してよいが、請求範囲1に規定するように、欄内に文字と空白のみを含む欄のみをマーク欄に指定できる。
本請求範囲1に云う“マーク対象箇所”としてはマーク欄内の文字あるいは空白が指定される。
また、本発明において、マーク対象箇所の範囲は、マーク対象箇所が文字である場合はその文字の図形を取囲むことが可能な最小面積の仮想四角形の占める範囲と隣接する文字との間の空白範囲との和の範囲にマーク欄が横書きの場合は文字とその上下の横罫線の間の空白の範囲も含めた範囲また縦書きの場合は、文字とその左右の縦罫線の間の空白の範囲を加えた範囲を加えた範囲とする。他方、マーク対象箇所が空白である場合の範囲はその空白を取り囲む複数の罫線および文字の境界線で定まる四角形の範囲とする。ここで、文字の境界線はその文字の図形を取囲むことが可能な最小面積の仮想四角形の外周線とする。
ただし、この範囲は、記入者がこの範囲以外への記入を制限するものではない。実際に、本発明の方式では、多くの場合この範囲を越えて記入してもマークの認識が正しく行われる。
本請求範囲1に云う “筆記”に用いる筆記具には鉛筆、ボールペンなどの通常の筆記具の他に、スタンプも含む。
本請求範囲1に云う“筆記にて記入”は、“マーク対象箇所”が空白である場合はその空白にマーク用図形を追記することによって行い、“マーク対象箇所”が文字である場合には、文字上に上書きすることによって行う。
なお、一般に文字認識機能と罫線認識機能を併有するOCRは、手書きの文字や図形を誤認を無視して、自動的に類似の文字として認識する性能を有しているが、本発明のOCRにはこの種のOCRを用いなければならない。一般のOCRではないが、像から図形を除外して後、文字と罫線のみを認識して出力する種のOCRは本発明には不適である。
また、本発明のOCRには、スキャナと市販の罫線認識機能を有する文字認識ソフトウエアとで構成するシステムも含まれる。
OCRには文字認識機能と罫線認識機能を有するOCRの中には活字文字の他に手書き文字を認識できる機能を有するものもあるが、本発明ではこの種のものも使用できる。この種のものを用いるとマーク読取りと共に、回答者の氏名などの手書き箇所を同時に読取ってデータに出力できる利点がある。
本請求項2において云う“塗面”とは線で描いた閉曲線の内部を線と同じ色で塗りつぶした図形を意味する。塗面を含有しない図形とは、点および線で描いた図形であって、そのどの部分にも塗面を含まないものを云う。参考のため、図3に塗面を含有しない図形の例と塗面を含有する図形の例を対比して示す。
本請求項2において云う“塗面を含有しない図形”とは、点および線のみで形成、かつ図形のどの部分にも塗面を含まない図形を意味する。図3に塗面を含有しない図形の例と塗面を含有する図形の例を対比して示す。
本請求項2(ホ)において、“正否等の意味を有することが容易に類推可能な文字列”とは、回答者に回答として要求される意味、例えば正、否、どちらでもないなどの意味が言語的表現される“正”、”はい“、”いいえ”、“わからない”、“ある”、“ない“、YES”、“NO”などの単数あるいは複数の文字から成る文字列を意味する。
符号11で示す記述によって、マーク対象箇所が“はい”および“いいえ”の文字であり、
マーク用図形が2線の平行線であることが指定されている。
本実施例は基本手段と付加手段(ア)において文字をマーク対象欄とし、さらに(ニ)を用いた例である。10問の問題に対し、各4つのア、イ、ウ、エの符号を付した選択肢の解答を与え、その中、一つの選択肢を選び回答させる試験を10人の生徒に対して行なった。その解答用紙の一受験者である学生番号1のマーク済みマークシートを図1に記載した。図1に含まれる表が、請求範囲で云うマーク済み表である。また、そのマーク済み表から回答欄のマーク対象欄に記入された2本の平行線を取り除いた表がマーク用表であるが、紙面節約のため省略した。マークシート内の記述によって、2本の平行線をマーク用図形として指定し、回答欄のア、イ、ウ、エの文字をマーク対象箇所に指定している。この図で明らかなように、本実施例では付加手段(ニ)に従ってア、イ、ウ、エを順序を容易に類推可能な文字をマーク対象箇所として用い、マーク対象箇所の表現を選択肢の符号と合致させることによって回答者の意図しない箇所への誤マーキングに対する不安を解消できた。ア、イ、ウ、エは同時に外周中空枠形状の文字であるから付加手段(ア)も用いている。また付加手段(ア)によって塗面を含有しない図形である2線の平行線を用いている。並行線を上書きするのみであるからマーキング作業の負担が軽い。
さらに、図8の表の回答者の各問に対する回答選択肢と正解とを比較し、各学生の各問毎の正誤を求め、学生毎の得点、正解率、順位と問題別正解率と平均正解率を同計算機能を利用して求めた。引き続き、同ソフトウエアのグラフ作成機能を用いて、得点の分布の表などのグラフの作成と表示を簡単な操作で行うことができた。
(本実施例も実施例1と同様に、実施例1と同様に、スキャナと市販の文字認識機能と罫線認識機能を併有する文字認識ソフトウエアの組合わせをOCRとして用い、OCRの出力を文字市販の文字認識ソフトに入力して表にしてからその表をデータ処理する方法により行なった。すなわち、各解答済みの解答用紙の画像をスキャナにて読みとり、市販の文字認識機能と罫線認識機能を併有する文字認識ソフトウエアにて文字と罫線の情報を含むデータに変換し、そのデータを市販の表計算ソフトウエアに出力し、OCRにて読取った結果の表である表計算ソフトウエア内の読取結果表について、その表計算ソフトウエアに付属されたデータ処理機能を利用してマークの判定とその位置の同定のための処理を実行した。図8に一回答者が回答したマーク済みのマークシートを画像を示す。マーク済み表はこの画像内の表部分である。さらに、自明なため省略するが、マーク用表はマーク用表から、この画像の回答欄の“はい”と“いいえ”上に引かれている並行引線を取除いたものである。図9にこのマーク済みマークシートのマーク済み表をOCRで読取って取得した読取結果表を示す。図8と比較すれば、マークされた箇所の“はい”と“いいえ”が他の文字に変化した状態が分かる。またこの例では、”はい“または”いいえ“に2線を上書きすることによって、同時に2つ以上マーク箇所指定しているので手段(ニ)を用いている。
さらに、マーク対象箇所に正否等の意味を有する“はい”、“いいえ”を用いて、付加手段(ホ)を用いることで、回答者に対するマーク対象箇所の視認性を高めている。
この例の場合も基本手段に記載するように対応する読取結果表の欄内の文字列全体を対応するマーク用表の文字列との比較でマーキングの有無を判定できる。しかし、他の論理として先頭文字が対応するマーク用表の先頭文字と異なる文字種であることによって各マーク欄がマークされたか否かを判別することもできるし、さらに別の論理としてマーク欄に対応する読取結果表の欄内の末尾文字が対応するマーク用表の末尾文字と異なる文字種であることによっても判定できる。OCRの文字認識に誤りが発生しなければこれら三種の論理はいづれも同じマーク認識結果を与える。しかし、OCRの文字認識に誤りがある場合これらの結果の間に差が生じることがあれば、マーク済みシートを目視で再確認するなどによって補正できる。また、実際にマーキングしてないマーク欄をマークしたとする誤り判別も、同様に補正できる。なお、この実施例においては、10人全てのマークシートで三種の論理の結果は一致した。
図13に図12のマーク済みマークシートのマーク済み表をOCRで読取って得た読取結果表を示す。対応するマーク欄内の文字列を比較して、実施例2と同様にマークを認識した。10枚のマークシート全てのマーク認識に誤りがなかった。
なお、マーク図形が実施例2では、2線の並行水平引線であったものが、この実施例であは1線の水平引線が指定されている。その理由はこの実施例では、付加手段(ロ)によって簡単な図形のみで誤りなくマークが認定されるため1線の水平引線で十分であるからである。次に、参考のため、文字認識ソフトウエアを他のメーカ製の市販する文字認識機能と罫線認識機能を併有する文字認識ソフトウエアに変更して同じ実験を繰り返した。前記の一回答者のマークシートをそのOCRで読取って得た読取結果表を図14に示す。マークされたマーク欄の文字は、前記OCRの場合と全く異なっているが、マークの認識はこの場合も正しく行われ、10枚のマークシートにおいて全てのマーク認識に誤りがなかった。
2 縦罫線の一つ(この表には計5本ある)である。
3 マーク欄に指定されている欄(この表では“はい”あるいは“いいえ”を含む計12欄がある)である。
4 文字を欄内に含むマーク欄以外の欄(この表には計8つある)である。
5 文字を欄内に含まないマーク欄以外の欄である。
6 マーク欄内の先頭文字の前方にある空白(先頭文字“は”の前方に計6箇所ある)である。
7 マーク欄の末尾文字の後方にある空白(末尾文字“い”の後方に計6箇所ある)である。
8 マーク欄内の先頭文字(“はい”の中の4箇所の“は”、 “いいえ”の中の各前側の “い”であって、計12箇所ある)である。
9 マーク欄内の末尾文字の例( “はい”の中の4箇所の“い”、と “いいえ”の中の各前側の4箇所の“え”であって、計12箇所ある)
10 マークシート内のマーク用表以外の領域の文字である。
11 マークシート内のマーク用表以外の領域の図形である。
Claims (2)
- 複数の横罫線と複数の縦罫線で形成される複数の欄と該欄中の記述とで形成される表をマーク用表とし、該マーク用表の欄の中から欄内に文字および空白のみを含む複数の欄をマーク欄に指定し、各該マーク欄内の任意の文字または空白をマーク対象箇所に指定し、マーク用図形を任意の該マーク対象箇所上に筆記にて記入させる手段によってマークさせて取得したマーク済み表を文字認識機能と罫線認識機能を併有するOCRにて認識して取得した読取結果表のデータをデータ処理し、該マーク用表の各該マーク欄内の文字列と該読取結果表の対応する各欄内の文字列を比較して相互に異なるか否かによって各該マーク欄に対するマークの有無を認識することを特徴とするマークシート方式
- 塗面を含有しない図形をマーク図形として外周枠中空形状の文字以外であるマーク対象箇所上に記入させることと、マーク欄内の先頭文字の前方に位置する空白あるいは終末文字の後方に位置する空白をマーク対象箇所に指定することと、一つのマーク欄内の連続して並ぶ複数の文字あるいは空白を一括してマーク対象箇所に指定することと、順序の意味を有することが容易に類推可能な文字列をマーク対象箇所に指定することと、正否等の意味を有することが容易に類推可能な文字列をマーク対象箇所に指定することの中の一以上を特徴とする請求項1に記載のマークシート方式。
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