JP2005172654A - 肌状態の分析結果の表示方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より正確に把握出来るようになった肌状態の情報を、一般的な消費者に対して、更に具体的にわかりやすく説明する手段を提供する。
【解決手段】 肌状態の分析結果の表示であって、分析より得られた特性値と理想的な肌状態に於ける特性値とを比較して表示して、肌状態の分析結果の表示する。前記肌状態の分析は、採取した角層細胞の存在状況及び肌のレプリカによって為されたものである。前記採取した角層細胞の存在状態の分析は、角層細胞の剥離時に於ける配列規則性、剥離時に於ける重層状態の存在程度、角層細胞の面積、角層細胞の面積の均一性及び角層細胞に於けるメラニンの存在量から選択されるものである。前記角層細胞の剥離時に於ける配列規則性、剥離時に於ける重層状態の存在程度又は角層細胞に於けるメラニンの存在量は角層細胞の写真で示されるものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、肌の手入れなどを的確に行うように促すのに有用な、肌状態の分析結果の表示方法に関する。
人の肌状態は、個人個人によって大きく異なり、それに適した化粧料も異なってくる。この為、より的確に肌状態に対応するために極めて多くの種類の化粧料が市販されるようになっている。この様な状況に於いて、最も大きな課題は、自分の肌の状態にあった、適切な化粧料を、如何に的確に選択するかと言うことに存する。化粧料を選択するにあたり、「脂っぽさ」「皮膚のバリア機能の高低」「メラニンの産生状況」「紫外線などによるダメージの程度」「敏感肌などの肌の感受性」「肌の老化の程度」「しわなどの発生状況」等、考慮すべき因子は非常に多く、これを個人が判断するのは極めて困難なこととなっている。この様な実情は、基礎化粧料に留まらず、メークアップ化粧料に於いても同様の問題が存する。この様な状況を反映して、種々の肌分析法或いはそれを応用した化粧料の選択法が考案されている。(例えば、特許文献1〜16を参照)しかしながら、更に、肌状態の分析以上に困難なのは、分析結果を正しく使用者に伝えて、理解してもらうことであり、これが達成されなければ、的確な肌分析の結果も、又、正しく選択された化粧料も、使用方法を誤って、せっかくの効果を奏さないことになりかねない。その意味で、肌分析結果、言い換えれば、肌状態の情報を的確に使用者に伝達させることが重要となっている。これまで、この目的で開発されてきた技術としては、その表示或いはインターネットなどを介した情報提供手段が開発されている。(例えば、特許文献17〜24を参照)確かにこれらの方法により、当業者に於いては、肌状態データをより正確に把握出来るようになったが、一般的な消費者に対しては更に具体的にわかりやすく説明する必要が存している。この為、一般消費者に対して、肌状態をよりわかりやすく説明する手段の開発が望まれている。
一方、この様な説明技術に於いて、肌状態の分析結果の表示であって、分析より得られた特性値と理想的な肌状態に於ける特性値とを比較して表示する、肌状態の分析結果の表示方法は知られていない。
特開2003−199727号公報 特開2002−17688号公報 特開2001−116745号公報 特開2001−108674号公報 特開2001−13138号公報 特開2000−212038号公報 特開2000−212037号公報 特開2000−212036号公報 特開2000−212035号公報 特開2000−212034号公報 特開2000−204018号公報 特開2000−125854号公報 特開2000−116623号公報 特開2000−5134号公報 特開平11−304798号公報 特開平11−299792号公報 特開2000−211273号公報 特開2003−340号公報 特開2002−191564号公報 特開2001−299448号公報 特開2001−292832号公報 特開2000−285222号公報 特開平11−56469号公報 特開平08−228837号公報
本発明は、この様な状況下為されたものであり、より正確に把握出来るようになった肌状態の情報を、一般的な消費者に対して、更に具体的にわかりやすく説明する手段を提供することを課題とする。
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、より正確に把握出来るようになった肌状態の情報を、一般的な消費者に対して、更に具体的にわかりやすく説明する手段を求めて、鋭意研究を重ねた結果、肌状態の分析結果の表示であって、分析より得られた特性値と理想的な肌状態に於ける特性値とを比較して表示する、肌状態の分析結果の表示方法を以て、肌状態データを表示することにより、前記一般的な消費者へより適切な理解を促せることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示す技術に関するものである。
(1)肌状態の分析結果の表示であって、分析より得られた特性値と理想的な肌状態に於ける特性値とを比較して表示することを特徴とする、肌状態の分析結果の表示方法。
(2)肌状態の分析が、採取した角層細胞の存在状況及び肌のレプリカによって為されたものであることを特徴とする、(1)に記載の肌状態の分析結果の表示方法。
(3)採取した角層細胞の存在状態の分析が、角層細胞の剥離時に於ける配列規則性、剥離時に於ける重層状態の存在程度、角層細胞の面積、角層細胞の面積の均一性及び角層細胞に於けるメラニンの存在量から選択される項目を含むものであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の表示方法。
(4)角層細胞の剥離時に於ける配列規則性、剥離時に於ける重層状態の存在程度又は角層細胞に於けるメラニンの存在量が角層細胞の写真で示されることを特徴とする、(3)に記載の表示方法。
(5)角層細胞の面積及び角層細胞の面積の均一性を、交差する角層細胞面積軸と角層細胞の面積のバラツキ軸がつくる座標上へのプロットで示されることを特徴とする、(3)に記載の表示方法。
(6)角層細胞の存在状態の分析より得られる肌状態の特性値が、肌の保水能力、乾燥、刺激からの肌の保護力又は色素沈着発生の危険性であることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の肌状態の分析結果の表示方法。
(7)肌のレプリカの分析が、肌の微細な凹凸の存在状態及び/又は皮溝の方向性を指標にすることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の表示方法。
(8)肌の微細な凹凸の存在状態及び/又は皮溝の方向性が、レプリカの写真によって為されることを特徴とする、(7)に記載の表示方法。
(9)肌の微細な凹凸の存在状態より、肌のきめの特性値が示されることを特徴とする(8)に記載の表示方法。
(10)皮溝の方向性の程度より、シワの形成可能性が示されることを特徴とする、(8)に記載の表示方法。
(11)採取した角層細胞の存在状況及び肌のレプリカの分析によって得られる、肌の保水能力、乾燥、刺激からの肌の保護力、色素沈着発生の危険性、肌のきめ及びシワの形成可能性を含む特性値をレーダーチャートにて、理想的な肌の特性値とともに表示することを特徴とする、(1)〜(10)何れか1項に記載の表示方法。
(12)更に、被験者と同年代の人たちの平均的な特性値をあわせて表示してあることを特徴とする、(11)に記載の表示方法。
(13)紙面上に為されていることを特徴とする、(1)〜(12)何れか1項に記載の表示方法。
(14)紙面が、肌の手入れのアドバイスのための冊子であることを特徴とする、(13)に記載の表示。
(15)CRT上に為されていることを特徴とする、(1)〜(12)何れか1項に記載の表示方法。
(16)サーバーよりダウンロードされたデータに基づいて為される表示であることを特徴とする、(15)に記載の表示方法。
本発明によれば、より正確に把握出来るようになった肌状態の情報を、一般的な消費者に対して、更に具体的にわかりやすく説明する手段を提供することができる。
本発明の表示方法は、肌状態の分析結果の表示のためのものであって、分析より得られた特性値と理想的な肌状態に於ける特性値とを比較して表示することを特徴とする。本発明の表示方法の表示の対象とする肌状態であるが、化粧料の分野に於いて行われている分析に基づくものであれば特段の限定無く、例えば、採取した角層細胞標本等を用いて分析して得られる、角層細胞の剥離時に於ける配列規則性、剥離時に於ける重層状態の存在程度、角層細胞の面積、角層細胞の面積の均一性又は角層細胞に於けるメラニンの存在量等の因子、肌のレプリカを用いた分析より得られる、肌の微細な凹凸の存在状態或いは皮溝の方向性のデータなどが好ましく例示出来る。角層細胞の剥離時に於ける配列規則性、重層剥離の有無程度の状況、角層細胞の面積、角層細胞の面積の均一性は、それぞれ独立して、皮膚バリア機能の因子となっている。メラニンの存在量はシミの出来る可能性、出来やすさなどの因子となっている。肌の微細な凹凸の存在状態は、肌の肌理、メークアップ化粧料ののりやすさ、肌の活性化度の因子となっている。皮溝の方向性は、シワの将来出来る可能性の高さの因子となっている。これらの分析手法、それより導き出される因子と皮膚特性については、前記特許文献1〜17に詳細に記載されており、それらに準じて皮膚の評価を行うことが出来る。本発明の表示方法は、かかる分析データによって明らかにされた被験者の肌特性を、被験者が明確に理解し、正しいお肌のお手入れにつなげるように教示することを主眼とする。この様な理解に於いて重要なのは、絶対的な状態ではなく、比較しやすい他人と比較したデータであることを本発明者らは見出している。例えば、同年代の人に比べればどの程度良いのか悪いのか、或いは、理想的に肌とはどの程度乖離しているのかと言った、物差しの形成に有用なデータとともに提示することである。特に、理想的な肌状態はどの様に変えていけばよいのかを明示出来るので好ましい。特に、モニタリングのようなケースでは、理想的な肌状態に近づくか、遠ざかるかの挙動を捉えることが出来るので特に好ましい。この様な比較は、数値として為されることが好ましく、しかも、皮膚バリア機能などは多数の因子が独立して影響しあうものであることから、多軸上に並行して示すような手段が好ましい。かかる手段としては、具体的にはレーダーチャート上に、分析値の結合線、理想的な肌状態の数値の結合線、所望により、同年代の平均的な測定値の結合線の併記として表示することが好ましい。又、角層細胞に関する因子、レプリカに関する因子は何れも写真より判定されるものであるので、実際の分析に用いた写真を、前記表示とともに示すことも好ましい。この時、写真をまず目に入る位置に掲げて、しかる後に、レーダーチャートなどの比較表示を掲げることが好ましい。これは、先に具体的イメージをインプットした方が、数値関係の状況を記憶させやすいためである。又、この様な分析結果に加えて、お肌のお手入れ方法などを併記することが好ましい。これは、本発明の肌状態の分析結果の表示により、肌状態の実情の認識が深まり、前記お肌のお手入れ方法などの教示効果が著しく高まるためである。
前記分析結果にあわせて、肌状態に適する化粧料をあわせて提供することも、肌状態を改善する意味では好ましい。肌状態に適した化粧料としては、例えば、角層細胞の剥離時に於ける配列規則性、重層剥離の有無程度の状況、角層細胞の面積、角層細胞の面積の均一性から判別される、角層バリア機能の低下に対しては、その低下の程度に応じて、角層バリア機能を向上させる化粧料を提供することが好ましい。大まかには、皮膚バリアー機能の低下程度をランク5:極めて著しい低下(病的)、ランク4:著しい低下、ランク3:明らかに感知しうる低下、ランク2:明確ではないが感知しうる低下、ランク1:正常に分類し、ランク5の場合には、化粧料の使用は控え、根本的な医学的治療を受けるように勧め、ランク4の場合には、皮膚バリアー機能の代替を行いうる作用に優れるポリアクリロイルオキシエチルオキシホスファチジルコリン及び/又は塩等の成分、皮膚バリアー機能を高めるコウキ・シラカバのエッセンスのような成分を含有し、皮膚刺激性を発現しやすい非イオン界面活性剤やアニオン界面活性剤の含有量を極力少なくした、アクリル酸・メタクリル酸(C10〜30)アルキルポリマー等を乳化剤とする乳液等の刺激の少ない製剤を選択し、ランク3の場合には、少量の皮膚バリアー機能の代替成分及び/又は皮膚バリアー機能を高める成分とトレハロース硫酸ナトリウムの様なトレハロース関連物質やヒアルロン酸ナトリウムの様な保湿作用に優れる成分を含有し、エモリエント効果も有する化粧料を、程度に合わせてタイプ別に選択し、ランク2、1の場合には通常の化粧水、乳液、クリームといったエモリエント・モイスチャー効果を主体とした化粧料を選択すればよい。この様な化粧料の具体例を以下に示す。
<角層バリアー機能ランク1、2用の化粧料>
(化粧水;化粧料1)
グリセリン 5 重量部
1,3−ブタンジオール 5 重量部
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1重量部
エタノール 8 重量部
水 81.8重量部
メチルパラベン 0.1重量部
(クリーム;化粧料2)
スクワラン 10 重量部
グリセリルトリイソクタネート 12 重量部
ベヘニルアルコール 3 重量部
マイクロクリスタリンワックス 5 重量部
ソルビタンセスキステアレート 3 重量部
ステアリン酸 1 重量部
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル 2 重量部
ブチルパラベン 0.1重量部
カルボキシビニルポリマー 0.3重量部
1,3−ブタンジオール 5 重量部
水酸化カリウム 0.2重量部
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1重量部
エラスチン 0.1重量部
水 58.2重量部
<ランク3用の化粧料;化粧料3>
ランク1、2用の化粧料に加えて、以下の乳液を使用する。乳液は化粧水の後、クリームの前に使用する。
(乳液)
ジメチコン 5 重量部
スクワラン 5 重量部
オリーブ油 5 重量部
バチルアルコール 2 重量部
ソルビタンセスキオレート 2 重量部
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル 1 重量部
1,3−ブタンジオール 5 重量部
カルボキシビニルポリマー 0.2重量部
水酸化カリウム 0.2重量部
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1重量部
硫酸化トレハロースナトリウム 0.1重量部
水 74.4重量部
フェノキシエタノール 0.1重量部
<ランク4用の化粧料;化粧料4>
ランク1、2用の化粧料に加えて、以下の乳液を使用する。乳液は化粧水の後、クリームの前に使用する。
スクワラン 10 重量部
セラキルアルコール 2 重量部
アクリル酸・メタクリル酸(C10〜30)アルキル
ポリマー 0.2重量部
水酸化カリウム 0.1重量部
メタクリロイルオキシエチルホスファチジルコリン
ポリマー 0.1重量部
硫酸化トレハロースナトリウム 0.1重量部
1,2−ペンタンジオール 5 重量部
フェノキシエタノール 0.1重量部
水 82.4重量部
尚、角層細胞の剥離時に於ける配列規則性、重層剥離の有無程度の状況、角層細胞の面積、角層細胞の面積の均一性からの角層バリア機能を判別する方法としては、それぞれ独立に、配列規則性の程度は、配列規則性が高いほど、角層バリア機能は高いので、いろいろな肌状態の人について、採取した角層細胞の配列規則性を調べ、これを正規分布などのモデル分布に従うようにグレード分けして、ランク付けを行うことなどが例示出来る。又、重層剥離は存在しない方が好ましく、その出現率が高くなるほど、肌のバリア機能は低下する。これも配列規則性と同様にランク付けしてスコアなどを付し、状況を表現することが出来る。更に、角層細胞の面積と面積の均一性は、均一で細胞面積が大きいほどバリア機能は高い。これは、角層細胞が充分に成熟した後、表皮に上がってきていることを表しているからである。その意味で、角層細胞の面積の均一性も表皮に於ける角層細胞の成熟度を表すものである。角層細胞面積とその均一性とを、相補させることにより、より正確な皮膚バリア機能の鑑別が出来る。
シミなどの出来やすさを示す、角層細胞に於けるメラニン顆粒の存在状況は、その存在状況が著しいほど、シミを形成する可能性が高い。メラニン顆粒の存在状況は、皮膚から粘着テープストリッピングで採取した、角層細胞を、硝酸銀水溶液を用いたメラニン染色を行うことにより、可視化することが出来、これを顕微鏡下観察することにより判定することが出来る。これも、平均的な存在状況を中心にスコア化して判別し、存在量が著しく多く、存在にバラツキがある場合には、アスコルビン酸及び/又はその誘導体、アルブチン、アルキルレゾルシノール等のレゾルシノール誘導体、エラグ酸、トラネキサム酸、4−メトキシサリチル酸などのメラニン産生抑制剤を含有する化粧料で処置することが勧められる。この時、同時にマメ科クジンの抽出物や、キク科アルニカの抽出物などのα−MSH阻害作用を有する生薬抽出物を配合しておくとより顕著な効果が得られる場合があり、好ましい。その様な化粧料の一例を以下に示す。
<メラニン産生抑制用の化粧料>
(化粧水;化粧料5)
1,3−ブタンジオール 5 重量部
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1重量部
エタノール 8 重量部
アルブチン 1 重量部
クジンエタノール抽出物 1 重量部
1,2−ペンタンジオール 3 重量部
水 84.8重量部
メチルパラベン 0.1重量部
肌のレプリカを用いた分析より得られる、肌の微細な凹凸の存在状態或いは皮溝の方向性のい発現は、しわの形成可能性の高さを示している。しわは、真皮において、コラーゲン線維束構造が崩れて形成されるものとされており、これを予防、改善する手段としてはウルソール酸或いはそのエステルを経皮投与することが好ましく例示出来る。特に好ましいものは、ウルソール酸ベンジルである。以下に、この様なしわ形成抑制用の化粧料の例を下記に示す。この時、シソ科ローズマリーの抽出物を添加すると、効果を更に高める場合が存するので好ましい。
<しわ形成抑制用の化粧料>
(化粧水;化粧料6)
1,3−ブタンジオール 5 重量部
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1重量部
エタノール 8 重量部
アルブチン 0.1重量部
ローズマリーエタノール抽出物 1 重量部
1,2−ペンタンジオール 3 重量部
水 85.7重量部
メチルパラベン 0.1重量部
以下に、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみに限定されないことは言うまでもない。
<実施例1>
1群約100名、3群計約300名のパネラーを用いて、使用テストを行った、即ち、パネラーは経皮的散逸水分量(TEWL)を測定した後、パネラーの角質細胞を粘着テープでストリッピングし、これをまずゲンチアナバイオレットで、次いで硝酸銀水溶液で染色し、角層細胞の形状と、メラニン顆粒とを可視化させた。顕微鏡下、角層細胞の剥離時に於ける配列規則性、剥離時に於ける重層状態の存在程度、角層細胞の面積、角層細胞の面積の均一性及び角層細胞に於けるメラニンの存在量を、それぞれの程度に応じて1〜5のスコアを付し判別した。更に、パネラーの頬部より、ポリ酢酸ビニルエマルションを用いてレプリカを採取した。このレプリカを顕微鏡下観察し、肌の肌理と、皮溝の方向性を判別した。加えて、アンケートと、面談と、肉眼観察より、脂質の分泌状況を判別した。これらの結果をもとに、最も重篤な症状に対応する化粧料を選択し、パネラーに提示した。この時、第1群は化粧料のみを渡し、コメントは全くしなかった。(非説明群)第2群は肌の状況と手入れのポイントを口頭でのみ説明し、化粧料を渡した。(口頭説明群)第3群は図1に示す、本発明の表示を用いて、肌の状況と手入れのポイントを説明し、化粧料を渡した。(本発明の表示説明群)化粧料としては、前記化粧料1〜6を適宜、肌状況に合わせて選択した。パネラーは渡された化粧料を1ヶ月間連日朝晩2回使用し、使用期間終了後3日に再度TEWLを測定した。この結果を群の平均値として、表1に示す。これより、非説明群より、口頭説明群の方が。口頭説明群より遙かに優れて本発明表示説明群の方が、TEWLの低下(肌状態の改善)が著しいことが判る。
Figure 2005172654
実施例1の本発明の表示説明群に用いた表示の1例を示す図である。

Claims (16)

  1. 肌状態の分析結果の表示であって、分析より得られた特性値と理想的な肌状態に於ける特性値とを比較して表示することを特徴とする、肌状態の分析結果の表示方法。
  2. 肌状態の分析が、採取した角層細胞の存在状況及び肌のレプリカによって為されたものであることを特徴とする、請求項1に記載の肌状態の分析結果の表示方法。
  3. 採取した角層細胞の存在状態の分析が、角層細胞の剥離時に於ける配列規則性、剥離時に於ける重層状態の存在程度、角層細胞の面積、角層細胞の面積の均一性及び角層細胞に於けるメラニンの存在量から選択される項目を含むものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示方法。
  4. 角層細胞の剥離時に於ける配列規則性、剥離時に於ける重層状態の存在程度又は角層細胞に於けるメラニンの存在量が角層細胞の写真で示されることを特徴とする、請求項3に記載の表示方法。
  5. 角層細胞の面積及び角層細胞の面積の均一性を、交差する角層細胞面積軸と角層細胞の面積のバラツキ軸がつくる座標上へのプロットで示されることを特徴とする、請求項3に記載の表示方法。
  6. 角層細胞の存在状態の分析より得られる肌状態の特性値が、肌の保水能力、乾燥、刺激からの肌の保護力又は色素沈着発生の危険性であることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の肌状態の分析結果の表示方法。
  7. 肌のレプリカの分析が、肌の微細な凹凸の存在状態及び/又は皮溝の方向性を指標にすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示方法。
  8. 肌の微細な凹凸の存在状態及び/又は皮溝の方向性が、レプリカの写真によって為されることを特徴とする、請求項7に記載の表示方法。
  9. 肌の微細な凹凸の存在状態より、肌のきめの特性値が示されることを特徴とする請求項8に記載の表示方法。
  10. 皮溝の方向性の程度より、シワの形成可能性が示されることを特徴とする、請求項8に記載の表示方法。
  11. 採取した角層細胞の存在状況及び肌のレプリカの分析によって得られる、肌の保水能力、乾燥、刺激からの肌の保護力、色素沈着発生の危険性、肌のきめ及びシワの形成可能性を含む特性値をレーダーチャートにて、理想的な肌の特性値とともに表示することを特徴とする、請求項1〜10何れか1項に記載の表示方法。
  12. 更に、被験者と同年代の人たちの平均的な特性値をあわせて表示してあることを特徴とする、請求項11に記載の表示方法。
  13. 紙面上に為されていることを特徴とする、請求項1〜12何れか1項に記載の表示方法。
  14. 紙面が、肌の手入れのアドバイスのための冊子であることを特徴とする、請求項13に記載の表示。
  15. CRT上に為されていることを特徴とする、請求項1〜12何れか1項に記載の表示方法。
  16. サーバーよりダウンロードされたデータに基づいて為される表示であることを特徴とする、請求項15に記載の表示方法。
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