JP2005172455A - ケーブルの事故点特定方法及び事故点特定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 事故点Xの特定を低コストで、しかも容易に行なえる様にする。
【解決手段】 電力ケーブル1の両端部でそれぞれ、上記事故点Xで同時に発生した電気パルスと音波とが到達した時刻の時間差を測定する。そして、この様に測定した1対の時間差と、既知である上記電力ケーブル1の長さLとに基づき、上記事故点Xの位置を特定する。この様にして事故点Xの特定を行なえば、上記電力ケーブル1内での上記電気パルスと上記音波との伝播速度を測定する必要がなくなる。更には、電気パルス検出器3、3、音波検出器4、4、及び時間差測定装置5、5として、それぞれ高精度のもの(高価なもの)を使用する必要がなくなる。従って、上記課題を解決できる。
【選択図】 図1

Description

この発明に係るケーブルの事故点特定方法及び事故点特定装置は、例えば変電所等に於いて、地下のトンネル内に敷設した高圧電力ケーブルの絶縁が劣化した場合に、その劣化した場所の特定を行なう為に利用する。
変電所等に敷設したCVケーブル等の電力ケーブルの絶縁被覆は、長期間に亙って多湿状態に置かれる事で次第に劣化し、遂には絶縁破壊に結び付く放電性地絡事故を発生する場合がある。上記電力ケーブルが地下のトンネル内に敷設されたり、或は地中に埋設されたものである場合には、この様な放電性地絡事故がトンネル内或は地中で発生するので、修復作業に先立って、事故点、即ち、絶縁が劣化している部分を特定する必要がある。
この為に従来から、絶縁が劣化している部分で発生する電気パルス(サージ電流)が上記電力ケーブルの両端部に到達する時刻の時間差を利用して、上記事故点を特定する事が行なわれている(例えば、特許文献1参照)。即ち、電力ケーブルに放電性地絡事故が発生すると、事故点で放電が起こり、この結果発生した電気パルスが、この事故点から上記電力ケーブルの両端部に向けて進行する。そこで、上記電気パルスがこの両端部に到達した時刻を、それぞれ電気パルス検出器と時計とにより計測する。そして、これら到達した時刻の時間差と、既知である上記電力ケーブルの長さ(全長)と、予め測定しておいた、この電力ケーブル内での上記電気パルスの伝播速度とから、計算により上記事故点の位置を特定する。
尚、この様な原理で事故点を特定する場合、上記電気パルスの検出作業は、ケーブル線路の一端部のみで行なう事もできる(例えば、非特許文献1参照)。この場合には、このケーブル線路を構成する事故相(事故点を有するケーブル相)の一端部と、健全相(事故点を有しないケーブル相)の一端部とに、それぞれ電気パルス検出器を接続する。これと共に、上記事故相の他端部と、上記健全相の他端部とを、互いに接続する。この様な構成を採用すれば、上記事故点から上記事故相の一端部に向かって進行する電気パルスを、上記ケーブル線路の一端部から直接検出できると共に、上記事故点から上記事故相の他端部に向かって進行する電気パルスを、上記健全相を介して上記ケーブル線路の一端部から検出できる。但し、対象となるケーブル線路がクロスボンド線路等である場合には、事故点で発生した電気パルスがケーブル線路内のクロスボンド点等で複雑に反射する。この為、この反射の影響で、上記電気パルスの検出を正確に行なえなくなり、上記事故点を特定できなくなる。従って、この場合には、上記非特許文献1にも記載されている様に、上記反射の影響をなくして上記事故点を特定できる様にすべく、別途、遅延回路と高圧パルス発生回路とを使用する必要がある。
何れにしても、上述の様な電気パルスが電力ケーブルの両端部に到達する時刻の時間差を利用して事故点を特定する従来方法の第1例の場合、この事故点の位置を計算する為には、予め、上記電力ケーブル内での電気パルスの伝播速度を測定しておく必要がある。従って、この様な作業を行なう分、事故点特定作業が面倒となる。
又、上記従来方法の第1例の場合、上記事故点の特定精度を十分に確保する為には、上記電気パルス検出器及び時計として、極めて高精度なもの(高価なもの)を使用する必要がある。この理由は、上記電力ケーブル内での電気パルスの伝播速度が非常に速く、この電気パルスがこの電力ケーブルの両端部に到達する時刻の時間差が、例えば、数μsec 〜数十μsec と非常に小さくなる場合がある為である。即ち、上記事故点の特定精度を十分に確保する為には、この様な非常に小さい時間差を高精度で測定する必要がある。従って、この様な非常に小さい時間差を高精度で測定できる様にすべく、上記電気パルス検出器及び時計として、極めて高精度なものを使用する必要がある。この為、上述した従来方法の第1例の場合には、事故点特定装置のコストが嵩む。
又、前述した様に、上記従来方法の第1例の場合には、電気パルスの検出作業をケーブル線路の一端部のみで行なえるが、対象となるケーブル線路がクロスボンド線路等である場合には、別途、遅延回路と高圧パルス発生回路とを使用する必要がある為、よりコストが嵩む。
一方、電力ケーブルの事故点を特定する為の他の方法として従来から、この事故点で発生した音波(振動)を利用して、上記事故点を特定する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。即ち、電力ケーブルに放電性地絡事故が発生すると、事故点で放電が起こり、この結果(上記電気パルスと同時に)発生した音波が、この事故点から上記電力ケーブルの両端部に向け、減衰しながら進行する。そこで、この電力ケーブルに沿った上記音波の大きさや進行方向を、この電力ケーブルの長さ方向に関する複数個所に予め設置しておいた音波検出器により検出する。そして、この電力ケーブルの長さ方向に関して互いに隣り合う1対の音波検出器のうち、最も大きい音波を検出した1対の音波検出器同士の間の区間、或は、検出した音波の進行方向が互いに逆になる1対の音波検出器同士の間の区間に、上記事故点が存在すると特定する。
上述の様な音波を利用して事故点の特定を行なう従来方法の第2例の場合、この事故点の特定精度を十分に確保する為には、上記電力ケーブルの長さ方向に関する、上記各音波検出器の設置間隔を十分に狭くする必要がある。ところが、この様に音波検出器の設置間隔を十分に狭くする為には、その分、多くの音波検出器が必要となる。従って、上述した従来方法の第2例の場合には、事故点の特定精度を十分に確保しようとすると、事故点特定装置のコストが嵩む。
特開平6−58979号公報 特開平9−113572号公報 「計測器総合カタログ」、三菱電線工業株式会社、2001年6月、p.30−31
本発明のケーブルの事故点特定方法及び事故点特定装置は、上述の様な事情に鑑み、事故点の特定を低コストで、しかも容易に行なえる様にすべく発明したものである。
本発明のケーブルの事故点特定方法及び事故点特定装置のうち、請求項1に記載したケーブルの事故点特定方法は、ケーブルの事故点で(放電が起こる事により)同時に発生した電気パルス(サージ電流)と音波(振動)とが、それぞれこのケーブルの両端部に到達した時刻を計測する。これと共に、これら両端部毎にそれぞれ、上記電気パルスが到達した時刻と上記音波が到達した時刻との時間差を求める。そして、これら各時間差に基づいて{これら各時間差と、既知である上記ケーブルの長さ(全長)とに基づく計算を行なう事により}上記事故点を特定する。
又、請求項2に記載したケーブルの事故点特定装置は、上述の請求項1に記載したケーブルの事故点特定方法を実施する為の装置であって、上記ケーブルの両端部に到達した電気パルスを検出する為の1対の電気パルス検出器と、同じく音波を検出する為の1対の音波検出器と、上記両端部でそれぞれ、上記電気パルス検出器が電気パルスを検出した時刻と上記音波検出器が音波を検出した時刻とを計測すると共にこれら両時刻の時間差を求める為の1対の時間差測定装置とを備える。
又、請求項3に記載したケーブルの事故点特定方法は、準備作業と、測定作業とを、それぞれ行なう。
このうちの準備作業では、ケーブルの一端部から同時に注入した電気パルスと音波とがそれぞれこのケーブルの他端部に到達した時刻を計測すると共に、これら両時刻の時間差を求め、この時間差に基づいて上記ケーブル内での上記音波の伝播速度を求める。
又、上記測定作業では、上記ケーブルの事故点で(放電が起こる事により)同時に発生した電気パルスと音波とが、それぞれこのケーブルの同一の端部(例えば、他端部)に到達した時刻を計測すると共に、これら両時刻の時間差を求める。
そして、この測定作業で求めた時間差と上記準備作業で求めた音波の伝播速度とに基づいて、上記事故点を特定する。
又、請求項4に記載したケーブルの事故点特定装置は、上述の請求項3に記載したケーブルの事故点特定方法を実施する為の装置であって、上記ケーブルの一端部から電気パルスと音波とを同時に注入する為の注入器と、このケーブルの他端部に到達した電気パルスを検出する為の電気パルス検出器と、同じく音波を検出する為の音波検出器と、上記電気パルス検出器が電気パルスを検出した時刻とこの音波検出器が音波を検出した時刻とを計測すると共にこれら両時刻の時間差を求める為の時間差測定装置とを備えている。
上述した様な本発明のケーブルの事故点特定方法及び事故点特定装置の場合には、ケーブルの端部に電気パルスと音波とが到達した時刻を計測する為の、電気パルス検出器、音波検出器、及び時計(時間差測定装置に組み込まれている時計)として、それぞれ極めて高精度なものを使用しなくても、事故点の特定精度を十分に確保できる。この理由は、以下の通りである。
即ち、本発明により事故点の特定を行なう場合には、ケーブル内の同一個所(事故点等)から同時に出発した電気パルスと音波とが、それぞれこのケーブルの同一の端部に到達した時刻の時間差を測定する。そして、事故点の特定精度を十分に確保する為には、この時間差の測定誤差の割合(誤差/実際の時間差)を十分に小さくする必要がある。
ところで、上記電気パルスの伝播速度は非常に速く、この電気パルスが上記同一個所から上記同一の端部に到達するまでに要する時間は、例えば発電所構内に敷設された数百mのケーブルの事故点の特定作業を行なう場合で、数μsec 程度と非常に短い。これに対し、上記音波の伝播速度は、上記電気パルスの伝播速度に比べて遥かに遅く、この音波が上記同一の端部に到達するまでに要する時間は、数百msec程度と十分に長い。従って、これら電気パルスと音波とが上記同一の端部に到達した時刻の時間差も、数百msec程度と十分に大きくなる。この為、上記電気パルスと上記音波とが、それぞれ上記同一の端部に到達した時刻の計測精度が多少悪くなったとしても(例えば、数μsec 程度ずれたとしても)、上記時間差の測定誤差の割合は、十分に小さいものとなる。
従って、本発明の場合には、上記電気パルス検出器、上記音波検出器、及び上記時計として、それぞれ極めて高精度なものを使用しなくても、事故点の特定精度を十分に確保できる。
即ち、本発明の場合には、測定すべき上記時間差の大きさ(例えば、百msecのオーダー)に比べて、上記各時刻を遥かに細かく(例えば、μsec 以下のオーダーで)計測する。この為、上記時間差の測定精度の割合を十分に高くする事ができる。従って、上記事故点の特定精度を向上させる事ができる。
又、本発明の場合には、前述した従来方法の第2例の場合とは異なり、事故点の特定精度を十分に確保する場合でも、必要となる音波検出器の数は、2個(請求項1及び2の場合)又は1個(請求項3及び4の場合)と少なくできる。
以上の事から、本発明の場合には、事故点の特定精度を十分に確保する場合でも、この事故点の特定を低コストで行なえる。
又、請求項1及び2に記載した発明により事故点の特定作業を行なう場合には、ケーブル内での電気パルス及び音波の伝播速度を測定する必要がない。この為、事故点の特定作業を容易に行なえる。
又、請求項3及び4に記載した発明により事故点の特定作業を行なう場合には、ケーブル内での音波の伝播速度を測定する(副作業を行なう)必要があるものの、電気パルスが到達した時刻と音波が到達した時刻との時間差の測定作業は、ケーブルの片端部のみで行なえば良い。しかも、この場合に、別途、遅延回路や高圧パルス発生回路を使用する必要はない。従って、事故点特定作業を容易に、しかも低コストで行なえる。
本発明のケーブルの事故点特定方法及び事故点特定装置を実施する場合に、好ましくは、対象となるケーブルに放電性地絡事故が発生する前に、予め、このケーブルの端部に電気パルス検出器、音波検出器、及び時間差測定装置を接続しておく。更に、請求項3及び4に記載した発明の場合には、予め、上記ケーブル内での音波の伝播速度を測定しておく(準備作業を行なっておく)。そして、上記ケーブルに放電性地絡事故が発生するのと同時に発生した電気パルスと音波とを検出する事に基づき、測定すべき時間差を測定する。
この様にすれば、上記ケーブルに放電性地絡事故が発生したのとほぼ同時に、測定すべき時間差を測定する事ができる。この結果、放電性地絡事故が発生した場合に、事故点の特定を迅速に行なえて、停電の早期復旧を実現できる。
図1は、請求項1及び2に対応する、本発明の実施例1を示している。本実施例の場合、対象となる電力ケーブル1を構成するケーブル導体2の両端部にそれぞれ、この両端部に到達した電気パルスを検出自在な、変流器等の電気パルス検出器3、3と、同じく音波を検出自在な、レーザドップラ振動計等の音波検出器4、4とを接続している。又、上記各電気パルス検出器3、3と上記各音波検出器4、4とにそれぞれ、時間差測定装置5、5を接続している。これら各時間差測定装置5、5は、上記電気パルス検出器3、3が電気パルスを検出した時刻と、上記音波検出器4、4が音波を検出した時刻とを、それぞれ計測自在な時計(カウンタ)と、これら計測した両時刻の時間差を求める演算器とを備えている。又、上記ケーブル導体2の一端部(図1の左端部)には、ブロッキング抵抗6を介して直流高圧電源7を接続している。
本実施例により、上記電力ケーブル1に生じた事故点Xの特定作業を行なう場合には、上記直流高圧電源7により、上記電力ケーブル1に直流高電圧を印加する。これにより、上記事故点Xで放電を起こさせる事に伴い、この事故点Xで電気パルスと音波とを同時に発生させる。そして、上記ケーブル導体2を通じて上記電力ケーブル1の両端部に到達した上記電気パルスと上記音波とを、それぞれ上記各電気パルス検出器3、3と上記各音波検出器4、4とにより検出する。そして、上記電力ケーブル1の両端部でそれぞれ、上記各時間差測定装置5、5により、上記電気パルス検出器3、3により電気パルスを検出した時刻と、上記音波検出器4、4により音波を検出した時刻とを計測すると共に、これら計測した両時刻の時間差を求める。
ところで、上記電気パルスの伝播速度は非常に速く、この電気パルスが上記事故点Xから上記電力ケーブル1の両端部に到達するまでに要する時間は、この電力ケーブル1の事故点から端部までの距離が数百mとして、数μsec 程度と非常に短い。これに対し、上記音波の伝播速度は、上記電気パルスの伝播速度に比べて遥かに遅く、この音波が上記事故点Xから上記電力ケーブル1の両端部に到達するまでに要する時間は、数百msec程度と十分に長い。この様に上記電気パルスは上記音波に比べて、非常に短い時間で上記電力ケーブル1の両端部に到達する。この為、上述の様に各電気パルス検出器3、3が電気パルスを検出した時刻は、それぞれ上記事故点Xで放電が起こった時刻、即ち、この事故点Xから上記音波が出発した時刻とみなす事ができる。そして、この様にみなした場合、上記各時間差測定装置5、5により測定した1対の時間差は、それぞれ上記音波が上記事故点Xから上記電力ケーブル1の両端部に到達するまでに要した時間とみなす事ができる(この様にみなしても、高精度の値として取り扱える)。
又、図1に示す様に、上記電力ケーブル1の長さ(全長)をLとし、この電力ケーブル1の両端部から上記事故点Xまでの距離をそれぞれL1 、L2 とし、この電力ケーブル1内での上記音波の伝播速度をVとし、この音波が上記事故点Xから上記電力ケーブル1の両端部に到達するまでに要した時間(上記各時間差測定装置5、5により測定した1対の時間差)をそれぞれ△T1 、△T2 とすると、次の(1)〜(3)式が成立する。
1 =V△T1 −−−−−(1)
2 =V△T2 −−−−−(2)
L=L1 +L2 −−−−−(3)
そして、このうちの(1)式と(2)式とから上記音波の伝播速度Vを消去して、さらにその結果を上記(3)式に代入すると、次の(4)式及び(5)式が得られる。
1 ={△T1 /(△T1 +△T2 )}L −−−−−(4)
2 ={△T2 /(△T1 +△T2 )}L −−−−−(5)
そこで、本実施例の場合、上記各時間差測定装置5、5により測定した1対の時間差△T1 、△T2 を、無線機や携帯電話、構内LAN等の通信手段を利用して1個所(例えば、上記電力ケーブル1の何れかの端部)に集め、これら各時間差△T1 、△T2 と既知である電力ケーブル1の長さLとを使用して、上記(4)式又は(5)式の演算を実行すれば、上記事故点Xの位置L1 又はL2 を特定できる。
上述した様な本実施例のケーブルの事故点特定方法及び事故点特定装置の場合には、電気パルス検出器3、3、音波検出器4、4、及び時計(時間差測定装置5、5に組み込まれている時計)として、それぞれ極めて高精度なものを使用しなくても、事故点Xの特定精度を十分に確保できる。この理由は、以下の通りである。
即ち、本実施例により事故点Xの特定を行なう場合には、上記電力ケーブル1の両端部でそれぞれ、電気パルスと音波とが到達した時刻の時間差△T1 、△T2 を測定する。そして、上記事故点Xの特定精度を十分に確保する為には、これら各時間差△T1 、△T2 の測定誤差の割合(誤差/実際の時間差)を十分に小さくする必要がある。
ところで、前述した様に、上記電気パルスと上記音波とが到達した時刻の時間差△T1 、△T2 は、数百msec程度と十分に大きくなる。この為、上記電気パルスと上記音波とが到達した時刻の計測精度が多少悪くなったとしても(例えば、数μsec 程度ずれたとしても)、上記各時間差△T1 、△T2 の測定誤差の割合は、十分に小さいものとなる。
従って、本実施例の場合には、上記電気パルス検出器3、3、上記音波検出器4、4、及び上記時計として、それぞれ極めて高精度なものを使用しなくても、上記事故点Xの特定精度を十分に確保できる。
即ち、本実施例の場合には、測定すべき上記時間差△T1 、△T2 の大きさ(例えば、百msecのオーダー)に比べて、上記各時刻を遥かに細かく(例えば、μsec 以下のオーダーで)計測する。この為、上記各時間差△T1 、△T2 の測定精度を実質的に向上させる事ができる。従って、上記事故点Xの特定精度を向上させる事ができる。
又、本実施例の場合には、前述した従来方法の第2例の場合とは異なり、上記事故点Xの特定精度を十分に確保する場合でも、必要となる音波検出器4、4の数は、2個と少なくできる。
又、本実施例を実施する場合には、上記電力ケーブル1内での電気パルス及び音波の伝播速度を測定する必要がない。
従って、本実施例の場合には、事故点Xの特定精度を十分に確保する場合でも、この事故点Xの特定を低コストで、しかも容易に行なえる。
次に、図2は、請求項3及び4に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、対象となる電力ケーブル1を構成するケーブル導体2の一端部(請求項4に記載した「他端部」。図2の左端部)にのみ、電気パルス検出器3、音波検出器4、及び時間差測定装置5を接続している。これに対し、上記ケーブル導体2の他端部(請求項3及び4に記載した「一端部」。図2の右端部)には、この他端部から電気パルスと音波とを同時に注入自在な、注入器8を接続している。
本実施例の場合、上記電力ケーブル1に事故点Xが生じるのに先立って、予め、この電力ケーブル1内での音波の伝播速度を測定しておく(請求項3に記載した「準備作業」を行なっておく)。この様な音波の伝播速度は、次の様にして測定する。
先ず、上記注入器8により、上記ケーブル導体1の他端部から電気パルスと音波とを同時に注入する。そして、このケーブル導体1を流れて、このケーブル導体2の一端部に到達した上記電気パルスと上記音波とを、それぞれ上記電気パルス検出器3と上記音波検出器4とにより検出する。そして、上記時間差測定装置5により、上記電気パルス検出器3が電気パルス検出した時刻と、上記音波検出器4が上記音波を検出した時刻とを、それぞれ計測すると共に、これら計測した両時刻の時間差を求める。
ここで、上記電気パルスの伝播速度は、上記音波の伝播速度に比べて非常に速い為、上記電気パルス検出器3が上記電気パルスを検出した時刻は、上記ケーブル導体2の他端部から上記音波が出発した時刻とみなす事ができる。従って、上記時間差測定装置5が測定した時間差は、上記音波が上記電力ケーブル1の他端部から一端部に到達するまでに要した時間とみなす事ができる(この様にみなしても、高精度の値として取り扱える)。
又、図2に示す様に、上記電力ケーブル1の長さ(全長)をLとし、この電力ケーブル1内での上記音波の伝播速度をVとし、この音波がこの電力ケーブル1(上記ケーブル導体2)の他端部から一端部に到達するまでに要した時間(上記時間差測定装置5により測定した時間差)を△Tとすると、上記音波の伝播速度Vは、次の(6)式で表わす事ができる。
V=L/△T −−−−−(6)
そこで、上記時間差測定装置5により測定した時間差△Tと、既知である電力ケーブル1の長さLとを使用して、上記(6)式の演算を使用すれば、上記音波の伝播速度Vを求める事ができる。
そして、本実施例の場合、上記電力ケーブル1に事故点Xが生じた場合には、直流高圧電源7により、上記電力ケーブル1に直流高電圧を印加する。これにより、上記事故点Xで放電を起こさせる事に伴い、この事故点Xで電気パルスと音波とを同時に発生させる。そして、上記ケーブル導体2を通じて上記電力ケーブル1の一端部に到達した上記電気パルスと上記音波とを、それぞれ上記電気パルス検出器3と上記音波検出器4とにより検出する。そして、上記時間差測定装置5により、上記電気パルス検出器3により電気パルスを検出した時刻と、上記音波検出器4により音波を検出した時刻とを計測すると共に、これら計測した両時刻の時間差を求める(この時間差を求める作業が、請求項3に記載した「測定作業」に相当する)。
ここで、上記電気パルスの伝播速度は、上記音波の伝播速度に比べて非常に速い為、上記電気パルス検出器3が上記電気パルスを検出した時刻は、上記事故点Xから上記音波が出発した時刻とみなす事ができる。従って、上記時間差測定装置5が測定した時間差は、上記音波が上記事故点Xから上記電力ケーブル1の一端部に到達するまでに要した時間とみなす事ができる(この様にみなしても、高精度の値として取り扱える)。
又、図2に示す様に、上記電力ケーブル1の一端部から上記事故点Xまでの距離をL1 とし、この電力ケーブル1内での上記音波の伝播速度をVとし、この音波が上記事故点Xから上記電力ケーブル1の一端部に到達するまでに要した時間(上記時間差測定装置5により測定した時間差)を△T1 とすると、上記事故点Xまでの距離L1 は、次の(7)で表わす事ができる。
1 =V・△T1 −−−−−(7)
そこで、前述の様に予め測定しておいた音波の伝播速度Vと、上記時間差測定装置5により測定した時間差△T1 とを使用して、上記(7)式の演算を実行すれば、上記事故点Xの位置L1 を特定できる。
上述した様な本実施例のケーブルの事故点特定方法及び事故点特定装置の場合も、上述した実施例1の場合と同様、電気パルス検出器3、音波検出器4、及び時計(時間差測定装置5に組み込まれている時計)として、それぞれ極めて高精度なものを使用しなくても、事故点Xの特定精度を十分に確保できる。又、前述した従来方法の第2例の場合とは異なり、上記事故点Xの特定精度を十分に確保する場合でも、必要となる音波検出器4の数は、1個と少なくできる。
又、本実施例の場合には、予め、上記電力ケーブル1内での音波の伝播速度Vを測定しておく必要があるものの、電気パルスが到達した時刻と音波が到達した時刻との時間差△T、△T1 の測定作業は、上記電力ケーブル1の一端部のみで行なえば良い。しかも、この場合に、別途、遅延回路や高圧パルス発生回路を使用する必要はない。
従って、本実施例の場合も、上述した実施例1の場合と同様、事故点Xの特定精度を十分に確保する場合でも、この事故点Xの特定を低コストで、しかも容易に行なえる。
尚、上述した各実施例1、2では、直流高圧電源7により電力ケーブル1に直流高電圧を印加し、この結果事故点Xで発生した電気パルスと音波とを検出する事に基づいて、測定すべき時間差を測定している。但し、本発明を実施する場合には、上記電力ケーブル1に放電性地絡事故が発生するのと同時に発生した電気パルスと音波とを検出する事に基づいて、測定すべき時間差を測定する事もできる。この様にすれば、上記電力ケーブル1に放電性地絡事故が発生したのとほぼ同時に、測定すべき時間差を測定する事ができる。この結果、放電性地絡事故が発生した場合に、事故点Xの特定を迅速に行なえて、停電の早期復旧を実現できる。
本発明の実施例1を実施する状況を示す略図。 同実施例2を実施する状況を示す略図。
符号の説明
1 電力ケーブル
2 ケーブル導体
3 電気パルス検出器
4 音波検出器
5 時間差測定装置
6 ブロッキング抵抗
7 直流高圧電源
8 注入器

Claims (4)

  1. ケーブルの事故点で同時に発生した電気パルスと音波とがそれぞれこのケーブルの両端部に到達した時刻を計測すると共に、これら両端部毎にそれぞれ上記電気パルスが到達した時刻と上記音波が到達した時刻との時間差を求め、これら各時間差に基づいて上記事故点を特定するケーブルの事故点特定方法。
  2. 請求項1に記載したケーブルの事故点特定方法を実施する為の装置であって、ケーブルの両端部に到達した電気パルスを検出する為の1対の電気パルス検出器と、同じく音波を検出する為の1対の音波検出器と、上記両端部でそれぞれ、上記電気パルス検出器が電気パルスを検出した時刻と上記音波検出器が音波を検出した時刻とを計測すると共にこれら両時刻の時間差を求める為の1対の時間差測定装置とを備えた、ケーブルの事故点測定装置。
  3. ケーブルの一端部から同時に注入した電気パルスと音波とがそれぞれこのケーブルの他端部に到達した時刻を計測すると共に、これら両時刻の時間差を求め、この時間差に基づいて上記ケーブル内での上記音波の伝播速度を求める準備作業と、このケーブルの事故点で同時に発生した電気パルスと音波とがそれぞれこのケーブルの同一の端部に到達した時刻を計測すると共に、これら両時刻の時間差を求める測定作業とを、それぞれ行ない、この測定作業で求めた時間差と上記準備作業で求めた音波の伝播速度とに基づいて上記事故点を特定するケーブルの事故点特定方法。
  4. 請求項3に記載したケーブルの事故点特定方法を実施する為の装置であって、ケーブルの一端部から電気パルスと音波とを同時に注入する為の注入器と、このケーブルの他端部に到達した電気パルスを検出する為の電気パルス検出器と、同じく音波を検出する為の音波検出器と、上記電気パルス検出器が電気パルスを検出した時刻とこの音波検出器が音波を検出した時刻とを計測すると共にこれら両時刻の時間差を求める為の時間差測定装置とを備えた、ケーブルの事故点特定装置。
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