JP2005172342A - 熱交換システム及び蓄熱材を用いた熱交換方法 - Google Patents

熱交換システム及び蓄熱材を用いた熱交換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、長期間に亘って分散的に発生される常温排熱を、蓄熱槽のコンパクトな空間に効率よく蓄熱回収して、この蓄熱を日単位から年間単位まで変動する時間帯の熱源として随時安定的に利用することのできる熱交換システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、高熱源から循環供給される第1の熱媒体と熱交換して溶融・凝固される蓄熱材を保持する熱媒体流路を備えた蓄熱槽と、前記熱媒体流路内に配置され低熱源から供給される第2の熱媒体を前記第1の熱媒体によって加熱して伝熱面を介して前記低熱源に排出又は循環する熱交換器と、前記熱媒体流路に前記第1の熱媒体を供給する熱媒体供給手段、及び/又は、前記熱媒体流路に配設され前記第1の熱媒体を撹拌する撹拌手段と、前記熱媒体供給手段及び/又は前記撹拌手段を用い前記伝熱面の周囲に形成される懸濁層やエマルジョン層の層厚や蓄熱材密度を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は比較的低温の排熱を有効に利用するための熱交換システム及び蓄熱材を用いた熱交換方法に関し、特に0℃〜60℃程度の低温排熱の蓄熱と回収を日単位の長時間サイクルにおいて行う中小規模蓄熱槽設備に好適な熱交換システム、及びこのような熱交換システムなどに適用される蓄熱材を用いた熱交換方法に関する。
従来から各種の建築設備や建築物周辺などの高熱源から発生する常温排熱または低温排熱の蓄熱や回収して利用側の低熱源に供する熱交換システムは、利用側の必要温度と高熱源との温度差が小さいことに加え、発生熱量がまとまらず分散的であるためにその利用に限界があり、多くの場合未利用のまま放置されている。
このような熱交換システムにおいて、ガスヒートポンプ(GHP)、マイクロガスタービン(MIT)、小型ガス発電給湯暖冷房システム、燃料電池などの中小規模建築物用あるいは一般住宅用などのコジェネレーションシステムは、常温排熱の回収を比較的効率的に実現している例であり、そこで回収された熱量は建物内に設置した貯湯槽などを経て給湯や温水床暖房などへの利用が想定されている。
このような比較的温度差の少ない高熱源と低熱源との間で熱媒体を介して熱交換を行う熱交換システムなどに関連して、例えば以下のような技術のものが開示されている。
(特許文献1)には、親油性熱媒体中にそれより高い凝固温度を有しかつそれに難溶性の非親油性熱媒体を溶液と液滴として分散させたエマルジョンとし、該エマルジョン熱媒体を冷却することによってエマルジョン中の液滴を固化し粒子としてスラリー状熱媒体にする放熱工程と、該スラリー状熱媒体を輸送する熱輸送工程と、前記スラリー状熱媒体を加熱することによって前記固化した粒子を液滴化してエマルジョン熱媒体とする吸熱工程とを有する熱変換熱輸送方法が記載されている。
(特許文献2)には、熱源から熱需要側に熱輸送及び蓄熱を行い、この熱をヒートポンプで汲み上げて利用する熱回収システムにおいて、液体状態で水に溶解しない不溶解性の物質を熱媒体として用い、該熱媒体を熱源側の熱源水と直接接触させる熱回収部と該熱媒体を熱需要側で粒子状の熱媒体を貯留する蓄熱槽とを有し、該熱媒体を熱回収部と凝固手段と蓄熱槽の間で循環させるその間に該熱媒体の液体と固体間の相変化に要する潜熱を利用して熱源水から熱を得るようにした低温度差熱回収システムが開示されている。
(特許文献3)には、流動性を有する蓄熱材を所定量貯留した蓄熱槽と、該蓄熱材と比重が異なり蓄熱材よりも凝固点が低く互いに溶解しない循環冷媒を被冷却体及び冷凍機を介して前記蓄熱槽に循環させる冷媒循環系統を備え、該循環系経路は、前記蓄熱槽内の蓄熱材中に循環冷媒を直接導入する循環冷媒導入部と、蓄熱槽内で比重差により蓄熱材から分離した循環冷媒を導出する循環冷媒導出部と、蓄熱槽内に配設された熱交換器とを備えた蓄熱装置が記載されている。
特開平2−139031号公報 特開平6−147566号公報 特開平8−270989号公報
しかしながら、前記従来の技術のものでは、以下のような解決すべき課題があった。
(1)従来の中小規模建築物用や一般住宅用などに適用されるコジェネレーションシステムでは、ここで要求される温度は給湯の場合で60℃前後、温水床暖房では80℃以上であるため、60℃以下の低温排熱は対象外になるか追い炊きなどが必要になる。
また、温水を貯める貯湯槽自体を断熱材で囲んで断熱するようにしても、このような断熱材だけでは装置からの熱損失を十分に防ぐことはできないので、一日の需要量を越えるような常温排熱を長期間にわたって保存できず、回収した排熱を日単位で使い切ることが前提となるため、低温排熱を任意の時間帯に多目的に利用することは実用上困難であるという課題があった。
(2)(特許文献1)に記載の熱媒体がエマルジョン状態からスラリー状態に相変化する際の転移熱を利用して熱輸送する方法のものでは、エマルジョン状態及びスラリー状態でそれぞれ熱媒体を保持して放熱及び吸熱させるための独立した装置と熱媒体の移送装置を必要とするため、装置構成が複雑でその運転制御性やメンテナンス性、経済性に欠け、住宅用などの中小規模建築物用のシステムにはなじまないという課題があった。
(3)(特許文献2)に記載の液体と固体間の相変化に伴う潜熱を利用して熱源水から熱を得るようにした低温度差熱回収システムにおいては、(特許文献1)と同様に、相変化する熱媒体を熱回収部と蓄熱槽との間で循環移動させるので、この移動に伴う熱損失や動力を要して経済性に欠けるとともに装置システムをコンパクトに構成させることが困難であり、汎用性に欠けるという課題があった。
(4)(特許文献3)に記載の流動性を有する蓄熱材を所定量貯留した蓄熱槽に循環冷媒を循環させる冷媒循環系統を備え、この蓄熱材を凝固させる際の顕熱や潜熱により冷熱を蓄えるようにした蓄熱装置は、冷媒循環系統に保持された熱交換器の伝熱面における伝熱条件を調整する機構を備えていないので、冷熱をその時点での環境温度やニーズに応じた適正条件で取り出すための制御性に欠け、所定の時間帯で適宜利用することが困難であるという課題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたもので、長期間に亘って分散的に発生される常温排熱を、蓄熱槽のコンパクトな空間に効率よく蓄熱回収して、この蓄熱を日単位から年間単位まで変動する時間帯の熱源として随時安定的に利用することのできる熱交換システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、蓄熱材を保持した蓄熱槽内の熱伝達条件を調整して効率的かつ適正に熱交換を行うことのできる蓄熱材を用いた熱交換方法を提供することを目的とする。
本発明の熱交換システム及び蓄熱材を用いた熱交換方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の熱交換システムは、高熱源から循環供給される第1の熱媒体と熱交換して溶融・凝固される蓄熱材を保持する熱媒体流路を備えた蓄熱槽と、前記熱媒体流路内に配置され低熱源から供給され内部を流れる第2の熱媒体を前記蓄熱材を分散させた前記第1の熱媒体によって加熱して伝熱面を介して前記低熱源に排出又は循環する熱交換器と、前記熱媒体流路に前記第1の熱媒体を供給する熱媒体供給手段、及び/又は、前記熱媒体流路に配設され前記第1の熱媒体を撹拌する撹拌手段と、前記熱媒体供給手段及び/又は前記撹拌手段を用い、前記蓄熱材を含む前記第1の熱媒体によって前記伝熱面の周囲に形成される懸濁層やエマルジョン層の層厚や蓄熱材密度を制御する制御部と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)年間にわたって住宅などの各熱装置から分散して発生する常温排熱を、コンパクトな蓄熱槽の空間に効率よく蓄熱、保持させ、日単位から年間単位までずれがある時間帯の熱源として随時利用することのできる熱交換システムを構築できる。
(2)第1及び第2の熱媒体間での熱交換や蓄熱を行うための蓄熱槽、蓄熱槽内に第2の熱媒体を流すための熱交換器、蓄熱槽内の第1の熱媒体中の蓄熱材の分散集合状態を制御するための制御部を備えているので、ガスヒートポンプ(GHP)、マイクロガスタービン(MIT)、小型ガス発電給湯暖冷房システム、燃料電池などの中小規模建築物用あるいは一般住宅用コジェネレーションシステムの構成要素として適用できる。
(3)蓄熱槽に蓄熱材を保持させた状態で熱交換を行えるので、装置構成をコンパクトにでき、スペースが制約される狭隘な床下や屋根裏などにも配置でき汎用性に優れるとともに、温度が一定した地下室などに蓄熱槽を配置でき、熱交換システム全体を安定的かつ効率的に稼働させることができる。
ここで、第1及び第2の熱媒体としては、排熱の回収と蓄熱槽への熱移送を担う水やアンモニア、各種アルコールなどの有機質体あるいはこれらの溶液などの液体が用いられ、その熱容量、流動性、化学的安定性、経済性などの点から選択される。第1の熱媒体としてはその使用状態において液状の水が好適に用いられるがこれに限定されるものではなく、第1及び第2の熱媒体がそれぞれ異なるものであってもよい。
高熱源としては、ガスヒートポンプ(GHP)、マイクロガスタービン(MIT)、小型ガス発電給湯暖冷房システム、燃料電池等の各種熱設備の他、太陽熱等によって温められ小屋裏等に蓄熱された温暖な空気や、太陽熱等で温められた温水等も用いることができる。高熱源が空気等の気体の場合は、液体である第1の熱媒体を気体で加熱して用いる。
また、低熱源となる利用側の第2の熱媒体は熱利用の目的によって液体であっても気体であってもよく、熱媒体の搬送経路等を経て居室などの利用側空間または設備に送られる。
蓄熱材としては、蓄熱槽中で第1の熱媒体に接触してその熱を自らの顕熱及び潜熱として蓄積させる物質が用いられ、(a)小スペースに大容量の蓄熱量を確保するために容積基準熱容量が大きいこと、(b)蓄熱槽における放熱時や吸熱時には速やかに熱移動を行わせるために熱媒体と蓄熱材間の熱伝達率が大きく、逆に熱を蓄熱槽内に保持させる期間においては蓄熱材からの熱損失を抑制するために熱伝達率が小さいこと、(c)以上の2要件が常温において満足されることが必要である。
以上の要件を満たす蓄熱材として、例えば、0〜100℃などの常温領域の範囲で固液間相転移する材料すなわち、n−パラフィンやパラフィン系のペンタデカン、ポリエチレングリコール、各種ワックス、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの有機物系やチオ硫酸ナトリウム水和物等の無機水和物等が用いられる。この蓄熱材の相転移時に吸熱あるいは放熱する際の熱量すなわち潜熱は、相変化がない場合に吸熱あるいは放熱する際の熱量すなわち顕熱に比べて2桁以上も大きくなる。このため、使用温度範囲内で溶融凝固する蓄熱材を蓄熱槽に保持させることにより、比較的小容積の蓄熱槽であっても大きな熱量を蓄えることができる。
一般に水和塩系は比重が1.0より大きなものが多いが、発泡剤などを用いて多孔化したり軽量化材と混合するなどの方法や、ポリプロピレン等の合成樹脂製容器内に充填したり被覆するなどの方法によって、比重を0.98以下にすることにより用いることができる。
蓄熱槽としては、その内部に排熱源となる高熱源に連通して第1の熱媒体が循環される熱媒体流路を有する装置が用いられる。この熱媒体流路には所定の熱容量を有する蓄熱材が貯留されて保持される。熱媒体流路には熱利用側となる低熱源に接続され第2の熱媒体を流すための熱交換器が配設される。
熱交換器としては、曲管状や直管状、フィンチューブ状などの形状に形成され、第1の熱媒体が流れる蓄熱槽の熱媒体流路に配設され、熱伝導率の大きな銅等の金属製等で形成された伝熱面を介してその内面側を流れる第2の熱媒体と蓄熱材を分散保持する第1の熱媒体との間で熱交換させる装置が用いられる。
熱媒体供給手段としては、蓄熱槽内の各流路に第1の熱媒体や第2の熱媒体をそれぞれ供給するための供給ポンプ、流量調整弁等が用いられる。
撹拌手段としては、撹拌羽根を回転させる撹拌機などの他に、蓄熱槽内の熱媒体流路に気泡を発生させる気泡発生器や、気泡を吹き込む気泡吹き込み器、超音波発生器、ポンプを介して熱媒体流路から熱媒体の一部を抜き取って流路に設けた吹き込み口から還流させる循環水流発生機などを適用することができる。なお、気泡発生器や、気泡吹き込み器を用いる場合は、蓄熱槽内の熱媒体流路上部に空気抜きを設ける。
制御部としては、蓄熱槽内の各流路に第1及び第2の熱媒体をそれぞれ供給するための供給ポンプ等の熱媒体供給手段や、熱媒体流路内の下部などの所定位置に配置され第1の熱媒体と溶融状態又は半溶融状態、固体状態などの蓄熱材を撹拌するための撹拌羽根など備えた撹拌手段を、蓄熱槽内の各熱媒体温度や高熱源、低熱源の温度を測定する温度センサ、熱媒体の流量計などからの信号に基づいて制御するためのコンピュータなどの装置が用いられる。これによって、蓄熱材を含む第1の熱媒体により前記伝熱面の周囲に形成される懸濁層やエマルジョン層の層厚や蓄熱材密度を、前記熱媒体流路に前記第1の熱媒体を供給する熱媒体供給手段や前記熱媒体流路に設けられた撹拌手段により調整して前記伝熱面における熱伝達条件及び前記熱媒体流路に集合する蓄熱材の蓄熱条件の制御を行うことができる。
こうして、放熱を行う時間帯には、機械撹絆等により第1の熱媒体中に蓄熱材が均一に分散する状態とし、蓄熱材より第1の熱媒体へ熱伝達を促進しつつ、利用側の熱媒体へ熱交換器を介して熱回収させるようにしている。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の熱交換システムであって、前記第1の熱媒体が液体状の水であり、前記蓄熱材が炭素数13〜30のn−パラフィン系炭化水素の単体あるいはそれらのうちの2以上の複合体であるように構成されている。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)炭素数13から30のn−パラフィン系炭化水素は、いずれも比重が0.9以下の単鎖炭素化合物であって、組成変化に伴って固液相転移温度を約0℃から約70℃まで段階的に変化させることができるため、目的の蓄熱温度に近い相転移温度を有する炭素数のパラフィンを選択できる。
(2)第1の熱媒体となる水中にn−パラフィン系炭化水素を懸濁状態あるいはエマルジョン状態にして分散制御させて保持させるようにして、熱交換器の伝熱面における熱伝達条件を制御可能にするとともに、蓄熱材に所定の熱量を蓄積保持させ、この蓄熱された熱量を必要な時期に取り出し可能に保持させて長期間に亘る熱交換システムの熱交換効率を適正に維持させることができる。
(3)炭素数の異なる複数のパラフィンを混合させ、相転移温度の異なる複数のパラフィンを含有させることにより、相転移温度が低いパラフィンが吸熱により液状化しても相転移温度が高いパラフィンを固体状態で維持できる条件が得られる。このため、液相が固相に取り込まれ一体となっている塊状体を得ることができ、浮遊状態での分散制御を容易にすることができる。また、第1の熱媒体との比重差を利用して熱媒体流路の上部に集合させた蓄熱材の塊状体は互いに溶着し難いので、容易に再び分散状態に移行させることができる。さらに、塊状体が形成されるので、簡易なフィルタ等を用いて熱媒体流路から蓄熱材が流出するのを防止できるとともに、放熱及び吸熱の際の表面積を一定に維持させることができ制御性を高めることができる。
(4)熱源あるいは放熱側の条件により目的の蓄熱温度は常に変化することが多いため、複数のパラフィンのうち該蓄熱温度に適合したパラフィンによって、相転移による吸放熱が行われる結果、高熱源からの吸熱及び低熱源への放熱を効率良く行うことができる。蓄熱材の吸放熱は、相転移温度の近傍の狭い範囲でのみ効果的に活用できるからである。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の熱交換システムであって、前記蓄熱材の比重が、前記第1の熱媒体の比重に対して40〜98%好ましくは70〜90%の範囲であるように構成されている。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)蓄熱材の比重が、第1の熱媒体の比重に対して40〜98%好ましくは70〜90%の範囲にあるので、適正に第1の熱媒体中における蓄熱材の分散状態の制御を容易にして熱交換システムを効率的に稼働させることができる。
ここで、熱交換器の伝熱面における伝熱条件は、伝熱面周囲を流れる第1の熱媒体中の蓄熱材分散状態やその流速分布、温度などによっても変化するが、蓄熱材の比重が第1の熱媒体の比重に対して70%より小さくなるにつれ、熱媒体中に分散される蓄熱材の浮上力が強まり、熱交換器の伝熱面を周囲に所定条件となる懸濁層やエマルジョン層を形成させることが困難となるような傾向が現れる。逆に90%を超えるにつれ、熱媒体流路内の熱媒体の流動を沈静化させた際における蓄熱材の浮上又は沈降などによる分離操作が困難となって伝熱条件を所定値に制御するのに支障を生じるような傾向がみられる。特に、40%より小さくなるか98%より大きくなると、これらの傾向が著しいので、いずれも好ましくない。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内のいずれか1に記載の熱交換システムであって、前記蓄熱槽内に保持される第1の熱媒体の質量Aと前記蓄熱材の質量Bとの質量比(A/B)が0.1〜10好ましくは0.5〜5である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)第1の熱媒体と蓄熱材との質量比(A/B)が0.1〜10好ましくは0.5〜5であるので、蓄熱槽内の熱媒体流路に配置された蓄熱材によって蓄積される所定量の熱量を確保して、この熱量を長期にわたって有効に保持できるとともに、必要な時期にこの蓄熱材を放熱して暖房システムなどの熱源として活用することができる。
ここで、蓄熱材の熱容量や比熱などにもよるが、第1の熱媒体の質量Aと蓄熱材の質量Bとの質量比(A/B)が0.5より小さくなるにつれて、混合溶液の粘性が高くなるため蓄熱材を熱媒体流路内で第1の熱媒体中に均一分散させるのが困難になり、所定伝熱条件が確保できなくなる傾向が生じる。逆に質量比(A/B)が5を超えるにつれて、蓄熱槽内に蓄積できる熱容量が不足して、長期に亘って蓄熱量を安定的に利用側に供給するのが困難となるような傾向が生じ、これらの傾向は質量比(A/B)が0.1より小さくなるか、10を超えるとさらに顕著になるので好ましくない。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内のいずれか1に記載の熱交換システムであって、前記蓄熱材が、融点0〜100℃、融解熱30〜350J/gであるように構成されている。
この構成により、請求項1乃至4の内のいずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)蓄熱材が、融点0〜100℃、融解熱30〜350J/gなので、利用側の低熱源に蓄熱を安定供給するために必要な熱量を、蓄熱材が溶融、凝固する際の溶融熱や凝固熱などの潜熱として熱媒体流路の狭いスペース内に効率的に蓄えることができる。
ここで、蓄熱材の融点が0℃〜100℃の範囲より広がると、第1の熱媒体として液体状態の水を使用することが困難となって熱交換システムの汎用性が悪くなるので、好ましくない。
また、蓄熱材に固有の融解熱(又は凝固熱)などの潜熱が30J/gより小さくなると低熱源へ安定供給するために必要な所定の熱容量の確保が困難になり、逆に350J/gより大きくなると、この蓄熱材の融点が前記適正範囲を逸脱したり、第1の熱媒体中でのエマルジョン状態などの調整が困難となったりするような傾向が現れることもあるので好ましくない。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内のいずれか1に記載の熱交換システムであって、前記蓄熱材の熱伝導率が0.02〜3.5W/m・K好ましくは0.15〜0.4W/m・Kの範囲であるように構成されている。
この構成により、請求項1乃至5の内のいずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)蓄熱材の熱伝導率が0.02〜3.5W/m・K好ましくは0.15〜0.4W/m・Kの範囲なので、蓄熱材の第1の熱媒体に対する熱伝達率を所定の適正範囲にして、蓄熱材の吸熱及び放熱時における熱移動速度を良好な範囲に確保するとともに、蓄熱材に蓄熱された熱の保持性も維持して、この両者をバランスさせることにより熱交換システムにおける良好なパフォーマンス性を保持させることができる。
すなわち、第1の熱媒体に対する蓄熱材の熱伝導率、熱伝達率は、蓄熱材に蓄熱または放熱を行う時間帯には熱媒体から蓄熱材への速やかな熱伝達のため大きいことが望ましく、蓄えた熱を蓄熱材に保持させるべき時間帯には熱媒体への熱伝達を抑制するために小さいことが望ましいが、蓄熱材の熱伝導率を所定範囲にすることによって、この相反する条件を満足させ、日単位で分散して発生する常温排熱を効率的に回収し、この蓄熱槽に蓄えた熱量を随時利用することができる。
ここで、蓄熱材の熱伝導率が0.15W/m・Kより小さくなるにつれ、蓄熱材の吸熱や放熱の際の応答が鈍くなって、蓄熱槽における作動効率が低下する傾向が生じ、逆に0.4W/m・Kを超えると蓄熱材に熱を長期間蓄えて保持しておく際の保持性が悪くなるような傾向が生じ、これらの傾向は0.02W/m・Kより小さくなるか3.5W/m・Kを超えるとさらに顕著になるので好ましくない。したがって、適切にシステムを稼動させるためには、保持期間の長期化を優先する場合はこの範囲の中で小さめの値を、またより速やかな吸熱及び放熱の状態を優先する場合は大きめの値を選択すればよい。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内のいずれか1に記載の熱交換システムであって、前記蓄熱材の表面の一部又は全部が、合成樹脂被膜や金属被膜により被覆された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)蓄熱材が溶けて熱媒体流路から流出するのを効果的に防止できるとともに、第1の熱媒体中に分散される蓄熱材を被膜内に保持させ放熱及び吸熱の際の表面積を一定に維持させたり、その浮遊状態の制御を容易にしたりして制御性を高めることができる。
(2)蓄熱材が合成樹脂や金属で被覆されているので、酸化などによる化学変化が抑制され耐久性に優れている。
(3)蓄熱材が合成樹脂や金属で被覆されているので、蓄熱材を、所定径の球状や所定の大きさの平板状、薄片状等の所定形状や大きさに自在に形成することができるとともに、容易に比重調整ができるので、蓄熱材の分散状態を適正な状態に保持させることができる。
ここで、合成樹脂被膜の素材としては、例えばその融点が100℃を超えるような低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂があげられる。また、金属被膜の素材としてはアルミニウムなどが適用できる。
合成樹脂被膜の場合は、合成樹脂製の容器に蓄熱材を充填したり公知のカプセル化技術等を適用して球状、偏平板状、平板状などの形状にして用いることができる。また、パラフィン等の蓄熱材をゴムや合成樹脂に練り込み、板状などの形状にすることもできる。金属被膜の場合は、例えば板状に形成した蓄熱材の表面にアルミニウム製等の金属箔を蒸着もしくは貼着した被覆体を所定形状、例えば一辺が1〜10mmのサイズの正方形状や短冊状などに裁断して用いることも可能である。
本発明の請求項8に記載の蓄熱材を用いた熱交換方法は、第1の熱媒体より比重の小さな蓄熱材が保持された蓄熱槽内の熱媒体流路に第1の熱媒体を循環させ、前記第1の熱媒体及び前記蓄熱材と伝熱面を介して分離された第2の熱媒体と熱交換させる蓄熱材を用いた熱交換方法であって、前記熱媒体流路内への前記第1の熱媒体の流入又は前記熱媒体流路内の前記第1の熱媒体の撹拌によって前記第1の熱媒体中に前記蓄熱材を所定の懸濁状態又はエマルジョン状態で分散させる蓄熱材分散工程と、前記第1の熱媒体の流出入停止及び/又は撹拌の停止により前記熱媒体流路内を沈静化させて前記蓄熱材を前記第1の熱媒体内で集合させる蓄熱材滞留工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)蓄熱材分散工程によって、第1の熱媒体より比重の小さい蓄熱材を保持する蓄熱槽の熱媒体流路に、蓄熱材を所定の懸濁状態又はエマルジョン状態にして分離浮遊させることにより第1の熱媒体と蓄熱材間の熱交換を促進させることができる。また、蓄熱材滞留工程によって、蓄熱材に蓄えた熱量を保持すべき時間帯には、蓄熱材を熱媒体との比重差を利用して集合させて熱交換を抑制させることができる。従って、これら各工程を所定のタイミングで交互に繰り返すことによって、分散的かつ変動して発生する各熱利用システム(高熱源)からの排熱を有効に回収蓄熱して、この蓄積された熱を低熱源に対して必要な時期に適宜供給することが可能になる。
ここで、蓄熱材分散工程は、熱媒体流路内の熱媒体の流入による運動エネルギーあるいは熱媒体流路内に設けた撹拌手段による機械撹拌エネルギーなどにより第1の熱媒体中に蓄熱材を懸濁状態又はエマルジョン状態となるように分散させ、伝熱面周囲における熱伝達率を所定値に維持させる工程である。なお、機械撹拌手段としては撹拌羽根を回転させるものや、熱媒体流路に振動子を配置した超音波照射によるものなどが含まれる。
また、撹拌手段としては、蓄熱槽内の第1の熱媒体が流れる熱媒体流路の下部や側面などに設けた気泡発生機や気泡吹き込み器、水流循環装置などを適用することも可能である。こうしてこの気泡上昇や循環水流に伴う撹拌作用により、蓄熱材の懸濁状態やエマルジョン状態を熱媒体流路に形成させる調整操作を容易にすることができる。
蓄熱材滞留工程は、第1の熱媒体の流出入停止及び/又は前記機械撹拌の停止により前記熱媒体流路内を沈静化させて第1の熱媒体より比重の小さい蓄熱材を第1の熱媒体から分離して熱媒体流路上部などに形成された蓄熱材保持部に集合保持させることにより、潜熱及び顕熱を有した蓄熱材を貯める工程である。この蓄熱材が保持する潜熱及び顕熱の熱量は、蓄熱材分散工程を介して給湯器や暖房設備などの利用側の低熱源に随時取り出すことができ、全体システムの省エネルギー性を向上させ、ランニングコストの削減に寄与させることができる。
請求項1記載の発明によれば、年間に亘り住宅などの各熱装置から分散して発生する常温排熱を、蓄熱槽のコンパクトな空間に効率よく蓄熱、保持させ、日単位から年間単位までずれがある時間帯の熱源として随時利用可能な熱交換システムを構築できる。
すなわち、この熱交換システムは、排熱の長期保持が可能となるため、ガスヒートポンプ(GHP)、マイクロガスタービン(MIT)、小型ガス発電給湯暖冷房システム、燃料電池などにおいて発電効率の良いコジェネレーションシステムのスケジュール設定がシーズンを問わず容易となり、夏季の冷房用電力、照明、厨房、家電製品などの多様な電力需要に随時対応できる。特に、夏季の冷房用電力ピーク時においての電力平準化に寄与することができる。
さらに、年間に亘たり少しずつ回収、蓄熱された熱量は結果として大きな蓄積熱量となり、熱需要の大きい冬季に集中的に使えるとともに、給湯の他、より低温の用途として暖房用温風、冬季ヒートポンプ熱源などの熱需要にも対応できることになる。
因みに、給湯温度は60℃以上、床暖房用温水では80℃以上が必要であるが、暖房用温風ではこれよりはるかに低く吹出し温度で30℃もあれば十分である冬季ヒートポンプは屋外機から外気を熱源としているため、外気が5℃以下になると、著しく成績係数が下がるが、この場合の補助熱源として用いることにより、寒冷地では実用性の低いものになっているヒートポンプ利用などに道を開く意義がある。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の効果に加えて、第1の熱媒体となる水中にn−パラフィン系炭化水素を懸濁状態あるいはエマルジョン状態にして分散制御させて保持させるようにして熱交換器の伝熱面における熱伝達条件を制御可能するとともに、蓄熱材に所定の熱量を蓄積保持させこの蓄熱された熱量を必要な時期に取り出し可能に保持させて長期間に亘る熱交換システムの熱交換効率を適正に維持させることができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の効果に加えて、さらに適正に第1の熱媒体中における蓄熱材の分散状態の制御を容易にして熱交換システムを効率的に稼働させることができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の効果に加えて、蓄熱槽内の熱媒体流路に配置された蓄熱材によって蓄積される所定量の熱量を確保して、この熱量を長期にわたって有効に保持できるとともに、必要な時期にこの蓄熱材を放熱して暖房システムなどの熱源として活用することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の効果に加えて、利用側の低熱源に蓄熱を安定供給するために必要な熱量を蓄熱材が溶融、凝固する際の溶融熱や凝固熱などの潜熱として熱媒体流路の狭いスペース内で効率的に蓄えることができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の効果に加えて、蓄熱材の第1の熱媒体に対する熱伝達率を所定の適正範囲にして、蓄熱材の吸熱及び放熱時における熱移動速度を良好な範囲に確保するとともに、蓄熱材に蓄熱された熱の保持性も維持して、この両者をバランスさせることにより熱交換システムにおける良好なパフォーマンス性を保持させることができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の効果に加えて、蓄熱材が第1の熱媒体に溶出して熱媒体流路から流出するのを効果的に防止できるとともに、第1の熱媒体中に分散される蓄熱材を被膜内に保持させ放熱及び吸熱の際の表面積を一定に維持させたり、その浮遊状態の制御を容易にしたりしてその制御性を高めることができる。
請求項8記載の発明によれば、蓄熱材分散工程によって、第1の熱媒体より比重の小さい蓄熱材を保持する蓄熱槽の熱媒体流路に、蓄熱材を所定の懸濁状態又はエマルジョン状態にして分離浮遊させることにより、第1の熱媒体と蓄熱材間の熱交換を促進させることができる。また、蓄熱材滞留工程が適用される蓄熱材に蓄えた熱量を保持すべき時間帯には、蓄熱材を熱媒体との比重差を利用して集合させて熱交換を抑制させることができるので、これら各工程を所定のタイミングで交互に繰り返すことによって、分散的かつ変動して発生する各熱利用システム(高熱源)からの排熱を有効に回収蓄熱して、この蓄積された熱を低熱源に対して必要な時期に適宜供給することが可能になる。
図1は本発明の一実施の形態に係る蓄熱材を用いた熱交換方法が適用される熱交換システムの構成図である。
図1において、10は本実施の形態の熱交換システム、11は分散的あるいは間欠的に排熱が発生される各種熱設備などの常温排熱源(高熱源)、12は図示しない断熱材で被覆され断熱された蓄熱槽、12aは常温排熱源(高熱源)11と蓄熱槽12に接続され常温排熱源11から水等の第1の熱媒体が供給される断熱された供給管、12bは常温排熱源11と蓄熱槽12に接続され蓄熱槽12から常温排熱源11に第1の熱媒体が排出される排出管、12cは蓄熱槽12内で第1の熱媒体が流れる熱媒体流路、12dは蓄熱槽12に接続された排出管12bの排出口を囲繞して配設され後述する蓄熱材Tが流出するのを防止するメッシュ状や濾布等のフィルタである。蓄熱槽12は、常温排熱源11から供給管12a及び排出管12bを介して、第1の熱媒体が循環供給される熱媒体流路12cを備えており、熱媒体流路12c内にはn−パラフィン系炭化水素等で形成された蓄熱材Tが保持されている。13は曲管状やフィンチューブ状などに形成された伝熱面13aを有し熱媒体流路12c内に配置された熱交換器、13bは熱交換器13と後述する低熱源14に接続され低熱源14から水等の液体や空気等の第2の熱媒体を熱交換器13に流入させる流入管、13cは熱交換器13で加熱された第2の熱媒体を低熱源14に流出させる断熱された流出管、14は熱交換器13で加熱された第2の熱媒体が流出管13cを介して供給される給湯器や暖房装置などの低熱源、15は伝熱面13aの周囲に形成される第1の熱媒体中の蓄熱材Tの分散状態を各媒体の温度,流量,透過度等を検知するセンサSにより取得して、ポンプ15a、15bや流量調整弁などの熱媒体供給手段や撹拌機15cなどの流路の撹拌手段により調整してその蓄熱槽12内の熱伝達条件や蓄熱条件を制御するための制御部である。
以上のように構成された熱交換システム10に適用される蓄熱材Tを用いた熱交換方法における熱伝達機構について図面を参照しながら説明する。
図2は熱交換システムの蓄熱槽における蓄熱材と第1の熱媒体との混和状態を示す模式図であり、図2(a)は蓄熱槽の熱媒体流路に蓄熱材を装入した初期状態を、図2(b)は蓄熱材の一部分散状態を、図2(c)は蓄熱材の完全分散状態を、図2(d)は溶融させた蓄熱材を熱媒体流路上部に集合させた滞留状態を示している。
蓄熱材を用いた熱交換方法においては、まず、図2(a)に示すように、蓄熱槽12内の第1の熱媒体が流れる熱媒体流路12cにn−パラフィンなどを主成分とする蓄熱材Tを配置する。
なお、本実施の形態1においては、蓄熱材Tとしては炭素数13〜30のn−パラフィン炭化水素を用い、この範囲の炭素数のn−パラフィン系炭化水素の単体やこれらの混合物として調整して、蓄熱材の比重を第1の熱媒体の比重に対して40〜98%の範囲に調整し、その平均の熱伝導率を0.02〜3.5W/m・Kの範囲に、その融解熱が30〜350J/gになるように設定しておくことにより、熱媒体流路12cに蓄熱材Tによって形成させる懸濁層のコントロールを容易にしておくことができる。さらに、蓄熱槽12内に保持できる第1の熱媒体の質量Aと蓄熱材の質量Bとの質量比(A/B)に対して、0.1〜10倍の範囲にすることによって、蓄熱槽12内の熱媒体流路12cに配された蓄熱材Tによって蓄積される低熱源への安定供給に必要な所定量の熱量を確保することができる。
図2(a)では、蓄熱材Tは、第1の熱媒体との比重差によって、熱媒体流路12cの上部に浮上し、各々が固化した状態で集合している。
次に、蓄熱材分散工程において、制御部15を用いてポンプ15aを所定の動力で作動させることによって、常温排熱源11から排熱回収を行った第1の熱媒体が、断熱された供給管12a等を経て蓄熱槽12の熱媒体流路12cに強制流入される。蓄熱槽12の熱媒体流路12cは第1の熱媒体と蓄熱材Tの混合状態となっているが、蓄熱槽12内で第1の熱媒体はその運動エネルギーにより、比重差により熱媒体流路12cの上部に浮遊していた蓄熱材Tを熱媒体流路12c内に分散させる(図2(b)参照)。
このとき、必要な程度に撹拌機15cを駆動させて蓄熱材Tの分散を促進させることもできる。この分散による蓄熱材Tと第1の熱媒体との接触面積の増加と第1の熱媒体の運動により、第1の熱媒体と蓄熱材T間の熱伝達は促進される(図2(c)参照)。このとき、第1の熱媒体の温度よりも相転移温度の低い蓄熱材Tは溶融し、溶融した状態として、あるいは第1の熱媒体よりも相転移温度の高い固相状態の蓄熱材と混合した状態や固相状態の蓄熱材に取り込まれて一体化した塊状体のような状態で、第1の熱媒体中に分散される。
このような第1の熱媒体の流動と蓄熱材Tの分散状態においては、第1の熱媒体と蓄熱材T間の熱伝達は、蓄熱材Tの熱伝導率がかなり小さい場合でも、実用上差し支えない条件を作り出すことが可能である。このようなプロセスを経て蓄熱材Tの熱伝達を行い、温度の降下した第1の熱媒体は排出管12b等を経て常温排熱源11に回収される。
吸収した熱を蓄熱槽12に保持すべき時間帯(熱保持期間)には、蓄熱材滞留工程において、制御部15を用いてポンプ15aを停止させて第1の熱媒体の流出入を停止するとともに、撹拌手段15cを停止する。これによって、蓄熱材Tは第1の熱媒体との比重差により浮上し蓄熱槽12の熱媒体流路12cの上部に溶融した状態で集合し、第1の熱媒体との接触面積が小さい状態で沈静化される(図2(d)参照)。しかも、蓄熱材Tが、温度が高く比重が小さい第1の熱媒体が滞留する熱媒体流路12cの上部(熱媒体流路12cの底部には温度が低く比重の大きな第1の熱媒体が滞留する)に浮上して集合するので、蓄熱材Tと接触する第1の熱媒体との温度差を小さくでき、その放熱による損失を抑制できる。
このように蓄熱材滞留工程において、蓄熱材Tを第1の熱媒体の上部に集合させた場合は、蓄熱材の熱伝導率が小さくない場合でも、蓄熱材から第1の熱媒体への熱伝達が実用上意味のある条件まで抑制することが可能である。
なお、有機物系の蓄熱材は水和物系のものに比べて熱伝導率(界面における熱伝達率)が小さいため、蓄熱、放熱時には熱移動の速度が遅くなって不利になるが、本発明では熱伝導率が小さいことをも有利な条件として、吸熱した蓄熱材Tが熱媒体流路12cの上部に集合した状態、即ち熱保持期間にある時、蓄熱材Tの集合の内部から第1の熱媒体と接する蓄熱材Tの集合の下部への熱伝導が小さいことにより、蓄熱材Tから第1の熱媒体への放熱による損失を抑制できるのである。
次に、放熱を行う時間帯には、再び制御部15を用いて攪拌機15cを駆動させ、第1の熱媒体中に蓄熱材Tが均一に分散する状態にする(図2(c)参照)。
このようにして、蓄熱材Tより第1の熱媒体へ熱伝達を促進しつつ、低熱源14側の第2の熱媒体へ熱交換器13の伝熱面13aを介して熱回収する。第2の熱媒体は、熱利用の目的によって液相であっても、空気相であってもよく、流出管13c等を経て居室などの利用側空間や熱利用設備に送られる。
以上のように、蓄熱槽12の蓄熱材Tに保持された潜熱及び顕熱は、蓄熱材分散工程に移行させることにより、所定の時期に随時、低熱源14に取り出して効率的に利用することができる。
以上のように、実施の形態1における熱交換システムは構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)年間にわたって住宅などの各熱装置から分散して発生する常温排熱を、コンパクトな蓄熱槽の空間に効率よく蓄熱、保持させ、日単位から年間単位までずれがある時間帯の熱源として随時利用することのできる熱交換システムを構築できる。
(2)制御部15を備えているので、蓄熱材Tを含む第1の熱媒体により伝熱面13aの周囲に形成される懸濁層やエマルジョン層の層厚や蓄熱材密度を、熱媒体流路12cに第1の熱媒体を供給するポンプ15a等の熱媒体供給手段や熱媒体流路12cに設けられた攪拌機15c等の撹拌手段により調整して、伝熱面13aにおける熱伝達条件及び熱媒体流路12cに集合する蓄熱材Tの蓄熱条件の制御を行うことができるので、放熱を行う時間帯には、機械撹絆等により第1の熱媒体中に蓄熱材Tが均一に分散する状態とし、蓄熱材より第1の熱媒体へ熱伝達を促進しつつ、利用側の第2の熱媒体へ熱交換器13を介して熱回収させることができる。また、熱を保持する時間帯には、制御部15を用いて第1の熱媒体の流出入を停止するとともに撹拌手段15cを停止し、蓄熱材Tを第1の熱媒体との比重差により浮上させて蓄熱槽12の熱媒体流路12cの上部に溶融した状態で集合させることにより、放熱による損失を抑制できる。
(3)排出管12bの排出口を囲繞するメッシュ状や濾布等のフィルタ12dが配設されているので、蓄熱材Tが熱媒体流路12cから流出するのを防止するとともに、溶融して液滴化した蓄熱材Tがフィルタ12dに付着し難く、また付着しても排出口を閉塞し難く、さらに付着した蓄熱材Tに他の蓄熱材Tが凝集することで浮力が増加し浮上し易くフィルタ12dから離れ易くなるため、第1の熱媒体を常温排熱源11と熱媒体流路12cとの間を長期間にわたり循環させることができる。
また、以上のような蓄熱材を用いた熱交換方法によれば、以下のような作用が得られる。
(1)蓄熱材分散工程によって、第1の熱媒体より比重の小さい蓄熱材を保持する蓄熱槽の熱媒体流路に、蓄熱材を所定の懸濁状態又はエマルジョン状態にして分離浮遊させることにより第1の熱媒体と蓄熱材間の熱交換を促進させることができる。また、蓄熱材滞留工程によって、蓄熱材に蓄えた熱量を保持すべき時間帯には、蓄熱材を熱媒体との比重差を利用して集合させて熱交換を抑制させることができる。従って、これら各工程を所定のタイミングで交互に繰り返すことによって、分散的かつ変動して発生する各熱利用システム(高熱源)からの排熱を有効に回収蓄熱して、この蓄積された熱を低熱源に対して必要な時期に適宜供給することが可能であり、マイクロガスタービン(MIT)、小型ガス発電給湯暖冷房システム、燃料電池などにおいて発電効率の良いコジェネレーションシステムのスケジュール設定がシーズンを問わず容易となり、夏季の冷房用電力、照明、厨房、家電製品などの多様な電力需要に随時対応できる。特に、夏季の冷房用電力ピーク時においての電力平準化に寄与することができる。
(2)年間に亘たり少しずつ回収、蓄熱された熱量は結果として大きな蓄積熱量となり、熱需要の大きい冬季に集中的に使えるとともに、給湯の他、より低温の用途として暖房用温風、冬季ヒートポンプ熱源などの熱需要にも対応できる。因みに、給湯温度では60℃以上、床暖房用温水では80℃以上の温度とすることが必要であるが、暖房用温風ではこれよりはるかに低く吹出し温度で30℃もあれば十分である。また、冬季ヒートポンプは屋外機から外気を熱源としているため、外気が5℃以下になると、著しく成績係数が下がるが、この場合の補助熱源として用いることによって、寒冷地では実用性の低いものになっているヒートポンプなどに好適に適用できる。
なお、実施の形態1においては、蓄熱材Tとしてn−パラフィン系炭化水素を用いた場合について説明したが、無機水和物系や、その他の有機物系の蓄熱材を用いることもできる。この場合も固液間相転移熱は30J/gを超えているので、本発明で目的としている1日分以上の排熱を小スペースに蓄熱する容量として十分である。因みに、30J/gの固液間相転移熱は、日サイクルの蓄熱材として使われている砕石の顕熱の約35倍、また水の顕熱の約7倍である。
また、蓄熱材として、蓄熱材の表面の一部又は全部が合成樹脂被膜や金属被膜により被覆されたものを用いる場合もある。この場合は、蓄熱材が溶けて熱媒体流路から流出するのを効果的に防止できるとともに、第1の熱媒体中に分散される蓄熱材を被膜内に保持させ放熱及び吸熱の際の表面積を一定に維持させたり、その浮遊状態の制御を容易にしたりして制御性を高めることができ、さらに酸化などによる化学変化が抑制され耐久性に優れる。
また、図面では、供給管12aが蓄熱槽12の第1の熱媒体の液面下に接続された場合について説明したが、第1の熱媒体の液面よりも上に接続する場合もある。この場合も同様の作用が得られる。
本発明は比較的低温の排熱を有効に利用するための熱交換システム及び蓄熱材を用いた熱交換方法に関し、特に、日単位以上のサイクルで吸熱と放熱が繰り返されて稼働されるような中小規模蓄熱槽設備に適用することができ、分散的、間欠的にして発生する常温排熱をコンパクトな蓄熱槽の空間に効率よく蓄熱回収して、この蓄熱を日単位から年間単位まで変動する時間帯の熱源として随時安定的に利用することのできる熱交換システム及び熱交換方法を提供することができる。
蓄熱材を用いた熱交換方法が適用される熱交換システムの構成図 熱交換システムの蓄熱槽における蓄熱材と第1の熱媒体との混和状態を示す模式図
符号の説明
10 熱交換システム
11 常温排熱源(高熱源)
12 蓄熱槽
12a 供給管
12b 排出管
12c 熱媒体流路
12d フィルタ
13 熱交換器
13a 伝熱面
13b 流入管
13c 流出管
14 低熱源
15 制御部
15a、15b ポンプ
15c 撹拌機

Claims (8)

  1. 高熱源から循環供給される第1の熱媒体と熱交換して溶融・凝固される蓄熱材を保持する熱媒体流路を備えた蓄熱槽と、
    前記熱媒体流路内に配置され低熱源から供給され内部を流れる第2の熱媒体を前記蓄熱材を分散させた前記第1の熱媒体によって加熱して伝熱面を介して前記低熱源に排出又は循環する熱交換器と、
    前記熱媒体流路に前記第1の熱媒体を供給する熱媒体供給手段、及び/又は、前記熱媒体流路に配設され前記第1の熱媒体を撹拌する撹拌手段と、
    前記熱媒体供給手段及び/又は前記撹拌手段を用い、前記蓄熱材を含む前記第1の熱媒体によって前記伝熱面の周囲に形成される懸濁層やエマルジョン層の層厚や蓄熱材密度を制御する制御部と、
    を備えていることを特徴とする熱交換システム。
  2. 前記第1の熱媒体が液体状の水であり、前記蓄熱材が炭素数13〜30のn−パラフィン系炭化水素の単体あるいはそれらのうちの2以上の複合体であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換システム。
  3. 前記蓄熱材の比重が、前記第1の熱媒体の比重に対してその40〜98%の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換システム。
  4. 前記蓄熱槽内に保持される第1の熱媒体の質量Aと前記蓄熱材の質量Bとの質量比(A/B)が0.1〜10であることを特徴とする請求項1乃至3の内のいずれか1に記載の熱交換システム。
  5. 前記蓄熱材が、融点0〜100℃、融解熱30〜350J/gであることを特徴とする請求項1乃至4の内のいずれか1に記載の熱交換システム。
  6. 前記蓄熱材の熱伝導率が、0.02〜3.5W/m・Kの範囲であることを特徴とする請求項1乃至5の内のいずれか1に記載の熱交換システム。
  7. 前記蓄熱材の表面の一部又は全部が、合成樹脂被膜や金属被膜により被覆されていることを特徴とする請求項1乃至6の内のいずれか1に記載の熱交換システム。
  8. 第1の熱媒体より比重の小さな蓄熱材が保持された蓄熱槽内の熱媒体流路に前記第1の熱媒体を循環させ、前記第1の熱媒体及び前記蓄熱材と伝熱面を介して分離された第2の熱媒体と熱交換させる蓄熱材を用いた熱交換方法であって、
    前記熱媒体流路内への前記第1の熱媒体の流入又は前記熱媒体流路内の前記第1の熱媒体の撹拌によって前記第1の熱媒体中に前記蓄熱材を所定の懸濁状態又はエマルジョン状態で分散させる蓄熱材分散工程と、
    前記第1の熱媒体の流出入停止及び/又は撹拌の停止により前記熱媒体流路内を沈静化させて前記蓄熱材を前記第1の熱媒体内で集合させる蓄熱材滞留工程と、
    を備えたことを特徴とする蓄熱材を用いた熱交換方法。
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