JP2005172124A - 電動ブレーキ装置および電動アクチュエータ装置 - Google Patents

電動ブレーキ装置および電動アクチュエータ装置 Download PDF

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功 早瀬
Takaomi Nishigaito
貴臣 西垣戸
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憲次郎 合田
Motosane Hiraishi
元実 平石
Hiroshi Higaki
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Abstract

【課題】
差動ネジ機構を用いて小型軽量でも大きなブレーキ力の発生と高応答性の両立を実現した電動摩擦ブレーキあるいは電動アクチュエータを提供する。
【解決手段】
回転直動部材との間に、前記ネジ部(A)とは対をなし、前記ネジ部(A)のネジピッチに対して同方向であるが、より小さいネジピッチとされたネジ部(B)が形成されて回転直動部材とは相対的な回動運動を行い、駆動源からの回転トルクがトルク伝達手段によって伝達されると、回動運動が与えられて軸方向に移動可能とされてブレーキパッドをV速度で移動させ、前記トルク伝達手段からの回転トルクが切断されると、回転直動部材とは相対的な直線運動を行い、ネジピッチ差に対応したV(ただし、V>V)速度で移動してブレーキパッドをブレーキ部材に押圧させる直動押圧部材とを有し、該直動押圧部材に前記ブレーキパッドを接続して電動摩擦ブレーキ装置が構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は電動摩擦ブレーキ装置、電動アクチュエータ、特に鉄道や自動車などの車両への適用が特に好適な電動摩擦ブレーキ装置に関する。
鉄道車両用摩擦ブレーキは、従来より、例えば特許文献1に「電空併用ブレーキ式電気車用制動制御装置、及び電空併用ブレーキ式電気車の制動制御方法」として記載されているような空気圧縮機、空圧タンク、空圧配管等を搭載した空圧ブレーキが主流であった。
これに対して、空圧方式から電動方式への摩擦ブレーキの方式変化も見られる。それらの電動摩擦ブレーキ構造は例えば特許文献2に「電動ブレーキ装置」として記載されている回転減速機構と回転−直動変換機構との組み合せや、特許文献3に「電動ブレーキ装置」として記載されている一段のボールネジ機構によりブレーキパッド押し付け力を得る構造であった。
また、ブレーキ作動初期の応答性を改善する構造の提案としては特許文献4に「電動ブレーキ装置」として示されているものや、特許文献5に「電動ブレーキ装置」として記載されているような構造があった。
電動アクチュエータ装置としては、特許文献6に記載されたものがある。この特許文献6には、係合スプリングの係合力を受けて摩擦係合される摩擦クラッチにおいて、前記傾動スプリングの係合力を調整して前記摩擦クラッチの係脱作動を制御するアクチュエータであって、ハウジングに回転自在に支持された回転駆動軸と、この回転駆動軸の回転駆動制御を行う駆動制御手段と、前記回転駆動軸の回転運動を軸方向運動に変換する運動変換手段と、この運動変換手段と前記摩擦クラッチとを連結する連結手段とからなり、この連結手段を介して前記運動変換手段により変換された前記軸方向運動を前記摩擦クラッチに伝達して前記係合スプリングの係合力を解放させるようになった摩擦クラッチ係脱作動制御用アクチュエータにおいて、前記運動変換手段が、前記回転駆動軸上に螺合して取り付けられ移動されるようになった第1スライダーと、この第1スライダー上に螺合して取付けられ前記第1スライダーに対する相対回転に応じて前記第1スライダーに対して軸方向に相対移動させるようになった第2スライダーとからなり、前記連結手段の一端が前記係合スプリング力の反力を受けて前記第2スライダーに軸方向に押し付けられて前記第2スライダーと連結されており、前記連結手段の一端から加わる前記係合スプリング力の反力を受けたとき、前記回転駆動軸と前記第1スライダーとの相対回転に対して作用する第1摩擦提供トルクTf1と、前記第1スライダーと前記第2スライダーとの相対回転に対して作用する第2摩擦抵抗トルクTf2と、前記第2スライダーの回転に対して前記連結手段の一端との摩擦により作用する第3摩擦抵抗トルクTf3とが
Tf1<Tf2<Tf3
となるように構成されており、前記第1スライダーは前記回転軸の回転に伴う軸方向移動ストロークのエンドにおいて前記回転軸上に設けられたストッパに当接し、前記回転軸と一体に回転するように構成されている摩擦クラッチ係脱作動制御用アクチュエータが記載されている。
特開2000−71964号公報 特開2003−113877号公報 特開2000−110860号公報 特開2000−291702号公報 特開2001−311443号公報 特開平6−17843号公報
上記従来技術の中の空圧ブレーキ(特許文献1)においては、その必要構成部品である空気圧縮機、空圧タンク、空圧配管等を無くして、それらのための搭載スペース有効活用や部品コスト低減を図りたいという課題が従来からあった。また上記の電動摩擦ブレーキ構造の従来構造(特許文献2)では、電動摩擦ブレーキを小型・軽量にするために小型のモータで十分大きなブレーキパッド押し付け力を得ようとすると、減速機構において大きな減速比を採用しなければならず、ブレーキパッドの直動運動速度が小さくなってブレーキの効き始めが遅れるという問題があった。また、回転−直動変換機構としてボールランプ機構(多条ネジの短区間を取り出した様な機構)と呼ばれる機構を採用しており、直動運動のストロークを大きく取れないため鉄道用などのブレーキパッド隙間が大きいブレーキには使えないという問題があった。一方、1段のボールネジを用いる方式(特許文献3)では、ボールネジのピッチをある程度大きくしてブレーキパッドの直動運動速度を大きくする事が出来、直動運動方向のストロークも大きく取る設計も可能であるが、これを駆動するためのモータトルクも大きくしなければならず一層の小型・軽量化が難しいという課題があった。更に、ブレーキ作動初期の応答性を改善した構造(特許文献4、5)では歯車を使用した減速機構により電動機からの動力伝達径路が複雑な形状となっており、コストアップや装着スペース増大の原因になるという問題があった。
本発明の目的は、機器への搭載スペースの削減とコスト低減を図ることができる電動アクチュエータ装置を提供することにある。これと共に、特に、その電動摩擦ブレーキにおいて一層の小型・軽量化、低コスト化、高応答性化、および、ブレーキパッド隙間が大きいブレーキへの適用性の各項目を同時に実現できる電動摩擦ブレーキを提供することにある。
上記、従来の課題を解決するために、本発明ではまず電動摩擦ブレーキの基本的な機構部分に「新編 機械の素」211頁−28.15(発行所 理工学社 1972第6版)に記載のTroughton’s differential screw(トロットン差動ネジ)と呼ばれる差動ネジ機構を組込んでいる。Troughton’s differential screwの差動ネジ機構に類似する機構によれば、非常にゆっくりした大きな減速比の直動運動を作れてしかも同時に大きなスラスト力を支えることが可能である。この原理を活用し、本発明にあっては、小型の電動機で十分なブレーキパッド押し付け力を発生しこれを支持する構成としている。
また、一般にネジ機構は必要に応じて長さを自由に選べるので、直動運動のストロークを十分確保しブレーキパッドの隙間が大きなブレーキに適用することが可能である。
更に、Troughton’s differential screwと呼ばれる差動ネジ機構は、回転減速機構と回転−直動変換機構との両方を兼ねている機構であり、また各部品は同軸に配置されるので、前記の従来技術に比べて基本構成がシンプルでコストや装着スペースの点で有利となる。
本発明ではまた、上記のTroughton’s differential screwの差動ネジ機構におけるネジ部の少なくとも一部にボールネジを採用している。これによって、大きなスラスト力が作用するネジ部分の摩擦係数を低減して摩擦抵抗を無視できる程に小さくし、電動機に必要な駆動トルクが余分な摩擦抵抗で大きく増大するのを抑える事が出来る。この構成も、電動摩擦ブレーキの小型化のために有効である。
本発明では更に、Troughton’s differential screwの差動ネジ機構を適用した電動摩擦ブレーキにおいて、ブレーキパッドが相手の部材に接触して押し付け力が発生した後に初めて上記差動ネジ機構が効力を発揮するようにしている。すなわち、ブレーキパッドがパッドクリアランスの区間を直動運動して大きなブレーキパッド押し付け力が必要でない期間は、比較的大きな速度でブレーキパッドを直動運動させ相手に接触し出すまでの時間を短縮している。
これによってブレーキの効き始めが遅れる事が防止でき、しかも、ブレーキが効き始めた後は差動ネジ機構が作動するので小型の電動機でも大きなブレーキパッド押し付け力が発揮できる。
本発明では特に、ブレーキパッドの接触前後でブレーキパッドの移動速度が確実に変化する構造とし、ブレーキが効きだすまでの間にブレーキパッドが比較的高速度で移動することと、ブレーキが効き始めた後に差動ネジ機構を作動させて大きなブレーキパッド押し付け力を発揮することの両立を確かなものにしている。
本発明によれば、小型・軽量で応答性が高く、ブレーキパッド隙間が大きい鉄道用摩擦ブレーキ等にも適用でき、しかも作動の信頼性が高い電動摩擦ブレーキを提供することが出来るという効果がある。特に、これらの各特長を同時に実現して商品性の高い電動摩擦ブレーキを得ることができるという効果がある。
更に本発明によれば、小型・軽量で応答性が高く、作動の信頼性の高い電動アクチュエータ装置を得ることができるという効果がある。
電動摩擦ブレーキ装置は、電動機で回転トルクを与えられて回転し且つ軸方向に移動可能に支持された回転直動部材と、前記回転直動部材に形成されたネジ部(A)と対になるネジ部を持ち前記回転直動部材の回転運動を直動運動に変換する機能を有する固定部材と、前記ネジ部(A)とは別に前記回転直動部材に形成されたネジ部(B)と対になるネジ部を持ち前記回転直動部材との相対的な回転運動により前記回転直動部材との相対的な直動運動を行なう直動部材とを構成要素に持ち、前記ネジ部(B)のネジピッチは前記ネジ部(A)のネジピッチに対して同方向ではあるがより小さいネジピッチとし、前記電動機の回転力により前記直動部材に直動運動を行なわせてブレーキパッドを車両側の車軸と共に回転する部材に押し付け摩擦力を発生させるようにして構成される。
ネジ部(A)とネジ部(B)の少なくとも一方はボールを配設したボールネジとして構成する。双方をボールネジとすることが望ましい。
直動部材はブレーキパッドが車両側の車軸と共に回転する部材に押し付けられている間は押し付け力の反力による摩擦力でその軸周りに自転するのを阻止され、ブレーキパッドと車両側の車軸と共に回転する部材との間に隙間がある間は回転直動部材と共に回転直動運動を行なうことができる構成とする。
ブレーキパッドと車両側の車軸と共に回転する部材との間に隙間がある間は、摩擦力または電磁力を利用して直動部材と回転直動部材との間で回転トルクを伝達させ両者に一緒に回転直動運動を行わせる機構を有しており、ブレーキパッドが車両側の車軸と共に回転する部材に押し付けられている間は上記回転トルクの伝達径路を遮断する。
直動部材と回転直動部材との間で摩擦力により回転トルクを伝達する機構は、前記直動部材に対して更に直動運動のみを行なう第2の直動部材を設けてこれを前記直動部材に対してブレーキパッド側にバネにより押し出して回転直動部材に押し付け、その押し付け部の摩擦力により第2の直動部材を介して直動部材と回転直動部材との間に回転トルクを伝達する機構であり、その回転トルクの伝達径路を遮断する手段は、ブレーキパッド押し付け力の反力により第2の直動部材をブレーキパッドと反対側に押し出して回転直動部材と第2の直動部材の押し付け部を離すものとする。
回転直動部材と第2の直動部材の押し付け部の少なくとも一方は円錐面形状とする。
直動部材と回転直動部材との間で電磁力により回転トルクを伝達する機構は、前記直動部材に対して更に直動運動のみを行なう第2の直動部材を設けてこれと電動機のロータとを電磁クラッチにより結合して直動部材と回転直動部材との間に回転トルクを伝達する機構であり、その回転トルクの伝達径路を遮断する手段は、ブレーキパッド押し付け力に感応するセンサを用いてブレーキ押し付け状態を検知し、その検知信号により上記電磁クラッチへの通電を遮断する構造とする。
具体的には、本発明によれば電動摩擦ブレーキ装置は、駆動源と、該駆動源によって回転トルクが与えられて回転し、固定部材との間にネジ部(A)が形成された軸方向に移動可能な回転直動部材と、該回転直動部材の内部に同心状にして配設され、前記回転直動部材との間に、前記ネジ部(A)とは対をなし、前記ネジ部(A)のネジピッチに対して同方向であるが、より小さいネジピッチとされたネジ部(B)が形成されて前記回転直動部材とは相対的な回動運動を行い、前記駆動源からの回転トルクがトルク伝達手段によって伝達されると、回動運動が与えられて軸方向に移動可能とされてブレーキパッドをV1速度で移動させ、前記トルク伝達手段からの回転トルクが切断されると、前記回転直動部材とは相対的な直線運動を行い、ネジピッチ差に対応したV2(ただし、V1>V2)速度で移動してブレーキパッドをブレーキ部材に押圧させる直動押圧部材とを有し、該直動押圧部材に前記ブレーキパッドを接続して構成される。
ネジ部(A)にボールが配設されてボールネジ部とされる。
前記直動押圧部材は、前記回転直動部材の内部に同心状に配設され、前記回転直動部材との間に、ネジ部(B)にボールを配設するボールネジ部が形成された他の回転直動部材と、該他の回転直動部材の内部に同心状に配設され、前記トルク伝達手段との間で回転トルク伝達の接離が行われるセンタ軸とから構成される。
前記トルク伝達手段は、前記他の回転直動部材と前記センタ軸との双方に形成した係合面によって形成される。
前記センタ軸の一端はブレーキパッドに接合するようにされる。
前記他の回転直動部材の下方には前記ブレーキパッドと一体運動するフランジ部が設けられ、該フランジ部と前記他の回転直動部材との間に弾性体が配設され、前記他の回動直動部材が前記フランジ部のストッパに当接すると前記弾性体は前記センタ軸を上方に相対的に直動運動とされて、前記回転直動部材との間の係合面が非係合とされる。
前記トルク伝達手段は、センタ軸と、該センタ軸に取り付けられて前記電動機からの回転トルクの接離を行う電磁クラッチとにより構成される。
更に本発明によれば、駆動源と、該駆動源によって回転トルクが与えられて回転し、固定部材との間にネジ部(A)にボールを配設するボールネジ部が形成された軸方向に移動可能な回転直動部材と、該回転直動部材の内部に同心状にして配設され、前記回転直動部材との間に、前記ボールネジ部とは対をなし、前記ネジ部(A)のネジピッチに対して同方向であるが、より小さいネジピッチとされたネジ部(B)にボールを配設するボールネジ部が形成されて前記回転直動部材とは相対的な回転運動を行い、前記駆動源からの回転トルクがトルク伝達手段によって伝達されると、前記回転直動部材と一体回転して直動し、回転トルクが切断されると次式に示す出力Fp力を発生する直動押圧部材とで構成される電動アクチュエータ装置が提供される。
Figure 2005172124
ただし、Tmは、駆動源によって与えられる回転トルク、
1は、ネジ部(A)にボールを配設したボールネジ部の一回転により移動する量、
2は、ネジ部(B)にボールを配設したボールネジ部の1回転により移動する量。
尚、上述の2つのボールネジ部の摩擦力の小ささに鑑みて、上述の2つのボールネジ部の摩擦力は無視するものとした。
以下、本発明の実施例である鉄道車両用電動摩擦ブレーキを図1ないし図4により説明する。図1および図2は車軸と共に回転するブレーキディスクをブレーキパッドで挟んでブレーキとして機能させるディスクブレーキに、本発明になる電動摩擦ブレーキを適用した第1の実施例である。図1はブレーキパッドがブレーキディスクに接触しておらず未だブレーキが効き出していない状態、図2はブレーキパッドがブレーキディスクに接触して挟んでおりブレーキが効いている状態を示している。
図1および図2において、駆動源である電動機1のロータ部分1aから第1の回転直動部材である第1ネジ軸2には滑りキー3により回転力が伝達される。第1ネジ軸2は固定部材として機能するフレーム4とピッチP1のボールネジ部によりネジ対偶により組み合わされている。このボールネジ部は第1ネジ軸2の外周に形成されたボールネジ溝2aと、フレーム4の内周部に形成されボール4bとその循環通路を有するボールナット部4aとからなっている。第1ネジ軸の内周部には直動が可能な他の直動部材である第2ネジ軸5が挿入されており両者はピッチP2の別のボールネジ部により組み合わされている。こちらのボールネジ部は第1ネジ軸2の内周に形成されボールとその循環通路を有するボールナット部2bと第2ネジ軸5の外周に形成されたボールネジ溝5aとからなっている。これら二つのボールネジ部4a、2bは、以上のように対をなしている。
第2ネジ軸5の更に内周(内部に同心状に)にはセンタ軸6が挿入されている。第2ネジ軸5とセンタ軸6とは滑りキー7により相対的に回転しないように拘束されており、また両者の間に組込まれたサラバネ8のバネ力により、センタ軸6には第2ネジ軸5に対して図1および図2における下方に移動する方向の力が作用している。センタ軸6の第2ネジ軸5に対する上方への相対的な移動は、センタ軸6の下部に形成されたフランジ部6aのストッパ6bが第2ネジ軸5の下端面5bに突き当たることにより規制される。第2ネジ軸2とセンタ軸6とによって直動押圧部材6が形成される。
図1および図2のセンタ軸6の上部にはフランジ状の円錐面部6cが固定されており、この円筒面部6cが図1のように第1ネジ軸2の上部に形成された円錐面部2cに前記サラバネ8のバネ力により密着している場合、その密着部の摩擦力により第1ネジ軸2とセンタ軸6およびセンタ軸6と滑りキー7で拘束された第2ネジ軸5の3部品が相対的に回転せず一緒に回転するための拘束を与えている。本実施例では、センタ軸6の円錐面部6cが第1ネジ軸2の円錐面部2cから受ける軸方向の反力はサラバネ8を介して第2ネジ軸5に伝えられ、第2ネジ軸5がボールネジ部を介して第1ネジ軸2から受ける軸方向の反力と釣り合っている。 すなわち、電動機1からの回転トルクは伝達手段である円錐面部6c、円錐面部2cによって伝達される。トルク伝達手段は他の構成であってもよい。ボールネジ部はピッチ角だけネジ面が傾斜しているので、第2ネジ軸5が受ける反力には円周方向の成分があり第2ネジ軸5を第1ネジ軸2に対して回転させようとするトルクが作用するが、滑りキー7で連結されたセンタ軸6が摩擦力により第1ネジ軸2と一緒に回転しようとするトルクの方が大きいので、結局、第1ネジ軸2とセンタ軸6、第2ネジ軸5の3部品が相対的に回転せず一緒に回転する。ここでは、上記の円錐面部2c、6cが円錐面で密着する事によりサラバネ8のバネ力に対して接触面における垂直抗力が大きくなり、センタ軸6が摩擦力により第1ネジ軸2と一緒に回転しようとするトルクをより大きくするのに効果を発揮している。なお、上記の円錐面部2c、6cの一方は円錐面でなく例えば球面であっても接触点の垂直抗力は同様に大きくなるので同様な効果が得られる。
センタ軸6の下部のフランジ部6aには第1ブレーキパッド9が装着されている。その際に、両者は互いに回転できるが軸方向へは一緒に移動するように装着されている。
固定部材であるフレーム4にはアーム部材10が固定手段10aによって固定され、第1ブレーキパッド9に対向したその先端部の面には第2ブレーキパッド11が装着されている。そして、これらの第1ブレーキパッド9と第2ブレーキパッド11は、電動摩擦ブレーキ全体が鉄道台車などに取り付けられることにより、ブレーキ部材であるブレーキディスク12を挟む位置に支持されている。ブレーキディスク12は鉄道車両の車軸13に固定されその中心軸周りに車軸13と共に回転する。車軸13の両端部には車輪14(片方のみ図示する)が固定されている。図1は、第1ブレーキパッド9および第2ブレーキパッド11とブレーキディスク12との間に未だ隙間δがあってパッド押し付け力が発生せずブレーキは効いていない状態を示す。図2は、第1ブレーキパッド9および第2ブレーキパッド11とブレーキディスク12とが密着してパッド押し付け力によりブレーキが効き出している状態である。
以上の構成におけるブレーキの作動を以下説明する。まず図1により、ブレーキの指令信号が入ってブレーキが作動を始めているが未だブレーキが効き始めていない状態を説明する。
図1においては、ブレーキ指令により電動機1のロータ部分1aが回転し、これと滑りキー3で連結された第1ネジ軸2が回転している。第1ネジ軸2は一方でフレーム4とピッチP1のボールネジで組み合わされており、フレーム4に対して1回転当たりP1の距離の割合で図1の下方に移動する。ところでブレーキが効き始めていない状態では、第2ネジ軸5は以前に述べたようにセンタ軸6と第1ネジ軸2の円筒面部の係合による摩擦によりセンタ軸6および滑りキー7を介して回転トルクを与えられ第1ネジ軸2と一緒に回転する。第2ネジ軸5と第1ネジ軸2とは、また、ボールネジを介して組み合わされており相対的に回転しないかぎり軸方向の相対変位が発生しない。結局、図1においては第1ネジ軸2、第2ネジ軸5、センタ軸6が、電動機のロータ部分1aが1回転する間にP1の割合の比較的高速V1で軸方向に移動し、その結果第1ブレーキパッド9と第2ブレーキパッド11との距離が上記の比較的高速V1で減少する。
すなわち、本実施例では初期のブレーキパッド隙間δ(両側で合計2δ)分離れていたブレーキパッド9,11が短時間で両側からブレーキディスク12に密着するので応答性の高い電動摩擦ブレーキが得られるという効果がある。
また、各ネジ部の長さはボールネジ溝2a、5aの巻き数を増やして十分長くすることが可能であるので初期のブレーキパッド隙間の合計2δが大きくても、これに対応した設計が可能である。ブレーキパッド隙間δは、自動車用摩擦ブレーキの場合に比べて鉄道用摩擦ブレーキの場合には1桁以上大きくなる場合があり、そのような場合にも差動ネジ機構を用いた本実施例は十分なブレーキパッドのストロークを確保して対応できるという効果がある。
なお、実施例の電動摩擦ブレーキ全体は、紙面直角方向の動きは規制されているが
図1及び図2の軸方向にはある程度移動できる状態で支持されており、電動摩擦ブレーキの内部において軸方向に移動するブレーキパッド9が第1ブレーキパッド9のみであっても、電動摩擦ブレーキ全体が軸方向に移動する事により最終的には2つのブレーキパッド9がブレーキディスク12の両側から密着して挟み込む状態となる。次に、図2によりブレーキが効き始めてからの作動状態を説明する。図2では第1ブレーキパッド9とブレーキディスク12の間の押し付け力によりサラバネ8を撓ませてセンタ軸6が第2ネジ軸5に対して上方に移動している。この結果、第2ネジ軸5の下端面5bにセンタ軸6のストッパ6bが接触し直接センタ軸6が第2ネジ軸5に押されてブレーキパッド9をブレーキディスク12に押し付けている。センタ軸6が第2ネジ軸5に対して上方に移動することにより同時に上部の円錐面部6cが第1ネジ軸2の円錐面部2cから離れ、第1ネジ軸2→円錐面部2c→円錐面部6c→センタ軸6→滑りキー7→第2ネジ軸5の径路で回転トルクを伝達する径路が遮断されている。代りに、ブレーキパッド9→センタ軸フランジ部6a→ストッパ6b→下端面5b→第2ネジ軸5の径路と、ブレーキパッド9→センタ軸フランジ部6a→滑りキー7→第2ネジ軸5の径路でブレーキパッド9と第2ネジ軸5の間で回転トルクを伝達する径路が新たに形成されている。このように、直動押圧部材はブレーキパッド9をブレーキディスク12に押し付けることになる。押し付けは、上記のいずれの経路でなされてもよい。
ブレーキパッド9はブレーキディスク12との摩擦力で図2の紙面直角方向の力を受けるが、第2ネジ軸5やセンタ軸6の中心軸周りに回転しようとする摩擦トルクを受けているわけではなく上記中心軸周りには回転しない。つまり、ブレーキが効き始めた図2の状態での第2ネジ軸5は、ブレーキパッド9とブレーキディスク12との間の押し付け力を伝達する部分の摩擦抵抗により、第1ネジ軸2とは一緒に回転せず軸方向への直動のみを行なう。
2つのボールネジ部はいずれも右ネジであるとして第1ネジ軸2を上方から見て時計周りに回転駆動したとすると、第1ネジ軸2は図2において1回転あたりフレーム4に対してP1だけ下方に移動する。一方、第2ネジ軸5の回転が阻止されており第1ネジ軸2は第2ネジ軸5に対しても同時に上方から見て時計周りに回転しているので、やはり1回転あたり第2ネジ軸5に対してP2だけ下方に移動する。これは逆に1回転あたり第2ネジ軸5が第1ネジ軸2に対してP2だけ上方に移動することを意味している。
すなわち、第1ネジ軸2を1回転させることにより第2ネジ軸5は固定部材であるフレーム4に対してP1−P2だけ下方に移動する事になる。P1およびP2はそれぞれある程度の大きさのネジピッチであっても、P2をP1よりわずかだけ小さい値とする事によってP1−P2を微小な値とし第2ネジ軸5に非常に小さい速度V2の直動運動を発生させることが可能である。ブレーキパッド9じゃ弾性機能を有しており、ネジ軸5の小さい速度V2の移動によってブレーキディスク12に押圧されることになる。
もちろん、このように2段のネジ構造にしなくてもネジピッチの値を微小にすれば1段でも非常にゆっくりした直動運動を発生させる事も可能であるが、ネジ山が微小になる事によって大きなスラスト荷重を支える事が困難になる。また1段のネジだけでは直動運動と同時に回転運動も行なうのでこれで直接ブレーキパッドを押すのは相対的な回転による摩擦抵抗や摩耗の原因となる。この2段のネジ構造である差動ネジ機構によれば、非常にゆっくりとした大きな減速比の直動運動を作れ、しかも個々のネジ部には十分な強度を持たせて大きなスラスト力を支えることが可能である。また、相対的に回転しない部材でブレーキパッドを押すことも可能になる。
今、電動機1のトルクTmとブレーキパッド押し付け力Fp力との関係を考える。ある瞬間に電動機の回転周期がΔtであった場合、途中の動力伝達径路での摩擦損失などを考えなければ、その瞬間の電動機ロータ部分1aの仕事率(単位時間当たりにする仕事)と
第2ネジ軸5がブレーキパッド押し付け力Fpの力に逆らって1回転当たりP1−P2だけ移動して行なう仕事率は等しいので
Figure 2005172124
となる。この場合に、ボールを配設した2つのネジ部構成によって摩擦損失は極めて小さく、無視できるほどである。
(2)式より、摩擦などによる損失を含まぬ理論仕事を行なう為に電動機1に必要なトルクTmは、大きなブレーキパッド押し付け力Fpを発生しなければならない場合であっても、2つのネジピッチの差;P1−P2を小さくする事により十分小さく出来ることが分かる。
実際に電動機1に必要なトルクは、(2)式のTmに摩擦抵抗による増大分を上乗せしたものになるが、その摩擦抵抗の大きな部分を占めると考えられるのが、大きなブレーキパッド押し付け力Fpを伝達する2つのネジ部における摩擦抵抗である。しかし、本実施例では2つのネジ部においてボールネジを採用しており相対的な滑りを避けてコロガリ対偶としているので、その摩擦係数は一般的には1000分台となり、実際に電動機1に必要なトルクが(2)式から極端に増大することはない。
以上の構成によれば、駆動源と、該駆動源によって回転トルクが与えられて回転し、固定部材との間にネジ部(A)にボールを配設するボールネジ部が形成された軸方向に移動可能な回転直動部材と、該回転直動部材の内部に同心状にして配設され、前記回転直動部材との間に、前記ボールネジ部とは対をなし、前記ネジ部(A)のネジピッチに対して同方向であるが、より小さいネジピッチとされたネジ部(B)にボールを配設するボールネジ部が形成されて前記回転直動部材とは相対的な回転運動を行い、前記駆動源からの回転トルクがトルク伝達手段によって伝達されると、前記回転直動部材と一体回転して直動し、回転トルクが切断されると前述に示す出力Fp力を発生する直動押圧部材とで構成される電動アクチュエータ装置が提供される。
ただし、Tmは、駆動源によって与えられる回転トルク、
1は、ネジ部(A)にボールを配設したボールネジ部の一回転により移動する量、
2は、ネジ部(B)にボールを配設したボールネジ部の1回転により移動する量。
尚、上述の2つのボールネジ部の摩擦力の小ささに鑑みて、上述の2つのボールネジ部の摩擦力は無視するものとした。
そして、前記直動押圧部材は、前記回転直動部材の内部に同心状に配設され、前記回転直動部材との間に、ネジ部(B)にボールを配設するボールネジ部が形成された他の回転直動部材と、該他の回転直動部材の内部に同心状に配設され、前記トルク伝達手段との間で回転トルク伝達の接離が行われるセンタ軸とから構成され、前記トルク伝達手段は、前記他の回転直動部材と前記センタ軸との双方に形成した係合面によって形成される電動アクチュエータ装置が提供される。
すなわち、本実施例では電動機1が小型でその駆動トルクが小さくても十分大きなブレーキパッド押し付け力を発生する事が出来、しかも電動機1や各機構部品を同軸上にシンプルに配置して構成しているので、電動アクチュエータ、特に電動摩擦ブレーキを小型・軽量にすることが出来るという効果がある。
なお、本実施例において小型の電動機1で十分大きなブレーキパッド押し付け力を発生するために活用したTroughton’s differential screwと呼ばれる差動ネジ機構は、その構成部品が全て同軸状に配置され特許文献5のように歯車を使用した減速機構に比べて特に径方向にコンパクトに全体構成をまとめることが出来る。ブレーキのを電動方式にすれば、空圧方式で必要であった空気圧縮機や空圧タンクなどの構成機器の装着スペースは削減できるが、最終的に車軸に摩擦抵抗を作用させるためのアクチュエータ部分に関しては電動化により装着スペースの余裕が出来るとは言えない。空圧シリンダを中心に構成された空圧方式におけるアクチュエータ部分が装着されていたスペースに、電動摩擦ブレーキでは動力源である電動機1と一体となった電動方式のアクチュエータを装着しなければならず、図1や図2の例えば車軸13や車輪14のように周囲に配置された部品との間の干渉を回避するために電動摩擦ブレーキの全体構成はやはりコンパクトにまとめる事が必要であり、本実施例ではこのニーズに応えることが出来る。
図3に本発明をディスクブレーキ方式の電動摩擦ブレーキに適用した第2の実施例を示す。実施例1と同一の構成には同一の番号を付し、説明を極力繰り返さない。図3は、第1の実施例においてブレーキパッド押し付け力が発生する以前の状態を示した図1と同様に、第2の実施例の電動摩擦ブレーキにおいてブレーキパッド押し付け力が発生する以前の状態を示したものである。第1の実施例と第2の実施例とは共通構造部分が多く一部が異なっている。図3を用いて、前記第1の実施例と相違している部分を中心に解説しながら第2の実施例を説明する。
カバー20にはコイルを内蔵した電磁クラッチステータ21が取り付けられている。また、電動機のロータ部分15aには、非磁性部材22を介して磁性材料で形成した電磁クラッチのアーマチャロータ23が取り付けられ、電動機のロータ部分15aおよびこれと滑りキー3を介して連結された第1ネジ軸16(先の実施例の2に相当)と共に回転する。第2ネジ軸17(先の実施例の5に相当)の上部にはセンタ軸18d(先の実施例の6dに相当)が挿入されており、この両者は滑りキー19により一緒に回転するが軸方向には相対的に動けるように拘束されている。第2ネジ軸17とセンタ軸18dによって直動押圧部材18(先の実施例の6に相当)が構成される。トルク伝達手段について説明する。センタ軸18の上部には非磁性体ディスク24とこれと一体になったアーマチャディスク25が固定されている。第2ネジ軸17の下部のフランジ部17bには第1ブレーキパッド9が直接取り付けられている。第1ブレーキパッド9とフランジ部17bとは軸方向に一緒に移動するが互いの相対的な回転は許容されているので、第1ブレーキパッド9が軸まわりに回転できなくても第2ネジ軸17はその軸まわりに回転する事ができる。アーム部材10には、第1ブレーキパッド9や第2ブレーキパッド11の押し付け力をアーム部材10に発生する歪みで感知するセンサとして歪みゲージ26が取付けられており、その信号をコントローラ27で受けて電磁クラッチステータ21への通電の開閉を行なう構造である。図3のように各ブレーキパッドとブレーキディスク12との間に隙間δがある間、すなわち、ブレーキパッド押し付け力とそれによる歪みが大きくならない間は、コントローラ27は電磁クラッチに対して閉の信号を出し電磁クラッチステータ21に通電する。一方この第2の実施例において、第1ブレーキパッド9と第2ブレーキパッド11がブレーキディスク12を挟んでの押し付け力とそれによる歪みが大きくなると、コントローラ27は電磁クラッチに対して開の信号を出し電磁クラッチステータ21への通電を遮断する。
電磁クラッチにおいては、ステータ21のコイル21aに通電した場合、コの字の断面形状を持つ磁性体のケース部分21bとアーマチャロータ23とアーマチャディスク25で形成される磁気回路が周囲に形成される。図3では電磁クラッチステータ21のコイル21aに通電した状態を示しており、形成された磁気回路によりアーマチャディスク25をアーマチャロータ23に吸引する磁気力が発生して、両者が結合している。これにより、上記のアーマチャディスク25とアーマチャロータ23がそれぞれ取り付けられたセンタ軸18と電動機のロータ部分15aが一緒に回転し、更にセンタ軸18とロータ部分15aにそれぞれ滑りキー19、3で連結された第2ネジ軸17と第1ネジ軸16も含めてこれら全体が一緒に回転する。今、電動機15を回転駆動すると滑りキー3によりまず第1ネジ軸16が回転するが第1の実施例と同様に第1ネジ軸16はピッチP1のボールネジを介して固定部材であるフレーム4と連結されているため、電動機のロータ部分15aの1回転あたり距離P1の割合の比較的大きな速度V1で下方に移動する。第2ネジ軸17と第1ネジ軸16とはやはり第1の実施例と同様にピッチP2のボールネジを介して組み合わされており、しかも上記のとおり相対的に回転しないので軸方向にも一緒に移動する。すなわち、第2ネジ軸17とブレーキパッド9も比較的大きな速度V1で下方に移動する。
一方、この第2の実施例において第1ブレーキパッド9と第2ブレーキパッド11がブレーキディスク12を挟んでの押し付け力とそれによる歪みが大きくなるとコントローラ27の指令により電磁クラッチが開の状態になり、センタ軸18およびこれと滑りキー19で連結された第2ネジ軸17が、電動機のロータ部分15aおよびこれに滑りキー3で連結された第1ネジ軸16に対して回転方向に自由になる。同時に第1ブレーキパッド9の押し付け力は第1ブレーキパッド9とフランジ部17bとの接触部にも作用して摩擦力によって第2ネジ軸17の回転を止める。このため図2に示した第1の実施例の状態と全く同じになって、電動機のロータ部分15aの1回転あたり第2ネジ軸17は固定部材であるフレーム4に対してP1−P2だけ下方に移動する事になり、最終的に、電動機15のトルクが小さくても非常に大きなブレーキパッド押し付け力を発生することが出来る。
このように、直動押圧部材はブレーキパッド9をブレーキディスク12に押し付けることになる。
この本発明の第2の実施例によっても、応答性が高く小型・軽量であり大きなブレーキパッド隙間にも対応できる電動アクチュエータ、特に電動摩擦ブレーキを提供できるという効果がある。
図4に本発明の第3の実施例を示す。図4は図1及び図2の電動摩擦ブレーキにおいて電動機1によってブレーキパッド9の直動運動を作り出す機能を持った部分である電動アクチュエータ部分28を踏面ブレーキに用いたものである。電動アクチュエータ部分28は図示していないが鉄道台車に固定されていて、ブレーキパッド29を車輪14の踏面14aに押し付ける事によって、電動摩擦ブレーキとして作用させる事が出来る。その際、ブレーキパッド29が車輪14の踏面14aから受ける軸方向の反力は電動アクチュエータ部分を介して最終的に台車で支えられる。これは、図1と図2に示したディスクブレーキではブレーキパッド9,11がブレーキディスク12から受ける反力が相殺し合うのでブレーキ全体を軸方向に完全に固定する必要がないのと異なる点である。
しかし、その他の特長であ小型・軽量、高応答性、大きなブレーキパッド隙間への対応性、等は図1及び図2の第1の実施例同様に得られる。すなわち、ディスクブレーキとか踏面ブレーキ等のブレーキ形式に制約されず、摩擦ブレーキの電動化に際して上記の特長を同様に得る事が出来る。
本発明の第1の実施例であるディスクブレーキ方式の電動摩擦ブレーキ断面図で、ブレーキパッド押し付け力が発生していない状態の図。 本発明の第1の実施例であるディスクブレーキ方式の電動摩擦ブレーキ断面図で、ブレーキパッド押し付け力が発生している状態の図。 本発明の第2の実施例であるディスクブレーキ方式の電動摩擦ブレーキ断面図。 本発明の第3の実施例である踏面ブレーキ方式の電動摩擦ブレーキ断面図。
符号の説明
1…電動機、1a…ロータ部分、1b…ステータ部分、2…第1ネジ軸、2a…ボールネジ溝、2b…ボールナット部、2c…円錐面部、3…滑りキー、4…フレーム、4a…ボールナット部、5…第2ネジ軸、5a…ボールネジ溝、5b…下端面、6…センタ軸、6a…フランジ部、6b…ストッパ、6c…円錐面部、7…滑りキー、8…サラバネ、9…第1ブレーキパッド、10…アーム部材、11…第2ブレーキパッド、12…ブレーキディスク、13…車軸、14…車輪、14a…踏面、15…電動機、15a…ロータ部分、15b…ステータ部分、16…第1ネジ軸、16a…ボールネジ溝、16b…ボールナット部、17…第2ネジ軸、17a…ボールネジ溝、17b…フランジ部、18…センタ軸、19…滑りキー、20…カバー、21…電磁クラッチステータ、22…非磁性部材、23…アーマチャロータ、24…非磁性体ディスク、25…アーマチャディスク、26…歪みゲージ、27…コントローラ、28…電動アクチュエータ部分、29…ブレーキパッド、30…レール、P1…ネジのピッチ、P2…ネジのピッチ、δ…ブレーキパッド隙間、V1…押付力発生前のブレーキパッド速度、V2…押付力発生後のブレーキパッド速度。

Claims (8)

  1. 駆動源と、該駆動源によって回転トルクが与えられて回転し、固定部材との間にネジ部(A)が形成された軸方向に移動可能な回転直動部材と、該回転直動部材の内部に同心状にして配設され、前記回転直動部材との間に、前記ネジ部(A)とは対をなし、前記ネジ部(A)のネジピッチに対して同方向であるが、より小さいネジピッチとされたネジ部(B)が形成されて前記回転直動部材とは相対的な回動運動を行い、前記駆動源からの回転トルクがトルク伝達手段によって伝達されると、回動運動が与えられて軸方向に移動可能とされてブレーキパッドをV1速度で移動させ、前記トルク伝達手段からの回転トルクが切断されると、前記回転直動部材とは相対的な直線運動を行い、ネジピッチ差に対応したV2(ただし、V1>V2)速度で移動してブレーキパッドをブレーキ部材に押圧させる直動押圧部材とを有し、該直動押圧部材に前記ブレーキパッドを接続して構成されることを特徴とする電動摩擦ブレーキ装置。
  2. 請求項1において、前記直動押圧部材は、前記回転直動部材の内部に同心状に配設され、前記回転直動部材との間に、ネジ部(B)にボールを配設するボールネジ部が形成された他の回転直動部材と、該他の回転直動部材の内部に同心状に配設され、前記トルク伝達手段との間で回転トルク伝達の接離が行われるセンタ軸とから構成されることを特徴とする電動摩擦ブレーキ装置。
  3. 請求項2において、前記トルク伝達手段は、前記他の回転直動部材と前記センタ軸との双方に形成した係合面によって形成されることを特徴とする電動摩擦ブレーキ装置。
  4. 請求項3において、前記センタ軸の一端はブレーキパッドに接合するようにしたことを特徴とする電動摩擦ブレーキ装置。
  5. 請求項4において、前記他の回転直動部材の下方には前記ブレーキパッドと一体運動するフランジ部が設けられ、該フランジ部と前記他の回転直動部材との間に弾性体が配設され、前記他の回動直動部材が前記フランジ部のストッパに当接すると前記弾性体は前記センタ軸を上方に相対的に直動運動とされて、前記回転直動部材との間の係合面が非係合とされることを特徴とする電動摩擦ブレーキ装置。
  6. 請求項2において、前記トルク伝達手段は、センタ軸と、該センタ軸に取り付けられて前記電動機からの回転トルクの接離を行う電磁クラッチとにより構成されることを特徴とする電動摩擦ブレーキ装置。
  7. 駆動源と、該駆動源によって回転トルクが与えられて回転し、固定部材との間にネジ部(A)にボールを配設するボールネジ部が形成された軸方向に移動可能な回転直動部材と、該回転直動部材の内部に同心状にして配設され、前記回転直動部材との間に、前記ボールネジ部とは対をなし、前記ネジ部(A)のネジピッチに対して同方向であるが、より小さいネジピッチとされたネジ部(B)にボールを配設するボールネジ部が形成されて前記回転直動部材とは相対的な回転運動を行い、前記駆動源からの回転トルクがトルク伝達手段によって伝達されると、前記回転直動部材と一体回転して直動し、回転トルクが切断されると次式に示す出力Fp力を発生する直動押圧部材とで構成されることを特徴とする電動アクチュエータ装置。
    Figure 2005172124
    ただし、Tmは、駆動源によって与えられる回転トルク、
    1は、ネジ部(A)にボールを配設したボールネジ部の一回転により移動する量、
    2は、ネジ部(B)にボールを配設したボールネジ部の1回転により移動する量。
    尚、上述の2つのボールネジ部の摩擦力の小ささに鑑みて、上述の2つのボールネジ部の摩擦力は無視するものとした。
  8. 請求項7において、前記直動押圧部材は、前記回転直動部材の内部に同心状に配設され、前記回転直動部材との間に、ネジ部(B)にボールを配設するボールネジ部が形成された他の回転直動部材と、該他の回転直動部材の内部に同心状に配設され、前記トルク伝達手段との間で回転トルク伝達の接離が行われるセンタ軸とから構成され、前記トルク伝達手段は、前記他の回転直動部材と前記センタ軸との双方に形成した係合面によって形成されることを特徴とする電動アクチュエータ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017196232A1 (en) * 2016-05-09 2017-11-16 Dellner Brakes Ab Braking device for a rotary shaft or running rail

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