JP2005170799A - zesteホモログ2のエンハンサーのHLA−A24結合ペプチド - Google Patents

zesteホモログ2のエンハンサーのHLA−A24結合ペプチド Download PDF

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Abstract

【課題】 前立腺癌に対する新しい治療方法を提供する。
【解決手段】 zesteホモログ2のエンハンサー由来の部分ペプチドであり、HLA-A24抗原に結合でき、細胞傷害性Tリンパ球に認識されうる癌抗原ペプチド、または機能的に同等の性質を有するその誘導体は前立腺癌を処置および予防するのに有用でありうる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヒト主要組織適合抗原HLA-A24陽性前立腺癌患者において免疫原性を有するzesteホモログ2のエンハンサー由来抗原ペプチドの同定に関し、詳細には、前立腺癌を処置または予防するための特異的癌抗原、それを含む癌ワクチン、およびそのための治療学的方法に関する。
前立腺癌は、老齢男性において最も普通の癌の1つである[1]。前立腺癌は骨に転移することが多く、骨転移を有する患者にはアンドロゲン遮断療法が適用されている。しかし、ホルモン不応性の前立腺癌に対する効果的な治療法は存在していない。従って、新たな治療方法の開発は緊急課題であり、その1つの選択肢は特異的免疫療法である。実際、正常前立腺に発現している前立腺組織特異的な抗原は特異的免疫療法の標的分子であり、前立腺組織特異抗原を標的とする特異的免疫療法が実施されている (2)。また、本発明らのグループも、前立腺癌患者から前立腺癌反応性CTLを誘導できる前立腺関連抗原由来エピトープペプチドを複数個同定した(23-26)。しかしながら、前立腺癌患者を治療する際には、骨転移した前立腺癌が主な障害となり(1)、治療効果は依然不十分である(3-7)。
zesteホモログ2のエンハンサー(Enhancer of zeste homolog 2;EZH2)はzesteのショウジョウバエエンハンサーに相同性があるポリコームグループタンパク質であり、遺伝子サイレンシングに関与している(8)。この遺伝子サイレンシング機構が調節不全に陥ると癌になることがある(9-11)。さらに、EZH2は転移性前立腺癌において過剰発現され、転写抑制物質として機能し、そしてEZH2の阻害は前立腺癌細胞の成長をブロックすることが報告されている(12)。
我々は、いろいろなタイプの癌種に対して臨床試験を行い、クラスI分子に結合し、腫瘍反応性細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を誘導することができる抗原ペプチドが免疫グロブリンG(IgG)によっても認識されていることを観察した(13, 14)。さらに臨床試験を行うことで、投与したペプチドに反応するIgGの誘導が、癌患者の生存率と正に相関していることが判明した(15-17)。これら知見は、液性および細胞性免疫系の両方に認識されうる抗原ペプチドが、いずれか一方に認識される抗原ペプチドよりも免疫療法において有用であることが示している。さらに、ペプチド特異的IgGの検定は、ペプチド特異的CTLを誘導するインビトロ感作実験(18)よりもはるかに単純かつ容易である。
転移性前立腺癌に過剰発現する抗原は前立腺癌患者、特に転移を伴う患者に対する抗癌免疫療法における格好の標的である。本発明では、zesteホモログ2のポリコームグループタンパク質エンハンサー(EZH2)由来ペプチド候補物質に焦点を当てている。
上記のように、液性および細胞性免疫系の両方に認識されうる抗原ペプチドは、いずれか一方に認識されるペプチドよりも免疫療法において有用であると考えられる。従って、本発明ではまず、EZH2由来抗原ペプチド候補を、液性免疫系によって認識されるその被認識能によってスクリーニングし、次いでペプチド特異的かつ前立腺癌反応性CTLを誘導するその誘導能を測定した。その結果、本発明では、HLA-A24陽性前立腺癌患者において液性および細胞性免疫系の両方によって効果的に認識される2つのEZH2由来抗原ペプチドを同定した。
11個のEZH2由来ペプチドをHLA-A24結合モチーフに基づいて準備した。これらのペプチド候補物質をまず、免疫グロブリンG(IgG)によって認識されるその被認識能によって、次いでペプチド特異的な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を誘導するその誘導能によってスクリーニングした。3つのEZH2ペプチド (EZH2 243-252、EZH2 291-299およびEZH2 735-742)に反応するIgGが、前立腺癌患者のおよそ半数の血漿中に検出された。これらの中で、EZH2 291-299およびEZH2 735-742ペプチドが前立腺癌患者からHLA-A24拘束性かつ前立腺癌反応性CTLを効率的に誘導した。細胞傷害活性は主として、EZH2ペプチド特異的なCD8陽性T細胞に依存していた。これらEZH2 291-299およびEZH2 735-742ペプチドは、転移を伴うHLA-A24陽性前立腺癌患者に対するペプチドに基づく免疫療法における有用なペプチド候補物質となりうる。
本発明により、EZH2-291 および EZH2-735の両者がHLA-A24陽性前立腺癌患者において前立腺癌反応性のCTLを誘導できることが明らかにされた。より重要なことは、これら2つのEZH2ペプチドにより刺激したPBMCはHLA-A24拘束性に前立腺癌細胞に対して細胞傷害活性を示したことである。この細胞傷害活性はペプチド特異的かつCD8陽性T細胞に依存していることが示された。これらの結果は、上記2つのEZH2ペプチドがHLA-A24陽性前立腺癌患者に対する特異的免疫療法に有用である可能性を示している。
本発明では、EZH2-291、EZH2-735またはEZH2-243ペプチドのいずれかに反応するIgGが前立腺癌患者のおよそ半分に検出された。HLA-A24陽性前立腺癌患者からペプチド特異的CTLを誘導するEZH2-243ペプチドの誘導能は上記2つのEZH2ペプチドのそれよりも低い。このことは、EZH2-291 および EZH2-735ペプチドの両者が細胞性および液性免疫系の両者に効率的に認識されていることを意味する。従って、EZH2-291 および EZH2-735ペプチドをHLA-A24陽性前立腺癌患者にワクチン投与すると、前立腺癌反応性のCTLとペプチド特異的なIgGの両者が効率的に誘導され、その結果、臨床応答を導くと考えられる。
好ましい態様の説明
即ち、本発明は、
(1)zesteホモログ2のエンハンサー由来の部分ペプチドであり、HLA-A24抗原に結合でき、細胞傷害性Tリンパ球に認識されうる癌抗原ペプチド、または機能的に同等の性質を有するその誘導体;好ましくは液性免疫系にさらに認識される癌抗原ペプチド;具体的には、配列番号1または2に示すアミノ酸配列を含む癌抗原ペプチド、または機能的に同等の性質を有するその誘導体;
(2)上記(1)記載の癌抗原ペプチドおよびその誘導体を少なくとも1つ活性成分として含む、前立腺癌を処置または予防するための医薬組成物、好ましくは前立腺癌が骨転移を伴う医薬組成物;
(3)上記(1)記載の癌抗原ペプチドおよびその誘導体を少なくとも1つ活性成分として含む、転移性骨病変を処置または予防するための医薬組成物;好ましくは転移性骨病変が前立腺癌に付随する医薬組成物;
(4)HLA-A24抗原と上記(1)記載の癌抗原ペプチドまたはその誘導体との複合体を特異的に認識する細胞傷害性Tリンパ球;
(5)上記(4)記載の細胞傷害性Tリンパ球を活性成分として含む、前立腺癌を処置するための医薬組成物;好ましくは前立腺癌が骨転移を伴う医薬組成物;および
(6) 癌抗原ペプチドの候補物質を調製し、液性免疫系によって認識されうるその被認識能力を測定し、次いでHLA抗原と癌抗原ペプチドとの複合体を特異的に認識する細胞傷害性Tリンパ球を誘導するその誘導能を測定する、癌抗原ペプチドを同定するための方法、およびその方法により得られる癌抗原ペプチド:に関する。
本発明において、「癌抗原ペプチド」なる用語は、zesteホモログ2のエンハンサーの一部を含む部分ペプチドであって、HLA-A24抗原に結合でき、CTLに認識されうる部分ペプチドを意味する。「zesteホモログ2のエンハンサー(EZH2)」はzesteのショウジョウバエエンハンサーに相同性があるポリコームグループタンパク質であり、ショウジョウバエE(z)タンパク質と60.5%の同一性を有しtrithorax様ドメインとDNA結合モチーフを含有している746アミノ酸のポリペプチドである。このアミノ酸配列はChen,H., Rossier,C., Antonarakis,S.E., Cloning of a human homolog of the Drosophila enhancer of zeste gene (EZH2) that maps to chromosome 21q22.2. (1996) Genomics 38:30-37に記載されている。本発明の癌抗原ペプチドは、EZH2の一部を含むペプチド候補物質を合成し、そのペプチド候補物質とHLA-A24抗原との複合体がCTLによって認識されるか否かを決定する検定を行うことで、同定できる。
ペプチドの合成は、ペプチド化学において通常使用される方法によって行うことができる。既知の方法としては、“Peptide Synthesis”, Interscience, New York, 1966; “The Proteins”, vol. 2, Academic Press Inc., New York, 1976; “Pepuchido-Gosei”, Maruzen Co. Ltd., 1975などの文献に記載されている方法が挙げられる。
本発明の癌抗原ペプチドは、以下の実施例に示す手法により同定できる。
本発明において、「機能的に同等の性質を有する癌抗原ペプチドの誘導体」とは、本発明の癌抗原ペプチドのアミノ酸配列において1つまたは数個の置換、欠失および/または付加を含むアミノ酸配列を有し、かつ癌抗原ペプチドとして性質、すなわちHLA-A24抗原に結合できCTLに認識されうる性質を備えた改変ペプチドを意味する。
本発明においては、HLA-A24陽性前立腺癌患者において液性および細胞性免疫系の両者によって効率的に認識されるEZH2-誘導体ペプチドが好ましい。クラスI結合腫瘍ペプチドに対する抗体が特定の癌患者および健常ドナーにおいて既に観察されているので(18, 20)、本発明者らはまず、11個のEZH2ペプチド候補物質に対するIgGが前立腺癌患者の血漿中に検出されるか否かを調べた。本発明者らは、前立腺関連抗原由来抗原ペプチドに反応するIgGが健常ドナーおよび前立腺癌患者に頻繁に検出されることを既に報告している(23-25)。本発明者らの臨床試験により興味深いことに、ペプチドワクチン投与により、投与した抗原ペプチドに反応するIgGが頻繁に誘導されることが判明した(13, 14)。投与した抗原ペプチドに反応するIgGの誘導は、進行性肺癌または胃癌の患者の生存率の増大と正に相関していた(15, 16]。さらに、投与した抗原ペプチドに反応するIgGの誘導はまた、再発性婦人科癌の患者における臨床応答と相関していた[17]。従って、本発明の癌ペプチドは、細胞性免疫系のみならず液性免疫系によって認識されるものが好ましい。
本発明の癌抗原ペプチドまたはその誘導体は、前立腺癌、好ましくは骨転移を伴う前立腺癌を処置または予防するための医薬組成物に使用でき、さらに転移性骨病変、好ましくは前立腺癌に付随する転移性骨病変を処置または予防するための医薬組成物に使用できる。
本発明の癌抗原ペプチドまたはその誘導体は少なくとも1つ、またはその2つもしくはそれ以上を患者に投与し、要すれば免疫調整物質や化学療法物質などの他の抗癌剤とともに投与する。癌抗原ペプチドまたはその誘導体を投与すれば、それらは抗原提示細胞のHLA-A24とともに効率的に提示され、それにより提示されたHLA抗原複合体に特異的なCTLが増殖し、腫瘍細胞を破壊する。その結果、患者の癌が処置され、あるいは腫瘍の増殖または転移が予防される。
本発明の癌抗原ペプチドまたはその誘導体を活性成分として含む組成物は、細胞性および/または液性免疫を効率的に誘導するためにアジュバントとともに投与することができる。投与方法としては、皮内投与、皮下投与または静脈注射が挙げられる。製剤中の本発明の腫瘍抗原ペプチドまたはその誘導体の投与量は、例えば処置目的の疾患状態、個々の患者の年齢、体重等により適宜調整することができるが、通常0.1 mg〜10.0 mg、好ましくは0.5 mg〜5.0 mg、より好ましくは1.0 mg〜3.0 mgであり、これを数日ごとに投与する。
本発明はさらに、HLA-A24抗原と癌抗原ペプチドまたはその誘導体との複合体を特異的に認識するCTLを提供し、またそのCTLを活性成分として含む前立腺癌を処置するための医薬組成物をも提供する。本発明の組成物は好ましくは生理食塩水またはリン酸緩衝化食塩水(PBS)を含む。これらは例えば静脈内、皮下または皮内に投与することができる。
別の態様として、本発明は、癌抗原ペプチドを同定するための方法であって癌抗原ペプチドの候補物質を調製し、液性免疫系によって認識されうるその被認識能力を測定し、次いでHLA抗原と癌抗原ペプチドとの複合体を特異的に認識する細胞傷害性Tリンパ球を誘導するその誘導能を測定する方法、およびその方法により得られる癌抗原ペプチドを提供する。本発明において、細胞傷害性Tリンパ球は、HLA抗原と癌抗原ペプチドとの複合体を特異的に認識し、この複合体は抗原提示細胞に提示される。換言すれば、細胞傷害性Tリンパ球はHLA拘束性に癌抗原ペプチドを特異的に認識する。
投与したペプチドに反応するIgGの誘導が進行性肺癌または胃癌の患者の生存率の増大と正に相関しており、また投与したペプチドに反応するIgGの誘導が再発性婦人科癌の患者における臨床応答とも相関していたことを考慮すれば、本発明の方法は、癌ワクチン療法に有効な癌抗原ペプチド、さらには癌抗原ペプチドを含みうる癌抗原タンパク質を入手するための有益な手段となるに違いない。
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はいかなる意味においてもこれら実施例により制限されるものではない。以下の実施例においてEZH2ペプチドの開始アミノ酸の位置番号を表示しているが、それはペプチドそれぞれを表している。データの統計学的有意差は両側スチューデントt検定により求めた。0.05以下のp値を統計学的に有意であると判断した。
実施例1
EZH2誘導ペプチドに反応するIgGの検定
1.1 患者
すべての前立腺癌患者はインフォームドコンセントを得た後に本試験に供した。すべての被験者にはヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染は無かった。末梢血20mlを採取し、フィコール・コンレイ密度勾配遠心により末梢血単核球(PBMC)を調製した。癌患者および健常ドナーのPBMCにおけるHLA-A24分子の発現はフローサイトメトリーにより測定した。
1.2 ペプチド
11個のEZH2由来ペプチド(以下の表1に列記)をHLA-A24結合モチーフに基づいて準備した[19]。すべてのペプチドは>90%純度であり、Biologica Co.(名古屋、日本)から入手した。HLA-A24結合モチーフを有する、インフルエンザ(Flu)ウイルス由来ペプチド(RFYIQMCYEL)、EBV由来ペプチド(TYGPVFMCL)およびHIV由来ペプチド(RYLRQQLLGI)を対照として用いた。すべてのペプチドをDMSOに溶解し、用量10 mg/mlとした。
Figure 2005170799
1.3 ペプチド特異的IgGの検出
既報[20]のようにして、血漿中のペプチド特異的IgGレベルをELISAにより測定した。簡単に説明すると、ペプチド(20 μg/ウエル)固定化プレートをBlock Ace (雪印, 東京, 日本)によりブロックし、0.05% Tween20-PBSで洗浄し、次いで0.05% Tween20-Block Aceで希釈した血漿試料を100μl/ウエルでプレートに加えた。37℃で2時間インキュベートした後、プレートを洗浄し、1:1000に希釈したウサギ抗-ヒトIgG (γ-鎖特異的) (DAKO, Glostrup, デンマーク)とともにさらに2時間インキュベートした。得られたプレートを洗浄した後、1:100に希釈したヤギ抗-ウサギIgG-結合ペルオキシダーゼ(EnVision, DAKO)100μlを各ウエルに加え、次いで室温にて40分間インキュベートした。プレートを1回洗浄し、100μl/ウエルでテトラメチルベンジジン基質溶液(KPL, Guildford, UK)を加えた後、1Mリン酸を加えて反応を停止させた。値は吸光度(OD)単位/mlで示した。示したEZH2ペプチドに対するIgGの特異性を確認するため、対応するEZH2ペプチドまたは無関係なEZH2ペプチドのいずれかでコートしたプレートを用いて、試料血漿を培養した。次いで得られた上清におけるEZH2ペプチド特異的IgGレベルをELISAにより測定した。
上記したように、本発明者らは11個のEZH2由来ペプチドのそれぞれに反応するIgGが10人の前立腺癌患者の血漿中において検出できるか否かを調べた。既報のように(22)、ペプチド特異的IgGはMHCクラスI分子に限定されないので、これらの癌患者はHLA-A24陽性患者に限定しなかった。ELISAにおいては、HIV陰性の健常ドナーから採取した、1:100に希釈した血漿におけるHIVペプチドに反応するIgGレベルをカットオフ値として使用し、平均+2SD値(OD: 0.04)を求めた。得られた結果を表2に示す。
Figure 2005170799
結果、EZH2-291、EZH2-735およびEZH2 243ペプチドに反応するIgGが10人の患者のうちそれぞれ、4、5および6人の血漿中に検出された。これら3つのEZH2ペプチドは、他の8つのEZH2ペプチドよりも効率的にIgGに認識された。患者4および6以外の8人の患者は骨転移があると診断されていた(データ掲載せず)。患者2、7および8において得られた結果を図1Aに示す。次いで、患者2および8から採取した血漿試料を、示したペプチドで前もってコートしておいたプレート中で培養し、得られた上清中のそのEZH2ペプチドに反応するIgGレベルをELISAにより測定した。上記EZH2ペプチドそれぞれに反応するIgGレベルは、対応するペプチドをコートしたプレート中で培養することにより減少したが、無関係のペプチドをコートしたプレート中での培養では減少しなかった(図1B)。
これらの結果は、上記ELISA系がペプチド特異的なIgGを抗原特異的に検出していることを示している。総合すれば、これらの結果は、3つのEZH2ペプチド (EZH2-291、EZH2-735およびEZH2-243)が、前立腺癌患者の血漿においてIgGにより効率的に認識されうることを示している。
実施例2
癌患者由来のPBMCにおけるEZH2ペプチド特異的CTLの検定
次いで、上記3つのEZH2ペプチドがHLA-A24陽性癌患者のPBMCからペプチド特異的CTLを産生させことができるか否かを調べた。
PBMCにおけるペプチド特異的CTLを検出するための検定は、既報の方法に従って行った(21)。簡単に説明すると、U底型96ウエルマイクロカルチャープレート(Nunc, Roskilde, Denmark)において、培養培地200μlの容量にてPBMC (1 X 105 細胞/ウエル)を10 μg/mlの各ペプチドとインキュベートした。この培養培地には45% RPMI-1640、45% AIM-V 培地 (Gibco BRL)、10% FCS、100 U/ml IL-2および0.1 mM MEM非必須アミノ酸溶液 (Gibco, BRL)が含まれている。3日毎に、培養培地の半分を取り出し、対応するペプチドを含む新たな培地(20 μg/ml)と置き換えた。培養の15日目に、培養細胞を4つのウエルに分け、2つのウエルにはEZH2ペプチド-パルスC1R-A24細胞を、他の2つのウエルにはHIV-パルスC1R-A24細胞を用いた。C1R-A24は、C1Rリンパ腫にHLA-A*2402分子を恒常的に発現させた亜細胞株である(Oiso M, Eura M, Katsura F, Takiguchi M, Sobao Y, Masuyama K, Nakashima M, Itoh K, Ishikawa T. A newly identified MAGE-3-derived epitope recognized by HLA-A24-restricted cytotoxici T lymphocytes. Int. J. Cancer 81: 387-394, 1999)。18時間インキュベートした後、上清を採取し、ELISAによりIFN-γレベルを測定した。この実験では、液性免疫系に少ない頻度でしか認識されないEZH2ペプチドとして、EZH2-170ペプチドを用いた。
得られた結果を表3に示す。表3では、100 pg/ml以上のIFN-γ産生とP<0.05を示す値には下線を付した。

Figure 2005170799
結果は、EZH2-291およびEZH2-735ペプチドはそれぞれ、10人の癌患者のうち6人、および9人の癌患者のうち4人においてペプチド特異的CTLを誘導した。EZH2-243ペプチドは10人の癌患者のうち2人においてペプチド特異的CTLを誘導し、EZH2-170ペプチドは10人の癌患者のうち1人においてペプチド特異的CTLを誘導した。患者11、14および20は骨転移が存在すると診断されていた(データ掲載せず)。これらの結果は、EZH2-291 および EZH2-735ペプチドの両者が、HLA-A24陽性前立腺癌患者(患者が骨転移を伴っていても)からペプチド特異的CTLを効率的に誘導できることを示している。
実施例3
HLA-A24陽性癌患者からの前立腺癌反応性CTLの誘導
3.1 腫瘍細胞株におけるEZH2遺伝子発現の検出
EZH2ペプチド刺激PBMCがEZH2発現腫瘍細胞に対して細胞傷害性を示すか否かを決定した。細胞傷害性の検定の前に、RT-PCR法により、腫瘍細胞系株LNCaP細胞およびPC93細胞、およびPBMCs (ネガティブ対照)におけるEZH2遺伝子の発現を調べた。LNCaPはHLA-A24陰性の前立腺癌細胞系統(ATCC番号 CRL-1740)であり、PC93は別の前立腺癌細胞株である(23)。RT-PCR法は次のようにして行った。RNAzolTM B (Tel-Test Inc., Friendswood, TX) を用いて細胞から総RNAを単離した。第1鎖cDNA合成のためのSuperScriptTM 前増幅システム (Invitrogen)により、cDNAを調製し、それを以下のプライマーを用いて増幅した:
EZH2について
5'-AATGTGGAATGGAGTGGTGC-3'(センス) [SEQ ID NO: 3] および
5'-ACGAACTGTCACAAGGCTGC-3'(アンチセンス) [SEQ ID NO: 4]、ならびに
グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ (GAPDH)について
5'-ACAACAGCCTCAAGATCATCAG-3'(センス) [SEQ ID NO: 5]
5'-GGTCCACCACTGACACGTTG-3'(アンチセンス) [SEQ ID NO: 6]。PCRはDNA熱サイクラー (iCycler, Bio-Rad Laboratories, Hercules, CA)において、94℃1分、60℃1分および72℃1分を28サイクル行い実施した。
得られた結果を図2に示す。図2に示されるように、LNCaP細胞はEZH2mRNA発現について明らかに陽性であった。しかし、PC-93細胞におけるEZH2mRNAの発現は非常に弱く、そのレベルはネガティブ対照として実験に含めた正常PBMCとほとんど同じレベルであった。
3.2 3つの標的に対するペプチド刺激PBMCの細胞傷害活性
HLA-A24拘束性細胞傷害活性を調べるため、LNCaPに対する細胞傷害のレベルを、HLA-A*2402 遺伝子がトランスフェクトされそれ遺伝子を安定に発現する亜細胞株であるそのトランスフェクタント、LNCaP-A24(Yao A, Harada M, Matsueda S, Ishihara Y, Shomura H, Noguchi M, Matsuoka K, Hara I, Kamidono S, Itoh K. Idnetification of parathyroid hormone-related protein-derived peptides immunogenic in human histocompatibility leukocyte antigen-A24+ prostate cancer patients. Submitted for publication.)に対する細胞傷害レベルと比較した。すべての細胞株は、10% FCSを添加したRPMI-1640培地 (Gibco BRL, Grand Island, NY)にて維持させた。
次いで、3人のHLA-A24陽性前立腺癌患者から得たPBMCを指示したEZH2ペプチドでインビトロ刺激し、HLA-A24陰性LNCaP細胞、HLA-A24陽性LNCaP-A24細胞およびHLA-A24陽性PHA-刺激T芽球様細胞に対する細胞傷害活性について試験した。詳細には、EZH2ペプチドによりインビトロ刺激した後、96丸底ウエルプレートにおいてペプチド刺激PBMCを100 U/ml IL-2とともにさらに約10日間培養し、細胞傷害活性検定を行うために充分な数の細胞を得た。次いで、得られた細胞を、6時間51Cr放出検定によりLNCaP細胞、LNCaP-A24細胞およびPHA-刺激T芽球様細胞に対する細胞傷害活性について試験した。指示したエフェクター/標的比率にて、96丸底ウエルプレートにおいて1ウエル当たり2000個の51Cr標識細胞をエフェクター細胞とともに培養した。この結果を図3に示す。EZH2ペプチド刺激PBMCは、HLA-A24陰性LNCaP細胞およびHLA-A24陽性PHA-刺激T芽球様細胞に対するよりも、HLA-A24陽性LNCaP-A24細胞に対してより高いレベルの細胞傷害活性を示した。この結果は、EZH2-291 および EZH2-735ペプチドが、HLA-A24拘束性かつ前立腺癌反応性のCTLをHLA-A24陽性前立腺癌患者から効率的に誘導できることを示している。
実施例4
癌患者由来のEZH2ペプチド刺激PBMCのペプチド特異的かつCD8陽性T細胞依存的な細胞傷害活性
4.1 EZH2ペプチド刺激PBMCの細胞傷害活性に対する抗体による阻害
さらに、どのようなエフェクター細胞が細胞傷害活性を担っているかを検討した。患者17、18および21から入手したEZH2ペプチド刺激PBMCを、LNCaP-A24に対する細胞傷害活性について試験した。示したモノクローナル抗体の存在下に6時間での細胞傷害活性の検定を行った。検定は、エフェクター/標的の比率10/1にて行った。検定の開始時に、抗-HLAクラスI (W6/32: マウスIgG2a)、抗-HLA-DR (L243: マウスIgG2a)、抗-CD4 (NU-TH/I: マウスIgG1)、抗-CD8 (NU-TS/C: マウスIgG2a)、または抗-CD14 (H14: マウスIgG2a)抗体のいずれかを20 μg/mlでウエルに加えた。その結果、EZH2-291 および EZH2-735ペプチドのいずれかでインビトロ刺激した、3人の前立腺癌患者由来のPBMCのLNCaP-A24に対する細胞傷害活性が抗-HLAクラスIまたは抗-CD8モノクローナル抗体の添加により有意に阻害されたが、他の抗-HLAクラスIIである抗-CD4または抗-CD14モノクローナル抗体の添加では阻害されなかった(図4A)。
4.2 コールド阻害検定によるEZH2ペプチド刺激CTLの特異性の確認
対応するEZH2ペプチドまたはHIVペプチドのいずれかで前もって準備しておいた非標識C1R-A24の存在下に、患者17、18および21から入手したEZH2ペプチド刺激PBMCを、LNCaP-A24に対する細胞傷害活性について試験した。
簡単に説明すると、2 X 104 コールド標的細胞を含有する96丸底ウエルプレートにおいて、51Cr-標識標的細胞 (2 X 103 細胞/ウエル)をCTL (4 X 104 細胞/ウエル)とともに培養した。HIVペプチドまたは対応するEZH2ペプチドのいずれかで前もってパルスしておいたC1R-A24細胞をコールド標的として使用した。検定は、エフェクター/標的の比率10/1にて行った。LNCaP-A24細胞に対するEZH2ペプチド刺激PBMCの細胞傷害活性は、関連するペプチド-パルスした非標識C1R-A24細胞の添加により有意に抑制されたが、この抑制は、HIVペプチド-パルスした非標識C1R-A24細胞を添加しても認められなかった。これらの結果は、EZH2ペプチド刺激PBMCの細胞傷害活性を主としてペプチド特異的かつCD8陽性T細胞が担っていることを示している。
本発明者らは、HLA-A24陽性前立腺癌患者において液性および細胞性免疫系の両者に効率的に認識される2つのEZH2由来ペプチドを同定した。HLA-A24アレルの頻度は全世界を通じて比較的高い[27]。本発明の情報は、転移を伴うHLA-A24陽性前立腺癌患者に対するペプチドに基づく免疫療法の可能性を開くものである。
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EZH2ペプチドに反応するIgGを示す。図1Aは、患者2、7および8から得た血漿中における、ELIZAにより調べたEZH2ペプチドに反応するIgGレベルを示すグラフである。値はODである。カットオフレベル(OD: 0.04)はHIV陰性健常ドナーにおける抗-HIVペプチドIgGレベルに基づき算定した。図1Bは、EZH2ペプチドそれzそれに反応するIgGレベルが対応するペプチドをコートしたプレートで培養することにより減少することを示すグラフである。 LNCaP細胞、PC93細胞およびPBMCにおけるEZH2のmRNA発現をRT-PCR法により調べた結果を示す写真である。 3人のHLA-A24陽性前立腺癌患者から入手したEZH2ペプチド刺激PBMCにおける、3つの異なる標的:LNCaP細胞 (HLA-A24陰性)、LNCaP-A24細胞 (HLA-A24陽性)およびPHA-芽球様T細胞 (HLA-A24陽性)に対する細胞障害性を6時間51Cr放出検定により調べた結果を示すグラフである。*P<0.05は統計学的に有意と考えた。 EZH2ペプチド刺激PBMCの細胞傷害活性に対する抗体の阻害を示すグラフである。値は3回の検定の平均である。*P<0.05は統計学的に有意と考えた。 EZH2ペプチド刺激CTLの細胞傷害活性の阻害を示すグラフである。値は3回の検定の平均である。*P<0.05は統計学的に有意と考えた。

Claims (12)

  1. zesteホモログ2のエンハンサー由来の部分ペプチドであり、HLA-A24抗原に結合でき、細胞傷害性Tリンパ球に認識されうる癌抗原ペプチド、または機能的に同等の性質を有するその誘導体。
  2. 液性免疫系に認識される、請求項1記載の癌抗原ペプチド。
  3. 配列番号1または2に示すアミノ酸配列を含む請求項1または2記載の癌抗原ペプチド、または機能的に同等の性質を有するその誘導体。
  4. 請求項1から3までのいずれか記載の癌抗原ペプチドおよび機能的に同等の性質を有するその誘導体を少なくとも1つ活性成分として含む、前立腺癌を処置または予防するための医薬組成物。
  5. 前立腺癌が骨転移を伴う、請求項4記載の医薬組成物。
  6. 請求項1から3までのいずれか記載の癌抗原ペプチドおよび機能的に同等の性質を有するその誘導体を少なくとも1つ活性成分として含む、転移性骨病変を処置または予防するための医薬組成物。
  7. 転移性骨病変が前立腺癌に付随する、請求項6記載の医薬組成物。
  8. HLA-A24抗原と請求項1から3までのいずれか記載の癌抗原ペプチドまたは機能的に同等の性質を有するその誘導体との複合体を特異的に認識する細胞傷害性Tリンパ球。
  9. 請求項8記載の細胞傷害性Tリンパ球を活性成分として含む、前立腺癌を処置するための医薬組成物。
  10. 前立腺癌が骨転移を伴う、請求項9記載の医薬組成物。
  11. 癌抗原ペプチドの候補物質を調製し、液性免疫系によって認識されうるその被認識能力を測定し、次いでHLA抗原と癌抗原ペプチドとの複合体を特異的に認識する細胞傷害性Tリンパ球を誘導するその誘導能を測定する、癌抗原ペプチドを同定するための方法。
  12. 請求項11記載の方法により得られる癌抗原ペプチド。
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