JP2005170124A - 自動車のシート構造 - Google Patents

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博央 伊與田
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Abstract

【課題】簡単な操作で、シートバックを倒してシートクッションの上にシートバックを重ねた第1モードと、シートクッションをシートバックの前方に起立した状態で格納する第2モードとを取ることのできる自動車のシート構造を提供する。
【解決手段】 シートバック背面ボード10からシートバック6を解放することで、シートバック6のシートバック可動軸12がシートバック背面ボード10のガイドスリット17の中を自由に移動可能且つ回転可能になる。次いで、シートバック6の下端を前方に送り込むように操作することで、シートバック6をシートクッション5の前方で起立した状態の第2モードを取る。シートバック背面ボード10とシートバック6とを係合させた状態でシートバック6を前に倒すことで、シートクッション5の上にシートバック6が重なった状態の第1モードを取ることができる。
【選択図】 図2

Description

この発明は自動車のシート構造に関し、より詳しくは、自動車の後席の格納構造に関する。
自動車の車室内空間の利便性を高めるために、シートの折り畳みに関して様々な提案が行われている。例えば、特許文献1は、シートクッションの後端とシートバックの上端とを回動アーム部材で連結した構造を提案しており、この提案によれば、シートバックを倒したときに、このシートバックが、シートクッションの前方に移行して該シートクッションの座面とほぼ面一なフラットな状態になり、ほぼ面一の状態にあるシートクッションとシートバックとで拡大した荷物置き場を形成することができる。
特開平11−115587号公報
本発明の目的は、簡単な操作で、シートバックを倒してシートクッションの上にシートバックを重ねた第1モードと、シートクッションをシートバックの前方に起立した状態で格納する第2モードとを取ることのできる自動車のシート構造を提供することにある。
本発明の更なる目的は、上記の第1、第2モードに加えて、簡単な操作で、他の態様を取ることのできる自動車のシート構造を提供することにある。
本発明の更なる目的は、上記第1、第2モードを取ったときに、シートクッションの上に比較的硬質のボードが配置されて、この硬質ボードの上に荷物を置くことのできる自動車のシート構造を提供することにある。
かかる技術的課題は、本発明によれば、
フロアに固定された後席のシートクッションと、
該シートクッションに着座した乗員の背もたれを構成するシートバックと、
前記フロアに前後に揺動可能に取り付けられた、前記シートバックのための支持部材と、
前記シートバックを前記支持部材に係止するための係止手段と、
前記シートバックが前記支持部材に対してその長手方向に移動するのを許容するスライド手段とを有し、
前記シートバックを前記支持部材に係止した状態で前記支持部材を前方に倒すことにより、前記シートバックが前記シートクッションの上に重なった状態になる第1モードと、前記シートバックと前記支持部材との係合を解除した状態で前記支持部材を前方に倒すことにより、前記シートバックが前記シートクッションの前方で起立した状態になる第2モードとを取ることができることを特徴とする自動車のシート構造を提供することにより達成される。
すなわち、本発明によれば、シートバックと、これを支持するための支持部材との係合又は係合解除を選択することで上述した第1モードと第2モードとを取ることができ、したがって簡単な操作でシートバックの異なる格納状態を作ることができる。また、第2モードでは、シートバックがシートクッションの前方に起立した状態になるため、シートクッションの上方に荷物を置く空間をシートバック無しの拡大して利用することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記シートバックを前記支持部材に係止した状態で、前記シートバックを後方に倒したリクライニング状態の第3モードを取ることができ、これにより、乗員が寝そべることもできる。
また、本発明の好ましい実施の形態では、前記支持部材が、前記シートバックの背面のほぼ全域を覆う板状部分を有し、これにより、第1モードで、シートバックが前方に倒れてシートクッションの上に重なった状態のときに、シートバックの背面を覆う板状部材の上に荷物をおくことができる。また、このシートバックの背面を覆う板状部材はシートバックの裏打ち部材としても機能することになる。
また、本発明の好ましい実施の形態では、前記スライド手段が、前記シートバックを前記支持部材から取り外すことを許容するシートバック取り外し手段を更に有し、前記シートバックと前記支持部材との係合を解除した状態で前記支持部材を前方に倒すと共に前記シートバック取り外し手段により前記シートバックを前記支持部材から離脱させた第4モードを取ることができる。この第4モードでは、上述した第2モードからシートバックが存在しない状態となるため、このシートバックの厚み分だけ、荷室の実質的な前後長さを拡大することができる。
図1〜図2を参照して、参照符号1は自動車の車室を示し、また、参照符号2は荷室を示す。図示の自動車は、ワンボックスカーやワゴン車にように、後席3の後方にトランクリッド無しの開放した荷室を備えた自動車であってよく、また、後席3の後方にトランクリッドで開閉する荷室空間を備えたセダン車であってもよい。
後席3は、従来と同様に、座面を構成するシートクッション5と、背もたれを構成するシートバック6とを有する。後席3は、この実施例では、少なくともシートバック6が左右の乗員用に分離したセパレートシートを例示しているが、これが一体化したベンチシートであってもよい。
後席3は、これを格納する態様として、シートバック6の下端部を中心にしてシートバック6を前方に倒してシートクッション5の上にシートバック6を重ねることのできる第1モード(図1の仮想線)と、シートクッション5の前方で起立した状態でシートバック6を格納することのできる第2モード(図2の実線)とを取ることができる。図中、参照符号7はヘッドレストである。また、参照符号8は前席を示し、また、9はフロアを示す。
図3、図4を参照して後席3の具体的な構成を説明すると、図3は、後席3のシートバック6を斜め後方から見た斜視図であり、図4は、後席3のシートバック6のための支持部材として機能する硬質シートバック背面ボード10を斜め前方から見た斜視図である。
図3を参照して、後席3のシートバック6は、その背面の上部分に固設されたシートバック補強プレート11を有し、このシートバック補強プレート11には、ヘッドレスト7のステーロッド7a、7aを受け入れるヘッドレストガイド11a、11aと、シートバック6の各側面から横方向に突出する左右一対のシートバック可動軸12とが設けられており、この左右一対のシートバック可動軸12(図面には作図上の理由から一方の軸しか現れていない)の軸線ALは水平方向に延びている。シートバック補強プレート11には、図3には現れていないが、側面にストライカ13(図4参照)が設けられている。
図4を参照して、シートバック背面ボード10は、シートバック6の左右両側面に沿って上下に延びる左右のアーム部15、15と、これら左右のアーム部15、15間に亘って延び且つシートバック6の背面全体を覆うボード本体16とから構成される硬質のプラスチック成型品である。
左右のアーム部15には、その上端部分に、アーム部15の長手方向に沿って延びるガイドスリット17が形成されている。このガイドスリット17には、シートバック6の背面上部に固設されるシートバック補強プレート11の左右一対のシートバック可動軸12が受け入れられる。
ガイドスリット17の上端部分は、後方に向けてL字状に屈曲してアーム部15の後端面まで延び、アーム部15の後方に向けて開放した開口17aに連なっている。この開口17aには、上下に延びるロック用ロッド18が設けられている。このロック用ロッド18は、図外の操作部材を乗員が操作することにより下方にストロークすることができ、これにより開口17aを開放することができる。
一方のアーム部15には、シートバック補強プレート11に設けられた上記ストライカ13を受け入れるキャッチ20が設けられており、キャッチ20のアンロックは図外のマニュアル操作部材を乗員が操作することにより行うことができ、これによりストライカ13を解放することができる。
左右のアーム部15の下端にはピボット用孔21が設けられ、シートバック背面ボード10は、ピボット用孔21に挿通されるボード揺動軸22(図1、図2を参照)を介してフロア9に固設されたブラケット23に前後に揺動可能に取り付けられている。図4の水平軸線HLはボード揺動軸22の軸線を示し、この水平軸線HL(ボード揺動軸22)は、シートバック6の傾倒動作の軸線を構成する。このボード揺動軸22には、好ましくは、リクライニング機構が設けられ、乗員の操作により、シートバック背面ボード10と一緒にシートバック6は、後方に大きく倒れたリクライニング状態を取ることができる。このようなリクライニング機構は周知であるので、図面の線図の錯綜を避けるために図示を省略してある
シートバック背面ボード10は、シートバック6(シートバック補強プレート11)のシートバック可動軸12をガイドスリット17で受け入れた状態でシートバック6の背面に装着され、シートバック6(シートバック補強プレート11)のストライカ13をキャッチ2でロックすることによりシートバック6の背面に固定される。
図5は、後席3の着座モードつまり乗員が着座することのできる状態の後席3を斜め後方から見た図であり、この後席3の状態は、シートバック6が図1の実線で示す状態に対応している。なお、図5などでは、線図の錯綜を避けるために、シートバック6の背面上部に固設されたシートバック補強プレート11の図示を省略してある。
シートバック6は、着座モード(図5)からシートバック背面ボード10のボード揺動軸22を介して、このシートバック背面ボード10と一緒に前方に倒れることができ、これにより図1の仮想線で示すように、シートバック6がシートクッション5の上に重なった状態の第1モードを取る。すなわち、後席3が第1モードの格納状態になると、図6から理解できるように、シートクッション5の上に重なるように倒れたシートバック6は、その背面のシートバック背面ボード10が上を向いた状態となるため、このシートバック背面ボード10の上に荷物を置くことができる。
シートバック6を第2モード(図2)の格納状態にするには、先ず、シートバック背面ボード10のキャッチ2を解除してストライカ13を解放して、シートバック背面ボード10からシートバック6を解放する。これにより、シートバック6のシートバック可動軸12がシートバック背面ボード10のガイドスリット17の中を自由に移動可能且つ回転可能になる。
この状態で、図8に示すように、シートバック6の下端を前方に送り込むように操作することで、シートバック6をシートクッション5の前方で起立した状態の第2モードを取ることができ、この第2モードでは、前席8と後席3との間にシートバック6を起立した状態で格納することができる。この状態を確実なものにするには、少なくともシートバック背面ボード10のアーム部15の長さをシートクッション5の奥行き寸法よりも大きく設定することが望ましい。
第2モードでは、図7に示すように、シートバック6無しのシートバック背面ボード10がシートクッション5の上に倒れ込んで、シートクッション5の上に直接的に重なった状態となり、シートクッション5の上にあたかも硬質ボードを敷いたようなフラットな状態を形成することができる。
後席3に上述したリクライニング機構を設けることにより、シートバック6をシートバック背面ボード10と一緒に後方に倒してシートバック6をほぼ水平状態にしたリクライニング状態の第3モードを取ることができる。この第3モードでは、後席3のシートクッション5とその後方に位置するシートバック6とが上方に向いた状態となり、このシートクッション5とシートバック6とに荷物を置いたり乗員が寝そべったりすることができる。
後席3は、他のモードとして、シートバック背面ボード10のロック用ロッド18は、シートバック6を取り外すことを許容するシートバック取り外し手段を構成し、このロック用ロッド18を操作して下方にストロークさせながら、シートバック可動軸12をガイドスリット17の開口17aから取り出すことで、シートバック6を取り外した第4モードを取ることができる(図9)。この第4モードでは、第2モードで前席8と後席3との間に存在したシートバック6が無くなるため、このシートバック6の厚み分だけ、荷室の全長長さを拡大することができる。
叙上の説明から分かるように、実施例のシート構造によれば、第1〜第4モードのいずれであっても簡単な操作で足りる。着座モードの後席3を簡単な操作で第1〜第4のモードを取らせることができるため、目的に応じてこれらのモードを選択することで自動車のユーテリティーを高めることができる。
実施例の構造を備えた後席が着座モードから第1モードに変化できることを説明するための図である。 実施例の構造を備えた後席が着座モードから第2モードに変化できることを説明するための図である。 後席のシートバックの構造を説明するための斜視図である。 後席の背面に装着されるシートバック背面ボードの斜視図である。 着座モードにある後席を斜め後方から見た図である。 第1モードにある後席を斜め後方から見た図である。 第2モードにある後席を斜め後方から見た図である。 着座モードと第2モードとの間の動作を説明するための図である。 シートバックを取り外した第4モードに変化できることを説明するための図である。
符号の説明
3 後席
5 シートクッション
6 シートバック
9 フロア
12 シートバック可動軸
10 シートバック背面ボード(シートバックの支持部材)
13 シートバックに設けられたストライカ
17 ガイドスリット
18 ロック用ロッド
20 シートバック背面ボードに設けられたキャッチ(シートバックロック機構)
22 ボード揺動軸

Claims (4)

  1. フロアに固定された後席のシートクッションと、
    該シートクッションに着座した乗員の背もたれを構成するシートバックと、
    前記フロアに前後に揺動可能に取り付けられた、前記シートバックのための支持部材と、
    前記シートバックを前記支持部材に係止するための係止手段と、
    前記シートバックが前記支持部材に対してその長手方向に移動するのを許容するスライド手段とを有し、
    前記シートバックを前記支持部材に係止した状態で前記支持部材を前方に倒すことにより、前記シートバックが前記シートクッションの上に重なった状態になる第1モードと、前記シートバックと前記支持部材との係合を解除した状態で前記支持部材を前方に倒すことにより、前記シートバックが前記シートクッションの前方で起立した状態になる第2モードとを取ることができることを特徴とする自動車のシート構造。
  2. 前記シートバックを前記支持部材に係止した状態で、前記シートバックを後方に倒したリクライニング状態の第3モードを取ることができる、請求項1に記載の自動車のシート構造。
  3. 前記支持部材が、前記シートバックの背面のほぼ全域を覆う板状部分を有する、請求項1又は2に記載の自動車のシート構造。
  4. 前記スライド手段が、前記シートバックを前記支持部材から取り外すことを許容するシートバック取り外し手段を更に有し、
    前記シートバックと前記支持部材との係合を解除した状態で前記支持部材を前方に倒すと共に前記シートバック取り外し手段により前記シートバックを前記支持部材から離脱させた第4モードを取ることができる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車のシート構造。
JP2003410127A 2003-12-09 2003-12-09 自動車のシート構造 Abandoned JP2005170124A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007056332B3 (de) * 2007-07-23 2008-12-11 Johnson Controls Gmbh Fahrzeugsitz
CN108327589A (zh) * 2017-01-18 2018-07-27 日本发条株式会社 车辆座椅

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