JP2005168856A - 疲労度計測装置および疲労度計測方法 - Google Patents

疲労度計測装置および疲労度計測方法 Download PDF

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弘裕 氏家
Norio Nakamura
則雄 中村
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Abstract

【課題】 日常生活における人間の疲労度を、日常環境の下において、自ら容易に定量的に且つ精度よく計測できる疲労度計測装置および疲労度計測方法を提供する。
【解決手段】 疲労度計測において、視覚疲労と聴覚疲労の両側面から総合的な計測を行うと共に、身体に携帯可能もしくは容易に持ち運び可能であって、プログラムにより視覚刺激(8)と音声刺激(9)とを提示可能な機器を用いて、光環境や音環境の外乱の影響を受けにくい視覚機能および聴覚機能を計測(7)し、その計測した特性の変動に基づいて疲労度を評価する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、視覚疲労および聴覚疲労を計測するための疲労度計測装置および疲労度計測方法に関するものである。
さらに詳述すると本発明は、例えばCRTあるいは液晶ディスプレイ・立体ディスプレイなどを用いた観察や細かい文字の判読などに起因して生じる日常的な視覚ストレスまたは電子機器等の騒音や利用に伴う聴覚ストレス、あるいは、視覚ストレスおよび聴覚ストレス両者の相互作用によって生じる視覚疲労および聴覚疲労を計測するための、疲労度計測装置および疲労度計測方法に関する。
感覚機能に基づいて疲労度を計測する従来の手法としては、視覚疲労の計測が主であり、電子・電器機器等のさまざまな騒音の影響が考えられるにも拘わらず、聴覚疲労の計測については、全くといってよいほど行われていなかった。従って、視覚と聴覚の両面から疲労度を総合的に評価する手法は存在しなかった。
また、視覚疲労については、その代表的なものとして、(i)フリッカー光の臨界融合周波数(フリッカー計測)に基づくもの、(ii)視対象への調節時間に基づくもの、(iii)視対象を視認するのに掛かる時間に基づくもの、(iv)眼球運動の精度に基づくものなどがある(非特許文献1参照)。
しかし、これら従来の疲労度計測は、専用の計測室において、計測の専門家により、多くは持ち運びに不便な専用の計測装置を利用して行われるものであって、誰もが、日常環境において、いつでもどこでも、疲労度を計測できるものではなかった。
大山・今井・和気編「新編感覚知覚ハンドブック」,pp.904-906, 1994 。
よって本発明の目的は、上述の点に鑑み、日常生活における人間の疲労度を、日常環境の下において、自ら容易に定量的にかつ精度よく計測できる疲労度計測装置および疲労度計測方法を提供することにある。
より具体的に述べると、本発明の目的は、日常環境において光や音をとりわけ制限する必要が無く、従って計測用の特別の部屋を用意することなく計測を可能とすることを第一とし、また計測のために、医師や専門家を必要とすることなく、被計測者自らが計測可能で、容易に持ち運ぶことのできる装置を用いて、視覚ストレスと聴覚ストレスやその相互作用による視聴覚疲労を計測可能な、疲労度計測装置および疲労度計測方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係る疲労度計測においては、視覚疲労と聴覚疲労の両側面から総合的な計測を行うと共に、身体に携帯可能もしくは容易に持ち運び可能であって、プログラムにより視覚刺激と音声刺激とを提示可能な機器を用いて、光環境や音環境の外乱の影響を受けにくい視覚機能および聴覚機能を計測し、その計測した特性の変動に基づいて疲労度を評価する。
すなわち、請求項1に係る本発明は、視覚刺激を提示する可視情報提示手段と、予め定めた視覚刺激を前記可視情報提示手段から提示させることにより、周囲環境における視覚的外乱の影響を低減させた既定の視覚機能特性を計測する視覚計測手段と、前記視覚計測手段により得られた前記視覚機能特性の変動に基づいて視覚疲労度を評定する視覚疲労度評定手段と、を具備した疲労度計測装置である。
請求項2に係る本発明は、聴覚刺激を提示する可聴情報提示手段と、予め定めた聴覚刺激を前記可聴情報提示手段から提示させることにより、周囲環境における聴覚的外乱の影響を低減させた既定の聴覚機能特性を計測する聴覚計測手段と、前記聴覚計測手段により得られた前記聴覚機能特性の変動に基づいて聴覚疲労度を評定する聴覚疲労度評定手段と、を具備した疲労度計測装置である。
請求項3に係る本発明は、請求項1に係る疲労度計測装置と、請求項2に係る疲労度計測装置とを併せ備えた疲労度計測装置であって、前記視覚疲労度評定手段により評定された視覚疲労度、および、前記聴覚疲労度評定手段により評定された聴覚疲労度の双方に基づいて、総合的な視聴覚疲労度を判定する判定手段、を有する。
請求項4に係る本発明は、請求項1ないし3のいずれかに係る疲労度計測装置において、身体に携帯可能な筐体内、もしくは持ち運び可能な筐体内に該当する各手段が組み込まれており、当該筐体を操作することにより既定の疲労度計測が実行される。
請求項5に係る本発明は、請求項1ないし4のいずれかに係る疲労度計測装置において、さらに加えて、予め登録したサービスプロバイダに対して、計測された疲労度情報を送信する通信手段を備え、蓄積された前記疲労度情報に基づいて健康維持管理用データベースを作成可能とする。
請求項6に係る本発明は、請求項1ないし5のいずれかに係る疲労度計測装置において、既存の可搬型電子機器もしくは携帯型通信機器、および、該当する制御プログラムを用いて疲労度計測を行う。
請求項7に係る本発明は、請求項1,3〜6のいずれかに係る疲労度計測装置において、前記視覚計測手段は、運動視の運動知覚閾値計測または運動知覚閾上の運動速度弁別閾値計測または移動量弁別閾値計測を行い、前記視覚疲労度評定手段は、前記視覚計測手段から得られた当該計測値の変動に基づいて疲労度を評定する。
請求項8に係る本発明は、請求項1,3〜7のいずれかに係る疲労度計測装置において、前記可視情報提示手段は立体表示機能を有し、前記視覚計測手段は、立体視の立体知覚閾値計測または立体知覚閾上の奥行き弁別閾値計測を行い、前記視覚疲労度評定手段は、前記視覚計測手段から得られた当該計測値の変動に基づいて疲労度を評定する。
請求項9に係る本発明は、請求項2〜6のいずれかに係る疲労度計測装置において、前記可聴情報提示手段、前記聴覚計測手段、および前記聴覚疲労度評定手段は、一過性聴覚閾値を用いて聴覚疲労度の評定を行う。
請求項10に係る本発明は、請求項9に係る疲労度計測装置において、さらに加えて、一過性聴覚閾値を生じる検査用疲労刺激を発生した後に閾値変動を計測することにより、検査用疲労刺激後の回復曲線を求める手段を備え、神経活動に対応した短時間の回復過程による閾値の回復強度と、有毛細胞および代謝機能に対応する穏やかな回復過程による回復曲線の時定数を推定する。
請求項11に係る本発明は、請求項2〜6,9,10のいずれかに係る疲労度計測装置において、前記可聴情報提示手段は、自記オージオメトリー法を用いて検査音を提示する。
請求項12に係る本発明は、請求項2〜6,9〜11のいずれかに係る疲労度計測装置において、前記可聴情報提示手段として、挿耳イヤホン、または、ノイズキャンセル機能付きのイヤホンを用いる。
請求項13に係る本発明は、請求項2〜6,9〜12のいずれかに係る疲労度計測装置において、聴覚フィードバック方式に基づいた聴覚疲労度を評定する。
請求項14に係る本発明は、請求項13に係る疲労度計測装置において、擾乱を加えた場合と加えない場合の両方を短時間に計測し、その時の計測結果の差を比較することにより、他覚的かつ反射的な検査方法によって閾値の変化や疲労度を計測する。
請求項15に係る本発明は、請求項1〜14のいずれかに係る疲労度計測装置において、共分散構造分析を用い、視覚疲労、聴覚疲労に関する生理的および/または心理的な知見を反映した構成概念に基づいたモデルによって視聴覚疲労度を指標化する。
請求項16に係る本発明は、請求項1〜15のいずれかに係る疲労度計測装置において、疲労度計測プログラムはインターネット上のサーバからダウンロードされる。
請求項17に係る本発明は、請求項1〜16のいずれかに係る疲労度計測装置において、計測された疲労度に関するデータは、携帯型通信器,可搬型電子機器,車載用コンピュータ,または他のサーバに保存され、疲労度に合わせて各種機器における動作パラメータが設定される。
請求項18に係る本発明は、視覚刺激を提示する可視情報提示ステップと、予め定めた視覚刺激を前記可視情報提示ステップから提示させることにより、周囲環境における視覚的外乱の影響を低減させた既定の視覚機能特性を計測する視覚計測ステップと、前記視覚計測ステップにより得られた前記視覚機能特性の変動に基づいて視覚疲労度を評定する視覚疲労度評定ステップと、を具備した疲労度計測方法である。
請求項19に係る本発明は、聴覚刺激を提示する可聴情報提示ステップと、予め定めた聴覚刺激を前記可聴情報提示ステップから提示させることにより、周囲環境における聴覚的外乱の影響を低減させた既定の聴覚機能特性を計測する聴覚計測ステップと、前記聴覚計測ステップにより得られた前記聴覚機能特性の変動に基づいて聴覚疲労度を評定する聴覚疲労度評定ステップと、を具備した疲労度計測方法である。
請求項20に係る本発明は、請求項18に係る疲労度計測方法と、請求項19に係る疲労度計測方法とを併せ備えた疲労度計測方法であって、前記視覚疲労度評定ステップにより評定された視覚疲労度、および、前記聴覚疲労度評定ステップにより評定された聴覚疲労度の双方に基づいて、総合的な視聴覚疲労度を判定する判定ステップ、を有する。
請求項21に係る本発明は、請求項18ないし20のいずれかに係る疲労度計測方法において、身体に携帯可能な筐体内、もしくは持ち運び可能な筐体内に該当する各ステップが組み込まれており、当該筐体を操作することにより既定の疲労度計測が実行される。
請求項22に係る本発明は、請求項18ないし21のいずれかに係る疲労度計測方法において、さらに加えて、予め登録したサービスプロバイダに対して、計測された疲労度情報を送信する通信ステップを備え、蓄積された前記疲労度情報に基づいて健康維持管理用データベースを作成可能とする。
請求項23に係る本発明は、請求項18ないし22のいずれかに係る疲労度計測方法において、既存の可搬型電子機器もしくは携帯型通信機器、および、該当する制御プログラムを用いて疲労度計測を行う。
請求項24に係る本発明は、請求項18,20〜23のいずれかに係る疲労度計測方法において、前記視覚計測ステップは、運動視の運動知覚閾値計測または運動知覚閾上の運動速度弁別閾値計測または移動量弁別閾値計測を行い、前記視覚疲労度評定ステップは、前記視覚計測ステップから得られた当該計測値の変動に基づいて疲労度を評定する。
請求項25に係る本発明は、請求項18,20〜24のいずれかに係る疲労度計測方法において、前記可視情報提示ステップは立体表示機能を有し、前記視覚計測ステップは、立体視の立体知覚閾値計測または立体知覚閾上の奥行き弁別閾値計測を行い、前記視覚疲労度評定ステップは、前記視覚計測ステップから得られた当該計測値の変動に基づいて疲労度を評定する。
請求項26に係る本発明は、請求項19〜23のいずれかに係る疲労度計測方法において、前記可聴情報提示ステップ、前記聴覚計測ステップ、および前記聴覚疲労度評定ステップは、一過性聴覚閾値を用いて聴覚疲労度の評定を行う。
請求項27に係る本発明は、請求項26に係る疲労度計測方法において、さらに加えて、一過性聴覚閾値を生じる検査用疲労刺激を発生した後に閾値変動を計測することにより、検査用疲労刺激後の回復曲線を求めるステップを備え、神経活動に対応した短時間の回復過程による閾値の回復強度と、有毛細胞および代謝機能に対応する穏やかな回復過程による回復曲線の時定数を推定する。
請求項28に係る本発明は、請求項19〜23,26,27のいずれかに係る疲労度計測方法において、前記可聴情報提示ステップでは、自記オージオメトリー法を用いて検査音を提示する。
請求項29に係る本発明は、請求項19〜23,26〜28のいずれかに係る疲労度計測方法において、前記可聴情報提示ステップでは、挿耳イヤホン、または、ノイズキャンセル機能付きのイヤホンを用いる。
請求項30に係る本発明は、請求項19〜23,26〜29のいずれかに係る疲労度計測方法において、聴覚フィードバック方式に基づいた聴覚疲労度を評定する。
請求項31に係る本発明は、請求項30に係る疲労度計測方法において、擾乱を加えた場合と加えない場合の両方を短時間に計測し、その時の計測結果の差を比較することにより、他覚的かつ反射的な検査方法によって閾値の変化や疲労度を計測する。
請求項32に係る本発明は、請求項18〜31のいずれかに係る疲労度計測方法において、共分散構造分析を用い、視覚疲労、聴覚疲労に関する生理的および/または心理的な知見を反映した構成概念に基づいたモデルによって視聴覚疲労度を指標化する。
請求項33に係る本発明は、請求項18〜32のいずれかに係る疲労度計測方法において、疲労度計測プログラムはインターネット上のサーバからダウンロードされる。
請求項34に係る本発明は、請求項18〜33のいずれかに係る疲労度計測方法において、計測された疲労度に関するデータは、携帯型通信器,可搬型電子機器,車載用コンピュータ,または他のサーバに保存され、疲労度に合わせて各種機器における動作パラメータが設定される。
本発明によれば、日常環境において光や音をとりわけ制限する必要が無く、従って計測用の特別の部屋を用意することなく計測が可能となり、かつ計測のために、医師や専門家を必要とすることなく、被計測者自らが計測可能で、容易に持ち運ぶことのできる装置を用いて、視覚ストレスと聴覚ストレスやその相互作用による視聴覚疲労を計測することができる。
また、インターネット等の通信回線と接続することにより疲労度測定用のプログラムをダウンロードしたり、あるいは、他のコンピュータ・電子機器等に疲労度情報を転送することにより、各種機器の動作態様を設定することが可能となる。
図1は、本発明を適用した視覚疲労・聴覚疲労度計の基本構成を示すブロック図であり、疲労度計の機能構成についての一例を示したものである。図2は、図1の基本構成を、具体的に実現した視覚疲労・聴覚疲労度計の一実施形態として、その具体的構成例を示す斜視図である。
図1において、1は計測者または被計測者が該計測器を操作する際に用いるボタンまたはキーなどの操作部である。2は視覚疲労を計測するための視標や計測手順を説明するための案内表示、計測結果についての情報を表示するための視覚情報表示部、3は聴覚疲労を計測するための音刺激や計測手順を説明するための案内音声、計測結果についての音声による情報を提示するための聴覚情報提示部、4はインターネットや他の機器・情報家電に接続する際に利用される通信部、5は以上の構成部分を統括し、全体として疲労度計としての機能を維持し、また該装置を小型で軽量とするために寄与する演算部であり、6のメモリで構成される記憶部を用いて処理が行われる。
ボタン等操作部1は、操作キー7(図2参照)により計測者または被計測者の応答を入力する手段である。疲労度計測において、その手順に従いこの操作キー7を操作することで、計測の進行を可能としたり、通信部4の機能によりアンテナ10やケーブルを通じてサービスプロバイダに接続し、計測データを送信または計測データに基づく健康管理情報などを受信したりする際に用いる1つまたは複数のボタンにより構成される。
視覚情報表示部2は、CRT、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなど一定の面内に画像を表示することが可能な視覚情報ディスプレイ8である。視覚疲労度計測において立体視標を用いる場合には、左右両眼に視差のある画像を提示することが可能なディスプレイである必要がある。視覚疲労度計測においては、このディスプレイに立体視標や運動視標を提示して、視覚機能の閾値や知覚量が計測される。
聴覚情報提示部3は、スピーカ、ヘッドホン、イヤホン9など音声や機械的合成音などの音刺激を提示することが可能である。疲労度計測においては、これに聴覚機能を計測するための音刺激を提示して、聴覚機能の閾値や知覚量が計測される。
図3は、本発明を適用した視覚疲労度計の一実施形態を示すブロック図であり、視覚疲労度計の機能構成についての一例を示したものである。ボタン11による計測者または被計測者の応答の情報は、インターフェース12を介して中央演算処理装置(CPU)13に送られる。視覚疲労度計測中は、この情報に基づいて逐次視標を変更する。この時に、処理情報をメモリ14に一時的に保管すると共に、ビデオ・コントローラ15を介して、ディスプレイ18により視覚情報の表示を行う。なおこの構成では、立体視標の提示を可能とするため、左右両眼への視覚情報の独立な提示を行うために、ビデオコントローラ15とディスプレイ18との間に、右眼用のビデオメモリ16と左眼用のビデオメモリ17とを独立に有している。
視覚疲労度計測では、視覚機能の絶対閾値計測や絶対閾上の弁別閾値や知覚量計測に基づいて、疲労度評価を行う。
これらの方法では、図4(視覚疲労計測における視覚疲労度と閾値や知覚量との関係を示す説明図)に示すように、視覚疲労度が増加するほど、視覚機能の閾値の上昇や知覚量の低下が見られるとして、閾値や知覚量の大きさと疲労度とが対応している。ただし、閾値や知覚量と疲労度との関係は、相対的なものであり、従って、疲労のない状態での閾値や知覚量をもとにして、閾値や知覚量がどの程度変化しているかを見ることで、疲労度を判定する。よって、視覚疲労度計測では、まず初めに、明らかに疲労のない状態で閾値や知覚量を計測しておくことが必要である。あるいは、視覚疲労度計測ごとに、被測定者の疲労感についての数段階の主観的評価値を視覚疲労度計に入力し、計測された閾値や知覚量とを関係づけることが必要である。
以下では、視覚機能の閾値計測の具体的な例として、立体視標を用いた立体知覚閾値計測と、運動視標を用いた運動知覚計測とについて説明する。立体視標を用いた立体知覚閾値計測では、左右眼に視差の付いた異なる画像を独立に提示することが必要であり、そのために図2の視覚情報表示部2では、アナグリフ方式や偏向フィルタ眼鏡による左右独立提示、レンチキュラー方式、時分割方式または視差バリア方式など、いずれかまたは複数の立体表示を可能とする。立体知覚閾値計測では、その1つの手段として、視標に、図5(視覚疲労計測に使用される立体視標の構成例を示す説明図)の(A)に示すようなランダムドットパタンを用いる。この視標を左右眼に独立に提示することで、ランダムドットパタン中の領域の一部を本来の表示面より手前(すなわち凸面)、または奥(すなわち凹面)に提示させる。この凸面または凹面は、図5の(B)の5つの凸面で示すように、ランダムドットパタン領域の上下左右および中央位置のいずれかに提示される。
計測の各試行では、図6(視覚疲労計測に使用される立体視標の提示例を示す説明図)の(A)に示すように、まずランダムドットパタン領域の中央に固視ターゲット19の凸面(または凹面)が短時間提示され、被計測者はこれを注視する。次に、図6の(B)に示すように、ランダムドットパタン領域の上下左右のいずれか1カ所にテストターゲット20の凸面(または凹面)が短時間提示される。被計測者は、これを観察することで、テストターゲットが上下左右のいずれに現れたかを、図2の操作キー7のボタンをその位置に対応して押すことで、応答する。
なお、テストターゲットが提示される際に、ランダムドットパタン領域全体にテストターゲットをかく乱するノイズ21が提示される。立体知覚閾値は、このノイズ21がランダムドットパタン領域に対してどの程度の面積を占めたかの割合の逆数として求める。すなわち、ノイズが多いほど、立体知覚閾値は低いことを意味する。
本発明を適用した視覚疲労計測・聴覚疲労計測においては、計測中の周囲の光・音環境の影響を極力排除する必要がある。上述の立体知覚閾値では、提示ディスプレイの明るさやコントラストがある一定範囲内であれば、それらの影響を受けないことが既に知られている。明るさについては、Berryら(1950)の報告により、3.2cd/m2以上であれば、立体知覚閾値はほぼ一定である。
また、コントラストについては、図7(立体知覚閾値と視標のコントラストとの関係を示すグラフ)に示すように、コントラスト閾値の10倍以上であれば、立体知覚閾値はほぼ一定である。これらを勘案する時、日常生活において、極端に暗い部屋や場所でなければ、本実施形態による立体知覚閾値計測に基づく視覚疲労計測は、光環境の影響を受けず、安定したデータが得られる。
運動視標を用いた運動知覚閾値計測では、その1つの手段として、視標に、図8(視覚疲労計測に使用される運動視標の構成例を示す説明図)の(A)に示すようなランダムドットパタンを用いる。この視標を上下左右いずれかに運動させることで、ランダムドットパタン領域内に運動領域を生じさせる。この運動領域は、図8の(B)の5つの領域で示すように、ランダムドットパタン領域の上下左右および中央位置のいずれかに提示される。
計測の各試行では、図9(視覚疲労計測に使用される運動視標の提示例を示す説明図)の(A)に示すように、まずランダムドットパタン領域の中央に固視ターゲット22の運動領域が短時間提示され、被計測者はこれを注視する。次に、図9の(B)に示すように、ランダムドットパタン領域の上下左右のいずれか1カ所にテストターゲット23の凸面(または凹面)が短時間提示される。被計測者は、これを観察することで、テストターゲットが上下左右のいずれに現れたかを、図2の操作キー7のボタンをその位置に対応して押すことで、応答する。
なお、テストターゲットが提示される際に、ランダムドットパタン領域全体にテストターゲットをかく乱するノイズ24が提示される。運動知覚閾値は、このノイズがランダムドットパタン領域に対してどの程度の面積を占めたかの割合の逆数として求める。すなわち、ノイズが多いほど、運動知覚閾値は低いことを意味する。
本発明を適用した視覚疲労計測・聴覚疲労計測においては、計測中の周囲の光・音環境の影響を極力排除する必要がある。上述の運動知覚閾値では、提示ディスプレイの明るさやコントラストがある一定範囲内であれば、それらの影響を受けないことが既に知られている。例えば、JohnstonとWright(1985)の報告により、5%以上のコントラストであれば、立体知覚閾値はほぼ一定である。従って、本発明を適用した立体知覚閾値計測に基づく視覚疲労計測は、光環境の影響を受けず、安定したデータが得られる。
図10は、本発明を適用した視覚疲労計測による手続きの一例を示すフローチャートである。
計測では、まず計測スタート(ステップS1001)時に被計測者の名前、年齢、性別を入力し、その被計測者がこの計測を初めて行うかどうかを判定する(ステップS1002)。初めての計測の場合には、被計測者の年齢等の情報により、視標のノイズの割合の初期値を決定し(ステップS1003)、そうでない場合には、これまでの計測結果に基づいて視標のノイズの割合の初期値を決定する(ステップS1004)。
次に、具体的に視標を提示してその閾値を計測することになるが、ここでは心理物理学において階段法とよばれる手法を用いた例を示す。この方法では、試行ごとに視標の見やすさを変更し、閾値に近づけていく。すなわち視標が十分に見えていると判断される場合には、次に視標の値を減少させることで知覚困難となるようにし、視標が見えていないと判断される場合には、次に視標の値を増加させることで知覚可能となるようにするものである。
そして、これを続けていくと、図11(視覚疲労計測の手続きに従って閾値の変化を示す説明図)に示すように、閾値に近づいたあたりで、視標の値は減少から増加へ、または増加から現象へと値の折り返しを繰り返すことになる。この視標の値の折り返しが何回生じたかを計数し、一定数以上折り返したところで計測を終了し、折り返し点での視標の値を平均することで、閾値とする。従って視覚疲労計測においても、具体的には、以下の手順で計測を進める事になる。
まず視標を提示し(ステップS1005)、提示した内容と応答とが一致しているかどうかを判定する(ステップS1006)。一致していれば、視標のノイズの割合値を減少し(ステップS1007)、不一致であれば、視標の値を増加させる(ステップS1008)。
次に、視標の値の増減の折り返しを計数するために、今の応答とその1つ前の応答とは、提示した視覚情報内容に対して、共に一致または不一致であったか、そうではなく、いずれかが一致していて他方は不一致であったのか、どちらであったかを判定する(ステップS1009)。すなわち、いずれか一方が一致で他方が不一致であれば、視標の値の増減が折り返すと判断され、いずれも一致か不一致であれば、視標の値の折り返しはないと判断される。
そこで、折り返しでないと判断されれば、引き続き次の視標が提示され(ステップS1005)、折り返しと判断されれば、折り返し数nを1つ増加させ(ステップS1010)、その数がここでは8より小さいかどうかを判定する(ステップS1011)。8より小さければ、引き続き次の視標が提示され(ステップS1005)、8以上であれば、計測を終了する(ステップS1012)。
次に、聴覚疲労度の計測について説明する。本実施形態では、聴覚疲労度の計測法として、一過性聴覚閾値(TTS)を用いる。TTSを用いた聴覚疲労度計測の課題として、TTSは回復が早いため、素早く閾値計測を行う必要がある。
図12は、TTSの回復曲線を用いた聴覚疲労計測装置の計測原理を示す説明図である。
疲労の本質的な特徴は、Hood(1972年)によれば、「強い刺激が与えられたために受容器が通常の生理的な応答を維持できなくなった結果生じるものであり、刺激が取り除かれた後に計測される。」例えば、あらかじめある周波数における絶対閾を計測しておき、その後で被験者にある特定の強さと周波数の音を一定時間暴露する。そして、再び閾値を計測すれば、その閾値の変動を疲労の測度と見なす事ができるとされている。このときの閾値の変動が一過性聴覚閾値(TTS)と呼ばれている。
本実施形態では、TTS回復曲線として、(1)神経活動に関連する短時間の回復過程と、(2)有毛細胞や代謝機能の変化に関連する比較的長い回復過程、の2相性があり、この2相性を利用して疲労度の評価を行う。
次に、この図12を用いて、生活環境およびオフィス環境などの騒音下において、聴覚疲労度を計測する場合を説明する。騒音に被爆した後の聴覚疲労を評価する時、まずTTSを生じる大きな音圧の検査用疲労刺激を聞かせた後に、閾値変動を計測することで、検査用疲労刺激後の回復曲線を求める。このとき、(1)神経活動に対応した短時間の回復過程による閾値の回復強度と、(2)有毛細胞・代謝機能に対応する穏やかな回復過程による回復曲線の時定数が推定される。
ここで、大きな検査用疲労刺激与えた後の回復曲線を計測し、騒音レベルに埋もれないTTSを用いる事で、騒音環境の影響に強い聴覚疲労度計測を実現している。
また、環境騒音に対する遮音性を高めるために挿耳イヤホンやノイズキャンセル機能付きのイヤホンを用いると、より効果的である。
次に、図13および図14を参照しながら、具体的な計測方法を以下に説明する。図13は、TTS回復曲線を計測する計測原理を示す説明図である。図14は、TTS計測手順を示す説明図である。本実施形態では、実験者を必要としない計測器を開発するために、自動記録式の検査アルゴリズムを採用した。検査音の提示法は、聴力検査用にBekesyが考案し自記オージオメトリーとして知られている方法を用いた。詳細を以下に示す。
スタートボタンとして応答ボタンが押されると計測が開始され、聴覚疲労度を計測する制御プログラムおよびデータが視覚疲労度聴覚疲労度計測装置にネットワーク等を介してダウンロードされる。このプログラム等は、一度ダウンロードされるとそれ以後の計測ではダウンロードする必要は特にない。次に、検査に関するインストラクションがディスプレイに絵や文字で表示される。被検者はインストラクションに従い計測を行う。
検査音の提示は、イヤホンやスピーカ等を介して行われ、検査対象の周波数はプログラムが環境騒音特性を計測して自動的に設定されるが、ユーザが手動で設定することもできる。前回の検査結果が存在する場合は、検査時間の短縮を図るためにインターネットを介してダウンロードされた過去の検査結果を参考にして検査音が設定される。
十分に聴こえる強さの検査音が被験者によって確認され、一旦、検査音が聴こえなくなる音圧レベルまで一定の速度で下げられる。被験者は検査音が聞える間は応答ボタンを押し続け、聞えなくなったならば押すのを止める。このボタン操作に対応して、応答ボタンが押されたら検査音の音圧レベルが一定速度で下げられ、応答ボタンが放されたならば音圧レベルが一定速度で上げる。
この操作が頻繁に繰り返される事によって、時間の経過によるTTSの変化が求められる。図13は、このときの提示された検査刺激音の音圧レベルの計測結果と平滑化処理され推定されたTTS回復曲線を模式的に示している。このTTS回復曲線から、(1)神経活動に対応した短時間の回復過程による閾値の回復強度と、(2)有毛細胞・代謝機能に対応する穏やかな回復過程による回復曲線の時定数が推定される。時定数は指数関数への関数当てはめによって推定される。回復強度は、回復時間の開始時における閾値と時間経過において最初に出現する変極点における閾値と強度差によって求められる。
本実施形態では、これらの特徴量を指標としているため、疲労になるまえの状態を計測したリファレンス値を計測しておく必要がなく、いつでも比較的短い時間で計測が行える。挿耳イヤホンやノイズキャンセル機能付きのイヤホンを用いることで騒音に対する遮音効果を上げること、騒音レベルに埋もれないTTSを用いることで、環境騒音などの擾乱に強い計測が可能となり、検査場所を問わず、どこでも計測を行える。自動記録式の検査アルゴリズムを採用しているため、専門家でなく、一般のユーザ自身が表示・再生されるインストラクションに従い検査を行うことができる。
図15は、聴覚フィードバックを用いた聴覚疲労計測装置の計測原理を示す説明図である。この図15を参照して、聴覚フィードバックを用いた聴覚疲労度計測装置の実施形態について説明する。
人は、普段、家族や友人の顔色や声の感じで相手の疲労の状態や心配事を推察している。音声は人間にとってもっともフレンドリーなコミュニケーション手段であり、最近では携帯電話においてメール読上げ機能や音声認識機能を使ったサービスが始まるなど、音声認識・音声合成技術の進歩はめざましい発展を遂げている。ユビキタス社会においては、この技術を使ったコンピュータ・エージェントとの会話を通して、各種サービスが受けられるようになる。
例えば、オフィスにおけるOA作業において音声による情報入力が使われるなど、音声認識・音声合成技術は重要な技術となるであろう。特に、自動車の運転中においては、安全上運転から目を離すことができなく、ITSによる情報やテレマティクスの機能が多くなると操作が複雑となるため、メールチェックやナビなどの車内機器の操作は音声による命令が主になると考えられる。
ここで、騒々しい場所で話をする時の声は、静かな場所で話す時の声よりも大きくなったり、声の基本周波数も高くなるといった現象がLombard効果として知られている。発話している最中に大きな音が聞えると基本周波数が瞬間的に上昇するが、これは大きな音に驚いた現象ではなく、大脳は小脳を介さない反射的な応答である。また、電話での通話において、送話器における自分の声の一部を側音として受話器に戻すと発話が容易になることが知られている。これらは、環境音の大きさに応じて音声の大きさ等を調整して円滑なコミュニケーションを図る自動的な反射と考えられている。
疲労が増してTTSが上昇して聞えが変化した時も同様であり、図15は、この聴覚フィードバックを用いた聴覚疲労度計測装置を示している。本図に示すように、マイクロフォンによって自分の声を側音としてイヤフォンに戻すことで発話の音量および基本周波数などが変化する。このとき、側音における自分の声の音量を換えたり、基本周波数を変換したり、ノイズによってマスキングすることで、TTSなどの影響による聞え方を反映して、発話音量、基本周波数が瞬時に変化する。これらの反応は短い応答時間で見られ、側音を瞬時に単発的に変化させた場合、その変化による影響を計測することによってTTSの影響を短時間で計測する事ができ、連続してその影響をモニタすることができる。発話の音量および基本周波数などが変化とTTSとの関係から予め被験者実験で関係式を求めておき、疲労度計測においては聴覚フィードバック法によって求められた発話音量および基本周波数などの変化により関係式からTTSが推定される。
図16に示されるように、聴覚疲労度は、TTSの変化、つまり、閾値の大小によって評価される。
この計測方法は反射的な反応であり、その瞬間的な側音の変化および発話への影響を発話者が意識することがないため、他覚的にTTSを計測できることとなる。今後、音声会話を通してのコンピュータへのアクセスは一般的になると予想されており、会話時に意識されることなく他覚的に聴覚疲労をモニタできる本実施方法は有効であると考えられる。
本実施形態による手法では、視覚疲労度と聴覚疲労度とを同時に計測する場合に、これらのデータに基づいて疲労度をより総合的に評価することが可能となる。具体的な総合評価の手法を、図17の(a)および(b)を用いて説明する。本実施形態の手法では、図17の(a)のように視聴覚タスクに対して本発明による視覚疲労度および聴覚疲労度と疲労の主観評価や生理的変化、またその視聴覚タスクに関わる視聴覚情報の様々な物理的特性、すなわち視対象の輝度やコントラスト、大きさあるいは、音圧レベルや音の時間変動などとの相関を明確にしておくことにより、図17の(b)のように視覚疲労度および聴覚疲労度のみの計測により、主観的疲労や生理的変化を予測し、総合的な視聴覚疲労度を評価するものである。
さらに、本手法を発展させることにより、図17の(c)に示すように、あらかじめ明確にされている視聴覚疲労度と視聴覚タスクにおける物理的特性との関係に基づいて、視聴覚タスクにおける物理的特性のみから視聴覚疲労度を予測することにより、その視聴覚タスクにおける物理的特性、すなわち視聴覚環境の適性度を評価することが可能となる。
ユビキタス時代の健康管理において、デジタルトイレによるトイレ使用時における体重、体脂肪率、糖尿値の計測が提案されているが、疲労は日々蓄積されるものであり、1日の生活の中でも様々に変化する。この他の疲労の評価や居眠りを判定する方法として、心拍や脳波などの生理計測をもとにした方法が提案されているが、計測用電極は発汗の影響を受けるなどの問題点があり、また、電極と計測装置を結ぶリード線が邪魔になる、ユーザが電極を貼ることを嫌がるなどの問題点がある。
会話のカオス情報から疲労の具合を計測する方法も提案されているが、自動車運転時の会話などは、緊張感や会話への集中度などによってそのカオス性が変化してしまい、計測状態を一定にするコントロールことが難しい。
これに対して本実施形態による手法は、擾乱を加えた場合と加えない場合の両方を短時間に計測し、この時の計測結果の差を比較する事により、他覚的・反射的な検査方法によって閾値の変化や疲労度を計測することができる。このため、会話による長時間の疲労度モニタにおいても、会話への集中度の変化に対してロバストで安定した結果を得ることができる。
図18は、共分散構造分析を用いた疲労度統計モデルを示す説明図である。
共分散構造分析とは、直接観察できない潜在変数を導入し、その潜在変数と観測変量の間の因果関係を同定する事によって現象を理解する統計的アプローチである。その特徴として、潜在変数の間の因果関係の分析が可能である。パス解析と異なり、因果関係以外に誤差を想定することで正確な分析が可能である。因果関係を間接効果と直接効果に分けて考え、双方向の因果関係も扱える。同定されたパス係数によって、直接的効果、間接的効果、総合効果を知ることができる。といった特徴がある。
本実施形態では、共分散構造分析を用いて、視覚疲労および聴覚疲労に関する生理的・心理的な知見を反映した構成概念に基づいたモデルによって視聴覚疲労度を指標化する。具体的には、環境の物理特性としてモニタされた、環境光(視覚的刺激)および環境騒音(聴覚的刺激)の周波数、強度、疲労時間、およびこれらから算出された総被爆エネルギーなどの物理的刺激に対して、脳波、心拍、皮膚抵抗、視覚誘発電位、聴覚誘発電位などの生理的反応、視覚に関するフリッカー値、視認時間、両眼立体弁別閾、および、聴覚に関するフリッカー値、閾値上昇、閾値回復時間(時定数)が被験者実験によって計測される。この計測データおよび年齢、性別、視力、聴力、体調などの身体的データ、およびアンケートなどによる視覚的疲労感、聴覚的疲労感、総合的疲労感についての主観的評価データについてモデル化を行う。モデル化においては共分散構造分析を用い、フリッカー値、視認時間、両眼立体弁別閾などの視覚的反応、聴覚的フリッカー値、閾値の回復強度、回復曲線の時定数などの聴覚的反応を、視覚的刺激および聴覚的刺激によって生じたとする視覚的因子、聴覚的因子、疲労因子、感覚特性に関する個人差因子などが抽出され、視聴覚疲労の内部構造がこれらの因子からなる階層的因子群によって表現され、視覚疲労度および聴覚疲労度の総合的疲労度への寄与、視覚疲労度と聴覚疲労度との間の相互作用などを、因子間の直接的、間接的、総合的効果で同定した相関関係および因果関係を表わすパス係数によって評価し、総合的な疲労度が数値として指標化される。このとき、指標化された疲労度は、潜在変数である疲労因子が観測変数によって観測されたものである。共分散構造分析を用いた本モデルは、視覚疲労および聴覚疲労を用いて総合的疲労を評価しており、視覚疲労と聴覚疲労の相関関係、因果関係を用いることによって、視覚疲労もしくは聴覚疲労だけを評価した場合と比較して、周囲の光・音環境の擾乱による影響が少ないロバストな疲労度計測装置を実現している。
分散構造分析は、重回帰分析、因子分析、パス分析といった統計分析を網羅した分析手法と言われており、共分散構造分析のモデルの立て方によって様々な統計的分析およびモデル化を行うことができる。つまり、重み付け平均などの重回帰モデル、因子モデル、パス因果モデルといった形に簡略的に表現することもできるため、使用目的に合わせてこれらの簡略モデルを使い、精度は落ちるが計算時間を短縮した疲労度計測装置を実現できる。図19は、重み付け平均を用いて疲労度を評価した視聴覚疲労度算出法を示している。
これらの疲労度指標化用モデルは、実験室で実験条件がコントロールされた生理・心理物理実験によって得られた実験データから構築される。本疲労度計測装置を初めて使う時は、疲労していない状態での計測データを基準リファレンス用として計測する。例えば、熟睡、快眠した翌朝、起床後30分後に基準リファレンス用データを計測する。
また、本疲労度計測装置を実際に使用するユーザの個人差および実際の使用環境・生活環境に合わせた補正・最適を行うために、本疲労度計測装置を使用する度に、視覚的疲労感、聴覚的疲労感、総合的疲労感についての主観的評価結果を本疲労度計測装置に入力する事で、この入力情報と照度計、輝度分布計などの光環境計測機器、騒音計などの音環境計測器によって計測された物理的刺激に関する情報によってモデル内の関係係数が再計算される。これによって、疲労度計測装置はユーザの生活環境プロファイルに強化学習された最適モデルとなる。本最適化のための作業がユーザにとって煩わしいこともあり、本最適化はオプション機能であり、ユーザの希望で自由に選択できる。本強化学習は、ニューラルネットワークによる学習方法によっても行うことができる。
以上述べた本実施形態における疲労度計測装置は、図20に示されるように疲労度計測プログラムがインターネット上のサーバから携帯電話などにダウンロードされるだけで実現される。なお、本疲労度計測装置は、携帯電話に限らず、立体映像表示装置、音響提示装置、被験者応答装置、これらを制御するプログラムを有するものならば、パソコン、PDA,モバイル機器、情報家電、ユビキタスコンピュータなどの端末でも実装・実現できる。
本実施形態による視聴覚疲労度計測については、その幅広い利用が考えられる。図21に利用方法に関わる概念図を示す。視聴覚疲労度計は、データを計測し、これに基づいて視聴覚疲労度の評価を行うものであり、図中点線で囲まれた範囲に対応する。これに対し、得られた視聴覚疲労度の評価値にもとづいて、休憩をとることを促したり、視聴覚疲労を軽減するような方法の利用を促したり、あるいは、この評価値を特定の場所、たとえばインターネット上のサーバーに蓄積しておくことで、利用者個人の他の健康情報とあわせながら、月単位、年単位など特定の時間単位で、疲労度の変動に基づいて、生活習慣の改善や生活環境の改善に努めることが可能となる。さらに、こうした結果に基づいて、生活習慣の改善方法や生活環境の改善方法の妥当性を検討することも可能である。
本実施形態による視聴覚疲労度計のもっとも一般的な利用としては、住宅環境での生活行為、オフィス環境での作業行為、工場等での就労行為、交通機関による移動行為などでの視聴覚疲労度計測、あるいは様々なタイプの映像、すなわちテレビ、映画、3Dディスプレイ、テレビゲーム、アニメーションなどの視聴時の視聴覚疲労度計測などが考えられる。住宅環境では、テレビやラジオ、コンピュータ、電話、テレビ電話などの視聴覚機器による視聴覚刺激のほかに、部屋の明るさや様々な家電製品などの音刺激にさらされており、視聴覚ストレスが存在する。オフィス環境では、主にコンピュータ、電話等の事務用電子機器による視聴覚刺激や作業環境の明るさ、電子機器等の騒音による視聴覚ストレスが存在する。工場や交通機関の移動においても、同様に様々な視聴覚ストレスが存在するため、これらの環境において、視聴覚疲労度を計測することは、利用者の快適性や健康を維持する上で重要であると考えられる。また、様々なタイプの映像については、立体ディスプレイによる眼精疲労や、誘導自己運動感覚によるストレス疲労、さらに映像酔いによるストレス疲労などが存在すると考えられるため、こうした映像に対する視聴覚疲労度を計測することも有用である。なお、図17の(c)に示したように、視聴覚疲労度計測に基づく環境評価という点で、住宅環境、オフィス環境、工場等での就労環境、交通機関による移動環境、映像の視聴覚ストレスなどを評価することも可能である。
次に、疲労度データ利用方法の実施形態について説明する。図22は、疲労度データの利用方法を示す説明図である。
仕事中などにおける疲労は、仕事への集中や緊張感によって自覚され難く、帰宅した後にどっと疲れを感じる事の方が多い。出張中などにおいても旅先の緊張感から疲労が自覚されないことが多い。このため、疲労は慢性化する危険性があり、慢性疲労症候群なる病気に至ることもある。疲労は、能力や仕事効率を下げたり、免疫力を低下させて疾病を誘発する可能性があり、今後大きな問題になるであろう。そのため、日頃から、疲労を感覚的でなく疲労度として数値的に自覚して、その日の疲れはその日の内に取り除くように努めるべきであり、日常における疲労度のモニタおよび履歴の記録は大切なことである。
そこで、いつでも、どこでも、だれでも計測できる本発明を適用した視覚疲労度聴覚疲労度計測装置によってモニタされたデータの活用例を以下に説明する。
計測された疲労度に関するデータは、携帯電話のメモリや自宅のホームサーバなどに保存され、疲労度に合わせた各種機器・装置の動作パラメタの設定や、疲労を取りリフレッシュするための各種生活機器・健康機器等の動作パラメタの設定に利用される。
仕事においては、今後会社に出勤する事なしに自宅で仕事ができる労働形態が普及していくと考えられるが、このように自宅で一人で仕事をする場合は、仕事のペース配分や仕事に関連する生活リズムの自己管理が大切になってくる。モニタされている疲労が、仕事をしているパソコンの画面などに、疲労度や休息の助言として表示される。ファミコンなどのゲームを長時間利用する時も同様である。
仕事から帰宅する時の自動車の運転においては、仕事の緊張感・覚醒によって疲労の割には疲労が自覚されていないことも多い。特に仕事の直後は、運転をしながら仕事の事を考えていることが多く、考え事と運転の並列作業は疲労の影響を大きく受ける。そこで、運転開始時に疲労度を運転者に通知し、疲労度や注意力が下がり運転応答が遅くなる可能性を運転者に自覚させることによって、疲労度を考慮した運転の心構えができ、安全運転につながると考えられる。特に、高齢者や、感覚特性・身体能力が低下した人は比較的短い時間の運転でも疲労しやすく、長時間の運転による疲労度は大きな事故につながる可能性が大きい。
運転をサポートする機能を持った車載コンピュータに疲労度データが転送されて、疲労度に合わせたドライバサポートが調整される。例えば、疲労度から推定された応答時間に合わせて、オートクルーズ機能における車間距離が調整される。また、メール読上げ機能などの各種車内音響・音声情報提示装置においては、個人の聴力特性、TTS、聴覚疲労度、外部騒音などに合わせて、音量、音質特性が調節される。特に、長時間高速道路を運転していた場合はTTSが上昇しており、高速道路を降りた直後は通常の音量では音響・音声情報が明確に聴き取れない事がある。
そこで、TTS値や聴力疲労度を考慮した、車内音響・音声情報提示の音量、音質特性の調節が自動的に行われる。このような事は視覚に関しても同じ事が言える。疲労によって視認性や視焦点調整が難しくなるため、カーナビなどの視覚情報提示のフォントやアイコンの大きさ等を最適化したり、情報内容、情報量が適切に設定される。
日常生活においては、疲労に効果がある使い慣れたサプリメントが購入リストにリストアップされ、帰宅途中のドラッグストアやコンビニの前を通過する時にその情報が携帯電話機等に提示されたり、購入を家族に伝言したり、ホームサーバが自宅在庫をチェックして宅配サービス会社に宅配を発注することができる。
帰宅後のホームマネジメントにおいては、疲労度に合わせた、照明マネジメント、入浴マネジメント等が行われる。PCの残量バッテリー表示のように、疲労度から起きていられる時間および適切な就寝時間が計算される。この就寝時間に合わせて入睡を誘導する、照度、間接照明などの照明効果、環境音楽、癒しロボットなどが制御される。また、室内の室温・湿度調整に加え、リラクゼーション効果のあるアロマが空調機器から送風される。
風呂を管理するホームマネジメントにおいては、疲労度および過去の疲労履歴などに照し合わせて、疲労回復のための処方に合わせて、入浴時間、水温の変化、アロマや入浴剤の選択、入浴方法の指導などのサービスプログラムが設定される。
また、健康のアセスメントや、休暇の過ごし方や旅行などの計画を立てるときにおいて、休養の取り方の判断材料として疲労度履歴をユーザやエージェントコンピュータが利用することも可能である。
以上のことは、本人の生活スタイルや就寝までにすべき事などによって、選択・修正が可能である。
本発明を実施することにより、実オフィス環境で視覚疲労度および聴覚疲労度を計測することができる。
すなわち、本発明によれば、実オフィス環境において、視覚ストレスと聴覚ストレス、および、その相互作用による視聴覚疲労度を他覚的かつ容易に計測することができる視聴覚疲労検査方法が得られる。
また、IT機器の導入により、とりわけ視覚ストレスと聴覚ストレスとに曝されやすく、それでいて作業従事者の多いオフィス環境での労働者を対象として、視聴覚疲労の観点から健康維持につなげることができる。
さらに、疲労度の測定装置としてIT端末を用いることにより、計測データを特定のサーバーあるいはコンピュータ等に転送することで、例えば、個人ごとの視聴覚疲労データの経年変化や人口動態を解析したり、さらに将来的に他の健康データを加えることで総合的な健康維持管理につなげることができる。あるいは、各種機器等の動作パラメータを設定するための、基礎データとして用いることができる。
本発明を適用した視覚疲労・聴覚疲労度計の基本構成を示すブロック図である。 図1に示した基本構成を具体的に実現した視覚疲労・聴覚疲労度計の具体的構成例を示す斜視図である。 本発明を適用した視覚疲労度計の一実施形態を示すブロック図である。 視覚疲労計測における視覚疲労度と閾値との関係を示す説明図である。 視覚疲労計測に使用される立体視標の構成例を示す説明図である。 視覚疲労計測に使用される立体視標の提示例を示す説明図である。 立体知覚閾値と視標のコントラストとの関係を示す線図である。 視覚疲労計測に使用される運動視標の構成例を示す説明図である。 視覚疲労計測に使用される運動視標の提示例を示す説明図である。 本発明を適用した視覚疲労計測による手続きの一例を示すフローチャートである。 視覚疲労計測の手続きに従って閾値の変化を示す説明図である。 TTSの回復曲線を用いた聴覚疲労計測装置の計測原理を示す説明図である。 TTS回復曲線を計測する計測原理を示す説明図である。 TTS計測手順を示す説明図である。 聴覚フィードバックを用いた聴覚疲労計測装置の計測原理を示す説明図である。 聴覚疲労計測における聴覚疲労度と閾値との関係を示す説明図である。 視覚・聴覚疲労度評価および環境評価技術のためのモデルを示す説明図である。 共分散構造分析を用いた疲労度統計モデルを示す説明図である。 視聴覚疲労計測における視聴覚疲労度算出法を示す説明図である。 視聴覚疲労度計測装置の実装方法を示す説明図である。 視覚・聴覚疲労度評価の利用方法にかかわる概念図である。 疲労度データの利用方法を示す説明図である。
符号の説明
1 ボタン等操作部
2 視覚情報表示部
3 聴覚情報表示部
4 通信部
5 演算部
6 記憶部
7 操作キー
8 視覚情報ディスプレイ
9 イヤホン
10 アンテナ

Claims (34)

  1. 視覚刺激を提示する可視情報提示手段と、
    予め定めた視覚刺激を前記可視情報提示手段から提示させることにより、周囲環境における視覚的外乱の影響を低減させた既定の視覚機能特性を計測する視覚計測手段と、
    前記視覚計測手段により得られた前記視覚機能特性の変動に基づいて視覚疲労度を評定する視覚疲労度評定手段と、
    を具備したことを特徴とする疲労度計測装置。
  2. 聴覚刺激を提示する可聴情報提示手段と、
    予め定めた聴覚刺激を前記可聴情報提示手段から提示させることにより、周囲環境における聴覚的外乱の影響を低減させた既定の聴覚機能特性を計測する聴覚計測手段と、
    前記聴覚計測手段により得られた前記聴覚機能特性の変動に基づいて聴覚疲労度を評定する聴覚疲労度評定手段と、
    を具備したことを特徴とする疲労度計測装置。
  3. 請求項1に記載の疲労度計測装置と、請求項2に記載の疲労度計測装置とを併せ備えた疲労度計測装置であって、
    前記視覚疲労度評定手段により評定された視覚疲労度、および、前記聴覚疲労度評定手段により評定された聴覚疲労度の双方に基づいて、総合的な視聴覚疲労度を判定する判定手段、
    を有することを特徴とする疲労度計測装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の疲労度計測装置において、
    身体に携帯可能な筐体内、もしくは持ち運び可能な筐体内に該当する各手段が組み込まれており、当該筐体を操作することにより既定の疲労度計測が実行されることを特徴とする疲労度計測装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の疲労度計測装置において、さらに加えて、
    予め登録したサービスプロバイダに対して、計測された疲労度情報を送信する通信手段を備え、
    蓄積された前記疲労度情報に基づいて健康維持管理用データベースを作成可能とすることを特徴とする疲労度計測装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の疲労度計測装置において、
    既存の可搬型電子機器もしくは携帯型通信機器、および、該当する制御プログラムを用いて疲労度計測を行うことを特徴とする疲労度計測装置。
  7. 請求項1,3〜6のいずれかに記載の疲労度計測装置において、
    前記視覚計測手段は、運動視の運動知覚閾値計測または運動知覚閾上の運動速度弁別閾値計測または移動量弁別閾値計測を行い、
    前記視覚疲労度評定手段は、前記視覚計測手段から得られた当該計測値の変動に基づいて疲労度を評定する、
    ことを特徴とする疲労度計測装置。
  8. 請求項1,3〜7のいずれかに記載の疲労度計測装置において、
    前記可視情報提示手段は立体表示機能を有し、
    前記視覚計測手段は、立体視の立体知覚閾値計測または立体知覚閾上の奥行き弁別閾値計測を行い、
    前記視覚疲労度評定手段は、前記視覚計測手段から得られた当該計測値の変動に基づいて疲労度を評定する、
    ことを特徴とする疲労度計測装置。
  9. 請求項2〜6のいずれかに記載の疲労度計測装置において、
    前記可聴情報提示手段、前記聴覚計測手段、および前記聴覚疲労度評定手段は、一過性聴覚閾値を用いて聴覚疲労度の評定を行うことを特徴とする疲労度計測装置。
  10. 請求項9に記載の疲労度計測装置において、さらに加えて、
    一過性聴覚閾値を生じる検査用疲労刺激を発生した後に閾値変動を計測することにより、検査用疲労刺激後の回復曲線を求める手段を備え、
    神経活動に対応した短時間の回復過程による閾値の回復強度と、有毛細胞および代謝機能に対応する穏やかな回復過程による回復曲線の時定数を推定することを特徴とする疲労度計測装置。
  11. 請求項2〜6,9,10のいずれかに記載の疲労度計測装置において、
    前記可聴情報提示手段は、自記オージオメトリー法を用いて検査音を提示することを特徴とする疲労度計測装置。
  12. 請求項2〜6,9〜11のいずれかに記載の疲労度計測装置において、
    前記可聴情報提示手段として、挿耳イヤホン、または、ノイズキャンセル機能付きのイヤホンを用いることを特徴とする疲労度計測装置。
  13. 請求項2〜6,9〜12のいずれかに記載の疲労度計測装置において、
    聴覚フィードバック方式に基づいた聴覚疲労度を評定することを特徴とする疲労度計測装置。
  14. 請求項13に記載の疲労度計測装置において、
    擾乱を加えた場合と加えない場合の両方を短時間に計測し、その時の計測結果の差を比較することにより、他覚的かつ反射的な検査方法によって閾値の変化や疲労度を計測することを特徴とする疲労度計測装置。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の疲労度計測装置において、
    共分散構造分析を用い、視覚疲労、聴覚疲労に関する生理的および/または心理的な知見を反映した構成概念に基づいたモデルによって視聴覚疲労度を指標化することを特徴とする疲労度計測装置。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の疲労度計測装置において、
    疲労度計測プログラムはインターネット上のサーバからダウンロードされることを特徴とする疲労度計測装置。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の疲労度計測装置において、
    計測された疲労度に関するデータは、携帯型通信器,可搬型電子機器,車載用コンピュータ,または他のサーバに保存され、疲労度に合わせて各種機器における動作パラメータが設定されることを特徴とする疲労度計測装置。
  18. 視覚刺激を提示する可視情報提示ステップと、
    予め定めた視覚刺激を前記可視情報提示ステップから提示させることにより、周囲環境における視覚的外乱の影響を低減させた既定の視覚機能特性を計測する視覚計測ステップと、
    前記視覚計測ステップにより得られた前記視覚機能特性の変動に基づいて視覚疲労度を評定する視覚疲労度評定ステップと、
    を具備したことを特徴とする疲労度計測方法。
  19. 聴覚刺激を提示する可聴情報提示ステップと、
    予め定めた聴覚刺激を前記可聴情報提示ステップから提示させることにより、周囲環境における聴覚的外乱の影響を低減させた既定の聴覚機能特性を計測する聴覚計測ステップと、
    前記聴覚計測ステップにより得られた前記聴覚機能特性の変動に基づいて聴覚疲労度を評定する聴覚疲労度評定ステップと、
    を具備したことを特徴とする疲労度計測方法。
  20. 請求項18に記載の疲労度計測方法と、請求項19に記載の疲労度計測方法とを併せ備えた疲労度計測方法であって、
    前記視覚疲労度評定ステップにより評定された視覚疲労度、および、前記聴覚疲労度評定ステップにより評定された聴覚疲労度の双方に基づいて、総合的な視聴覚疲労度を判定する判定ステップ、
    を有することを特徴とする疲労度計測方法。
  21. 請求項18ないし20のいずれかに記載の疲労度計測方法において、
    身体に携帯可能な筐体内、もしくは持ち運び可能な筐体内に該当する各ステップが組み込まれており、当該筐体を操作することにより既定の疲労度計測が実行されることを特徴とする疲労度計測方法。
  22. 請求項18ないし21のいずれかに記載の疲労度計測方法において、さらに加えて、
    予め登録したサービスプロバイダに対して、計測された疲労度情報を送信する通信ステップを備え、
    蓄積された前記疲労度情報に基づいて健康維持管理用データベースを作成可能とすることを特徴とする疲労度計測方法。
  23. 請求項18ないし22のいずれかに記載の疲労度計測方法において、
    既存の可搬型電子機器もしくは携帯型通信機器、および、該当する制御プログラムを用いて疲労度計測を行うことを特徴とする疲労度計測方法。
  24. 請求項18,20〜23のいずれかに記載の疲労度計測方法において、
    前記視覚計測ステップは、運動視の運動知覚閾値計測または運動知覚閾上の運動速度弁別閾値計測または移動量弁別閾値計測を行い、
    前記視覚疲労度評定ステップは、前記視覚計測ステップから得られた当該計測値の変動に基づいて疲労度を評定する、
    ことを特徴とする疲労度計測方法。
  25. 請求項18,20〜24のいずれかに記載の疲労度計測方法において、
    前記可視情報提示ステップは立体表示機能を有し、
    前記視覚計測ステップは、立体視の立体知覚閾値計測または立体知覚閾上の奥行き弁別閾値計測を行い、
    前記視覚疲労度評定ステップは、前記視覚計測ステップから得られた当該計測値の変動に基づいて疲労度を評定する、
    ことを特徴とする疲労度計測方法。
  26. 請求項19〜23のいずれかに記載の疲労度計測方法において、
    前記可聴情報提示ステップ、前記聴覚計測ステップ、および前記聴覚疲労度評定ステップは、一過性聴覚閾値を用いて聴覚疲労度の評定を行うことを特徴とする疲労度計測方法。
  27. 請求項26に記載の疲労度計測方法において、さらに加えて、
    一過性聴覚閾値を生じる検査用疲労刺激を発生した後に閾値変動を計測することにより、検査用疲労刺激後の回復曲線を求めるステップを備え、
    神経活動に対応した短時間の回復過程による閾値の回復強度と、有毛細胞および代謝機能に対応する穏やかな回復過程による回復曲線の時定数を推定することを特徴とする疲労度計測方法。
  28. 請求項19〜23,26,27のいずれかに記載の疲労度計測方法において、
    前記可聴情報提示ステップでは、自記オージオメトリー法を用いて検査音を提示することを特徴とする疲労度計測方法。
  29. 請求項19〜23,26〜28のいずれかに記載の疲労度計測方法において、
    前記可聴情報提示ステップでは、挿耳イヤホン、または、ノイズキャンセル機能付きのイヤホンを用いることを特徴とする疲労度計測方法。
  30. 請求項19〜23,26〜29のいずれかに記載の疲労度計測方法において、
    聴覚フィードバック方式に基づいた聴覚疲労度を評定することを特徴とする疲労度計測方法。
  31. 請求項30に記載の疲労度計測方法において、
    擾乱を加えた場合と加えない場合の両方を短時間に計測し、その時の計測結果の差を比較することにより、他覚的かつ反射的な検査方法によって閾値の変化や疲労度を計測することを特徴とする疲労度計測方法。
  32. 請求項18〜31のいずれかに記載の疲労度計測方法において、
    共分散構造分析を用い、視覚疲労、聴覚疲労に関する生理的および/または心理的な知見を反映した構成概念に基づいたモデルによって視聴覚疲労度を指標化することを特徴とする疲労度計測方法。
  33. 請求項18〜32のいずれかに記載の疲労度計測方法において、
    疲労度計測プログラムはインターネット上のサーバからダウンロードされることを特徴とする疲労度計測方法。
  34. 請求項18〜33のいずれかに記載の疲労度計測方法において、
    計測された疲労度に関するデータは、携帯型通信器,可搬型電子機器,車載用コンピュータ,または他のサーバに保存され、疲労度に合わせて各種機器における動作パラメータが設定されることを特徴とする疲労度計測方法。
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