JP2005166543A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応ガス流路4cから水流路7へポーラスセパレータ3cを介して反応ガスが漏洩するのを防ぐことができる燃料電池を提供する。
【解決手段】ポーラスセパレータ3cの電極2cに接触する面には反応ガス流路4cを形成し、他面20sには水流路形成プレート8と接触し、ポーラスセパレータ3cと水流路形成プレート8の合わせ面20にそれぞれ形成された第一溝路5と第二溝路6を組み合わせることにより、水流路7を形成する。このとき、水流路7を流通する水に対して上側に位置する第一溝路5の上側溝側面50を、水流路形成プレート8との接触面31に向かって上に傾いた斜面9により形成する。また、第二溝路6の斜面9に連なる上側溝側面60の端部61を、斜面9の端部51と同じか、またはそれよりも上方に位置するように構成することで、第一溝路5中の気泡を第二溝路6に移動させる。
【選択図】 図1
【解決手段】ポーラスセパレータ3cの電極2cに接触する面には反応ガス流路4cを形成し、他面20sには水流路形成プレート8と接触し、ポーラスセパレータ3cと水流路形成プレート8の合わせ面20にそれぞれ形成された第一溝路5と第二溝路6を組み合わせることにより、水流路7を形成する。このとき、水流路7を流通する水に対して上側に位置する第一溝路5の上側溝側面50を、水流路形成プレート8との接触面31に向かって上に傾いた斜面9により形成する。また、第二溝路6の斜面9に連なる上側溝側面60の端部61を、斜面9の端部51と同じか、またはそれよりも上方に位置するように構成することで、第一溝路5中の気泡を第二溝路6に移動させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は燃料電池に関する。特に、ポーラスプレートを用いた内部加湿型の燃料電池 に関する。
燃料電池システムは燃料が有する化学エネルギを直接電気エネルギに変換する装置である。電解質膜を挟んで設けられた一対の電極のうちアノードに水素を含有する燃料ガスを、カソードに酸素を含有する酸化剤ガスを供給し、これら一対の電極の電解質膜表面で生じる下記の電気化学反応を利用して電極から電気エネルギを取出す。各電極では、下記(1)、(2)に示す反応が行われる。
アノード:H2→2H++2e- ・・・(1)
カソード:1/2O2+2H++2e-→H2O ・・・(2)
アノードに燃料ガスを供給する方法としては、水素貯蔵装置から水素を直接供給する方法や、ガソリンやアルコール、天然ガス等の燃料を改質した水素含有ガスを供給する方法が知られている。水素貯蔵装置としては高圧ガスタンク、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンク等がある。カソードに供給する酸化剤ガスとしては、一般に空気が用いられる。
カソード:1/2O2+2H++2e-→H2O ・・・(2)
アノードに燃料ガスを供給する方法としては、水素貯蔵装置から水素を直接供給する方法や、ガソリンやアルコール、天然ガス等の燃料を改質した水素含有ガスを供給する方法が知られている。水素貯蔵装置としては高圧ガスタンク、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンク等がある。カソードに供給する酸化剤ガスとしては、一般に空気が用いられる。
固体高分子型燃料電池では、燃料ガスおよび酸化剤ガスを電解質膜面内に効果的に分配するために、また、これらの反応ガスの混合を防止するためにセパレータを電解質膜および電極を狭持する形で配置する構造が一般的である。このセパレータに関する導電性、機械的特性、ガス配流、電池内で存在する水の管理手段向上を目的に、様々な検討がなされている。
一般的に、上記反応ガスを互いに隔離するためのセパレータには、金属やガスの不透過な緻密性カーボンが用いられてきた。一方で、電池内の自己加湿機能や余剰水分の除去を目的とした多孔質基材のセパレータを用いた燃料電池も知られている。
例えば、多孔質セパレータに金属酸化物を担持させることにより、従来撥水性を示すカーボン製に親水機能を付与し、反応面で発生した凝縮水を効果的にプレート内に吸水させるものが知られている(例えば、特許文献1、参照。)。
米国特許第5840414号明細書
このように、多孔質セパレータを用いた場合には、凝縮水の回収を行うことにより流路の水詰まりを抑制すると共に、流路表面に水分が存在するため、流路内の反応ガスの加湿を行うことができる。しかしながら、冷却水流路内で発生、または混入した気泡の一部が流路表面に停滞した場合、その部分で水が多孔質プレート内部に浸透し難くなる。一方で、反応面では多孔質プレート表面から水が蒸発し続けるために、結果としてセパレータの部分的なドライアウトが発生し、プレート内の水シール機能が低下して、反応ガスが純水流路内に漏洩するという問題があった。
そこで本発明は、上記問題を鑑みて、純水流路内の気泡によるプレート内の部分的なドライアウトを抑制することができる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、ポーラスな素材で形成されたセパレータの電極層と接触する一面にはガス流路が形成され、前記セパレータの他面には水流路形成プレートが接触し、これらセパレータと水流路形成プレートの合わせ面には、セパレータ側に設けた第一の溝路と、水流路形成プレート側に設けた第二の溝路とを組み合わせて形成される水流路が設けられる。前記セパレータに設けた第一溝路のうち、水の流れの上側に位置する溝側面は、前記水流路形成プレートとの接触面に向けて上向きの傾きをもった斜面で形成され、前記水流路形成プレートに設けた第二溝路の溝側面のうち、前記斜面に連なる溝側面の端部は、前記斜面の端部と同じか、またはそれよりも上方に位置する。
セパレータに設けた第一溝路のうち、水の流れの上側に位置する溝側面は、前記水流路形成プレートとの接触面に向けて上向きの傾きをもった斜面で形成され、前記水流路形成プレートに設けた第二溝路の溝側面のうち、前記斜面に連なる溝側面の端部は、前記斜面の端部と同じか、またはそれよりも上方に位置する。これにより、第一溝路内の気泡が第二溝路に移動するので、水流路内部でポーラスな素材により形成されたセパレータに気泡が接触して部分的なドライアウトを生じるのを抑制することができる。
本実施形態に用いる燃料電池を構成する単位セルの概略構成を図1に示す。燃料電池を、図1に示す単位セル10を複数個積層することにより構成する。または、燃料電池を一つの単位セル10から構成してもよい。
単位セル10を、膜電極接合体11、セパレータ3、水流路形成プレート8を積層することにより構成する。膜電極接合体11をアノード側セパレータ3aとカソード側セパレータ3cにより狭持し、アノード側セパレータ3aとカソード側セパレータ3cの少なくとも一方に隣接して水流路形成プレート8を配置する。
膜電極接合体11を、高分子電解質膜1と、これを狭持する一対のガス拡散電極2であるアノードガス拡散電極2a、カソードガス拡散電極2cとから構成する。ガス拡散電極2を、それぞれ触媒層とガス拡散層から構成する。ここでは、ガス拡散層の高分子電解質膜1に接触する面に、Pt等の触媒を担持させることにより各ガス拡散電極2を構成する。なお、触媒層とガス拡散層とを別々に形成して組み立て時に一体化したり、高分子電解質膜1の表面に触媒を塗布することにより触媒層を形成したりしてもよい。
このような膜電極接合体11に隣接してアノード側セパレータ3a、カソード側セパレータ3cを配置する。アノード側セパレータ3aの膜電極接合体11と接触する面には溝状のアノードガス流路4aを形成し、その背面には、溝状の不凍結媒体流路12を形成する。不凍結媒体流路12には、エチレングリコール等を主成分とした不凍液(LLC)を流通させ、単位セル10の温度を調整可能とする。
アノード側セパレータ3aは、アノードガスおよび不凍液の不透過性を有するような緻密なカーボン材により構成される。例えば、JISK7126に従い、10-13[cc・cm(cm2/sec・cmHg)]とする。不凍液の透過性に関しては、アノード側セパレータ3aを挟んだ両面に純水および不凍液(例えば、エチレングリコール50%希釈溶液)を配置した後、500時間後の純水の化学分析およびアノード側セパレータ3aを構成するプレートの機械特性変化を評価する。
一方、カソード側セパレータ3cの膜電極接合体11と接触する面には溝状のカソードガス流路4cを形成し、その背面20sには純水を流通する水流路7の一部となる第一溝路5を形成する。カソード側セパレータ3cをポーラスなカーボン材により構成する。このため、第一溝路5が形成する水流路7を流れる純水の一部は、毛細管現象によりカソード側セパレータ3c内に浸透し、カソードガス流路4cを形成する溝表面に到達する。その結果、カソードガス流路4cを流通するカソードガスを水シールできると共に、カソードガス流路4cに乾燥したカソードガスが供給された際に溝表面から水分が蒸発することによりカソードガスを加湿することができる。また、カソードガス流路4c内に生じた生成水、凝縮水をカソード側セパレータ3c内に吸水することにより、流路の水詰まりを抑制することができる。さらに、水流路7を流通する純水は、不凍結媒体流路12を流通する不凍液と同様に、単位セル10で生じた熱を除去することができる。
さらに、このようなカソード側セパレータ3cのカソードガス流路4cを形成した面の背面20sに隣接して、水流路形成プレート8を配置する。水流路形成プレート8の、カソード側セパレータ3cに接触する面20pには、溝状の第二溝路6を形成する。第二溝路6を、第一溝路5と略対峙する位置に形成し、第一溝路5と第二溝路6とを組み合わせることにより水流路7を形成する。言い換えれば、第二溝路6は第一溝路5内部に連通する位置に形成される。
また、水流路形成プレート8を緻密材により構成する。ここで、単位セル10を複数積層する場合には、水流路形成プレート8の面20pの背面には、アノード側セパレータ3aの不凍結媒体流路12を形成した面が接触する。そこで、水流路形成プレート8を、水および不凍液に関して不透過性を有する部材により構成する。例えば、アノード側セパレータ3cを構成する部材と同様の部材により形成する。
次に、上述した、ポーラス材により形成したカソード側セパレータ3cに接触する水流路7内に気泡が存在している状態を図2(b)に示す。
水流路7内には、流通する純水中に気泡が混入したり、水流路7内で気泡が発生したりすることにより、その気泡が水流路7内に滞留してしまう可能性がある。例えば、図2に示すように、単位セル10の積層面が略垂直方向であり、水流路7内の純水の流通方向が略水平方向となる部分では、水流路7内に滞留した気泡が第一溝路5の溝側面に接触した状態となる可能性がある。このような場合には、気泡とカソード側セパレータ3cとの接触部分において、カソード側セパレータ3c内部への純水の拡散が阻害されてしまう。一方、カソード側セパレータ3c表面からカソードガス流路4cを流通するカソードガスへの蒸発は継続して行われる。その結果、カソード側セパレータ3cに部分的なドライアウトが生じ、ここを通ってカソードガスが水流路7内に漏洩してしまう可能性がある。
そこで、このような部分的なドライアウトを抑制するために、水流路7を図1に示すように構成する。図1の点線円内に、水流路7の拡大図を示す。
水流路7を、カソード側セパレータ3cの面20sに設けた第一溝路5と、水流路形成プレート8の面20pに設けた第二溝路6とを組み合わせて形成する。第一溝路5を形成する溝表面のうち、水の流れの上側に位置する上側溝側面50を、水流路形成プレート8との接触面20sに向けて上向きの傾きを持った斜面9により形成する。ここでは、第一溝路5を、溝幅が接触面20sに向かって徐々に広くなるテーパ形状に形成する。
また、第二溝路6を、溝幅が接触面20pに向かって徐々に幅が広くなるテーパ形状に形成する。ただし、少なくとも、第一溝路5の断面におけるテーパ角θ1が、第二溝路6のテーパ角θ2より大きくなるように構成する。例えば、テーパ角θ1を15°、テーパ角θ2を5°とする。第一溝路5から第二溝路6への気泡の移動を確実に、かつ、速やかに行うために、テーパ角θ1は大きい方が好ましい。また、第二溝路6から第一溝路5に気泡が移動するのを抑制するために、テーパ角θ2はできる限り小さいほうが好ましい。
また、第二溝路6の溝側面のうち、第一溝路5の斜面9に連なる上側溝側面60の端部61は、上側溝側面50(斜面9)の端部51と同じか、またはそれよりも垂直上方に位置するように形成する。ここでは、端部61と端部51は略同じ位置となるように構成する。また、第一溝路5の溝側面のうち下方に位置する下側溝側面52の端部53と、第二溝路6の溝側面のうち下方に位置する下側溝側面62の端部63とが、略同じ位置に配置されるように形成する。つまり、カソード側セパレータ3cと水流路形成プレート8の合わせ面20に形成された凹凸が、略一致するように形成する。
このように水流路7を形成した際の水流路7内の気泡の状態を図2(a)に示す。
水流路7内に混入または発生した気泡は、水流路7内の垂直上方に存在する。例えば、気泡が第一溝路5内で発生した場合には、上側溝側面50を形成する斜面9に気泡が接触し、その後斜面9の傾斜の影響により第二溝路6内に移動する。第二溝路6が形成されている水流路形成プレート8は、緻密材により構成されているため、気泡が第二溝路6を形成する溝表面に接触することによる影響を受けず、水流路7内に気泡が存在する場合に生じる反応ガスの漏洩、発電効率の低下を避けることができる。
なお、このような効果を得ることができる水流路7の形状は上記の限りではない。図3(図3−1、図3−2)に水流路7の形状例を示す。なお、図1に示した水素路7の形状を形状例1とする。
図3(a)に、水流路7の形状例2を示す。以下、形状例1と異なる部分を説明する。
第一溝路5の上側溝側面50を、円弧形状の斜面9aにより形成する。ここでは、第一溝路5の溝表面全体を円弧形状に形成して、第一溝路5の溝表面に気泡の滞留しやすい角部が形成されるのを避ける。また、溝表面全体を円弧形状とすることにより、第一溝路5を成形する際の加工を簡易化する。ただし、上側溝側面50を形成する斜面9aに相当する円弧形状の略上半分については、溝表面全ての接線が接触面20sに向かって上向きに傾くように形成する。つまり、斜面9aを、連続的に、面20sに向かって上向きの傾斜を持つ面により形成する。これにより、第一溝路5内の気泡を、斜面9aの円弧形状に沿って、隣接する第二溝路6に移動させることができる。
図3(b)に、水流路7の形状例3を示す。以下、形状例1と異なる部分を説明する。
ここでは、各溝路5、6の下側溝側面52、62においてその端部53、63を互いに一致させずに形成した。ここでは、端部63が端部53の上方に位置するように形成した。溝底面54、64および接触面20s、20pにおけるそれぞれの溝幅が、第一溝路5に比べて第二溝路6のほうが小さくなるように形成する。例えば、第一溝路5の断面積を要求される水流量を十分に流通できる大きさとし、第二溝路6の断面積を気泡を回収できる大きさとする。このように、第一溝路5の断面を大きくして流通する水流量を増大することにより、発熱を生じる膜電極接合体11近傍を流れる純水流量を増大することができるので、純水による冷却機能を向上することができる。
図3(c)に、水流路7の形状例4を示す。以下、形状例1と異なる部分を説明する。
ここでは、第二溝路6の上側溝側面60の端部61を、第一溝路5の上側溝側面50の端部51より上方に配置する。これにより、一度、第二溝路6内に回収された気泡が、再び第一溝路5に移動するのを抑制することができる。また、第二溝路6内に回収することができる気泡の体積を増大することができる。
また、第一溝路5の下側溝側面52にテーパを設けず、接触面20sおよび溝底面54に対して垂直とする。これにより、第一溝路5の溝底面54の面積を増大することができるので、発熱を生じる膜電極接合体11近傍を流れる水の量を増大することができ、冷却機能を向上することができる。
図3(d)に、水流路7の形状例5を示す。以下、形状例4と異なる部分を説明する。
第一溝路5の上側溝側面50を、面20sに向かって上向きの傾きを持っている複数の斜面9により形成する。ここでは二つの斜面9b、9cにより上側溝側面50を形成する。斜面9cは、斜面9bと溝底面54との為す角を面取りすることにより形成される面とする。このように、隣接する平面どうしが為す角の角度が大きくなるように形成することで、気泡が滞留しにくい形状とすることができる。また、上側溝側面50を連続的に傾きが上向きの斜面により形成することにより、第一溝路5内で気泡が滞留するのを確実に抑制することができる。
図3(e)に、水流路7の形状例6を示す。以下、形状例1と異なる部分を説明する。
第一溝路5の溝表面のうち、上側溝側面50を円弧形状の傾斜9aにより形成する。このとき、形状例2と同様に、傾斜9aは、連続的に、面20sに向かって上向きの傾きを持つ円弧面により形成する。このように、上側溝側面50のみを円弧形状に形成した場合にも、形状例2と同様の効果を得ることができる。
図3(f)に、水流路7の形状例7を示す。以下、形状例1と異なる部分を説明する。
第一溝路5の断面を三角形状に形成する。それぞれ平面より形成された上側溝側面50と下側溝側面52とが、頂部55で接触するように形成することで、溝断面を三角形状に形成する。このように形成した場合には、上側溝側面50の傾き(テーパ角θ1に相当)を大きくすることができるので、第一溝路5内の気泡を第二溝路6に確実に、かつ、速やかに移動させることができる。
図3(g)に、水流路7の形状例8を示す。以下、形状例1と異なる部分を説明する。
第二溝路6の上側溝側面60を、接触面20pに向かって傾きが下向きの斜面10により形成する。ここでは、斜面10が、接触面20sに向かって上向きの傾きをもつ斜面9(上側溝側面50)の延長形状となるように形成する。このように形成することで、第一溝路5から第二溝路6への気泡の移動を確実に、かつ、スムーズに行うことができる。また、第二溝路6に移動した気泡は溝底面64近傍に滞留するので、第一溝路5に再び移動するのを抑制し、また、気泡がポーラス材により形成されたカソード側セパレータ3cに接触し難くすることができる。
図3(h)に、水流路7の形状例9を示す。以下、形状例1と異なる部分を説明する。
第一溝路5に対して第二溝路6を上方に配置する。上側溝側面60の端部61を、上側溝側面50の端部51より上方に、下側溝側面62の端部63を下側溝側面52の端部53より上方に配置する。ただし、第一溝路5と第二溝路6の内部が連通するように形成する。つまり、第一溝路5の開口部と第二溝路6の開口部の一部が重なるように形成する。
このように形成することで、第一溝路5から第二溝路6に移動した気泡が、再度第一溝路5に移動し難くすることができる。また、各溝路5、6を形成する際に、第二溝路6が第一溝路5の上方に位置するように形成すればよいので、溝を形成する位置を略同一とする場合に比べて精度を必要とせず、製造を簡易化することができる。
図3(i)に、水流路7の形状例10を示す。以下、形状例9と異なる部分を説明する。
形状例9に示した水流路7において、第二溝路6の溝表面を円弧または楕円形状に形成する。このように形成した場合にも、形状例9と同様の効果を得ることができる。また、第二溝路6を構成する溝の加工を容易にすることができる。
図3(j)に、水流路7の形状例11を示す。以下、形状例1と異なる部分を説明する。
第二溝路6の溝側面60、62を溝底面64に対して垂直に形成する。ここで、溝側面60を、接触面20pに向かって下向きの傾斜を持つように形成する際には、加工が比較的困難となる。また、溝側面60を、接触面20pに向かって上向きの傾斜を持つように形成すると、第二溝路6から第一溝路5へ気泡が移動し易くなる。そこで、溝側面60を、接触面20pに向かって水平に形成することで、比較的加工が簡単であり、かつ、気泡が第二溝路6から第一溝路5へ移動し難い形状とすることができる。
このような形状例1〜11のいずれかを用いて、水流路7を構成する。このとき、第一溝路5の、少なくとも上側溝側面50(斜面9)に親水処理を施す。ここでは、例えば上側溝側面50と下側溝側面52に親水処理を施す。親水処理に際して、プレート表面に処理剤を塗布する場合には、これが溝底面54の細孔を埋めてしまわないように、ごく表面のみの処理を行う。ここでは、溝側面50、52塗布後、カソード側セパレータ3cのカソードガス流路4cを形成した面側から加圧してカソード側セパレータ3c内部にガスを通過させながら細孔を確保する。なお、このときの加圧は、電池の運転において、カソード側セパレータ3cの表裏で発生する差圧以上とする。
なお、水流路7の形状は上記の限りではなく、第一溝路5の気泡を第二溝路6に移動することができる形状であればよい。
次に、本実施形態の効果について説明する。
ポーラスな素材で形成されたセパレータ3cの電極層2cと接触する一面にはガス流路4cが形成され、セパレータ3cの他面20sには水流路形成プレート8が接触し、これらセパレータ3cと水流路形成プレート8の合わせ面20には、セパレータ3c側に設けた第一溝路5と、水流路形成プレート8側に設けた第二溝路6とを組み合わせて形成される水流路7が設けられる。セパレータ3cに設けた第一溝路5のうち、水の流れの上側に位置する上側溝側面50は、水流路形成プレート8との接触面20sに向けて上向きの傾きをもった斜面9で形成され、水流路形成プレート8に設けた第二溝路6の溝側面のうち、斜面9に連なる上側溝側面60の端部61は、上側溝側面50(斜面9)の端部51と同じか、またはそれよりも上方に位置する。これにより、第一溝路5に存在する気泡が第二溝路6に移動し、ポーラス材により形成されたセパレータ3cのガス流路4c表面に気泡が滞留するのを抑制することができる。その結果、セパレータ3c内の部分的なドライアウトが生じるのを抑制でき、反応ガス漏れに伴う発電効率の低下を抑制することができる。
特に、上側溝側面50を、連続的に接触面20に向かって上向きの傾きを持つように形成する。これにより、気泡を確実に、かつ、スムーズに第一溝路5から第二溝路6に移動させることができるので、さらにセパレータ3cに部分的なドライアウトが生じるのを避けることができる。
例えば、第一溝路5を、水流路形成プレート8との接触面20sに向けて溝幅が増大するテーパ形状に構成する(形状例1、3、7、8〜11)。これにより、上述したような形状を容易に形成することができる。
また、第二溝路6を、セパレータ3cとの接触面20pに向かって溝幅が増大するテーパ形状に構成し、第一溝路5のテーパ角θ1を、第2溝路6のテーパ角θ2より大きく構成する(形状例1、3、7、9)。これにより、第一溝路5に存在する気泡を第二溝路6に移動させることができるとともに、第二溝路6の加工を容易に行うことができる。
または、第一溝路5の斜面9を円弧9aにより形成する(形状例2、6)。これにより、第一溝路5内部に気泡が滞留し難くなるので、セパレータ3cの部分的なドライアウトを抑制することができる。
または、第一溝路5の斜面9を、複数の斜面9b、9cにより構成する(形状例5)。このように構成した場合にも、第一溝路5に存在する気泡が第二溝路6に移動し、ポーラス材により形成されたセパレータ3cのガス流路4c表面に気泡が滞留するのを抑制することができる。
水流路形成プレート8に設けた第二溝路6の溝側面のうち、斜面9に連なる上側溝側面60を、セパレータ3cに向かって下向きの傾きをもった斜面10で構成する(形状例8)。これにより、第二溝路6に移動した気泡が再び第一溝路5に移動するのを抑制し、また、ポーラス材により形成したセパレータ3cに気泡が接触するのを抑制することができる。
水流路形成プレート8に設けた第二溝路6の溝側面のうち、斜面9に連なる溝側面60の端部61を、斜面9の端部51より上方に位置するように構成する(形状例4、5、9、10)。これにより、第二溝路6に移動した気泡が再び第一溝路5に移動するのを抑制することができる。
また、発電反応により生じた熱を、水流路7を流通する純水により除去する。このように、加湿水として循環する純水を冷却水としても使用することができる。
第一溝路5の表面のうち少なくとも斜面9に、親水性処理を施す。これにより、ガス流路4c内に存在する液水を、ポーラス状のセパレータ3c内に回収することができるので、ガス流路4cの水詰まりを抑制することができる。
水流路形成プレート8を緻密材により構成する。これにより、気泡が第二溝路6に移動した際に、反応ガス漏れが発生するのを避けることができる。
なお、上記実施形態においては、カソード側セパレータ3cをポーラス材により形成したが、アノード側セパレータ3aをポーラス材により形成してもよい。この場合には、アノード側セパレータ3aに、水を供給または回収する水流路について、上記水流路7と同様の形状とすることができる。
このように、本発明は、上記発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載した技術思想の範囲内で様々な変更が為し得ることは言うまでもない。
本発明は、ポーラスセパレータと緻密プレートとの間に純水流路を有する燃料電池に適用することができる。例えば、反応領域の水供給や、反応領域からの水の回収といったような水マネージメントが必要となる固体高分子型燃料電池に適用することができる。
2 ガス拡散電極(電極層)
3 セパレータ
4 ガス流路
5 第一溝路
50 上側溝側面
51 端部
52 下側溝側面
6 第二溝路
60 上側溝側面
61 端部
62 下側溝側面
7 水流路
8 水流路形成プレート
9 斜面
9a 斜面(円弧形状の斜面)
9b、9c 斜面(複数の斜面)
10 斜面(第二溝路の上側溝側面を形成する斜面)
20(20s、20p) 接触面(合わせ面)
3 セパレータ
4 ガス流路
5 第一溝路
50 上側溝側面
51 端部
52 下側溝側面
6 第二溝路
60 上側溝側面
61 端部
62 下側溝側面
7 水流路
8 水流路形成プレート
9 斜面
9a 斜面(円弧形状の斜面)
9b、9c 斜面(複数の斜面)
10 斜面(第二溝路の上側溝側面を形成する斜面)
20(20s、20p) 接触面(合わせ面)
Claims (10)
- ポーラスな素材で形成されたセパレータの電極層と接触する一面にはガス流路が形成され、
前記セパレータの他面には水流路形成プレートが接触し、
これらセパレータと水流路形成プレートの合わせ面には、セパレータ側に設けた第一の溝路と、水流路形成プレート側に設けた第二の溝路とを組み合わせて形成される水流路が設けられ、
前記セパレータに設けた第一溝路のうち、水の流れの上側に位置する溝側面は、前記水流路形成プレートとの接触面に向けて上向きの傾きをもった斜面で形成され、
前記水流路形成プレートに設けた第二溝路の溝側面のうち、前記斜面に連なる溝側面の端部は、前記斜面の端部と同じか、またはそれよりも上方に位置することを特徴とする燃料電池。 - 前記第一溝路を、前記水流路形成プレートとの接触面に向けて溝幅が増大するテーパ形状に構成する請求項1に記載の燃料電池。
- 前記第二溝路を、前記セパレータとの接触面に向かって溝幅が増大するテーパ形状に構成し、
前記第一溝路のテーパ角を、前記第二溝路のテーパ角より大きく構成した請求項2に記載の燃料電池。 - 第一溝路の前記斜面を円弧により形成する請求項1に記載の燃料電池。
- 第一溝路の前記斜面を、複数の斜面により構成する請求項1に記載の燃料電池。
- 前記水流路形成プレートに設けた第二溝路の溝側面のうち、前記斜面に連なる溝側面を、前記セパレータに向かって下向きの傾きをもった斜面で構成する請求項1に記載の燃料電池。
- 前記水流路形成プレートに設けた第二溝路の溝側面のうち、前記斜面に連なる溝側面の端部は、前記斜面の端部より上方に位置する請求項1に記載の燃料電池。
- 発電反応により生じた熱を、前記水流路を流通する水により除去する請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池。
- 前記第一溝路の表面のうち少なくとも前記斜面に、親水性処理を施す請求項1に記載の燃料電池。
- 前記水流路形成プレートを緻密材により構成する請求項1から9のいずれか一つに記載の燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003406059A JP2005166543A (ja) | 2003-12-04 | 2003-12-04 | 燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003406059A JP2005166543A (ja) | 2003-12-04 | 2003-12-04 | 燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005166543A true JP2005166543A (ja) | 2005-06-23 |
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ID=34728549
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003406059A Pending JP2005166543A (ja) | 2003-12-04 | 2003-12-04 | 燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005166543A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009522731A (ja) * | 2005-12-30 | 2009-06-11 | ユーティーシー パワー コーポレイション | 燃料電池冷媒の気泡制御 |
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2003
- 2003-12-04 JP JP2003406059A patent/JP2005166543A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009522731A (ja) * | 2005-12-30 | 2009-06-11 | ユーティーシー パワー コーポレイション | 燃料電池冷媒の気泡制御 |
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