JP2005163212A - 真空断熱材用無機繊維マットの製造方法 - Google Patents

真空断熱材用無機繊維マットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 繊維配向が伝熱方向に垂直であり、表面が平滑である断熱性に優れた真空断熱材用の芯材を提供し、また、通常の無機繊維マットの製造設備を利用して簡便に真空断熱材を得ることが可能な芯材の製造方法を提供すること。
【解決手段】 未硬化の熱硬化性有機バインダーが固形分で0.5〜3.0質量%付着した無機繊維を集合してなる無機繊維マットを、密度が50〜1,000kg/m3となるように1対のローラーを用いて加圧する第一工程と、熱風通過式オーブン内の上下のコンベアの間で密度が50〜150kg/m3となるように加圧しながら加熱して成形する第二工程とをこの記載の順序に連続的に行い、密度20〜60kg/m3および上記第二工程の厚みに対して1.2倍以上の厚みを有する無機繊維マットを得る真空断熱材用無機繊維マットの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、真空断熱材用無機繊維マットの製造方法に関する。
従来より、真空断熱材用の断熱芯材として、断熱効果が高いガラスウールやロックウールなどの無機繊維(以下ガラス繊維を代表例として説明する)マットが広く採用されている。該ガラス繊維マットを芯材とし、これを真空断熱材の外被内に充填する際に、該芯材の充填が容易であるように、ガラス繊維マットに有機バインダーを付与することが特許文献1および特許文献2に記載されている。
上記特許文献に記載の内容は、ガラス繊維マットを、通常、遠心法や火炎法により溶融した無機物を繊維化して堆積(集綿)させることによりマット状物を得た後、該マット状物にバインダーを吹き付け、加熱・加圧して成形することによりガラス繊維マット(芯材)とするものである。
しかしながら、上記の遠心法などによって得られるマット状物は、比較的長い繊維で引き出され、ガラス繊維が湾曲した状態で堆積されるため、繊維が3次元的に絡み合って配向されたものである。さらにこのマット状物にバインダーを付与して加圧・加熱して成形してガラス繊維マットを得ると、上記の状態でそのまま繊維同士が固着されるため、該ガラス繊維マットを外被材内に挿入して真空断熱材としたものを断熱筐体内に充填すると、繊維が伝熱方向に垂直に配向されていないことから、断熱性が劣るといった問題を有していた。
また、上記方法によって得られた真空断熱材は、表面が平滑でないという問題を有しており、該断熱材を断熱筐体に充填すると、断熱材の表面凹凸により筐体の内壁と断熱材との間に隙間を生じ、断熱材の断熱性が劣るといった問題を有していた。一方、繊維を伝熱方向に垂直に配向させる方法が、特許文献3に記載されているが、この方法は、長さ1mm以下の繊維を、水分散させて抄造する方法であり、手間がかかるといった問題を有していた。
また、特許文献4には、無機質繊維板の製造方法として、接着剤が付与されて集積された無機質繊維の集合体を、完成品たる無機質繊維板の厚さよりやや厚い寸法と、前記厚さよりやや薄い寸法との間の、予め選定された厚さに圧縮した後、無孔の無端スチールベルトと、これに対峙する有孔無端ベルトとの間で、完成品たる無機質繊維板の厚さにまで圧縮し、同時に有孔無端ベルト側から熱風を吹き込み加熱硬化させることが記載されており、さらに、平均繊維径が5〜10μmの範囲内の無機質繊維の集合体が密度48kg/m3〜300kg/m3の範囲内で、少なくとも一方の面が平滑面の平板状に圧縮および成形され、硬化した接着剤で結合されていることが記載されている。
これにより、成形室内での圧縮および加熱硬化時における無機質繊維ウエブに印加すべき必要圧縮荷重を減少させることができ、成形工程における無端コンベアに作用する張力の減少、駆動動力の低減などを図ることができ、装置の長時間の連続稼動を可能とし、生産効率の向上、生産コストの低減を図りうる効果を奏することが記載されている。
特開昭60−14695号公報 特開2001−108186公報 特開平9−4785号公報 特開2003−62847公報
しかしながら、特許文献4の発明は、無機質繊維の集合体を圧縮することにより接着剤を加熱硬化させ形状を保持させることによって得られる、いわゆる通常の無機質繊維板を製造するものであり、前記圧縮より接着剤を加熱硬化させ形状を保持させて無機質繊維板を得るためにはバインダーの付着量を多くする必要がある。前記無機質繊維板は、繊維同士の結合が強固でありそれ自体が剛直となるため、これを真空断熱材として使用する場合、有機バインダーの付着むらにより、減圧の際に剛直な個所における圧縮が不十分な個所と、剛直でない個所における圧縮が充分にされる個所とが混在し、真空断熱材の表面平滑性が劣り断熱性能が劣るといった問題を有するばかりでなく、過剰な有機分を有しているため、発生するガスにより断熱性能が劣るといった問題を有していた。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、繊維配向が伝熱方向に垂直であり、表面が平滑である断熱性に優れた真空断熱材用ガラス繊維マット(以下「真空断熱材用芯材」または「芯材」という場合がある)を提供し、また、通常のガラス繊維マットの製造設備を利用して簡便に真空断熱材を得ることが可能な真空断熱材用芯材の製造方法を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、未硬化の熱硬化性有機バインダーが固形分で0.5〜3.0質量%付着した無機繊維を集合してなる無機繊維マットを、密度が50〜1,000kg/m3となるように1対のローラーを用いて加圧する第一工程と、熱風通過式オーブン内の上下のコンベアの間で密度が50〜150kg/m3となるように加圧しながら加熱して成形する第二工程とをこの記載の順序に連続的に行い、密度20〜60kg/m3および上記第二工程の厚みに対して1.2倍以上の厚みを有する無機繊維マットを得ることを特徴とする真空断熱材用無機繊維マットの製造方法を提供する。
上記本発明においては、さらに第二工程の後に、1対のローラーを用いて密度が50〜1,000kg/m3となるように加圧する第三工程を行うこと;前記第一工程で、密度が100〜300kg/m3となるように加圧すること;前記第二工程の加圧・加熱する時間を30秒〜200秒とすること;および前記第三工程で、密度が100〜300kg/m3となるように加圧すること;無機繊維マットが、無機繊維に未硬化の熱硬化性有機バインダーを付与した後に、無機繊維を集積してマット状としたものであることが好ましい。
以上の如き本発明によれば、繊維配向が伝熱方向に垂直であり、表面が平滑である断熱性に優れた真空断熱材用芯材を、簡便な装置で生産性よく提供できる。この芯材を用いることにより、断熱性能に優れた真空断熱材を作業性よく簡便に得ることができる。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明でいう真空断熱材とは、ガラス繊維マットからなる芯材を、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルムなどのガスバリア性外被材で覆い、外被材内を真空(減圧)状態(例えば、1〜10Pa程度)に保持しているものである。
上記真空断熱材は、ガラス繊維マットからなる真空断熱材用芯材を単に外被材により被覆していることから、該芯材中のガラス繊維の全てが真空断熱材の平面方向に水平になっておらず、そのために断熱性が不十分であった。また、同様な理由で、真空断熱材とした時に外被材の表面の平滑性が劣り、冷蔵庫、パソコンなどの種々の断熱性が要求される用途において、該断熱材が収納される筐体内において筐体の内面に空間が生じ、これも断熱性不良の原因となっていた。さらに、真空断熱材の製造に際して、嵩高のガラス繊維マットを外被材からなる袋内に挿入する際に作業性が劣るものであった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、ガラス繊維マットからなる真空断熱材用芯材を特定の方法で製造することにより、該芯材中のガラス繊維が真空断熱材の平面方向に実質的に水平に揃っており、かつ真空断熱材にしたときの、その表面が平滑であり、さらに作業性の良好な真空断熱材用芯材を提供するものである。
上記真空断熱材用芯材を構成する、後述の加圧−加熱加圧処理する前のガラス繊維マットそれ自体は公知であり、ガラス繊維を適当な未硬化の熱硬化性有機バインダーによってマット状に成形してなるものである。このようなガラス繊維マットは種々の密度のものが知られているが、本発明においては、ガラス繊維の平均径が1〜5μmであり、加圧−加熱加圧処理する前のガラス繊維マットの密度が3kg/m3以上であり、該マットの1枚の厚みが30〜500mmであることが好適である。
上記ガラス繊維の平均径が5μmを超える太さであると、得られる真空断熱材の熱性能が低下するなどの点で本発明の効果が十分には得られず、一方、1μm未満の太さのガラス繊維は製造自体が困難である。また、加圧−加熱加圧処理前のガラス繊維マットの密度が3kg/m3未満であると、加圧−加熱加圧処理する際のハンドリング性が劣り好ましくない。また、上記マットの1枚の厚みが30mm未満であると、真空断熱材用芯材の生産性が劣り、また、多数枚のマットを要するなどの点で好ましくなく、一方、厚さが500mmを超えると加圧または加熱・加圧後のローラーコンベアなどの設備にマットを導入しにくくなり好ましくない。
また、本発明で使用する有機バインダー自体は従来公知のガラス繊維マットに使用されている有機バインダーでよく、好ましくは、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂前駆体の水溶液などが使用できる。これらの有機バインダーは、有機バインダーの固形分が、該有機バインダーの固形分を含むガラス繊維の全量に対し、0.5〜3.0質量%の範囲の使用量を必須とし、0.5〜1.5質量%が好ましい。これら有機バインダーの使用量が0.5質量%未満であると、ガラス繊維マットが嵩張り、かつ該マットが柔軟性を有するため、該マットからなる芯材を外被材内に充填しにくいなど、ハンドリング性が劣るなど好ましくない。一方、上記使用量が3.0質量%を超えると、後述する第二工程でバインダーが加熱硬化されることにより繊維同士の結合が強固になるものの、バインダーの付着量ばらつきなどにより表面固さにばらつきを生じ、得られる真空断熱材用芯材および真空断熱材の表面平滑性が劣り、また、過剰のバインダーの付着により真空断熱材中においてガス発生が生じ易くなり、結果として断熱性能が劣り好ましくない。
本発明では、上記の有機バインダーを含むガラス繊維マットを加圧−加熱・加圧処理する。すなわち、本発明では、ガラス繊維マットに有機バインダーが未硬化のままで付着している状態で、特定の加圧力で加圧−加熱・加圧することが重要である。これに対して有機バインダーが硬化した後のみに加圧すると、得られる真空断熱材用芯材を充填してなる真空断熱材の表面平滑性が十分に得られない。
(第一工程)
本発明の真空断熱材用芯材は、ガラス繊維を、連続的に溶融紡糸しながらベルトコンベア上に連続的に堆積し、連続的に未硬化の熱硬化性有機バインダーを付与しつつ、第一工程として、図1に示すように、このガラス繊維マットを密度が50〜1,000kg/m3となるように、生産性の点から1対のローラーを用いて加圧する。さらにこの第一工程ではガラス繊維マットの密度が100〜300kg/m3となるようにすることが好ましい。
この第一工程の加圧の目的は、次の第二工程において、オーブン中でのベルトコンベア間におけるガラス繊維マットの押圧力の不足を補うものである。連続して芯材を製造するために、通常使用されるオーブンの押圧能力が低い場合や、オーブンに負荷をかけたくない場合に、オーブン中で低圧で押圧すると真空断熱材として充分な平滑性が得られない。低圧でガラス繊維マットを押圧圧縮する場合、製造速度を遅くすれば得られる芯材の表面平滑性は向上するが、時間を要するわりには該平滑性は不十分であり、かつ生産性に劣る。生産性を上げるためにオーブンを長くすることも考えられるが、オーブンを長くすることは設備費が上昇するという問題がある。本発明では、後記第二工程の前に1対のロールにより前記ガラス繊維マットを予め適当な密度(50〜1,000kg/m3)に圧縮しておくことにより、極めて簡便かつ効果的に第二工程におけるオーブン内の押圧力の不足を補い、オーブンの設備費の上昇を抑えることができる。
上記密度が50kg/m3未満であるとガラス繊維マットの圧縮が不足し、第二工程において加熱・加圧してもガラス繊維をマットの平面方向に水平に並べることが困難である。一方、1,000kg/m3を超えると、マットを構成するガラス繊維が破壊されるので好ましくない。
(第二工程)
上記で得られた加圧ガラス繊維マットを、第二工程として、密度が50〜150kg/m3となるように、好ましくは30〜200秒間で、好ましくはクリアランス(マットの厚み)が5〜30mmとなるように、加圧と加熱が同時にできる方式であり、図1に示すような熱風通過式オーブン内の上下のコンベアの間で行う。上記コンベアの長さはラインスピードにもよるが、10〜30mが好ましい。コンベアの長さが10m未満であると加圧や加熱が不十分となり、平滑な真空断熱材を与える真空断熱材用芯材を得ることができず、一方、コンベアの長さが30mを超えると装置が大掛かりとなるので好ましくない。
この第二工程において未硬化の熱硬化性樹脂が加熱硬化され、真空断熱材用芯材が成形される。上記密度が50kg/m3未満であると、ガラス繊維の配向をマットと水平面に一致させることが困難であり、一方、150kg/m3を超えると、真空断熱材の表面を平滑にし易くするものの、オーブンに負荷をかけたり、高圧にするための設備の増設が必要となる。
また、加圧時間は30〜200秒間が好ましく、60〜150秒間が最も好ましい。また、加熱温度は一般的には、有機バインダーが硬化する温度以上の温度であり、具体的には160〜280℃の範囲が好ましい。この温度はコンベアそのものの温度ではなく、ガラス繊維マット内の温度である。従って上記加圧・加熱処理はオーブン内の温度を適当な温度に上げて行なうことができる。加圧・加熱が30秒未満あるいは160℃以下では、ガラス繊維の配向が不均一であり、かつバインダーによるガラス繊維の結着が不足する。一方、加圧・加熱が200秒を超えるか、あるいは280℃を超えると、生産速度が低下したり、バインダーが劣化する畏れがある。
本発明では、前記第一工程および第二工程で真空断熱材として充分な平滑性を有する芯材を得ることが可能となるが、さらに第三工程として、上記の加圧・加熱処理されたガラス繊維マットの密度が50〜1,000kg/m3となるように再度加圧することが好ましい。この加圧は、ガラス繊維マットの密度が100〜300kg/m3となるようにすることがさらに好ましい。この加圧は何れの加圧方式でもよいが、図1に示すように、生産性の点から1対のローラーを用いて行なうことが好ましい。この第三工程の加圧の目的は、前記第一工程と同様であるのに加えて、第二工程で処理されたガラス繊維マット中のガラス繊維の配向を揃えかつ該マットの表面平滑性を向上させることである。上記密度が50kg/m3未満であると、上記の目的が達成されず、一方、1,000kg/m3を超えるとマットを構成しているガラス繊維が破壊される畏れがある。
以上の如く加圧−加圧・加熱処理された真空断熱材用芯材は、過剰に加圧されることで該芯材を構成しているガラス繊維は、芯材の平面方向に対して実質的に水平になりかつ適度なバインダー付着量により、第二工程または第三工程の処理後に圧力から解放されると厚みが増して厚み15〜100mm、密度20〜60kg/m3、第二工程でのマットの厚みに対して1.2倍以上で、より好ましくは2.0倍以上の厚みの真空断熱材用芯材が得られる。前記値が1.2倍未満であると剛直な芯材であり、表面平滑性が劣るため真空断熱材の断熱性能が劣り好ましくない。このような加圧−加圧・加熱−加圧処理によって芯材を構成しているガラス繊維は、その平面方向に対して実質的に水平になるばかりでなく、芯材の表面平滑性が向上し、かつ有機バインダーの熱硬化によって上記の状態が維持される。その結果、該加圧・加熱処理されたガラス繊維マットを真空断熱材用芯材として使用することによって、断熱性、表面平滑性および作業性に優れた真空断熱材が得られる。
上記本発明によって得られた真空断熱材用芯材を用いて真空断熱材とする場合は、例えば、上記本発明によって得られた芯材をガスバリア性外被材で被覆し、該外被材内を脱気することによって得られる。ガスバリア性外被材としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂フィルム、クラフト紙と上記フィルムをラミネートしたもの、上記フィルムにアルミニウム箔をラミネートしたもの、上記フィルムにアルミニウムを蒸着したものなどが好ましく用いられる。
また、真空断熱材の製造方法自体は公知の方法でよい。1例を示すと、上型と下型とからなり、何れか一方に真空ポンプによって排気される排気口を有する型を用意し、該型の上型および下型で形成されるキャビティ内面に、一方が排気および封止用チューブを有すガスバリア性外被材、例えば、アルミニウム蒸着高密度ポリエチレンフィルムを配置し、その間に本発明の真空断熱材用芯材を配置した後、型を閉じて上下2枚の外被材の周辺部を融着させ、上記チューブを介して脱気して、ガスバリア性外被材の内圧を10.0Pa以下にする。その後上記チューブを封止し、脱型することにより、真空断熱材が得られる。得られる真空断熱材のサイズや厚みなどは用途によって任意に変化させることができる。
また、真空断熱材の製造に際し、本発明の真空断熱材用芯材がある範囲の密度に加圧成形されているので、外被材で被覆する際の作業性が良好である。また、前記本発明によって得られた芯材を使用することにより、該芯材のガラス繊維が芯材の平面方向に配列していることから、真空断熱材の断熱性が顕著に向上し、さらに同様の理由で真空断熱材の表面が平滑であることから、該断熱材を使用した際、該断熱材を収納する筐体の壁面との間に空間が残ることなく、従ってこの点からも断熱性が顕著に向上している。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1
平均繊維径4μmのガラス繊維にフェノール樹脂バインダーをイグロスが1質量%となるように噴霧して得られたガラス繊維マット(厚さ約300mm、密度約3kg/m3)を、先ず一対のロールにて加圧時密度150kg/m3の条件で押圧し、続けて熱風通過式オーブンにて、上下約8mmのクリアランスを有するコンベアーで挟み込みながら260℃、オーブン滞留時間約90秒、加圧時密度120kg/m3の条件で加熱圧縮し、さらに一対のロールにて加圧時密度150kg/m3の条件で押圧した。これにより、厚さ約30mm、密度約35kg/m3の真空断熱材用芯材を得た。この芯材を3枚重ねガスバリアー性の高い被覆袋に挿入し、真空シール装置にて袋内の圧力が3.9Paとなるように20分間吸引した後に、袋の開口部を加熱圧着し、厚さ12mm、密度250kg/m3の真空断熱材を得た。
実施例2
平均繊維径4μmのガラス繊維にフェノール樹脂バインダーをイグロスが1質量%となるように噴霧して得られたガラス繊維マット(厚さ約300mm、密度約3kg/m3)を、先ず一対のロールにて加圧時密度80kg/m3の条件で押圧し、続けて熱風通過式オーブンにて、上下約11mmのクリアランスを有するコンベアーで挟み込みながら260℃、オーブン滞留時間約90秒、加圧時密度80kg/m3の条件で加熱圧縮し、さらに一対のロールにて加圧時密度80kg/m3の条件で押圧した。これにより、厚さ約40mm、密度約26kg/m3の真空断熱材用芯材を得た。この芯材を使用し、実施例1と同様な方法で真空断熱材を得た。
実施例3
平均繊維径4μmのガラス繊維にフェノール樹脂バインダーをイグロスが1質量%となるように噴霧して得られたガラス繊維マット(厚さ約300mm、密度約3kg/m3)を、先ず一対のロールにて加圧時密度150kg/m3の条件で押圧し、続けて熱風通過式オーブンにて、上下約11mmのクリアランスを有するコンベアーで挟み込みながら260℃、オーブン滞留時間約90秒、加圧時密度80kg/m3の条件で加熱圧縮し、さらに一対のロールにて加圧時密度150kg/m3の条件で押圧した。これにより、厚さ約35mm、密度約30kg/m3の真空断熱材用芯材を得た。この芯材を使用し、実施例1と同様な方法で真空断熱材を得た。
実施例4
平均繊維径4μmのガラス繊維にフェノール樹脂バインダーをイグロスが1質量%となるように噴霧して得られたガラス繊維マット(厚さ約300mm、密度約3kg/m3)を、先ず一対のロールにて加圧時密度150kg/m3の条件で押圧し、続けて熱風通過式オーブンにて、上下約8mmのクリアランスを有するコンベアーで挟み込みながら260℃、オーブン滞留時間約90秒、加圧時密度120kg/m3の条件で加熱圧縮した。これにより、厚さ約40mm、密度約26kg/m3の真空断熱材用芯材を得た。この芯材を3枚重ねガスバリアー性の高い被覆袋に挿入し、真空シール装置にて袋内の圧力が3.9Paとなるように20分間吸引した後に、袋の開口部を加熱圧着し、厚さ12mm、密度250kg/m3の真空断熱材を得た。
比較例1
平均繊維径4μmのガラス繊維にフェノール樹脂バインダーをイグロスが1質量%となるように噴霧して得られたガラス繊維マットを熱風通過式オーブンにて、上下約8mmのクリアランスを有するコンベアーで挟み込みながら温度260℃、加圧時密度約120kg/m3、加圧時間5分間の条件で加熱圧縮した。これにより、厚さ約45mm、密度約23kg/m3の真空断熱材用芯材を得た。この芯材を使用し、実施例1と同様な方法で真空断熱材を得た。
比較例2
平均繊維径4μmのガラス繊維にフェノール樹脂バインダーをイグロスが1質量%となるように噴霧して得られたガラス繊維マットを熱風通過式オーブンにて、上下約11mmのクリアランスを有するコンベアーで挟み込みながら温度260℃、加圧時密度約80kg/m3、加圧時間5分間の条件で加熱圧縮した。これにより、バインダーがキュアーされ、厚さ約50mm、密度約21kg/m3の真空断熱材用芯材を得た。この芯材を使用し、実施例1と同様な方法で真空断熱材を得た。
比較例3
平均繊維径4μmのガラス繊維にフェノール樹脂バインダーをイグロスが1質量%となるように噴霧して得られたガラス繊維マット(厚さ約300mm、密度約3kg/m3)を熱風通過式オーブンにて、上下約8mmのクリアランスを有するコンベアーで挟み込みながら260℃、オーブン滞留時間約5分、加圧時密度120kg/m3の条件で加熱圧縮し、さらに一対のロールにて加圧時密度80kg/m3の条件で押圧した。これにより、厚さ約43mm、密度約24kg/m3の真空断熱材用芯材を得た。この芯材を使用し、実施例1と同様な方法で真空断熱材を得た。
比較例4
平均繊維径4μmのガラス繊維にフェノール樹脂バインダーをイグロスが6質量%となるように噴霧して得られたガラス繊維マット(厚さ300mm、密度約3kg/m3)を、先ず一対のロールにて加圧密度150kg/m3の条件で押圧し、続けて熱風通過式オーブンにて、上下約8mmのクリアランスを有するコンベアーで挟み込みながら260℃、オーブン滞留時間90秒間、加圧密度120kg/m3の条件で押圧した。これにより厚さ8mm、密度約35kg/m3の真空断熱材用芯材を得た。この芯材を使用し、実施例1と同様な方法で真空断熱材を得た。
[評価]
上記実施例および比較例の真空断熱材の表面平滑性および熱伝導率を下記の評価方法で評価して下記表1に記載の結果を得た。
[評価方法]
1.真空装置:古川製作所製の真空装置(商品名FVS−500×150)
2.表面平滑性(測定方法は下記の通り):
◎:凹凸が少なく、凹部の深さが1mm未満
○:凹凸が僅かにあり、凹部の深さが1mm以上2mm未満
△:凹凸が若干大きく、凹部の深さが2mm以上3mm未満
×:凹凸が大きく、凹部の深さが3mm以上
「表面平滑性の測定方法」
図2に示すように、硬質平板、試料である真空断熱材(200×200mm)、およびピン(直径3mmの丸棒で先端の尖ったもの)とゲージ(大きさ150mm×150mm、重量100±1g、中心につまみと直径3.5mmの穴のあるもの)とからなるピンゲージを用意する。硬質平板の上に上記試料を置き、ゲージの中心を試験片の端から約50mm以上内側に置きピンを落とす。ゲージを静かに試験片の上に降ろす。片方の手の親指と人差し指の先でゲージのツマミを掴みピンとゲージを固定し、一体となったピンゲージを試験片から取り上げる。ピンゲージのつまみをしっかりとつかんだまま直尺を当て、ゲージ下面とピン先端との距離を0.5mm単位で測定する。これを繰り返し10箇所の凹みを測定する。10箇所の平均値をその試験体の凹みとする。
3.熱伝導率:英弘精機社製熱伝導率計(HC−074−300)で測定
Figure 2005163212
以上の如き本発明によれば、繊維配向が伝熱方向に垂直であり、表面が平滑である断熱性に優れた真空断熱材用芯材を提供できる。この芯材を用いることにより、作業性よく簡便に断熱性能に優れた真空断熱材を得ることができる。
本発明の方法を図解的に説明する図。 表面平滑性の測定を説明する図。

Claims (6)

  1. 未硬化の熱硬化性有機バインダーが固形分で0.5〜3.0質量%付着した無機繊維を集合してなる無機繊維マットを、密度が50〜1,000kg/m3となるように1対のローラーを用いて加圧する第一工程と、熱風通過式オーブン内の上下のコンベアの間で密度が50〜150kg/m3となるように加圧しながら加熱して成形する第二工程とをこの記載の順序に連続的に行い、密度20〜60kg/m3および上記第二工程の厚みに対して1.2倍以上の厚みを有する無機繊維マットを得ることを特徴とする真空断熱材用無機繊維マットの製造方法。
  2. さらに第二工程の後に、1対のローラーを用いて密度が50〜1,000kg/m3となるように加圧する第三工程を行う請求項1に記載の真空断熱材用無機繊維マットの製造方法。
  3. 前記第一工程で、密度が100〜300kg/m3となるように加圧する請求項1に記載の真空断熱材用無機繊維マットの製造方法。
  4. 前記第二工程の加圧・加熱する時間を30秒〜200秒とする請求項1に記載の真空断熱材用無機繊維マットの製造方法。
  5. 前記第三工程で、密度が100〜300kg/m3となるように加圧する請求項2に記載の真空断熱材用無機繊維マットの製造方法。
  6. 無機繊維マットが、無機繊維に未硬化の熱硬化性有機バインダーを付与した後に、無機繊維を集積してマット状としたものである請求項1に記載の真空断熱材用無機繊維マットの製造方法。
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