JP2005159453A - 光送信装置、光受信装置及び光伝送システム - Google Patents

光送信装置、光受信装置及び光伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】 干渉成分が大きくなり易い状況でも、希望信号を干渉成分から正しく区別することができるようにする。
【解決手段】 本発明は、1又は複数チャネルの光送信装置と、それに対応する1又は複数チャネルの光受信装置とが共通の伝送路を介して対向し、各光送信装置及び各光受信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による符号化、復号を行う光符号分割多重伝送システムに関する。そして、同一チャネルの光送信装置及び光受信装置に対し、システム全体で使用する波長数より少ない所定数の波長を含む符号パターンであって、当該符号パターンに含まれている波長の組み合わせが、他チャネルの符号パターンの波長組み合わせと異なっている符号パターンを割り当てていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は光送信装置、光受信装置及び光符号分割多重(Optical Code Division Multiplexing;以下、OCDMと呼ぶ)伝送システムに関するものである。
近年、光メトロ・アクセスネットワークの高速、大容量化に適した多重方式としてOCDMが注目されている。OCDMは、送受信装置において、直交する符号系列を用いて各チャネルを符号化/復号することにより多重を実現する方式である。符号化/復号の実現方式としては、実現の容易性と製造コスト面で有利なファイバブラッグ回折格子(Fiber Bragg Grating;以下、FBGと呼ぶ)を用いた時間拡散/波長ホッピングによる方法がある。
まず、特許文献1に記載されている時間拡散/波長ホッピング方式による符号化及び復号の過程を図2を用いて説明する。図2は、データ周期Tbと符号周期Tcが等しい場合を示しているが、データ周期Tbと符号周期Tcとが異なる場合においても符号化及び復号は可能である(非特許文献1参照)。
送信側においては、図2(a1)に示すように、光信号でなる送信データ201が符号化器203に入力される。送信データ101(102)は、所定数でなる波長数N1(図2では3個)の波長λ1〜λ3を、電気信号でなる送信データに従い、Return−to−zero(RZ)フォーマットで強度変調したものであり、図2(a2)に示すように、データ周期Tb毎のチップに有効なデータが生じている。送信データ101に含まれる各波長成分をそれぞれ、符号化器103において、特定の符号パターン(コード1)に従う特定の時間だけ遅延され(符号化され)、図2(a3)に示すように、時間軸上において波形が拡散された光信号105となる。光信号105は、伝送路104を介して復号器106に到達する。
復号器106においては、入力された光信号105における各波長成分が、特定の符号パターン(コード1)に従う特定の時間だけ遅延され(復号され)、図2(a4)に示すように、時間軸上において逆拡散され(各波長成分の遅延時間差が相殺され)、同一チップ期間に各波長成分が重畳された、当初の送信データ101と同じ受信データ107(108)が得られる。このような符号化器103及び復号器106の符号パターンが揃っている場合の受信データ107(108)の波形は、自己相関波形と呼ばれている。
なお、図2(b1)〜図2(b4)には、符号化器103と復号器106での符号パターンが異なる場合を示している。符号化器103と復号器106とで異なる符号を用いた場合には、復号器106の処理によっても、時間遅延差が相殺されず、図2(b4)に示すような低いピークを持ち時間軸方向に拡散された波形(受信データ)が得られる。このような符号化器及び復号器の符号パターンが異なっている場合の受信データの波形は、相互相関波形と呼ばれている。
図3は、以上のような時間拡散/波長ホッピングによる方法を多重伝送に適用した光伝送システムの構成を示すブロック図である。
チャネルCHi(iは1、2、…)の光送信装置201−iにおいては、変調器204−iが、多波長パルス光源203−iからの多波長パルスを電気的送信データ202−iに応じて強度変調し、変調後のデータを符号化器205−i(図2の103が対応する)がそのチャネルの符号パターンに従って符号化する。各チャネルの符号化後の光信号は、合波器211によって合波された後、共通伝送路212に送出される。伝送路212を通過した多重光信号は、分岐器213によって、チャネル数だけ分岐されて各チャネル用の光受信装置206−iに与えられる。各光受信装置206−iにおいては、復号器207−i(図2の106が対応する)がそのチャネルの符号パターンに従って復号し、その復号データの閾値を越えた部分を受光器208−iで取り出すことにより、受信データ209−iを得る。
ここで、多重伝送のときには、復号後における相互相関波形が希望信号(自己相関波形)に対して干渉成分となるため、受信品質を向上させるには干渉除去を行う構成が必要となり、例えば、時間ゲート処理回路を適用できる。時間ゲート処理回路では、干渉成分と希望信号とが復号後に時間的に重ならないように、各チャネルの受信タイミングを調整し、復号後に希望信号が通過する時間にゲートをオン状態にし、干渉成分が通過する時間にゲートをオフすることにより、希望信号のみを取り出す。
図4は、2多重OCDM伝送における時間ゲート処理の過程を示す説明図である。図4では、4波長16チップの時間拡散/波長ホッピング方式で、2種類の符号パターンコード1及びコード2が以下の場合を示している。
コード1=(λ1,0,0,0,0,λ2,0,0,0,0,λ3,0,0,0,0,λ4)
コード2=(0,0,λ2,0,0,0,0,0,λ4,λ1,0,0,0,0,0,λ3)
特開2000−209186号公報 X.Wang、K.T.Chan共著、「Enhancement of transmission data rates in incoherent FO−CDMA systems」、OECC 2000、14A2−5、pp.458−459、2000年7月
上述した時間拡散/波長ホッピング方式では、多重度が大きい場合や、符号周期が短いような場合などの特定の使用環境では、希望信号の近傍に大きな干渉成分が生じ、時間ゲート処理を介しても干渉成分を除去し得ない恐れがある。
時間拡散/波長ホッピング方式では、復号信号のSN比SNRは、(1)式のように表される。(1)式において、SNRnは、多重しないときにTc=Tbとなるデータレートで符号化及び復号した場合の復号信号SN比であり、Mは多重度であり、G=Tc/Tbである。
SNR=SNRn/(G*M)
=(SNRn*Tb)/(Tc*M) (1)
符号周期Tcを一定にした場合、データ周期Tbが短い高速信号に対応させようとすると、(1)式から、復号信号SN比SNRが悪くなること(干渉成分が大きくなること)が分かり、高速信号の対応と復号信号SN比とはトレードオフの関係にある。また、当然、多重度Mを増やすと干渉成分も大きくなる。以下、一例として、G=4、M=4であり、4チャネルCH1〜CH4の使用符号(符号パターン)コード1〜コード4が、(2)式〜(5)式の場合を検討してみる。
コード1=(λ1,0,0,0,0,λ2,0,0,0,0,λ3,0,0,0,0,λ4) (2)
コード2=(0,0,λ2,0,0,0,0,0,λ4,λ1,0,0,0,0,0,λ3) (3)
コード3=(0,0,0,0,λ3,0,λ1,0,0,0,0,0,0,λ4,0,λ2) (4)
コード4=(0,0,0,0,0,0,λ4,0,0,λ3,0,0,λ2,0,0,λ1) (5)
このような状況において、希望信号と干渉成分とが重ならないように受信した場合の復号波形の計算結果例を図5に示している。図5では1データ周期Tbのチップパルスの時間位置と振幅を示している。なお、図5は、G=4、M=4であるので、あるチャネルのデータ1ビットを符号化した16チップ期間には、そのチャネルの次の1ビットを符号化した16チップ期間と4チップ期間ずつ重なっている。
図5中の白色のチップは希望信号のチップであり、送受の符号が一致している場合、同じデータビット内の各チップは復号後に常に同じ時間位置で重なる。すなわち、データ”1”送信時は4チップ分の振幅が、データ”0”送信時は0の振幅が得られる。
図5中のハッチ付きのチップは干渉成分のチップである。希望信号のチップと異なる点は、異なるデータビットから生じたチップが復号後に同じ時間位置に重なることである。すなわち、同じデータビット内の異なる波長成分は復号後に同じ時間位置には重ならない。従って、強度変調された光データを符号拡散した場合、他チャネルのデータ”1”の度合いにより、干渉成分の振幅レベルが0から4の5通りの値をランダムにとる。しかも、他チャネルの全てがオール”1”送信時は、常に干渉成分の振幅が4チップ分となり、希望信号と区別がつかない。特に、時間ゲート処理による干渉成分の除去を行う場合、希望信号の時間位置に干渉成分が重ならないように時間調整するため、希望信号の時間位置以外の時間位置に干渉成分が集中し、干渉成分の振幅が増大する。時間ゲートの消光比が無限大でない限り、時間ゲート後の干渉光の残留量が多くなり、その結果、受信SN比が劣化し、受信誤りが大きくなり、かつ、タイミング情報が抽出できないという課題を有する。
また、チップは有限振幅の裾をもつパルスであるため、現実的には時間ゲート内に干渉成分(言い換えれば干渉パルス)の裾が侵入する。希望信号は、システムで用いられる全ての波長成分を含むので、干渉パルスの裾と同一波長の希望信号が重なることになる。その結果、光ビートが発生し、光/電気変換後の希望信号のS/N比が劣化するという課題をも有する。
そのため、多重度が大きかったり、符号速度に比してデータ速度が高速であったりするような干渉成分が大きくなり易い状況でも、希望信号を干渉成分から正しく区別することができる光送信装置、光受信装置及び光符号分割多重伝送システムが望まれている。
かかる課題を解決するため、第1の本発明は、1又は複数チャネルの光送信装置と、それに対応する1又は複数チャネルの光受信装置とが共通の伝送路を介して対向し、上記各光送信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による符号化を行うと共に、上記各光受信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による復号を行う光符号分割多重伝送システムにおける光送信装置において、システム全体で使用する波長数より少ない所定数の波長を含む符号パターンであって、当該符号パターンに含まれている波長の組み合わせが、他の光送信装置における符号パターンの波長組み合わせと異なっている符号パターンで、時間拡散/波長ホッピング方式による符号化を行う符号化手段を有することを特徴とする。
また、第2の本発明は、1又は複数チャネルの光送信装置と、それに対応する1又は複数チャネルの光受信装置とが共通の伝送路を介して対向し、上記各光送信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による符号化を行うと共に、上記各光受信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による復号を行う光符号分割多重伝送システムにおける光受信装置において、システム全体で使用する波長数より少ない所定数の波長を含む符号パターンであって、当該符号パターンに含まれている波長の組み合わせが、他の光受信装置における符号パターンの波長組み合わせと異なっている符号パターンで、時間拡散/波長ホッピング方式による復号を行う復号手段を有することを特徴とする。
さらに、第3の本発明は、1又は複数チャネルの光送信装置と、それに対応する1又は複数チャネルの光受信装置とが共通の伝送路を介して対向し、上記各光送信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による符号化を行うと共に、上記各光受信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による復号を行う光符号分割多重伝送システムにおいて、同一チャネルの上記光送信装置及び上記光受信装置に対し、システム全体で使用する波長数より少ない所定数の波長を含む符号パターンであって、当該符号パターンに含まれている波長の組み合わせが、他チャネルの符号パターンの波長組み合わせと異なっている符号パターンを割り当てていることを特徴とする。
本発明によれば、各チャネルで符号パターンの波長組み合わせを異なるようにさせたので、復号後の干渉成分の振幅を、希望信号の振幅に比較して相対的に小さくでき、データの再生品質を従来より向上させることができる。
以下、本発明による光送信装置、光受信装置及び光符号分割多重伝送システム(OCDM送信装置、OCDM受信装置及びOCDM伝送システム)の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
まず、この実施形態に至った考え方を説明する。従来において、干渉成分が大きい理由は、強度変調フォーマットであって位相相殺による干渉低減ができないためであり、強度変調フォーマットを採用する以上、位相相殺という方法を適用することはできない。そのため、干渉低減のために他の手段が求められる。符号化された段階でのチップパルスの数を減らせば、干渉成分の振幅を小さくできる。一方、単に各チャネルのチップパルスの数を減らすと、希望信号の振幅も小さくなり、その結果、希望信号対干渉成分の振幅比は変わらなくなる。仮に、あるチャネルの光送信装置及び光受信装置が対応できない波長成分を、他のチャネルが採用していても、上述のあるチャネルから見ると、その波長成分は干渉成分を形成するものにはなり得ない。この実施形態では、このようなチャネルへの波長成分の割当てを工夫して、チップパルス数を減らすうことによる干渉成分の、希望信号より大きな振幅の減少を達成しようとしたものである。
図1は、この実施形態のOCDM伝送システムの構成を示すブロック図である。この実施形態のOCDM伝送システムは、光伝送路310を介して、4チャネル分の送信側構成と受信側構成とが対向している。
送信側構成は、多波長パルス光源301、分岐器302、4チャネルCH1〜CH4の光送信装置303−1〜303−4、合波器307を有する。一方、受信側構成は、分岐器321、4チャネルCH1〜CH4の光受信装置322−1〜322−4、合波器307を有する。なお、多波長パルス光源301(及び分岐器302)は、各チャネルの光送信装置303−1〜303−4の構成要素と見ることができる。
多波長パルス光源301は、各チャネルの光送信装置303−1〜303−4に共通なものであり、この実施形態の場合、4個の波長成分λ1〜λ4を含むパルス(多波長(4波長)パルス)を、データ周期Tb毎に出力するものである。分岐器302は、多波長パルス光源301から出力された多波長パルスを4分岐し、各チャネルの光送信装置303−1〜303−4に与えるものである。
各チャネルの光送信装置303−i(iは1〜4)は、変調器305−i及び符号化器306−iを有している。
変調器305−iは、従来と同様に、入力された多波長パルスに対し、そのチャネルの送信データ304−iに応じた強度変調を施すものである。
符号化器306−iは、強度変調された多波長パルスを、そのチャネルCHiの符号パターン(コードi’;符号周期Tcはデータ周期Tbの4倍)に従って時間拡散して出力するものである。この実施形態の場合、従来とは異なり、符号化器306−iは、符号化処理を通じて、そのチャネルCHiに定まっているある1個の波長成分を、時間拡散信号から除外する処理も行っている。言い換えると、各チャネルの符号パターン(コード1’〜コード4’)はそれぞれ、4個の波長成分λ1〜λ4の内の3個についての時間拡散を実行するものとなっている。さらに言い換えると、異符号(コード)間で共通の波長の数が各符号がもつ波長の数より小さくなるように波長チップを間引くという考え方に従って、各チャネルCH1〜CH4のコード1’〜コード4’を定めている。後述するように、このような割当てにより、干渉振幅を小さくすることができる。
各チャネルCH1〜CH4のコード1’〜コード4’は、例えば、以下の(6)式〜(9)式に従うものである。
コード1’=(λ1,0,0,0,0,λ2,0,0,0,0,0,0,0,0,0,λ4) (6)
コード2’=(0,0,λ2,0,0,0,0,0,0,λ1,0,0,0,0,0,λ3) (7)
コード3’=(0,0,0,0,λ3,0,λ1,0,0,0,0,0,0,λ4,0,0) (8)
コード4’=(0,0,0,0,0,0,λ4,0,0,λ3,0,0,λ2,0,0,0) (9)
(6)式に示すコード1’は、(2)式に示した従来のコード1から、波長λ3のチップを間引いたものであり、(7)式に示すコード2’は、(3)式に示した従来のコード2から、波長λ4のチップを間引いたものであり、(8)式に示すコード3’は、(4)式に示した従来のコード3から、波長λ2のチップを間引いたものであり、(9)式に示すコード4’は、(5)式に示した従来のコード4から、波長λ1のチップを間引いたものである。なお、(2)式〜(5)式で示したコード1〜コード4が直交性を有するので、それら各コードから、1個の波長成分を間引いたコード1’〜コード4’も直交性を有する。
図6は、チャネルCH1に係る符号化器306−1の詳細構成例を示すブロック図である。符号化器306−1は、サーキュレータ402、FBG403及び光終端器405を有する。
入力光(強度変調後の4波長パルス)401は、サーキュレータ402を介してFBG403に入力されるようになされている。FBG403は、コード1’に従う時間拡散を実現できるような位置に、波長成分λ1、λ2、λ4を反射させる部分(回折格子)を有し、コード1’の要素となっていない波長成分λ3については、反射させることなく直進出射させる。光終端器405は、このような波長λ3の光成分を終端するものであり、波長λ3の光成分がFBG403に戻るようなことを阻止している。FBG403の所定部分で反射された波長λ1、λ2、λ4の光成分は、サーキュレータ402を介して出力される。ここで、サーキュレータ402に入射されてFBG403に向かうようにされた時点から、FBG403で反射され、サーキュレータ402に再入射されるまでの時点は、各波長λ1、λ2、λ4の成分で異なる。すなわち、各波長λ1、λ2、λ4の成分で、異なる往復伝搬遅延を施されて、コード1’に従う時間拡散がなされる。
他のチャネルCH2〜CH4に係る符号化器306−2〜306−4も同様な構成を有している。但し、FBGで反射される波長成分や反射部分の位置が、そのチャネルのコード2’〜コード4’に応じていることは勿論であり、光終端器が終端する波長成分が、そのチャネルのコード2’〜コード4’に応じていることは勿論である。
図1に戻り、合波器307は、各チャネルの光送信装置303−1〜303−4からの出力光を合波し(多重し)、伝送路310に送出するものである。分岐器321は、伝送路310を介して到来した多重光を4分岐し、各チャネルの光受信装置322−1〜322−4に与えるものである。
各チャネルの光受信装置322−iは、復号器323−i、時間ゲート回路324−i、受光器325−iを有する。
復号器323−iは、入力された多重光に対し、そのチャネルCHiの符号パターン(コードi’)に従って、時間逆拡散して出力するものである。上述のように、そのチャネルCHiの符号パターン(コードi’)は、4個中3個の波長成分だけに関するものであるので、この実施形態の場合、復号器323−iは、該当しない波長成分を除去する機能をも果たしている。図7には、チャネルCH1に係る復号器323−1の詳細構成例などを示している。
復号器323−1は、図7(A)に示すように、サーキュレータ502、FBG503及び光終端器505を有し、対応するチャネルCH1に係る符号化器306−1と同様な構成を有している。FBG503における、符号チップに係る波長λ1、λ2、λ4の成分光を反射する部分(回折格子)の位置が、符号化器306−1と異なっており、光終端器505が、コード1’で利用されていない波長λ3の成分光を処理系から除外する点は、符号化器306−1側と同様である。
復号器323−1に、仮に、図7(B)に示すように、同一チャネルCH1に係る符号化器306−1から出力された時間拡散光506だけが入力された場合には、復号処理により、全ての波長チップが同一時間位置で重なった復号光507が得られる。一方、復号器323−1に、仮に、図7(C)に示すように、他のある1個のチャネル(ここではCH2とする)に係る符号化器306−2から出力された時間拡散光508だけが入力された場合には、復号処理により、波長λ3のチップは除外され、波長λ1及びλ2については、チャネルの相違のために意図しない時間位置で入力されるため自己相関波形にはならない復号光509が得られる。
他のチャネルCH2〜CH4に係る復号器322−2〜322−4も、図7に示すチャネルCH1の構成と同様な構成を有し、コード2’〜コード4’に応じた復号処理を行う。
図8は、(6)式〜(9)式に示すコード1’〜コード4’が割り当てられた4チャネルの復号器322−1〜322−4からの復号波形の計算結果例を示している。すなわち、復号光希望信号と干渉成分とが重ならないように受信した場合の復号波形の計算結果例を示しており、従来での課題の説明に用いた図5と対比される図面である。
希望信号を得るには、符号化器及び復号器で同一符号パターンに従うので、例えば、コード1’を用いると、送信及び受信の両側で波長成分λ1、λ2及びλ4が透過する。また、これらの波長チップの符号化と復号における時間遅延はともに15チップとなる。そのため、復号後、全ての波長チップが同一時間位置で重なり、希望信号の振幅は、データ”1”の送信時には3となる。図8(A)の第1列(左側から数えている)が、この場合の時間位置である。
例えば、コード1’で復号する場合の干渉成分については以下の通りである。コード1’で復号する場合、コード2’のチャネルからの干渉光における波長λ1及びλ2の成分はコード1’復号器(323−1)を透過し、波長λ3の成分はコード1’復号器で遮断されて透過しない。また、コード1’復号器(323−1)を透過する波長λ1及びλ2の成分の符号化と復号における時間遅延はそれぞれ、24チップと12チップになる。そのため、あるデータでの波長λ2チップと、その波長λ2チップを含むデータビットに対して3ビツト後のデータビット内の波長λ1チップが同一時間位置で重なり、干渉振幅の最大値は2である。図8(A)の第2列がこの場合の時間位置である。コード3’及びコード4’が割り当てられた符号化器側からの干渉についても、同様なことが言える。図8(A)の第3列及び第4列が、コード3’及びコード4’からの干渉成分での時間位置である。
チャネルCH2〜CH4に対しても同様のことが成り立ち、復号後の受信波形の計算値は図8(B)〜図8(D)のようになる。
従って、この実施形態の場合、希望信号振幅対干渉振幅の比は3対2となり、従来方式(図5)と比べて干渉振幅が相対的に小さくなっている。
以上のように、異符号(コード)間で共通の波長の数が、各符号がもつ波長の数より小さくなるように波長チップを間引くことにより、干渉振幅を小さくすることができるようになっている。
図1に戻り、時間ゲート回路324−iは、得られた復号信号に対し、時間ゲート処理をして干渉成分を除去するものである。受光器325−iは、光電変換することにより、送信側が送信しようとしたデータ326−iを再生するものである。光電変換時にデータ”1”を出力するための閾値が、希望信号振幅と、干渉成分の最大振幅との中間に設けられている。
ここで、時間ゲート処理により、希望信号のみを抽出するためには、復号器323−iの出力で希望信号と干渉成分とが時間的に分離されている必要がある。これは、例えば、以下のようにして実現できる。上述した4符号(コード1’〜コード4’)では、4チャネル間のデータビットの相対的な時間関係として、ビット同期が取れている状態であれば、受信側において、全チャネルで希望信号と干渉成分が時間的に分離できる。4チャネル間の相対的なデータビットの時間関係は、合波器307からの出力の段階での時間位置関係により決定されるため、ビット同期がとれるように、送信データ304−1〜304−4を時間調整し、各チャネルの変調器−合波器間の光学的距離を等しくすることにより実現できる。
上記実施形態によれば、復号後の干渉成分の振幅を希望信号の振幅より常に小さくなるように低減でき、データの再生品質を従来より向上させることができる。また、復号後の干渉成分の振幅を希望信号の振幅より常に小さくなるように低減できるので、時間ゲート回路の消光比に対する規定を緩やかにすることができ、時間ゲート回路を容易に実現することができる。
また、上記実施形態によれば、光送信装置又は光受信装置において、そのチャネルに無関係な波長成分光を除外するために、時間拡散又は時間逆拡散する符号化器又は復号器の構成を利用するようにしたので、そのチャネルに無関係な波長成分光を除外するための専用構成を不要とでき、上述した効果を発揮するための光送信装置又は光受信装置への構成追加を最小限とすることができる。
(B)他の実施形態
上記実施形態においては、時間拡散又は時間逆拡散する符号化器や復号器として、FBGを利用したものを示したが、波長成分毎に異なる時間遅延を付与できる構成であれば、FBGを利用しないものであっても良い。
また、上記実施形態においては、符号化器や復号器が、所定の波長成分光を除外する機能をも担うものを示したが、符号化器や復号器は、時間拡散又は時間逆拡散処理のみを行い、符号化器や復号器の前段又は後段に所定の波長成分光を除外する機能のみを担う光学部品(波長除去フィルタ)を設けるようにしても良い。例えば、このようにした場合、符号化器や復号器としては、(2)式〜(5)式に従う従来と同様なコード1〜コード4を取扱うものを適用でき、このような符号化器や復号器と、前段又は後段に設けた光学部品との組によって、上述した(6)式〜(9)式に従うコード1’〜コード4’の符号化や復号を実現することができる。
さらに、上記実施形態においては、G=4、M(多重度)=4であって、適用波長数が4波の場合を意識して説明したが、本発明は、このような場合に限定されるものではない。すなわち、G=4かつM(多重度)=4のような干渉成分が大きくなるような状況で、本発明は大きな効果を発揮するが、本発明は、このような場合に限定されるものではない。
多重度(チャネル数)は、これより多くても少なくても良い。また、適用波長数が4波より多くても少なくても良い。適用波長数がある程度多い場合には、各チャネル用のコードから除外する波長成分も1波に限定されず、2波以上を除外するようにしても良い。データ周期Tbと符号周期Tcとの関係も、G(=Tc/Tb)=4に限定されず、データ周期Tbが符号周期Tcに対し、これ以上の高速でも低速でも本発明を適用することができる。
上記実施形態においては、4波用のコード1〜コード4のそれぞれから、1個の波長成分のチップを除外することで、直交性を維持しているコード1’〜コード4’を形成するものを示したが、システム全体が利用する波長数より、波長成分数が少ないコードの形成方法は、上記方法に限定されるものではない。例えば、各コードで使用する波長成分を先に決定した後、直交性を満たすように、各コードの具体的内容を定めるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、光受信装置側に時間ゲート回路を設けたものを示したが、時間ゲート回路を省略するようにしても良い。すなわち、復号後の干渉成分の最大振幅でも、希望信号の振幅より常に小さくなるので(2:3の関係)、時間ゲート回路を省略しても、閾値レベルの設定により干渉成分と希望信号とを弁別できる。
さらに、上記実施形態においては、送信側において、各チャネルの時間拡散後の信号を同期して合波器に入力する場合を示したが、同期方式を採用していない場合(非同期の場合)にも、本発明を適用することができる。
さらにまた、上記実施形態においては、送信側における多波長パルス光源が、各チャネルに共通なものを示したが、各チャネル毎に、多波長パルス光源を設けるようにしても良い。このようにした場合には、そのチャネルのコードで除外されている波長成分を含まない多波長パルスを、該当チャネルの多波長パルス光源が生成するようにしても良い。
実施形態の光符号分割多重伝送システムの構成を示すブロック図である。 光符号分割多重方式の基本的概念の説明図である。 従来の光符号分割多重伝送システムの構成を示すブロック図である。 時間ゲートの必要性の説明図である。 従来の課題の説明図である。 実施形態の符号化器の詳細構成を示すブロック図である。 実施形態の復号器の詳細構成を示すブロック図である。 実施形態での復号波形を示す説明図である。
符号の説明
301…多波長パルス光源、302…分岐器、303−1〜303−4…光送信装置、305−1〜305−4…変調器、306−1〜306−4…符号化器光送信装置、307…合波器、310…伝送路、321…分岐器、322−1〜322−4…光受信装置、323−1〜323−4…復号器、324−1〜324−4…時間ゲート回路、325−1〜325−4…受光器。

Claims (8)

  1. 1又は複数チャネルの光送信装置と、それに対応する1又は複数チャネルの光受信装置とが共通の伝送路を介して対向し、上記各光送信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による符号化を行うと共に、上記各光受信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による復号を行う光符号分割多重伝送システムにおける光送信装置において、
    システム全体で使用する波長数より少ない所定数の波長を含む符号パターンであって、当該符号パターンに含まれている波長の組み合わせが、他の光送信装置における符号パターンの波長組み合わせと異なっている符号パターンで、時間拡散/波長ホッピング方式による符号化を行う符号化手段を有することを特徴とする光送信装置。
  2. 上記符号化手段は、利用する符号パターンに含まれる波長をもつチップパルス光のみを透過させ、他の波長をもつチップパルス光を遮断することを特徴とする請求項1に記載の光送信装置。
  3. 1又は複数チャネルの光送信装置と、それに対応する1又は複数チャネルの光受信装置とが共通の伝送路を介して対向し、上記各光送信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による符号化を行うと共に、上記各光受信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による復号を行う光符号分割多重伝送システムにおける光受信装置において、
    システム全体で使用する波長数より少ない所定数の波長を含む符号パターンであって、当該符号パターンに含まれている波長の組み合わせが、他の光受信装置における符号パターンの波長組み合わせと異なっている符号パターンで、時間拡散/波長ホッピング方式による復号を行う復号手段を有することを特徴とする光受信装置。
  4. 上記復号手段は、利用する符号パターンに含まれる波長をもつチップパルス光のみを透過させ、他の波長をもつチップパルス光を遮断することを特徴とする請求項3に記載の光受信装置。
  5. 1又は複数チャネルの光送信装置と、それに対応する1又は複数チャネルの光受信装置とが共通の伝送路を介して対向し、上記各光送信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による符号化を行うと共に、上記各光受信装置が時間拡散/波長ホッピング方式による復号を行う光符号分割多重伝送システムにおいて、
    同一チャネルの上記光送信装置及び上記光受信装置に対し、システム全体で使用する波長数より少ない所定数の波長を含む符号パターンであって、当該符号パターンに含まれている波長の組み合わせが、他チャネルの符号パターンの波長組み合わせと異なっている符号パターンを割り当てていることを特徴とする光符号分割多重伝送システム。
  6. 各チャネルに割り当てた符号パターンは、異チャネル間で一部異なる波長を用いたものであり、復号処理後における自己相関波形に含まれる波長の数が相互相関波形に含まれる波長の最大の数より多いことを特徴とする請求項5に記載の光符号分割多重伝送システム。
  7. 上記各光送信装置に設けられ、時間拡散/波長ホッピング方式による符号化を行う符号化手段は、利用する符号パターンに含まれる波長をもつチップパルス光のみを透過させ、他の波長をもつチップパルス光を遮断することを特徴とする請求項5又は6に記載の光符号分割多重伝送システム。
  8. 上記各光受信装置に設けられ、時間拡散/波長ホッピング方式による復号を行う復号手段は、利用する符号パターンに含まれる波長をもつチップパルス光のみを透過させ、他の波長をもつチップパルス光を遮断することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の光符号分割多重伝送システム。
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