JP2005158291A - 放電灯安定器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 所定周波数の交流電流を供給するインバータ部14と、前記交流電流により放電灯32を点灯する点灯回路部16と、放電灯32に並列接続された始動用コンデンサ34を有する始動回路部と、を備え、
前記交流電流の周波数は100Hz〜1kHzであり、前記点灯回路部16は、放電灯32の放電電流を限流するために、放電灯32に対して直列接続されたチョークコイル28を有し、該チョークコイル28のインダクタンスが1mH〜数十mHであることを特徴とする放電灯安定器10。
【選択図】 図1
Description
たとえば、特許文献1などには、各種のインバータ式安定器が開示されている。
前記交流電流の周波数は100Hz〜1kHzであり、前記点灯回路部は、放電灯の放電電流を限流するために、放電灯に対して直列接続されたチョークコイルを有し、該チョークコイルのインダクタンスが1mH〜数十mHであることを特徴とする。
上記の安定器において、前記チョークコイルのコアとしてトロイダルコアを用いることが好適である。
上記の安定器において、放電灯に流れるランプ電流を検知するランプ電流検知手段と、前記ランプ電流検知手段が、波高率設定電流値を超える電流値を検出した場合に、前記インバータ部のスイッチング素子をオフ作動させ、ランプ電流が前記波高率設定電流値より下がった場合にオン作動させる磁気飽和防止手段と、を備え、前記波高率設定電流値はランプ電流の波高率が1.7以下となるよう設定され、前記チョークコイルの磁気飽和を防止することが好適である。
上記の安定器において、チョークコイルの外周に近接配置された防振手段と、前記防振手段の外周に近接配置された良熱伝導手段と、を備えることが好適である。
上記の安定器において、防振手段は、チョークコイルを挿入するチョーク収納部と、該チョーク収納部とチョークコイルとの間に充填・硬化された硬質樹脂または発泡樹脂、乃至チョークコイルまたはチョーク収納部を包む繊維状吸音材とを含み、良熱伝導手段は、軟質樹脂を含むことが好適である。
上記の安定器において、ケース断面は、短軸/長軸が1/1〜1/2であることが好適である。
上記の安定器において、放電灯と安定器の間の配線長が15m以上であることを特徴とする放電灯安定器。
また、前記チョークコイルのコアをトロイダル形状とすることで、コアの振動や、それに伴う騒音を抑えることが可能となった。
また、チョークコイルの外周に防振手段を近接配置することにより、騒音を低減することができる。
図1には本発明の一実施形態にかかる放電灯安定器10が示されている。
同図に示す放電灯安定器10は、直流コンバータ部12と、ハーフブリッジ型インバータ部14と、点灯回路部16とを備える。
前記コンバータ部12は、交流商用電源18より電力供給を受け、直流化する。
前記ハーフブリッジ型インバータ部14は、スイッチング素子20,22の直列回路と、コンデンサ24,26の直列回路とをコンバータ部12に対して並列接続して構成される。そして、駆動回路42によって、スイッチング素子20,22のON/OFFを逆位相で同期して制御することで周波数制御された交流電流を点灯回路部16に供給することができる。なお、本実施形態において、インバータ部14の出力する電流の周波数は100Hz以上1kHz以下、好ましくは300Hz以上800Hz以下である。これらの周波数は、一般的に高周波点灯と言われる領域(数10kHz)と比較するときわめて低く、従来一般的に用いられる領域ではない。
また、ランプ32と並列に始動用コンデンサ34が接続されており、これが始動回路部を構成する。つまり、コンデンサ34の一端はチョークコイル28とランプ32の一端の間に接続され、もう一端はランプ32の他端の電極側に接続されている。
本実施形態にかかる放電灯安定器は概略以上のように構成され、次にその作用について説明する。
このコンバータ部12より供給される直流電流は、インバータ部14により、たとえば500Hzに変換される。つまり、図2(A),(B)に示すように、駆動回路42によってスイッチング素子20,22を交番周波数500Hzで交互にON,OFFを繰り返す。つまり、スイッチング素子の一方がONのとき、他方がOFFとなり、その結果、図2(C)に示すような周波数500Hzの矩形波交流電圧を得る。
しかしながら、本実施形態では、インバータ部14からの交流電流の周波数を100Hz以上1kHz以下、好ましくは300Hz以上800Hz以下としている。さらにチョークコイル28のインダクタンスを1mH以上数十mH以下のように大きくとっている。この結果、始動時のパルス幅も拡大し、始動性が有利となり、ランプ32と安定器本体(コンバータ部12,インバータ部14,点灯回路部16)との配線距離を長く取ることができる。
また、一般の高周波発生用インバータと比較し、本実施形態にかかるインバータ部14は、簡易な構成で、しかも耐久性も向上するという利点がある。
また、点灯回路部16のチョークコイル28は、商用周波数に対応した銅鉄形安定器よりははるかに小型、軽量化することができる。
したがって、本発明におけるインバータ部14の出力周波数は100〜1kHz、好ましくは300〜800Hzである。
図5では、チョークコイル228に中間タップを設け、該中間タップとランプ232の逆側電極との間に、ランプ232と並列に始動用コンデンサ234が接続されており、これが始動回路部を構成する。始動用コンデンサ234のC、及びチョーク228の中間タップまでの十分に大きなLにより共振周波数を調整し、始動高電圧を得る。
図6では、始動用コンデンサ334として非線形コンデンサを用い、ランプ332に並列接続され、始動回路部が構成されている。そして、非線形コンデンサの持つ蓄積電荷と電圧との間の非線形な特性から、容易にパルス幅の大きい高圧パルスを得ることができる。
コイルの騒音の原因としては一般的にコアの材質のもつ磁歪、局所的な磁束の集中によるコアの振動が原因と考えられる。一般に外部磁場により多数の磁区が磁化方向を揃えようとするとき、コアの外形に歪みが生じる。ある部分の磁束密度が他の部分に比べて局所的に大きくなるとその部分の変形は他の部分よりも大きなものとなってしまう。この局所的な歪みが原因となってコアの振動が生じる。
さらに、コアのギャップ部分を小さくすることでより好適に騒音を低減することができる。図8にコアのギャップ部分の磁束線の模式図を示す。図8に示すようにコアの外部の磁束線はコアの角(図8で点線の丸印で囲んだ部分)の周辺に集中し、角の部分の磁束密度は他の部分よりも相対的に大きくなる。ここで、ギャップが小さい場合(図8(a))と、大きい場合(図8(b))とを比べるとギャップの小さい場合の方がコアの角部分への磁束の集中は少なく、コアの他の部分との差が小さい。このため、ギャップを小さくすることでコアの振動を抑えることができる。ただし、コアのギャップを小さくすることは、小さい電流量でコアが磁気飽和状態になることを意味する。通常の安定器では、チョークコイルのコアが磁気飽和しないように十分な余裕をもって設計されている。例えば、放電灯の定格電流(ただし、定格電流の値は実効値としての値である)の2倍以上の電流が流れても磁気飽和が起こらないよう設計するのが通常である。しかし、上記のようにギャップを少なくすると、コアの磁気飽和を引き起こす電流量の下限が小さいものとなる。また、コアの断面積を大きくすることで、磁気飽和を引き起こす電流量を大きくすることができるが、この場合コイルの大型化は避けられない。
また、図1に示すように、本実施形態おいては、コイルの磁気飽和を防ぐため、ランプ32に流れる電流を検知するランプ電流検知手段38と、磁気飽和防止手段40とを備えている。該磁気飽和防止手段40は、ランプ電流が所定の値に設定された波高率設定電流値を超える場合に、前記インバータ部14の駆動回路42に信号を出し、スイッチング素子20,22が強制的にオフされる。そして、ランプ電流値が前記波高率設定電流値以下に復帰すると、再び駆動回路42に信号を出し、スイッチング素子20,22をオンの状態、すなわち通常の動作状態に復帰させる。そして、前記波高率設定電流値を適切な値に設定しておくことでランプ電流の波形を制御することができる。例えば、波高率設定電流値をチョークコイルの磁気飽和が起きる電流値より小さい値に設定しておけば、ランプ電流の波高率(=最大値/実効値)を所定の値以下、好適には1.7以下、に抑えることができる。その結果、ランプに短絡電流が流れたときにもチョークコイルの磁気飽和を防ぐことができる。
他の実施形態例として、図12に示すようなものも好適である。図1と同一の部材には符号400を加え説明を省略する。図12の放電灯安定器410は、ランプ432に流れる電流を検知するランプ電流検知手段438と、回路破壊防止手段444を備え、該回路破壊防止手段444は、ランプ電流が回路破壊危険電流値を超える場合に、前記インバータ部414の駆動回路442に指令を出し、スイッチング素子420,422を強制的にオフさせ、電流値が回路破壊危険電流値以下に復帰するとオンさせる。
本実施形態にかかる安定器110は、コンバータ部(12)及びインバータ部(14)の主要電子部品を載置する基板150と、点灯回路部(16)のチョークコイル128が収納される有底筒状のチョーク収納部152と、これらの基板150及びチョーク収納部152を収納する断面楕円状の筒状ケース154とを備える。
本実施形態において、筒状ケース154に充填する樹脂も硬質ウレタン樹脂とした場合には、基板150上に載置された電子部品に冷熱サイクルによる影響を与えるおそれがある。
また、本実施形態において用いられるインバータ周波数領域における音響的共鳴をさらに軽減するため、チョーク収納部152に充填する防振性樹脂に、次のようなものを用いることが好適である。
本発明
ウレタン系樹脂 △
ウレタン系樹脂+10%ケイ砂 △
ウレタン系樹脂+30%ケイ砂 ○
ウレタン系樹脂+50%ケイ砂 ○
このように、ケイ砂を樹脂に混合することにより、本発明にかかる安定器の静音性をさらに高めることができる。
さらに、チョーク収納部152には、チョークコイル128の巻き線の隙間にまで樹脂を充填し、振動抑制効果、耐久性を向上させるため、減圧充填を行うことが好ましい。
これに対し、筒状ケース154へ熱伝導性樹脂を充填する際、減圧にすると電子部品の損傷が懸念され、好ましくない。
このように本実施形態においては、振動および熱の発生源であるチョークコイル128は、防振性の高い硬質樹脂、チョーク収納部152、熱伝導性の高い軟質樹脂、筒状ケース154の四重構造で外界と隔離されており、防振性が極めて高く、さらに電子部品に過度の負荷をかけることもない。
また、チョークコイル128をチョーク収納部152へ挿入配置する際、チョークコイル128が収納部152の壁面に直接接触すると、防振性が低下する恐れがあるため、収納部152内部あるいはチョークコイル128に突起を設け、チョークコイル128と収納部152内面が一定の離隔距離を取るように調整することが好適である。
また、本発明者らが検討したところ、筒状ケース154を用いることにより、特に100〜1000Hz程度の点灯周波数で点灯した場合に、優れた静音効果が得られることが明らかとなった。
楕円 矩形
20kHz × ×
500Hz ○ ×
上記表2より明らかなように、20kHzで駆動した場合には、楕円形筒状ケースを用いても、あるいは矩形筒状ケースを用いても、静音効果には大きな影響はなかった。しかしながら、500Hzで駆動した場合には、楕円形筒状ケースを用いると優れた静音効果が発揮される一方、矩形筒状ケースを用いた場合には、静音効果は限られたものとなった。
本実施形態にかかる安定器110を組み立てる際には、前述したようにチョーク収納部152にチョークコイル128を挿入した後に防振性樹脂を充填・硬化させ、さらにこの収納部152に対して基板150及び左端蓋158を取り付け、この組み立て体を筒状ケース154に挿入する。そして、左端蓋158を筒状ケース154の左端開口部に固定することで、チョーク収納部152及び基板150もケース154内にしっかりと固定されることとなる。そして、必要に応じ前記樹脂を充填し、右端蓋160を取り付ける。また、さらに基板150背面をケース154内面に密着させて放熱性を向上させるため、基板150の右端を筒状ケース154の内側へネジ止め162することが好適である。これらのネジ止めあるいは取付金具による固定は、いずれもケース154の左端開口より容易に行うことができる。むろん、ケース154は、特に基板150に対応する外面に放熱フィン166を密に設けている。以上のように、本実施形態にかかる安定器によれば、組み立て効率の向上を図ることができる。
また、本発明において、インバータ部と点灯回路部を別体に構成し、一のインバータ部から供給される100〜1kHzに周波数制御された電力を複数の点灯回路部に供給することもできる。この場合には、各点灯回路部には供給される電力の周波数に応じたチョークコイル、位相制御コンデンサなどを設ければよく、一層の装置小型化を図ることができる。
14 インバータ部
16 銅鉄形点灯回路部
28 チョークコイル
34 始動用コンデンサ
Claims (10)
- 所定周波数の交流電流を供給するインバータ部と、
前記交流電流により放電灯を点灯する点灯回路部と、
放電灯に並列接続された始動用コンデンサを有する始動回路部と、
を備え、
前記交流電流の周波数は100Hz〜1kHzであり、前記点灯回路部は、放電灯の放電電流を限流するために、放電灯に対して直列接続されたチョークコイルを有し、該チョークコイルのインダクタンスが1mH〜数十mHであることを特徴とする放電灯安定器。 - 請求項1記載の安定器において、
前記チョークコイルのコアとしてトロイダルコアを用いることを特徴とする放電灯安定器。 - 請求項2記載の安定器において、
前記チョークコイルは、前記放電灯の定格電流の1.7倍以上の電流値で磁気飽和するものであることを特徴とする放電灯安定器。 - 請求項3記載の安定器において、
放電灯に流れるランプ電流を検知するランプ電流検知手段と、
前記ランプ電流検知手段が、波高率設定電流値を超える電流値を検出した場合に、前記インバータ部のスイッチング素子をオフ作動させ、ランプ電流が前記波高率設定電流値より下がった場合にオン作動させる磁気飽和防止手段と、を備え、前記波高率設定電流値はランプ電流の波高率が1.7以下となるよう設定され、前記チョークコイルの磁気飽和を防止することを特徴とする放電灯安定器。 - 請求項1〜3記載の安定器において、
放電灯に流れるランプ電流を検知するランプ電流検知手段と、
前記ランプ電流検知手段が、回路破壊危険電流値を超える電流値を検出した場合に、前記インバータ部のスイッチング素子をオフ作動させ、ランプ電流が回路破壊危険電流値より下がった場合にオン作動させる回路破壊防止手段と、
を備えることを特徴とする放電灯安定器。 - 請求項1〜5記載の安定器において、
チョークコイルの外周に近接配置された防振手段と、
前記防振手段の外周に近接配置された良熱伝導手段と、
を備えたことを特徴とする放電灯安定器。 - 請求項6記載の安定器において、
防振手段は、チョークコイルを挿入するチョーク収納部と、該チョーク収納部とチョークコイルとの間に充填・硬化された硬質樹脂または発泡樹脂、乃至チョークコイルまたはチョーク収納部を包む繊維状吸音材とを含み、
良熱伝導手段は、軟質樹脂を含むことを特徴とする放電灯安定器。 - 請求項1〜7記載の安定器において、インバータ部、点灯回路部及び始動回路部は断面円形ないし楕円形ケースに装填されることを特徴とする放電灯安定器。
- 請求項8に記載の安定器において、ケース断面は、短軸/長軸が1/1〜1/2であることを特徴とする放電灯安定器。
- 請求項1〜9記載の安定器において、放電灯と安定器の間の配線長が15m以上であることを特徴とする放電灯安定器。
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