JP2005156431A - 板幅測定装置および板幅測定方法 - Google Patents

板幅測定装置および板幅測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 余分な機器等を必要とすることなく、簡素な装置構成で板幅を高応答速度かつ高精度で測定する。
【解決手段】 板幅の測定対象の鋼板10の幅方向の両端部にそれぞれ配置されたエリアセンサカメラ21,22の受光部前面に、鋼板10の搬送方向に空間的に透過波長が変化する干渉フィルタ31a,32a等からなる光学フィルタを配置し、エリアセンサカメラ21,22の撮像データから透過波長の異なる少なくとも2種類の板幅方向の走査線信号を走査線信号抽出手段41,42にて抽出し、抽出された2種類以上の走査線信号の中から信号レベルの状態が測定に好適なものを選択し、選択された走査線信号に基づいて板幅算出手段50が鋼板10の板幅を算出することで、温度測定機器等を必要とすることなく、高応答速度かつ高精度で鋼板10の板幅を測定可能にした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、板材の幅を測定する板幅測定技術に関し、特に、熱延鋼板のように測定対象の板材の温度が大きく変動する場合の板幅測定等に好適な板幅測定技術に関する。
熱延鋼板などの製造ラインでは、搬送中の材料の板幅を高精度で測定し、その結果に基づいて上流あるいは下流のプロセスをリアルタイムで制御することが、製品の寸法管理上重要である。また、搬送方向に一定距離隔たった3箇所以上の位置で板幅を測定することにより、板材の曲がり量(キャンバーと称する)が把握できるので、この曲がり量測定値を利用したフィードフォワード制御により、下流プロセスの蛇行を防止することができるので、製造ラインの操業を安定化する上でも重要である。
熱延鋼板の板幅測定装置としては、参考技術として図8に示すような下部光源方式のものが広く使用されている。すなわち、鋼板210の通板経路を取り囲むように配置された架台280に、複数のラインセンサカメラ261,262および鋼板210を挟んで対向する投光器270を配置し、鋼板210の両端部の影をラインセンサカメラ261,262にて検出することで、板幅の測定を行うものである。
しかしながらこの下部光源方式は、搬送する鋼板210をはさんで投光器270と撮像器であるラインセンサカメラ261,262を配置する必要があるため、(a)測定装置が大型且つ高価になる、(b)鋼板の下側に投光器を設置するための大規模な工事が必要になり、工事費も高価になる、(c)鋼板の下側に設置される投光器の上に水滴やスケールなどが付着するため保守性が悪い、などの問題がある。
これらの問題を回避するため、自発光方式の板幅測定装置が提案されている。これは、鋼板自体からの熱放射を利用するものであり、測定装置としては基本的に鋼板の上側に撮像器を配置するだけで済むので、上記の問題が回避可能である。その反面、自発光方式の板幅測定装置では鋼板からの放射輝度は鋼板の温度によって大きく変化するので、この影響を抑止する何らかの方策が必要である。
たとえば熱延鋼板製造ラインにおいて粗圧延機と仕上圧延機の中間位置で板幅を測定する場合、鋼板の板幅方向両端部の温度は、600〜1,200℃という極めて広範囲に亘って変化する。この温度は、鋼板両端部の鋼板中央部に比べた板厚減少(いわゆる「エッジドロップ」)の度合いやスケールの付着状態などによる影響を大きく受けるため、同じ鋼板でも搬送方向の各位置によって大きく変化する。鋼板の温度がこのように大きく変化すると、通常のCCDカメラはもとより、いわゆる広ダイナミックレンジカメラを用いても、低温側での輝度不足と高温側での輝度過剰(カメラ出力の飽和)のトレードオフを解消するのは困難である。
このような自発光方式の板幅測定装置に不可避的に生ずるダイナミックレンジ不足に起因する問題点を解決する方法として、(1)カメラの露光時間を変えて鋼板両端部を2回撮像し、得られた2つの映像を合成して出力する方法が参考技術として知られている。また、(2)放射温度計で鋼板の表面温度を測定し、この測定値に基づいてカメラの電荷蓄積時間を動的に制御する方法が特許文献1に開示されている。
特開平8−320215号公報
しかしながら、上記(1)の方法は、板幅を1回測定するのに露光時間の異なる2回の撮像を行う必要があるため応答速度が遅くなり、板材が高速で搬送される熱延鋼板の製造ラインなどには適用できないという問題があった。また、上記(2)の方法は、(a)カメラ以外に別途、放射温度計の設置が必要になる、(b)放射温度計の出力値に基づいてカメラの電荷蓄積時間を迅速に制御するための複雑な機構が必要になる、(c)鋼板の両端部は板幅方向の温度勾配が大きいため、放射温度計の測定箇所を正確に鋼板両端位置に追従させる複雑な機構が必要になる、といった問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、余分な機器等を必要とすることなく、簡素な装置構成で板幅を高応答速度かつ高精度で測定できる板幅測定技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、受光部前面に空間的に透過波長が変化する干渉フィルタを装備し、板材の板幅方向の両端部をそれぞれ撮像する複数の撮像機構と、個々の前記撮像機構の撮像データから透過波長の異なる少なくとも2種類の板幅方向の走査線信号を抽出する走査線信号抽出手段と、抽出された2種類以上の前記走査線信号の中から好適なものを選択し、選択された前記走査線信号に基づいて前記板材の板幅を算出する板幅算出手段と、を具備したことを特徴とする板幅測定装置を提供する。
本発明の第2の観点は、受光部前面に空間的に透過光強度が変化する減光フィルタを装備し、板材の板幅方向の両端部をそれぞれ撮像する複数の撮像機構と、個々の前記撮像機構の撮像データから透過強度の異なる少なくとも2種類の板幅方向の走査線信号を抽出する走査線信号抽出手段と、抽出された2種類以上の前記走査線信号の中から好適なものを選択し、選択された前記走査線信号に基づいて板幅を算出する板幅算出手段と、を具備したことを特徴とする板幅測定装置を提供する。
本発明の第3の観点は、受光部前面に空間的に透過波長が変化する干渉フィルタを装備した複数の撮像機構を用いて板材の板幅方向の両端部をそれぞれ撮像する工程と、個々の前記撮像機構の撮像データから透過波長の異なる少なくとも2種類の板幅方向の走査線信号を抽出する工程と、抽出された2種類以上の前記走査線信号の中から好適なものを選択し、選択された前記走査線信号に基づいて前記板材の板幅を算出する工程と、を具備したことを特徴とする板幅測定方法を提供する。
本発明の第4の観点は、受光部前面に空間的に透過光強度が変化する減光フィルタを装備した複数の撮像機構を用いて板材の板幅方向の両端部をそれぞれ撮像する工程と、個々の前記撮像機構の撮像データから透過強度の異なる少なくとも2種類の板幅方向の走査線信号を抽出する工程と、抽出された2種類以上の前記走査線信号の中から好適なものを選択し、選択された前記走査線信号に基づいて板幅を算出する工程と、を具備したことを特徴とする板幅測定方法を提供する。
また本発明は、上述の第1〜第4の観点において、必要に応じて、板材に対して撮像機構の設置位置の反対側に、板材の表面温度に比して低温に保たれた物体を、前記板材の両端部からはみ出すように設置するようにしたものである。
また本発明は、上述の第1〜第4の観点において、必要に応じて、撮像機構として、ランダムピクセルアクセス機能を有する広ダイナミックレンジCMOSカメラ等のエリアセンサカメラを用いるようにしたものである。
上記した本発明によれば、測定対象の板材の温度を測定する機器等を必要とすることなく、1回の撮影で任意の温度の板材に好適な波長や減光率の走査線信号を選択することで、高速かつ高精度で板幅を測定可能となる。また、撮像機構以外に下部光源や放射温度計、さらには制御機構等が全く不要であるため、装置が小型化され、取り扱いや設置が容易になるとともに、煩雑な保守管理が不要となり、保守性が向上するとともに、製造コストを低減できる。
本発明は、基本的に撮像機構だけで構成される極めてシンプル且つ小型の測定装置であるので、下部光源や放射温度計、あるいは複雑な制御機構が一切不要となり、また測定装置の設置が容易になり、さらに、保守性に優れ、装置価格も低廉である。また、1回の撮像で板幅が測定できる高応答速度の装置であるので、測定対象材が高速で搬送される製造ラインにも適用可能である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
以下の説明では、一例として高温の鋼板の板幅を測定する場合について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態である板幅測定装置の装置構成の一例を示すブロック図である。図1に例示されるように、本実施の形態の板幅測定装置は、鋼板10等の板材の両端部の上方に受光面を下向きにした姿勢で配置され、当該端部の二次元画像をそれぞれ撮像するエリアセンサカメラ21およびエリアセンサカメラ22を備えている。エリアセンサカメラ21およびエリアセンサカメラ22の各々には、前記二次元画像を構成する複数の走査線信号を保持するとともに、これらの走査線信号の中から特定のものを選択的に抽出する機能を備えた走査線信号抽出手段41および走査線信号抽出手段42が接続されている。さらに、走査線信号抽出手段41,42には、走査線信号に基づいて鋼板10の板幅Wを算出する処理を行う板幅算出手段50が接続されている。
これらのエリアセンサカメラ21およびエリアセンサカメラ22の各々の撮像部(受光部)前面、すなわち入射光の光路上には、それぞれ光学フィルタとして空間的に透過波長が変化する干渉フィルタ31aおよび干渉フィルタ32aがそれぞれ配置されている。
エリアセンサカメラ21、エリアセンサカメラ22を、それら各々の撮像素子21a、22a(図2参照)の水平方向の走査線の方向が板幅方向と平行になるように設置する場合、基本的には、カメラの水平方向の1本の走査線信号から板幅Wが測定できる。ただし必要に応じて、複数の走査線信号を平均処理して板幅を測定することも可能である。光学フィルタとしての干渉フィルタ31a,32aは、所定の方向に沿って空間的に透過波長が変化するものを用いる。そして、この所定方向が鋼板10の搬送方向に一致するように、カメラに装着する。すなわち、干渉フィルタ31a、干渉フィルタ32aの各々は、透過波長の異なる複数の領域αおよび領域β(図2参照)からなり、この複数の領域α,βは配列方向が、鋼板10の搬送方向に一致するように配置されている。
図2は、本実施の形態における撮像部分の光学系の動作原理の一例を示す概念図である。なお、図2では、簡単のため、鋼板10の右端部を撮像するエリアセンサカメラ22と光学フィルタ32に着目して図示している。
この図2に示すように、たとえば、領域αに波長λ1近傍のみを透過する特性を持たせ、領域βに波長λ2(>λ1)近傍のみを透過する特性を持たせた干渉フィルタ32aをカメラに装着する。このとき、エリアセンサカメラ22の撮像データには、領域αを透過した水平(板幅)方向の走査線信号a−a’と領域βを透過した水平(板幅)方向の走査線信号b−b’とが含まれることになる。これらの走査線信号はそれぞれ、鋼板10の端部のA−A’部およびB−B’部の部分を撮像した信号に相当する。
図3は、鋼板10の温度および波長によるカメラ受光強度の変化の一例を示す特性線図である。図3からわかるように、受光強度は温度だけではなく、波長によっても変化する。したがって、短波長成分(λ1)のみが透過される領域αを通過した走査線信号a−a’に比べ、長波長成分(λ2)のみが透過される領域βを通過した走査線信号b−b’の方が信号強度が高くなる。
たとえば、温度が600〜1,200℃の範囲で変化する鋼板10の板幅Wを測定する場合、図3に示すようなλ1およびλ2を選定すれば、600〜850℃の低温城では透過波長λ2の走査線信号b−b’から、また、850〜1,200℃の高温域では透過波長λ1の走査線信号a−a’から、板幅Wを求めることが可能になる。なお、たとえば600℃の鋼板に対する透過波長λ1の走査線信号a−a’は、全体的に受光強度が非常に低くなるため、鋼板10の両端部のコントラストが十分得られず、板幅Wの測定は困難になる。逆に、たとえば1,200℃の鋼板10に対する透過波長λ2の走査線信号b−b’は、鋼板10からの熱放射が強すぎるため信号が飽和してしまい、やはり板幅の測定は困難になる。
そこで、図1の走査線信号抽出手段41,42は、エリアセンサカメラ21,22による撮像データから、特定の複数の水平(板幅)方向の走査線信号のみを抽出して、板幅算出手段50に出力する。たとえば上述の例では、エリアセンサカメラで撮像した2次元画像データから、あらかじめ指定した2つの走査線信号a−a’およびb−b’を抽出する。
板幅算出手段50は、抽出された複数の走査線信号の中から適切な1つ走査線信号を選択し、この選択された走査線信号に基づいて板幅Wを算出する。たとえば上述の例では、実際は、鋼板10の温度が850℃以上であるか以下であるかは不明である。そこで板幅算出手段50においては、たとえば、走査線信号b−b’内の最大強度が飽和した場合は走査線信号a−a’を用いて板幅Wを算出し、飽和していない場合は走査線信号b−b’を用いて板幅Wを算出する。
このようにして板幅算出に用いる走査線信号を選択した後は、従来の板幅測定装置と同様の方法で板幅Wを計算すればよい。
具体的には、一例として、後述のように、縦軸に信号レベル、横軸に板幅方向の位置をとって表される走査線信号波形において、鋼板10の端部で急峻に変化する走査線信号波形の半値幅の位置を鋼板10のエッジ位置として検出する。そして、各端部を検出するエリアセンサカメラ21およびエリアセンサカメラ22における前記エッジ位置の幅方向の距離として板幅Wを算出する。
このような一連の板幅測定動作の一例を図7のフローチャートにまとめて示す。すなわち、エリアセンサカメラ21,22にて、干渉フィルタ31a,32aを介して撮影され、走査線信号抽出手段41,42に保持された鋼板10の画像データの走査線信号から、異なる透過波長に対応した複数の走査線信号を選択して記憶し(ステップ101)、選択された走査線信号の中から一つを選択して(ステップ102)、信号レベルが飽和していないか、または信号レベルが不足していないかを判定し(ステップ103)、いずれかに該当する場合には、不適として残りの走査線信号の有無を調べ(ステップ105)、ある場合には前記ステップ102に戻ってその走査線信号を選択する操作を反復し、信号レベルが飽和していなく、かつ低過ぎもしない走査線信号を選択して、当該走査線信号を用いて板幅を算出する(ステップ104)、という操作を行う。
この操作により、図2の例では、水平方向走査線信号a−a’、または水平方向走査線信号b−b’のいずれかが選択されて板幅の測定が行われることになる。
なお、ステップ105で未判定の走査線信号がないと判定された場合は、ステップ106の板幅測定不能エラーとなるが、本実施の形態の場合、予め、干渉フィルタ31a、干渉フィルタ32aの透過波長範囲を、エリアセンサカメラ21,22のダイナミックレンジと、図3の特性線図とに基づいて適切に設定しておくことで、水平方向走査線信号a−a’、または水平方向走査線信号b−b’いずれかの走査線信号による板幅測定が可能となり、測定不能エラーとなることはない。
以上のように複数の走査線信号から適切なものを選択して板幅Wを算出することにより、エリアセンサカメラ21,22の絞りや露光時間などを変更することなく、鋼板10の温度変化の影響を受けずに板幅Wの測定が可能になる。
上記の説明では、2種類の異なる透過波長特性(領域α,β)を有する干渉フィルタ31a,32aを用いた例について述べたが、必要に応じて3種類以上の透過波長特性を有する干渉フィルタを用いてもよい。これらの干渉フィルタ31a,32aは、異なる透過波長特性を有したフィルタを隣り合うように張り合わせても、また、同一の基板上に異なる透過特性を施したものを用いてもよい。さらに、干渉フィルタ31a,32aとして、特定の波長近傍の光のみを透過するいわゆるバンドパスフィルタではなく、所定の波長よりも長い光を透過させるいわゆるロングウェーブパスフィルタや、所定の波長よりも短い光のみを透過させるいわゆるショートウェーブパスフィルタを用いるようにしてもよい。
次に本発明の板幅測定装置の第2の実施の形態について説明する。上記の第1の実施の形態では、光学フィルタとして、空間的に透過波長が変化する干渉フィルタ31a,32aを用いたが、この第2の実施の形態では、光学フィルタとして、空間的に透過光量が変化する減光フィルタ31bおよび減光フィルタ32b(ニュートラルデンシティフィルタ)を用いる。そして、鋼板10の温度が高い場合には、フィルタ内の減光率が高い部分を透過した走査線信号を、また鋼板10の温度が低い場合には、フィルタ内の減光率が低い部分を透過した走査線信号を用いるようにする。その他の装置構成や板幅算出プロセスは上記の第1の実施の形態と同様である。
上記の説明で明らかなように、本発明の各実施の形態による板幅測定においては、エリアセンサカメラ21,22の撮像データの内、特定の複数本の走査線信号だけを用いることができる。したがって、エリアセンサカメラ21,22内の全画素を順次隈なく走査するのではなく、あらかじめ指定した複数本の走査線のみを走査した方が、より高速な処理が可能になる。したがって、特に高速で搬送する鋼板10等の板材の板幅Wを搬送方向に短い測定ピッチで測定するような場合には、エリアセンサカメラ21,22として、ランダムピクセルアクセス機能を有するCMOSカメラを用いるのが好適である。
また、特に、鋼板10等の被測定材の温度変化範囲が大きい場合などには、エリアセンサカメラ21,22として、広ダイナミックレンジカメラを用いる方が好適である。ダイナミックレンジの狭いカメラでは、1つの光学フィルタ内により多くの種類の異なる透過特性を持たせる必要があるからである。
次に本発明の第3の実施の形態について図4に基づいて説明する。本第3の実施の形態においては、鋼板10の下側に低温の物体(以下、背面材100と称する)を、その一部がエリアセンサカメラ21,22の撮像視野内に入るように、すなわち、鋼板10の両端部からはみ出るように、設置する。背面材100を設置する以外は、上記の第1あるいは第2の実施の形態と同様である。
この背面材100は、形状は矩形のものでも円筒形のものでもよいが、その表面あるいは内面を鋼板10より十分低温に保つようにする。具体的には、たとえば、表面に黒色の塗料を塗った円筒形の背面材の内部に水を循環させて、背面材100を低温に保つ。こうすることによって、エリアセンサカメラ21,22の撮像データ内で鋼板10の板幅方向の両端部とその背景とのコントラストが大きくなり、高精度で板幅Wを算出することが可能になる。
なお、この背面材100は、前述の下部光源方式における投光器と異なり、小型の物体でよく、エリアセンサカメラ21,22との相対位置を正確に調整する必要もなく、また頻繁に保守を行う必要もないので、下部光源方式の装置の問題点である装置の大型化、大規模な設置工事の必要性、煩雑な保守の必要性などは、本実施の形態によれば、全く生じないという利点がある。
図5は、本発明の板幅測定装置の装置構成の一実施例を示す概略図である。本実施例では、エリアセンサカメラ21,22として、ダイナミックレンジ120dBの広ダイナミックレンジCMOSエリアセンサカメラを用いて、600〜1,000℃の熱延鋼板(鋼板10)の板幅Wを測定した。
各カメラの撮像部前面には、透過波長が900nm以上のロングウェーブパスフィルタ(以下、フィルタAと称する)と透過波長が700nm以上のロングウェーブパスフィルタ(以下、フィルタBと称する)を隣り合うように張り合わせて構成した光学フィルタ31,32を装着した。
エリアセンサカメラ21,22の各々の出力は、走査線信号抽出手段41,42として機能するフレームグラバー41a,42aを通して、板幅算出手段50として機能するコンピュータ50aに取り込み、透過波長の異なる2種類の走査線信号の抽出はコンピュータ50aに取り込んだ後のソフトウェア処理で行った。
すなわち、フレームグラバー41a,42aは、メモリ内にエリアセンサカメラ21,22の撮像データの特定の2本の走査線信号を抜き取り、ディジタル化して保持する機能を有する。
また、コンピュータ50a内でのソフトウェア演算により、抽出された2本の走査線信号の内、好適なものを選択し、またそれを用いて板幅Wの算出を行った。具体的には、フィルタBを透過した走査線信号が飽和していない場合にはこの信号を、また飽和している場合にはフィルタAを透過した走査線信号を自動的に選択するようにした。
選択された信号波形において半値幅、すなわち波形データ強度が最大値の半分となる箇所の幅を板幅Wとして算出した。また、参照のため、板幅測定時の鋼板10の表面温度を放射温度計で実測した。
図6に、600℃および1,000℃において撮像した走査線信号波形例を示す。なお、この図6では、鋼板10の両端部にそれぞれ配置されているカメラの走査線の波形を中央部でつなぎ合わせてまとめて示している。
この図6からわかるように、広ダイナミックレンジのカメラを用いた本実施例においても、鋼板10の温度が600〜1,000℃まで変化する場合、同一の光学条件では精度のよい板幅測定は不可能である。
すなわち、フィルタAのみの場合には、鋼板10が高温(たとえば1000℃)の場合には板幅の測定が可能であるが、低温(たとえば600℃)の場合には信号レベルが不足して板幅の測定は困難である。同様に、フィルタBのみの場合には、鋼板10が低温(たとえば600℃)の場合には板幅Wの測定が可能であるが、高温(たとえば1000℃)の場合には信号レベルが飽和して板幅Wの測定は困難である。
これに対して、本実施例によれば、鋼板10が600℃の時はフィルタBを透過した波形を、また鋼板10が1,000℃の時はフィルタAを透過した波形を自動的に選択することができ、このような広範に温度変化がある場合でも自発光方式で板幅Wの測定が可能である。なお、本実施例は光学フィルタ31,32として、透過波長が空間的に異なるロングウェーブパスフィルタを用いた場合について説明したが、これに限るものではなく、バンドパスフィルタやショートウェーブパスフィルタ、あるいは減光フィルタを用いてもよい。
以上の説明では、測定対象を高温の鋼板10とした場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばアルミ板などの板幅Wの測定にも適用可能である。また、板材の各端部をそれぞれ1台のカメラで撮像する場合について述べたが、板幅Wが広範にわたって変化するような製造ラインでは、板幅方向の両端部にそれぞれ2台以上のカメラを設置するようにしてもよい。また、各1台のカメラを予測される板幅に応じて、板幅方向に移動するようにしてもよい。さらには、板材の上下方向(板幅方向および搬送方向のどちらにも垂直な方向)の変位が大きい場合には、板幅両端部にそれぞれ複数台のカメラを設置して、上下方向の変位を相殺する構成としてもよい。
干渉フィルタとしては、空間的に一方向(鋼板10の搬送方向)に連続的に透過光の波長が変化する構成のものでもよい。また、減光フィルタとしては、空間的に一方向(鋼板10の搬送方向)に連続的に透過光の光量が変化する構成のものでもよい。
本発明は、鋼板等に限らず、一般の板材の板幅測定に広く適用することができる。
本発明の第1および第2の実施の形態である板幅測定装置の装置構成の一例を示すブロック図。 本発明の各実施の形態における撮像部分の光学系の動作原理の一例を示す概念図。 鋼板の温度および波長によるカメラ受光強度の変化の一例を示す特性線図。 本発明の第3の実施の形態である板幅測定装置の装置構成の一例を示すブロック図。 本発明の板幅測定装置の装置構成の一実施例を示す概略図。 本発明の実施例の作用の一例を示す線図。 本発明の板幅測定装置の作用の一例を示すフローチャート。 本発明の参考技術である下部光源方式の板幅測定装置を示す断面図。
符号の説明
10…鋼板(板材)
21,22…エリアセンサカメラ(撮像機構)
21a,22a…撮像素子
31,32…光学フィルタ
31a,32a…干渉フィルタ
31b,32b…減光フィルタ
41,42…走査線信号抽出手段
41a,42a…フレームグラバー
50…板幅算出手段
50a…コンピュータ
100…背面材
210…鋼板
261,262…ラインセンサカメラ
270…投光器
280…架台
A…フィルタ
B…フィルタ
W…板幅
a−a’,b−b’…走査線信号

Claims (8)

  1. 受光部前面に空間的に透過波長が変化する干渉フィルタを装備し、板材の板幅方向の両端部をそれぞれ撮像する複数の撮像機構と、個々の前記撮像機構の撮像データから透過波長の異なる少なくとも2種類の板幅方向の走査線信号を抽出する走査線信号抽出手段と、抽出された2種類以上の前記走査線信号の中から好適なものを選択し、選択された前記走査線信号に基づいて前記板材の板幅を算出する板幅算出手段と、を具備したことを特徴とする板幅測定装置。
  2. 受光部前面に空間的に透過光強度が変化する減光フィルタを装備し、板材の板幅方向の両端部をそれぞれ撮像する複数の撮像機構と、個々の前記撮像機構の撮像データから透過強度の異なる少なくとも2種類の板幅方向の走査線信号を抽出する走査線信号抽出手段と、抽出された2種類以上の前記走査線信号の中から好適なものを選択し、選択された前記走査線信号に基づいて板幅を算出する板幅算出手段と、を具備したことを特徴とする板幅測定装置。
  3. 前記板材に対して前記撮像機構の設置位置の反対側に設置され、前記板材の表面温度に比して低温に保たれた物体をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の板幅測定装置。
  4. 前記撮像機構は、ランダムピクセルアクセス機能を有する広ダイナミックレンジCMOSカメラからなることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の板幅測定装置。
  5. 受光部前面に空間的に透過波長が変化する干渉フィルタを装備した複数の撮像機構を用いて板材の板幅方向の両端部をそれぞれ撮像する工程と、個々の前記撮像機構の撮像データから透過波長の異なる少なくとも2種類の板幅方向の走査線信号を抽出する工程と、抽出された2種類以上の前記走査線信号の中から好適なものを選択し、選択された前記走査線信号に基づいて前記板材の板幅を算出する工程と、を具備したことを特徴とする板幅測定方法。
  6. 受光部前面に空間的に透過光強度が変化する減光フィルタを装備した複数の撮像機構を用いて板材の板幅方向の両端部をそれぞれ撮像する工程と、個々の前記撮像機構の撮像データから透過強度の異なる少なくとも2種類の板幅方向の走査線信号を抽出する工程と、抽出された2種類以上の前記走査線信号の中から好適なものを選択し、選択された前記走査線信号に基づいて板幅を算出する工程と、を具備したことを特徴とする板幅測定方法。
  7. 前記撮像機構から見た前記板材の背面側に、前記板材の表面温度に比して低温に保たれた物体を、前記両端部からはみ出すように設置することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の板幅測定方法。
  8. 前記撮像機構として、ランダムピクセルアクセス機能を有する広ダイナミックレンジCMOSカメラを用いることを特徴とする、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の板幅測定方法。
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