JP2005154845A - トナーをバインダに用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トナーの特徴を生かすことで、単にバインダとしてのみの効果ではなく、最近の高付加価値脱酸剤、すなわち、複合フラックスに求められている、脱硫、脱燐、及び、塩基度調整に対しても効果を与えることが可能となるバインダを提供し、同時に、トナーの付加価値をさらに高めることで、利益創出と環境保全とが同軸となった、より優れたリサイクル方法を提供すること。
【解決手段】 バインダの原料としてトナーを用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製造方法において、製鋼用フラックスを成形するのと同時に圧縮熱を加える第1の加熱手段と、該第1の加熱手段とは別に、成形時以外で加える第2の加熱手段を有することを特徴とするトナーを用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製造方法。
【選択図】 図2
【解決手段】 バインダの原料としてトナーを用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製造方法において、製鋼用フラックスを成形するのと同時に圧縮熱を加える第1の加熱手段と、該第1の加熱手段とは別に、成形時以外で加える第2の加熱手段を有することを特徴とするトナーを用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製造方法。
【選択図】 図2
Description
本発明は、OA機器のトナーのリサイクルに関する。また、金属、金属酸化物若しくは鉱物、またはこれらが配合された粉粒体を造粒成形するために用いるバインダ及び該バインダを使用して得られた粉粒物を製鋼用フラックスに造粒成形する造粒成形物の製造方法に関する。
特許文献1には、実施例において、トナーのリサイクルシステムの概念が、原材料の段階から破棄までの間のマテリアルフロー(コメットサークル)として開示されている。
また、特許文献2には、トナーの成分および性状等を考慮したうえで、廃トナーを資源として有効利用でき、しかも、超微粉である廃トナーのハンドリングが容易な廃トナー処理方法を提供することを目的とし、トナーが鉄粉を含むこと、およびトナーの粒子径が数〜十数μmの超微粒子であることに着目し、製鉄所で廃トナーを有効利用すること、具体的には廃トナー混合装置で焼結原料に廃トナーを混合し、この廃トナーを混合した焼結原料を焼結機で焼結すること。焼結原料に混合した廃トナー中の鉄粉は鉄源として有効利用できること、また、廃トナー中の樹脂の一部は燃焼し、粉コークスの代替えとして有効利用できること、また、廃トナーを焼結原料に混合して焼結するので、廃トナーが飛散することなく、廃トナーのハンドリングが容易になることが記載されている。
また、特許文献3には、従来のバインダは、造粒するのに水分を必要としたり、保形性が悪かったり、造粒成形物の使用時に多量の黒煙を出して作業環境を悪化させたり、造粒成形物が過熱したりと、種々の欠点があり、これらの汎用性に欠けていた点を改善することを目的とし、トナーの結着樹脂として適した軟化点好ましくは100℃以下を有する樹脂例えばポリオール樹脂、スチレン−アクリル系共重合体又はポリエステル樹脂を配合したバインダ、このバインダとして廃トナーを活用することができること、水分を加える必要がなく且つ耐水性が良いので、特に、アルミドロス、アルミ灰等のアルミ滓から製鋼用等のフラックスを製造するときに有効であることが記載されている。
また、特許文献4には、金属粉に対する少量の配合量で成形直後の保形強度を向上させることができるブリケット用バインダを提供することを目的とし、ダイマー酸、トリマー酸、アクリル化脂肪酸、マレイン化脂肪酸およびそれらの誘導体からなる群から選ばれる多塩基酸の少なくとも1種を主成分とし、Ca、Mg又はZnの酸化物及び/又は水酸化物の存在下に用いるブリケット用バインダが記載されている。
また、特許文献5には、アルミドロスに、流動性を確保された2〜20重量%のタール、ピッチあるいはアスファルトの一種以上からなる非含水性の粘結剤と、該粘結剤の数%程度のフェノール樹脂とを入れて混練した後、ブリケットマシンを用いてロール幅に対し5t/cm以上の加圧力を持って加圧成形したことを特徴とするアルミドロスの製団方法が記載されている。
また、特許文献6には、粉粒状金属に対して有機系天然物0.1〜10重量%と熱硬化性樹脂0.1〜5重量%を併用して、添加、混合、加圧成型した後、加熱処理することを特徴とする粉粒状金属の塊成化方法が記載されている。
また、本出願人は、先に、使用済みトナーや工場から排出される規格外トナーを一定量集めて原料とし、他にアルミ精錬で生じたアルミ灰等も合わせて製鋼用フラックスを製造するトナーリサイクルシステムを提案(特願2002−196487号参照)した。
また、特許文献2には、トナーの成分および性状等を考慮したうえで、廃トナーを資源として有効利用でき、しかも、超微粉である廃トナーのハンドリングが容易な廃トナー処理方法を提供することを目的とし、トナーが鉄粉を含むこと、およびトナーの粒子径が数〜十数μmの超微粒子であることに着目し、製鉄所で廃トナーを有効利用すること、具体的には廃トナー混合装置で焼結原料に廃トナーを混合し、この廃トナーを混合した焼結原料を焼結機で焼結すること。焼結原料に混合した廃トナー中の鉄粉は鉄源として有効利用できること、また、廃トナー中の樹脂の一部は燃焼し、粉コークスの代替えとして有効利用できること、また、廃トナーを焼結原料に混合して焼結するので、廃トナーが飛散することなく、廃トナーのハンドリングが容易になることが記載されている。
また、特許文献3には、従来のバインダは、造粒するのに水分を必要としたり、保形性が悪かったり、造粒成形物の使用時に多量の黒煙を出して作業環境を悪化させたり、造粒成形物が過熱したりと、種々の欠点があり、これらの汎用性に欠けていた点を改善することを目的とし、トナーの結着樹脂として適した軟化点好ましくは100℃以下を有する樹脂例えばポリオール樹脂、スチレン−アクリル系共重合体又はポリエステル樹脂を配合したバインダ、このバインダとして廃トナーを活用することができること、水分を加える必要がなく且つ耐水性が良いので、特に、アルミドロス、アルミ灰等のアルミ滓から製鋼用等のフラックスを製造するときに有効であることが記載されている。
また、特許文献4には、金属粉に対する少量の配合量で成形直後の保形強度を向上させることができるブリケット用バインダを提供することを目的とし、ダイマー酸、トリマー酸、アクリル化脂肪酸、マレイン化脂肪酸およびそれらの誘導体からなる群から選ばれる多塩基酸の少なくとも1種を主成分とし、Ca、Mg又はZnの酸化物及び/又は水酸化物の存在下に用いるブリケット用バインダが記載されている。
また、特許文献5には、アルミドロスに、流動性を確保された2〜20重量%のタール、ピッチあるいはアスファルトの一種以上からなる非含水性の粘結剤と、該粘結剤の数%程度のフェノール樹脂とを入れて混練した後、ブリケットマシンを用いてロール幅に対し5t/cm以上の加圧力を持って加圧成形したことを特徴とするアルミドロスの製団方法が記載されている。
また、特許文献6には、粉粒状金属に対して有機系天然物0.1〜10重量%と熱硬化性樹脂0.1〜5重量%を併用して、添加、混合、加圧成型した後、加熱処理することを特徴とする粉粒状金属の塊成化方法が記載されている。
また、本出願人は、先に、使用済みトナーや工場から排出される規格外トナーを一定量集めて原料とし、他にアルミ精錬で生じたアルミ灰等も合わせて製鋼用フラックスを製造するトナーリサイクルシステムを提案(特願2002−196487号参照)した。
現代社会においては、環境問題に関する重要性が以前に増して認識されている。そのため、消費者や投資家は、環境への配慮を切り口に企業を厳しく選別するようになってきている。よって、企業にとっては、これまで行なってきた利益創出活動と共に、今後は環境保全活動を行なうことが課題となる。
したがって、資源の有効活用・廃棄物の削減の点から、製品、部品、材料をリサイクルして使用するリサイクルシステムの確立が企業の急務となっている。消費エネルギー削減や有害物質の排出防止と同時に、このリサイクルの領域で率先して取組む企業ほど成長の道が開けてくると言える。
したがって、資源の有効活用・廃棄物の削減の点から、製品、部品、材料をリサイクルして使用するリサイクルシステムの確立が企業の急務となっている。消費エネルギー削減や有害物質の排出防止と同時に、このリサイクルの領域で率先して取組む企業ほど成長の道が開けてくると言える。
ところで、このリサイクルに関して、その手段(リサイクル処理)を大別すると以下のようなものがある。
(1)自家再使用
製品を使用するユーザーが、製品内の一部(部品等)を再使用するリサイクル処理である。複写機を例にとると、トナーの容器(トナーボトル)に、ユーザーが自分でトナーを詰め替えて再使用する場合がこれに相当する。この場合、リサイクル対象物(上記例の場合は“トナーボトル”)の価値は下がらない。よって、自家再使用は、環境負荷低減効果が最も大きく、且つ、コストが最も小さい処理の仕方であるといえる。
(2)製品再使用
使用済みとなり市場から回収される製品(以下「回収機」)に対して、所定の再生処理を施して「再生機」として再使用するリサイクル処理である。この処理の場合は、製品を構成する大部分はそのまま再使用されるので、環境負荷低減効果が非常に大きい。
(3)部品再使用
回収機から部品またはユニットを取り出し、新既の製品内の部品またはユニットとして再使用するリサイクル処理である。この処理の場合、本来は加工等の相当量のエネルギーを注いで製造される部品、ユニットに対し、その製造工程が省略されるという点で、環境負荷低減効果は大きい。
(4)マテリアルリサイクル
回収機を材料単位に分解・分別し、その後何らかの処理をして再生材料として使用するリサイクル処理である。なお、この処理の場合、同一分野の製品の材料として再利用するクローズドループマテリアルリサイクルと、他分野の製品の材料として再利用するオープンループマテリアルリサイクルとがある。
(5)再原料化
回収機を分解・分別し、最終的に原材料まで戻して再使用するリサイクル処理である。この処理を行なうことにより、廃棄物ゼロを具現化することができる。
(6)エネルギーリカバリー
プラスチックを燃焼させる等で、熱エネルギーを有効活用する処理である。
(1)自家再使用
製品を使用するユーザーが、製品内の一部(部品等)を再使用するリサイクル処理である。複写機を例にとると、トナーの容器(トナーボトル)に、ユーザーが自分でトナーを詰め替えて再使用する場合がこれに相当する。この場合、リサイクル対象物(上記例の場合は“トナーボトル”)の価値は下がらない。よって、自家再使用は、環境負荷低減効果が最も大きく、且つ、コストが最も小さい処理の仕方であるといえる。
(2)製品再使用
使用済みとなり市場から回収される製品(以下「回収機」)に対して、所定の再生処理を施して「再生機」として再使用するリサイクル処理である。この処理の場合は、製品を構成する大部分はそのまま再使用されるので、環境負荷低減効果が非常に大きい。
(3)部品再使用
回収機から部品またはユニットを取り出し、新既の製品内の部品またはユニットとして再使用するリサイクル処理である。この処理の場合、本来は加工等の相当量のエネルギーを注いで製造される部品、ユニットに対し、その製造工程が省略されるという点で、環境負荷低減効果は大きい。
(4)マテリアルリサイクル
回収機を材料単位に分解・分別し、その後何らかの処理をして再生材料として使用するリサイクル処理である。なお、この処理の場合、同一分野の製品の材料として再利用するクローズドループマテリアルリサイクルと、他分野の製品の材料として再利用するオープンループマテリアルリサイクルとがある。
(5)再原料化
回収機を分解・分別し、最終的に原材料まで戻して再使用するリサイクル処理である。この処理を行なうことにより、廃棄物ゼロを具現化することができる。
(6)エネルギーリカバリー
プラスチックを燃焼させる等で、熱エネルギーを有効活用する処理である。
上記(1)〜(6)の手段においては、環境負荷低減効果の点で、一般に最も望ましいのが(1)で、以下(2)、(3)・・・(6)の順となっている。したがって、いかに上位の手段で継続的にリサイクルを可能とさせていくかが、企業が具体的にリサイクルを推進していく上での重要なポイントとなる。
しかし、実際は、上位にあるもの、例えば、「(1)自家再使用」のみで半永久的に処理し続けることは不可能で、ある一定の期間後には必ずその手段を断念しなければならない。なぜならば、その製品が有している機能そのものが、ある一定の期間後には陳腐化し、もはや市場(またはユーザー)対してその機能が有用なものではなくなってしまうので、その手段でリサイクルをすることに経済的価値がなくなってしまうからである。
その場合、これまで上位の手段で行なわれていたリサイクルが、下位の手段(例えば、これまで上記「(1)自家再使用」のリサイクルを行なっていたものは、(2)以下の手段)になっていくことになる。そのようにして、下位に下がった手段でまた一定の期間リサイクルが行なわれ、それが陳腐化したらまた下位へ、という推移を示していくことになる。
よって、リサイクルにおいては、上記(1)〜(6)のどれかの手段のみを実施していればよいというわけではなく、その全ての手段が実施されていかなければならない。
しかし、実際は、上位にあるもの、例えば、「(1)自家再使用」のみで半永久的に処理し続けることは不可能で、ある一定の期間後には必ずその手段を断念しなければならない。なぜならば、その製品が有している機能そのものが、ある一定の期間後には陳腐化し、もはや市場(またはユーザー)対してその機能が有用なものではなくなってしまうので、その手段でリサイクルをすることに経済的価値がなくなってしまうからである。
その場合、これまで上位の手段で行なわれていたリサイクルが、下位の手段(例えば、これまで上記「(1)自家再使用」のリサイクルを行なっていたものは、(2)以下の手段)になっていくことになる。そのようにして、下位に下がった手段でまた一定の期間リサイクルが行なわれ、それが陳腐化したらまた下位へ、という推移を示していくことになる。
よって、リサイクルにおいては、上記(1)〜(6)のどれかの手段のみを実施していればよいというわけではなく、その全ての手段が実施されていかなければならない。
また実際、それら(1)〜(6)の手段は、同時並行で実施されなければならない。
なぜならば、製品(例えば複写機など)の種類毎によって、手段の段階((1)〜(6)のこと)は異なってくるだろうし、また、一つの種類の製品に限定しても、その内部の部品、ユニットによっても各々リサイクル手段の段階は違ってくると考えられるからである。
なぜならば、製品(例えば複写機など)の種類毎によって、手段の段階((1)〜(6)のこと)は異なってくるだろうし、また、一つの種類の製品に限定しても、その内部の部品、ユニットによっても各々リサイクル手段の段階は違ってくると考えられるからである。
以上のリサイクル処理は、例えば前記特許文献1にて記載されており、リサイクルシステムの概念をフロー(コメットサークル)として明確化している。そして、複写機等のOA機器は、この基本概念(コメットサークル)及びリサイクル処理方法に従ってリサイクルを進めている一つの好例であるといえる。
但し、リサイクルの実際の運用においては、この基本概念(コメットサークル)をどのように具体化させるかが重要である。
特に、OA機器の場合、使用済みとなるのは機械本体のみではなく、サプライ品(消耗品)も含まれる。そのため、OA機器においては、機器本体と同様、サプライ品のリサイクルシステムをどのように具体的に構築するかが重要となる。
ここで、このOA機器のサプライ品の主なものとしては、トナー、そして、トナーの容器、具体的にはトナーボトルやトナーカートリッジといったものがある。
特に、OA機器の場合、使用済みとなるのは機械本体のみではなく、サプライ品(消耗品)も含まれる。そのため、OA機器においては、機器本体と同様、サプライ品のリサイクルシステムをどのように具体的に構築するかが重要となる。
ここで、このOA機器のサプライ品の主なものとしては、トナー、そして、トナーの容器、具体的にはトナーボトルやトナーカートリッジといったものがある。
ところで、企業が継続的な環境保全活動を行なうためにはいくつかの課題がある。
まず、第一の課題としては、いかにしてリサイクル活動そのものに経済性をもたせるかという点である。
できるだけリサイクル処理コストを下げて実施する、さらに言えば、リサイクル活動と利益創出活動とが同軸となり、リサイクルそのものが利益を生み出す活動となることが望ましい。つまり、前述のリサイクル処理手段が逆有償にて実施されるよりも、有償(つまり利益を得る)にて実施できるようにすることが望まれる。
ここで、サプライ、特にトナーのリサイクルを考えてみると、従来の提案としては、前記特許文献2に記載のものがある。
この提案は、トナーの粒子径が数〜十数μmの超微粒子であることに着目して、製鉄所で廃トナーを有効利用している。具体的には、焼結原料に廃トナーを混合し、この廃トナーを混合した焼結原料を焼結機で焼結する。焼結原料に混合した廃トナー中の鉄粉は鉄源として有効利用し、また、廃トナー中の樹脂の一部は燃焼して粉コークスの代替え、つまり還元剤として有効利用する。また、廃トナーを焼結原料に混合して焼結するので、廃トナーが飛散することなく、廃トナーのハンドリングが容易になる、というものである。
なお、この方法のリサイクル処理の分類は、前述の分類のうちの「(5)再原料化」に相当する。
しかしながら、上記提案の場合、実際、リサイクル処理手段が逆有償(トナーを供給する側が処理側にお金を払う)にて実施されている。つまり、第一の課題が解決できていない。
その理由は、上記提案では、トナーに含まれる主成分である樹脂(結着樹脂)が充分な技術的付加価値を生んでいないからである。
トナー内の樹脂分はコークスの代替えとして活用されるが、それは一部分のみであり、多くはガス化して製鋼工程内の廃風設備にて処理されている。また、焼結工程へのトナー配合率は0.5%以下に押さえられているが、これは、トナー樹脂成分はトナー種類により異なり、このバラツキが焼結鉱の還元状態等に影響を及ぼすためである。したがって、焼結用原料としてはトナーは機能効率性が低い(よって、経済的付加価値がない)ものとなっている。
さらに、トナーの鉄分は鉄源とはなるが、実際、トナーには鉄を含むものと含まないものとがある。また、鉄を含むタイプにおいても、その含有率は通常は50%重量以下である。よって、鉄原料としてのトナーは、鉄含有比率の点で効率性が低い(よって、経済的付加価値がない)ものとなっている。
まず、第一の課題としては、いかにしてリサイクル活動そのものに経済性をもたせるかという点である。
できるだけリサイクル処理コストを下げて実施する、さらに言えば、リサイクル活動と利益創出活動とが同軸となり、リサイクルそのものが利益を生み出す活動となることが望ましい。つまり、前述のリサイクル処理手段が逆有償にて実施されるよりも、有償(つまり利益を得る)にて実施できるようにすることが望まれる。
ここで、サプライ、特にトナーのリサイクルを考えてみると、従来の提案としては、前記特許文献2に記載のものがある。
この提案は、トナーの粒子径が数〜十数μmの超微粒子であることに着目して、製鉄所で廃トナーを有効利用している。具体的には、焼結原料に廃トナーを混合し、この廃トナーを混合した焼結原料を焼結機で焼結する。焼結原料に混合した廃トナー中の鉄粉は鉄源として有効利用し、また、廃トナー中の樹脂の一部は燃焼して粉コークスの代替え、つまり還元剤として有効利用する。また、廃トナーを焼結原料に混合して焼結するので、廃トナーが飛散することなく、廃トナーのハンドリングが容易になる、というものである。
なお、この方法のリサイクル処理の分類は、前述の分類のうちの「(5)再原料化」に相当する。
しかしながら、上記提案の場合、実際、リサイクル処理手段が逆有償(トナーを供給する側が処理側にお金を払う)にて実施されている。つまり、第一の課題が解決できていない。
その理由は、上記提案では、トナーに含まれる主成分である樹脂(結着樹脂)が充分な技術的付加価値を生んでいないからである。
トナー内の樹脂分はコークスの代替えとして活用されるが、それは一部分のみであり、多くはガス化して製鋼工程内の廃風設備にて処理されている。また、焼結工程へのトナー配合率は0.5%以下に押さえられているが、これは、トナー樹脂成分はトナー種類により異なり、このバラツキが焼結鉱の還元状態等に影響を及ぼすためである。したがって、焼結用原料としてはトナーは機能効率性が低い(よって、経済的付加価値がない)ものとなっている。
さらに、トナーの鉄分は鉄源とはなるが、実際、トナーには鉄を含むものと含まないものとがある。また、鉄を含むタイプにおいても、その含有率は通常は50%重量以下である。よって、鉄原料としてのトナーは、鉄含有比率の点で効率性が低い(よって、経済的付加価値がない)ものとなっている。
次に、企業が継続的なリサイクルを行なうための第二の課題としては、いかにして工場の製造工程で発生する廃棄物に対してリサイクルできるかという点がある。
トナーのリサイクルおいても、リサイクル対象となるトナーは、市場にて使用された後の使用済み回収トナーの他に、トナー工場にて発生する製品規格外トナーがある。よって、如何にして両方(市場回収分/工場発生分)のトナーを円滑にリサイクルさせるかが課題となる。但し、その両方において、トナーは粉体であるゆえ、取り扱いが困難であるという課題は共通している。
ところで、上記第二の課題に関するトナー以外の他の例としては、アルミ等の金属精錬の工程や金属加工行程等で発生する粉末又は微粒物(以下粉末等)の場合がある。ここで、このアルミ粉末等と前述したOA機器のトナーの例とで共通する点は、どちらも対象物が剛体でないこと、そして、対象が製造工程にて多く発生してしまうことである。
金属精錬や冶金の工程では、原料素材から目的金属を得るまでに精錬や溶解と言った各種の工程が行なわれるが、これらの工程中には不可避的に粉末等が発生してしまう。よって、これらの粉末等においても資源の有効活用の観点からリサイクルが望まれている。
その粉末等のリサイクルの一手段として、現在、製鋼用フラックス原料として活用する(前述のリサイクル処理の分類としては「(4)マテリアルリサイクル」に該当する)ことが考えられている。製鋼用フラックスとは、溶鉱炉での製銑作業や電気炉での製鋼作業や鋳造作業において、溶銑や溶鋼や鋼塊の脱酸、脱硫、脱リン、造滓、スラグ中のFeOの還元、スラグの流動性向上、そして保温等のために、添加剤として使用されているものである。
この製鋼用フラックスの主要原料として有効利用されている代表的な粉末等は、アルミニウムの精錬、二次精錬や溶解工程で生じたアルミドロス、アルミ灰又はアルミ鉱滓(溶解滓)からなるアルミ滓である。また圧延、切削工程では切削屑、例えば切り子と呼ばれる粉末等が発生する。これら金属状(未酸化状態)の粉末等は主に、脱炭素のために用いられた溶銑中に残存する酸素の除去目的に使用(脱酸剤)される。
したがって、金属精錬の製造工程で発生する粉末等をリサイクルするためには、いずれのバインダも欠点があり、品質を妥協して使用していたのが現状である。
トナーのリサイクルおいても、リサイクル対象となるトナーは、市場にて使用された後の使用済み回収トナーの他に、トナー工場にて発生する製品規格外トナーがある。よって、如何にして両方(市場回収分/工場発生分)のトナーを円滑にリサイクルさせるかが課題となる。但し、その両方において、トナーは粉体であるゆえ、取り扱いが困難であるという課題は共通している。
ところで、上記第二の課題に関するトナー以外の他の例としては、アルミ等の金属精錬の工程や金属加工行程等で発生する粉末又は微粒物(以下粉末等)の場合がある。ここで、このアルミ粉末等と前述したOA機器のトナーの例とで共通する点は、どちらも対象物が剛体でないこと、そして、対象が製造工程にて多く発生してしまうことである。
金属精錬や冶金の工程では、原料素材から目的金属を得るまでに精錬や溶解と言った各種の工程が行なわれるが、これらの工程中には不可避的に粉末等が発生してしまう。よって、これらの粉末等においても資源の有効活用の観点からリサイクルが望まれている。
その粉末等のリサイクルの一手段として、現在、製鋼用フラックス原料として活用する(前述のリサイクル処理の分類としては「(4)マテリアルリサイクル」に該当する)ことが考えられている。製鋼用フラックスとは、溶鉱炉での製銑作業や電気炉での製鋼作業や鋳造作業において、溶銑や溶鋼や鋼塊の脱酸、脱硫、脱リン、造滓、スラグ中のFeOの還元、スラグの流動性向上、そして保温等のために、添加剤として使用されているものである。
この製鋼用フラックスの主要原料として有効利用されている代表的な粉末等は、アルミニウムの精錬、二次精錬や溶解工程で生じたアルミドロス、アルミ灰又はアルミ鉱滓(溶解滓)からなるアルミ滓である。また圧延、切削工程では切削屑、例えば切り子と呼ばれる粉末等が発生する。これら金属状(未酸化状態)の粉末等は主に、脱炭素のために用いられた溶銑中に残存する酸素の除去目的に使用(脱酸剤)される。
したがって、金属精錬の製造工程で発生する粉末等をリサイクルするためには、いずれのバインダも欠点があり、品質を妥協して使用していたのが現状である。
以上の第一、第二の課題を克服して、粉体であるOA機器のトナー及びアルミ精錬工程で発生するアルミ粉末等のマテリアルリサイクルを達成する手段として、本件発明者らは、以前に、特許文献3記載の技術を提案している。
すなわち、バインダの主成分(製鋼用フラックスの主成分ではなく、バインダの主成分)としてトナーを活用するというものである。
トナーの主成分は結着樹脂である。元々、トナーは、常温では粉体流動性に優れ、かつ画像形成装置(複写機などのOA機器)上では加熱圧縮されて瞬時に熔融し紙に極めて迅速に定着することを狙っているため、トナーに使用している結着樹脂には、常温で強固な固体である反面、良好なシャープメルト性と定着性、即ち、加熱時に良好な熱熔融性を示し、かつ熔融時に低粘度化し、再固化後は強固なバインダ能力を発揮することが求められている。
一方、製鋼用フラックス、例えば脱酸剤の場合は、主成分(脱酸剤の主成分)であるアルミ滓等の粉末等を造粒成形(ブリケット化)に用いることを狙っているため、脱酸剤のバインダも造粒成形時には圧縮下にて使用されることになる。さらに、造粒成形時には摩擦等の他の機械的ストレスも加わり加圧、圧縮されるので不可避的に発熱するため、結果として、バインダは加熱圧縮されることになる。
この造粒成形(ブリケット化)を考慮すると、本来、バインダとしては、軟化点が100℃以下の樹脂を配合していることが好ましく、摩擦圧縮により60℃程度には加熱されることから、軟化点が60℃以下で、かつ良好な結合(バインダ)能力を示す樹脂であることがより好ましい。
この条件を満足できる樹脂の例としては、ポリオール樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂が例示される。更により好ましい樹脂は、ポリオール樹脂、スチレンーアクリル系共重合体、ポリエステル樹脂である。
そして、これらは樹脂は、現在トナーの結着樹脂として主に使用されているものと一致する。そのため、常温時の良好な結合(バインダ)能力と加熱時の良好な熱熔融性という、画像形成装置と脱酸剤の共通の要求を満足するという理由で、トナーは脱酸剤のバインダ用途に転用することに適しているといえる。
その結果、従来のバインダーの問題点であったアルミ酸化/保形性劣化/発熱等を回避することが可能となる。また、成形性も優れており、更に、溶銑や溶鋼に添加してもタ−ルやピッチのように、多量に添加しなければならないということもないため、造粒されたブリケットは過剰な炭素分を含有せず、また作業環境を低下させない効果も有している。
それらに加え、従来のトナーの焼結工程への活用と異なり、使用されたトナーはその含有成分が全て製鋼用フラックス原料としてマテリアルリサイクルされることで、トナーの機能性効率性を高めている(無駄になる部分がない)ことにより、トナーリサイクルの経済的付加価値が高めることができ、有価物とすることが可能とさせている。
すなわち、バインダの主成分(製鋼用フラックスの主成分ではなく、バインダの主成分)としてトナーを活用するというものである。
トナーの主成分は結着樹脂である。元々、トナーは、常温では粉体流動性に優れ、かつ画像形成装置(複写機などのOA機器)上では加熱圧縮されて瞬時に熔融し紙に極めて迅速に定着することを狙っているため、トナーに使用している結着樹脂には、常温で強固な固体である反面、良好なシャープメルト性と定着性、即ち、加熱時に良好な熱熔融性を示し、かつ熔融時に低粘度化し、再固化後は強固なバインダ能力を発揮することが求められている。
一方、製鋼用フラックス、例えば脱酸剤の場合は、主成分(脱酸剤の主成分)であるアルミ滓等の粉末等を造粒成形(ブリケット化)に用いることを狙っているため、脱酸剤のバインダも造粒成形時には圧縮下にて使用されることになる。さらに、造粒成形時には摩擦等の他の機械的ストレスも加わり加圧、圧縮されるので不可避的に発熱するため、結果として、バインダは加熱圧縮されることになる。
この造粒成形(ブリケット化)を考慮すると、本来、バインダとしては、軟化点が100℃以下の樹脂を配合していることが好ましく、摩擦圧縮により60℃程度には加熱されることから、軟化点が60℃以下で、かつ良好な結合(バインダ)能力を示す樹脂であることがより好ましい。
この条件を満足できる樹脂の例としては、ポリオール樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂が例示される。更により好ましい樹脂は、ポリオール樹脂、スチレンーアクリル系共重合体、ポリエステル樹脂である。
そして、これらは樹脂は、現在トナーの結着樹脂として主に使用されているものと一致する。そのため、常温時の良好な結合(バインダ)能力と加熱時の良好な熱熔融性という、画像形成装置と脱酸剤の共通の要求を満足するという理由で、トナーは脱酸剤のバインダ用途に転用することに適しているといえる。
その結果、従来のバインダーの問題点であったアルミ酸化/保形性劣化/発熱等を回避することが可能となる。また、成形性も優れており、更に、溶銑や溶鋼に添加してもタ−ルやピッチのように、多量に添加しなければならないということもないため、造粒されたブリケットは過剰な炭素分を含有せず、また作業環境を低下させない効果も有している。
それらに加え、従来のトナーの焼結工程への活用と異なり、使用されたトナーはその含有成分が全て製鋼用フラックス原料としてマテリアルリサイクルされることで、トナーの機能性効率性を高めている(無駄になる部分がない)ことにより、トナーリサイクルの経済的付加価値が高めることができ、有価物とすることが可能とさせている。
従来提案されている粉末等を含み粉粒体に粉粒化された造粒成型用(ブリケット化用)バインダとしては、前記特許文献4〜6にてそれぞれ開示されているように、セメントやベントナイト等の無機系、ポリビニルアルコールやカルボキシルメチルセルロース、デンプン、タールやピッチ、ダイマー酸、トリマー酸等の多塩基酸が使用されている。
しかしながら、セメント等の無機系やポリビニルアルコールやカルボキシルメチルセルロースは水分を加える必要があるため、デンプンは耐水性が乏しく吸湿してしまい、アルミ滓のような水分と反応して水素ガスやアンモニアを発生してしまうようなものに使用するには不都合であった。
ダイマー酸、トリマー酸等の多塩基酸はアルミ滓のようなものに使用すると、その中に含まれる窒化アルミ、塩化アルミおよび炭化アルミ等によって成形時から化学反応を起こして造粒成形物が発火・燃焼して、還元成分としてのアルミが酸化してしまい、還元能力を失ってしまうため、製鋼用フラックスとしての商品価値がなくなってしまうという問題がある。
また、ダイマー酸、トリマー酸等の多塩基酸は、アルミ滓に使用した場合にはもとよりその他の材料に使用した場合にも、造粒成形物の保形性が悪く、成形後の破片の回収量が多くなって造粒歩留まりが悪くなるばかりでなく、粉粒体に対する配合割合が多くなり、造粒成形物を製鋼用フラックスとして使用した場合には、金属の精錬濃度が低下してしまう。
タールやピッチには、アルミ滓に使用した場合にはもとよりその他の材料に使用した場合にも、溶鋼添加時に多量の黒煙を出し、作業環境を悪化させる。
また、前記特許文献6においては、樹脂類のバインダしてフェノール系樹脂やポリウレタン樹脂も提案されている。しかし、フェノール系樹脂は保形性が低く、ポリウレタン樹脂は高価であるため経済性の点での問題がある。
したがって、金属精錬の製造工程で発生する粉粒体をリサイクルするためには、いずれのバインダも欠点があり、品質を妥協して使用していたのが現状である。
しかしながら、セメント等の無機系やポリビニルアルコールやカルボキシルメチルセルロースは水分を加える必要があるため、デンプンは耐水性が乏しく吸湿してしまい、アルミ滓のような水分と反応して水素ガスやアンモニアを発生してしまうようなものに使用するには不都合であった。
ダイマー酸、トリマー酸等の多塩基酸はアルミ滓のようなものに使用すると、その中に含まれる窒化アルミ、塩化アルミおよび炭化アルミ等によって成形時から化学反応を起こして造粒成形物が発火・燃焼して、還元成分としてのアルミが酸化してしまい、還元能力を失ってしまうため、製鋼用フラックスとしての商品価値がなくなってしまうという問題がある。
また、ダイマー酸、トリマー酸等の多塩基酸は、アルミ滓に使用した場合にはもとよりその他の材料に使用した場合にも、造粒成形物の保形性が悪く、成形後の破片の回収量が多くなって造粒歩留まりが悪くなるばかりでなく、粉粒体に対する配合割合が多くなり、造粒成形物を製鋼用フラックスとして使用した場合には、金属の精錬濃度が低下してしまう。
タールやピッチには、アルミ滓に使用した場合にはもとよりその他の材料に使用した場合にも、溶鋼添加時に多量の黒煙を出し、作業環境を悪化させる。
また、前記特許文献6においては、樹脂類のバインダしてフェノール系樹脂やポリウレタン樹脂も提案されている。しかし、フェノール系樹脂は保形性が低く、ポリウレタン樹脂は高価であるため経済性の点での問題がある。
したがって、金属精錬の製造工程で発生する粉粒体をリサイクルするためには、いずれのバインダも欠点があり、品質を妥協して使用していたのが現状である。
以上の第一、第二の課題を克服して、粉体であるOA機器のトナー及びアルミ精錬工程で発生するアルミ粉末等のマテリアルリサイクルを達成する手段として、本件発明者らは、以前に、特許文献3記載の技術を提案している。
すなわち、バインダの主成分(製鋼用フラックスの主成分ではなく、バインダの主成分)としてトナーを活用するというものである。
トナーの主成分は結着樹脂である。元々、トナーは、常温では粉体流動性に優れ、かつ画像形成装置(複写機などのOA機器)上では加熱圧縮されて瞬時に熔融し紙に極めて迅速に定着することを狙っているため、トナーに使用している結着樹脂には、常温で強固な固体である反面、良好なシャープメルト性と定着性、即ち、加熱時に良好な熱熔融性を示し、かつ熔融時に低粘度化し、再固化後は強固なバインダ能力を発揮することが求められている。
一方、製鋼用フラックス、例えば脱酸剤の場合は、主成分(脱酸剤の主成分)であるアルミ滓等の粉末等を造粒成形(ブリケット化)に用いることを狙っているため、脱酸剤のバインダも造粒成形時には圧縮下にて使用されることになる。さらに、造粒成形時には摩擦等の他の機械的ストレスも加わり加圧、圧縮されるので不可避的に発熱するため、結果として、バインダは加熱圧縮されることになる。
この造粒成形(ブリケット化)を考慮すると、本来、バインダとしては、軟化点が100℃以下の樹脂を配合していることが好ましく、摩擦圧縮により60℃程度には加熱されることから、軟化点が60℃以下で、かつ良好な結合(バインダ)能力を示す樹脂であることがより好ましい。
この条件を満足できる樹脂の例としては、ポリオール樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂が例示される。更により好ましい樹脂は、ポリオール樹脂、スチレンーアクリル系共重合体、ポリエステル樹脂である。
そして、これらは樹脂は、現在トナーの結着樹脂として主に使用されているものと一致する。そのため、常温時の良好な結合(バインダ)能力と加熱時の良好な熱熔融性という、画像形成装置と脱酸剤の共通の要求を満足するという理由で、トナーは脱酸剤のバインダ用途に転用することに適しているといえる。
その結果、従来のバインダーの問題点であったアルミ酸化/保形性劣化/発熱等を回避することが可能となる。また、成形性も優れており、更に、溶銑や溶鋼に添加してもタ−ルやピッチのように、多量に添加しなければならないということもないため、造粒されたブリケットは過剰な炭素分を含有せず、また作業環境を低下させない効果も有している。
それらに加え、従来のトナーの焼結工程への活用と異なり、使用されたトナーはその含有成分が全て製鋼用フラックス原料としてマテリアルリサイクルされることで、トナーの機能性効率性を高めている(無駄になる部分がない)ことにより、トナーリサイクルの経済的付加価値が高めることができ、有価物とすることが可能とさせている。
すなわち、バインダの主成分(製鋼用フラックスの主成分ではなく、バインダの主成分)としてトナーを活用するというものである。
トナーの主成分は結着樹脂である。元々、トナーは、常温では粉体流動性に優れ、かつ画像形成装置(複写機などのOA機器)上では加熱圧縮されて瞬時に熔融し紙に極めて迅速に定着することを狙っているため、トナーに使用している結着樹脂には、常温で強固な固体である反面、良好なシャープメルト性と定着性、即ち、加熱時に良好な熱熔融性を示し、かつ熔融時に低粘度化し、再固化後は強固なバインダ能力を発揮することが求められている。
一方、製鋼用フラックス、例えば脱酸剤の場合は、主成分(脱酸剤の主成分)であるアルミ滓等の粉末等を造粒成形(ブリケット化)に用いることを狙っているため、脱酸剤のバインダも造粒成形時には圧縮下にて使用されることになる。さらに、造粒成形時には摩擦等の他の機械的ストレスも加わり加圧、圧縮されるので不可避的に発熱するため、結果として、バインダは加熱圧縮されることになる。
この造粒成形(ブリケット化)を考慮すると、本来、バインダとしては、軟化点が100℃以下の樹脂を配合していることが好ましく、摩擦圧縮により60℃程度には加熱されることから、軟化点が60℃以下で、かつ良好な結合(バインダ)能力を示す樹脂であることがより好ましい。
この条件を満足できる樹脂の例としては、ポリオール樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂が例示される。更により好ましい樹脂は、ポリオール樹脂、スチレンーアクリル系共重合体、ポリエステル樹脂である。
そして、これらは樹脂は、現在トナーの結着樹脂として主に使用されているものと一致する。そのため、常温時の良好な結合(バインダ)能力と加熱時の良好な熱熔融性という、画像形成装置と脱酸剤の共通の要求を満足するという理由で、トナーは脱酸剤のバインダ用途に転用することに適しているといえる。
その結果、従来のバインダーの問題点であったアルミ酸化/保形性劣化/発熱等を回避することが可能となる。また、成形性も優れており、更に、溶銑や溶鋼に添加してもタ−ルやピッチのように、多量に添加しなければならないということもないため、造粒されたブリケットは過剰な炭素分を含有せず、また作業環境を低下させない効果も有している。
それらに加え、従来のトナーの焼結工程への活用と異なり、使用されたトナーはその含有成分が全て製鋼用フラックス原料としてマテリアルリサイクルされることで、トナーの機能性効率性を高めている(無駄になる部分がない)ことにより、トナーリサイクルの経済的付加価値が高めることができ、有価物とすることが可能とさせている。
ここで、現在OA機器は、使用済みとなったものはメーカー等により回収されており、その際には製品内部に含まれるトナーも同時に回収される。よって、従来は回収後そのまま廃棄されていた使用済みのトナーも、本発明のバインダに配合する樹脂として活用可能である。また他に、工場から排出される製造規格以外のトナーも本発明のバインダに配合する樹脂として活用ができる。
したがって、この提案は、トナーのリサイクルとしても現在最も優れている手段であると言える。
したがって、この提案は、トナーのリサイクルとしても現在最も優れている手段であると言える。
ところで、上述の製鋼用フラックスにおいては、最近では高付加価値化が求められている。例えば脱酸剤に対しては、脱酸効果の他に、脱硫剤や脱燐剤(主にカルシウム等の塩基性の金属酸化物)の効果、あるいは、製鋼スラグの塩基度調整剤、スラグ粘度改良剤、鋼材改質剤の効果が求められている。すなわち複合フラックスとしての要求がある。
この要求に対し、脱酸剤においては、その主成分(アルミ)のみで達成することは不可能なので、新たな添加成分を加えて成分調整を行なう対応を行なうことになる。
但し、これら添加成分は、成形された脱酸剤内で均等に分散されることが必要となる。もし均等でないと、前述の複合効果が損なわれてしまうことになる。
そして添加成分の中には、混合時の流動性が悪いものもあり、また、中には主成分(アルミ)に対し配合比率が微小であるものもある。そのため、現状では、「複合フラックス内での添加成分の均等な配合」が課題になっている。
この要求に対し、脱酸剤においては、その主成分(アルミ)のみで達成することは不可能なので、新たな添加成分を加えて成分調整を行なう対応を行なうことになる。
但し、これら添加成分は、成形された脱酸剤内で均等に分散されることが必要となる。もし均等でないと、前述の複合効果が損なわれてしまうことになる。
そして添加成分の中には、混合時の流動性が悪いものもあり、また、中には主成分(アルミ)に対し配合比率が微小であるものもある。そのため、現状では、「複合フラックス内での添加成分の均等な配合」が課題になっている。
このため、本件発明者らは、本件と同日付の別出願にて提案をしている。
すなわち、バインダの主成分であるトナーに予め複合フラックス用添加成分を加えて粉粒化することで、バインダ自体に複合機能を持たせようとするものである。
しかし、前記出願にて述べているように、得られた粉粒物は、複合機能用添加成分をトナーが包み込むようにして粒径を大きくしている(直径300μm程度)ため、粒子体積/粒子表面積の比率の点でバインダの熱伝導性が悪くなってしまうという問題がある。この熱伝導性の低下は、すなわち複合フラックスのブリケットへの造粒成形性(成形保持力)の低下(=バインダ性の低下)に繋がるものである。
さらに、別の点からも成形性の問題として新たに認識されたものもある。
具体的には、製鋼用フラックスのバインダとして非常に優れているため、現在、トナー(市場での使用済みトナー、工場にて発生する規格外トナー)の需要は高まってきている。
しかしながら、一方で環境保全活動としては、リサイクル以外にもリデュース(廃棄物の発生抑制)活動を行なっている。その結果、市場での使用済みトナーや工場にて発生する製造規格外トナーの発生量そのものが低下してきている。
ここで、このリデュース活動とは、環境保全活動としては最も優先的に行なわれるべき活動であり、廃トナー発生量の低下は望ましいことである。
そのため、需要に応じるため、これまでのように使用済みトナーや工場規格外トナーのうちの特定種類のみをバインダ用途として活用するのではなく、発生量が低下している全ての種類の廃トナー(使用済みトナー+製造規格外トナー)を集めて(以下、混在トナーと云う)本用途へと供給する形への変化が望まれている。
この混在トナーが成形性に関し課題を発生させる理由は、混在トナーの軟化点はランダムに振れることが考えられるからである。前述にて、トナーの結着樹脂は主にポリオール樹脂/スチレン−アクリル系共重合体/ポリエステル樹脂などであると述べたが、樹脂が画一的ではない混在トナーにおいては上記樹脂がランダムに混ざっているからである。
なお、成形後の複合フラックスの機能(脱酸、脱硫等)そのものは、混在トナーによる影響は受けないため、問題はない。
すなわち、バインダの主成分であるトナーに予め複合フラックス用添加成分を加えて粉粒化することで、バインダ自体に複合機能を持たせようとするものである。
しかし、前記出願にて述べているように、得られた粉粒物は、複合機能用添加成分をトナーが包み込むようにして粒径を大きくしている(直径300μm程度)ため、粒子体積/粒子表面積の比率の点でバインダの熱伝導性が悪くなってしまうという問題がある。この熱伝導性の低下は、すなわち複合フラックスのブリケットへの造粒成形性(成形保持力)の低下(=バインダ性の低下)に繋がるものである。
さらに、別の点からも成形性の問題として新たに認識されたものもある。
具体的には、製鋼用フラックスのバインダとして非常に優れているため、現在、トナー(市場での使用済みトナー、工場にて発生する規格外トナー)の需要は高まってきている。
しかしながら、一方で環境保全活動としては、リサイクル以外にもリデュース(廃棄物の発生抑制)活動を行なっている。その結果、市場での使用済みトナーや工場にて発生する製造規格外トナーの発生量そのものが低下してきている。
ここで、このリデュース活動とは、環境保全活動としては最も優先的に行なわれるべき活動であり、廃トナー発生量の低下は望ましいことである。
そのため、需要に応じるため、これまでのように使用済みトナーや工場規格外トナーのうちの特定種類のみをバインダ用途として活用するのではなく、発生量が低下している全ての種類の廃トナー(使用済みトナー+製造規格外トナー)を集めて(以下、混在トナーと云う)本用途へと供給する形への変化が望まれている。
この混在トナーが成形性に関し課題を発生させる理由は、混在トナーの軟化点はランダムに振れることが考えられるからである。前述にて、トナーの結着樹脂は主にポリオール樹脂/スチレン−アクリル系共重合体/ポリエステル樹脂などであると述べたが、樹脂が画一的ではない混在トナーにおいては上記樹脂がランダムに混ざっているからである。
なお、成形後の複合フラックスの機能(脱酸、脱硫等)そのものは、混在トナーによる影響は受けないため、問題はない。
以上の点に鑑み、特許文献3の基本発明の改良および応用技術に係る本発明は、最近の高付加価値製鋼用フラックス、すなわち、複合フラックスに求められている脱酸効果プラス脱硫、脱燐、及び、塩基度調整等に対しても効果を与えることが可能となるバインダを提供し、同時に、環境保全活動が進んできた現在の状況、すなわち、リデュース(廃棄物の発生抑制)活動の促進の結果、複数の種類のトナーが各々僅かずつ廃トナーを発生させる状況に対応して、これら各々の複数少量の廃トナーを一つに集めた混在トナーを複合フラックスのバインダとして活用可能とすることにより、トナーの付加価値をさらに高めることで、利益創出と環境保全(リデュース&リサイクル)とが同軸となった、より優れたリサイクル方法を提供することを目的とする。
上記課題は、本発明の(1)「バインダの原料としてトナーを用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製造方法において、製鋼用フラックスを成形するのと同時に圧縮熱を加える第1の加熱手段と、該第1の加熱手段とは別に、成形時以外で加える第2の加熱手段を有することを特徴とするトナーを用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製造方法」、(2)「前記第2の加熱手段が、製鋼用フラックスの造粒成形の後に加熱するものであることを特徴とする前記第(1)項に記載のトナーを用いた製鋼用フラックスの製造方法」、(3)「前記第2の加熱手段では、200℃以下の範囲の温度にて加熱することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のトナーを用いた製鋼用フラックスの粒成形物の製造方法」によって解決される。
特許文献3を基本発明とし、その改良および応用技術に係る本発明は、加熱工程を分割して、第2の加熱をブリケット成形後に行なうことにより、成形体の内部まで軟化させることができるので、複合フラックスの充分な保持力が得られ、また、加圧ブリケット成形時の加熱では、バインダ表面に対しては軟化させることは充分可能なので、成形後、同一工場内の近傍にある加熱装置に入れる間までの成形保持は充分にできるため、製造時にブリケットの“欠け”などの不具合を発生させることなく、複合フラックス成形体を製造できる。
その結果、環境保全活動が進んできた現在の状況、すなわち、リデュース促進の結果、複数の種類のトナーが各々僅かずつ廃トナーを発生させる状況に対応して、これらを集めた混在トナーを複合フラックスのバインダとして活用可能とすることにより、利益創出と環境保全(リデュース&リサイクル)とが同軸となった、優れたリサイクル方法を提供することが可能となる。
その結果、環境保全活動が進んできた現在の状況、すなわち、リデュース促進の結果、複数の種類のトナーが各々僅かずつ廃トナーを発生させる状況に対応して、これらを集めた混在トナーを複合フラックスのバインダとして活用可能とすることにより、利益創出と環境保全(リデュース&リサイクル)とが同軸となった、優れたリサイクル方法を提供することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、造粒成形用(ブリケット化用)及び粉粒物用バインダとしてトナーを用いるが、このトナーは、先に記載したように、廃トナーや、トナー製造時に生じる規格外のトナーであってよい。また、このトナーは、ポリオール樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、及びポリエステル樹脂を含むことがより好ましい。また、これらと他の樹脂が所望の比率で配合されているトナーであってもよい。さらに、本発明におけるバインダはトナーの他に他の適当な従来から用いられている材料、例えばタ−ルやピッチのような瀝青物、炭水化物系バインダ材料、他の樹脂材料や廃ゴム材料が、該トナーの特性を喪失させない程度までの量添加されていてもよい。これらの添加量は、原トナーの組成及び性質、及び、添加剤の種類及び性質にもよるが、一般的に50%未満、好ましくは30%未満、より好ましくは25%未満である。
本発明においては、造粒成形用(ブリケット化用)及び粉粒物用バインダとしてトナーを用いるが、このトナーは、先に記載したように、廃トナーや、トナー製造時に生じる規格外のトナーであってよい。また、このトナーは、ポリオール樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、及びポリエステル樹脂を含むことがより好ましい。また、これらと他の樹脂が所望の比率で配合されているトナーであってもよい。さらに、本発明におけるバインダはトナーの他に他の適当な従来から用いられている材料、例えばタ−ルやピッチのような瀝青物、炭水化物系バインダ材料、他の樹脂材料や廃ゴム材料が、該トナーの特性を喪失させない程度までの量添加されていてもよい。これらの添加量は、原トナーの組成及び性質、及び、添加剤の種類及び性質にもよるが、一般的に50%未満、好ましくは30%未満、より好ましくは25%未満である。
本発明におけるバインダ成分に混合、均一分散される複合反応用原料成分には、脱酸剤、脱硫剤、脱リン剤、塩基度調整剤、スラグ粘度改良剤、鋼材改質剤が含まれる。これら複合反応用原料は、Al、Mg、MgO、CaO、SiO2、SiC、Al2O3のうちの少なくとも1種類以上を含むものであってよい。この複合反応用原料は、アルミ冶金滓系、鉱物系及び/又は金属加工の際の切り子等の金属性切り屑系由来のものであってよい。また、Al、Mgの大部分は、製鋼スラグ中では高融点のMgO、Al2O3に変わり得る(鉄中のリン分によりアパタイト系のものに変わる部分もある)ので、例えばほたる石のようなスラグ融剤(粘度改良剤)を複合反応用原料成分の1つとして用いることができる。これらの大半は、微粉物であることが望ましく、したがって、塊状等である場合には公知の粉砕手段により粉砕分級して用いることが好ましい。
本発明において、バインダ成分対これらの複合反応用原料成分との量比は、0.1〜25%対99.9〜75%であり、好ましくは1.0〜20%対99.0〜80%、より好ましくは2.5〜10%対97.5〜90%である。混合、均一分散には3本ロールの他、バンバリーミキサーを開放型として使用する方法や、三井鉱山社製連続式2本ロール混練機、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スクリュニーダー等従来公知の混合分散装置を用いることができる。混合分散過程で印加される攪拌、ロール加圧、混練、圧延、捻り等による圧力、摩擦力、引き裂き等の機械的ストレスによる発熱でバインダ成分は熔融若しくは少なくとも部分的に軟化し、複合反応用原料成分はその中に均一分散され、かつ、その過程で粉粒化される。
バインダ成分に複合反応用原料成分が混合、均一分散されたバインダ成分は、通常、粉粒体として得られるが、所望であれば、公知の粉粒化手段を用いて再度粉粒状に粉砕又はパルベライズ化若しくはペレタイズ化してもよい。本発明においては、この粉粒物は、重量平均粒径が1mm未満であることが好ましい。但し、ブリケットマシンにおける取り扱い時の飛散防止等の観点から、平均粒径が50μ以上であることが好ましい。この粉粒物は、次にブリケットマシンで造粒成形された後、更に、第2の加熱手段により内部まで加熱される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
混在トナー(樹脂材料の異なる色々な種類のトナーがランダムに混ざったもののこと)を主原料として、さらに複合フラックス用の添加成分を加えたバインダを図1に示す。
ここでは、添加成分としてSiO2を加える。このSiO2は、基本的には塩基度調整の効果をもたらすものであるが鋼材改質剤としての機能を発揮することもある。但し、Si分が過多になると、溶鋼にSi分が溶け込んで鋼の品質を損なうという副作用もある。そのため一般にはSiO2の添加量は微量(主成分のアルミと添加重量で相対比較して微量)である。
バインダの製造、すなわち、混在トナーと添加成分との混合は、混合機にて行なわれ、通常は混合機としてミキサー(図示せず)が使われる。
混合時、混合機内部では、バインダ同士またはバインダとSiO2とが接触し合い、摩擦熱を発して熱圧縮状態となる。この摩擦熱は通常、バインダの主成分であるトナー粒子全体を熔融又は少なくとも軟化させる程の熱量はないが、トナーの表面を軟化させることは充分可能である。そのため、トナー間、または、トナーとSiO2とが結着していくことになる。但し、この混合のときに極く高融点のSiO2が軟化することはない。
その後、図2の如く、除々に、バインダのトナー間またはバインダとSiO2間が結着されて、粉粒体状態となる。
混合後、図2の粉粒体粒子の径は、数百μm〜1mmの間の大きさとなる。この粉粒体を用いて最終製品としての複合フラックスを造粒成形することを考えると、粉粒体体積と粉粒体表面積の比率から、熱伝導効率の点で粒径は小さい方が良い。しかし、一方で、粉粒体自体を作る際に、図2のようにSiO2とトナーとを充分に結着させることを考えると、ある程度の粒径をもたせることもやむを得なくなる。そして、双方のバランスをとった大きさを考えると、図2の粉粒体の粒径は、300μm程度が望ましいと考えられる。
[実施例1]
混在トナー(樹脂材料の異なる色々な種類のトナーがランダムに混ざったもののこと)を主原料として、さらに複合フラックス用の添加成分を加えたバインダを図1に示す。
ここでは、添加成分としてSiO2を加える。このSiO2は、基本的には塩基度調整の効果をもたらすものであるが鋼材改質剤としての機能を発揮することもある。但し、Si分が過多になると、溶鋼にSi分が溶け込んで鋼の品質を損なうという副作用もある。そのため一般にはSiO2の添加量は微量(主成分のアルミと添加重量で相対比較して微量)である。
バインダの製造、すなわち、混在トナーと添加成分との混合は、混合機にて行なわれ、通常は混合機としてミキサー(図示せず)が使われる。
混合時、混合機内部では、バインダ同士またはバインダとSiO2とが接触し合い、摩擦熱を発して熱圧縮状態となる。この摩擦熱は通常、バインダの主成分であるトナー粒子全体を熔融又は少なくとも軟化させる程の熱量はないが、トナーの表面を軟化させることは充分可能である。そのため、トナー間、または、トナーとSiO2とが結着していくことになる。但し、この混合のときに極く高融点のSiO2が軟化することはない。
その後、図2の如く、除々に、バインダのトナー間またはバインダとSiO2間が結着されて、粉粒体状態となる。
混合後、図2の粉粒体粒子の径は、数百μm〜1mmの間の大きさとなる。この粉粒体を用いて最終製品としての複合フラックスを造粒成形することを考えると、粉粒体体積と粉粒体表面積の比率から、熱伝導効率の点で粒径は小さい方が良い。しかし、一方で、粉粒体自体を作る際に、図2のようにSiO2とトナーとを充分に結着させることを考えると、ある程度の粒径をもたせることもやむを得なくなる。そして、双方のバランスをとった大きさを考えると、図2の粉粒体の粒径は、300μm程度が望ましいと考えられる。
次に、図2にて、本発明の主題である複合フラックス造粒体を製造するSTEPを説明する。
通常、複合フラックスの製造は、
STEP1.主原料(アルミ灰)、及び、バインダ(トナー)+添加成分を混合機に投入
STEP2.混合機による混合、粉粒化
STEP3.造粒成形(ブリケット成形)
STEP4.成形後、加熱
の各STEPにて行なわれる。
通常、複合フラックスの製造は、
STEP1.主原料(アルミ灰)、及び、バインダ(トナー)+添加成分を混合機に投入
STEP2.混合機による混合、粉粒化
STEP3.造粒成形(ブリケット成形)
STEP4.成形後、加熱
の各STEPにて行なわれる。
上記STEPを図3を用いて具体的に説明すると、
まず、STEP1にて、バインダ(混在トナー)+複合用添加成分と主原料であるアルミとを各々原料サイロ(301)、(302)に入れる。このとき、バインダを投入する比率は、原料全体に対して重量比1〜20%の範囲内で配合されることが望ましい。1%未満では満足すべきバインダ効果が発揮できず、また、20%を超えると、主原料が減る分、製鋼用フラックス(ここでは複合フラックス)としての充分な効果が得られない。
次に、STEP2で各材料を混合機(303)にて混合する。この混合機としては通常はナウターミキサー等を用いると良い。
STEP3では原料をカンパン大の数10mmのサイズに成形する。
ここで、複合フラックスの造粒成形として考えられる装置は、一般には、湿式用ペレタイザーや低圧ブリケットマシン、乾式成形用の高圧ブリケットマシンやロータリープレスマシン等が考えられる。しかし、複合フラックスの主成分である金属アルミと水分との反応(窒化アルミと水との反応によるアンモニアガス発生の反応)を避けるためには、乾式成形用の高圧ブリケットマシンやロータリープレスを使用する方が好ましい。さらに、ロータリープレスマシンより高圧ブリケットマシンを使用する方が生産性が高くなり、製造コストを制御できることから、高圧ブリケットマシンを使用するのが最も望ましい。
上述の如く高圧ブリケットマシン(304)にて成形すると、通常、成形時の加圧力は10〜20ton/cm2なので、ブリケットマシンの型温度は60〜80℃程度に上がる。なお、基本的にこの加熱(第1の加熱手段)には、加熱専用の装置(ヒータ等)は使用されていない。高圧にすることによって、自然に高温状態を作れるようになっている。
本来、この温度はバインダ内の混在トナーを軟化させるには充分な値である。
しかし、複合フラックス用として作られたバインダは、前述に如くバインダ自体の系が大きくなっている(通常はトナー径が数μm〜十数μmであるのに対し、複合フラックス用バインダ粉粒物(図1参照)の場合は300μm程度)ため、粉粒物の粒子全体を軟化させることはできず、粉粒物粒子(図1参照)表面のみが軟化する状態になる。
その結果、複合フラックスのブリケット(401)はバインダ表面が軟化することにより固形化され、図4の如く、例えばカンパン状の形としてでき上がる。
このとき、複合フラックスのブリケットの成形保持力は、通常製品として使用するに必要な保持力はない。つまり、製品としての実使用環境(鉄鋼メーカーが複合フラックスのブリケットを使用するときの作業条件により決まる環境)の条件にて保持し続けるだけの保持力=製品規格値には満たない。このまま実使用環境にて使用しようとすると、図5の如く、バインダ内部にてクラックが生じ、結果として図6のように、複合フラックスのブリケットの“欠け”が発生する場合がある。
しかし、STEP3の結果できた複合フラックスのブリケット(図4の(401))は、複合フラックスのブリケット自体の製造工程にて次のSTEP4へ移行(運ぶ)程度の環境条件ならば、“欠け”は生じない。図7の様にブリケットマシン(304)と加熱装置(701)とが同一工場の近傍にあれば、複合フラックス(401)の当面必要となる保持力は、加熱装置(701)に運ぶ間に限って形を保持できていれば良い。
最後に、STEP4では、加熱装置にて複合フラックスのブリケットを加熱する。(図7参照)
このとき加熱する温度は、60℃〜200℃の範囲の中で設定される。
STEP3の「造粒成形」にて、複合フラックスのブリケットは60〜80℃程度に既に加熱されているため、60℃未満の加熱は意味をなさない。成形物中のバインダ全体を一旦軟化させるには、それ以上の温度が必要である。
逆に、温度を上げすぎると、具体的には200℃を超えると混在トナーの樹脂分が気化してしまう恐れもあり、この場合、加熱装置(701)内で複合フラックスのブリケット(401)の形が崩れてしまう。
よって通常、STEP3での加熱温度よりやや高めの100℃程度で加熱することが望ましい。
このSTEP4での加熱により、300μm程度の粒径のブリケットのバインダ内部に対しても完全に一旦は軟化することになる。このとき、バインダに使われている混在トナーがポリオ−ル樹脂/スチレン−アクリル系共重合体/ポリエステル樹脂が混ざった状態で各樹脂の混合比が不明であったとしても確実に軟化させることが可能となる。
なお、前述にて、STEP3において高圧ブリケットマシンには加熱装置を備えていないと述べた。
もし、加熱装置をブリケットマシン(304)内部に設置して、一度の加熱でのみで成形しようとした場合、設備が複雑になる上、所望の加圧力を維持するため、結果として高価な専用装置を用意する必要になる。
しかし、本発明の如く、加熱を第1、第2に分割する方法を採れば、市販の高圧ブリケットマシン(304)と加熱装置(701)にて製造することができ、経済的である。また、これら装置(304)、(701)が必ずしも大型装置ではないので、装置の設置スペースに問題が生じることは殆どない。
まず、STEP1にて、バインダ(混在トナー)+複合用添加成分と主原料であるアルミとを各々原料サイロ(301)、(302)に入れる。このとき、バインダを投入する比率は、原料全体に対して重量比1〜20%の範囲内で配合されることが望ましい。1%未満では満足すべきバインダ効果が発揮できず、また、20%を超えると、主原料が減る分、製鋼用フラックス(ここでは複合フラックス)としての充分な効果が得られない。
次に、STEP2で各材料を混合機(303)にて混合する。この混合機としては通常はナウターミキサー等を用いると良い。
STEP3では原料をカンパン大の数10mmのサイズに成形する。
ここで、複合フラックスの造粒成形として考えられる装置は、一般には、湿式用ペレタイザーや低圧ブリケットマシン、乾式成形用の高圧ブリケットマシンやロータリープレスマシン等が考えられる。しかし、複合フラックスの主成分である金属アルミと水分との反応(窒化アルミと水との反応によるアンモニアガス発生の反応)を避けるためには、乾式成形用の高圧ブリケットマシンやロータリープレスを使用する方が好ましい。さらに、ロータリープレスマシンより高圧ブリケットマシンを使用する方が生産性が高くなり、製造コストを制御できることから、高圧ブリケットマシンを使用するのが最も望ましい。
上述の如く高圧ブリケットマシン(304)にて成形すると、通常、成形時の加圧力は10〜20ton/cm2なので、ブリケットマシンの型温度は60〜80℃程度に上がる。なお、基本的にこの加熱(第1の加熱手段)には、加熱専用の装置(ヒータ等)は使用されていない。高圧にすることによって、自然に高温状態を作れるようになっている。
本来、この温度はバインダ内の混在トナーを軟化させるには充分な値である。
しかし、複合フラックス用として作られたバインダは、前述に如くバインダ自体の系が大きくなっている(通常はトナー径が数μm〜十数μmであるのに対し、複合フラックス用バインダ粉粒物(図1参照)の場合は300μm程度)ため、粉粒物の粒子全体を軟化させることはできず、粉粒物粒子(図1参照)表面のみが軟化する状態になる。
その結果、複合フラックスのブリケット(401)はバインダ表面が軟化することにより固形化され、図4の如く、例えばカンパン状の形としてでき上がる。
このとき、複合フラックスのブリケットの成形保持力は、通常製品として使用するに必要な保持力はない。つまり、製品としての実使用環境(鉄鋼メーカーが複合フラックスのブリケットを使用するときの作業条件により決まる環境)の条件にて保持し続けるだけの保持力=製品規格値には満たない。このまま実使用環境にて使用しようとすると、図5の如く、バインダ内部にてクラックが生じ、結果として図6のように、複合フラックスのブリケットの“欠け”が発生する場合がある。
しかし、STEP3の結果できた複合フラックスのブリケット(図4の(401))は、複合フラックスのブリケット自体の製造工程にて次のSTEP4へ移行(運ぶ)程度の環境条件ならば、“欠け”は生じない。図7の様にブリケットマシン(304)と加熱装置(701)とが同一工場の近傍にあれば、複合フラックス(401)の当面必要となる保持力は、加熱装置(701)に運ぶ間に限って形を保持できていれば良い。
最後に、STEP4では、加熱装置にて複合フラックスのブリケットを加熱する。(図7参照)
このとき加熱する温度は、60℃〜200℃の範囲の中で設定される。
STEP3の「造粒成形」にて、複合フラックスのブリケットは60〜80℃程度に既に加熱されているため、60℃未満の加熱は意味をなさない。成形物中のバインダ全体を一旦軟化させるには、それ以上の温度が必要である。
逆に、温度を上げすぎると、具体的には200℃を超えると混在トナーの樹脂分が気化してしまう恐れもあり、この場合、加熱装置(701)内で複合フラックスのブリケット(401)の形が崩れてしまう。
よって通常、STEP3での加熱温度よりやや高めの100℃程度で加熱することが望ましい。
このSTEP4での加熱により、300μm程度の粒径のブリケットのバインダ内部に対しても完全に一旦は軟化することになる。このとき、バインダに使われている混在トナーがポリオ−ル樹脂/スチレン−アクリル系共重合体/ポリエステル樹脂が混ざった状態で各樹脂の混合比が不明であったとしても確実に軟化させることが可能となる。
なお、前述にて、STEP3において高圧ブリケットマシンには加熱装置を備えていないと述べた。
もし、加熱装置をブリケットマシン(304)内部に設置して、一度の加熱でのみで成形しようとした場合、設備が複雑になる上、所望の加圧力を維持するため、結果として高価な専用装置を用意する必要になる。
しかし、本発明の如く、加熱を第1、第2に分割する方法を採れば、市販の高圧ブリケットマシン(304)と加熱装置(701)にて製造することができ、経済的である。また、これら装置(304)、(701)が必ずしも大型装置ではないので、装置の設置スペースに問題が生じることは殆どない。
301 原料サイロ
302 原料サイロ
303 混合機
304 ブリケットマシン
401 複合フラックス
701 加熱装置
302 原料サイロ
303 混合機
304 ブリケットマシン
401 複合フラックス
701 加熱装置
Claims (3)
- バインダの原料としてトナーを用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製造方法において、製鋼用フラックスを成形するのと同時に圧縮熱を加える第1の加熱手段と、該第1の加熱手段とは別に、成形時以外で加える第2の加熱手段を有することを特徴とするトナーを用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製造方法。
- 前記第2の加熱手段が、製鋼用フラックスの造粒成形の後に加熱するものであることを特徴とする請求項1に記載のトナーを用いた製鋼用フラックスの製造方法。
- 前記第2の加熱手段では、200℃以下の範囲の温度にて加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーを用いた製鋼用フラックスの粒成形物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003396056A JP2005154845A (ja) | 2003-11-26 | 2003-11-26 | トナーをバインダに用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003396056A JP2005154845A (ja) | 2003-11-26 | 2003-11-26 | トナーをバインダに用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005154845A true JP2005154845A (ja) | 2005-06-16 |
Family
ID=34721657
Family Applications (1)
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JP2003396056A Pending JP2005154845A (ja) | 2003-11-26 | 2003-11-26 | トナーをバインダに用いた製鋼用フラックスの造粒成形物の製法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005154845A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007239074A (ja) * | 2006-03-10 | 2007-09-20 | Ricoh Co Ltd | 複合還元剤 |
-
2003
- 2003-11-26 JP JP2003396056A patent/JP2005154845A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007239074A (ja) * | 2006-03-10 | 2007-09-20 | Ricoh Co Ltd | 複合還元剤 |
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