JP2005154591A - 樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料 - Google Patents

樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂膜周辺部に滲み出す消泡剤を低減させ信頼性を向上させた樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料を提供する。
【解決手段】 樹脂溶液に無機フィラーと溶剤処理液と消泡剤を配合し、加熱分散した後、この処理液に直接所定の樹脂材料を配合し樹脂組成物とする。基材にこの樹脂組成物をスクリーン印刷機で印刷して樹脂被膜を形成する。樹脂溶液に消泡剤と無機フィラーと溶剤処理液を直接加熱分散することにより硬化時に膜表面や膜周辺部にシリコーン系消泡剤が滲み出しが少なくなり、その後の工程に行われる部品の封止や回路の接着時にハジキが小さく、密着性や信頼性が向上する。
【選択図】なし

Description

本発明は、スクリーン印刷機、ディスペンサ、スピンコータ、などの塗布方法に適したチクソトロピー性を有する樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料に関する。
近年、電子部品の分野においては、小型化、薄型化、高速化への対応から、耐熱性、電気特性及び耐湿性に優れる樹脂としてエポキシ樹脂に代わり、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂が使用されている。これらの樹脂は、樹脂構造が剛直であり薄膜基材に用いた場合、硬化後の基材が大きく反り、硬化膜は柔軟性に欠け、屈曲性に劣る間題がある。そこで、低反り性、柔軟性を改善するために、樹脂を可とう化及び低弾性率化した変性されたポリアミドイミド樹脂が特許文献1〜3に提案されている。これら樹脂に、耐熱性を付与させるために高分子量エポキシ樹脂や塗布時の作業性及び塗布後の形状保持性を付与するため、これらの樹脂ヘ無機フィラーを直接分散させているが印刷性や作業性の点で好ましくなかった。
また、無機フィラーを直接粉体状態で樹脂溶液に分散させているため、無機フィラー同士が二次凝集する問題がある。従来、無機フィラーの分散性を向上させる手法としては、3本ロールやろ過器等の機械的処理方法の他に、カップリング剤等の処理剤によリ予め表面を処理した無機フィラーを用いる方法がある。しかしながら、表面処理無機フィラーはコストが高く、市販されている表面処理無機フィラーの種類も非常に限られているため、各種樹脂配合に適した表面処理無機フィラーを選択するのは困難であった。また、無機フィラーを処理する場合、通常は処理剤の希釈溶液に浸漬またはスプレー等による噴霧後、加熱乾燥させる。この乾燥工程は、次の2つの問題を持っている。一つは、処理無機フィラーの表面にカップリング剤がオリゴマ化して物理的吸着層を形成する。もう一つは、無機フィラーが凝集するため樹脂溶液等への配合時に微粉砕する必要がある。このため、物理的吸着層や不均−な処理層は、被膜形成した場合に界面の接着性を低下させる。
また、スクリーン印刷機を用いた塗布方法を用いた場合、スクリーン印刷時の泡の巻込みや膜形成後の泡抜け性を向上させるためシリコーン系消泡剤が使用されるがシリコーン系消泡剤は硬化中に膜表面や膜周辺部に滲み出しその後の樹脂等による回路の接着加工時に悪影響を及ぼす問題が発生する。非シリコーン性消泡剤を単独で使用した場合、スクリーン印刷時の泡の巻込みや膜形成後の泡抜け性が低下する。また、シリコーン系消泡剤を使用すると硬化時に膜表面や膜周辺部にシリコーン系消泡剤が滲み出し、その後の工程に行われる部品の封止や回路の接着時にハジキ等が発生したり、密着性が低下する等の問題があり、信頼性が低下する。
特開昭62−106960号公報 特開平8−12763号公報 特開平7−196798号公報
本発明は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂の樹脂溶液に無機フィラーの表面を処理した無機フィラー入り溶剤溶液に消泡剤を添加し加熱分散した処理液を直接ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂の樹脂溶液に配合することで印刷時の泡の膜込み性と印刷後の泡抜け性を向上させ、硬化膜及び硬化膜周辺部に滲み出す消泡剤を低減させた樹脂組成物及びそれを含む被膜形成材料を提供するものである。
本発明は以下の発明に関する。
<1> 樹脂溶液に溶剤処理液、無機フィラー及び消泡剤を加熱分散させて処理したチクソトロピー性を有する樹脂組成物。
<2> 樹脂溶液が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂である上記<1>記載の樹脂組成物。
<3> 溶剤処理液が、シロキサン繰り返し単位を2個以上有し、末端に無機フィラー表面の水酸基と反応する官能基を1個以上有する予め3次元架橋されたシリコーンオリゴマ溶液である上記<1>または<2>記載の樹脂組成物。
<4> 3次元架橋されたシリコーンオリゴマ溶液の動粘度がγ−ブチロラクトン溶媒中、固形分20%で1.55mPa・s以上である上記<1>〜<3>のいずれかに記載の樹脂組成物。
<5> 溶剤処理液が、無機フィラー100重量部に対して溶剤処理液固形分で0.1重量部〜5重量部である上記<1>〜<4>のいずれかに記載の樹脂組成物。
<6>封止材との接触角が35°以下を示すことを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかに記載の樹脂組成物を含む被膜形成材料。
本発明の樹脂組成物及びその樹脂被膜は、消泡剤を溶剤処理液と加熱混合することにより樹脂皮膜端部に滲み出す消泡剤を低減し、その後の工程で部品の封止や回路の接着時にハジキ等が小さくなり信頼性に優れている。
本発明のスクリーン印刷用樹脂組成物及び被膜形成材料は、上記の優れた特性を有し、電子部品用オーバーコート材、液状封止材、エナメル線用ワニス電気絶縁用含浸ワニス、積層板用ワニス、摩擦材料用ワニス、プリント基板分野などにおける層間絶縁膜、表面保護膜、ソルダレジスト膜、接着層などや、半導体素子などの電子部品に好適に用いられる。
本発明は、樹脂溶液に無機フィラーの表面を処理した無機フィラーが入った溶剤処理液に消泡剤を加熱分散させてなる、チクソトロピー性を有するポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂の樹脂組成物を含むことを特徴とする被膜形成材料を提供するものである。
本発明の樹脂ペーストに用いられる耐熱性樹脂としては、耐熱性に優れた樹脂で、可とう化及び低弾性率化成分で変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂が好適に用いられる。変性された樹脂としては各種公知の変性がされたものであれば特に制限はなく、例えば、シリコーン樹脂で変性されたもの、ポリカーボネート樹脂で変性されたもの、ポリブタジエンで変性されたものなどを挙げることができる。中でも、ポリカーボネート樹脂で変性されたポリアミドイミド樹脂が好ましいものとして挙げられる。
可とう化及び低弾性率化成分変性された樹脂は、例えば、ポリカーボネート樹脂で変性されたポリアミドイミド樹脂の場合、通常、可とう化及び低弾性率化成分である1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートジオール等をカルボン酸とを反応させて得られたジカルボン酸と、ポリイソシアネート及び酸無水物基を有する3価のカルボン酸又はその誘導体とを反応させて得られる。
また、本発明は、シロキサン繰り返し単位が2個以上で末端に無機フィラー表面の水酸基と反応する官能基を1個以上有する予め3次元架橋されたシリコーンオリゴマ溶液中で無機フィラーの表面を処理した無機フィラーが入った溶剤処理液をポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂の樹脂溶液中に分散させてなる、チクソトロピー性を有するポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂の樹脂組成物を含み、封止材との接触角が35°以下を示すことを特徴とする被膜形成材料を提供するものである。
本発明の樹脂溶液としては、熱硬化性系、熱可塑性の樹脂等があり、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂等が好適に用いられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂等が好適に用いられる。好ましくは、耐熱性や電気的特性を考慮してポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂が好適に用いられる。
本発明の溶剤処理液としては、通常カップリング剤溶液が用いられる。カップリング剤としてはシラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤等があリ、シラン系カッブリング剤としては、一般にエポキシシラン系、アミノシラン系、カチオニックシラン系、ビニルシラン系、アクリルシラン系、メルカプトシラン系及びこれらの複合系等がある。添加剤は数種類を併用してもよく、その配合量や配合比も特に制限はない。
本発明では、よリ優れた印刷性や分散性を発現する目的で、予め3次元架橋したシリコーンオリゴマを使用する。シリコーンオリゴマとしては、シロキサン繰リ返し単位が2個以上で、末端に無機、有機繊維等の基材表面の水酸基あるいは無機フィラー表面の水酸基と反応する官能基を1個以上有するものであればその分子量や骨格等に特に制限はないが、シロキサン単位の重合度が2〜70程度のものが好ましく、GPCによる重量平均分子量から換算する。重合度が大きいと、処理むらが起こりやすく耐熱性が低下する。2官能性・3官能性・4官能性シロキサン単位のR2SiO2/2、RSiO3/2、SiO4/2は、それぞれ化1のような構造を意味する。
Figure 2005154591
ここで、Rは同じか又は別な有機基であリ、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基・ビニル基等を例示でき、これらが特に好適である。
シリコーンオリゴマの基材や無機フィラー表面の水酸基と反応する官能基は特に制限はないが・アルコキシル基やシラノール基等が一般的であリ好ましい。また、シリコーンオリゴマは分子内に3官能性以上のシロキサン単位を1種類以上含有していることが好ましく、更には4官能性シロキサン単位がシリコーンオリゴマ全体の15mol%以上であるとより好ましい。シリコーンオリゴマは、予め3次元架橋しているものであるが、配合前にゲル状態とならない程度に反応させたものを用いる。このためには、反応温度、反応時間、オリゴマ組成比・触媒の種類や量を変えて調整する。触媒としては、酢酸、塩酸、マレイン酸・リン酸等の酸性溶液で合成することが好ましい。これらシリコーンオリゴマは上記カップリング剤等とも併用することができる。併用する種類等及びそれらの配合量は、特に制限はない。
これら処理剤を希釈する場合にはしばしば溶剤が用いられ、処理液と溶剤を主に混合して溶剤処理液とする。この溶剤は特に限定はなく、好ましくはエ一テル系溶媒、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、含硫黄系溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、エステル系溶媒、例えば、γ一ブチロラクトン、酢酸セロソルブ、ケトン系溶媒、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、芳香族炭化水素系溶媒、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられ、単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。これらは何種類かを混合してもよい。また、処理液の固形分濃度は特に制限はなく、処理剤の種類や無機フィラーへの付着量等によリ適宜変更できるが、0.1〜50重量%の範囲が好ましい。0.1重量%よリ低いと処理剤の効果は発現しにくく、50重量%より多いと耐熱性等が低下しやすい。
本発明で用いる無機フィラーは特に制約はなく、例えば、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン、マイカ、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、溶融シリカ、破砕シリカ、ヒュームドシリカ、硫酸バリウム、ガラス短繊維やホウ酸アルミニウムや炭化ケイ素等の各種ウィスカ等が用いられる。また、これらを数種類併用しても良く、配合量や配合比率も特に限定するものではない。
本発明で用いる消泡剤は特に制限はなく、スクリーン印刷時の泡巻込み性や泡抜け性を考慮して用いられる。また、これらを数種類併用してもよく、配合量や配合比率も特に限定はなくスクリーン印刷時の泡巻込み性や泡抜け性を考慮して適時変更できるが、0.3〜20重量%の範囲が好ましい。0.3重量%よリ低いと消泡剤の効果は発現しにくく、20重量%より多いと耐熱性や耐湿性等が低下しやすい。
本発明で用いる消泡剤の種類は特に制限はなく、シリコーン系消泡剤、非シリコーン系消泡剤が用いられ、特にスクリーン印刷時の泡巻込み性や泡抜け性を考慮して用いられる。また、これらを数種類併用してもよく、配合量や配合比率も特に制限はなくスクリーン印刷時の泡巻込み性や泡抜け性を考慮して適時変更できる。例えば、シリコーン系消泡剤としては、KS−602A(信越化学工業株式会社製:商品名)、KS−603(信越化学工業株式会社製:商品名)、KS−608(信越化学工業株式会社製:商品名)、FA600(信越化学工業株式会社製:商品名)、BYK−A506(ビックケミー・ジャパン株式会社製:商品名)、BYK−A525(ビックケミー・ジャパン株式会社製:商品名)、BYK−A530(ビックケミー・ジャパン株式会社製:商品名)、非シリコーン系消泡剤としては、BYK−A500(ビックケミー・ジャパン株式会社製:商品名)、BYK−A500(ビックケミー・ジャパン株式会社製:商品名)、BYK−A501(ビックケミー・ジャパン株式会社製:商品名)、BYK−A515(ビックケミー・ジャパン株式会社製:商品名)、BYK−A555(ビックケミー・ジャパン株式会社製:商品名)等が、好適に使用される。
本発明の樹脂溶液に溶剤処理液と無機フィラー及び消泡剤を加熱分散させる温度は、特に制限はなく分散状態を考慮して適時変更できるが、30〜100℃の範囲が好ましい。30℃より低いと消泡剤の滲み出しが大きくなり、100℃より高いと無機フィラーが凝集する傾向があり好ましくない。
本発明の樹脂組成物は、各々、被膜形成材料として好適に用いられる。この樹脂組成物には、塗工時の作業性及び被膜形成前後の膜特性を向上させるため、エポキシ樹脂類、レベリング剤等の界面活性剤類、染料又は顔料等の着色剤類、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤を添加することもできる。
本発明になる樹脂組成物は、各々、例えば、電子部品用オーバーコート材、液状封止材、エナメル線用ワニス、電気絶縁用含浸ワニス、注型ワニス、マイカ、ガラスクロス等の基材と組み合わせたシート用ワニス、MCL積層板用ワニス、摩擦材料用ワニス、プリント基板分野などにおける層間絶縁膜、表面保護膜、ソルダレジスト層、接着層などや、半導体素子などの電子部品にも使用でき、被膜形成材料として好適に用いられる。
本発明の樹脂組成物を含む被膜形成材料は、封止材との接触角を35°以下にすることが好ましい。封止材との接触角が35°より大きくなると、封止材の濡れ広がりが不十分になり、IC接続部周辺を十分に覆うことができなくなる。封止材との接触角は接触角測定器(共和界面科学製)で測定できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが本発明はこれらに制限されるものではない。
実施例1
攪拌機、油分分離機付冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットルの四つ口フラスコに、プラクセルCD−220(ダイセル化学工業(株)製、1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートジオールの商品名)2000.0g(100モル)、アジピン酸292.0g(2.00モル)及びキシレン114.6gを仕込み、途中、副生してくる縮合水を除去しながら200℃まで昇温した。200℃で2時間反応させ、酸価49.7KOHmg/gのジカルボン酸Aを得た。
ついで、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、4,4'−ジフェ二ルメタンジイソシアネート150.0g(0.60モル)、無水トリメリット酸69.12g(0.36モル)及び前記合成で得られたジカルボン酸A541.44g(0.24モル)及びγ―ブチロラクトン760.56gを仕込み、160℃まで昇温した後、3時間反応させて、数平均分子量12,000の樹脂を得た。得られた樹脂をγ―ブチロラクトンで希釈し、不揮発分40重量%のポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。なお、無水トリメリット酸/ジカルボン酸Aのモル比は、0.6/0.4であった。
撹拌装置・コンデンサ及び温度計を備えたガラスフラスコに、ジメトキシジメチルシランを72g、テトラメトキシシランを72g、メタノールを36g配合した溶液に、リン酸を1.1g、蒸留水を55.6g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーンオリゴマを合成した。得られたシリコーンオリゴマのシロキサン単位の重合度は23であった。このシリコーンオリゴマ溶液にγ―ブチロラクトンを加えて、固形分20重量%の溶剤処理液を作製した。
得られたポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂溶液の樹脂分100重量部に対して、硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製 商品名:B-30)を20重量部、シリコーン系消泡剤(信越化学工業株式会社製 商品名:KS-603)を3重量部、溶剤処理液を硫酸バリウムに対して固形分10重量部いなるように配合し、必要に応じてγ―ブチロラクトン等の溶剤を加えて50℃で1時間攪拌し、更に、ポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂溶液の樹脂分100重量部に対して、Ep-1004(油化シェルエポキシ株式会社製商品名、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)を20重量部を加え、1時間攪拌してポリアミドイミド樹脂ペーストを得た。
実施例2
実施例1においてシリコーン系消泡剤の添加量1重量部とした以外は、実施例1と全く同様の操作を行いポリアミドイミド樹脂ペーストを得た。
実施例3
実施例1においてシリコーン系消泡剤の添加量1重量部、非シリコーン系消泡剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製 商品名:BYK-A555)の添加量5重量部とした以外は、実施例1と全く同様の操作を行いポリアミドイミド樹脂ペーストを得た。
比較例1
得られたポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂溶液の樹脂分100重量部に対して、硫酸バリウムを20重量部、溶剤処理液を硫酸バリウムに対して固形分10重量部になるように配合し、必要に応じてγ―ブチロラクトン等の溶剤を加えて50℃で1時間攪拌し、更に、ポリカーボネート変性ポリアミドイミド樹脂溶液の樹脂分100重量部に対して、シリコーン系消泡剤を3重量部、Ep-1004を20重量部を加え、1時間攪拌してポリアミドイミド樹脂ペーストを得た。
比較例2
比較例1においてシリコーン系消泡剤の添加量1重量部とした以外は、実施例1と全く同様の操作を行いポリアミドイミド樹脂ペーストを得た。
比較例3
比較例1においてシリコーン系消泡剤の添加量1重量部、非シリコーン系消泡剤の添加量5重量部とした以外は、実施例1と全く同様の操作を行いポリアミドイミド樹脂ペーストを得た。
上記の実施例及び比較例で得られたポリアミドイミド樹脂ペースト及びポリアミドイミド樹脂組成物の特性を下記の方法で測定し、結果を表1に示した。
(1) 膜周辺部ハジキ性
2mmのガラス板上に、得られたポリアミドイミド樹脂ペーストを印刷機(ニューロング株式会社製 商品名:LS―34GX)とメッシュ版(株式会社ムラカミ製 150メッシュ)で印刷速度100mm/secで10mm角を印刷し、空気雰囲気下、120℃で60分間加熱硬化して得られたポリアミドイミド樹脂被膜にカラーチェック液(マークテック株式会社製 商品名:スーパーチェック UP-ST)を2秒間噴霧し、空気雰囲気中、室温(25℃)で30分間放置した後、万能投影機(ニコン株式会社製 倍率50倍)でガラス板上のポリアミドイミド樹脂被膜周辺部のハジキ量を測定した。
(2) 封止材との濡れ性(接触角)
厚さ35μmの電解銅箔の粗面又は厚さ50μmのポリイミドフィルム上に、得られたポ
リアミドイミド樹脂組成物を塗布し、90℃で15分乾燥した後、空気雰囲気下、120℃で120分又は160℃で60分加熱し、得られた塗膜(厚さ20〜30μm)上に、エポキシ系 封止材〔日立化成工業(株)製商品名CEL−C−5020〕を10μl滴下し、硬化膜との 接触角を接触角測定器(共和界面科学製)を用いて測定した。また、万能投影機(ニコン(株)製、倍率50倍)を用いて、封止材と硬化膜の界面を観察した。観察基準は下記の通りである。
○:封止材と硬化膜の境界なし
×:封止材と硬化膜の境界あり
Figure 2005154591
表1の結果から、次のことが分かる。
実施例1〜3は、消泡剤を加熱混合することによりハジキ量が小さく、かつ、封
止材との接触角も小さく、濡れ性も向上する。

Claims (6)

  1. 樹脂溶液に溶剤処理液、無機フィラー及び消泡剤を加熱分散させて処理したチクソトロピー性を有する樹脂組成物。
  2. 樹脂溶液が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂及び変性されたポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 溶剤処理液が、シロキサン繰り返し単位を2個以上有し、末端に無機フィラー表面の水酸基と反応する官能基を1個以上有する予め3次元架橋されたシリコーンオリゴマ溶液である請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 3次元架橋されたシリコーンオリゴマ溶液の動粘度がγ−ブチロラクトン溶媒中、固形分20%で1.55mPa・s以上である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 溶剤処理液が、無機フィラー100重量部に対して溶剤処理液固形分で0.1〜5重量部である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 封止材との接触角が35°以下を示すことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物を含む被膜形成材料。

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