JP2005153497A - 塗布具及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】 圧縮気体の位置が塗布液と入れ替わることによって生じるカスレや吐出不良を抑制する塗布具を提供する。
【構成】 容器内にこの容器の内壁に周状に摺接しながら移動可能な隔壁を配置し、隔壁の塗布先側に塗布液を収容すると共に、隔壁の後方に圧縮気体を密閉して収容し、圧縮気体の押圧力にて隔壁を塗布先側に移動させて、塗布液の塗布先よりの吐出支援をなす塗布具において、前記隔壁の少なくとも前記容器の内壁と周状に摺接する部分が弾性を有すると共に、この摺接する部分が前記圧縮気体の押圧力によって拡径する部分に配置されている塗布具とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、容器内にこの容器の内壁に周状に摺接しながら移動可能な隔壁を配置し、隔壁の塗布先側に塗布液を収容すると共に、隔壁の後方に圧縮気体を密閉して収容し、圧縮気体の押圧力にて隔壁を塗布先側に移動させて、塗布液の塗布先よりの吐出支援をなす塗布具に関する。
従来、筆記具用のインキや修正液、糊、液状の化粧料など塗布液を収容する容器内に圧縮気体を密閉して収容し、この圧縮気体の押圧力にて塗布液の塗布先よりの吐出支援をなす塗布具が知られている。
例えば、塗布液の界面上に球状の部材を浮設させたもの(特許文献1参照)や、容器の内壁に周状に摺接する部分を有する合成樹脂製のフォロア部材を配置したもの(特許文献2参照)、隔壁に室温硬化性のシリコーンゴムを用い、液状態のものを容器に充填した後硬化させ容器の内壁に周状に摺接させたもの(特許文献3参照)などが知られている。また、塗布液と相溶性のない液状物を塗布液の界面部分に層状に充填して容器の内壁に周状に接触させたもの(特許文献4参照)も知られている。
特開昭55−152098号公報 特開昭59−207295号公報 特開平11−115368号公報 特開平10−236065号公報
圧縮した気体によって塗布液の吐出支援をなすものでは、塗布液の塗布先とは反対側の位置に圧縮気体が配置され塗布液が押圧されるようになさなければならない。また、圧縮気体が塗布液より先んじて塗布先から流出して、塗布液を押圧する力を失うことも抑制しなければならないので、圧縮気体の位置が塗布液と入れ替わってしまうことを抑制する必要がある。
特許文献1に開示されているような、球状部材を塗布液の界面上に浮設させたものでは、浮設させるために、容器の内径よりも径の小さいものとしている。即ち、このようなものは「隔壁」とは呼べないものであり、塗布液と圧縮気体は容器の内壁付近で実質的には接触しているため、落下などの衝撃が生じると、この接触部分を塗布液が通過し、通過した塗布液と同量の圧縮気体が隔壁の塗布先側へ置換してしまい、結果としてカスレや吐出不良となってしまうという問題が生じていた。また、隔壁を容器内に配置する際においても、塗布液の界面に隔壁が接触する時に僅かでも圧力が付与すると、その圧力によって、接触部分を塗布液が通過して隔壁の後方へ流出し、隔壁が塗布液中に埋没した形態となってしまい、塗布液と圧縮気体を隔離する隔壁としての機能を失ってしまうという問題があった。
また、特許文献2に開示されているような、容器の内壁に周状に摺接する部分を有する合成樹脂製のフォロア部材を配置したものや、特許文献3に開示されているような、隔壁に室温硬化性のシリコーンゴムを用い、液状態のものを容器に充填した後硬化させ容器の内壁に周状に摺接させたものでは、当然ながら、吐出による塗布液の収容体積の減少から圧縮気体が充填されている空間体積が増大し、圧縮気体の量(モル数)は一定なので温度が一定であれば、空間体積が大きくなるとそれだけ圧力は減少することと、成形上、容器の内壁は塗布先側に近づくにつれて少なからず小径となっているので、隔壁と容器の内壁との接触体積が増え次第に移動抵抗が強くなることになり、移動しにくくなった隔壁によって塗布液も移動しにくく制限され塗布液の吐出不良となってしまうことがあった。このような現象を事前に考慮して、初期に充填する圧縮気体の圧力を過剰に強くすると、初期段階での吐出において、塗布面に対して塗布液が吹き出したり、塗布先から洩れたりしてしまうという問題点が生じてしまうものであった。さらに、隔壁に室温硬化性のシリコーンゴムを用い、液状態のものを容器に充填した後硬化させ容器の内壁に周状に摺接させたものでは、塗布液が白色顔料と、有機溶剤としてメチルシクロヘキサンが使用されて有機溶剤からなる修正液である場合、シリコーンゴムの変形する特性によって比較的移動抵抗が高くなり難いものであるが、時間が経過するにつれ、隔壁には、溶解性定数の近いメチルシクロヘキサンが吸収され、膨潤による体積変化が約+150%となる。即ち、室温硬化性のシリコーンゴムがメチルシクロヘキサンを吸収するため、修正液中のメチルシクロヘキサンが減少し、修正液の高粘度化が生じ、カスレや、吐出不良を招き、結局はメチルシクロヘキサンの吸収による体積増加が前述の移動抵抗を高めてしまうものであった。
特許文献4に開示されているような、塗布液と相溶性のない液状物を塗布液の界面部分に層状に充填して容器の内壁に周状に接触させたものは、塗布液と相溶性のない液状物の層が移動する際に容器の内壁面に付着している塗布液を掻き取っていく必要があるが、速記などで、連続して塗布を繰り返し、容器内の塗布液を多量に使用すると、塗布液の界面位置は大幅に変化し、容器の内壁に接触している液状物が取り残され、移動した液状物が塗布液内に陥没した状態が生じる。これが進行すると液状物の層が壊れて圧縮空気と塗布液とが直接接触することとなり、塗布液と圧縮気体の置換が生じて位置関係が損なわれ、圧縮気体が塗布先へ移動し、塗布先から外部へ流出してしまうことになってしまうという欠点があった。特に容器が、交換式リフィールタンクである場合には、容器の内径は比較的小径となるので、吐出によって変化する軸心位置の界面変位及びその移動速度は更に大きくなり、早い段階で、圧縮気体が塗布先から外部へ流出し、カスレ、吐出不良点となってしまうという問題があった。また、容器が透明性のある、中身が視認可能な材質で形成されている場合は、内壁に付着した塗布液によって塗布液の消費状況を確認ことができないという問題点もあった。
本発明は、容器内にこの容器の内壁に周状に摺接しながら移動可能な隔壁を配置し、隔壁の塗布先側に塗布液を収容すると共に、隔壁の後方に圧縮気体を密閉して収容し、圧縮気体の押圧力にて隔壁を塗布先側に移動させて、塗布液の塗布先よりの吐出支援をなす塗布具において、前記隔壁の少なくとも前記容器の内壁と周状に摺接する部分が弾性を有すると共に、この摺接する部分が前記圧縮気体の押圧力によって拡径する部分に配置されている塗布具を要旨とする。
圧縮気体の押圧力は収容されている密閉された部屋のすべての壁に均等に押圧力を付与するので、隔壁に対しても圧縮気体と接触する壁の全体に均等に力がかかることになる。特に、隔壁が弾性変形可能な材料で後方に開口する有底筒状である場合、側壁の外周面から径方向に付与する押圧力は、隔壁の径を圧縮しようとする圧縮荷重として作用し、側壁の内周面からは、隔壁の径を拡張しようとする引張荷重として付与している。そのため、これらの荷重を受ける側壁の外周面と内周面の後端から底部までの長さが同じであれば、荷重がつりあうことになる。本発明では、側壁の外周面に周状に突起を形成しているので、この突起が容器の内壁と接触し、側壁の外周面の圧縮気体の押圧力を受ける長さは、側壁の底部からではなく、突起の接触部分から隔壁の後端となるため、側壁の外周面よりも内周面の方が、圧縮気体による押圧力を受ける部分が長くなるように形成される。従って、側壁の内周面からの引張荷重と同一径方向上に、外周面からの圧縮荷重力が付与していない部分が生じる。このため、この径方向は、押圧力が引張荷重としてのみ付与されることとなる。また、押圧力は隔壁の側壁の後端部にも側壁を押し潰そうとする押圧力が付与している。この後端部の外周面から内周面の径方向の長さである、所謂、肉厚は、引張荷重が付与される側壁の内周面の後端から底部までの長さ未満であるため、側壁を押し潰そうとする応力は引張荷重よりも弱くなる。よって、隔壁における圧縮気体による押圧力は、側壁の内周面から付与される引張荷重が最も強くなることになる。これによって、側壁の底部を支点として側壁は拡径することとなる。そして、この拡径する外周側面に容器の内壁と周状に摺接する部分が配置されているので、摺接する部分が容器の内壁に押しつけられて密閉性を高めることになる。更に、容器の内壁への当接を維持し、塗布液と圧縮気体との遮断を維持することができ、気体と塗布液との入れ替わりが抑制され、塗布先からの外部への気体の流出を抑え、カスレなどの吐出不良を抑制することができる。さらに、容器の内壁との周状な摺接は、塗布液の吐出時おける追従移動において、容器の内壁に付着する塗布液を、強制的に剥ぎ取ることができる。よって、透明性のある容器などにおいては、塗布液の残量確認ができる。尚、肉厚が、側壁の内周面の後端から底部までの長さ未満であれば、側壁を押し潰そうとする応力よりも強い引張荷重を得ることができるが、より強い引張応力による塗布液と圧縮気体との遮断性等を考慮すると、肉厚は、側壁の内周面の後端から底部までの長さの半分以下であることが望ましい。また、容器内へ隔壁を吸引ノズルによって、径方向に変形させて摺接する部分を拡径させて挿入する製造方法によって、塗布液の界面に隔壁が接触する時に僅かな圧力がかかったとしても、塗布液がその圧力によって、側壁の外周面と容器の内壁の間を塗布液が通過して、塗布液が隔壁の後方へ流出し、隔壁が塗布液中に埋没して、隔壁としての機能を失うような形態となってしまうことが抑制できる。
本発明の塗布具に使用される塗布液は、特に400mPa・s以上(B型粘度計No.3ローター、60rpm、25℃)といった比較的高粘度の流体を使用する場合に良好である。即ち、高粘度の流体は、微細な吐出口から吐出するには、流動性や毛細管力によって塗布液が移動し難く不利であるが、流動性や毛細管力に逆らうだけの圧力をかけることによって塗布液を押し出せば円滑な吐出が保証されることとなる。特に、酸化チタンなどの比重の重い顔料を使用した修正液では、酸化チタンの沈降凝集が吐出された塗布跡形成に大きく影響することになるが、液自体を高粘度にすることによって酸化チタンの沈降凝集を抑制することが可能となる。本発明は、このような高粘度の修正液を収容した容器に圧縮気体を封入して使用するに際して、極めて効率的かつ確実に、圧縮された気体と修正液との置換を防止し、塗布具の使用中における、カスレなどの吐出不良を抑制できるものである。
以下、図面に基づき一例について説明する。
図1に示したものは、内部にメチルシクロヘキサンを主溶剤とし、酸化チタン等の白色顔料を分散した、700mPa・s(B型粘度計No.3ローター、60rpm、25℃)の高粘度に設定してある修正液1を収容した修正塗布具の一例である。修正液1は、塗布後の塗布面の速乾性が必要とされ、蒸気圧、蒸発速度などから有機溶剤を適宜選択することができるが、大気中に放出しても光化学スモッグの原因にならず、また、有機溶剤中毒予防規制を受けず比較的毒性の低い炭化水素系有機溶剤であるメチルシクロヘキサンが好ましく使用できる。また、白色顔料としては、酸化チタンの他に酸化亜鉛などが挙げられるが、白色度、隠蔽力、屈折率が比較的大きいことから白色顔料として、酸化チタンを用いるのが望ましい。軸2は、透明性を有するポリエチレンナフタレートの押出成形品であり、この軸2の内部には、修正液1が直接収容されている。軸2は、修正液1の主溶剤であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、融解、溶解、分解などによる形状変化をほとんど生じないもので、且つ、200cc/mday/25μm・23℃/O以下のガス透過性の低い材質である。また、外部から修正液1の残量が視認できるような透明若しくは半透明のものであれば、ポリエチレンナフタレートに限られるものではない。例えば、ポリエチレンナレフタレートの他にポリエチレンテレフタレート、ナイロン12、ナイロン6、非晶性ナイロン、微結晶性ナイロン、半芳香族性ナイロン、脂肪酸ナイロン、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンナフタレートポリエチレンテレフタレートコポリマー、ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートのポリマーアロイ、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートのポリマーアロイ、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
軸2の先端には、ポリブチレンテレフタレートの射出成形品である前軸3が接続されている。また、前軸3の先端には、ボール4が回転自在に抱持されたボールホルダー5が接続されている。前軸3は、軸2と同様に修正液1と直接接触するので、修正液1の主溶剤であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、融解、溶解、分解などによってほとんど形状変化しない材質としている。ボール4はコイルスプリング6にて前方付勢されており、ボールホルダー5の内縁に液密に当接して修正液1の吐出を制御する弁として機能している。また、前軸3は、軸2の先端に、前軸3の軸2からの抜け強度が37.3kg/cmになるように圧入接続され、ボールホルダー5は、前軸3の先端に、ボールホルダー5の前軸3からの抜け強度が42.5kg/cmになるように圧入接続されている。これは、後述する、軸2内に充填されている圧縮空気7の圧力によって、前軸3及びボールホルダー5が外れ、修正液1が外部に飛散してしまうことを防止するためである。接続方法は、圧入接続にのみ限られるものではなく、接着剤、熱、超音波、振動による溶着などが挙げられ、生産性、密閉性、軸2や前軸3、ボールホルダー5の材質による耐久性を考慮して適宜行うことができる。
軸2内の修正液1の界面に接触して、修正液1の消費に伴う修正液1の界面の移動に追従して移動する移動隔壁8が配置されている。移動隔壁8は、有底筒体の形状を有し、硬度65゜(デュロー硬度 タイプA)の、ポリエステル系の熱可塑性エラストマー(プリマロイ TypeB B1600N三菱化学(株))の射出成形品であり、修正液1の白色と誤認しないために黄色に着色されている。もちろん、もっと明度や色調の異なる色、例えば黒色などとしてもよい。この移動隔壁8は、前軸3と同様、修正液1と直接接触しているので、修正液1の主溶剤であるメチルシクロヘキサンにより、膨潤、融解、溶解、分解などによる形状変化をほとんど生じない材質としている。
軸2の後端開口部は尾栓9で密閉され、尾栓9と移動隔壁8の間の空間には、ゲージ圧(ゲージ名:ハンディマノメーターPG−100、日本電産コパル電子(株)製、標準大気圧101.3kPaとの差圧を表示するゲージ)で130kPa〜270kPaの圧縮空気7が充填されている。圧縮空気7による圧力は、移動隔壁8を介して修正液1を後ろから押して吐出の支援をなしている。
軸2の後端開口部には、尾栓9が接続されており、軸2内を密閉している。尾栓9は軸2の内方側に開口部を有する有底筒体の形状を有するポリブチレンテレフタレートの射出成形品であり、圧縮空気7と直接接触しているので、軸2と同様に、ガス透過性の低い材質としている。また、合成樹脂製のものの他に、金属製の切削加工品などにより得られる部材であってもよい。また、圧縮空気7によって、尾栓9が押し上げられ、外れてしまうことを防止するために、軸2の後端開口部へ、強度が42.7kg/cm2になるように圧入により接続されている。尾栓9の接続方法は、前述した前軸3及びボールホルダー5の場合と同じように、圧入接続にのみ限られず、生産性、密閉性、軸2や尾栓9の材質による耐久性を考慮して適宜行うことができる。
図1のI部拡大図である図2に、移動隔壁8と軸2の内壁との摺接状態を示す。
移動隔壁8は後方に開口する有低筒状のコップ型形状を有しており、修正液1の界面に接触させて配置されている。軸2の移動隔壁8より後方の空間には圧縮空気7が充満していて、この空間に開放されている移動隔壁8の内壁8a、底壁8bに圧縮空気7による押圧力が付与されている。
内壁8aへの押圧力は、移動隔壁8の開口部8cを拡径する力として作用している。また、移動隔壁8の外壁8dには、軸2の内壁面と接触するように周状の外方突部8eが形成されているので、外壁8dには、圧縮空気7による押圧力が付与されず、移動隔壁8の開口部8cを縮径する力は作用しない。このため、移動隔壁8の開口部8cを拡径する力のみが作用し、開口部8cが拡径して軸2の内壁に外壁8dが周状に接触している。底壁8bへの押圧力は、移動隔壁8を修正液1側へ押す力として働いているが、修正液1からの反作用によりつり合っているので変形しない。外壁8dの開口部8cが拡径して軸2の内壁に接触した部分は、軸2の内壁に周状に摺接しているので、修正液1の吐出と共に移動隔壁8が追従すると共に、例えば、落下等の衝撃が加わっても、圧縮空気7と修正液1との位置関係を確実に維持することができる。また、軸2の壁面に付着した修正液1を強制的に、掻き取ってしまうので、修正液1の残量が移動隔壁8の位置で正確に視認できることとなる。また、外方突部8eの位置は、修正液1の吐出によって、移動隔壁8が追従するための移動抵抗に応じて適宜設定して調節される。即ち、図2相当図である図3に示したもののように、移動隔壁8の開口部8cを拡径する力によって移動隔壁8の開口部8dが変形して軸2の内壁に接触する面積を小さくする場合には、外方突起8eを本例の位置よりも修正液1側へ設けるとよい。本例のものは、移動隔壁8の開口部8cが拡径するが外方突部8e以外が接触しないものの例であり、これにより、接触面積が減って移動隔壁8の移動抵抗を弱めることができる。
図4に他の一例を示す。
図2相当図である図4に示したものは、移動隔壁10として、硬度70゜(デュロー硬度 タイプA)の、ニトリルゴムにより形成した筒状の弾性部10aとポリブチレンテレフタレートの射出成形品である基部10bとの二部材とからなるものとしたものである。筒状の弾性部10aの機能は上述の図2の一例と同様であるが、少なからず溶剤によって膨潤してしまう弾性材料の体積膨張率に対して、元の体積を小さくすることによって、体積の増加量、(拡径量)を抑えることになり、軸2の内壁に付与する移動抵抗が必要以上に増大して、移動隔壁10の移動が困難になってしまうことを抑制するものである。
図5〜図6に本例の移動隔壁8の配置方法について述べる。
図5は、事前に、修正液1が充填してある軸2内に移動隔壁8を押し棒11によって挿入し始めた状態を示す縦断面図である。押し棒11は、移動隔壁8を配置した後、容易に取り外しできるように、移動隔壁8の内側の径よりも小径となっている。また、押し棒11はパイプ状の吸引ノズルとしてあり、移動隔壁8の内側の底部8bに当接して、底部8bを吸引できるようにしてある。図6に示すように、底部8bを吸引することによって、まず、底部8bが、押し棒11の内部方向へ変形する。この変形に伴い、底部8bと、押し棒11の先端部11aの外周との当接部分11bを支点として移動隔壁8の側壁8bが拡径方向に変形する。この変形によって、5.0kg/cmの密閉力で、修正液1が充填してある部分が、移動隔壁8によって密閉される。そして移動隔壁8が修正液1の界面へ接触する位置まで底部8bを押し棒11によって吸引しながら移動させる。修正液1が充填してある側は、移動隔壁8によって吸引力という力によって強制的に拡径されて密閉されているため、修正液1の界面へ、移動隔壁8が接触した時に生じる1.2kg/cmの圧力では、修正液1が、移動隔壁8の外方突部8eを変形させて通過することができず、移動隔壁8の後方へ修正液1が流出してしまうことを抑制する。但し、修正液1の界面へ、移動隔壁8が接触した時に生じる圧力は、軸2や移動隔壁8の径や形状によって異なるため、押し棒11の吸引力による外方突部8eと軸2との密閉力は適宜設定する必要がある。図示はしないが、この後、圧縮空気7を充填して、尾栓9を軸2の後端開口部に接続して図1の状態の塗布具を得ることができる。
また、修正液1が充填してある側の空気を極力取り除く必要性がある場合には、軸2内に移動隔壁8を配置して、軸2の先端開口部を上向きにしてから修正液1を充填し、前軸3及びボールホルダー5を取り付け、ボール4をボールホルダー5の内縁との当接を解除した状態で、押し棒11を移動隔壁8の底部8iに接触させ吸引して拡径しながら空気が除去される位置まで、移動隔壁8を押し込んで移動させるようにしてもよい。また、予め、前軸3及びボールホルダー5を取り付けた軸2に修正液1を充填した後、移動隔壁8を塗布液と接触しない位置に仮配置し、軸2をボールホルダー5が上になるように反転させて放置し、塗布側に空気を移動させた後、前者と同様に、ボール4をボールホルダー5の内縁との当接を解除した状態で、押し棒11を移動隔壁8の底部8iに接触させ吸引して拡径しながら空気が除去される位置まで、移動隔壁8を押し込んで移動させることもできる。
いずれにしても軸2の内壁に、移動隔壁8の外方突部8fが当接した時の密閉力よりも、修正液1と移動隔壁8の底壁8aが接触した時に生じる圧力が大きくならないように注意されるべきである。
図1、図2にて示した一例のものについて、修正液1に使用されている主媒体であるメチルシクロヘキサンを吸収することによる体積変化率が+100%未満の材質にて移動隔壁8をつくり、図1に示した塗布具を組立てて、修正液1の塗布試験を行った。各材料と試験結果について表1に示す。
塗布試験
各実施例、比較例のサンプルを、手で、塗布荷重;0.98N、塗布角度;70°、塗布速度;1文字3sec、塗布方法;縦方向に塗布先を往復させる、文字サイズ;4mm角
の塗布条件で、5文字塗布毎に修正液吐出量を測定し、これを連続して3度行うと共に、文字の隠蔽の有無及びカスレの有無を目視確認した。隠蔽しない;文字上に修正液が塗布されているが文字が透けて見えてしまう状態。
カスレ;塗布跡に本来修正液が付いていなくてはならない部分に修正液が付いていない部分がある状態。
Figure 2005153497
尚、試験に用いた修正液の組成は以下の通りである。
TITANIX JR805(酸化チタン、テイカ(株)製) 55.0重量部
アクリロイドB67(アクリル樹脂、ロームアンドハース社製) 9.0重量部
メチルシクロヘキサン 35.0重量部
ホモゲノールL18(ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、花王(株)製)
1.0重量部
一例を示す縦断面図。 図1のI部拡大縦断面図。 変形例を示す図2相当図。 他の一例を示す図2相当図。 製造方法を示す要部縦断面図。 製造方法を示す要部縦断面図。
符号の説明
1 修正液
2 軸
3 前軸
4 ボール
5 ボールホルダー
6 コイルスプリング
7 圧縮空気
8 移動隔壁
8a 内壁
8b 底壁
8c 開口部
8d 外壁
8e 外方突部
9 尾栓
10 移動隔壁
10a 弾性部
10b 基部
11 押し棒
11a 先端部
11b 当接部分

Claims (6)

  1. 容器内にこの容器の内壁に周状に摺接しながら移動可能な隔壁を配置し、隔壁の塗布先側に塗布液を収容すると共に、隔壁の後方に圧縮気体を密閉して収容し、圧縮気体の押圧力にて隔壁を塗布先側に移動させて、塗布液の塗布先よりの吐出支援をなす塗布具において、前記隔壁の少なくとも前記容器の内壁と周状に摺接する部分が弾性を有すると共に、この摺接する部分が前記圧縮気体の押圧力によって拡径する部分に配置されている塗布具。
  2. 前記隔壁が、弾性変形可能な材料にて形成されていると共に、有底筒状であり、側壁の外周面に周状に連続もしくは均等非連続に突起を形成し、この側壁の肉厚が後端から底部までの距離未満の長さである請求項1記載の塗布具。
  3. 前記塗布液が少なくとも白色顔料と主媒体としてのメチルシクロヘキサンとからなる修正液であり、前記隔壁がポリエステル系、ニトリル系、ポリアミド系、フッ素系の熱可塑性エラストマー、水素化ニトリルゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴムの一種若しくは二種以上の混合物である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の塗布具。
  4. 前記隔壁の材質が、メチルシクロヘキサンを吸収することによる体積変化率が+100%未満のものである請求項4に記載の塗布具。
  5. 前記容器が収容する塗布液を外部から視認可能とする透明若しくは半透明の合成樹脂成形品である請求項1乃至請求項5に記載の塗布具。
  6. 前記隔壁を容器内に挿入する塗布具の製造方法であって、容器の塗布先側先端面へ所定の量の塗布液を充填した後、隔壁の開口部分が塗布先側の反対側を向いた状態の隔壁を、塗布液と接触しない位置に仮配置するとともに、隔壁の内側底部に、この隔壁の開口部分の内径よりも小径の吸引ノズルの先端部を接触させ、吸引ノズルによって底部を吸引させることによって、底部と吸引ノズルの外周との当接部分を支点となり前記側壁が径方向に傾くことによって、傾いた側壁の外周面を容器の内壁に周状当接させながら、塗布先側から容器内に残留する空気を排出しつつ吸引ノズルを塗布先方向へ挿入する請求項1乃至請求項5記載の塗布具の製造方法。
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