JP2005153119A - ロボット装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータそのものの特性とアクチュエータの制御器が持つ特性をそれぞれ動的又は静的に制御して安定且つ高効率な動作を実現する。
【解決手段】遊脚が持ち上げられその足底が受ける床反力がゼロとなった段階において、該遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする設定を行なうことで、機械的受動性と速い応答性を持たせ、着床の瞬間の衝撃力を緩和しつつ高い帯域の追従制御を行なうことができるようにする。
【選択図】図20

Description

本発明は、ロボットや汎用組立機器、ロボット・ハンド機器、その他の多軸制御装置などのような多軸駆動系の機械装置に係り、特に、直列補償の比例ゲイン、位相補償要素から成り立つ位置制御系を構成するアクチュエータのサーボ制御器によって各関節部位が構成されるロボット装置に関する。
さらに詳しくは、本発明は、高ゲインPD制御で各軸リンクが制御される2足歩行のロボット装置に係り、特に、ロボットの歩行を始めとしてさまざまな動作の実行時においてアクチュエータそのものの特性並びにアクチュエータの制御器が持つ特性を動的又は静的に制御することにより安定且つ高効率な動作を実現するロボット装置に関する。
また、本発明は、階段の昇降を始めとしてさまざまな動作の実行時においてアクチュエータそのものの特性とアクチュエータのサーボ制御器が持つ特性をそれぞれ動的又は静的に制御することにより安定且つ高効率な動作を実現する脚式移動ロボットに関する。
また、本発明は、機体の旋回を始めとしてさまざまな動作の実行時においてアクチュエータそのものの特性とアクチュエータの制御器が持つ特性をそれぞれ動的又は静的に制御することにより安定且つ高効率な動作を実現するロボット装置に関する。
電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置のことを「ロボット」という。ロボットの語源は、スラブ語の“ROBOTA(奴隷機械)”に由来すると言われている。わが国では、ロボットが普及し始めたのは1960年代末からであるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボットなどの産業用ロボット(industrial robot)であった。
アーム式ロボットのように、ある特定の場所に植設して用いるような据置きタイプのロボットは、部品の組立・選別作業など固定的・局所的な作業空間でのみ活動する。これに対し、移動式のロボットは、作業空間は非限定的であり、所定の経路上または無経路上を自在に移動して、所定の若しくは任意の人的作業を代行したり、ヒトやイヌあるいはその他の生命体に置き換わる種々の幅広いサービスを提供したりすることができる。なかでも脚式の移動ロボットは、クローラ式やタイヤ式のロボットに比し不安定で姿勢制御や歩行制御が難しくなるが、階段や梯子の昇降や障害物の乗り越えや、整地・不整地の区別を問わない柔軟な歩行・走行動作を実現できるという点で優れている。
最近では、イヌやネコのように4足歩行の動物の身体メカニズムやその動作を模したペット型ロボット、あるいは、ヒトのような2足直立歩行を行う動物の身体メカニズムや動作をモデルにしてデザインされた「人間形」若しくは「人間型」と呼ばれるロボット(humanoid robot)など、脚式移動ロボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高まってきている。
この種の脚式移動ロボットは、一般に、多数の関節自由度を備え、関節の動きをアクチュエータ・モータで実現するようになっている。また、各モータの回転位置、回転量などを取り出して、サーボ制御を行なうことにより、所望の動作パターンを再現するとともに、姿勢制御を行なうようになっている。
多軸駆動系の機械装置においては、各軸の回転位置を高精度に安定に検出して、位置指令により正確に動作させる必要がある。特に、人間型ロボットのような2足直立型の脚式移動ロボットにおいては、機体に電源を投入した直後からロボットは自分の姿勢位置を自律的に確認して、安定な姿勢位置に各軸を移動させる必要がある。したがって、各関節の回転自由度を与えるサーボ・アクチュエータにおいては、より高精度で高速の位置決め制御、並びに高トルク出力を低消費電力で行なわなければならない。
脚式移動ロボットは、基本的には、回転関節で構成される「肢」を複数備えているが、安定した2足歩行や安定した双腕作業など、外界や作業対象に対して、閉リンク状態と開リンク状態の切替え動作を高速に行なうことが求められている。
例えば、左右の可動脚による単脚支持期及び両脚支持期を交互に繰り返すことによって、歩行や階段の昇降、機体の旋回、あるいはその他のさまざまな脚式作業を実行することができる。ここで、単脚支持から両脚支持に移行する場合のように、脚式移動ロボットが床面や壁面などとの間で開リンク機構から閉リンク機構に遷移する際には、例えば着床する足先において、制御上の予測値と実測値とのギャップが発生することがしばしばある。
このような予測と実測とのギャップにより、足先が着床すると予測された時点では未だ床面に到達していない「剥離」や、逆に足先が着床すると予測された時点よりも早く床面に到達してしまう「衝突」といった現象を招来する。これら、床面との剥離や衝突は、機体が転倒するなど、脚式移動ロボットの姿勢安定制御に大きな影響を及ぼす。
従来は、肢の先に配設した力センサ情報や、関節を駆動するアクチュエータからのトルク情報などを用いて、ソフトウェアによるフィードバック制御によって、開リンク状態から閉リンク状態への切替え動作を高速に行なうことが試みられてきた。しかしながら、この方法による安定動作の実現は、非現実的と言えるほど、高速なフィードバック周期、高い関節駆動分解能、高い関節駆動速度並びに加速度が要求され、技術的に極めて困難である。
また、2足歩行(人間型)を始めとする多軸型のロボットにおいて、運動制御理論から見た関節各部位は高ゲインPD制御で各軸リンクが制御され、それらが一定の特性のまま動作するのが一般的である。
しかしながら、人間の動作研究の結果からも分かるように、安定且つ高効率な動作を実現するには局所的に力を増減させることや関節各部位のコンプライアンス(機械的受動性)を増減させることが重要である、と本発明者らは思料する。
位置制御系として関節各軸の動作を捉えたときは高ゲイン且つ高帯域なサーボ制御器を使って、制御偏差が少なくなるように制御した方がよいが、力学モデルとして捉えたときはポテンシャル・エネルギーや運動エネルギの作用を考慮してゲインを低くしたり位相補償している周波数帯を上下させたりすることも同時に行なうとよい。
ところが、ロボットの機体上でそのような制御を実現するにはアクチュエータそのものの特性と、アクチュエータの制御器の特性が持つ特性をそれぞれ動的・静的に制御する機能が必要になる。
例えば、既知ないし未知の歩行路面でも安定して歩行することができる脚式移動ロボットの歩行制御装置に関する提案がなされている。すなわち、2足歩行の脚式移動ロボットで上体に腕を備えた人体類似の構造を有するものにおいて、歩行路面で摩擦力が低下して安定性が低下したとき、状態を駆動して安定性を確保ないし回復することができる(例えば、特許文献1を参照のこと)。しかしながら、これはフィード・フォワード・ゲインを制御することによって実現するものであり、関節の粘性や周波数特性に対する言及はなく、また、コンプライアンスの有無といった概念もない。
また、簡易な構成でありながら、階段などを安定して昇降できるとともに、高速に移動することができる移動ロボットの制御装置に関する提案がなされている。この移動ロボットの制御装置は、階段などの着地位置が制約される環境を移動するとき、歩行のある時点、例えば支持脚離床時にのみ目標着地位置と実際着地位置との誤差を検出して歩容を修正するものである(例えば、特許文献2を参照のこと)。しかしながら、これは、階段昇降などのときに着地点の位置情報から次の一歩の歩容生成を行なうものであり、階段昇降時の各関節部位の特性について言及するものではない。
また、各関節の時系列的な動作からなる基本動作ユニット並びに基本動作の組み合わせからなる復号動作ユニットを用いて所定の行動シーケンスを発現する脚式移動ロボットについて提案されている。この場合、ロボットの歩行を含む動作様式を動作単位としての動作ユニットに分類し、1以上の動作ユニットを組み合わせて複雑且つ多彩な機体動作を実現することができる(例えば、特許文献3を参照のこと)。しかしながら、機体の旋回動作時における関節アクチュエータやそのサーボ制御器が発揮すべき特性に関しては特に言及がない。
特開平7−205069号公報 特開平6−63876号公報 特開2002−210680号公報
本発明の目的は、ロボットの歩行を始めとしてさまざまな動作の実行時において、アクチュエータそのものの特性とアクチュエータの制御器が持つ特性をそれぞれ動的又は静的に制御することにより安定且つ高効率な動作を実現することができる、優れたロボット装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、階段の昇降動作の実行時において、アクチュエータそのものの特性とアクチュエータのサーボ制御器が持つ特性をそれぞれ動的又は静的に制御することにより安定且つ高効率な動作を実現することができる、優れた2足歩行のロボット装置を提供することにある。
本発明の目的は、機体の旋回動作の実行時において、アクチュエータそのものの特性とアクチュエータの制御器が持つ特性をそれぞれ動的又は静的に制御することにより安定且つ高効率な動作を実現することができる、優れたロボット装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、複数の可動部を含むロボット装置であって、
前記の可動部を動作させるアクチュエータと、
前記アクチュエータにおける、サーボ制御器のゲイン、位相補償制御、粘性抵抗のうち少なくとも1つの制御を行なうアクチュエータ特性制御手段と、
を具備することを特徴とするロボット装置である。ここで言うロボット装置は、例えば脚式移動ロボットのような多関節型のロボット装置のことであり、アクチュエータは、関節駆動用のアクチュエータに相当する。
本発明によれば、脚式移動ロボットの各関節部位を構成するアクチュエータのサーボ制御器において、比例ゲインと位相補償要素を調整することにより、ロボットの関節各部位において必要な位置決め精度、機械的受動性(コンプライアンス)、動作速度を任意に設定することができる。
また、アクチュエータ・モータのコイルへの非通電時においてコイルを間歇的に短絡状態又はオープン状態に切り替えることによって、モータの粘性抵抗を調整し振動などの外乱に対するロバスト性を変更することができる。
さらに、これらアクチュエータのサーボ制御器におけるゲイン及び位相補償制御とアクチュエータ・モータの粘性抵抗の制御とを組み合わせることによって、位置決め精度が重要な部分に適用することができるアクチュエータの周波数特性、あるいは高速応答性とコンプライアンスが重要となる部分に適用することができるアクチュエータの周波数特性を得ることができる。
ここで、前記アクチュエータ特性制御手段は、アクチュエータの特性を「低域ゲインを大きく」、「高い周波数領域で位相進み量を小さく」、「関節の粘性抵抗を大きく」する設定を行なうことで、高精度な位置決め制御が可能となり、姿勢の安定性が増す。また、前記アクチュエータ特性制御手段は、アクチュエータの特性を「低域ゲインを小さく」、「位相進み量を大きく」、「関節の粘性抵抗を小さく」する設定を行なうことで、機械的受動性と速い応答性を持たせることができるので、着床の瞬間の衝撃力を緩和しつつ高い帯域の追従制御を行なうことができる。
例えば、遊脚にこのようなアクチュエータ特性を適用することで、脚に機械的受動性を与えることができるので、歩行動作中に脚を振り上げたときの位置エネルギを次の振り下ろす動作時に動作補助のエネルギとして使い易くなる。これによって、エネルギ消費が少なくなり、機体駆動用のバッテリの消耗を抑えることができる。
また、前記アクチュエータ特性制御手段は、脚式移動作業の段階毎に、各関節部位のアクチュエータを、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性と、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性との間で切り替えるようにしてもよい。
例えば、前記アクチュエータ特性制御手段は、歩行動作を開始する段階において、膝関節ピッチ軸、足首ロール軸及びピッチ軸、体幹ロール軸、ピッチ軸及びヨー軸、股関節ロール軸及びピッチ軸、首ピッチ軸の各関節部位のアクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きくする設定を行ない、これらの各関節部位を高精度な位置決め制御が可能とし、姿勢の安定性を増すようにする。また、肩ピッチ軸及び肘ピッチ軸の各関節のアクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする設定を行ない、機械的受動性と速い応答性を持たせるようにする。
また、前記アクチュエータ特性制御手段は、遊脚が持ち上げられその足底が受ける床反力がゼロとなった段階において、該遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする設定を行なうことで、機械的受動性と速い応答性を持たせ、着床の瞬間の衝撃力を緩和しつつ高い帯域の追従制御を行なうことができるようにする。
また、前記アクチュエータ特性制御手段は、遊脚の歩行動作が進行して該遊脚が着床しその足底が受ける床反力が両脚支持期のそれとほぼ同じになった段階において、該遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きく設定を行なうことで、着床時の遊脚の高精度な位置決め制御を可能にする。
また、肩〜遊脚にこのようなアクチュエータ特性を適用することで、脚に機械的受動性を与えることができるので、歩行動作中に脚を振り上げたときの位置エネルギを次の振り下ろす動作時に動作補助のエネルギとして使い易くなる。これによって、エネルギ消費が少なくなり、機体駆動用のバッテリの消耗を抑えることができる。
ここで、前記アクチュエータ特性制御手段は、アクチュエータの特性を「低域ゲインを大きく」、「高い周波数領域で位相進み量を小さく」、「関節の粘性抵抗を大きく」する設定を行なうことで、高精度な位置決め制御が可能となり、姿勢の安定性が増す。したがって、歩行動作の各段階において、位置決め精度が優先される各関節を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性に設定するとよい。
また、前記アクチュエータ特性制御手段は、アクチュエータの特性を「低域ゲインを小さく」、「位相進み量を大きく」、「関節の粘性抵抗を小さく」する設定を行なうことで、機械的受動性と速い応答性を持たせることができるので、着床の瞬間の衝撃力を緩和しつつ高い帯域の追従制御を行なうことができる。したがって、歩行動作の各段階において、機械的受動性又は高速応答性が優先される各関節を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性に設定するとよい。
前記脚式移動ロボットの機体は、略平行な関節自由度を持つ複数の関節軸を長さ方向に連結した多リンク構造体で構成される。歩行動作の途上では、この多リンク構造体の着床部位と床面がなすリンク状態が開リンク状態と閉リンク状態との間で数回切り替わる。このようにリンク状態が切り替わる各段階において、各関節を駆動するためのアクチュエータに優先される特性が、位置決め精度、機械的受動性又は高速応答性の間で切り替わるので、これに応じて第1のアクチュエータ特性と第2のアクチュエータ特性との間で切り替えるようにすればよい。
また、前記アクチュエータ特性制御手段は、階段昇降作業上で階段を昇る又は降りる前の両脚支持の段階において、すべての関節部位のアクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう。
次いで、階段を昇る又は降りるために一歩目を踏み出した段階において、遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする設定を行なう。
次いで、階段の一段上又は下に一歩目の足が着床した段階において、すべての関節部位のアクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう。
次いで、一段上又は下に着床している足が支持脚となり、支持脚だった2歩目を引き上げた段階において、遊脚側の足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする設定を行なう。
次いで、一段上又は下に着床している足が支持脚となり、支持脚だった2歩目を引き上げた段階において、遊脚側の足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする設定を行なう。
ここで、前記アクチュエータ特性制御手段は、アクチュエータの特性を「低域ゲインを大きく」、「高い周波数領域で位相進み量を小さく」、「関節の粘性抵抗を大きく」する設定を行なうことで、高精度な位置決め制御が可能となり、姿勢の安定性が増す。したがって、階段昇降動作の各段階において、位置決め精度が優先される各関節を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性に設定するとよい。
また、前記アクチュエータ特性制御手段は、アクチュエータの特性を「低域ゲインを小さく」、「位相進み量を大きく」、「関節の粘性抵抗を小さく」する設定を行なうことで、機械的受動性と速い応答性を持たせることができるので、着床の瞬間の衝撃力を緩和しつつ高い帯域の追従制御を行なうことができる。したがって、階段昇降動作の各段階において、機械的受動性又は高速応答性が優先される各関節を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性に設定するとよい。
前記脚式移動ロボットの機体は、略平行な関節自由度を持つ複数の関節軸を長さ方向に連結した多リンク構造体で構成される。階段昇降動作の途上では、この多リンク構造体の着床部位と床面がなすリンク状態が開リンク状態と閉リンク状態との間で数回切り替わる。このようにリンク状態が切り替わる各段階において、各関節を駆動するためのアクチュエータに優先される特性が、位置決め精度、機械的受動性又は高速応答性の間で切り替わるので、これに応じて第1のアクチュエータ特性と第2のアクチュエータ特性との間で切り替えるようにすればよい。
また、前記アクチュエータ特性制御手段は、機体の旋回動作を開始する段階において、機体を構成するすべての関節部位のアクチュエータの特性に対して低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きくする設定を行ない、これらの各関節部位を高精度な位置決め制御が可能とし、姿勢の安定性を増すようにする。
また、前記アクチュエータ特性制御手段は、遊脚が持ち上げられその足底が受ける床反力がゼロとなった段階において、該遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする設定を行なうことで、機械的受動性と速い応答性を持たせ、着床の瞬間の衝撃力を緩和しつつ高い帯域の追従制御を行なうことができるようにする。
また、前記アクチュエータ特性制御手段は、旋回動作が進行して該遊脚が着床しその足底が受ける床反力が両脚支持期のそれとほぼ同じになった段階において、該遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きく設定を行なうことで、着床時の遊脚の高精度な位置決め制御を可能にする。
また、遊脚にこのようなアクチュエータ特性を適用することで、脚に機械的受動性を与えることができるので、旋回動作中に脚を振り上げたときの位置エネルギを次の振り下ろす動作時に動作補助のエネルギとして使い易くなる。これによって、エネルギ消費が少なくなり、機体駆動用のバッテリの消耗を抑えることができる。
ここで、前記アクチュエータ特性制御手段は、アクチュエータの特性を「低域ゲインを大きく」、「高い周波数領域で位相進み量を小さく」、「関節の粘性抵抗を大きく」する設定を行なうことで、高精度な位置決め制御が可能となり、姿勢の安定性が増す。したがって、旋回動作の各段階において、位置決め精度が優先される各関節を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性に設定するとよい。
また、前記アクチュエータ特性制御手段は、アクチュエータの特性を「低域ゲインを小さく」、「位相進み量を大きく」、「関節の粘性抵抗を小さく」する設定を行なうことで、機械的受動性と速い応答性を持たせることができるので、着床の瞬間の衝撃力を緩和しつつ高い帯域の追従制御を行なうことができる。したがって、旋回動作の各段階において、機械的受動性又は高速応答性が優先される各関節を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性に設定するとよい。
前記脚式移動ロボットの機体は、略平行な関節自由度を持つ複数の関節軸を長さ方向に連結した多リンク構造体で構成される。旋回動作の途上では、この多リンク構造体の着床部位と床面がなすリンク状態が開リンク状態と閉リンク状態との間で数回切り替わる。このようにリンク状態が切り替わる各段階において、各関節を駆動するためのアクチュエータに優先される特性が、位置決め精度、機械的受動性又は高速応答性の間で切り替わるので、これに応じて第1のアクチュエータ特性と第2のアクチュエータ特性との間で切り替えるようにすればよい。
本発明によれば、ロボットの歩行を始めとしてさまざまな動作の実行時においてアクチュエータそのものの特性とアクチュエータの制御器が持つ特性をそれぞれ動的又は静的に制御することにより安定且つ高効率な動作を実現することができる、優れたロボット装置を提供することができる。
また、本発明によれば、ロボットの歩行動作の各段階において、各関節部位のアクチュエータを、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性と、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性との間で動的に切り替えることによって、歩行動作中に脚を振り上げたときの位置エネルギを次の振り下ろす動作時に動作補助のエネルギとして使い易くなる。その結果、エネルギ消費が少なくなり、機体駆動用電源としてのバッテリの消費量も少なくなる。
また、本発明によれば、階段の昇降動作の各段階において、各関節部位のアクチュエータを、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性と、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性との間で動的に切り替えることによって、昇降動作中に脚を振り上げたときの位置エネルギを次の振り下ろす動作時に動作補助のエネルギとして使い易くなる。これによって、エネルギ消費が少なくなり、機体駆動用のバッテリの消耗を抑えることができる。
また、本発明によれば、機体の旋回動作の各段階において、各関節部位のアクチュエータを、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、関節の粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性と、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、関節の粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性との間で動的に切り替えることによって、旋回動作中に脚を振り上げたときの位置エネルギを次の振り下ろす動作時に動作補助のエネルギとして使い易くなる。その結果、エネルギ消費が少なくなり、機体駆動用電源としてのバッテリの消費量も少なくなる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
A.脚式移動ロボットの機械的構成
図1及び図2には本発明の実施に供される「人間形」又は「人間型」の脚式移動ロボットが直立している様子を前方及び後方の各々から眺望した様子を示している。図示の通り、脚式移動ロボットは、胴体部と、頭部と、左右の上肢部と、脚式移動を行う左右2足の下肢部とで構成され、例えば胴体に内蔵されている制御部(図示しない)により機体の動作を統括的にコントロールするようになっている。
左右各々の下肢は、大腿部と、膝関節と、脛部と、足首と、足平とで構成され、股関節によって体幹部の略最下端にて連結されている。また、左右各々の上肢は、上腕と、肘関節と、前腕とで構成され、肩関節によって体幹部の上方の左右各側縁にて連結されている。また、頭部は、首関節によって体幹部の略最上端中央に連結されている。
制御部は、この脚式移動ロボットを構成する各関節アクチュエータの駆動制御や各センサ(後述)などからの外部入力を処理するコントローラ(主制御部)や、電源回路その他の周辺機器類を搭載した筐体である。制御部は、その他、遠隔操作用の通信インターフェースや通信装置を含んでいてもよい。ここで言う、関節アクチュエータの駆動制御には、関節角の角度位置制御や角速度制御、角加速度の他に、アクチュエータのサーボ・ゲインのコントロール、粘性のコントロールを含むものとする。
このように構成された脚式移動ロボットは、制御部による全身協調的な動作制御により、2足歩行を実現することができる。かかる2足歩行は、一般に、以下に示す各動作期間に分割される歩行周期を繰り返すことによって行なわれる。すなわち、
(1)右脚を持ち上げた、左脚による単脚支持期
(2)右足が接地した両脚支持期
(3)左脚を持ち上げた、右脚による単脚支持期
(4)左足が接地した両脚支持期
脚式移動ロボットにおける歩行制御は、あらかじめ下肢の目標軌道を計画し、上記の各期間において計画軌道の修正を行なうことによって実現される。すなわち、両脚支持期では、下肢軌道の修正を停止して、計画軌道に対する総修正量を用いて腰の高さを一定値で修正する。また、単脚支持期では、修正を受けた脚の足首と腰との相対位置関係を計画軌道に復帰させるように修正軌道を生成する。
歩行動作の軌道修正を始めとして、機体の姿勢安定制御には、一般に、ZMPを歩行の安定度判別の規範として用いる。すなわち、ZMPに対する偏差を小さくするための位置、速度、及び加速度が連続となるように、5次多項式を用いた補間計算により行なう。ZMPによる安定度判別規範は、歩行系から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが路面から歩行系への反作用としての床反力並びに床反力モーメントとバランスするという「ダランベールの原理」に基づく。力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成する支持多角形の内側にピッチ軸及びロール軸モーメントがゼロとなる点、すなわちZMP(Zero Moment Point)が存在する。
図3には、この脚式移動ロボットが具備する関節自由度の構成例を模式的に示している。同図に示すように、脚式移動ロボットは、2本の腕部と頭部1を含む上肢と、移動動作を実現する2本の脚部からなる下肢と、上肢と下肢とを連結する体幹部とで構成された、複数の肢を備えた構造体である。
頭部を支持する首関節(Neck)は、首関節ヨー軸1と、第1及び第2の首関節ピッチ軸2A及び2Bと、首関節ロール軸3という4自由度を有している。
また、各腕部は、その自由度として、肩(Shoulder)における肩関節ピッチ軸4と、肩関節ロール軸5と、上腕ヨー軸6、肘(Elbow)における肘関節ピッチ軸7と、手首(Wrist)における手首関節ヨー軸8と、手部とで構成される。手部は、実際には、複数本の指を含む多関節・多自由度構造体である。
また、体幹部(Trunk)は、体幹ピッチ軸9と、体幹ロール軸10という2自由度を有する。
また、下肢を構成する各々の脚部は、股関節(Hip)における股関節ヨー軸11と、股関節ピッチ軸12と、股関節ロール軸13と、膝(Knee)における膝関節ピッチ軸14と、足首(Ankle)における足首関節ピッチ軸15と、足首関節ロール軸16と、足部とで構成される。
左右の股関節を繋ぐ骨盤に相当する腰部付近の部位のことを、「基体」と呼ぶ。基体は、質量操作量が大きいことから、脚式移動ロボットの姿勢安定性制御における重要な制御目標点となる。
B.脚式移動ロボットの制御システム構成
図4には、脚式移動ロボット100の制御システム構成を模式的に示している。同図に示すように、脚式移動ロボット100は、ヒトの四肢を表現した各機構ユニット30、40、50R/L、60R/Lと、各機構ユニット間の協調動作を実現するための適応制御を行なう制御ユニット80とで構成される(但し、R及びLの各々は、右及び左をそれぞれ示す接尾辞である。以下同様)。
脚式移動ロボット100全体の動作は、制御ユニット80によって統括的に制御される。制御ユニット80は、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどの主要回路コンポーネント(図示しない)で構成される主制御部81と、電源回路やロボット100の各構成要素とのデータやコマンドの授受を行なうインターフェース(いずれも図示しない)などを含んだ周辺回路82とで構成される。
本発明を実現する上で、この制御ユニット80の設置場所は特に限定されない。図4に示す例では体幹部ユニット40に搭載されているが、頭部ユニット30に搭載してもよい。あるいは、脚式移動ロボット100外に制御ユニット80を配備して、脚式移動ロボット100の機体とは有線若しくは無線で交信するようにしてもよい。
図3に示した脚式移動ロボット100内の各関節自由度は、それぞれに対応するモータ又はその他のタイプのアクチュエータによって実現される。すなわち、頭部ユニット30には、首関節ヨー軸1、第1及び第2の首関節ピッチ軸2A及び2B、首関節ロール軸3の各々を表現する首関節ヨー軸アクチュエータA1、第1及び第2の首関節ピッチ軸アクチュエータA2A、A2B、首関節ロール軸アクチュエータA3がそれぞれ配設されている。
また、体幹部ユニット40には、体幹ピッチ軸9、体幹ロール軸10の各々を表現する体幹ピッチ軸アクチュエータA9、体幹ロール軸アクチュエータA10が配設されている。
また、腕部ユニット50R/Lは、上腕ユニット51R/Lと、肘関節ユニット52R/Lと、前腕ユニット53R/Lに細分化されるが、肩関節ピッチ軸4、肩関節ロール軸5、上腕ヨー軸6、肘関節ピッチ軸7、手首関節ヨー軸8の各々の自由度を表現する肩関節ピッチ軸アクチュエータA4、肩関節ロール軸アクチュエータA5、上腕ヨー軸アクチュエータA6、肘関節ピッチ軸アクチュエータA7、手首関節ヨー軸アクチュエータA8が配設されている。
また、脚部ユニット60R/Lは、大腿部ユニット61R/Lと、膝ユニット62R/Lと、脛部ユニット63R/Lに細分化されるが、股関節ヨー軸11、股関節ピッチ軸12、股関節ロール軸13、膝関節ピッチ軸14、足首関節ピッチ軸15、足首関節ロール軸16の各々の自由度を表現する股関節ヨー軸アクチュエータA11、股関節ピッチ軸アクチュエータA12、股関節ロール軸アクチュエータA13、膝関節ピッチ軸アクチュエータA14、足首関節ピッチ軸アクチュエータA15、足首関節ロール軸アクチュエータA16が配設されている。
各関節に用いられるアクチュエータA1、A2、A3…は、より好ましくは、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニット内に搭載したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータで構成することができる。この種のACサーボ・アクチュエータに関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特開2000−299970号公報(特願平11−33386号明細書)に開示されている。
頭部ユニット30、体幹部ユニット40、腕部ユニット50、各脚部ユニット60などの各機構ユニット毎に、アクチュエータ駆動制御用の副制御部35、45、55、65が配設されている。
機体の体幹部40には、加速度センサ95と姿勢センサ96が配設されている。加速度センサ95は、X、Y、Z各軸方向に配置する。機体の腰部に加速度センサ95を配設することによって、質量操作量が大きな部位である腰部すなわち基体を制御目標点として設定して、その位置における姿勢や加速度を直接計測して、ZMPに基づく姿勢安定制御を行なうことができる。
また、各脚部60R並びに60Lには、接地確認センサ91及び92と、加速度センサ93及び94がそれぞれ配設されている。接地確認センサ91及び92は、例えば足底に圧力センサを装着することにより構成され、床反力の有無により足底が着床したか否かを検出することができる。また、加速度センサ93及び94は、少なくともX及びYの各軸方向に配置する。左右の足部に加速度センサ93及び94を配設することにより、ZMP位置に最も近い足部で直接ZMP方程式を組み立てることができる。
質量操作量が大きな部位である腰部にのみ加速度センサを配置した場合、腰部すなわち基体のみが直接的な制御目標点になり、足部の状態は、この制御目標点の計算結果を基に相対的に算出しなければならず、足部と路面との間では以下の条件を満たすことが、前提となってしまう。
(1)路面はどんな力やトルクが作用しても動くことがない。
(2)路面での並進に対する摩擦係数は充分に大きく、滑りが生じない。
これに対し、本実施形態では、路面との接触部位である足部にZMPと力を直接する反力センサ・システム(床反力センサなど)を配備するとともに、制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサを配設する。この結果、ZMP位置に最も近い足部で直接ZMP釣合い方程式を組み立てることができ、上述したような前提条件に依存しない、より厳密な姿勢安定制御を高速で実現することができる。この結果、力やトルクが作用すると路面が動いてしまう砂利上や毛足の長い絨毯上や、並進の摩擦係数が充分に確保できずに滑りが生じ易い住居のタイルなどであっても、機体の安定歩行(運動)を保証することができる。
主制御部80は、各センサ91〜96の出力に応答して制御目標をダイナミックに補正することができる。より具体的には、副制御部35、45、55、65の各々に対してそれぞれ適応的な制御を行ない、脚式移動ロボット100の上肢、体幹、及び下肢が協調して駆動する全身運動パターンを実現する。
ロボット100の機体上での全身運動は、足部運動、ZMP軌道、体幹運動、上肢運動、腰部高さなどを設定するとともに、これらの設定内容に従った動作を指示するコマンドを各副制御部35、45、55、65に転送する。そして、各々の副制御部35、45…では、主制御部81からの受信コマンドを解釈して、各アクチュエータA1、A2、A3…に対して駆動制御信号を出力する。ZMPは歩行中の床反力によるモーメントがゼロとなる床面上の点のことであり、ここで言う「ZMP軌道」とは、例えばロボット100の歩行動作期間中にZMPが動く軌跡を意味する。
C.アクチュエータ特性の制御
C−1.アクチュエータの動作速度、機械的受動性
脚式移動ロボットの機体を、略平行な関節自由度を持つ複数の関節軸を長さ方向に連結した多リンク構造体として捉えることができる。歩行動作や、転倒動作、床上姿勢からの起き上がり動作などの各脚式動作の途上では、この多リンク構造体の着床部位と床面がなすリンク状態が開リンク状態と閉リンク状態との間で数回切り替わる。
本出願人に既に譲渡されている特願2001−233691号明細書には、外界や作業対象に対して、閉リンク状態と開リンク状態の繰り替え動作を高速に行なう脚式移動ロボットについて開示されている。すなわち、1以上の回転型関節(1関節当り2自由度以上備えていてもよい)で構成される肢を持つロボットにおいて、各肢に動的閉合誤差を除去するに最低限必要な受動自由度(減速機のバックラッシュなど)を配し、さらに各肢の可動範囲を適切に管理する。たとえ、関節部を駆動するアクチュエータがトルク情報を取得する手段を持たない場合であっても、閉リンク状態と開リンク状態の高速切替え動作を安定に実現する。このような閉リンク状態と開リンク状態の高速切替え動作は、2足歩行ロボットにおいて、腰部基準座標に近い部位にバックラッシュ量が少ないギアードモータを配置する一方、手先・足先に近い部位にバックラッシュ量が多いギアードモータを配置し最適な特性を得ることにより実現し、ロボットのデザインを最適化することができる。
また、動作期間中におけるリンク状態の切り替わりに対してロボットを最適化する第2の方法として、各関節軸アクチュエータにおける位置サーボ補償器の開ループ・ゲインを任意に調整することで、位置エラー偏差量を制御する。すなわち、バックラッシュ量が均一の場合にはサーボ・ゲインの大小によるサーボ偏差をバックラッシュ量に見立て、それを制御することで、動的閉合誤差を除去するための受動自由度を得ることができる。
本実施形態では、後者の最適化方法をさらに拡張し、サーボ制御器の比例ゲインだけでなく位相補償要素も関節各部位で調整する。
図5には、アクチュエータのサーボ制御器の構成を示している。同図に示すように、サーボ制御器は、直列補償の比例ゲインKと位相補償要素C(s)という2つの制御要素を持ち、比例ゲインだけでなく位相補償要素も関節各部位で調整する。また、図6には、図5に示したモータと減速機についての伝達関数表現モデルのゲイン及び位相の周波数特性を示している。
ここで、位相補償要素は以下の式で表される。但し、n、mは任意の自然数であり、また、ai、biは任意の実数であり、状態変数を表現した場合はフィードバック・ゲインに相当する。また、sはラプラス演算子である。
Figure 2005153119
また、モータと減速器の伝達関数表現モデルG(s)は以下の式で表される。但し、Kはモータ・ゲインであり、Jはモータの慣性モーメントであり、Dはモータの粘性抵抗係数である。
Figure 2005153119
まず、図5に示したサーボ制御器において、位相補償型制御の設計例として位相補償帯域を任意に選択する例(位相補償量が一定で周波数帯域を任意に選ぶ)について、図7を参照しながら説明する。同図において、
(1)C(s)−1:1.0〜100Hzの帯域で約+5.6dBのゲイン増幅、約+18degの位相進みを与えている。
(2)C(s)−2:0.1〜10Hzの帯域で約+5.6dBのゲイン増幅、約+18degの位相進みを与えている。
(3)C(s)−3:10〜1kHzの帯域で約+5.6dBのゲイン増幅、約+18degの位相進みを与えている。
このように、位相補償を施す周波数帯域を任意に選択することで、アクチュエータの周波数特性を自在に設定することができる。したがって、このようなアクチュエータで構成されるロボットの関節軸は、機体の姿勢や動作の局面に応じて、周波数特性を動的に調整することができる。
なお、図7に示す例では、位相進み補償の例を示したが、位相遅れ補償場合も同様に任意の周波数帯域で任意の位相遅れ量を設定することができる。
次いで、図5に示したサーボ制御器において、位相補償型制御の設計例として位相補償を施す量を任意に選択する例(周波数帯域が一定で位相補償量を任意に選ぶ)について、図8を参照しながら説明する。同図において、
(4)C(s)−4:4.0〜70Hzの帯域で約+3.5dBのゲイン増幅、約+12degの位相進みを与えている。
(5)C(s)−5:2.0〜70Hzの帯域で約+5.6dBのゲイン増幅、約+18degの位相進みを与えている。
(6)C(s)−6:1.0〜70Hzの帯域で約+6.5dBのゲイン増幅、約+21degの位相進みを与えている。
このように、位相補償を施す量を任意に選択することで、アクチュエータの周波数特性を自在に設定することができる。したがって、このようなアクチュエータで構成されるロボットの関節軸は、機体の姿勢や動作の局面に応じて、周波数特性を動的に調整することができる。
なお、図8に示す例では、位相進み補償の例を示したが、位相遅れ補償の場合も同様に任意の周波数帯域で任意の位相遅れ量を設定することができる。
次いで、図5に示したサーボ制御器において、Kで示した直列補償ゲインの大小を変更する制御器の設計例について、図9を参照しながら説明する。同図は、図9において、Kを±3dBだけ上下させたことに相当する。図示の通り、直列補償ゲインの大小も任意に設定することができる。
図7〜図9に示した内容をロボットの関節軸駆動用のアクチュエータに適用するためには、これらの制御器を構成するパラメータを動的又は静的に変更するための通信プロトコルを実装する。これによって、ロボットの各関節軸にさまざまな特性を与えることができる。
次いで、これらの特性を備えたアクチュエータのサーボ制御器を実装したときのアクチュエータの特性について説明する。
図10には、図7に示したように位相補償量が一定で周波数帯域を任意に選ぶようにアクチュエータのサーボ制御器を実装したときの開ループ特性を示している。
(1)C(s)−1:1.0〜100Hzの帯域で約+5.6dBのゲイン増幅、約+18degの位相進みを与える。これによって、全体的にゲインが高めとなるので、位置決め精度と追従性がよくなるが、エネルギ・ロスとなり易い。また、負荷が大きくなると不安定になる可能性がある。
(2)C(s)−2:0.1〜10Hzの帯域で約+5.6dBのゲイン増幅、約+18degの位相進みを与える。この場合、C(s)−1とC(s)−2の中間的な特性を持つ。
(3)C(s)−3:10〜1kHzの帯域で約+5.6dBのゲイン増幅、約+18degの位相進みを与える。この場合、高域でのみ位相進み補償をしていることになるので、ゆっくりした動作時にはあまり効果が見られないが、走る、飛ぶ、踊るといった速い動作には効果がある。
このように、位相補償を施す周波数帯域を任意に選択することで、アクチュエータの周波数特性を自在に設定することができる。したがって、このようなアクチュエータで構成されるロボットの関節軸は、機体の姿勢や動作の局面に応じて、周波数特性を動的に調整することができる。
また、図11には、図10に示したうち高域でのみ位相進み補償を施した例C(s)−3においてさらに直列補償ゲインの制御を採り入れた様子を示している。この場合、図5に示した例と同様に、同位相においてゲインが上下する。
図10に示した例では、位相補償例C(s)−3ではゆっくりした動作時にはあまり効果が見られないが、図11に示すように、低周波数帯域においてゲインを増やすことにより、低周波数帯域での制御偏差を少なくすることができる。この結果、ゆっくりした動作時でも指令値に対して少ない遅れで応答することが可能となる。
これらをまとめると、まず、アクチュエータの位置制御系の開ループ特性に対し、図12に示すように、全体で高いゲインとし、高域で位相進み量を小さくするような特性に設定することにより、支持脚などの位置精度が必要な部位や関節を硬くして、コンプライアンスをなくすことができる。
これに対し、アクチュエータの位置制御系の開ループ特性に対し、図13に示すように、低域で低ゲインとし、高域で位相進み量を大きくするような特性に設定することにより、遊脚などの位置精度よりも拘束応答が必要な関節部位や、関節にコンプライアンスが必要なときに適合した特性を得ることができる。
以上、アクチュエータのサーボ制御器においてサーボ制御器の比例ゲインだけでなく、位相補償要素も関節各部位で調整するメカニズムについて説明してきた。これによって、安定且つ高効率な動作を実現するには局所的に力を増減させることや関節各部位のコンプライアンス(機械的受動性)を増減させることが可能となる。
例えば、位置制御系として関節各軸の動作を捉えたときは高ゲイン且つ高帯域なサーボ制御器を使って、制御偏差が少なくなるように制御した方がよいが、力学モデルとして捉えたときはポテンシャル・エネルギや運動エネルギの作用を考慮してゲインを低くしたり位相補償している周波数帯を上下させたりすることも同時に行なうとよい。
C−2.アクチュエータ・モータの粘性抵抗
上記のC−1項で説明したようなアクチュエータの動作速度や動作時の機械的受動性という特性に加え、アクチュエータの粘性抵抗を可変に制御するという方式を採り入れることができる。
例えば、コイルへの供給電流を制御して所定の磁束分布を形成することにより回転トルクを発生させるタイプのモータは、一般に、コイル端子を電源電圧に接続する第1のトランジスタ・スイッチ群と、コイル端子を接地する第2のトランジスタ・スイッチ群からなるスイッチング動作回路をPWM制御により駆動することによって、コイル電流を制御し、所望のトルク又は回転位置、回転速度などを得るようになっている。
ここで、モータ・コイルが非通電の期間においてオープン状態となるタイミングにおいて、モータ・コイルに通電された電流(厳密には電荷)が抜けてしまうため、トルクのロスになる。またコギングによるトルクむらの影響を受け易くなる。
このような場合、モータ・コイルが非通電の期間においても、コイルがオープン状態とならない短絡(ショート)状態を形成することにより、モータ・コイルに通電された電流(厳密には電荷)が抜けないようにすることができる。このとき、モータのコイルには、永久磁石側からの磁束密度により逆起電力が発生する。この逆起電力により、モータの回転方向の逆方向に力が作用するので、外力による回転に対する粘性抵抗を作り出すことができ、ブレーキに類似した効果を得ることができる。このようなモータへの粘性抵抗により、トルク・ロスがなくコギングによるトルクむらの影響が軽減される。
一方、モータの非通電時において、このようなコイルの短絡状態を形成した場合、上述したように、モータに一種の粘性抵抗を与えることができるが、このようなモータをロボットに使用した場合、コイル・ショートによるブレーキの影響のため、コンプライアンス(機械的受動性)がなくなってしまうという問題を招来する。
そこで、モータ・コイルの非通電時におけるコイルのオープン状態と短絡状態の期間の比率を、所望の機械的特性に応じて調整することにより、モータ・コイルがオープン状態となるタイミングにおけるモータ・コイルに通電された電流(厳密には電荷)が抜けてしまうことによるトルクのロスやコギングによるトルクむらの問題と、モータ・コイルの非通電時におけるコイル・ショートによるブレーキの影響のためコンプライアンス(機械的受動性)がなくなるという問題を、ともに解決することができる。
ここで、モータ・コイルの通電及び非通電状態の比率はPWM制御により実現することができるが、さらに、モータ・コイルの非通電状態におけるコイルのオープン状態と短絡状態の期間の比率も、同様にPWM制御を用いて実現することができる。
図14には、コイル電流の制御メカニズムを適用したDCモータにおけるコイル電流供給用の電流制御回路の等価回路についての構成例を示している。
同図に示す電流制御回路は、フルブリッジ構成であり、pnp型のトランジスタA'とnpn型のトランジスタAを順方向接続した回路と、同じくpnp型のトランジスタB'とnpn型のトランジスタBを順方向接続した回路を電源電圧VccとグランドGNDの間に並列接続し、さらにトランジスタA'及びAの中間点とトランジスタB'及びBの中間点を固定子の単相コイルで接続している。
トランジスタA'及びBをオンにするとともに、トランジスタA及びB'をオフにすることによって、モータ・コイルには、図示の矢印方向の電流Imが流れる。また、トランジスタA'及びBをオフにすることによって、コイルはオープン状態となって、電流Imは流れなくなる。また、トランジスタA'及びBをオフにするとともに、トランジスタA'及びB'をオンにすることによって、モータ・コイルは短絡(ショート)状態となる。
PWM制御論理回路は、図示しない中央制御部からの電流軸電流指令(又はトルク指令)に基づいてコイルへの電流指令を生成し、これら電流指令に基づいて各トランジスタをPWM方式にてスイッチング制御する。すなわち、トランジスタA'及びBをオンにするとともにトランジスタA及びB'をオフにしてコイル電流Imを流す通電期間と、トランジスタA'及びBをオフにしてコイルを非通電にする非通電期間を交互に生成する。
本実施形態では、さらにPWM制御論理回路が出力する各トランジスタA及びA'、並びB及びB'のオン/オフ動作を制御する制御信号を付加論理により切り替える付加論理回路が配設されている。
付加論理回路は、PWM制御論理回路から出力されるBRAKE_PWM制御信号に基づいて、PWM制御論理回路が出力する信号A0及びA0'、並びにB0及びB0'のオン/オフ動作を制御する制御論理を付加論理により切り替える。これによって、モータ・コイルの非通電状態におけるコイルのオープン状態と短絡状態の切替動作を行なう。図15には、付加論理回路の具体的な回路構成を示している。
PWM制御論理回路からのトランジスタA'制御用の信号A0'とトランジスタB'制御用の信号B0'の論理積と、トランジスタA制御用の信号A0とトランジスタB制御用の信号B0の排他的論理和がとられ、さらにこれらの論理演算値の論理積を反転したものがBRAKE_PWM制御信号の反転信号と論理和される。この論理和の結果を元の各トランジスタ制御用信号との間で論理積を取ったものが、最終的なそれぞれのトランジスタ制御用信号となる。
付加論理回路は、BRAKE_PWM制御信号がハイ・レベルが入力されると、コイル非通電時にコイルを短絡させるようにトランジスタ制御用信号を切り替える。通常のコイル非通電時において、PWM制御論理回路からは、制御信号A0'及びB0'をハイ、A0及びB0をローにするトランジスタ制御用信号が出力される。これに対し、付加論理回路は、ハイ・レベルのBRAKE_PWM制御信号が入力されると、ハイ状態のA1'及びB1'をローに転じて、コイルの短絡状態を形成する。
一方、付加論理回路は、BRAKE_PWM制御信号がロー状態のときには、コイル非通電時において、PWM制御論理回路からのトランジスタ制御用信号をそのまま出力するので、非通電時におけるコイルはオープン状態となる。
図16には、PWM制御により所定のデューティ比を持つBRAKE_PWM制御信号が入力されたときの、付加論理回路の各トランジスタ制御用信号についての出力特性を、コイル電流波形特性及びトルク出力特性とともに示している。
コイル非通電時にコイルを短絡状態にすると、過渡応答により、コイル電流がゼロに戻るまでの時間が長くなるが、コイルをオープン状態にするとその時間は短くなる。コイル非通電時の過渡応答特性は、BRAKE_PWM制御信号のデューティ比に従って、これらの特性が混合されたものとなる。
したがって、同図に示すように、コイル通電とコイル短絡というスイッチング動作を繰り返した場合、コイル非通電時にコイル電流がゼロに戻る前に次の通電が開始される。このときのコイルの最大電流は、コイル通電及び非通電の動作の度に逐次上昇していくが、その上昇傾向はデューティ比すなわちBRAKE_PWM制御信号がハイ・レベルとなる比率にほぼ比例する。同様に、コイル電流の実効値は図示の通り徐々に増加していくことになるが、その上昇傾向はデューティ比すなわちBRAKE_PWM制御信号がハイ・レベルとなる比率にほぼ比例する。
また、モータの出力トルクTは、コイル電流にモータのトルク定数Ktを乗じた値となるので(T=Kt・I)、同図からも判るように、コイル通電及び非通電を繰り返したとき、コイル電流の増大に伴って、モータ・トルクの実効値は増大していく。したがって、モータ・コイルが非通電時に短絡状態となることにより、モータ・コイルに通電された電流(厳密には電荷)が抜けてしまうことがなくなり、トルクのロスがなくなる。また、コギングによるトルクむらの影響を受けにくくなる。
コイル通電及び非通電を繰り返したときの上昇傾向は、BRAKE_PWM制御信号のデューティ比すなわち同制御信号がハイ・レベルとなる比率にほぼ比例する。モータ・トルクの出力が上昇していく特性が、モータの粘性係数に相当する。
モータの非通電時において、このようなコイルの短絡状態を形成した場合、上述したように、モータに一種の粘性抵抗を与えることができる。一方、このようなモータをロボットに使用した場合、コイル・ショートによるブレーキの影響のため、コンプライアンス(機械的受動性)がなくなってしまうという問題を招来する。
そこで、PWM制御論理回路は、付加論理回路に入力するBRAKE_PWM制御信号をPWM制御することにより、モータ・コイルの非通電状態におけるコイルのオープン状態と短絡状態の期間の比率を制御する。
モータ・コイルの非通電状態におけるコイルのオープン状態と短絡状態の期間をPWM制御した場合、そのコイル電流の特性は、コイル非通電時にコイルをオープン状態にしたときのコイル電流の過渡応答特性とコイルを短絡状態にしたときにおけるコイル電流の過渡応答特性の特性がデューティ比に応じて混合されたものとなる。
図17には、PWM制御により所定のデューティ比を持つBRAKE_PWM制御信号が入力されたときの、付加論理回路の各トランジスタ制御用信号の出力特性を、コイル電流波形特性及びトルク出力特性とともに示している。
コイル非通電時にコイルを短絡状態にすると、過渡応答により、コイル電流がゼロに戻るまでの時間が長くなるが、コイルをオープン状態にするとその時間は短くなる。コイル非通電時の過渡応答特性は、BRAKE_PWM制御信号のデューティ比に従って、これらの特性が混合されたものとなる。
したがって、同図に示すように、コイル通電とコイル短絡というスイッチング動作を繰り返した場合、コイル非通電時にコイル電流がゼロに戻る前に次の通電が開始される。このときのコイルの最大電流は、コイル通電及び非通電の動作の度に逐次上昇していくが、その上昇傾向はデューティ比すなわちBRAKE_PWM制御信号がハイ・レベルとなる比率にほぼ比例する。同様に、コイル電流の実効値は図示の通り徐々に増加していくことになるが、その上昇傾向はデューティ比すなわちBRAKE_PWM制御信号がハイ・レベルとなる比率にほぼ比例する。
また、モータの出力トルクTは、コイル電流にモータのトルク定数Ktを乗じた値となるので(T=Kt・I)、同図からも判るように、コイル通電及び非通電を繰り返したとき、コイル電流の増大に伴って、モータ・トルクの実効値は増大していく。このときの上昇傾向はBRAKE_PWM制御信号のデューティ比すなわち同制御信号がハイ・レベルとなる比率にほぼ比例する。モータ・トルクの出力が上昇していく特性が、モータの粘性係数に相当する。言い換えれば、BRAKE_PWM制御信号のデューティ比によってモータの粘性抵抗を動的に制御することが可能である。
このようにPWM制御論理回路が付加論理回路へ供給するBRAKE_PWM制御信号のデューティ比をPWM制御することにより、モータ・コイルの非通電時におけるコイルのオープン状態と短絡状態の期間の比率を、所望の機械的特性に応じて調整することができる。
したがって、モータ・コイルがオープン状態となるタイミングにおけるモータ・コイルに通電された電流(厳密には電荷)が抜けてしまうことによるトルクのロスやコギングによるトルクむらの問題と、モータ・コイルの非通電時におけるコイル・ショートによるブレーキの影響のためコンプライアンス(機械的受動性)がなくなるという問題を、ともに解決することができる。
また、上述したように、BRAKE_PWM制御信号のデューティ比によってモータの粘性抵抗を動的に制御することが可能である。その制御の関係を図18に示している。同図において、粘性抵抗は、粘性係数[mN−m・s/rad]と動作時の回転角速度[rad/s]の積で表される。
図18中Aで示される領域では、モータ特性上で最大となる粘性係数に相当し、図示の例では0.9mN−m・s/radである。この領域にアクチュエータ特性を設定すると、関節の粘性が大きくなる。この結果、コンプライアンスは得られなくなるが、外部からの振動などの外乱に対してロバストな制御特性を実現することができる。
一方、図18中Bで示される領域は、モータ特性上の最大値に対し3分の1以下となる粘性係数に相当し、図示の例では0.15mN−m・s/radである。この領域にアクチュエータ特性を設定すると、関節の粘性が小さくなる。この結果、外乱に対して弱くなるが、機械的受動性(コンプライアンス)を得ることができる。
なお、コンプライアンスを得るための領域Bとしては、基本的にはモータ特性上の最大値以下であればよいが、図示の通り、0.3〜0.8mN−m・s/rad辺りの傾きが急峻な部分では温度などの環境変化の影響を受け易く、コントロールが難しくなる。このため、上述したようにモータ特性上の最大値に対し3分の1以下で傾きが緩やかとなる領域を機械的受動性領域に設定することが妥当であると思料され、また本発明者らによる実験により立証されている。
なお、上記の説明ではDCモータを例にとって説明したが、3相モータやその他のコイルへの供給電流を制御して所定の磁束分布を形成することにより回転トルクを発生させるタイプのモータにおいても同様に、非通電時のモータ・コイルを間歇的にオープン状態及び短絡状態に切り替えることによって、モータの所望の粘性抵抗を得ることができる。
D.脚式移動ロボットへの適用
次いで、本実施形態に係るアクチュエータのサーボ制御器の特性制御、並びにアクチュエータ自体の特性制御のメカニズムを各関節部位に適用した2足歩行の脚式移動ロボットについて説明する。
上述したように、アクチュエータのサーボ制御器において、比例ゲインと位相補償要素を調整することにより、ロボットの関節各部位において必要な位置決め精度、機械的受動性(コンプライアンス)、動作速度を任意に設定することができる。また、アクチュエータ・モータのコイルへの非通電時においてコイルを間歇的に短絡状態又はオープン状態に切り替えることによって、モータの粘性抵抗を調整し振動などの外乱に対するロバスト性を変更することができる。
さらに、これらアクチュエータのサーボ制御器におけるゲイン及び位相補償制御とアクチュエータ・モータの粘性抵抗の制御とを組み合わせることによって、位置決め精度が重要な部分に適用することができるアクチュエータの周波数特性、あるいは高速応答性とコンプライアンスが重要となる部分に適用することができるアクチュエータの周波数特性を得ることができる。
位置決め精度が重要な部分に適用することができるアクチュエータの周波数特性は、図12に示した通りである。この場合、サーボ制御器の比例ゲインを大きくとって、系全体のゲインを大きくし、低周波数帯域までゲインを取れるようにする。また、周波数特性を同図に示すように高域で位相進み量が小さくなるようにし、高速応答性にはあまり寄与しないが安定性を保証できるようにする。また、モータの粘性抵抗を大きくし、振動などの外乱にもロバストになるようにする。要言すれば、図示の特性は、位置決め精度を優先して振動などの外乱にもロバストな特性である。
また、高速応答性とコンプライアンスが重要となる部分に適用することができるアクチュエータの周波数特性は、図13に示した通りである。この場合、比例ゲインを小さくして、系全体のゲインを小さくすることで、低周波数帯域のゲインを小さくし、機械的受動性(コンプライアンス)を得易くする。また、周波数特性を同図に示すように中高域で位相進み量が大きくなるようにし、高速応答性を得るようにする。また、モータの粘性抵抗を小さくし、機械的受動性(コンプライアンス)を得易いようにする。要言すれば、図示の特性は、機械的受動性(コンプライアンス)と高速応答性を優先した特性である。
図1〜図3に示した脚式移動ロボットの関節自由度は、上述したサーボ制御器を備えたアクチュエータによって実現される。すなわち、ロボットは、2脚2腕を有する人間型ロボットである。本ロボットは、機体に四肢が取り付けられ、首ロール軸、第1及び第2の首ピッチ軸、首ヨー軸という4自由度からなる頭部と、肩関節ピッチ軸、肩関節ロール軸、肩関節ヨー軸、肘関節ピッチ軸という少なくとも4自由度からなる左右の腕部と、体幹ロール軸及び体幹ピッチ軸という2自由度からなる体幹部と、股関節ヨー軸、股関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝ピッチ軸、足首ピッチ軸、足首ロール軸という少なくとも6自由度からなる左右の脚部で構成されている。
これらの各関節自由度は、上述したサーボ制御器を備えたアクチュエータによって実現される。各関節部位において使用されるアクチュエータのゲイン・位相補償特性の制御例について、以下に詳解する。
(1)首部分に適用されるアクチュエータの特性
首部分では、位置決め精度を優先させるため、比例ゲインを高く設定する。また、動作速度を保持しつつ、比例ゲインを上げた分の安定性を損なわないように、位相進み量を少なく設定する。また、胴体より下の部分の動作時に発生する振動外乱に対してロバスト性を得るため、関節の粘性抵抗を大きく設定する。
(2)肩・肘部分に適用されるアクチュエータの特性
歩行やダンスなどの連続動作を行なうときは、位置決め特性よりも機械的受動性が高くなるような特性をアクチュエータに与える。動作に受動性を持たせるため、関節の粘性抵抗を小さくする。また、動作に受動性を持たせるとともに、エネルギ消費量を減らすため、比例ゲインを低く設定する。また、動作速度を大きくするため、中高域で位相進み量を大きく設定する。動作によっては振り子のように往復運動を行なうだけのときもある。そのときは、関節の粘性抵抗と比例ゲインを最小にして機械的受動性(コンプライアンス)を得るようにし、力学的なエネルギを動作のために用い易くする。
一方、物を押したり引っ張ったりするなどの力を使う動作を行なうときには、負荷トルク値により、位置決め精度優先の特性と、機械的受動性の特性を動的に入れ替えるように制御する。負荷トルク値に対してさらに力を発生させたいときは比例ゲインを高く、関節の粘性抵抗を大きくする。また、負荷トルク値に対して定負荷となるように倣わせる動作をする場合には、上位からの位置指令値による調整に加え、アクチュエータ内部トルク・センサで検知した負荷トルクに応じて比例ゲインを低く、関節の粘性抵抗を小さくして、機械的受動性(コンプライアンス)を得るようにする。
(3)体幹部分に適用されるアクチュエータの特性
自分自身の動作による振動外乱にロバスト性を得るため、関節の粘性抵抗を大きくする。あるいは、位置決め精度を優先させるため、比例ゲインを高く設定する。あるいは、動作速度を保持しつつ比例ゲインを上げた分の安定性を損なわないように、位相進み量を少なく設定する。
(4)股関節部分に適用されるアクチュエータの特性
自分自身の動作による振動外乱にロバスト性を得るため、関節の粘性抵抗を大きくする。あるいは、位置決め精度を優先させるため、比例ゲインを高く設定する。あるいは、動作速度を保持しつつ比例ゲインを上げた分の安定性を損なわないように、位相進み量を少なく設定する。
(5)膝部分に適用されるアクチュエータの特性
遊脚時及び着床瞬間時においては、位置決め精度よりも機械的受動性が高くなるような特性に制御する。動作に受動性を持たせるため、関節の粘性抵抗を小さくする。また、動作に受動性を持たせるとともにエネルギ消費量を減らすため、比例ゲインを低く設定する。また、動作速度を大きくするため、中高域で位相進み量を大きく設定する。
一方、支持脚時においては、機械的受動性よりも位置決め精度が高くなるような特性に制御する。自分自身の動作による振動外乱にロバスト性を得るため、関節の粘性抵抗を大きくする。あるいは、位置決め精度を優先させるため、比例ゲインを高く設定する。あるいは、動作速度を保持しつつ比例ゲインを上げた分の安定性を損なわないように、位相進み量を少なく設定する。
(6)足首部分に適用されるアクチュエータの特性
遊脚時及び着床瞬間時においては、位置決め精度よりも機械的受動性が高くなるような特性に制御する。足首部分着床による衝撃を緩和するため、関節粘性を小さく設定し、機械的受動性(コンプライアンス)を得るようにする。また、足首部分着床による衝撃を緩和するため、比例ゲインを低く設定し、機械的受動性(コンプライアンス)を得るようにする。また、動作速度を大きくとるため、中高域で位相進み量を大きく設定する。
一方、支持脚時において、足首部分の発生トルクを大きくとり、且つ自分自身の動作による振動外乱にロバスト性を得るため、関節の粘性抵抗を大きくとる。また、足首部分の位置決め精度を向上させるため、比例ゲインを高く設定する。また、動作速度を保持しつつ、比例ゲインを上げた分の安定性を損なわないように位相進み量を少なく設定する。
E.歩行動作時におけるロボットの関節各部位のアクチュエータ特性の配置例
上述したように、各関節アクチュエータのサーボ制御器が持つ特性並びにアクチュエータ自体の特性をそれぞれ制御することによって、以下に述べるような結果を得ることができる。
すなわち、図12に示したアクチュエータ特性のように、「低域ゲインを大きく」、「高い周波数領域で位相進み量を小さく」するとともに、図18Aに示したように「関節の粘性抵抗を大きく」する設定を行なうことで、高精度な位置決め制御が可能となり、姿勢の安定性が増す。一方、図13に示したアクチュエータ特性のように、「低域ゲインを小さく」、「位相進み量を大きく」するとともに、図18Bに示したように「関節の粘性抵抗を小さく」する設定を行なうことで、機械的受動性と速い応答性を持たせることができるので、着床の瞬間の衝撃力を緩和しつつ高い帯域の追従制御を行なうことができる。
例えば、遊脚に図13に示すアクチュエータ特性を適用することで、脚に機械的受動性を与えることができるので、歩行動作中に脚を振り上げたときの位置エネルギを次の振り下ろす動作時に動作補助のエネルギとして使い易くなる。これによって、エネルギ消費が少なくなり、機体駆動用のバッテリの消耗を抑えることができる。
ここで、ロボットが歩行動作を行なうときの各関節部位におけるアクチュエータの制御器並びにアクチュエータ自体の特性の配置について、図19を参照しながら説明する。
ロボットが歩行動作を行なうとき、首ピッチ軸、体幹ロール軸、体幹ピッチ軸、体幹ヨー軸、股関節ロール及びピッチ軸、並びに、支持脚側となる膝ピッチ軸や足首ロール及びピッチ軸の各関節部位において、高い位置決め精度が要求される。
したがって、これらの関節部位のアクチュエータにおいて、サーボ制御器の比例ゲインを大きくとって、系全体のゲインを大きくし、低周波数帯域までゲインを取れるようにする。また、周波数特性を図12に示すように高域で位相進み量が小さくなるようにし、高速応答性にはあまり寄与しないが安定性を保証できるようにする。また、図18Aに示すようにモータの粘性抵抗を大きくし、振動などの外乱にもロバストになるようにする。
一方、肩ピッチ軸、肘ピッチ軸や、歩行動作中に遊脚側となる膝ピッチ軸や足首ロール及びピッチ軸の各関節部位において、高速応答性とコンプライアンスが重要となる。
そこで、これらの関節部位のアクチュエータにおいて、比例ゲインを小さくして、系全体のゲインを小さくすることで、低周波数帯域のゲインを小さくし、機械的受動性(コンプライアンス)を得易くする。また、周波数特性(位相補償特性)を図13に示すように中高域で位相進み量が大きくなるようにし、高速応答性を得るようにする。また、図18Bに示すようにモータの粘性抵抗を小さくし、機械的受動性(コンプライアンス)を得易いようにする。
肩〜遊脚に図13に示すようなアクチュエータの制御器が持つ特性及びアクチュエータ自体の特性を適用することで、腕や脚に機械的受動性(コンプライアンス)を得ることができる。これによって、歩行動作中に脚を振り上げたときの位置エネルギを次の振り下ろす動作時に動作補助のエネルギとして使い易くなる。その結果、エネルギ消費が少なくなり、機体駆動用電源としてのバッテリの消費量も少なくなる。
図20には、ロボットが歩行動作を行なうときの各関節部位のアクチュエータ特性を切り替えるための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、膝ピッチ軸や足首ロール及びピッチ軸の各関節部位を構成する関節部位のアクチュエータに対して、図12に示すような、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、且つ図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう。また、肩ピッチ軸、肘ピッチ軸の各関節部位を構成する関節部位のアクチュエータに対して、図13に示すような、比例ゲインを小さくして、系全体のゲインを小さくすることで、低周波数帯域のゲインを小さくし、機械的受動性(コンプライアンス)を得易くする。また、体幹ロール軸、体幹ピッチ軸、体幹ヨー軸、股関節ロール及びピッチ軸、並びに、首第1の首ピッチ軸の各関節部位を構成する関節部位のアクチュエータに対して、図12に示すような、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう。(ステップS1)。
次いで、片脚を持ち上げる動作を実行する(ステップS2)。
ここで、持ち上げる方の脚の足底で受ける床反力が0になったときには(ステップS3)、支持脚は遊脚を支持して歩行動作を行なう(ステップS4)。
また、遊脚側では、遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図13に示すような、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、且つ図18Bに示すように関節の粘性抵抗を小さくする設定を行なう(ステップS5)。
次いで、遊脚としての歩行動作を実行し(ステップS6)、さらにその着床動作を実行する(ステップS7)。
ここで、足底で検知する床反力の値が両脚支持期の値の近傍になったとき(ステップS8)、遊脚の着床動作を完了する(ステップS9)。
そして、遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図12に示すような、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、且つ図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう(ステップS10)。
歩行動作をこのまま継続する場合には(ステップS11)、遊脚を支持脚に、支持脚を遊脚に切り替え(ステップS12)、ステップS2に戻り、上記と同様の処理を繰り返し実行する。
一方、歩行動作をこれで終了する場合には(ステップS11)、本処理ルーチン全体を終了する。
脚式移動ロボットの機体は、略平行な関節自由度を持つ複数の関節軸を長さ方向に連結した多リンク構造体で構成されるが、歩行動作の途上では、この多リンク構造体の着床部位と床面がなすリンク状態が開リンク状態と閉リンク状態との間で切り替わる。図21には、立ち姿勢時において、両脚支持により両脚と床面とで閉リンク系を構成している様子を示している。また、図22には、立ち姿勢時において、単脚支持により両脚と床面で開リンクを構成している様子を示している。
本実施形態では、歩行動作の段階毎に、リンク状態の切り替わりに応じて、該当する関節アクチュエータの特性を、硬い関節特性、柔らかい関節特性、その中間の関節特性に適宜切り替えることにより、適応的な転倒動作を実現する。ここで、硬い関節特性は、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ中高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定することと定義する。また、中間の関節特性は、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定することと定義する。また、柔らかい関節特性は、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定することと定義する。
図23〜図28には、ロボットが歩行動作を行なう様子を示している。各図に示す例では、A〜Fの6段階に分けて動作状況を捉えることができる。
(A)両脚支持期
両脚支持の状態では、下肢と床面で閉リンク系を構成している(図23を参照のこと)。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から両脚支持を確認することができる。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、左右の支持脚は高速応答が可能になるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、左右の肩ピッチや肘ピッチ、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
(B)離床瞬間
例えば、左足が前方に踏み込んだ両脚支持に続いて、後方の右足で地面を蹴り上げて、右脚が離床を開始する。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から離床瞬間を確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図24を参照のこと)。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、支持脚は高速応答が可能になるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、左右の肩ピッチや肘ピッチ、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
(C)単脚支持期(持ち上げ時)
後方の脚の離床に続いて、これを持ち上げるという単脚支持期の前半の動作を行なう。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、単脚支持期に移行したことを確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図25を参照のこと)。
支持脚となる左脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる右脚の腿ロール及び腿ピッチも硬いアクチュエータ特性にし、遊脚の持ち上げ動作を実行可能にする。
また、左右の肩ピッチ、肘ピッチなどの上肢の各関節アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、柔らかい関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、高速応答性を増して姿勢安定化のための協調動作を可能にしつつ、腕振り動作時に位置エネルギーや運動エネルギーを利用し易くする。
また、遊脚である右脚の足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータも柔らかいアクチュエータ特性にし、着床時の衝撃に備える。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(D)単脚支持期(振り下ろし時)
後方の脚を持ち上げる単脚支持の前期に続いて、持ち上げた足を前方に振り出しさらにこれを振り下ろすという単脚支持期の後半の動作を行なう。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、単脚支持の後半に移行したことを確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図26を参照のこと)。
支持脚となる左脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性に維持し、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる右脚の腿ロール及び腿ピッチも硬いアクチュエータ特性にし、遊脚の振り下ろし動作を実行可能にする。
また、遊脚となる右脚の膝ピッチ、足首ロール、足首ピッチなど着床にかかわる各関節アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性に設定する。すなわち、柔らかい関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与え、着床時の衝撃に備える。
また、左右の肩ピッチ、肘ピッチなどの上肢の各関節アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、柔らかい関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、高速応答性を増して姿勢安定化のための協調動作を可能にしつつ、腕振り動作時に位置エネルギーや運動エネルギーを利用し易くする。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(E)着床瞬間
単脚支持に続いて、振り下ろした遊脚が床面に着床する。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、着床瞬間を確認することができる。下肢が床面に対して閉リンク系を構成する(図27を参照のこと)。
支持脚である左脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性に維持し、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる右脚の腿ロール及び腿ピッチも硬いアクチュエータ特性にし、遊脚の着床動作を実行可能にする。
また、遊脚となる右脚の膝ピッチ、足首ロール、足首ピッチなど着床にかかわる各関節アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性に設定する。すなわち、柔らかい関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与え、着床時の衝撃を吸収する。
また、左右の肩ピッチ、肘ピッチなどの上肢の各関節アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、柔らかい関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、高速応答性を増して姿勢安定化のための協調動作を可能にしつつ、腕振り動作時に位置エネルギーや運動エネルギーを利用し易くする。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(F)両脚支持
遊脚が着床すると、左右の脚が入れ替わった状態で、両脚支持期に戻る。この状態では、下肢と床面で閉リンク系を構成している(図28を参照のこと)。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から両脚支持を確認することができる。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、支持脚は高速応答が可能になるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、左右の肩ピッチや肘ピッチ、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
歩行動作を継続する場合には、(A)〜(F)の姿勢を繰り返し実行する。
F.階段昇降時におけるロボットの関節各部位のアクチュエータ特性の配置例
この項では、階段昇降時におけるロボットの各関節部位のアクチュエータ特性の制御方法について説明する。
脚式移動ロボットの機体は、略平行な関節自由度を持つ複数の関節軸を長さ方向に連結した多リンク構造体で構成されるが、階段昇降動作の途上では、この多リンク構造体の着床部位と床面がなすリンク状態が開リンク状態と閉リンク状態との間で切り替わる。
本実施形態では、階段昇降動作の段階毎に、リンク状態の切り替わりに応じて、各関節を駆動するためのアクチュエータを、硬い関節特性、柔らかい関節特性、その中間の関節特性に適宜切り替えることにより、適応的な転倒動作を実現する。
F−1.階段を昇る動作
まず、ロボットが階段を昇る動作を行なうときの各関節部位におけるアクチュエータの制御器及びアクチュエータ自体の特性の配置について、図29〜図34を参照しながら説明する。各図に示す例では、A〜Fの6段階に分けて動作状況を捉えることができる。
(A)両脚支持期
両脚支持の状態では、下肢と床面で閉リンク系を構成している(図29を参照のこと)。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から両脚支持を確認することができる。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、左右の支持脚は高速応答が可能になるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
(B)離床瞬間
例えば、右足が一段上に踏み込んだ両脚支持に続いて、後方の左脚が一段下から離床を開始する。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から離床瞬間を確認することができる。この状態では、機体全体で閉リンク系から開リンク系へ移行し、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図30を参照のこと)。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、左右の支持脚は高速応答が可能になるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
(C)単脚支持期(持ち上げ時)
後方の左脚の離床に続いて、これを持ち上げるという単脚支持期の前半の動作を行なう。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、単脚支持期に移行したことを確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図31を参照のこと)。
支持脚となる右脚のすべての関節アクチュエータと遊脚となる左脚の腿ロールを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる左脚の腿ピッチ、膝ピッチを中間のアクチュエータ特性に維持し、遊脚の持ち上げ動作を実行可能にする。
また、遊脚である左脚の足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、高速応答性を増して、着床時の衝撃に備える。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(D)単脚支持期(振り下ろし時)
後方の左脚を持ち上げる単脚支持の前期に続いて、持ち上げた左足を振り出しさらに一段上に降ろすという単脚支持期の後半の動作を行なう。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、単脚支持の後半に移行したことを確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図32を参照のこと)。
支持脚となる右脚のすべての関節アクチュエータと遊脚となる左脚の腿ロールを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ中高域における位相進み量を小さく、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に維持する。この結果、位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる左脚の腿ピッチを中間のアクチュエータ特性に維持し、遊脚の振り下ろし動作を実行可能にする。
また、遊脚である左脚の膝ピッチ、足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、高速応答性を増して、着床時の衝撃に備える。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(E)着床瞬間
単脚支持に続いて、振り下ろした遊脚が一段上の床面に着床する。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、着床瞬間を確認することができる。下肢が床面に対して閉リンク系を構成する(図33を参照のこと)。
支持脚となる右脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さく、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に維持する。この結果、位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる左脚の腿ロール及び腿ピッチを中間のアクチュエータ特性に維持し、遊脚の振り下ろし動作を実行可能にする。
また、遊脚である左脚の膝ピッチ、足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きく、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に維持し、コンプライアンスを与えるとともに、高速応答性を増して、着床時の衝撃を吸収する。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(F)両脚支持
遊脚が着床すると、左右の脚が入れ替わった状態で、両脚支持期に戻る。この状態では、下肢と床面で閉リンク系を構成している(図34を参照のこと)。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から両脚支持を確認することができる。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、支持脚は高速応答が可能になるとともに、コンプライアンスを得る。また、モータの粘性が高くなる。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
階段を昇る動作を継続する場合には、(A)〜(F)の姿勢を繰り返し実行する。
図35には、階段を昇るときのロボットの各関節部位のアクチュエータ特性を切り替えるための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、機体を構成するすべての関節部位のアクチュエータに対して、図12に示すような、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さくするとともに、図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう(ステップS21)。
次いで、片脚を持ち上げる動作を実行する(ステップS22)。
ここで、持ち上げる方の脚の足底で受ける床反力が0になったときには(ステップS23)、支持脚は遊脚を支持する動作を行なう(ステップS24)。
また、遊脚側では、遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図13に示すような、低域ゲインを小さく、中高域の位相進み量を大きくするとともに、図18Bに示すように関節の粘性抵抗を小さくする設定を行なう(ステップS25)。
次いで、遊脚を一段上の階段の床面へ進める動作を実行し(ステップS26)、さらにその着床動作を実行する(ステップS27)。
ここで、足底で検知する床反力の値と方向が両脚支持期の値の近傍になったとき(ステップS28)、遊脚の着床動作を完了する(ステップS29)。そして、遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図12に示すような、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さくするとともに、図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう(ステップS30)。
階段を昇る動作をこのまま継続する場合には(ステップS31)、遊脚を支持脚に、支持脚を遊脚に切り替え(ステップS32)、ステップS22に戻り、上記と同様の処理を繰り返し実行する。
一方、階段を昇る動作をこれで終了する場合には(ステップS31)、支持脚だった足が遊脚となり、一段上の階段床面に進める(ステップS33)。このとき、遊脚だった脚の足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図12に示すような、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さくするとともに、図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう。そして、遊脚だった脚は支持脚となり、遊脚を支持する動作を行なう。
次いで、遊脚の着床動作を実行する(ステップS34)。このとき、支持脚は遊脚を指示する動作を行なう。
次いで、遊脚の足底で検知する床反力の値と方向が両脚支持期の値の近傍になると(ステップS35)、遊脚の着床動作を完了する(ステップS36)。このとき、遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図12に示すような、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さくするとともに、図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう。この結果、両脚が揃い、両脚支持となり、階段昇り動作を完了することができる。
F−2.階段を降りる動作
続いて、ロボットが階段を降りるときの各関節部位におけるアクチュエータが持つ制御器及びアクチュエータ自体の特性の配置について、図36〜図41を参照しながら説明する。各図に示す例では、A〜Fの6段階に分けて動作状況を捉えることができる。
(A)両脚支持期
両脚支持の状態では、下肢と床面で閉リンク系を構成している(図36を参照のこと)。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から両脚支持を確認することができる。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、左右の支持脚は高速応答が可能になるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
(B)離床瞬間
例えば、左足が一段下に踏み込んだ両脚支持に続いて、後方の右脚が一段上から離床を開始する。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から離床瞬間を確認することができる。この状態では、機体全体で閉リンク系から開リンク系へ移行し、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図37を参照のこと)。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、左右の支持脚は高速応答が可能になるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
(C)単脚支持期(持ち上げ時)
後方の右脚の離床に続いて、これを持ち上げるという単脚支持期の前半の動作を行なう。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、単脚支持期に移行したことを確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図38を参照のこと)。
支持脚となる左脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる右脚の腿ロール及び腿ピッチも硬いアクチュエータ特性にし、遊脚の持ち上げ動作を実行可能にする。また、右脚の膝ピッチを中間のアクチュエータ特性に維持する。
また、遊脚である右脚の足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、高速応答性を増して、着床時の衝撃に備える。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(D)単脚支持期(振り下ろし時)
後方の右脚を持ち上げる単脚支持の前期に続いて、持ち上げた右脚をさらに一段下に降ろすという単脚支持期の後半の動作を行なう。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、単脚支持の後半に移行したことを確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図39を参照のこと)。
支持脚となる左脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さく、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に維持する。この結果、位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる右脚の腿ロール及び腿ピッチも硬いアクチュエータ特性にし、遊脚の振り下ろし動作を実行可能にする。
また、遊脚である右脚の膝ピッチ、足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、高速応答性を増して、着床時の衝撃に備える。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(E)着床瞬間
単脚支持に続いて、振り下ろした遊脚が一段下の床面に着床する。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、着床瞬間を確認することができる。下肢が床面に対して閉リンク系を構成する(図40を参照のこと)。
支持脚となる左脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さく、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に維持する。この結果、位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる右脚の腿ロール及び腿ピッチも硬いアクチュエータ特性にし、遊脚の着床動作を実行可能にする。
また、遊脚である右脚の膝ピッチ、足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きく、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に維持し、コンプライアンスを与えるとともに、高速応答性を増して、着床時の衝撃を吸収する。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(F)両脚支持
遊脚が着床すると、左右の脚が入れ替わった状態で、両脚支持期に戻る。この状態では、下肢と床面で閉リンク系を構成している(図41を参照のこと)。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から両脚支持を確認することができる。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、支持脚は高速応答が可能になるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
階段を降りる動作を継続する場合には、(A)〜(F)の姿勢を繰り返し実行する。
図42には、階段を昇るときのロボットの各関節部位のアクチュエータ特性を切り替えるための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、機体を構成するすべての関節部位のアクチュエータに対して、図12に示すような、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さくするとともに、図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう(ステップS41)。
次いで、片脚を持ち上げる動作を実行する(ステップS42)。
ここで、持ち上げる方の脚の足底で受ける床反力が0になったときには(ステップS43)、支持脚は遊脚を支持する動作を行なう(ステップS44)。
また、遊脚側では、遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図13に示すような、低域ゲインを小さく、中高域で位相進み量を大きくするとともに、図18Bに示すように関節の粘性抵抗を小さくする設定を行なう(ステップS45)。
次いで、遊脚を一段下の階段の床面へ進める動作を実行し(ステップS46)、さらにその着床動作を実行する(ステップS47)。
ここで、足底で検知する床反力の値と方向が両脚支持期の値の近傍になったとき(ステップS48)、遊脚の着床動作を完了する(ステップS49)。そして、遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図12に示すような、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さくするとともに、図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう(ステップS50)。
階段を降りる動作をこのまま継続する場合には(ステップS51)、遊脚を支持脚に、支持脚を遊脚に切り替え(ステップS52)、ステップS42に戻り、上記と同様の処理を繰り返し実行する。
一方、階段を降りる動作をこれで終了する場合には(ステップS51)、支持脚だった足が遊脚となり、一段上の階段床面に進める(ステップS53)。このとき、遊脚だった脚の足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図12に示すような、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さくするとともに、図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう。そして、遊脚だった脚は支持脚となり、遊脚を支持する動作を行なう。
次いで、遊脚の着床動作を実行する(ステップS54)。このとき、支持脚は遊脚を指示する動作を行なう。
次いで、遊脚の足底で検知する床反力の値と方向が両脚支持期の値の近傍になると(ステップS55)、遊脚の着床動作を完了する(ステップS56)。このとき、遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図12に示すように、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さくするとともに、図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう。この結果、両脚が揃い、両脚支持となり、階段降り動作を完了することができる。
G.旋回時におけるロボットの関節各部位のアクチュエータ特性の配置例
この項では、機体の旋回時におけるロボットの各関節部位のアクチュエータ特性の制御方法について説明する。
脚式移動ロボットの機体は、略平行な関節自由度を持つ複数の関節軸を長さ方向に連結した多リンク構造体で構成されるが、階段昇降動作の途上では、この多リンク構造体の着床部位と床面がなすリンク状態が開リンク状態と閉リンク状態との間で切り替わる。
本実施形態では、機体の旋回動作の段階毎に、リンク状態の切り替わりに応じて、各関節を駆動するためのアクチュエータを、硬い関節特性、柔らかい関節特性、その中間の関節特性に適宜切り替えることにより、適応的な転倒動作を実現する。
ここで、機体が旋回するときのロボットの各関節部位におけるアクチュエータが持つ制御器及びアクチュエータ自体の特性の配置について、図43を参照しながら説明する。
機体が旋回するとき、首ピッチ軸、肩ピッチ軸、肘ピッチ軸、体幹ロール軸、体幹ピッチ軸、体幹ヨー軸、股関節ロール及びピッチ軸、並びに、支持脚側となる膝ピッチ軸や足首ロール及びピッチ軸の各関節部位において、高い位置決め精度が要求される。
したがって、これらの関節部位のアクチュエータにおいて、サーボ制御器の比例ゲインを大きくとって、系全体のゲインを大きくし、低周波数帯域までゲインを取れるようにする。また、周波数特性を図12に示すように高域で位相進み量が小さくなるようにし、高速応答性にはあまり寄与しないが安定性を保証できるようにする。また、図18Aに示すようにモータの粘性抵抗を大きくし、振動などの外乱にもロバストになるようにする。
一方、機体の旋回時において、遊脚側となる膝ピッチ軸や足首ロール及びピッチ軸の各関節部位において、高速応答性とコンプライアンスが重要となる。
そこで、これらの関節部位のアクチュエータにおいて、比例ゲインを小さくして、系全体のゲインを小さくすることで、低周波数帯域のゲインを小さくし、機械的受動性(コンプライアンス)を得易くする。また、周波数特性(位相補償特性)を図13に示すように中高域で位相進み量が大きくなるようにし、高速応答性を得るようにする。また、図18Bに示すようにモータの粘性抵抗を小さくし、機械的受動性(コンプライアンス)を得易いようにする。
遊脚に図13に示すようなアクチュエータの制御器が持つ特性及びアクチュエータ自体の特性を適用することで、腕や脚に機械的受動性(コンプライアンス)を得ることができる。これによって、旋回動作中に脚を振り上げたときの位置エネルギを次の振り下ろす動作時に動作補助のエネルギとして使い易くなる。その結果、エネルギ消費が少なくなり、機体駆動用電源としてのバッテリの消費量も少なくなる。
続いて、ロボットが旋回する動作を行なうときの各関節部位におけるアクチュエータが持つ制御器及びアクチュエータ自体の特性の配置について、図44〜図51を参照しながら説明する。各図に示す例では、A〜Hの8段階に分けて動作状況を捉えることができる。
(A)両脚支持期
両脚支持の状態では、下肢と床面で閉リンク系を構成している(図44を参照のこと)。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から両脚支持を確認することができる。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、左右の支持脚は高速応答が可能になるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
(B)単脚支持期(持ち上げ時)
右脚を持ち上げるという単脚支持期の前半の動作を行なう。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、単脚支持期に移行したことを確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図45を参照のこと)。
支持脚となる左脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さく、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、支持脚としての左脚は、位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、旋回時の回転軸として機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる右脚の腿ヨー、腿ロール及び腿ピッチも硬いアクチュエータ特性に設定し、遊脚の持ち上げ動作を実行可能にする。
また、遊脚である右脚の膝ピッチ、足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(C)単脚支持期
右脚を持ち上げる単脚支持の前期に続いて、支持脚である左脚を回転軸にして持ち上げた右脚を旋回させるという単脚支持期の後半の動作を行なう。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、単脚支持の後半に移行したことを確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図46を参照のこと)。
支持脚となる左脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さく、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に維持する。この結果、旋回時の回転軸として左脚の位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる右脚の腿ヨー、腿ロール及び腿ピッチも硬いアクチュエータ特性に設定し、左脚を回転軸とした遊脚の旋回動作を実行可能にする。
また、遊脚である右脚の膝ピッチ、足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(D)両脚支持
旋回動作が終わり遊脚としての右脚が着床すると、左右の脚が入れ替わった状態で、両脚支持期に戻る。この状態では、下肢と床面で閉リンク系を構成している(図47を参照のこと)。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から両脚支持を確認することができる。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、左右の支持脚は高速応答が可能になるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
(E)単脚支持期(持ち上げ時)
今度は、左脚を持ち上げるという単脚支持期の前半の動作を行なう。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、単脚支持期に移行したことを確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図48を参照のこと)。
支持脚となる右脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さく、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、支持脚としての右脚は、位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、旋回時の回転軸として機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる左脚の腿ヨー、腿ロール及び腿ピッチも硬いアクチュエータ特性に設定し、遊脚の持ち上げ動作を実行可能にする。
また、遊脚である左脚の足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、高速応答性を増して、右脚回りの旋回動作に順応させる。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(F)単脚支持期
左脚を持ち上げる単脚支持の前期に続いて、支持脚である右脚を回転軸にして持ち上げた左脚を旋回させる。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、単脚支持の後半に移行したことを確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図49を参照のこと)。
支持脚となる右脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さく、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に維持する。この結果、旋回時の回転軸として右脚の位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる左脚の腿ヨー、腿ロール及び腿ピッチも硬いアクチュエータ特性に設定し、右脚を回転軸とした遊脚の旋回動作を実行可能にする。
また、遊脚である左脚の足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(G)単脚支持期
支持脚である右脚を回転軸にして持ち上げた左脚を旋回させる動作を継続して、単脚支持期の後半の動作を行なう。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)で、単脚支持の後半に移行したことを確認することができる。この状態では、機体(脚・体幹・腕部)と床面で開リンク系を構成している(図50を参照のこと)。
支持脚となる右脚のすべての関節アクチュエータを硬いアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さく、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に維持する。この結果、旋回時の回転軸として右脚の位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになり、機体を支持することが可能となる。
また、遊脚となる左脚の腿ヨー、腿ロール及び腿ピッチも硬いアクチュエータ特性に設定し、右脚を回転軸とした遊脚の旋回動作を継続可能にする。
また、遊脚である左脚の足首ロール及び足首ピッチの各アクチュエータを柔らかいアクチュエータ特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Bに示すモータ特性の最大値の3分の1に設定し、コンプライアンスを与えるとともに、高速応答性を増して、右脚回りの旋回動作に順応させる。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性に設定し、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストにする。
(H)両脚支持
旋回動作が終わり遊脚としての右脚が着床すると、両脚支持期に戻る。この状態では、下肢と床面で閉リンク系を構成している(図51を参照のこと)。自身の関節角度情報、足底の力センサ(又は接触センサ)、姿勢センサを用いて、自身の姿勢と接地状態と運動状態(各軸の速度・加速度)から両脚支持を確認することができる。
このとき、左右両脚部のすべての関節部位のアクチュエータを、中間の関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図13に示したように低域で低ゲインで且つ中高域における位相進み量を大きくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、左右の支持脚は高速応答が可能になるとともに、硬い特性以上且つ柔らかい特性以下のコンプライアンスを得る。
また、その他の関節部位は、硬い関節特性、すなわち、アクチュエータ・モータのサーボ特性を図12に示したように全帯域で高ゲインで且つ高域における位相進み量を小さくするとともに、モータの粘性を図18Aに示すモータ特性の最大値に設定する。この結果、コンプライアンスよりも位置決め精度を優先して、振動などの外乱にもロバストになる。
図52には、機体が旋回するときのロボットの各関節部位のアクチュエータ特性を切り替えるための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、機体を構成するすべての関節部位のアクチュエータに対して、図12に示すように、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、且つ図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう。(ステップS61)。
次いで、片脚を持ち上げる動作を実行する(ステップS62)。
ここで、持ち上げる方の脚の足底で受ける床反力が0になったときには(ステップS63)、支持脚は遊脚を支持して機体の旋回動作を行なう(ステップS64)。
また、遊脚側では、遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図13に示すように、低域ゲインを小さく、中高域で位相進み量を大きく、且つ、図18Bに示すように関節の粘性抵抗を小さくする設定を行なう(ステップS65)。
次いで、遊脚としての旋回動作を実行し(ステップS66)、さらにその着床動作を実行する(ステップS67)。
ここで、足底で検知する床反力の値が両脚支持期の値の近傍になったとき(ステップS68)、遊脚の着床動作を完了する(ステップS69)。
そして、遊脚側の膝関節ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータに対して、図12に示すように、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、且つ、図18Aに示すように関節の粘性抵抗を大きくする設定を行なう(ステップS70)。
旋回動作をこのまま継続する場合には(ステップS71)、遊脚を支持脚に、支持脚を遊脚に切り替え(ステップS72)、ステップS62に戻り、上記と同様の処理を繰り返し実行する。
一方、旋回動作をこれで終了する場合には(ステップS71)、本処理ルーチン全体を終了する。
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。
本発明の要旨は、必ずしも「ロボット」と称される製品には限定されない。すなわち、電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行なう機械装置であるならば、例えば玩具等のような他の産業分野に属する製品であっても、同様に本発明を適用することができる。
本明細書中では、ロボットの関節駆動用のアクチュエータとしてモータ・アクチュエータを中心にして説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。関節角を直接駆動する回転軸を持ったモータ・アクチュエータ以外に、筋肉のように関節を接続するリンクの距離の伸縮によって関節を駆動するタイプのアクチュエータであっても、同様にサーボ・ゲインのコントロール並びに粘性のコントロールにより、本発明の効果を好適に奏することができる。後者の関節駆動アクチュエータとして、例えば形状記憶合金アクチュエータや、流体アクチュエータ、高分子アクチュエータなどを挙げることができる。
また、本明細書中では、モータ・アクチュエータのコイルへのコイル電流のスイッチング制御にバイポーラ・トランジスタからなるスイッチング素子を用いて構成される回路例について説明したが、MOS−FETやその他の半導体素子を用いてこの種の制御回路を実装することができることは、当業者には自明である。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
図1は、本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直立している様子を前方から眺望した様子を示した図である。 図2は、本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直立している様子を後方から眺望した様子を示した図である。 図3は、脚式移動ロボットが具備する関節自由度構成を模式的に示した図である。 図4は、脚式移動ロボット100の制御システム構成を模式的に示した図である。 図5は、アクチュエータのサーボ制御器の構成を示した図である。 図6は、図5に示したモータと減速機の伝達関数表現モデルゲイン及び位相の周波数特性を示した図である。 図7は、図5に示したサーボ制御器において、位相補償型制御の設計例として位相補償帯域を任意に選択する例を説明するための図である。 図8は、図5に示したサーボ制御器において、位相補償型制御の設計例として位相補償を施す量を任意に選択する例を説明するための図である。 図9は、図5に示したサーボ制御器において、Kで示した直列補償ゲインの大小を変更する制御器の設計例を説明するための図である。 図10は、図7に示したように位相補償量が一定で周波数帯域を任意に選ぶようにアクチュエータのサーボ制御器を実装したときの開ループ特性を示した図である。 図11は、図10に示したうち高域でのみ位相進み補償を施した例C(s)−3においてさらに直列補償ゲインの制御を採り入れた様子を示した図である。 図12は、アクチュエータの位置制御系の開ループ特性に対し、全体で高いゲインとし、高域で位相進み量を小さくするような特性に設定した例を示した図である。 図13は、アクチュエータの位置制御系の開ループ特性に対し、低域で低ゲインとし、高域で位相進み量を大きくするような特性に設定した例を示した図である。 図14は、コイル電流の制御メカニズムを適用したDCモータのコイル電流供給用の電流制御回路の等価回路の構成例を示した図である。 図15は、付加論理回路の具体的な回路構成を示した図である。 図16は、ハイ・レベルのBRAKE_PWM制御信号が入力されたときの付加論理回路の各トランジスタ制御用信号の出力特性を、コイル電流波形特性及びトルク出力特性とともに示した図である。 図17は、PWM制御により所定のデューティ比を持つBRAKE_PWM制御信号が入力されたときの付加論理回路の各トランジスタ制御用信号の出力特性を、コイル電流波形特性及びトルク出力特性とともに示した図である。 図18は、BRAKE_PWM制御信号のデューティ比によってモータの粘性抵抗を動的に制御する制御領域の関係を示した図である。 図19は、ロボットが歩行動作を行なうときの各関節部位におけるアクチュエータの制御器及びアクチュエータ自体の特性の配置を説明するための図である。 図20は、ロボットが歩行動作を行なうときの各関節部位のアクチュエータ特性を切り替えるための処理手順を示したフローチャートである。 図22は、立ち姿勢時において、両脚支持により両脚と床面とで閉リンク系を構成している様子を示した図である。 図22は、立ち姿勢時において、単脚支持により両脚と床面で開リンクを構成している様子を示した図である。 図23は、ロボットが歩行動作を行なう過程を示した図である。 図24は、ロボットが歩行動作を行なう過程を示した図である。 図25は、ロボットが歩行動作を行なう過程を示した図である。 図26は、ロボットが歩行動作を行なう過程を示した図である。 図27は、ロボットが歩行動作を行なう過程を示した図である。 図28は、ロボットが歩行動作を行なう過程を示した図である。 図29は、ロボットが階段を昇る動作を行なう過程を示した図である。 図30は、ロボットが階段を昇る動作を行なう過程を示した図である。 図31は、ロボットが階段を昇る動作を行なう過程を示した図である。 図32は、ロボットが階段を昇る動作を行なう過程を示した図である。 図33は、ロボットが階段を昇る動作を行なう過程を示した図である。 図34は、ロボットが階段を昇る動作を行なう過程を示した図である。 図35は、階段を昇るときのロボットの各関節部位のアクチュエータ特性を切り替えるための処理手順を示したフローチャートである。 図36は、ロボットが階段を降りる動作を行なう過程を示した図である。 図37は、ロボットが階段を降りる動作を行なう過程を示した図である。 図38は、ロボットが階段を降りる動作を行なう過程を示した図である。 図39は、ロボットが階段を降りる動作を行なう過程を示した図である。 図40は、ロボットが階段を降りる動作を行なう過程を示した図である。 図41は、ロボットが階段を降りる動作を行なう過程を示した図である。 図42は、階段を降りるときのロボットの各関節部位のアクチュエータ特性を切り替えるための処理手順を示したフローチャートである。 図43は、機体が旋回するときのロボットの各関節部位におけるアクチュエータが持つ制御器及びアクチュエータ自体の特性の配置を説明するための図である。 図44は、ロボットが旋回する動作を行なう過程を示した図である。 図45は、ロボットが旋回する動作を行なう過程を示した図である。 図46は、ロボットが旋回する動作を行なう過程を示した図である。 図47は、ロボットが旋回する動作を行なう過程を示した図である。 図48は、ロボットが旋回する動作を行なう過程を示した図である。 図49は、ロボットが旋回する動作を行なう過程を示した図である。 図50は、ロボットが旋回する動作を行なう過程を示した図である。 図51は、ロボットが旋回する動作を行なう過程を示した図である。 図52は、機体が旋回するときのロボットの各関節部位のアクチュエータ特性を切り替えるための処理手順を示したフローチャートである。
符号の説明
1…首関節ヨー軸
2A…第1の首関節ピッチ軸
2B…第2の首関節(頭)ピッチ軸
3…首関節ロール軸
4…肩関節ピッチ軸
5…肩関節ロール軸
6…上腕ヨー軸
7…肘関節ピッチ軸
8…手首関節ヨー軸
9…体幹ピッチ軸
10…体幹ロール軸
11…股関節ヨー軸
12…股関節ピッチ軸
13…股関節ロール軸
14…膝関節ピッチ軸
15…足首関節ピッチ軸
16…足首関節ロール軸
30…頭部ユニット,40…体幹部ユニット
50…腕部ユニット,51…上腕ユニット
52…肘関節ユニット,53…前腕ユニット
60…脚部ユニット,61…大腿部ユニット
62…膝関節ユニット,63…脛部ユニット
80…制御ユニット,81…主制御部
82…周辺回路
91,92…接地確認センサ
93,94…加速度センサ
95…姿勢センサ
96…加速度センサ
100…脚式移動ロボット

Claims (28)

  1. 複数の可動部を含むロボット装置であって、
    前記の可動部を動作させるアクチュエータと、
    前記アクチュエータにおける、サーボ制御器のゲイン、位相補償制御、粘性抵抗のうち少なくとも1つの制御を行なうアクチュエータ特性制御手段と、
    を具備することを特徴とするロボット装置。
  2. 前記アクチュエータ特性制御手段は、高精度な位置決め制御又は姿勢の安定性を必要とする可動部を駆動するアクチュエータに対しては、位置決め制御又は姿勢の安定性を必要としない場合と比較して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  3. 前記アクチュエータ特性制御手段は、機械的受動性と速い応答性を必要とする可動部を駆動するアクチュエータに対しては、機械的受動性と速い応答性を必要としない場合と比較して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  4. 前記アクチュエータ特性制御手段は、衝撃力を緩和しつつ高い帯域の追従制御を行なうことを必要とする可動部を駆動するアクチュエータに対しては、衝撃力を緩和しつつ高い帯域の追従制御を行なうことを必要としない場合と比較して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  5. 前記ロボット装置は、複数の可動脚を備えて脚式移動を行なう脚式移動ロボットであり、
    前記アクチュエータ特性制御手段は、脚式移動作業の段階毎に、各部位のアクチュエータを、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性と、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性との間で切り替える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  6. 前記アクチュエータ特性制御手段は、歩行動作の段階毎に、各部位のアクチュエータを、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性と、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性との間で切り替える、
    ことを特徴とする請求項5に記載のロボット装置。
  7. 前記アクチュエータ特性制御手段は、歩行動作を開始する段階において、膝ピッチ軸、足首ロール軸及びピッチ軸、体幹ロール軸、ピッチ軸及びヨー軸、股ロール軸及びピッチ軸、首ピッチ軸におけるアクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする設定を行なうとともに、肩ピッチ軸及び肘ピッチ軸におけるアクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項6に記載のロボット装置。
  8. 前記アクチュエータ特性制御手段は、遊脚が持ち上げられその足底が受ける床反力がゼロとなった段階において、該遊脚側の膝ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸における各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項6に記載のロボット装置。
  9. 前記アクチュエータ特性制御手段は、遊脚の歩行動作が進行して該遊脚が着床しその足底が受ける床反力が両脚支持期のそれとほぼ同じになった段階において、該遊脚側の膝ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸における各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きく設定する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のロボット装置。
  10. 前記アクチュエータ特性制御手段は、歩行動作の各段階において、位置決め精度が優先される部位を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性に設定する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のロボット装置。
  11. 前記アクチュエータ特性制御手段は、歩行動作の各段階において、機械的受動性又は高速応答性が優先される部位を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性に設定する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のロボット装置。
  12. 前記アクチュエータ特性制御手段は、歩行動作上、前記ロボット装置の着床部位と床面がなすリンク状態が開リンク状態と閉リンク状態との間で切り替わる各段階において、各部位を駆動するためのアクチュエータの特性を、第1のアクチュエータ特性と第2のアクチュエータ特性との間で切り替える、
    ことを特徴とする請求項6に記載のロボット装置。
  13. 前記アクチュエータ特性制御手段は、階段昇降動作の段階毎に、各部位のアクチュエータを、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性と、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性との間で切り替える、
    ことを特徴とする請求項5に記載のロボット装置。
  14. 前記アクチュエータ特性制御手段は、階段昇降作業上で階段を昇る又は降りる前の両脚支持の段階において、各部位のアクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性への設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項13に記載のロボット装置。
  15. 前記アクチュエータ特性制御手段は、階段昇降作業上で階段を昇る又は降りるために一歩目を踏み出した段階において、遊脚側の膝ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸の各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性への設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項13に記載のロボット装置。
  16. 前記アクチュエータ特性制御手段は、階段昇降作業上で階段の一段上又は下に一歩目の足が着床した段階において、各部位のアクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性への設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項13に記載のロボット装置。
  17. 前記アクチュエータ特性制御手段は、階段昇降作業上で一段上又は下に着床している足が支持脚となり、支持脚だった2歩目を引き上げた段階において、遊脚側の足首ロール軸及びピッチ軸における各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性への設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項13に記載のロボット装置。
  18. 前記アクチュエータ特性制御手段は、階段昇降作業上で2歩目が階段の2段上に着床した段階において、各部位のアクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性への設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項13に記載のロボット装置。
  19. 前記アクチュエータ特性制御手段は、階段昇降動作の各段階において、位置決め精度が優先される部位を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性に設定する、
    ことを特徴とする請求項13に記載のロボット装置。
  20. 前記アクチュエータ特性制御手段は、階段昇降動作の各段階において、機械的受動性又は高速応答性が優先される部位を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性に設定する、
    ことを特徴とする請求項13に記載のロボット装置。
  21. 前記アクチュエータ特性制御手段は、階段昇降動作上、前記ロボット装置の着床部位と床面がなすリンク状態が開リンク状態と閉リンク状態との間で切り替わる各段階において、各部位を駆動するためのアクチュエータの特性を、第1のアクチュエータ特性と第2のアクチュエータ特性との間で切り替える、
    ことを特徴とする請求項13に記載のロボット装置。
  22. 前記アクチュエータ特性制御手段は、前記ロボット装置の旋回動作の各段階毎に、各部位のアクチュエータを、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性と、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性との間で切り替える、
    ことを特徴とする請求項5に記載のロボット装置。
  23. 前記アクチュエータ特性制御手段は、前記ロボット装置の旋回動作を開始する段階において、各部位のアクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項22に記載のロボット装置。
  24. 前記アクチュエータ特性制御手段は、遊脚が持ち上げられその足底が受ける床反力がゼロとなった段階において、該遊脚側の膝ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸における各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする設定を行なう、
    ことを特徴とする請求項22に記載のロボット装置。
  25. 前記アクチュエータ特性制御手段は、前記ロボット装置の旋回動作が進行して遊脚が着床しその足底が受ける床反力が両脚支持期のそれとほぼ同じになった段階において、該遊脚側の膝ピッチ軸並びに足首ロール軸及びピッチ軸における各アクチュエータの特性に対して、低域ゲインを大きく、高い周波数領域で位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きく、
    ことを特徴とする請求項22に記載のロボット装置。
  26. 前記アクチュエータ特性制御手段は、旋回動作の各段階において、位置決め精度が優先される部位を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを大きく、位相進み量を小さく、粘性抵抗を大きくする第1のアクチュエータ特性に設定する、
    ことを特徴とする請求項22に記載のロボット装置。
  27. 前記アクチュエータ特性制御手段は、旋回動作の各段階において、機械的受動性又は高速応答性が優先される部位を駆動するためのアクチュエータの特性を、低域ゲインを小さく、位相進み量を大きく、粘性抵抗を小さくする第2のアクチュエータ特性に設定する、
    ことを特徴とする請求項22に記載のロボット装置。
  28. 前記アクチュエータ特性制御手段は、旋回動作上、前記ロボット装置の着床部位と床面がなすリンク状態が開リンク状態と閉リンク状態との間で切り替わる各段階において、各部位を駆動するためのアクチュエータの特性を、第1のアクチュエータ特性と第2のアクチュエータ特性との間で切り替える、
    ことを特徴とする請求項22に記載のロボット装置。
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