JP2005152778A - ろ過槽およびろ過槽内の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ろ過層を構成するろ過材に対して噴射される洗浄水や空気の圧力バランスを均等にし、また、ろ過層全体に均等に洗浄水や空気を送り込んでろ過材洗浄効率を上げることができるろ過槽およびろ過槽内の洗浄方法を提供する。
【解決手段】原水供給管2から供給された原水がろ過槽1の上部から流入すると、原水は上部ろ過材流出防止散水ストレーナー3を通り、上部ろ過材流出防止散水ストレーナー3の側面から流出してろ過層4に流れ落ち、ろ過層4によって浄化された処理水はろ過材支持板5を通過し、処理水排出管6を介して排出される。一方、ろ過層4を形成するろ過材を洗浄する場合には、ブロワー7から空気を、処理水排出管6から洗浄水を供給してろ過材支持板5に設けられた貫通孔から噴出させる。
【選択図】 図1
【解決手段】原水供給管2から供給された原水がろ過槽1の上部から流入すると、原水は上部ろ過材流出防止散水ストレーナー3を通り、上部ろ過材流出防止散水ストレーナー3の側面から流出してろ過層4に流れ落ち、ろ過層4によって浄化された処理水はろ過材支持板5を通過し、処理水排出管6を介して排出される。一方、ろ過層4を形成するろ過材を洗浄する場合には、ブロワー7から空気を、処理水排出管6から洗浄水を供給してろ過材支持板5に設けられた貫通孔から噴出させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、排水中に含まれる浮遊物を物理除去するためのろ過材、または溶解性物質を除去するために微生物を定着させるろ過材によりろ過層を形成させたろ過槽およびそのろ過槽内の洗浄方法に関する。
汚水や濁水の処理装置は、円形、または矩形等のろ過槽内に、砂利、砂、活性炭、プラスチックろ過材等の担体のろ過材を充填してろ過層を形成し、ろ過槽上部から原水を供給して下向流で通水したり、またろ過槽下部から原水を供給して上向流で通水し、浮遊物を物理的に除去する。また、粒状担体のろ過材に微生物を定着させ、有機物や窒素成分などの溶解物質を生物酸化処理したりしている。
これらのろ過槽は一定期間ろ過処理を行うと、浮遊物質や生物膜によりろ過層が目詰まりを起こすため、定期的にろ過槽内の特にろ過材の洗浄を行う必要がある。
ろ過材の洗浄方法としては、ろ過槽内の下部に洗浄用の散気管を配置し、散気管に設けられた複数の孔から空気を噴出させて、ろ過槽内に注入された洗浄水とともにろ過材に付着した浮遊物や生物膜を剥離させ、洗浄排水としてろ過槽外に排出するようにしている。
例えば、ろ過槽下部に設けられた散気洗浄装置を有孔ブロック構造とし、この散気洗浄装置から、洗浄水と洗浄空気を同時に発生させ、有孔ブロックを通じてろ過材を洗浄する方法が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ろ過材支持板の中心部を水平に、外周部を截頭円錐筒状に形成し、洗浄空気噴出機構をろ過材支持板の下部に設けて洗浄用空気を噴出させ、洗浄水はろ過槽の周壁下部に設けられた洗浄水供給口より供給して、ろ過材の洗浄を行うことが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−329491号公報
特開平10−230106号公報
しかし、上記従来の技術では、散気管や散気洗浄装置がろ過層断面全体に広がっているため、全ての孔から洗浄に最低限必要な空気量や洗浄水量を送るためバランスを取るのが非常に難しく、また、最低限必要な水圧や空気圧を確保するためにポンプやブロワー、コンプレッサー等の空気供給装置に高性能のものを使用しなけらばならない等の問題があり、大量の原水を処理するためにろ過槽の口径を大きくした場合さらに高性能の空気供給装置が必要となる。
また、ろ過材支持板の中心部を水平に、外周部を截頭円錐筒状に形成し、その下方より洗浄空気と洗浄水を流す構造のものについても、ろ過材支持板の全ての孔から均等な洗浄用空気や洗浄水の出力圧を得るのが非常に難しく、ろ過材支持板の孔からろ過材に供給される洗浄水や洗浄空気は、各ろ過材に均等に行き渡らないのでろ過材の洗浄効率が悪い。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、ろ過層を構成するろ過材に対して噴射される洗浄水や空気の圧力バランスを均等にして、ろ過材の洗浄を均一に行うことができるとともに、ろ過層全体に均等に洗浄水や空気を送り込んでろ過材洗浄効率を上げることができるろ過槽およびろ過槽内の洗浄方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、上部から原水を供給する原水供給部と、原水をろ過するろ過層と、ろ過された処理水を下部から排出する処理水排出管とを備え、前記処理水排出管の排水口からろ過層を洗浄する空気又は洗浄水を供給するろ過槽において、前記ろ過層を形成するろ過材を支持するろ過材支持板を曲面状にして前記処理水排出管の排水口を被うようにし、前記ろ過材支持板の曲面状部分に複数の貫通孔を点在させたことを特徴とするろ過槽である。
また、請求項2記載の発明は、前記ろ過材支持板の曲面状部分に設けられた複数の貫通孔は、貫通孔の角度が曲面に対して垂直でかつ前記排水口の中心から放射状に拡がっていることを特徴とする請求項1記載のろ過槽である。
また、請求項3記載の発明は、前記ろ過材支持板の曲面状部分に設けられた複数の貫通孔は、曲面の頂点に近づく程貫通孔の口径が小さくなっていくことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のろ過槽である。
また、請求項4記載の発明は、前記ろ過材支持板の曲面状部分に設けられた複数の貫通孔は、曲面の頂点に近づく程貫通孔の数の密度が低くなっていくことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のろ過槽である。
また、請求項5記載の発明は、前記曲面状に形成されたろ過材支持板は複数あり、その各ろ過材支持板に対応して前記排水口が複数設けられていることを特徴とした請求項1〜請求項3記載のろ過槽である。
また、請求項6記載の発明は、上部から原水を供給する原水供給部と、原水をろ過するろ過層と、ろ過された処理水を下部から排出する複数の処理水排出管と、前記複数の各処理水排出管毎に設けられた弁と、ろ過層を形成するろ過材を支持する板を曲面状にして前記各処理水排出管毎の排水口を被うようにするとともに前記曲面状部分に複数の貫通孔を点在させたろ過材支持板とを備え、前記処理水排出管からろ過層を洗浄する洗浄水を供給するろ過槽内の洗浄方法において、前記処理水排出管の弁のひとつを開にし、他の弁をすべて閉じる第1段階と、弁を開にされた処理水排出管から洗浄水をろ過槽内へと送り込む第2段階と、前記第1段階と第2段階の動作を所定時間毎に順次他の弁と処理水排出管に切り替えていく第3段階とを備えたことを特徴とするろ過槽内の洗浄方法である。
本発明によれば、ろ過材支持板を曲面状に形成して処理水排出管の排水口を被うようにしているので、排水口からろ過材支持板を通じて水や空気を送ってろ過材を洗浄する場合、ろ過材に対して噴射される洗浄水や空気の圧力バランスを均等に保つことができ、ろ過材の洗浄を均一に行うことができるとともに、特に高性能のポンプやブロワー、コンプレッサーを使用することなくろ過材洗浄を効率良く行うことができる。
また、ろ過材支持板に設けた複数の貫通孔の角度が曲面に対して垂直でかつ処理水排出管の排水口の中心から放射状に拡がっているので、ろ過層全体に均等に洗浄水や空気が送られることになり、さらにろ過材洗浄効率を上げることができる。
また、原水の処理量が多い大型のろ過槽であっても、洗浄性能を落とさず効率良く洗浄することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明のろ過槽を示す概略構成図である。
ろ過槽1は、原水供給部としての原水供給管2、上部ろ過材流出防止散水ストレーナー3、ろ過材から構成されたろ過層4、ろ過材支持板5等で構成されており、ろ過槽1に処理水排出管6、ブロワー7、逆止弁8が接続されている。
このろ過槽1は、下向流式ろ過槽と呼ばれるもので、原水供給管2により外部からろ過槽1内に供給された原水がろ過槽1の上部から流入すると、原水は上部ろ過材流出防止散水ストレーナー3を通り、上部ろ過材流出防止散水ストレーナー3の側面から流出してろ過層4に流れ落ち、ろ過層4によって浄化された処理水はろ過材支持板5を通過し、処理水排出管6を介して排出される。
ろ過槽1は、断面が円形の圧力容器となっており、ビルの屋上のクーリングタワーの水や、遠方の池や噴水の水を処理することができる。また、圧力容器のため、ろ過槽1から水が溢れるようなこともなく流量の調節が容易である。また、ろ過槽1は圧力容器以外の容器であっても良く、例えば開放容器とすることもできるが、ろ過槽1から水が流れないように、ろ過層4が目詰まりした場合の圧力損失を考慮して流量を決定しなければならないなどの調整が必要になる。
原水供給管2は外部からろ過槽1内に導入されて、ほぼろ過層4の中央に位置するようになっている。
上部ろ過材流出防止散水ストレーナー3は、ろ過材洗浄の際に、ろ過材がろ過槽1から排出されないようにし、ろ過層4に均一に原水が流れるようにするために設けられている。
図2に示すように、上部ろ過材流出防止散水トレーナー3の底面には開口部がなく、側面が網目状になっているので、原水供給管2から流入した原水は、上部ろ過材流出防止散水トレーナー3の側面から流出してろ過層4に流れ落ちてろ過層4全面に原水が広がり、ろ過層4の中央部分のみが使われないようにしている。
また、ろ過材洗浄の際の水圧や空気圧に耐えられるような強度を持つ材質で形成されている。上部ろ過材流出防止板3の水を通す開口部分の総面積は、少なくとも原水供給管2の配管断面積以上になるようにする必要があり、ろ過層4に使用されるろ過材が通過しないようにしなければならない。
ろ過層4は、砂、アンスラサイト、繊維ろ過材、プラスチックろ過材等で比重が1以上のものを用いる。比重が1未満の場合、水よりも軽くなり、ろ過材は水に浮いてろ過層4を安定して形成できないからである。
ところで、充填率が高く、空隙率が高いろ過材は、ろ過能力が高く圧力損失が少ないためにポンプなどの原水供給装置やろ過槽に与える負荷が小さい。また、ろ過材洗浄時にろ過材が動きやすく洗浄効率を高くするためには比重が1に近い方が良く、例えば約1.4の比重のものが水に浮くこともなく洗浄効率も良い。これらの点を考慮したろ過材の一例を示したのが図3であり、プラスチック製のろ過材14が示されている。
図3のろ過材14は特開2002−233717で提示したろ過材と同じものであり、貫通孔を有さないプラスチックの帯状シート部材の一方の側端縁を襞が連続するように葛折りして外周側に配置すると共に、この帯状シート部材の他方の側端縁を収束して中心部に配置することによって、全体として略球状に形成している。
ろ過材支持板5は、ろ過材がろ過槽1から排出されないようにするとともに、ろ過材洗浄時に処理水排出管6の排水口6Aから送られた空気と洗浄水を高圧でろ過材に均一に噴射させるために設けられている。
ろ過材支持板5の構造を、ろ過槽1の上部から見た平面図が図4であり、図4のC−C断面、あるいはB−B断面の一例を示したのが図5である。
ろ過材支持板5はろ過槽1の底面中心部に開口させた排水口6Aを完全に被うようにして曲面状に形成されている。排水口6Aの口径は処理水排出管6の口径と同じものとなっている。処理水排出管6の排水口6Aは原水ができるだけ均一な流速でろ過層4を通過できるように、また、ろ過材洗浄時にろ過層4に均等に水が送られるようにろ過槽1の底面中央部に形成されている。
ろ過材支持板5は、曲面状、特に半球面状に形成されており、半球面の部分には貫通孔9が設けられている。貫通孔9は円柱貫通孔であり、孔の大きさはろ過材が貫通孔9を通過して排出されないようにするためにろ過材よりも小さく形成されている。
例えば、図3のプラスチックろ過材を使用した場合、プラスチックろ過材の大きさが約φ15mmが最もろ過性能と洗浄性能のバランスが良いため、この大きさのろ過材を使用すると、貫通孔9の大きさはφ15mm未満となるが、ろ過材が貫通孔9にひっかかることがないようにφ14mm程度とするのが望ましい。
各貫通孔9は、図5に示すように、ろ過材支持板の球面部分に対して垂直(貫通孔が位置する曲面の接線方向に対して垂直)になるように円柱状の孔が形成されたもので、排水口6Aの中心部Pから等角度で放射状に拡がっている。貫通孔9の孔形状を円柱形状にすることで、楕円柱や角柱等の形状に比べて空気や水の噴射圧を均一にすることができ、ろ過層全体を均等に洗浄することがきる。
また、排水口6Aの中心部Pから等角度で放射状に拡がらせることで、ろ過層4に洗浄水や洗浄用空気を均等に行き渡らせることができる。ろ過材支持板5の材料には、水圧と空気圧に耐える強度のものを使用する。なお、図5中、aは貫通孔9の横ピッチを、bは貫通孔9の縦ピッチを表している。
貫通孔9の総表面積は、ろ過時の圧力損失を考慮に入れて処理排出管6の断面積、すなわち排水口6Aの断面積以上になるように構成されている。
例えば、排水口6Aの断面直径をφ80mm、図3のプラスチックろ過材を使用し、その直径をφ15mm、貫通孔9の断面直径をφ14mmとした場合、排水口6Aと貫通孔9との断面積比は(40×40)/(7×7)より約33となり、33個以上の貫通孔9を設ける必要がある。
一方、ろ過材支持板5の全体形状の一例を示すと、排水口6Aの断面直径をφ80mm、図3のプラスチックろ過材を使用し、その直径をφ15mmとした場合、ろ過材支持板5の半球面部分の直径はφ80mm〜φ150mm、横ピッチaは6mm〜10mm、縦ピッチbは5mm〜40mm、貫通孔の直径はφ5mm〜φ15mm未満となる。
上述したように、貫通孔9の最低限の個数は排水口6Aの断面積と貫通孔9の総表面積との関係で決まる。しかし、最低限の個数以上であっても、貫通孔9の個数を多くしすぎると、各貫通孔からの空気や洗浄水の出力圧が下がり、一方、貫通孔9の個数を少なくしすぎると排水口6Aから供給される空気や洗浄水の圧力が各貫通孔に有効に伝わらず圧力損失が大きくなるので、上記ろ過材支持板5の全体形状の一例は最適な範囲として求めたものである。
図6、図7はろ過材支持板5の変形例を示したものであり、図6はろ過材支持板5に設けられた貫通孔9の断面直径を半球面の頂点における貫通孔については最も小さくし、半球面の頂点から離れていく程(半球面の底面側に近づく程)貫通孔の断面直径を順次大きくした構造を示している。
排水口6から流入する空気や洗浄水については、一般にろ過材支持板5の半球面部分の頂点においてその圧力は最も強くなるので、上記のように貫通孔9の断面直径を変化させることで、貫通孔から噴出する洗浄水や空気の噴射圧を各方向に対してできるだけ均一にして、流出量を均等にすることができるので、ろ過層4の洗浄効果を高めることができる。
図7は、貫通孔9の断面直径を変化させずに同一とし、ろ過材支持板5の半球面の頂点における貫通孔の個数の密度(単位表面積当たりの貫通孔の個数)については最も小さくし、半球面の頂点から離れていく程(半球面の底面側に近づく程)貫通孔の個数の密度を順次大きくした構造を示す。図6と同様、貫通孔から噴出する洗浄水や空気の量を各方向に対してできるだけ均一にすることができる。また、貫通孔9の口径をすべて同程度に構成できるので、図6の構成とは異なり、口径を小さくしすぎて貫通孔からの噴出圧力が小さくなりすぎることを心配することがなく、噴出圧力をすべての貫通孔において適度な大きさに維持しつつ、ろ過層4の洗浄効果を高めることができる。
高圧空気供給装置としてブロワー7が接続されており、ブロワー7からの空気は逆止弁8を通り、処理水排出管6を介してろ過槽1内に送り込まれる。逆止弁8はろ過処理後の処理水やろ過材洗浄時に処理水排出管6から供給される洗浄水がブロワー7に流れ込まないようにしている。
以上のように構成されたろ過槽において、ろ過層4を形成しているろ過材を洗浄するときには、原水供給管2からろ過槽1内への原水供給を停止し、ブロワー7から空気を送出する。ブロワー7からの空気は、逆止弁8を通り、ろ過材支持板の貫通孔9から噴出してろ過材を攪拌し、ろ過材に付着した浮遊物や生物膜等からなる汚れをろ過材から剥離させる。一方、ポンプ等で処理水排出管6に洗浄水が流し込まれ、洗浄水はろ過材支持板の貫通孔9から噴出して水流と空気によりさらに洗浄性能を強化させながら、汚れを洗浄排水とともに上部ろ過材流出防止散水ストレーナー3を通して原水供給管2から排出する。
図8は図1とは少し異なる下向流式ろ過槽を示したもので、原水の処理量が多い場合の下向流式ろ過槽の一例である。
ろ過槽11の上部には原水供給管12が接続され、上部ろ過材流出防止散水ストレーナー13、ろ過層14、ろ過材支持板15がろ過槽11内に設けられているのは図1と同じであるが、図8ではろ過材支持板15が3箇所に配置されており、そのろ過材支持板15の各々に対応して3つの処理水排出管16と3つの電動弁18が接続されている。そして3つの処理水排出管16は結合して処理水排出複合管17となっている。
ところで、処理水排出管16の数を多くして、洗浄水や洗浄用空気の導入口を増やせば洗浄性能は向上する。例えば、上述の約φ15mmのプラスチックろ過材を使用し、ろ過槽11の断面直径がφ1500mm以上の場合、処理水排出管は2箇所以上設けるのが望ましい。
図9は、図8の下向流式ろ過槽を用いたろ過処理システムの全体構成を示す図であり、図10は図9のろ過処理システムにおける制御動作を示す図である。
以下図9及び図10を用いて説明するが、図8と同じ構成部分については説明を省略する。原水供給管12の上流にはポンプ31が設置されている。また、原水供給管12のポンプ31とろ過槽11の間に電動弁41が、処理水排出複合管17には電動弁47が設置されている。
ポンプ31と電動弁41との間から分岐して処理水排出複合管17のろ過槽11と電動弁47の間に接続された洗浄水供給管32があり、洗浄水供給管32上に電動弁42が設置されている。また、処理水供給複合管18に空気を供給するためにろ過槽11と電動弁47の間に空気供給管36、ブロワー19、逆止弁20が設置されている。
原水が洗浄水供給管32、処理水排出複合管17、処理水排出管16A、16B、16Cを通じてろ過槽11内に送られ、ろ過材支持板15に設けられた貫通孔から噴出させてろ過層14の下から上に流すとともに処理水排出複合管17に空気が送られることにより洗浄され、洗浄排水および空気は原水供給管12、洗浄排水排出管33を通り、排水溝35に廃棄される。
一方、原水供給管12上の電動弁41とろ過槽11の間から分岐して排水溝35に流れ込んでいる洗浄排水排出管33があり、洗浄排水排出管33上には電動弁43が設置されている。また、処理水排出複合管17と洗浄水供給管33の間から分岐して排水溝35に流れ込んでいるすすぎ排水管34があり、すすぎ排水管34上に電動弁44が設置されている。
ポンプ31、ブロワー19、電動弁41、42、43、44、47、18A、18B、18Cは制御盤等に接続され図10に示すように制御される。なお、上述のように弁には電動弁を用いているが、手動弁であっても良く、3方弁や5方弁を用いて弁の数を少なくすることもできる。
次に図9のシステムの制御動作を図10に基づいて説明する。
まず、電動弁41、47、18A、18B、18Cを開にし、その他の電動弁を閉にしてポンプ31を稼動しろ過運転を開始する。原水がポンプ31により原水供給管2を介してろ過槽11内に送られ、上部ろ過材流出防止散水ストレーナー13の側面から流出した原水は、ろ過層14でろ過処理されてろ過材支持板15を通過し、処理水排出管16A、16B、16Cを通じて処理水排出複合管17に集められて外部に処理水が取り出される。
そして、制御盤内のタイマー等により所定時間経過後、洗浄運転に切り替る。洗浄運転に切り替える指標には、タイマーを用いずに、圧力センサーを用いてろ過層の圧力損失を計測して、その値を用いても良い。
洗浄運転に切り替ると、洗浄動作が開始されるが、洗浄運転には3工程ある。
第1工程(エアー洗浄)は、空気のみをろ過材支持板15から噴出させることにより、ろ過材を攪拌するとともに、ろ過材に付着した浮遊物や生物膜等からなる汚れをろ過材から剥離させる動作であり、第2工程(エアー逆洗)は、第1工程に加えて洗浄水をろ過材支持板15から噴出させ、水流と空気によりさらに洗浄性能を向上させながら、汚れを洗浄排水とともに排水溝35に廃棄する動作であり、第3工程(すすぎ洗浄)は、第2工程で排出されずに残った浮遊物や生物膜等の汚れが処理水として流れ出さないようにするために、洗浄後、ろ過運転前に一定時間原水供給管12から原水を供給し、ろ過層14を通過してきた処理水を処理水排出複合管17、すすぎ排水排出管34を介して排水溝35に廃棄する動作である。
また、第1工程、第2工程はろ過材支持板15の数だけ行われるもので、図9のシステムの場合、3つのろ過材支持板があるので、第1工程⇒第2工程⇒第1工程⇒第2工程⇒第1工程⇒第2工程となる。
第1工程は、洗浄水を使用せずに汚れをろ過材から剥離させておくためのもので、第2工程で使用する洗浄水の量を節約することができ、噴水やクーリングタワーなどの水を循環系で処理する場合、噴水やクーリングタワーに足し水をする量を少なくすることができる。
第1工程を実施せずに洗浄運転を行っても良いが、その場合第2工程の時間を延長する必要がある。また、洗浄水を節約する必要がない場合には、第1工程を実施せずに第2工程だけを行えば良い。
洗浄運転は、まず、ろ過運転の状態から、ポンプ31を停止し、電動弁42、43、18Aを開、その他の電動弁を閉にした後、ブロワー19を稼動し所定時間洗浄運転の第1工程Aを行い、次に第1工程Aの状態からポンプ31を稼動して所定時間第2工程Aを実施する。第1工程Aでは、ブロワー19から空気供給管36、処理水排出複合管17、処理水排出管16Aを介して空気がろ過槽11内に送り込まれ、処理水排出管16Aの排水口を被っているろ過材支持板15の貫通孔より噴出する。第2工程では、ポンプ31により原水が洗浄水供給管32、処理水排出複合管17、処理水排出管16Aを通じてろ過槽11内に送られ、処理水排出管16Aの排水口を被っているろ過材支持板15の貫通孔より噴出してろ過材を洗浄し、洗浄排水および空気は上部ろ過材流出防止散水ストレーナー13、原水供給管12、洗浄排水排出管33を通り、排水溝35に廃棄される。
次に、ポンプ31を停止し、電動弁42,43、18Bを開、その他の電動弁を閉にした後、ブロワー17を稼動し所定時間第1工程Bを行い、第1工程Bの状態からポンプ31を稼動して第2工程Bに切り替え、所定時間第2工程Bを実施する。第1工程Bでは、ブロワー19から空気供給管36、処理水排出複合管17、処理水排出管16Bを介して空気がろ過槽11内に送り込まれ、処理水排出管16Bの排水口を被っているろ過材支持板15の貫通孔より噴出する。第2工程では、ポンプ31により原水が洗浄水供給管32、処理水排出複合管17、処理水排出管16Bを通じてろ過槽11内に送られ、処理水排出管16Bの排水口を被っているろ過材支持板15の貫通孔より噴出してろ過材を洗浄し、洗浄排水および空気は上部ろ過材流出防止散水ストレーナー13、原水供給管12、洗浄排水排出管33を通り、排水溝35に廃棄される。
最後に、ポンプ31を停止し、電動弁42,43、18Cを開、その他の電動弁を閉にした後、ブロワー17を稼動し所定時間第1工程Cを行い、第1工程Cの状態からポンプ31を稼動して第2工程Cに切り替え、所定時間第2工程Cを実施する。第1工程Cでは、ブロワー19から空気供給管36、処理水排出複合管17、処理水排出管16Cを介して空気がろ過槽11内に送り込まれ、処理水排出管16Cの排水口を被っているろ過材支持板15の貫通孔より噴出する。第2工程では、ポンプ31により原水が洗浄水供給管32、処理水排出複合管17、処理水排出管16Cを通じてろ過槽11内に送られ、処理水排出管16Cの排水口を被っているろ過材支持板15の貫通孔より噴出してろ過材を洗浄し、洗浄排水および空気は上部ろ過材流出防止散水ストレーナー13、原水供給管12、洗浄排水排出管33を通り、排水溝35に廃棄される。
すべてのろ過材支持板15から空気や洗浄水を供給してろ過材の洗浄運転の第1、第2工程が終了すると、第3工程に切り替る。
第3工程は、ポンプ31は稼動したままでブロワー17を停止し、電動弁41、44、18A、18B、18Cを開にし、その他の電動弁は閉にして所定時間、排水溝35に排水した後、ろ過運転に切り替る。
第3工程では、原水供給管12から原水をろ過槽11内に供給し、ろ過層14を通過してきた処理水を処理水排出管16A、16B、16Cを通して処理水排出複合管17に集め、すすぎ排水排出管34を介して排水溝35に廃棄する。
以上のように、ろ過材支持板を複数設けて、一つのろ過材支持板の貫通孔から洗浄用空気や洗浄水をろ過材に対して噴出させて洗浄し、この洗浄動作を他のろ過材支持板についても順次行っていくことで、原水の処理量が多い大型のろ過槽であっても、洗浄性能を落とさず効率良く洗浄することができ、また、高性能、大容量のポンプやブロワーを用いる必要がない。
洗浄運転の頻度、各工程の所要時間は対象とする原水の水質や処理量等の水質やろ過材の性能等により調整が必要であるが、例えば、図3で示したプラスチックろ過材を使用し、ろ過槽の断面直径をφ1500mm、ろ過材支持板の数を2、ろ過材量を1500L(リットル)、ろ過流量を毎時40t(トン)(洗浄流量毎時40t)として、鯉のいる池250tの水を循環系で24時間稼動で処理した場合、空気の流量を毎分800Lとして、洗浄頻度は1週間〜1ヶ月毎、第1工程は5〜25分、第2工程は5〜15分、第3工程は1〜5分となる。
1 ろ過槽
2 原水供給管
3 上部ろ過材流出防止散水ストレーナー
4 ろ過層
5 ろ過材支持板
6 処理水排出管
6A 排水口
7 ブロワー
8 逆止弁
9 貫通孔
11 ろ過槽
12 原水供給管
13 上部ろ過材流出防止散水ストレーナー
14 ろ過層
15 ろ過材支持板
16 処理水排出管
17 処理水排出複合管
18 電動弁
2 原水供給管
3 上部ろ過材流出防止散水ストレーナー
4 ろ過層
5 ろ過材支持板
6 処理水排出管
6A 排水口
7 ブロワー
8 逆止弁
9 貫通孔
11 ろ過槽
12 原水供給管
13 上部ろ過材流出防止散水ストレーナー
14 ろ過層
15 ろ過材支持板
16 処理水排出管
17 処理水排出複合管
18 電動弁
Claims (6)
- 上部から原水を供給する原水供給部と、原水をろ過するろ過層と、ろ過された処理水を下部から排出する処理水排出管とを備え、前記処理水排出管の排水口からろ過層を洗浄する空気又は洗浄水を供給するろ過槽において、
前記ろ過層を形成するろ過材を支持するろ過材支持板を曲面状にして前記処理水排出管の排水口を被うようにし、前記ろ過材支持板の曲面状部分に複数の貫通孔を点在させたことを特徴とするろ過槽。 - 前記ろ過材支持板の曲面状部分に設けられた複数の貫通孔は、貫通孔の角度が曲面に対して垂直でかつ前記排水口の中心から放射状に拡がっていることを特徴とする請求項1記載のろ過槽。
- 前記ろ過材支持板の曲面状部分に設けられた複数の貫通孔は、曲面の頂点に近づく程貫通孔の口径が小さくなっていくことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のろ過槽。
- 前記ろ過材支持板の曲面状部分に設けられた複数の貫通孔は、曲面の頂点に近づく程貫通孔の数の密度が低くなっていくことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のろ過槽。
- 前記曲面状に形成されたろ過材支持板は複数あり、その各ろ過材支持板に対応して前記排水口が複数設けられていることを特徴とした請求項1〜請求項3記載のろ過槽。
- 上部から原水を供給する原水供給部と、原水をろ過するろ過層と、ろ過された処理水を下部から排出する複数の処理水排出管と、前記複数の各処理水排出管毎に設けられた弁と、ろ過層を形成するろ過材を支持する板を曲面状にして前記各処理水排出管毎の排水口を被うようにするとともに前記曲面状部分に複数の貫通孔を点在させたろ過材支持板とを備え、前記処理水排出管からろ過層を洗浄する洗浄水を供給するろ過槽内の洗浄方法において、
前記処理水排出管の弁のひとつを開にし、他の弁をすべて閉じる第1段階と、
弁を開にされた処理水排出管から洗浄水をろ過槽内へと送り込む第2段階と、
前記第1段階と第2段階の動作を所定時間毎に順次他の弁と処理水排出管に切り替えていく第3段階とを備えたことを特徴とするろ過槽内の洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003394597A JP2005152778A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | ろ過槽およびろ過槽内の洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003394597A JP2005152778A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | ろ過槽およびろ過槽内の洗浄方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005152778A true JP2005152778A (ja) | 2005-06-16 |
Family
ID=34720620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003394597A Withdrawn JP2005152778A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | ろ過槽およびろ過槽内の洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005152778A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009509765A (ja) * | 2005-10-04 | 2009-03-12 | ザ ペトロリウム オイル アンド ガス コーポレイション オブ サウス アフリカ (プロプライエタリー) リミテッド | 濾過方法および濾過装置 |
JP2010119944A (ja) * | 2008-11-19 | 2010-06-03 | Omega:Kk | 濾過器 |
KR101483681B1 (ko) * | 2014-07-09 | 2015-01-16 | 강영현 | 분산 바스켓 압력식 여과기 |
-
2003
- 2003-11-25 JP JP2003394597A patent/JP2005152778A/ja not_active Withdrawn
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JP2010119944A (ja) * | 2008-11-19 | 2010-06-03 | Omega:Kk | 濾過器 |
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