JP2005151970A - 樹木保護用シート、防草用シート及び施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、作業性及びコストの点で優れた樹木保護用シート並びに防草用シートを提供することを課題とする。
【解決手段】樹木12に巻きつけて取り付けられ、樹木12が鹿、熊、野兔、野鼠などの動物により被害を受けるのを防ぐための樹木保護用シート11において、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体13と、このシート本体13を樹木12に固定する,樹木の生長を妨げない非拘束性のゴムバンド14とを具備することを特徴とする樹木保護用シート11。
【選択図】 図1
【解決手段】樹木12に巻きつけて取り付けられ、樹木12が鹿、熊、野兔、野鼠などの動物により被害を受けるのを防ぐための樹木保護用シート11において、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体13と、このシート本体13を樹木12に固定する,樹木の生長を妨げない非拘束性のゴムバンド14とを具備することを特徴とする樹木保護用シート11。
【選択図】 図1
Description
本発明は、樹木が鹿、熊、野兔、野鼠などの動物により被害を受けるのを防ぐための樹木保護用シート、雑草の生長を抑止するための防草用シート、及びこれらのシートの施工方法に関する。
最近、林業の分野では、鹿、熊、野兔、野鼠などの動物による造林木の樹皮剥ぎや苗木等の樹木の葉の食害が深刻な問題となっている。ところで、樹皮剥ぎを受けると、樹皮剥ぎ部分から腐朽が生じて材木としての価値が著しく低下するとともに、場合によっては枯死することも起こりうる。また、苗木の葉が食害を受けると、成長が全く止まってしまう可能性が大きく、多大な損害を受けることになる。
従来、こうした問題を解決するためには、植林された樹木地帯を金網、丸太等の防護柵で囲んだり、あるいは図4に示すように植栽木1をポリエチレン等の樹脂製ネット2で囲い込み、紐等の固定具3で固定する等の手段が採用されている。しかし、金網等で樹木地帯を囲むのは広い領域にわたるため、コスト高となるとともに、美観を損ねる問題が生じる。また、植栽木を樹脂製ネットで囲い込むことは、植栽木毎に施工するとともに、植栽木が生長した後、ネットを外す作業が必要であり、作業性が悪いとともにコスト高を招く。
特許文献1は、図6に示すように、柔軟性を有するシート状のツリープロテクター本体4と、この本体4に一体的に設けられ、該本体4を巻回した状態で保持する,係止片5及びスリット6とからなるツリープロテクター(樹木保護用シート)7の一例を示す。しかし、この特許文献1の場合も、上記と同様に、作業性、コストの点で問題があった。図6のツリープロテクター7(7a,7b,7c)は、例えば図6に示すように樹木の外周部にセットされて使用される。
また、従来、例えば図5に示すように、道路8の傾斜地面9に生長する雑草を抑制する手段として、防草用シート10を敷設することが行われている。ここで、防草用シート10を敷設するには、例えば、シート敷設予定地の除草をしたり、大きな石やゴミ等を取り除き、更に必要に応じて表面から10cm程度の鍬取りを行った後、ロール状の防草用シートを敷き詰め、適宜な長さに切断し、最後に前記シートを地面に杭などにより固定することにより行なっている。
しかし、前記防草用シートは一般にポリエステル不織布等により構成されているため、放置すると長年そのまま残るため、しばらくした後回収作業が必要となり、作業性が悪いとともにコスト高を招く問題があった。
実用新案登録第3067313号(段落[0010]〜[0012]及び図1参照)
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体と、このシート本体を樹木に固定する,樹木の生長を妨げない非拘束性の固定具を具備した構成にすることにより、作業性及びコストの点で優れた樹木保護用シート及びその施工方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体と、このシート本体を地面に固定するための止め具とを具備した構成にすることにより、作業性及びコストの点で優れた防草用シート及びその施工方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、芝桜、ヘデラ等の匍匐植物あるいは苗木を植える際に、雑草の生長を抑止するために地面に敷かれて使用される防草用シートであり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有し、かつ前記匍匐植物あるいは苗木を植える場所に相当する位置に開口穴が形成されたシート本体と、このシート本体を地面に固定するための止め具と、前記匍匐植物あるいは苗木の根元と前記開口穴の間の隙間に形成された発泡体層とを具備した構成にすることにより、匍匐植物あるいは苗木の根元と開口穴の間の隙間から雑草が生えるのを抑制し、かつ作業性及びコストの点でも優れた防草用シート及びその施工方法を提供することを目的とする。
1)本発明の樹木保護用シートは、樹木に巻きつけて取り付けられ、樹木が鹿、熊、野兔、野鼠などの動物により被害を受けるのを防ぐための樹木保護用シートにおいて、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体と、このシート本体を樹木に固定する,樹木の生長を妨げない非拘束性の固定具とを具備することを特徴とする。
2)本発明の他の樹木保護用シートは、苗木の周辺の地面に敷かれて使用される樹木保護用シートにおいて、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体と、このシート本体を地面に固定する止め具とを具備することを特徴とする
3)本発明の樹木保護用シートの施工方法は、樹木に巻きつけて取り付けられ、樹木が鹿、熊、野兔などの動物により被害を受けるのを防ぐための樹木保護用シートの施工方法において、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体を樹木に巻きつけた後、前記シート本体を樹木の生長を妨げない非拘束性の固定具により樹木に固定することを特徴とする。
3)本発明の樹木保護用シートの施工方法は、樹木に巻きつけて取り付けられ、樹木が鹿、熊、野兔などの動物により被害を受けるのを防ぐための樹木保護用シートの施工方法において、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体を樹木に巻きつけた後、前記シート本体を樹木の生長を妨げない非拘束性の固定具により樹木に固定することを特徴とする。
4)本発明の他の樹木保護用シートの施工方法は、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体を地面に敷設した後、このシート本体を止め具により地面に固定することを特徴とする。
5)本発明の防草用シートは、地面に敷かれて使用され、雑草の生長を抑止するための防草用シートであり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体と、このシート本体を地面に固定するための止め具とを具備することを特徴とする。
6)本発明の別な防草用シートは、芝桜、ヘデラ等の匍匐植物あるいは苗木を植える際に、雑草の生長を抑止するために地面に敷かれて使用される防草用シートであり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有し、かつ前記匍匐植物あるいは苗木を植える場所に相当する位置に開口穴が形成されたシート本体と、このシート本体を地面に固定するための止め具と、前記匍匐植物あるいは苗木の根元と前記開口穴の間の隙間に形成された発泡体層とを具備することを特徴とする。
7)本発明の防草用シートの施工方法は、地面に敷かれて使用され、雑草の生長を抑止するための防草用シートの施工方法であり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体を地面に敷設した後、このシート本体を止め具により地面に固定することを特徴とする。
8)本発明の別な防草用シートの施工方法は、前記6)記載の防草用シートの施工方法であり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体を地面に敷設した後、前記シート本体を止め具により地面に固定するとともに、匍匐植物あるいは苗木の根元と開口穴の間の隙間に発泡体層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体と、このシート本体を樹木に固定する,樹木の生長を妨げない非拘束性の固定具を具備した構成にすることにより、作業性及びコストの点で優れた樹木保護用シート及びその施工方法を提供できる。
また、本発明によれば、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体と、このシート本体を地面に固定する止め具とを具備した構成にすることにより、作業性及びコストの点で優れた樹木保護用シート及びその施工方法を提供できる。
更に、本発明によれば、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体と、このシート本体を地面に固定するための止め具とを具備した構成にすることにより、作業性及びコストの点で優れた防草用シート及びその施工方法を提供できる。
更には、本発明によれば、芝桜、ヘデラ等の匍匐植物あるいは苗木を植える際に、雑草の生長を抑止するために地面に敷かれて使用される防草用シートであり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有し、かつ前記匍匐植物あるいは苗木を植える場所に相当する位置に開口穴が形成されたシート本体と、このシート本体を地面に固定するための止め具と、前記匍匐植物あるいは苗木の根元と前記開口穴の間の隙間に形成された発泡体層とを具備した構成にすることにより、匍匐植物あるいは苗木の根元と開口穴の間の隙間から雑草が生えるのを抑制し、かつ作業性及びコストの点でも優れた防草用シート及びその施工方法を提供できる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の樹木保護用シートにおいて、生分解性ポリマーとしては、バクテリア、酵素などの生化学活性物質の作用によって分解するポリマーを意味する。具体的には、ポリカプロラクトン(例えば、日本合成社の商品名:マタビー、ダイセル社の商品名:セルグリーン(PCL))、芳香族ポリエステル(BSAF社の商品名:エコレックス)、ポリブチレンサクシネート・アジペート(昭和高分子社の商品名:ビオノーレ3001)、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社の商品名:ビオノーレ1001)、ポリエステルカーボネート(日本ガス化学社の商品名:ユーパック)、あるいはセルグリーンPCA(ダイセルの商品名)、デンプン、蛋白のような天然物を使用することができるが、特にこれらに限定されない。
本発明の樹木保護用シートにおいて、生分解性ポリマーとしては、バクテリア、酵素などの生化学活性物質の作用によって分解するポリマーを意味する。具体的には、ポリカプロラクトン(例えば、日本合成社の商品名:マタビー、ダイセル社の商品名:セルグリーン(PCL))、芳香族ポリエステル(BSAF社の商品名:エコレックス)、ポリブチレンサクシネート・アジペート(昭和高分子社の商品名:ビオノーレ3001)、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社の商品名:ビオノーレ1001)、ポリエステルカーボネート(日本ガス化学社の商品名:ユーパック)、あるいはセルグリーンPCA(ダイセルの商品名)、デンプン、蛋白のような天然物を使用することができるが、特にこれらに限定されない。
前記樹木保護用シートにおいて、自然廃棄物とは、そのまま土壌に放置すれば自然に生分解されて土に返還されるものを意味し、例えば建築解体木材、流木、伐採材、雑草、剪定枝葉、デンプン等を粉状にしたものが挙げられが、特にこれらに限定されない。こられのし全廃棄物の粒度は10〜1000μmで、好ましくは30〜500μmである。ここで、粒度が10μm未満であると、コストが高くなる。また、粒度が1000μmを越えると、シート強度が大幅に低下するとともに、シート加工上もシートに凹凸ができる等フィルムの加工は難しい。
前記樹木保護用シートにおいて、軟化剤は前記シートの施工性を高めるために充填するもので、例えば花王のエクセル生分解性軟化剤であるグリセロールモノステアレート、ヒマシ油、ワセリン等が挙げられる。通常、樹木に巻きつける樹木保護用シートは例えば1〜3m程度の幅のものをロール状にして運搬し、施工する際に適宜な長さに切断して使用するので、樹木に巻きつけるにはある程度の柔軟性が必要となる。従って、シート本体を構成する混合物の一組成として軟化剤を含ませる。また、苗木の周辺に敷かれて使用される樹木保護用シートにおいても、施工される地面は一般に凹凸があるため、ある程度の柔軟性が必要となる。従って、この場合も上記混合物の一組成として軟化剤を含ませる。但し、苗木の周辺に敷かれた使用される樹木保護用シートにおいては、その面積が凹凸の影響を受けない程小さい場合は、柔軟性は必要としなので、この場合軟化剤は不要となる。
前記樹木保護用シート(成長した樹木用)は、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から形成されるが、この混合物にはこれらの成分以外に例えば帝装化成製の商品名:ラムタリン、田辺製薬の商品名:ナラマイシン、大和化学の商品名:アニシロンCRM、日本化薬の商品名:ケミストン等の防鼠剤等の獣害防止剤、有機溶剤、チヌビン944(チバガイギー社の商品名)等のUV吸収剤、カーボンブラック(例えばGPF)等の光遮断剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤等を混入することができる。
ここで、獣害防止剤を添加した場合は、鹿等の動物が樹木に近づくのを抑止することができ、獣害防止剤はシートの主面全面あるいは部分的に塗布などにより形成させてもよい。前記UV吸収剤を添加するのは、シートの耐候性を向上させて寿命を延長させるためである。光遮断剤を添加するのは、熱吸収性を大きくしてシートの耐候性を向上させ、寿命を延長させるためである。一般に、前記シートは、樹木の種類によっても異なるが、大体3〜5年程度で生分解するように生分解度合を調節することが好ましい。
前記樹木保護用シートにおいて、樹木の生長を妨げない非拘束性の固定具としては、できるだけ柔らかく、樹木の生長に伴って抵抗無く伸長するように例えば伸縮性を有したゴムバンドが挙げられる。ゴムバンドは、例えば天然ゴムにカーボンブラック、老化防止剤、軟化剤、亜鉛華、硫黄、加硫促進剤を加えてなる混合物を成形することにより得られる。前記ゴムとしてはイソプレン系、ブタジエン系ゴムのように分解し易いゴムがよい。また、ゴムバンドは、硬度(Hs)20〜80程度、モジュラス(引張強さ):20〜200kg/cm2程度が好ましい。更に、固定具としては、生分解性繊維からなる伸縮性を有した編織物を用いてもよい。一般に、前記樹木保護用シートは地面から1〜3m程度の高さに樹木を囲むように敷設するが、固定具はシート本体の外周に取り付けても良いし、ロール状のシートを切断した後の付き合わせ部分のみを止めてもいずれでもよい。
前記樹木保護用シート及び防草用シートにおいて、シート本体の裏面側には該シート本体の破れを防止する目的で生分解性を有する補強層、具体的には不織布、綿布、金巾等の補強用シートを貼り付けることが好ましい。ここで、補強用シートは樹木保護用シートの場合は特に必要ではないが、防草用シートのように広い面積に切断して使用する場合に有効である。
前記防草用シートにおいて、生分解性ポリマー、自然廃棄物、軟化剤、その他の添加物は樹木保護用シートの場合と同様である。但し、防草用シートの場合、雑草等の生長を効果的に抑制するためには、光の透過ができるだけ遮断することが重要で、少なくとも95%以上遮断することが好ましく、100%遮断することが更に好ましい。
前記防草用シートにおいて、シート本体を地面に固定する止め具としては、例えば竹製,木製の杭が挙げられるが、これに限定されず、シート本体を地面に確実に固定できるものであれば何でもよい。また、防草用シートには、通水用の小孔を多数形成することが好ましい。これにより雨等が防草用シートに溜まったり、傾斜地において雨が一か所に集中することを抑制することができる。ここで、小孔の径は雑草が小孔より生長するのを回避するために適宜設定することが好ましく、大体0.5〜2mmとする。但し、小径から雑草等が伸びるのを防止するために、シート本体を上シートと下シートの2層とし、各シートにおける小孔が互にずれるように積層配置したり、あるいは小孔が形成されたシート本体の裏面側に不織布又は金巾を配置するようにすることが好ましい。
匍匐植物あるいは苗木を植える際の前記防草用シートにおける考察は、以下の通りである。一般に、芝桜、ヘデラ等の匍匐植物あるいは苗木を土中に植える場合、匍匐植物あるいは苗木に相当するシート部分に開口穴を開けて、この開口穴から露出する匍匐植物あるいは苗木が生長するようにしても、匍匐植物の根元と開口穴の間の隙間には豚草、背高泡立ち草等が生えて、匍匐植物あるいは苗木の生長が妨げられることが多い。従って、本発明に係る防草用シートでは、匍匐植物あるいは苗木の根元と開口穴の間の隙間に発泡体用液をスプレー等してその隙間を埋め、発泡体からなる層を形成するものである。ここで、発泡体としては、例えば発泡ウレタンが挙げられるが、これに限らない。
本発明において、苗木の周辺の地面に敷かれて使用される樹木保護用シートにおいて、苗木の根の少なくとも真下あるいは更にその周辺に位置する地面(例えば20〜30cmの深さ)には例えば緩効性肥料を配置することが好ましい。これにより、雑草の生長を樹木保護用シートで抑制しつつ苗木の成長を促進することができ、従来のような間伐作業や急な勾配における危険な除草作業を回避できる。
前記樹木保護用シート及び防草用シートのいずれの場合も、シート化するには、下記の1)〜3)の方法が考えられる。
1)生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤等を含む混合物をバンバリー、ニーダー等で混練りした後、3本ロールを用いてカレンダー加工等によりシート化する方法。ここで、シート本体の裏面側に不織布、織布、金巾等による補強層を貼り付ける場合は、カレンダー加工後のシート本体の裏面にロールを用いて補強層を加圧することにより行う。この際、接着剤を使用してもよい。
2)前記混合物を押出機を用いてペレット化した後、更にTダイ及びロールを用いてシート化する方法。
3)前記混合物を押出し混練機を用いてペレット化し、更にTダイ及び3本のロールを用いてシート化する方法。
1)生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤等を含む混合物をバンバリー、ニーダー等で混練りした後、3本ロールを用いてカレンダー加工等によりシート化する方法。ここで、シート本体の裏面側に不織布、織布、金巾等による補強層を貼り付ける場合は、カレンダー加工後のシート本体の裏面にロールを用いて補強層を加圧することにより行う。この際、接着剤を使用してもよい。
2)前記混合物を押出機を用いてペレット化した後、更にTダイ及びロールを用いてシート化する方法。
3)前記混合物を押出し混練機を用いてペレット化し、更にTダイ及び3本のロールを用いてシート化する方法。
(作用)
本発明に係る(成長木のための)樹木防護用シートによれば、シート本体を樹木に巻きつけ、シート本体を固定具で固定するので、鹿、熊などの動物から樹木を保護することができる。こうした樹木保護効果は、例えばシート本体に表面にライオンの糞等を部分的に塗布,混入させれば、糞等がシート本体の多孔部分に吸着されるので、長期効果を保つことができ、一層向上することができる。また、シート本体は生分解性を有するので、樹木が生長して一定期間過ぎた後に生分解させることができ、従来の保護用シートのように回収する作業を省略でき、人件費を少なくできる。従って、樹木保護のみならず、従来と比べて作業性の点で優れた樹木保護用シートが得られる。
本発明に係る(成長木のための)樹木防護用シートによれば、シート本体を樹木に巻きつけ、シート本体を固定具で固定するので、鹿、熊などの動物から樹木を保護することができる。こうした樹木保護効果は、例えばシート本体に表面にライオンの糞等を部分的に塗布,混入させれば、糞等がシート本体の多孔部分に吸着されるので、長期効果を保つことができ、一層向上することができる。また、シート本体は生分解性を有するので、樹木が生長して一定期間過ぎた後に生分解させることができ、従来の保護用シートのように回収する作業を省略でき、人件費を少なくできる。従って、樹木保護のみならず、従来と比べて作業性の点で優れた樹木保護用シートが得られる。
一方、(苗木のための)樹木保護用シートにおいても、シート本体を苗木根周辺の地面に敷き、シート本体を止め具により地面に固定するので、上記と同様、動物から苗木(樹木)を保護することができる。また、苗木用のシートの場合、苗木の根の少なくとも真下に位置する地面に例えば緩効性肥料を配置することにより、雑草の生長を樹木保護用シートで抑制しつつ苗木の成長を促進することができ、従来のような間伐作業を回避したり、急な勾配における危険な除草作業を低減できる。即ち、植林では、一般に予め多数の苗木を植えた後、成長が遅い樹木を多数伐採して本来必要とする樹木のみを残すような方式をとっており、間伐に多大な時間と作業をかけていた。また、山林は勾配が急なため除草作業が危険であるが、前記シートの配置によりシートの存在しない苗木の周辺部のみを刈ればよいので、危険な作業時間を低減できるとともに、苗木を草刈機で損傷することを回避できる。
更に、本発明の樹木保護用シートの施工方法によれば、シート本体に軟化剤が含まれているので、施工前のシートをロール状の状態で移送できるので移送作業に優れるとともに、樹木に巻きつけるときの施工性もよい。但し、施工性を余り考慮しないのであれば、軟化剤を含まないシート本体を作成することも可能である。
本発明の防草用シートによれば、シート本体を止め具により地面に固定するので、太陽光が地面に照射するのをほとんど遮断でき、雑草の生長を抑制することができる。また、シート本体は生分解性を有するので、一定期間過ぎて雑草の生長が回避された後に生分解させることができ、従来の防草用シートのように回収する作業を省略でき、人件費を少なくできる。従って、防草効果のみならず、従来と比べて作業性の点で優れた防草用シートが得られる。更に、シート本体には多数の小孔を形成すれば、シート本体に雨水が溜まったりすること等を抑制することができる。
本発明の匍匐植物あるいは苗木のための防草用シートによれば、匍匐植物あるいは苗木の根元と開口穴の間の隙間に発泡ウレタン等の発泡体用液をスプレーしてその隙間を埋め、発泡体層を形成するので、この発泡体層により豚草や背高泡立ち草等の発生を抑制して匍匐植物あるいは苗木の生長を促進することができる。
また、本発明の防草用シートの施工方法によれば、シート本体に軟化剤が含まれているので、施工前のシートをロール状の状態で移送できるので移送作業に優れるというメリットを有する。
以下、本発明の実施例について図面を参照して施工方法を併記しながら説明する。なお、下記に示す部材の材料や数値等は一例を示すもので、これらにより本発明の権利範囲が特定されるものではない。
(実施例1)
図1を参照する。図中の符番11は、樹木12を保護する樹木保護用シートである。この樹木保護用シート11は、生分解性を有する厚さ0.5mmのシート本体13と、このシート本体11の裏面側に配置された図示しない綿布(補強層)と、前記シート本体13を樹木12に固定する,樹木12の生長を妨げない非拘束性のゴムバンド(固定具)14とから構成されている。前記シート本体13の表面には、例えばライオンの糞を水で溶かしてなる獣害防止剤15が部分的に混入されている。
図1を参照する。図中の符番11は、樹木12を保護する樹木保護用シートである。この樹木保護用シート11は、生分解性を有する厚さ0.5mmのシート本体13と、このシート本体11の裏面側に配置された図示しない綿布(補強層)と、前記シート本体13を樹木12に固定する,樹木12の生長を妨げない非拘束性のゴムバンド(固定具)14とから構成されている。前記シート本体13の表面には、例えばライオンの糞を水で溶かしてなる獣害防止剤15が部分的に混入されている。
前記シート本体13は、BSAF社の商品名:エコフレックス(生分解性ポリマー)70kgと、木粉(自然廃棄物)70kgと、花王製の商品名:エクセル(軟化剤)7kgと、チバガイギー社の商品名:チヌビン944(紫外線吸収剤)1.5kgと、カーボンブラック2kgと、ステアリン酸(離型剤)1.5kgを含む混合物を、所定のバンバリーで混練りした後、ロールを用いてシート状に押出すとともに、前記シート本体13の裏面に綿布を接着剤を介して加圧一体化することにより得られる。
上記したように、実施例1に係る樹木保護用シートは、生分解性ポリマーや木粉等を適宜含む混合物をシート状にして得られる生分解性を有するシート本体13と、このシート本体13の裏面側に配置された綿布と、前記シート本体13を樹木12に固定する非拘束性のゴムバンド14と、前記シート本体13の表面に部分的に混入された獣害防止剤15とを具備した構成となっている。
こうした構成の樹木保護用シートを施工する時は、ロール状に巻かれたシートを適宜な長さ分切断してシート本体13とした後、このシート本体13を樹木12に巻き、更にこのシート本体13の外周にゴムバンド14を巻きつけて樹木12に固定することにより行う。
こうした樹木保護用シートによれば、シート本体13を樹木12に巻きつけ、シート本体12をゴムバンド14で固定するので、鹿、熊などの動物から樹木12を保護できることができる。この樹木保護効果は、シート本体12に表面に部分的に混入した獣害防止剤15により一層向上することができる。また、シート本体13は生分解性を有するので、樹木が生長して一定期間過ぎた後に生分解させることができ、従来の保護用シートのように回収する作業を省略でき、人件費を少なくできる。従って、樹木保護のみならず、従来と比べて作業性の点で優れた樹木保護用シートが得られる。また、本発明の樹木保護用シートの施工方法によれば、シート本体12に軟化剤が含まれているので、施工前のシートをロール状の状態で移送できるので移送作業に優れるとともに、樹木12に巻きつけるときの施工性もよい。
なお、上記実施例1において、固定具はゴムバンド以外に限らず、他の手段を用いてもよい。また、固定具として生分解性材料から製造されたものを使用すれば、シート本体のみならず、固定具も生分解させることができるので、好ましい。更に、固定具はシート本体の外周全体を止めるに限らず、切断したシート本体の切断部分同士を部分的に止めてもよい。更には、獣害防止剤をシート本体に混入するのではなく、シート本体を構成する混合物中に入れ、長期間その効果が発揮できるようにしてもよい。
また、上記実施例1において混合物を構成する各組成物の配合割合は、上述した配合割に限らず、生分解性ポリマーは50〜130部が好ましく更に好ましくは50〜80部、木粉は150部以下が好ましく更に好ましくは50〜130部、軟化剤は0〜40部が好ましく更に好ましくは10〜30部、紫外線吸収剤は0〜10部が好ましく更に好ましくは2〜7部、カーボンブラックは0〜5部が好ましく更に好ましくは0.2〜3部である。ここで、木粉が多すぎるとシートの強度が低くなり、また硬くなるので加工上軟化剤が必要となり、更にシート強度の低下をもたらす。
更に、シート本体の厚みも0.5mmに限らず、0.003〜3mm好ましくは0.2〜1mmの範囲がより好ましい。この理由は、シート本体の厚みが0.003mm未満であると、シート化しても施工上破れやすいからであり、厚みが3mmを越えると、曲げにくく重ね作業がしにくいからである。
更には、上記実施例1では、図1から明らかのように樹木がある程度成長している場合(樹木の葉の部分がシートで囲まれていない場合)について述べているが、樹木が十分成長せずに苗木である場合(即ち、樹木の葉の部分がシートで囲まれているような場合)にも適用できる。但し、この場合、シートで囲まれた領域に太陽光が届きにくいので、シートを透明な材料例えばヘキサチューブのようなもので構成することが好ましい。
(実施例2)
図2(A),(B)を参照する。但し、図2(A)は実施例2に係る防草用シートの使用例を示す説明図、図2(B)は図2(A)の防草用シートの略斜視図を示す。
図中の符番21は、雑草の生長を抑制する防草用シートである。この防草用シート21は、生分解性を有する厚み0.5mmのシート本体22と、このシート本体22を地面23に固定する竹製の杭(固定具)24と、前記シート本体22の裏面(地面側)に張付けられた厚み500μmの布(補強材)25から構成されている。前記シート本体22は、樹木保護用シートの前記シート本体と同様な材質から形成され、作り方も前述した通りである。前記布25は、シート本体22の破れを防止する目的で貼り付けられている。前記シート本体22には、水を通過させるための任意の径を持つ小孔26が多数格子状に形成されている。なお、前記シート本体22の組成は実施例1のシート本体と同様である。
図2(A),(B)を参照する。但し、図2(A)は実施例2に係る防草用シートの使用例を示す説明図、図2(B)は図2(A)の防草用シートの略斜視図を示す。
図中の符番21は、雑草の生長を抑制する防草用シートである。この防草用シート21は、生分解性を有する厚み0.5mmのシート本体22と、このシート本体22を地面23に固定する竹製の杭(固定具)24と、前記シート本体22の裏面(地面側)に張付けられた厚み500μmの布(補強材)25から構成されている。前記シート本体22は、樹木保護用シートの前記シート本体と同様な材質から形成され、作り方も前述した通りである。前記布25は、シート本体22の破れを防止する目的で貼り付けられている。前記シート本体22には、水を通過させるための任意の径を持つ小孔26が多数格子状に形成されている。なお、前記シート本体22の組成は実施例1のシート本体と同様である。
上記実施例2に係る防草用シートは、多数の小孔26が形成された生分解性を有するシート本体22と、このシート本体22の裏面に形成された布25と、前記シート本体22を地面に固定する木製の杭24とから構成されている。
こうした構成の防草用シートを施工する時は、ロール状に巻かれたシートを適宜な長さに切断してシート本体22とした後、このシート本体22を地面に敷設し、更にこのシート本体22を杭24により地面23に固定することにより行う。
こうした防草用シートによれば、シート本体22を杭24により地面23に固定するので、太陽光が地面に照射するのをほとんど遮断でき、雑草の生長を抑制することができる。また、シート本体22は生分解性を有するので、一定期間過ぎて雑草の生長が回避された後に生分解させることができ、従来の防草用シートのように回収する作業を省略でき、人件費を少なくできる。従って、防草効果のみならず、従来と比べて作業性の点で優れた防草用シートが得られる。更に、シート本体22には多数の小孔26が形成されているので、シート本体22に雨水が溜まったりすることを抑制することができる。
また、本発明の防草用シートの施工方法によれば、シート本体22に軟化剤が含まれているので、施工前のシートをロール状の状態で移送できるので移送作業に優れるというメリットを有する。
上記実施例2において、シート本体の裏面にフェルトを設けた場合について述べたが、フェルトは必ずしも必要とはしない。また、固定具は竹製の杭に限らず、他の材料でもよい。更に、シート本体の材料の一つとして軟化剤が使用されているが、シートを広い領域でなく狭い領域で使用する場合は必ずしも必要ではない。
また、上記実施例2において、各組成物の配合割合、シート本体の厚みは、上述した樹木防護用シートの場合と同様である。更に、布の厚みは上記した値に限らず、100〜5000μmが好ましく、さらに好ましくは200〜2000μmである。この理由は、100μmでは強度が弱く破れやすく、また5000μmを越えると補強層としての布が断熱層となって地温が上がらず、雑草の成長を許してしまうからである。
(実施例3)
実施例3に係る防草用シートは、例えば匍匐植物を保護するために使用される。図8(A),(B)を参照する。ここで、図8(A)は防草用シートの平面図、図8(B)図8(A)のX−X線に沿う断面図を示す。
実施例3に係る防草用シートは、例えば匍匐植物を保護するために使用される。図8(A),(B)を参照する。ここで、図8(A)は防草用シートの平面図、図8(B)図8(A)のX−X線に沿う断面図を示す。
図中の符番41は、雑草の生長を抑制する防草用シートである。この防草用シート41は、生分解性を有する厚み0.5mmのシート本体42と、このシート本体42を地面43に固定する竹製の杭(固定具)44と、前記シート本体42の裏面(地面側)に張付けられた厚み500μmの布(補強材)45から構成されている。前記シート本体42は、樹木保護用シートの前記シート本体と同様な材質から形成され、作り方も前述した通りである。芝桜等の匍匐植物46が植えられる箇所に相当する前記シート本体41には、開口部47が形成されている。匍匐植物46の根元と開口部47の間の隙間には、発泡ウレタンをスプレーすることにより得られる発泡体からなる層48が設けられている。前記布45は、シート本体42の破れを防止する目的で貼り付けられている。なお、前記シート本体42の組成は実施例1のシート本体と同様である。
上記実施例3に係る防草用シートは、開口部47が形成された生分解性を有するシート本体42と、このシート本体42の裏面に形成された布45と、前記シート本体42を地面43に固定する木製の杭44と、匍匐植物46の根元と開口部47の間の隙間に設けられた発泡体からなる層48とから構成されている。
こうした構成の防草用シートを施工する時は、ロール状に巻かれたシートを適宜な長さに切断して開口部47を有したシート本体42とした後、このシート本体42を地面に敷設し、更にこのシート本体42を杭44により地面43に固定するとともに、匍匐植物46の根元と開口部47の間の隙間に発泡体からなる層48を形成することにより行う。なお、開口部47はシートを地面43に固定する前に予め開口してもよいし、固定してから開口してもよい。また、発泡体からなる層48は通常はシートを地面43に固定してから行うが、この逆でもよい。
こうした防草用シートによれば、シート本体42を杭44により地面43に固定するので、太陽光が地面に照射するのをほとんど遮断でき、雑草の生長を抑制することができる。また、匍匐植物46の根元と開口部47の間の隙間に発泡体からなる層48を設けることにより、雑草の生長を一層抑制することができる。更に、シート本体42は生分解性を有するので、一定期間過ぎて雑草の生長が回避された後に生分解させることができ、従来の防草用シートのように回収する作業を省略でき、人件費を少なくできる。従って、防草効果のみならず、従来と比べて作業性の点で優れた防草用シートが得られる。
また、本発明の防草用シートの施工方法によれば、シート本体42に軟化剤が含まれているので、実施例1と同様、施工前のシートをロール状の状態で移送できるので移送作業に優れるというメリットを有する。
なお、上記実施例3において、シート本体の裏面にフェルトを設けた場合について述べたが、フェルトは必ずしも必要とはしない。また、固定具は竹製の杭に限らず、他の材料でもよい。更に、シート本体の材料の一つとして軟化剤が使用されているが、シートを広い領域でなく狭い領域で使用する場合は必ずしも必要ではない。
また、上記実施例3において、各組成物の配合割合、シート本体の厚みは、上述した樹木防護用シートの場合と同様である。更に、布の厚みは上記した値に限らず、100〜5000μmが好ましく、さらに好ましくは200〜2000μmである。この理由は、100μmでは強度が弱く破れやすく、また5000μmを越えると補強層としての布が断熱層となって地温が上がらず、雑草の成長を許してしまうからである。
更に、上記実施例3では、防草用シートが匍匐植物の保護の場合について述べたが、これに限らず、木の苗木(成木ではない)を周辺からの雑草の進出から保護する場合についても、実施例3の場合と同様な効果が得られる。
(実施例4)
実施例4に係る樹木保護用シートは、まだ十分に成長していない苗木の保護のために使用される。図3を参照する。
図中の符番27は、地面28に植えられた苗木を示す。この苗木27の周辺の地面28には、樹木保護用シート29が敷かれている。この樹木保護用シート29は、生分解性を有する厚さ0.5mmのシート本体30と、このシート本体30の裏面側に配置された綿布31(補強層)と、前記シート本体30を地面28に固定する杭(止め具)31とから構成されている。前記シート本体30には、防鼠剤としてのラムタリン(帝装化成の商品名)が染み込んでいる。また、苗木27の真下及びその周辺に位置する深さ20〜30cmの地面28には、緩効性肥料(商品名:ウッドエース、三菱化成社製)(図示せず)が施されている。なお、前記シート本体30の組成は実施例1のシート本体と同様である。
実施例4に係る樹木保護用シートは、まだ十分に成長していない苗木の保護のために使用される。図3を参照する。
図中の符番27は、地面28に植えられた苗木を示す。この苗木27の周辺の地面28には、樹木保護用シート29が敷かれている。この樹木保護用シート29は、生分解性を有する厚さ0.5mmのシート本体30と、このシート本体30の裏面側に配置された綿布31(補強層)と、前記シート本体30を地面28に固定する杭(止め具)31とから構成されている。前記シート本体30には、防鼠剤としてのラムタリン(帝装化成の商品名)が染み込んでいる。また、苗木27の真下及びその周辺に位置する深さ20〜30cmの地面28には、緩効性肥料(商品名:ウッドエース、三菱化成社製)(図示せず)が施されている。なお、前記シート本体30の組成は実施例1のシート本体と同様である。
こうした構成の樹木保護用シートを施工する時は、ロール状に巻かれたシートを適宜な長さ分切断してシート本体30とした後、このシート本体30を適宜な大きさに切断するとともに、切り目30aを入れた後、苗木27の周辺の地面28に敷き、更にこのシート本体30のコーナー部を夫々竹製の杭31で止めて固定することにより行う。
こうした樹木保護用シートによれば、苗木27を野鼠から保護することができる。また、シート本体13は生分解性を有するので、苗木27が生長して一定期間過ぎた後にシート29を生分解させることができ、回収作業を省略して人件費を少なくできる。従って、樹木保護のみならず、作業性の点で優れた樹木保護用シートが得られる。また、苗木の根の真下及びその周辺に位置する地面(例えば20〜30cmの深さ)28には、例えば緩効性肥料が施されているため、雑草の成長を樹木保護用シートで抑制しつつ苗木27の成長を促進することができ、従来のような間伐作業や急な勾配における危険な除草作業を回避できる。
また、本発明の樹木保護用シートの施工方法によれば、シート本体30に軟化剤が含まれているので、施工前のシートをロール状の状態で移送できるので移送作業に優れるとともに、地面28に凹凸があっても施工性がよい。なお、上記実施例3では、シート本体30に防鼠剤を染み込ませた場合について述べたが、これに限らず、他の獣害防止剤を染み込ませてもよい。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11,29…樹木保護用シート、12…樹木、13,22,42…シート本体、14…ゴムバンド(固定具)、15…獣害防止剤、21,41…防草用シート、23,28,43…地面、24,31,44…杭(止め具)、25,31,45…補強層、26…小孔、27…苗木,41…防草用シート、46…匍匐植物、47…開口穴、48…発泡体からなる層。
Claims (13)
- 樹木に巻きつけて取り付けられ、樹木が鹿、熊、野兔、野鼠などの動物により被害を受けるのを防ぐための樹木保護用シートにおいて、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体と、このシート本体を樹木に固定する,樹木の生長を妨げない非拘束性の固定具とを具備することを特徴とする樹木保護用シート。
- 苗木の周辺の地面に敷かれて使用される樹木保護用シートにおいて、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体と、このシート本体を地面に固定する止め具とを具備することを特徴とする樹木保護用シート
- 前記シート本体に上記動物が嫌う獣害防止剤を含むか、あるいはシート本体に獣害防止剤が塗布されていることを特徴とする請求項1若しくは2いずれか記載の樹木保護用シート。
- 苗木の根の少なくとも真下に位置する地面に肥料が施されていることを特徴とする請求項2若しくは3記載の樹木保護用シート。
- 前記シート本体の裏面側に生分解性を有した補強層を設けたことを特徴とする請求項2乃至4いずれか記載の樹木保護用シート。
- 請求項1、3,4いずれか記載の樹木保護用シートを施工する方法であり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体を樹木に巻きつけた後、前記シート本体を樹木の生長を妨げない非拘束性の固定具により樹木に固定することを特徴とする樹木保護用シートの施工方法。
- 請求項2記載の樹木保護用シートを施工する方法であり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体を地面に敷設した後、このシート本体を止め具により地面に固定することを特徴とする樹木保護用シートの施工方法。
- 地面に敷かれて使用され、雑草の生長を抑止するための防草用シートであり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体と、このシート本体を地面に固定するための止め具とを具備することを特徴とする防草用シート。
- 芝桜、ヘデラ等の匍匐植物あるいは苗木を植える際に、雑草の生長を抑止するために地面に敷かれて使用される防草用シートであり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有し、かつ前記匍匐植物あるいは苗木を植える場所に相当する位置に開口穴が形成されたシート本体と、このシート本体を地面に固定するための止め具と、前記匍匐植物あるいは苗木の根元と前記開口穴の間の隙間に形成された発泡体層とを具備することを特徴とする防草用シート。
- 前記シート本体に、通水を図るための小孔が多数形成されていることを特徴とする請求項8若しくは9いずれか記載の防草用シート。
- 前記シート本体の裏面側に生分解性を有した補強層を設けたことを特徴とする請求項8乃至10いずれか記載の防草用シート。
- 請求項8記載の防草用シートの施工方法であり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体を地面に敷設した後、このシート本体を止め具により地面に固定することを特徴とする防草用シートの施工方法。
- 請求項9記載の防草用シートの施工方法であり、少なくとも生分解性ポリマーと自然廃棄物と軟化剤を含む混合物から得られる生分解性を有するシート本体を地面に敷設した後、前記シート本体を止め具により地面に固定するとともに、匍匐植物あるいは苗木の根元と開口穴の間の隙間に発泡体層を形成することを特徴とする防草用シートの施工方法。
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-
2004
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