JP2005149821A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヨウ素とヨウ素化合物などの酸化還元対の存在下でもゲル化が可能で、かつ高温においてもゲルの溶解を抑制することができる耐熱性が優れたゲル状電解質を構成し、そのゲル状電解質を用いて高温での安定性に優れた色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】 少なくとも酸化還元対を含み、一般式(1)で示される構造の高分子のオキセタン基または脂環式エポキシ基の化学反応により架橋した構造の高分子をホストポリマーとするゲル状電解質を用いて色素増感型太陽電池を構成する。
【化1】
Figure 2005149821

(R1 、R3 はそれぞれ水素または炭素数1〜3のアルキル基、R2 は炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアルキレンオキシド基、R4 は末端にオキセタン基または脂環式エポキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基、n、mはそれぞれ100〜1000の整数)
【選択図】 なし

Description

本発明は、色素増感型太陽電池に関し、さらに詳しくは、特定構造の高分子をホストポリマーとするゲル状電解質を用いた色素増感太陽電池に関する。
大規模な地球環境汚染が問題となってきており、クリーンエネルギーとしての太陽光の利用が近年盛んに研究されている。太陽光から電気エネルギーを取り出す素子としての太陽電池には、単結晶シリコンを用いたもの、多結晶シリコンを用いたもの、アモルファスシリコンを用いたものなどがよく知られている。しかしながら、これらシリコン系の太陽電池は、作製プロセスに高温を要するため、製造コストが高いといった問題点があった。
これに対して、Graeztelらはルテニウム系色素を増感剤に用いた多孔質酸化チタン半導体電極を用いた色素増感型太陽電池を開発し、下記の非特許文献1に報告している。
ネイチャー,353(24)、737〜740(1991)
この色素増感型太陽電池は、従来のシリコン系太陽電池などに比べて、製造コストが安く、高変換効率であることため、新しい太陽電池として期待されている。しかしながら、この色素増感型太陽電池では、電解質として有機溶媒にヨウ素とヨウ素化合物などからなる酸化還元対を溶解したものを用いるため、長期間使用した場合の安定性、セル破損時の濾液、高温使用時の内圧上昇によるセルの破損などが懸念されている。そこで、電解質を固定化する試みがなされ、そのような試みとして、高分子化合物をホストとするゲル化、CuIなどの固体電解質を用いる方法などが提案されている。なかでも、ゲル化はさまざまな方法が試みられており、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリアクリロニトリル(PAN)を用いた物理ゲルを形成する方法(特許文献1〜2)、ポリエチレンオキシド(PEO)鎖を主体とした化学架橋ゲルを形成する方法(特許文献3〜4)などが提案されている。
特開2003−16833号公報 特開2002−289270号公報 特開平8−236165号公報 特開2001−28276号公報
しかしながら、特許文献1〜2に記載のように、PVDFやPANを用いて物理ゲルを形成する方法では、ホストポリマーであるPVDFやPANは電解質中のイオンを擬似架橋点としてゲル化しているため、温度上昇に伴いゲルが溶解して、高温時の安全性を充分に解決することができないという問題があった。また、特許文献3〜4に記載されている方法では、酸化還元対として最も一般的に用いられるヨウ素とヨウ素化合物からなる酸化還元対の存在下では、これらがラジカル重合の重合阻害剤となるためゲル化を行うことができず、そのため、特許文献3〜4では、まず酸化還元対を含まない状態でゲル化を行い、その後に酸化還元対を含んだ電解液を含浸するといった方法や、ゲル状電解質にヨウ素の蒸気をあててヨウ素を含浸させるといった方法がとられている。しかしながら、このような方法では、ヨウ素の含有量を正確に把握することができず、ヨウ素の含有量一定のゲルを繰り返し作製することが困難であるといった問題があった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、ヨウ素とヨウ素化合物などの酸化還元対の存在下でもゲル化が可能で、かつ高温においてもゲルの溶解を抑制することができる耐熱性が優れたゲル状電解質を構成し、そのゲル状電解質を用いて高温での安定性に優れた色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも酸化還元対を含み、一般式(1)で示される構造の高分子のオキセタン基または脂環式エポキシ基の化学反応により架橋した構造の高分子をホストポリマーとしてゲル状電解質を構成し、それを用いて色素増感型太陽電池を構成することによって、前記課題を解決したものである。
Figure 2005149821
(R1 、R3 はそれぞれ水素または炭素数1〜3のアルキル基、R2 は炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアルキレンオキシド基、R4 は末端にオキセタン基または脂環式エポキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基、n、mはそれぞれ100〜1000の整数)
すなわち、本発明は、増感色素を担持した多孔質半導体層が透明導電基板上に設けられている電極と、導電性の対電極と、電解質とを構成要素とする色素増感型太陽電池であって、酸化還元対を少なくとも含み、一般式(1)で示される構造の高分子のオキセタン基または脂環式エポキシ基の化学反応により架橋した構造の高分子をホストポリマーとするゲル状電解質を用いたことを特徴とする色素増感型太陽電池に関する。
本発明によれば、ヨウ素とヨウ素化合物などの酸化還元対の存在下でもゲル化が可能で、かつ高温においてもゲルの溶解を抑制することができる耐熱性が優れたゲル状電解質を構成することができ、そのゲル状電解質を用いて高温での安定性に優れた色素増感型太陽電池を提供することができる。
本発明の色素増感型太陽電池用のゲル状電解質に用いる酸化還元対としては、電気化学的に酸化還元を起こす酸化還元対であればいずれでもよいが、ヨウ素とヨウ素化合物との組み合わせ、臭素と臭素化合物との組み合わせなどが好適に用いられる。なかでも、I2 とLiIなどのヨウ素塩との組み合わせ、Br2 とLiBrなどの臭素塩との組み合わせが好ましい。LiIの代わりに各種のイオン性液体を用いることもできる。すなわち、1−メチル−2−エチル−イミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−2−プロピルイミダゾリウムアイオダイドなどのイミダゾリウム塩、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドなどの4級アンモニウム塩、1−ブチル−4−メチルピリジニウムアイオダイドなどのピリジニウム塩などを用いることもできる。これらのイオン性液体を用いる場合には溶媒を用いずに使用することも可能である。
通常の塩を用いる場合には溶媒を用いてイオン解離を促進することで良好な特性が得られる。用いる溶媒としては、電解質を溶解し、ホストポリマーと分離しないものであればよいが、太陽電池に用いることを考慮すると、溶媒が環状エステル、環状カーボネート、鎖状カーボネートおよびニトリル類よりなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。環状エステルとしては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、σ−ブチロラクトンなどのラクトン類が好ましい。環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどが好ましく、ニトリル類としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、メトキシプロピオニトリルなどが好ましい。これらの溶剤は単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
また、ゲル状電解質のホストポリマーの全ゲル状電解質における量は2〜30質量%が好ましい。上記ホストポリマーの全ゲル状電解質中の量が2質量%より少ない場合はゲルを形成することが困難になり、30質量%を超えるとイオン伝導性が低下する傾向がある。
本発明におけるゲル状電解質を構成するには、各構成要素を均一に混合した後、一般式(1)で示される高分子化合物のオキセタン基または脂環式エポキシ基の化学反応により架橋を行う必要がある。その化学反応の方法としては、オキセタン基や脂環式エポキシ基の重合反応に一般的に採用されている方法を採用することができる。すなわち、カチオン重合性の開始剤を用いた熱や光による反応である。そのための開始剤としては、熱重合を行う場合には、BF3 、トリクレジルボレート、トリメトキシボロキシン、LiBF4 といったボロン系化合物、LiBF4 、LiPF6 などのリチウム塩などを用いることができる。なかでも、BF3 、トリクレジルボレート、トリメトキシボロキシン、LiBF4 などのボロン系化合物が反応性が良好であることから好ましい。光重合の開始剤としては、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロリン酸塩などのトリフェニルスルフォニウム系開始剤、ジ−t−ブチル−フェニルヨウドニウムヘキサフルオロフォスフェート、(4−n−オクチルフェニル)フェニルヨウドニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのヨウドニウム系開始剤などを好適に用いることができる。
本発明のゲル状電解質の色素増感型太陽電池に用いるホストポリマーの原料になる化合物としては一般式(1)で示される構造の高分子化合物が用いられる。この高分子化合物は側鎖にオキセタン基または脂環式エポキシ基を含有するアクリル樹脂系モノマーと側鎖末端がアルキル基であるアクリル樹脂系モノマーとの共重合体である。なかでも、側鎖にオキセタン基を有する基としてのR4 は一般式(2)で示す構造が好ましく、側鎖に脂環式エポキシ基を有する基としてのR4 は一般式(3)で示す構造が好ましい。
Figure 2005149821
(R5 は炭素数1〜6のアルキル基)
Figure 2005149821
上記一般式(1)で示される構造の高分子化合物の重合度は100〜10000が好ましい。重合度が100未満ではゲルを形成するのに必要なポリマーの量が多くなり、重合度が10000を超えると溶液の粘度が高くなり取り扱いにくくなる傾向がある。また、側鎖にオキセタン基または脂環式エポキシ基を有するモノマーと他のモノマーとの比率としては1/1〜1/20が好ましい。上記比率が1/1より大きくなるとゲルの液保持性が悪くなり、また上記比率が1/20より小さいとゲルを形成するのに多量のポリマーを必要とする傾向が出るようになる。
本発明の色素増感型太陽電池に用いるゲル状電解質には、必要に応じて、ゲル化前の溶液の粘度を下げる、ゲル化に要する時間を短縮する、ゲル化後の電解質の強度を向上させる、などといった目的で、低分子のオキセタン化合物や脂環式エポキシ化合物を混合することもできる。そのような化合物としては、例えば、脂環式エポキシ化合物であれば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エポキシ化−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトンなどを用いることができる。
また、オキセタン化合物であれば、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ジ〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンなどを用いることができる。これらの化合物はそれぞれ単独で用いることができるし、目的に応じて適当な比率で混合して用いることもできる。ゲル化時間の短縮、電解質の強度向上を目的とする場合は、2官能以上の化合物を多く用いることが好ましい。用いる量としては、電解質前駆体中の全官能基数が1kg当たり2モルを越えない範囲で用いることが好ましい。
本発明の色素増感型太陽電池の構成としては、特に限定されることはなく、電解質を除き、従来公知の色素増感型太陽電池の構成をいずれも採用し得る。その一例を挙げると、例えば、ガラスやプラスチックフィルムの片面に透明導電膜をコートした一対の透明導電基板の一方に、増感色素を担持した金属酸化物の微粒子からなる多孔質の半導体層を設けた電極と、導電性の対電極と、それら一対の電極間に電解質を配置した構造である。
上記半導体層に用いる材料としては、例えば、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crなどの酸化物が好適に用いられる。半導体層は、例えば電極を有する基板の表面に、半導体微粒子を含有するスラリー液を公知慣用の方法、例えばドクターブレードやバーコータなどの使う塗布方法、スプレー法、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法などにより塗布し、その後、400〜600℃の範囲内の温度で加熱焼結することにより形成することができる。半導体層に担持させるために使用する増感色素としては、従来の色素増感型太陽電池で常用の色素であればいずれも使用できる。このような色素としては、例えば、無機色素としてはRuL2 (H2 O)2 タイプのルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体、ルテニウム−トリス(RuL3 )、ルテニウム−ビス(RuL2 )、オスニウム−トリス(OsL3 )、オスニウム−ビス(OsL2 )タイプの遷移金属錯体、亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロシアニンなどが挙げられる。有機色素としては、9−フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素などが挙げられる。それらのなかでも、ルテニウム−ビス(RuL2 )誘導体は、可視光域で広い吸収スペクトルを有するので、特に好ましい。半導体層への増感色素の担持方法としては、例えば、増感色素を溶かした溶液に、半導体層を設けた電極を備えた基板を浸漬する方法が挙げられる。
この溶液の溶媒としては、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミドなどの増感色素を溶解可能なものであればいずれも使用できる。また、増感色素溶液に半導体層を設けた電極付き基板を一定時間浸漬している時に、加熱環流を付加したり、超音波を印加したりすることも有効である。上記半導体層を設けるための導電層は、ガラスまたはフィルムといった透明基板の一方の面に形成され、作製した電極は負極として作用する。
上記導電層を形成するための好ましい導電剤としては、金属、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウムなど、または炭素、またはインジウム−錫複合酸化物、フッ素をドープした酸化錫などの導電性の金属酸化物が挙げられる。
もう一方の電極である対電極は太陽電池の正極として機能し、前記半導体層が設けられる側の電極と同様に形成することができる。本発明における太陽電池の対電極の材料としては、太陽電池の正極として効率よく作用させるために、電解質の還元体に電子を与える触媒作用を有する白金やグラファイトなどが好ましい。また、対電極と基板との間には対電極とは異なる材料からなる導電性を有する膜を設けてもよい。
また、本発明では、半導体層から電解質への逆電子移動を防止するなどの目的でtert−ブチルピリジンや2−ピコリン、2,6−ルチジンなどの塩基性化合物を前述の電解質に添加してもよい。塩基性化合物を添加する場合の好ましい濃度範囲は、0.05〜2mol/lである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
界面活性剤を含む水とアセチルアセトンとの混合液(容量混合比=20/1)中に日本アエロジル社製の酸化チタン粒子(グレードP25、平均粒径20nm)を濃度が約38質量%となるように分散させてスラリー液を調製した。次に、このスラリー液を厚さ1mmの旭硝子社製の導電性ガラス板(フッ素ドープされたSnO2 を表面にコーティングして導電性を付与したガラス板、表面抵抗10Ω/□)上に塗布して乾燥した。得られた乾燥物を500℃で30分間、空気中で焼成し、上記導電性ガラス板からなる基板上に厚さ10μmの多孔質酸化チタン膜を半導体層として形成した。続いて、この多孔質酸化チタン膜からなる半導体層が形成されている導電性ガラス板を〔Ru(4,4−ジカルボキシル−2,2−ビピリジン)2 (NCS)2 〕で表される増感色素を3×10-4mol/dm3 含むエタノール溶液に浸漬し、80℃で環流を行いながら半導体層に色素担持処理を行った。このようにして透明導電基板上に増感色素を担持した半導体層を有する電極を作製した。
また、前記と同様の導電性ガラス板に白金を20nmの厚さで蒸着して対電極を作製した。そして、この実施例1で用いるゲル状電解質の前駆体を以下に示すようにして調製した。すなわち、一般式(1)において、R1 、R2 がメチル基であり、R4 が一般式(2)で表されるオキセタン含有基(ただし、R5 はエチル基)であり、R3 がメチル基であり、n/mが0.1であり、平均重合度が1000であるポリマー(高分子)をγ−ブチロラクトンに濃度が10質量%の濃度で溶解してポリマー溶液を調製した。そして、上記ポリマー溶液にLiIとI2 をそれぞれ濃度が0.3mol/lと0.03mol/lになるように溶解し、重合開始剤としてトリクレジルボレートを1質量%添加して電解質前駆体とした。
この電解質前駆体を上記した増感色素を担持した多孔質酸化チタン膜からなる半導体層を有する導電性ガラス基板上に厚さが20μmになるようにドクターブレード法にて塗布し、この電解質前駆体の膜上に対電極を形成した導電性ガラス基板をその対電極側から密着させ、70℃で2時間加熱硬化して前記ポリマーのオキセタン基の化学反応によって架橋したポリマーをホストポリマーとするゲル化を行ってゲル状電解質にすることにより、色素増感型太陽電池セルを作製した。
実施例2
実施例1で用いたポリマーに代えて、R4 が一般式(3)で表される脂環式エポキシ含有基であるポリマーを用いてゲル状電解質を調製した以外は、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
実施例3
一般式(1)において、R1 、R2 がメチル基であり、R4 が一般式(2)で表されるオキセタン含有基(ただし、R5 はエチル基)であり、R3 がメチル基であり、n/mが0.1であり、平均重合度が1000であるポリマーをγ−ブチロラクトンに5質量%の濃度で溶解し、このポリマー溶液に1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドとI2 とt−ブチルピリジンとをそれぞれ濃度が0.5mol/l、0.01mol/l、0.3mol/lになるように溶解し、トリクレジルボレートを1質量%加えて電解質前駆体とした。
そして、前記実施例1で作製した増感色素を担持した多孔質チタン酸膜からなる半導体層をする電極を設けた導電性ガラス基板と対電極を設けた導電性ガラス基板とを両電極間を距離が100μmになるように配置して、上記電解質前駆体を注液した後、封止を行い、70℃で2時間加熱硬化を行って電解質をゲル化して色素増感型太陽電池セルを作製した。
実施例4
実施例3においてポリマー溶液に加えた1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドに代えて、テトラプロピルアンモニウムヨウジドをポリマー溶液に加えた以外は、実施例3と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
実施例5
実施例3で用いたポリマーのn/mを0.05にしたポリマーを用いた以外は、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
実施例6
実施例3におけるポリマー溶液に1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン〔東亜合成社製、OXT−121(商品名)〕を5質量%加えて混合したものを用いた以外は、実施例3と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
実施例7
実施例3におけるポリマー溶液に1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン〔東亜合成社製、OXT−121(商品名)〕を3質量%、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン〔東亜合成社製、OXT−101(商品名)〕を2質量%加えて混合したものを用いた以外は、実施例3と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
実施例8
実施例2におけるポリマー溶液にγ−ブチロラクトンをポリマー濃度が5質量%になるように加え、さらに3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート〔ダイセル化学社製、セロキサイド2021P(商品名)〕を5質量%加えて混合した。この溶液に1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドとI2 とt−ブチルピリジンとをそれぞれ濃度が0.5mol/l、0.01mol/l、0.3mol/lとなるように溶解し、トリクレジルボレートを1質量%加えて電解質前駆体とした。
そして、前記実施例1で作製した増感色素を担持した多孔質酸化チタン膜からなる半導体層を有する電極を設けた導電性ガラス基板と対電極を設けた導電性ガラス基板とを両電極間の距離が100μmになるように配置し、その間に上記電解質前駆体を注入した後、封止を行い、70℃で2時間加熱硬化を行って電解質をゲル化して色素増感型太陽電池を作製した。
実施例9
実施例5のポリマー溶液における溶媒のγ−ブチロラクトンに代えて、メトキシプロピオニトリルを用いた以外は、実施例5と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
実施例10
実施例5のポリマー溶液における溶媒のγ−ブチロラクトンに代えて、アセトニトリルを用いた以外は、実施例5と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
比較例1
実施例3におけるゲル状電解質に代えて、電解物質としてLiIとI2 とをγ−ブチロラクトンにそれぞれ濃度が0.3mol/lと0.03mol/lとなるように溶解した電解液を用いた以外は、実施例3と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
比較例2
実施例1におけるポリマー溶液に代えて、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔アトフィナ社製、POWER FLEX LBG1(商品名)〕をγ−ブチロラクトンに10質量%溶解した溶液を用い、70℃での加熱硬化過程の代わりに室温で1夜放置することによってゲル化を行った以外は、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製した。
上記のように作製した実施例1〜10および比較例1〜2の色素増感型太陽電池の光電変換効率および長期信頼性を下記の方法により調べた。光電変換効率に関しては、それぞれの太陽電池に45mW/cm2 のキセノンランプ光を照射して光電流−電圧特性を測定し、それらの光電変換効率を求めた。長期信頼性に関しては、JIS C 8917付属書9記載の耐熱性(高温保存)試験B−1の試験前後の光電変換効率から光電変換効率保持率を求め、これを指標として判断した。なお、JIS C 8917付属書9記載の耐熱性(高温保存)試験B−1の方法を下記に示す。
耐熱性(高温保存)試験法
試験に先立ち、試料の光電変換効率を測定する。すなわち、恒温槽にて、試料を室温より85℃まで加温後、温度85±2℃で、1000±12時間保持する。試験槽内の出力端子は、開放状態に保つ。試験後、清浄な布などで表面を清掃した後、室温に24時間以上放置し、試料の光電変換効率を評価する。試験前後の光電変換効率の値より、下記の式で定義する光電変換効率保持率を求めた。
光電変換効率保持率(%)
=〔(耐熱性試験前の光電変換効率)−(耐熱性試験後の光電変換効率)〕 ×100/(耐熱性試験前の光電変換効率)
上記実施例1〜10および比較例1〜2の色素増感型太陽電池の光電変換効率および光電変換効率保持率を表1に示す。
Figure 2005149821
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜10の色素増感型太陽電池は、比較例1〜2の色素増感型太陽電池に比べて、光電変換効率保持率が高く、高温での安定性に優れていた。

Claims (5)

  1. 増感色素を担持した多孔質半導体層が透明導電基板上に設けられている電極と、導電性の対電極と、電解質を構成要素とする色素増感型太陽電池であって、上記電解質として、少なくとも酸化還元対を含み、一般式(1)で示される構造の高分子化合物のオキセタン基または脂環式エポキシ基の化学反応により架橋した構造の高分子をホストポリマーとするゲル状電解質を用いたことを特徴とする色素増感型太陽電池。
    Figure 2005149821
    (R1 、R3 はそれぞれ水素または炭素数1〜3のアルキル基、R2 は炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアルキレンオキシド基、R4 は末端にオキセタン基または脂環式エポキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基、n、mはそれぞれ100〜1000の整数)
  2. 4 が一般式(2)または一般式(3)で示される構造である請求項1記載の色素増感型太陽電池。
    Figure 2005149821
    (R5 は炭素数1〜6のアルキル基)


    Figure 2005149821
  3. 環状エステル、環状カーボネート、鎖状カーボネートおよびニトリル類よりなる群から選ばれる少なくとも1種を溶媒として含む請求項1または2記載の色素増感型太陽電池。
  4. 酸化還元対がヨウ素とヨウ素化合物または臭素と臭素化合物より構成される請求項1〜3のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
  5. ホストポリマーの全ゲル状電解質中における量が2〜30質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
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