次に添付図面を参照して本発明によるサービス提供システムの実施例を詳細に説明する。
本実施例は、本発明のサービス提供システムを駐車場情報システム10に適用した場合である。本発明と直接関係のない部分について図示および説明を省略する。以下の説明で、信号はその現れる接続線の参照番号で指示する。
駐車場情報システム10は、図2に示すように、SIPシステム12、Webシステム14、SOAP/CORBAネットワーク16、SIPクライアント18およびWebクライアント20を含む。駐車場情報システム10は、SIPシステム12およびWebシステム14がネットワーク16により接続されている。SIPシステム12およびWebシステム14は、異なるネットワークドメインに属するネットワーク環境上に配置するとともに、後述するようにSIPシステム12およびWebシステム14のそれぞれが本来有していないWeb環境とSIP環境を補完する機能ブロックを持たせている。これにより、サーバ提供システム10は、SIPシステム12、Webシステム14をそれぞれ、1つのサーバ計算機内または同じドメイン内のLAN環境に配置するシステムに対応して一つの環境をそれぞれ、備えている。
SIPシステム12は、図3に示すように、SIPサーバ22、SIPデータベース(SIP-DB)24、SIPアプリケーションサーバ(SIP-APサーバ)26、SIPアプリケーションインタフェース(SIP-API)28、SIPアプリケーション(SIP−AP)30およびWebアクセッサコンポーネント32を含む。また、Webシステム14は、図4に示すように、Webサーバ34、Webデータベース(Web-DB)36、Webアプリケーションサーバ(Web-APサーバ)38、Webアプリケーションインタフェース(Web-API)40、Webアプリケーション(Web-AP)42およびSIPアクセッサコンポーネント44を含む。
ネットワーク16は、本実施例においてSOAP (Simple Object Access Protocol)/CORBA (Common Object Request Broker Architecture)ネットワークで、SOAP/CORBAは、それぞれ、SIPシステム12とWebシステム14との情報を仲介する役割を担う通信プロトコルである。SOAPは、Webサービス間で交換されるメッセージのデータフォーマットやメッセージの処理ルールを規定した通信プロトコルである。ネットワーク16は、この規定に従ったSOAPメッセージをサービス要求者、サービス提供者およびサービス仲介者が相互にやりとりする。CORBAは、OMG(Object Management Group)が策定した分散オブジェクト技術である。
SIPクライアント18は、SIPサーバ22と接続し、SIP-AP 26が提供する機能を利用するクライアント環境を有している。代表的には、SIPソフトフォン等がある。本実施例では、SIPクライアント端末46, 48を用いている。SIPクライアント端末46, 48は、駐車場管理用のSIPクライアントであり、拡張プレゼンス情報をSIPサーバ22に伝える。SIPクライアント端末46, 48は、たとえば駐車場のゲート管理システムと連動させて、自動的に拡張プレゼンス情報を設定し、付加情報は駐車場の管理者によって必要に応じてSIPシステム12に設定することができる。
また、Webクライアント20は、Webサーバ34と接続し、Web-AP 42が提供する機能を利用するようにクライアント環境が完備されている。代表的には、Webブラウザがある。本実施例では、Webブラウザ50, 52を用いている。ここで、Webブラウザ52は保守用である。
さらに、上述したSIPシステム12およびWebシステム14の構成要素それぞれについて簡単に説明する。SIPサーバ22は、エンド・ツー・エンドでやりとりするクライアント-サーバモデルのプロトコルであるSIPに基づいてクライアントの要求に応じて応答するサーバであり、とくに、IETF(International Engineering Task Force)で規定される、たとえばRFC(Request For Comments)3261に準拠したSIPをハンドリング・管理する機能を有している。この管理機能のうち、SIPサーバ22には、一般的に3つのサーバ機能、すなわちSIPプロキシサーバ機能、SIPレジストラサーバ機能およびSIPロケーションサーバ機能が含まれている。第1に、SIPプロキシサーバ機能はクライアントの代理として、SIPメッセージの中継を行う機能である。第2に、SIPレジストラサーバ機能はクライアントの登録を管理する機能である。第3に、SIPロケーションサーバ機能は登録されたクライアントのアドレス情報等を管理する機能を有している。SIPサーバ22は、たとえばSIPクライアント18の構成要素であるSIPクライアント端末46, 48に接続され、SIP-APサーバ26から提供される情報、SIPメッセージによりやりとりしている。
SIP-DB 24は、SIPサーバ22が管理する、たとえばユーザ情報、プレゼンス情報、拡張プレゼンス情報および付加情報等を相互に関連付けて格納するストレージで、SIPサーバ22に接続され、SIPサーバ22の検索要求に応じて情報を提供する機能を有するものもある。SIP-DB 24においてユーザ情報は、クライアントのアドレス情報や認証に用いる情報である。プレゼンス情報は、クライアントがSIPシステム12に接続されているか否か、クライアントが起動・利用されているか否か、さらに別のクライアントと接続中であるか否か等の情報である。
また、拡張プレゼンス情報とは、駐車場が空いている否かの空き状態や待ち時間等の駐車場の状態を管理する拡張されたプレゼンス憎報である。さらに、付加情報は、駐車料金やたとえば、現在の駐車場を表す画像情報の有無等のように駐車場に関して提供される付加サービス情報である。これらの情報からわかるように、SIP-DB 24は、クライアントの状態を表わす様々な情報を格納している。
SIP-APサーバ26は、SIPプロトコルに基づいてSIPサーバ22により管理されるアプリケーションを操作に応じて稼動するサーバである。SIP-APサーバ26は、SIPサーバ22およびSIP-API 28にそれぞれ、接続されている。SIP-API 28は、SIPサーバ22で受信するSIPリクエストをアプリケーションに伝達する機能およびSIPサーバ22ヘのリクエストを発行する機能を有する。SIPリクエストには、セッション確立、確認応答、通話終了およびプレゼンス変更等がある。
SIP-API 28は、SIP-APサーバ26が提供するアプリケーションインタフェースである。SIP-APサーバ26は、SIP-API 28を介してSIP-AP 30に接続されている。SIP-API 28には、代表的なものとして、JCP(Java(商標) Community Process)において標準化作業が進められているSIP Servlet アプリケーションインタフェースがある。
SIP-AP 30は、接続するSIP-API 28により構築され、SIP-APサーバ26上で稼動するアプリケーションである。SIP-AP 30には、たとえばIP電話、インスタントメッセージ、TV(TeleVison)電話、プレゼンスコミュニケーション等がある。
本実施例では、とくに、空いている駐車場を検索する空き検索AP 54内に駐車場管埋AP 56を備えている。駐車場管理AP 56は、SIPのユーザエージェント(User Agent: UA)として管理するソフトウェアで、駐車場用のSIPクライアント18を管理し、SIPサーバ22に登録(REGISTER)されている駐車場について、SIPサーバ22に対してプレゼンス情報の"購読依頼"(SUBSCRIBE)を行い、この結果としてSIPクライアントから受け取るプレゼンスの“情報通知”(NOTIFY)の内容を拡張プレゼンス管理部58で使って、SIP-DB 24に登録する。また、駐車場管埋AP 56は、 SIPのプレゼンスの“購読依頼”にタイムアウトがあるため、“購読依頼”を定期的に送信することにより、プレゼンスの購読を自動的に更新する機能も有している。
Webアクセッサコンポーネント32は、SIP-AP 30がWebシステム14と連携するコンポーネント群の総称であり、コンポーネントのそれぞれはライブラリソフトウェア部品を表している。したがって、Webアクセッサコンポーネント32は、SIP-AP 30が動作する際に呼び出され、Webシステム14の後述するSIPアクセッサコンポーネント44と交信する際に利用される。Webアクセッサコンポーネント32には、たとえば、図3に示すように、拡張プレゼンス管理部58、条件検索管理部60、連携管理部62およびコンポーネントアプリケーションインタフェース(コンポーネントAPI)64を含む。
さらにWebアクセッサコンポーネント32について図1を参照しながら、説明する。拡張プレゼンス管理部58は、通常のプレゼンス管理を拡張した情報を管理する機能を有し、より具体的にはSIP-DB 24上で管理するSIP関連情報である拡張プレゼンス情報の操作管理を行うコンポーネントモジュールである。拡張プレゼンス管理部58は、本実施例では駐車場の空き状態・待ち時間や駐車場から提供される付加情報を管理する。拡張プレゼンスの定義自体は、あらかじめHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコル経由でXML(eXtensible Markup Language)等の技術を使い、駐車場向けの状態(status)として管理者が拡張プレゼンス管理部58に登録するものとする。また付加情報も同様にHTTPプロトコル経由でキーとなる項目と値の型を拡張プレゼンス管理部58に登録できるものとする。
拡張プレゼンス管理部58は、図1に示すように、キー情報登録機能部66、キー情報削除機能部68、ステータス情報登録機能部70、ステータス情報削除機能部72、付加情報登録機能部74、付加情報削除機能部76、情報参照機能部78および情報登録機能部80を含む。キー情報登録機能部66は、拡張プレゼンスの管理対象となる、たとえば駐車場の識別名をキー情報として登録するモジュールである。キー情報削除機能部68は、拡張プレゼンスの管理対象となるキー情報を削除するモジュールである。
ステータス情報登録機能部70は、拡張プレゼンス情報として駐車場のステータス情報を登録するモジュールである。ステータス情報には、たとえば駐車場、駐車場の状態を示す空き/塞がり、待ち時間等がある。ステータス情報削除機能部72は、拡張プレゼンス情報として駐車場のステータス情報を削除するモジュールである。付加情報登録機能部74は、拡張プレゼンス情報として駐車場の付加情報を登録するモジュールである。付加情報には、たとえば使用にともなう特典情報や現在の駐車場を表す映像等がある。付加情報削除機能部76は、拡張プレゼンス情報として駐車場の付加情報を削除するモジュールである。
情報参照機能部78は、駐車場を指定して拡張プレゼンス情報を参照するモジュールである。情報登録機能部80は、SIPサーバ22を経由して送られる個々の駐車場からのプレゼンス情報を拡張ブレゼンス情報としてSIP-DB 24に登録するモジュールである。
コンポーネントAPI 82は、コンポーネントAPI 64に含まれ、拡張プレゼンス管理部58をSIP-AP 30が利用するためのインタフェースである。
なお、これらのモジュールで駐車場用の拡張プレゼンスを管理する場合に限定されるものでなく、拡張プレゼンスにおけるステータス情報登録をたとえば、XMLの技術で実現し、特定の状態をステータスとして登録することにより駐車場以外にもリアルタイムに状態が変わる状態管理システムとして利用することができることは言うまでもない。
条件検索管理部60は、SIPシステム12内のSIP-DB 24上で管理する拡張プレゼンス情報や付加情報について指定された条件にマッチする駐車場を検索・管理するコンポーネントである。この場合、実際には、駐車場の検索は、駐車場毎に置くSIPクライアントを検索することに対応している。さらに、条件検索管理部60の構成要素を以下に示し、簡単に説明する。
条件検索管理部60は、図1に示すように、登録機能部84、更新機能部86、削除機能部88およびキー情報検索機能部90を含む。登録機能部84は、拡張プレゼンスのステータス情報や付加情報を検索条件として登録するモジュールである。更新機能部86は、上述したような検索条件を更新するモジュールである。削除機能部88は、検索条件を削除またはクリアするモジュールである。キー情報検索機能部90は、指定された検索条件にマッチするキー情報、すなわち本実施例において駐車場のリストを検索するモジュールである。
コンポーネントAPI 92は、コンポーネントAPI 64に含まれ、条件検索管理部60をSIP-AP 30が利用するためのインタフェースである。
なお、Webアクセッサコンポーネント32は、具体的なSIP-AP 30としてどのような機能を実現するかにより、SIP-AP 30側から組み合せて利用できるものであり、上述したコンポーネント以外にも、用途に応じて随時拡張することが可能である。このコンポーネントの追加・拡張により、Webシステム14との連携のバリエーションも追加・拡張されることになる。
連携管理部62は、Webシステム14内の対応する連携管理部94と連携し、拡張プレゼンス管理部58や条件検索管理部60に対するWebシステム14側からのアクセスまたはWebシステム14側へのアクセスを行う通信環境を管理する機能を有している。連携管理環境には、たとえば、SOAPやCORBAのプロトコルに対応する環境設定等がある。連携管理部62には、情報を共通の通信プロトコルに変換する機能およびSIPプロトコルに変換する機能がある。
図4に戻って、Webシステム14について説明する。Webサーバ34は、HTTPプロトコルを基にハンドリング・管理するサーバである。Webサーバ34は、Webクライアント20の構成要素であるWebブラウザ50, 52に接続されている。また、Webサーバ34は、Web-DB 36およびWeb-APサーバ38と接続してこれらを管理している。
Web-DB 36は、Webサーバ34が管理する情報を格納するストレージであり、Webサーバ32の検索要求に応じて情報を提供する機能を有するものもある。格納する情報は、静的な情報を格納している。本実施例における静的な情報とは、たとえば地城毎の駐車場情報、地域毎の地図およびWeb表示用のアイコン情報等を示す。さらに説明すると、駐車場情報には、駐車場の名称、その場所、駐車価格、利用にともなう特典等が含まれている。Web-DB 36は、Webサーバ34だけでなく、Web-APサーバ38にもデータを提供できるように接続されている。
Web-APサーバ38は、常時起動状態にあって、WebプロトコルであるHTTPプロトコルに基づいてWebサーバ34により管理されるアプリケーションを操作に応じて稼動するサーバである。Web-APサーバ38には、たとえば、オープンソースのTOMCAT、BEAシステム社のWebLogic(商標)等が挙げられる。Web-APサーバ38は、Web-API 40を介してWeb-AP 42に接続されている。Web-APサーバ38は、Web-DB 36の情報を基にアプリケーションを動作させてもよい。
Web-API 40は、Web-APサーバ38が提供するアプリケーションインタフェースである。Web-API 40は、代表的なAPIとして、J2EE(Java2 Enterprise Edition)環境で規定されているHTTP Servlet APIやEJB(Enterprise Java(商標) Beans)等がある。Web-API 40は、Web-APサーバ38とWeb-AP 42との情報のやりとりを可能にしている。
Web-AP 42は、接続するWeb-API 40により構築され、Web-APサーバ38上で稼動するWebアプリケーションであり、SIPアクセッサコンポーネント44にも接続されている。Web-AP 42には、空き検索AP 95が含まれている。空き検索AP 95は、ポータルAP 96、画面合成AP 98および保守管理AP 100を有している。
ポータルAP 96は、空き駐車場検索サービスのポータル画面として、Webブラウザやカーナビ等といった様々なWebクライアントからのhttp要求に対してWebクライアントにhttp応答を返すことでGUI(Graphic User Interface)機能を提供する。ポータルAP 96は、ユーザの要求により対象地域、駐車価格、駐車場の空きや塞がり、待ち時間等の情報や特典等を自由なキーワードとして指定し、検索を行い、この結果として条件にマッチした駐車場の一覧を表示させる。さらに、ポータルAP 96は、結果の表示において地図上に検索結果の駐車場を合わせた表示や選択した駐車場における付加情報の表示を行う機能を有するアプリケーションである。
画面合成AP 98は、ポータルAP 96での表示に指定された地域の地図と駐車場のアイコンを適切なサイズに合成するアプリケーションである。アイコンはたとえば駐車場の状態をも含めて合成表示することが好ましい。
保守管理AP 100は、Webクライアント20内に設けた保守用Webブラウザ52からアクセスし、Web-DB 36で管理する静的な情報や地図情報等の追加や削除、SIP-DB 24で管理されるSIPクライアント18で示される駐車場情報や拡張プレゼンス項目の追加や削除を管理するアプリケーションである。
SIPアクセッサコンポーネント44は、Web-AP 42がSIPシステム12と連携するコンポーネント群の総称であり、Web-AP 42が動作する際に呼び出されるライブラリソフトウェアである。SIPアクセッサコンポーネント44は、Web-AP 42がSIPシステム12上のWebアクセッサコンポーネント32と交信する際に利用される。この場合も、Webアクセッサコンポーネント32と同様に、Web-AP 42は、SIP-AP 26と連携してどのような機能を実現するかに応じてWeb-AP 42側から組み合せて利用できるものである。SIPアクセッサコンポーネント44は、用途に応じて随時拡張することが可能で、このコンポーネントの追加・拡張により、SIPシステム12との連携のバリエーションも追加・拡張されることになる。
SIPアクセッサコンポーネント44は、拡張プレゼンス管理部102、条件検索管理部104、連携管理部94およびコンポーネントAPI 106を含む。拡張プレゼンス管理部102は、拡張プレゼンス管理部62内の前述した各機能部を連携管理部62と連携管理部94との通信によりアクセスする複数のモジュールを含む。拡張プレゼンス管理部102は、拡張プレゼンス管理部58にアクセスして、SIPシステム12またはSIP環境内で管理する駐車場毎のキー情報、付加情報および拡張プレゼンス情報にアクセスするコンポーネントである。すなわち、拡張プレゼンス管理部102は、機能部のそれぞれから拡張プレゼンス管理部58の対応する機能部をアクセスすることにより、Webシステム14またはWeb環境側からのアクセス機能を実現し、各種の情報を取得する。
拡張プレゼンス管理部102は、図1に示すように、キー情報登録アクセス機能部108、キー情報削除アクセス機能部110、ステータス情報登録アクセス機能部112、ステータス情報削除アクセス機能部114、付加情報登録アクセス機能部116、付加情報削除アクセス機能部118、情報参照アクセス機能部120および情報登録アクセス機能部122を含む。
ここで、たとえばSIPシステム12の情報参照機能部78をWebシステム14側から利用するには、情報参照用機能をリモート環境からアクセスする拡張プレゼンス情報参照スタブを呼び出すことにより交信を行うことになる。このスタブは、リモートアクセスの実現に利用する機構により異なる。選択する機構がCORBAによる連携であればCORBAのスタブ、選択する機構がSOAPによる連携であればSOAPアクセスするスタブを利用すればよい。
条件検索管理部104は、条件検索管理部60の機能部それぞれに対して連携管理部94と連携管理部62との通信によりアクセスして、キー情報、拡張プレゼンス情報および付加情報の中で条件にマッチする複数のSIPクライアントを検索するコンポーネントである。条件検索管理部104は、図1に示すように、登録アクセス機能部124、更新アクセス機能部126、削除アクセス機能部128およびキー情報検索アクセス機能部130を含む。
連携管理部94は、SIPシステム12内の対応する連携管理部62と連携し、拡張プレゼンス管理部102や条件検索管理部104を利用してSIPシステム12側をアクセスし、また、Webシステム14側をアクセスさせる通信環境を有している。具体的に連携管理部94は、連携管理部62に対応してSOAPやCORBA等による連携処理を行う。連携処理とは、Webシステム14からの送信に際してSOAP/CORBAのいずれかに処理し、Webシステム14への受信に際して供給されるデータをHTTPプロトコルにすることである。
コンポーネントAPI 106は、Web-AP 42が利用するために配設されている。コンポーネントAPI 106は、図1に示すように、拡張プレゼンス管理部102と条件検索管理部104に対応してコンポーネントAPI 132, 134を含む。
このように構成して、SIPシステム12に構築されるAPとWebシステム14に構築されるAPとを相互に連携させることができ、各システム12, 14の融合を図ることができ、リアルタイムな通信により、構築したAPのサービスをユーザに提供することができる。
次に駐車場情報システム10の動作について説明する。ここで、サービス提供を受けるSIPクライアントは、あらかじめ以下の登録が完了していることを前提にしている。すなわち、SIPクライアントはSIP-DB 24に対してユーザ登録を完了し、SIP-AP 30に対する拡張プレゼンス管理のキー情報も登録を完了している。
本実施例の動作は、駐車場にあるSIPクライアントがIP(Internet Protocol)ネットワークにアクセスして、SIPサーバ22に登録に行き、駐車場管理AP 56がこの登録を契機に駐車場の拡張プレゼンス情報をSIP-DB 24に登録するまでのサービス準備と、Webクライアントがインターネット上にあるWebサイトである駐車場ポータルにアクセスして、空き駐車場の情報を入手するサービス実行までの二つに大きく分けて説明する。
駐車場情報システム10におけるサービス準備のシーケンスを図5に示す。SIPクライアント端末46は、駐車場情報システム10における情報端末で、駐車場に配備されている。SIPクライアント端末46はユーザの要求に応じて起動し、IPネットワークにログオンする。SIPクライアント端末46は、SIPサーバ22にアクセスして、時刻T10にて“登録依頼”(REGISTER)140をSIPサーバ22に発行する。
次にSIPサーバ22は、時刻T12にてSIPクライアント端末46から送られた“登録依頼”140の情報を基にSIP-DB 24に対して登録確認および状態更新を行う(Authent_REQ. 142)。ここで、登録確認は、SIPクライアント端末46がSIPサーバ22にアクセス可能なUAとして登録済か否かID(IDentification)、パスワードおよびURI(Uniform Resource Identifiers)等を確認することにより認証することである。SIP-DB 24は、SIPサーバ22からの要求について確認処理を行う。
SIP-DB 24は、時刻T14にて確認結果(Response)144をSIPサーバ22に出力する。確認結果は、認証に対するOKまたはNGを示す情報である。SIPサーバ22は、時刻T16にて要求のあったSIPクライアント端末46に供給された結果に対応した信号(Response)146を送信する。ログインを許可する場合、この信号146はメッセージ内容を200 OKにし、ログインを禁止する場合、この信号146はメッセージ内容を403 NGにする。
次に駐車場管理AP 56が状態監視し、SIPクライアント端末46の登録を契機に、プレゼンス情報の購読を開始し、購読の結果を拡張プレゼンス情報としてSIP-DB 24に登録するシーケンスを図6に示す。駐車場管理AP 56は、たとえば時刻T20のように監視対象のSIPクライアント端末の状態についてSIP-DB 24を監視する。この状態とは、SIPクライアント端末の登録や削除等の処理にともなう各状態を意味している。この監視中にSIPクライアント端末46がSIPサーバ22に登録要求が入力されると、図5に示した登録のシーケンスが行われる。すなわち、時刻T22における登録要求、時刻T24における認証要求、時刻T26における要求に対する応答および時刻T28における応答である。登録要求したSIPクライアント端末46は時刻T30にて登録が許可され、SIPサーバ22にログインする。
駐車場管理AP 56は、SIPクライアント端末46がSIPサーバ22にログインした時刻T30を契機に、時刻T32にてSIPクライアント端末46におけるプレゼンスの“購読依頼”(Subscription_REQ.)152をSIPサーバ22に発行する。SIPサーバ22は、時刻T34にて“購読依頼”154をSIPクライアント端末46に送信する。SIPクライアント端末46は、時刻T36にて“購読依頼”の結果(Response)156をSIPサーバ22に送信する。ここで、“購読依頼”の結果156がOKとして説明を進める。SIPサーバ22は、さらに供給されたOKの情報を“購読依頼”の結果(Response)158として時刻T38にて駐車場管理AP 56に供給する。
この供給後、SIPクライアント端末46は、時刻T40以降にあらかじめ駐車場側で設定した付加情報や駐車場の状態を表すステータス情報を含んだ“情報通知”(Notify)160を定期的にSIP-APサーバ26に送る。“情報通知”160には、拡張プレゼンス情報が含まれている。SIP-APサーバ26は、“情報通知”160を受信すると、時刻T42にて駐車場管理AP 56を呼び出す。駐車場管理AP 56は、時刻T44にて“情報通知”160が含む拡張プレゼンス情報を扱うため拡張プレゼンス管理部58の情報登録機能部80を呼び出す。拡張プレゼンス管理部58は、時刻T46にて呼び出した情報登録機能部80の機能を基にたとえば、駐車場を表すキー情報に対する拡長プレゼンス情報をSIP-DB 24に登録する(Registration 166)。ここで、拡張プレゼンス情報がステータスの情報と指定されていれば、拡張プレゼンス管理部58は、付加惰報をSIP-DB 24に登録する。
時刻T40〜T46までの手順は、一定時間毎に定期的に繰り返す。また、時刻T32の“購読依頼”152も所定の期間で取り消されてしまうことから、再度、駐車場管理AP 56から発行することが好ましい。このように動作させて1つのSIPクライアント端末に対する拡張プレゼンス情報を更新し、駐車場情報システム10における検索サービスの提供を準備する。したがって、SIPクライアント端末のそれぞれが時刻T22〜時刻T30の登録処理を完了すると、駐車場情報システム10は、時刻T32〜時刻T46の処理をその都度行う。
次に駐車場情報システム10におけるサービス実行について説明する。図7に示すように、ユーザが時刻T50にてWebブラウザ50を使用して、Webサーバ34/Web-APサーバ38にアクセスする(Access 170)。Webサーバ34/Web-APサーバ38は、このアクセス170を受けて時刻T52にてWeb-AP 42の駐車場に関するポータルAP 96を介して指定されたポータルにアクセスする(駐車場のポータルサイトへのアクセス: Access 172)。ポータルAP 96は、時刻T54にて指定されたポータルから得られる駐車場の画像情報(Image)174をWebサーバ34/Web-APサーバ38に送る。Webサーバ34/Web-APサーバ38は供給される画像情報174に応答して画像情報176を時刻T56にてWebブラウザ50に供給する。Webブラウザ50は、供給された画像情報176を基に駐車場のポータル画像を表示する(ポータル表示)。
次に、ユーザはWebブラウザ50からポータルAP 96の機能を使い、検索地域の指定および検索条件の選択を行う。Webブラウザ50は、これらの条件を情報として含む起動信号(Launching)178を生成し、時刻T58にて起動信号178を条件検索管理部104に供給する。条件検索管理部104は、起動信号178を受けて登録アクセス機能部124を起動する。登録アクセス機能部124は、起動信号178とともに供給された検索の条件を登録する(検索条件の登録)。検索の条件には、単純な空き/塞がり、待ち時間等がある。
ここで、ステータス情報登録アクセス機能部112を起動すると、ステータス情報登録アクセス機能部112は、拡張プレゼンス情報のステータスを使って、検索の条件を設定することができる。さらに、付加情報登録アクセス機能部116を起動すると、付加情報登録アクセス機能部116は、特典の有無や料金情報等を付加情報として指定し、詳細な検索の条件を設定することができる。
次に登録アクセス機能部124は、“検索条件登録”の結果(Response)180を時刻T60にてポータルAP 96に返す(応答)。処理を継続するように、この場合、“検索条件登録”の結果180の内容は、OKである。さらに、ポータルAP 96は、時刻T62にて“検索条件登録”の結果(Response)182をWebブラウザ50に送る。
Webブラウザ50には駐車場に関するポータルの画面が表示されている。この表示画面を基にユーザは、登録した検索の条件に基づく駐車場の検索を条件検索管理部104に実行させる(Implementation 184)。条件検索管理部104は、この実行の指示を受けて登録アクセス機能部124およびキー情報検索アクセス機能部130を起動する(キー情報検索)。
キー情報検索アクセス機能部130は、キー情報を含む起動信号(Launching)186を生成し、時刻T66にて起動信号186を連携管理部94に出力する。図8に示す連携管理部94は、起動信号186を受けて起動する。連携管理部94は、“検索条件登録”と“キー情報検索”の各情報を条件検索管理部60に伝えるため、SOAPあるいはCORBA等の内、いずれか一つの通信プロトコルを選択し、この選択した通信プロトコルを利用して“検索条件登録”と“キー情報検索”の各情報を含む検索要求(Search_REQ.)188を生成する。連携管理部94は、ネットワーク16上の別ドメイン内に存在する連携管理部62に検索要求188を時刻T68にて供給して通信する。連携管理部62は、連携管理部94から供給される“検索条件登録”と“キー情報検索”の各情報を含む検索要求188を受信し、条件検索管理部60を起動する起動信号を生成する。起動信号には“検索条件登録”と“キー情報検索”の各情報を含む検索要求188が含まれている。連携管理部62は、時刻T70にて起動信号(Launching)190を条件検索管理部60に出力する。
条件検索管理部60は、起動信号190により起動される。すなわち登録機能部84およびキー情報検索機能部90がそれぞれ、起動する。登録機能部84は、時刻T72にて供給された“検索条件登録”をSIP-DB 24に登録し、この登録により設定された条件を基にSIP−DB 24を検索し、キー情報検索機能部90はキー情報を検索する(検索: Search 192)。SIP-DB 24は、供給されるこれらの条件に応じて検索する。ここでの検索は、図6に示したように設定された拡張プレゼンス情報に対するマッチング処理を行う。SIP-DB 24は、条件検索管理部60によりたとえば、検索条件にステータス情報を“空き”とし、付加情報として検索地域や価格を指定して、これらに一致する駐車場を検索する。SIP-DB 24は、検索結果としてキー情報を返す。このキー情報は、駐車場のリストに対応している。SIP-DB 24は、同時に駐車場のステータス情報も返す。ステータス情報とは、たとえば空き/塞がり・15分待ち等の情報である。SIP-DB 24は、時刻T74にて検索結果(Response)194を条件検索管理部60に返す(検索応答)。条件検索管理部60のキー情報検索機能部90は、供給された検索結果194を含む起動信号(Launching)196を生成し、時刻T76にて連携管理部62に検索結果(Response)196として出力する。検索結果194, 196は拡張プレゼンス情報である。
連携管理部62は、起動信号196を受けて起動する。連携管理部62は、条件検索管理部104に情報を伝えるため、SOAPおよびCORBA等の内、一つを選択し、選択した通信プロトコルを利用し、検索結果の情報を含む検索応答(Search_RES.)198を生成する。連携管理部62は、時刻T78にてネットワーク16上の別ドメイン内に存在する連携管理部94と通信する。連携管理部94は、連携管理部62から供給された結果である“検索応答”198を受信する。“検索応答”198は駐車場リスト(拡張プレゼンス)である。連携管理部94は、時刻T80にて得られた駐車場リスト198を検索応答(Response)200として図7に示す条件検索管理部102に供給する。条件検索管理部102は、時刻T82にて駐車場リスト(Response)202をすでに起動しているポータルAP 96に送る。
ポータルAP 96は、時刻T86にて先の検索実行に対する結果としてWebブラウザ50に検索応答(Response)206を行う。Webブラウザ50は、供給された検索して見つかった駐車場の一覧およびステータスを整形して画面に表示する(駐車場の一覧表示)。
ユーザは、Webブラウザ50に表示した検索結果の駐車場一覧の画面を参照してこの一覧表示中の駐車場を選択して、時刻T88にてポータルAP 96に詳細情報(Ref._REQ.)208を要求する。ここで、詳細情報208とは、“拡張プレゼンス情報参照”する要求情報である。ポータルAP 96は、詳細情報を含む起動信号(Launching)210を生成し、時刻T90にて起動信号210を拡張プレゼンス管理部102に供給する。
拡張プレゼンス管理部102は、起動信号210により起動する。この起動により、拡張プレゼンス管理部102は情報参照アクセス機能部120を呼び出す(情報参照)。情報参照アクセス機能部120は、詳細情報を含む起動信号(Launching)212を生成し、時刻T92にて連携管理部94に供給する。図8に示す連携管理部94は、起動信号212を受けて起動する。
連携管理部94は、拡張プレゼンス管理部58に詳細情報を伝えるため、SOAPおよびCORBA等の内一つの通信プロトコルを選択し、選択した通信プロトコルを利用し、詳細情報を含む参照要求(Ref._REQ.)214を生成する。連携管理部94は、ネットワーク16上の別ドメイン内に存在する連携管理部62と時刻T94にて通信する。連携管理部62は、連携管理部94からの参照要求214を受信する。連携管理部62は、詳細情報である“拡張プレゼンス情報参照”を含む起動信号(Launching)216を生成する。連携管理部62は、時刻T96にて起動信号216を時刻T96にて拡張プレゼンス管理部58に出力する。
拡張プレゼンス管理部58は、供給される起動信号216により情報参照機能部78を起動する。情報参照機能部78は、時刻T98にて起動信号216を基にSIP-DB 24を検索する(検索: Search 218)。起動信号218には、指定された駐車場を示すキー情報が含まれている。検索は、駐車場を示すキー情報として拡張プレゼンス情報を参照して、行われる。SIP-DB 24は、検索結果として一致した駐車場の拡張プレゼンス情報を返す(Response 220)。拡張プレゼンス管理部58は、SIP-DB 24から供給される駐車場の拡張プレゼンス情報をたとえば、XML形式に変換する。拡張プレゼンス管理部58における情報参照機能部78は、拡張プレゼンス管理部102に得られた拡張プレゼンス情報を返すため連携管理部94を起動する起動信号(Launching)222を生成する。起動信号222には、検索して得られた駐車場の拡張プレゼンス情報が含まれている。拡張プレゼンス管理部58は、時刻T102にて起動信号222を連携管理部62に出力する。
連携管理部62は、起動信号222に応じて起動する。連携管理部62は、拡張プレゼンス管理部102に検索結果である駐車場の拡張プレゼンス情報を伝えるため、SOAPおよびCORBA等の内一つの通信プロトコルを選択し、選択した通信プロトコルを利用し、拡張プレゼンス情報を含む参照応答(Ref._RES.)224を生成する。連携管理部62は、ネットワーク16上の別ドメイン内に存在する連携管理部94と時刻T104にて通信する。連携管理部94は、連携管理部62から参照応答224を受信する。連携管理部94は、時刻T106にて拡張プレゼンス情報(Response)226を図7に示す拡張プレゼンス管理部102に供給する。
拡張プレゼンス管理部102は、時刻T108にて拡張プレゼンス情報(Response)228をすでに起動しているポータルAP 96に対して送る。ポータルAP 96は、時刻T110にてWebブラウザ50に対して詳細情報(Ref._REQ.)208の検索結果としての応答(Response)230を出力する。Webブラウザ50は、ポータルAP 50から供給される駐車場の詳細情報(応答230)を整形して、画面に表示する(詳細表示)。
Webブラウザ50は、図9に示すように、画面に表示した検索結果の駐車場一覧からユーザの選択した駐車場の地図表示を時刻T112にてポータルAP 96に要求する(地図表示要求: Disp_REQ. 232)。ポータルAP 96は、この要求を受けて起動信号(Launching)234を生成し、時刻T114にて画面合成AP 98に起動信号234を出力する(画面合成依頼)。画面合成AP 98は起動し、この起動後に検索地域、駐車場リスト、駐車場のステータスのリスト等を入力する。
画面合成AP 98は、Web-DB 36に対して検索地域の地図やステータス毎のアイコンを要求する(Inform._REQ. 236)。Web-DB 36は、画面合成AP 98に取得した検索地域の地図やステータス毎のアイコン等である情報(Response)238を時刻T118に返す(情報取得)。画面合成AP 98は、供給される情報238を基に検索地域の地図やステータス毎のアイコンを合成した地図を作成する。画面合成AP 98は、時刻T120にて作成した地図(Synthe_Data)240を格納する所定のフォルダまたは所定のファイルに返す。
ポータルAP 96は、格納した所定のフォルダまたは所定のファイルからWebブラウザ50に対して表示要求232の結果である応答(Response)242を時刻T122にて出力する。Webブラウザ50は、供給される応答242を基にステータス情報が入った駐車場の地図を整形して、表示する(地図表示)。
なお、駐車場情報システム10の動作は、ユーザの要求により、たとえば時刻T50〜時刻T86にて供給される検索応答206をWebブラウザ50で受信し、表示する手順で終了する場合もある。また、ユーザの詳細表示の要求により駐車場の詳細情報を表示するシーケンス(時刻T88〜時刻T110の処理完了まで)およびユーザの地図表示の要求により地図上で駐車場の情報を表示するシーケンス(時刻T112〜時刻T122の処理完了まで)は、それぞれ、独立である。したがって、これらのシーケンスを両方実行しても、片方だけを実行しても構わない。
このように動作させることにより、SIP環境上に構築されるAPとWeb環境上に構築されるAPとを相互に連携させることが可能となり、WebとVoIPの融合型APの構築・実行・運用が容易に実現できる。とくに、SIPシステム12におけるプレゼンス機能を基に駐車場管理APを構築し、駐車場の情報を提供中のSIPクライアントがプレゼンス情報を提供すると、自動的にプレゼンス情報を集めてリアルタイムに駐車場のプレゼンス状態を更新してサービス提供することができる。
また、拡張プレゼンス機能を提供することにより、空き/塞がりの情報だけでなく、より詳細に駐車場への地図表示、待ち時間等のステータス状態および付加情報を含めた情報の提供が可能になり、駐車場情報システム10において柔軟なサービス提供を行うことができる。
さらに、SIP環境とWeb環境とを連携させて、WebクライアントがWeb環境側からSIP環境が有する条件検索管理と拡張プレゼンス管理を行うアプリケーションを起動させて、SIP環境における駐車場の情報サービスを受けることができる。提供するサービスにより、Webクライアントは、動的に変化する様々なリアルタイム情報を受け取ることができる。
次に駐車場情報システム10における変形例を説明する。本実施例は、先の実施例に対して空きの駐車スペースを割り当て(誘導)、駐車場のチケットを発券する点で異なっている。本実施例の駐車場情報システム10は、先の実施例と同じ構成要素に対して同じ参照符号を付して、説明の煩雑さを避けるため説明を省略する。
ここで、先の実施例との相違点について説明する。本実施例の駐車場情報システム10は、第1に、図10に示すSIP環境のSIPクライアント18がチケット検出システム250, 252であり、図11に示すWeb環境のWebクライアント20がチケット発券システム254, 256である。第2の相違点は、SIP-AP 30およびWeb-AP 42が、それぞれ有するAPが利用誘導AP 258, 260である点にある。利用誘導AP 258は、先の実施例と同じ駐車場管理56を有するが、図11のWeb-AP 42は保守管理AP 100および空き誘導AP 262を有する点で異なる。
チケット検出システム250, 252は、チケット発券機で発券されたチケットをたとえば、磁気の検知等により検出して、該当する駐車スペースが使用中になったことをプレゼンス情報としてSIPサーバ22に通知する機能を有している。
また、チケット発券システム254, 256は、チケット発券システムの一部であるWebクライアント端末装置である。Webクライアント端末装置は、空き誘導AP 262にアクセスして、たとえば地上、2階等の希望するエリアの選択機能やチケットの発券を依頼する機能を有している。とくに、チケット発券システム256は、保守用Webブラウザであり、保守管理AP 100にアクセスするWebブラウザである。
空き誘導AP 262は、駐車場の規模によりユーザに希望エリアを選ばせ、SIPクライアント18のプレゼンス状態から駐車場の空きスペースを検出し、適当な空きスペースを割り当ててチケット発券システムに通知するアプリケーションである。適当な空きスペースは複数であってもよい。
保守管理AP 100は、保守用Webブラウザのチケット発券システム254からのアクセスに応じて保守・管理するアプリケーションである。本実施例における保守管理AP 100は、とくにSIP-DB 24で管理されるSIPクライアントにより示される駐車場スペース情報の追加、削除やたとえば小型車専用、一時利用停止等の属性を管理するアプリケーションである。
この構成しても、SIPシステム12に構築されるAPとWebシステム14に構築されるAPとを相互に連携させることができ、各システム12, 14の融合を図ることができ、リアルタイムな通信により、構築したAPのサービスをユーザに提供することができる。
次に駐車場情報システム10における動作について簡単に説明する。駐車場における空き誘導AP 262の管理対象となる駐車スペースに対応するSIPクライアントのチケット検出システム250, 252は、あらかじめSIP-DB 24またはWeb-DB 36に登録しているものとする。また、その属性等の情報は、駐車場の保守管理AP 56, 100によって設定済みとする。
ユーザは、たとえば運転中の自動車から駐車場に入ろうとする状況にある。ユーザは、Webクライアントであるチケット発券システム254にアクセスし、駐車場の空きスペースが印字されたチケットを入手するまでを説明する。空きスペースは、複数箇所が推奨されていてもよい。図5および図6にそれぞれ、示したサービス準備および拡張プレゼンスの登録はすでに済んでいる。
サービスの実行としてユーザがチケット発券システム254にアクセスする(アクセス)。チケット発券システム254は、空き誘導AP 262を起動する起動信号(Launching)270を生成し、時刻T130にてWebサーバ34/Web-APサーバ38に出力する。Webサーバ34/Web-APサーバ38は、時刻T132にて空き誘導AP 262の起動を依頼する(Launching 272)。本実施例ではWebサーバ34が出力するものとする。一般的に、起動依頼は、Webブラウザ上に表示されるWebサーバ34側が提供するGUI(Graphical User Interface)を利用して行われる。
Web-APサーバ34が空き誘導AP 262を起動する。空き誘導AP 262は、時刻T134にてWebクライアントにこのアプリケーションがもたらす空きスペース誘導画面の情報(Disp_Data)274を供給する。チケット発券システム254は、供給される情報を基に空きスペース誘導画面を表示する(誘導画面の表示)。ユーザは、空きスペース誘導両面から、駐車場に依存して複数エリアの選択や小型車等の属性を選択する。チケット発券システム254は、選択した各項目を“検索条件登録”(Search_REQ.)、すなわち検索条件として条件検索管理部104に発行する。この検索条件としては、たとえば、普通車のような車種、地下1Fといった希望駐車場所がある。チケット発券システム254は、“検索条件登録”を含む起動信号(Launching)276を生成し、時刻T136にて起動信号276を条件検索管理部104に出力する(検索条件の登録)。
条件検索管理部104は、内蔵する各情報における登録機能部を起動し、条件の登録後、時刻T138にて“検索条件登録”の結果(Response)278を空き誘導AP 262に返す。正常に登録されたならば、OKを返す。空き誘導AP 262は、時刻T139にて“検索条件登録”の結果(Response)279をチケット発券システム254に供給する。この後、ユーザの指示によりチケット発券システム254は、時刻T140にてチケット発券要求(Issue_REQ.)280を空き誘導AP 262に発行する(発券要求)。空き誘導AP 262は、時刻T142にて条件検索管理部104のキー情報検索機能部90を呼び出す(キー情報検索:Call 282)。キー情報検索機能部90は、チケット発券要求を含む図13の連携管理部94を起動する起動信号(Launching)284を生成し、時刻T144にて起動信号284を図13に示す連携管理部94に出力する。
連携管理部94は起動信号284の受信により起動する。連携管理部94は、チケット発券要求(Issue_REQ.)をSOAPおよびCORBA等の内、いずれか一つの通信プロトコルを選択し、この選択した通信プロトコルを利用して“検索条件登録”と“キー情報検索”の各情報を含むチケット発券要求(Issue_REQ.)286を生成する。連携管理部94は、ネットワーク16上の別ドメイン内に存在する連携管理部62にチケット発券要求286を時刻T146にて供給して通信する。連携管理部62は、連携管理部94から供給される“検索条件登録”と“キー情報検索”の各情報を含むチケット発券要求286を受信し、条件検索管理部60を起動する起動信号を生成する。起動信号には“検索条件登録”と“キー情報検索”の各情報を含むチケット発券要求286が含まれている。連携管理部62は、時刻T148にて起動信号(Launching)288を条件検索管理部60に出力する。
条件検索管理部60は起動信号288により起動される。この起動により条件検索管理部60は“検索条件登録”と“キー情報検索”に対応する登録機能部84とキー情報検索機能部90を呼び出す。条件検索管理部60は、時刻T150にて登録機能部84とキー情報検索機能部90を基にSIP-DB 24を検索する(検索:Search 290)。
SIP-DB 24は、条件にマッチするSIPクライアントが有する空きスペース情報を入手する。SIP-DB 24は、時刻T152にて入手した空きスペース情報を応答(Response)292として条件検索管理部60に出力する。条件検索管理部60は、時刻T154にて空きスペースリスト(Space_Data)である応答情報を含む起動信号(Launching)294を連携管理部62に出力する。
連携管理部62は、起動信号294により起動され、時刻T156にて空きスペースリストの応答(Issue_RES.)296をネットワーク16上の別ドメイン内に存在する連携管理部94に送信する。ここで、連携管理部62は、チケット発券応答(Issue_RES.)をSOAPおよびCORBA等の内、いずれか一つの通信プロトコルを選択し、この選択した通信プロトコルを利用して空きスペースリストの応答情報を含むチケット発券応答(Issue_RES.)296を生成し、出力する。連携管理部94は、時刻T158にてチケット発券検索に対する応答(Response)298を図12に示す条件検索管理部104に供給する。
条件検索管理部104は、時刻T160にて空きスペースリストの応答情報(Response)300を空き誘導AP 262に出力する。空き誘導AP 262は、時刻T162にて他のWebクライアントに提示済の空きスペース情報を得るためWeb-DB 36にアクセスする(提示済み参照:Reference 302)。Web-DB 36は提示済の空きスペース情報を検索する。Web-DB 36は、時刻T164にてこの検索結果(Response)304を空き誘導AP 262に返す(提示済み空きスペース)。
空き誘導AP 262は、検索結果304と前に提示済の空きスペースとを比較して空きスペースが塞がったか否かチェックする。また、空き誘導AP 262は、時刻T166にて前回の提示済のスペースとなるべく、重ならないように今回の提示する空きスペースを選択し、この結果でWeb-DB 36の提示済の情報を更新する(更新:Update 306)。空き誘導AP 262は、選択した空きスペースを使って、時刻T168にてチケットの発券をチケット発券システム254に指示する(発券:Issue 308)。チケット発券システム254は、チケットの発券を受けて、Webクライアントを初期画面に戻す。
このように動作させることにより、SIPのプレゼンスを利用したリアルタイムの空き/塞がり情報を取得することができ、システムの管理する情報とリアルタイムの情報の不一致をなくすことができる。また、たとえ、指定された以外の空きスペースに駐車された場合でも、チケットに複数の候補を提示することにより、空きスペースが見つからないという状態の発生を防ぐことが期待できる。
以上のように構成することにより、たとえばSIPシステム12またはSIP環境におけるSIPクライアント18からの登録や拡張プレゼンスの登録をサービスの準備として行い、実際のサービス実行において、Webシステム14またはWeb環境におけるWebクライアント20からアクセスに応じて条件検索管理部104を動作させて検索条件を連携管理部94, 62を用いて、条件検索管理部60に送り、条件検索管理部60の機能により得られた検索結果を連携管理部62, 94を用いて、条件検索管理部104に送って、Webシステム14のWebクライアント20に送る。このようにWebクライアント20からSIPおよびWebシステム12, 14間で連携情報を送受することによりサービスを提供することができる。同様に、Webクライアント20から拡張プレゼンス管理部102、連携管理部94, 62、拡張プレゼンス管理部58を経て検索し、この検索結果を逆にたどってWebクライアント20に供給することもできる。
拡張プレゼンス管理部58は、キー情報、ステータス情報および付加情報のそれぞれに対する登録機能および削除機能、ならびにサービス対象のクライアントを指定した拡張プレゼンス情報の参照およびクライアントからのプレゼンス情報を拡張ブレゼンス情報としてデータベースへの登録機能を有し、管理する手段を含み、拡張プレゼンス管理部102は、拡張プレゼンス管理部58の各機能にアクセスするアクセス機能部108〜122を含むことにより、SIPシステム12やWebシステム14における検索条件、拡張プレゼンスのそれぞれに対する処理やアクセスを行うことができる。
SIPプロトコルおよびHTTPプロトコルに対してともに扱えるSOAPおよびCORBAのいずれかの通信プロトコルを用いることにより、システム間の通信を確保することができる。
SIPシステム12およびWebシステム14は、それぞれ、SIP-AP 30およびWeb-AP 42を含み、SIP-AP 30は、空き検索AP54として駐車場管理AP 56を生成し、Web-AP 42は、空き検索AP 95としてポータルAP 96、画面合成AP 98およびに保守管理AP 100を有することにより、空きスペース情報の検索、管理、保守等における効率的な情報処理をクライアントに提供することができる。
SIPシステム12およびWebシステム14は、それぞれ、SIP-AP 30およびWeb-AP 42を含み、SIP-AP 30は、利用誘導AP258として駐車場管理AP 56を生成し、Web-AP 42は、利用誘導AP 260として空き誘導AP 262および保守管理AP 264を含むことにより、空きスペース情報の検索、管理、保守等における効率的な情報処理およびチケットの発券をクライアントに提供することができる。
SIPクライアント18はチケット検出システムであり、Webクライアント20はチケット発券システムであることにより、登録したチケット情報を基にWebクライアント20に対して要求に適合したチケットを得ることができる。
駐車場情報システム10を機能させるプログラムにおいて、SIPシステム12およびWebシステム14のそれぞれはコンピュータであり、このプログラムは、SIPシステム12の連携管理部62、拡張プレゼンス管理部58および条件検索管理部60ならびにWebシステム14の連携管理部94、拡張プレゼンス管理部102および条件検索管理部104として機能させるプログラムを用いることにより、システム構成を小型化することができる。
また、本発明のサービス提供方法によれば、サービスの準備としてSIPシステム12のデータベース24を監視する中、SIPクライアント18をデータベース24に登録し、さらにこの登録に応じてSIPシステム12の該当するクライアントからの拡張したプレゼンス情報をデータベース24に登録し、サービスの実行においてWebクライアント20から空き検索AP 95にアクセスし、得られた情報をクライアントに表示し、さらにこのクライアントから検索条件を登録し、このクライアントで登録の応答を受けて、検索条件をSOAP/CORBAの一方を選択した通信プロトコルによりSIPシステム12に送り、SIPプロトコルによる検索条件にして、この検索条件でデータベース24を検索し、この検索結果をSOAP/CORBAの一方を選択した通信プロトコルによりWebシステム14に送り、HTTPプロトコルによる検索結果にすることにより、異なるシステムを融合させてサービス対象から要求に応じてサービスを提供することができる。
拡張プレゼンスの登録は、該当のSIPクライアントに対して購読要求し、このクライアントから購読要求の応答およびサービス対象の状態情報のうち、拡張したプレゼンス情報を含む情報の通知を順次受け、この拡張プレゼンス情報をデータベース24に登録することにより、拡張プレゼンス情報の取得要求がWebシステム14から供給された場合にこの要求に該当する情報をWebシステムに提供することができる。
サービス提供方法は、さらに検索後に、検索結果を拡張プレゼンス情報としてWebクライアントに供給し、このクライアントから拡張プレゼンス情報に対する参照情報を要求し、この参照情報をSOAP/CORBAの一方を選択した通信プロトコルによりSIPシステム12に送り、SIPプロトコルによる検索条件にして、データベース24を検索し、再びこの参照情報の検索結果を拡張プレゼンス情報としてSOAP/CORBAの一方を選択した通信プロトコルにして、この拡張プレゼンス情報をWebクライアントに供給し、このWebクライアントから拡張プレゼンス情報に対する表示を要求し、データベース36を検索し、この検索結果を合成してWebクライアントに表示することにより、より詳細な情報をSIPシステムから取得し、取得した情報をWebシステムで画像合成してユーザに理解しやすく表示することができる。
第7、第16、第19、第20および第22の工程に対応する処理においてポータルAP 96の機能を関連させて処理することにより、起動や応答にともなう情報の取得を確実に処理することができる。また、第21および第22の工程に対応する処理においてそれぞれ、画面合成AP 98の機能を関連させて処理することにより、供給される情報を基にユーザに理解しやすく表示を提供することができる。
空き誘導および発券する場合、先の条件検索後に得られた検索結果を前記拡張プレゼンス情報としてWebシステム14の空き誘導AP 262に供給し、この検索結果でデータベース36を検索し、検索結果を受け、空き誘導AP 262にてこの検索結果と前に提示済の空きスペース情報とを比較し、前回の提示済のスペース情報と重複しない空きスペース情報を選択し、この選択結果をデータベース36に供給して、更新し、この選択した空きスペース情報のチケットをWebクライアント20に発券することにより、発券された空きスペースに駐車しない車がある場合が生じても、管理する空き/塞がり情報と実際の駐車場内におけるスペースの空き/塞がりとが不一致になることを避けることができ、正確な発券をユーザに提供することができる。
第7の工程、ならびに第23ないし第27の工程に対応した処理では、それぞれ、空き誘導AP 262の機能を関連させて処理することにより、拡張プレゼンス情報を基に実際の状況に合ったチケットの発券を行うことができる。