JP2005147724A - 制御装置および入出力制御装置、ならびに試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
プロセッサ装置と入出力装置との間のデータ入出力を制御する入出力制御装置において、処理を高速化する
【解決手段】
制御装置100は、プロセッサ装置2、2aと入出力装置3、3a、3bとを有する。プロセッサ装置は、複数のプロセッサ4〜7と入出力制御装置1とを有する。入出力制御装置は、複数のプロセッサからの入力ポートと1個の出力ポートを有する出力制御素子23、24と、プロセッサへ出力するポートと1個の入力ポートを有する入力制御素子25、26を有する。入出力装置は、入力素子13と、出力素子12と、出力制御素子からのデータを出力素子に出力し、入力素子から入力されるデータを入力制御素子に出力する入出力データ転送装置14を有する。出力制御素子と入力制御素子と入出力データ転送装置手段のいずれかの入力ポートと出力ポートとを1対1に接続する。
【選択図】 図1
プロセッサ装置と入出力装置との間のデータ入出力を制御する入出力制御装置において、処理を高速化する
【解決手段】
制御装置100は、プロセッサ装置2、2aと入出力装置3、3a、3bとを有する。プロセッサ装置は、複数のプロセッサ4〜7と入出力制御装置1とを有する。入出力制御装置は、複数のプロセッサからの入力ポートと1個の出力ポートを有する出力制御素子23、24と、プロセッサへ出力するポートと1個の入力ポートを有する入力制御素子25、26を有する。入出力装置は、入力素子13と、出力素子12と、出力制御素子からのデータを出力素子に出力し、入力素子から入力されるデータを入力制御素子に出力する入出力データ転送装置14を有する。出力制御素子と入力制御素子と入出力データ転送装置手段のいずれかの入力ポートと出力ポートとを1対1に接続する。
【選択図】 図1
Description
本発明は制御装置およびそれを備えた試験装置に係り、特に信号の入出力を制御するのに好適な入出力制御装置を有する制御装置および試験装置に関する。
大型の構造物の挙動をリアルタイムに可能な限り近づけて解析する試験装置の例が、特許文献1および非特許文献1に記載されている。この公報および文献に記載の大型構造物のハイブリッド実験では、大型構造物において挙動解析に重要な部分だけを実物モデルを用いて実際に加振試験し、構造物の残りの部分を数値モデル化して加振試験結果と組み合わせて構造物の挙動を解析している。
ところで、ハイブリッド実験をリアルタイム化または高機能化するためには、演算処理を高速化する必要がある。特許文献2には、複数プロセッサと複数入出力装置とを多ポートメモリを利用して接続して、プロセッサ入力アクセスを高速化し、実効処理能力を向上させることが記載されている。
上記特許文献1や非特許文献1に記載の試験装置において試験をさらにリアルタイムに近づけるためまたは高機能化するためには、多ポートメモリと入出力装置を接続するグローバルバス部を高速化する必要があるが、グローバルバスを用いたときに入出力数を増やすと負荷が増え動作が遅くなる。その結果、入出力数と高速化の両立に限界がある。また、グローバルバスを用いて入力装置からメモリへデータ転送しているときに、出力装置にデータを伝送して制御出力を更新しようとすると、入力装置からのデータ転送処理が終わるのを待つ必要があり、制御出力の更新が遅れる。また、特許文献2に記載のコンピュータシステムをハイブリッド試験に適用することは考慮されていないので、リアルタイム化や高機能化への対応が十分ではない。
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、ハイブリッド加振試験等の試験装置において、プロセッサの入出力アクセスを高速化することにある。本発明の他の目的は、プロセッサ装置と入出力装置との間のデータ入出力を制御する入出力制御装置における処理を高速化することにある。
上記目的を達成する本発明の特徴は、複数のプロセッサを有するプロセッサ装置と、外部機器との間で信号を授受する出力素子と入力素子とを有する入出力装置とを有する制御装置において、プロセッサ装置は、複数のプロセッサからのデータを書き込む入力ポートと1個の転送出力ポートとを有し入力と出力が独立した出力制御素子と、複数のプロセッサにデータを出力する出力ポートと1個の転送入力ポートとを有し入力と出力とが独立した入力制御素子とを備え、入出力装置は、出力制御素子からのデータを出力素子に転送し入力素子から入力されるデータを入力制御手段へ転送する入出力データ転送装置を備え、出力制御素子と入力制御素子と入出力データ転送装置のいずれかの入力ポートと出力ポートとを1対1接続して単一方向にデータを転送する接続手段を設け、入力データと出力データが各接続手段を専有して送信されることにある。
そしてこの特徴において、出力制御素子はプロセッサからの書き込み入力に入出力が独立に動作する複数の入出力タイミング調整回路と、この複数の入出力タイミング調整回路の出力から1個選択して前記1個の転送出力にデータを出力する選択回路とを備え、複数のプロセッサからの同時書き込みを可能とするのがよい。さらに、入力制御素子は、1個の書き込み入力と複数の読み出し出力が独立に動作する記憶素子を有することが好ましい。上記特徴において、接続手段はケーブルであるのが好ましく、入力制御素子と出力制御素子はFPGAまたはLSIであり、この入力制御素子と出力制御素子とをプロセッサに近接して接続するのがよい。
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、評価対象モデル一部を実物モデルで残りを数値モデルとして全体の挙動を解析する試験装置において、加振機と、この加振機への加振信号を制御する加振制御装置とを有し、この加振制御装置は複数のプロセッサを有するプロセッサ装置と、外部機器との間で信号を授受する出力素子と入力素子とを有する入出力装置とを有し、プロセッサ装置は、複数のプロセッサからのデータを書き込む入力ポートと1個の転送出力ポートとを有し入力と出力が独立した出力制御素子と、複数のプロセッサにデータを出力する出力ポートと1個の転送入力ポートとを有し入力と出力とが独立した入力制御素子とを備え、入出力装置は、出力制御素子からのデータを出力素子に転送し入力素子から入力されるデータを入力制御手段へ転送する入出力データ転送装置を備え、出力制御素子と入力制御素子と入出力データ転送装置のいずれかの入力ポートと出力ポートとを1対1接続して単一方向にデータを転送する接続手段を設け、入力データと出力データが各接続手段を専有して送信されるものである。
上記目的を達成する本発明のさらに他の特徴は、各々が異なるローカルバスに接続される複数のプロセッサと入出力装置間で信号を転送する入出力制御装置において、バッファを介して複数のローカルバスに接続され単一の入出力装置に信号を出力する複数の出力制御素子と、複数のローカルバスに直接接続され単一の入出力装置から信号を入力する複数の入力制御素子とを備え、複数の出力制御素子は互いに異なる入出力装置に接続されるものであり、複数の入力制御素子は互いに異なる入出力装置に接続されることにある。
本発明によれば、プロセッサと入出力装置を接続する入出力制御装置において、入力専用のインターフェースと出力専用のインターフェースとを分けて構成したので、プロセッサ数や入出力点数が増加しても、プロセッサと入出力装置間で高速にデータを伝送することが可能となる。また、ハイブリッド加振試験装置に適用すれば、制御の多機能化と試験の高精度化、制御周期の高速化が可能となる。
以下、本発明に係る入出力システムのいくつかの実施例を、図面を用いて説明する。図1は、実物モデルと数値モデルとを組み合わせて実時間で加振試験をする、ハイブリッド加振試験に用いる制御装置100の入出力部のブロック図である。制御装置100は、複数のプロセッサ4〜7を搭載したプロセッサ装置2と、このプロセッサ装置2と入力パス17、18および出力パス15、16を介して接続された入出力装置3、3a、3bとを備えている。大量のデータを処理するために、プロセッサ装置2と同様の構成のプロセッサ装置2aも備えられており、入出力装置3aに入力パス20および出力パス19を介して接続されている。
プロセッサ装置2、2aは、並列処理が可能であり、モデル演算やフィルタ演算、制御演算などを実時間で処理する。図1では図示を省略したが、プロセッサ4〜7のローカルバス8〜11には主記憶装置が接続されており、プロセッサ4〜7間には通信手段が設けられている。さらに、アドレス線やデータ線の一部を省略している。
プロセッサ装置2、2aは、1枚または複数枚の基板を有するモジュールである。プロセッサ装置2、2aは、上述したように複数のプロセッサ4〜7を有しており、このプロセッサ4〜7は各プロセッサ4〜7に対応して設けられたローカルバス8〜11を介して入出力制御装置1に接続されている。入出力制御装置1は、プロセッサ4〜7から送信されたデータを一時的に貯えるバッファ27と、バッファ27から送信されるデータを制御する出力制御素子23、24と、プロセッサ4〜7に入力されるデータを制御する入力制御素子25、26とを有する。
プロセッサ装置2,2aとの間で信号を授受する入出力装置3、3a、3bは、複数のDA変換器等の出力素子12と複数のAD変換器等の入力素子13を搭載している。この入出力装置3、3a、3bから複数の制御対象に制御信号が出力されるとともに、制御対象や計測点のセンサから信号が入力される。各入出力装置3、3a、3bは、入出力データ転送装置14を有している。入出力データ転送装置14は、出力素子12へのデータ出力を制御するとともに、入力素子13から入力されるデータ入力を制御する。入出力データ転送装置14は、さらに入出力制御装置1との間でインタフェースとして作用する。
入出力制御装置1は、データを入出力するときにアクセスが競合するのを回避するために、データの流れる方向を一方向にする。そのため、出力制御素子23、24および入力制御素子25、26は、それぞれ書き込みと読み出しを独立に行える素子である。出力制御素子23、24は、複数の入力ポートを有し、出力ポートは1個だけである。入力制御素子25、26は、単一の入力ポートと複数の出力ポートとを有する。
各ローカルバス8〜11の配線長を短くするために、入出力制御装置1をプロセッサ装置2に実装する。図1ではローカルバス8〜11と入出力制御装置1との接続を一方向の矢印で示しているが、入出力制御装置1であるチップまたはモジュールまではローカルバス8〜11が配線されている。ローカルバス8〜11が双方向バスの場合には、ローカルバス8とバッファ27間とローカルバス8と入力制御素子25間のデータ線は共用される。
入出力制御装置1の出力制御素子23、24は、プロセッサ4〜7からの出力データを、出力パス15、16を用いて高速に入出力装置3、3aに転送する。また入力制御素子25、26は、入力パス17、18からの高速転送データを、図示しない内部の記憶素子に書き込む。入力制御素子25、26は、データ更新をプロセッサ4〜7に知らせる手段を有する。
このように構成した制御装置100において、プロセッサ4から出力素子12にデータを出力する動作を、以下に説明する。プロセッサ4が演算処理するときは、プロセッサ4の内部に設けた図示しない記憶素子や、ローカルバス8に接続されている図示しない主記憶メモリまたはプロセッサ4〜7間の通信手段などにアクセスしてデータ処理する。プロセッサ4の動作速度は、数百MHz〜数GHzであり、ローカルバス8のクロック周波数は、数百MHz程度である。ローカルバス8に、数百MHz程度で動作する転送動作タイプの主記憶メモリを接続する。
プロセッサ4は、出力素子12を記述したアドレス系信号とデータ信号とを、ローカルバス8に出力する。ローカルバス8に接続されたバッファ27は、送信されたアドレス系信号をデコードし、アドレス関連の信号とデータをラッチする。バッファ27をプロセッサ4の近傍に配置しているので、この動作は1クロック程度で完了する。その結果、プロセッサ4は次のクロックから、他の処理を実行することができ、高速な演算処理に対応できる。
バッファ27でデコードされたアドレス信号は、その信号に記述された出力素子12に接続された出力制御素子23、24を選択する。例えば、出力素子12のアドレスがアドレス信号に記入されているときは出力制御素子23を選択し、出力制御素子23がバッファ27の出力信号を取り込む。出力制御素子23は、複数の入力ポートと1個の出力ポートを有する。これにより同時に複数のデータが出力制御素子23に入力されても、出力制御素子23は入力データを順次選択して高速に出力することができる。
出力パス15の転送能力は、ローカルバス8〜11と同等あるいはそれ以上が望ましい。出力パス15を入出力装置3の入出力データ転送装置14に1対1で接続する。入出力制御装置1から入出力データ転送装置14に、単方向にデータ伝送する。本実施例によれば、配線の負荷を小さくできる。また、配線のインピーダンスコントロールが容易になるとともに配線内での反射の影響を小さくできる。その結果、アクセス競合の調停等の伝送方向の制御が不要になり、高い転送速度と出力レイテンシ(データの入出力に要する時間)の低下を実現できる。
出力パス15が物理的に1対1に接続されているので、基板の形態でもケーブルの形態でも容易に実装が可能である。出力パス15をケーブルにすると、入出力装置3を制御対象物または計測対象物の近くに配置できるので、アナログ回路のノイズの影響を低減することができる。また、プロセッサ装置あるいは他の入出力装置の構成の変化にも対応可能になる。
出力パス15を伝送するデータの信号として、LVDS規格で規格化された差動信号等を用いると、ケーブル伝送では数百MHz〜1GHz程度の伝送が可能である。出力パス15から伝送される信号は、入出力データ転送装置14でアドレス信号とデータ信号に分離される。そして、アドレス信号がデコードされ、出力素子12に入出力データ転送装置14からデータが出力される。出力素子12から出力された出力信号は、入出力データ転送装置14で生成したタイミング信号に基づいて更新される。タイミング信号は、データ更新と同時に出力される信号や、外部からのトリガ信号、入出力装置のクロックによる周期設定可能な信号、出力パス15から送信されるプロセッサ4〜7のコマンド信号などから選択される。複数の出力素子の出力を同期させて変更する場合に利用される。
本実施例によれば、プロセッサ4から出力素子12にデータを出力する場合、プロセッサ4が他のプロセッサ5〜7と競合しないので、高速演算が可能となる。また、出力制御素子23から出力素子12までデータを競合することなく伝送できるので、出力レイテンシを低下することができる。
入力素子13に入力されたデータをプロセッサ4まで伝送する動作を、以下に説明する。入力要求が指令されると、入出力データ転送装置14は入力素子13から送信されたデータに、予め設定された入力素子13のアドレス情報を付与して入力パス17に出力する。入力要求には、外部からのトリガ信号や入出力装置3が有するクロック等で発生する周期的なタイミング信号、出力パス15を介して送信されたプロセッサ4〜7で発生したコマンド信号等を用いる。
複数の入力素子13、13、…から同時にデータを入力するときは、入出力データ転送装置14がそのデータを並行して同時に取り込み、入力パス17を用いて入力制御素子25に高速に転送する。連続しているアドレスの複数データを転送するときは、全データにアドレス情報を付与する代わりに先頭データにだけアドレスを付与する。これにより、データの転送能力が向上する。
入力パス17は、出力パス15と同様にケーブルでも基板配線としてもよい。入力制御素子25は入力と出力が独立に動作可能であり、所定のアドレス領域を有する記憶素子と1個の入力ポートと複数の出力ポートを有する。入力パス17を通って送信されたデータは、付与されたアドレス情報にしたがって記憶素子に書き込まれる。ただし、連続データを転送するときは、アドレスを生成する。予め設定したアドレスにデータが書き込まれると、入力制御素子25はフラグや割り込み制御し、データ更新を各プロセッサ4〜7に知らせる。
本実施例によれば、アクセスが競合しないので、入力データを更新した直後からデータを高速に転送できる。したがって入力データの更新は、小さいレイテンシで入力制御素子25に反映される。入力制御素子25では、入力と出力とが独立に動作できるので、入力パス17から送信されるデータを書き込んでいるときでも、プロセッサ4〜7は記憶内容を読み出すことができる。また、複数のプロセッサ4〜7間で、アクセス競合が生じない。その結果プロセッサ4〜7は、入力データを参照する要求が生じると、即座に入力制御素子25の最新データを読み出すことができる。なお、入力制御素子25をプロセッサ4〜7に近い位置に配置する。
本実施例によれば、入力素子13にデータが入力されてからプロセッサ4〜7にデータが入力されるまでの動作において、出力素子12からデータを出力するときと同様にプロセッサ4〜7は競合することなく高速処理が可能となる。また、入出力制御装置1を、入力専用のインタフェースである入力制御素子25、26と出力専用のインタフェースである出力制御素子23、24に分けて構成したので、多数のプロセッサ4〜7と多数の入出力装置3間で高速にデータを伝送することができる。これにより、入力および出力レイテンシを低下できる。
図2に、入力制御素子25、26と出力制御素子23、24の詳細をブロック図で示す。同図(a)は出力制御素子23、24の図である。各出力素子23、24は、複数のエラスティックバッファ31〜34と、このエラスティックバッファ31〜34に接続された選択回路37と、選択回路37とエラスティックバッファ31〜34の双方に接続された選択素子38と、選択素子38で選択された信号を入出力データ転送装置14に送信する転送素子39とを有する。
バッファ27から送信された信号45a〜45dは、書き込まれた順番に読み出すFIFOメモリであるエラスティックバッファ31〜34に書き込まれる。エラスティックバッファ31〜34は、入力と出力の伝送形態や一時的な伝送速度の違いを吸収して、入出力タイミングを調整する。エラスティックバッファ31〜34の入力は、プロセッサ4〜7で発生したクロック信号35a〜35dに同期し、出力は転送クロック信号36に同期する。
プロセッサ4〜7間で競合しないように、エラスティックバッファ31〜34を各プロセッサ4〜7に対応して設ける。エラスティックバッファ31〜34の内部には、数〜数十セット程度のデータ記憶領域が設けられており、入力のスピードが出力を上回ったら一時的にデータを格納する。記憶領域の容量は、オーバフローしないように決定する。入力可能な空き領域が無くなるとエラー信号またはプロセッサ4〜7のホールド信号40を出力する。なお、データ記憶領域が出力素子12の数より多ければ、オーバフローは生じない。
エラスティックバッファ31〜34にデータが書き込まれると、エラスティックバッファ31〜34は選択回路37に読み出し要求信号41a〜41dを出力する。要求信号41a〜41dを受信した選択回路37は、エラスティックバッファ31〜34に読み出し信号42a〜42dを、選択素子38に選択信号46をそれぞれ出力する。選択回路37がエラスティックバッファ31〜34から複数の要求信号41a〜41dを受信したときには、高速に選択信号46を切り替えて1個ずつ選択素子38に送信する。エラスティックバッファ31は、読み出し信号42a〜42dを受信する。そして、他の出力データがあるときは要求信号41a〜41dを引き続き出力する。データが書き込まれていないときは、エラスティックバッファ31は要求信号41a〜41dをリセットする。
選択素子38は、選択されたエラスティックバッファ31〜34出力を転送素子39に転送する。どのエラスティックバッファ31〜34の出力も選択されないときは、ゼロを出力する。転送素子39は、バス幅の変更が可能である。転送素子39の出力である出力パス15は実装面積等により制限されており、出力パス15の配線本数には限界がある。例えば出力パス15が16ビット分の配線容量しかなく、プロセッサからの出力がアドレス16ビットにデータ32ビットの合計48ビットのときには、転送素子39はプロセッサ4〜7から送信されたデータを16ビットずつ3回に分けて高速転送する。
本実施例によれば、出力制御素子23の入力と出力が独立に動作し、出力制御素子23が複数の入力ポートと1個の出力ポートを有しているので、同時に複数のデータが出力制御素子に入力されても、データを順次選択して出力するようにしたのでデータの高速転送が可能になる。
図2(b)、(c)に、入力制御素子25、26の詳細を示す。これらの図は、入力素子13が備える記憶素子のブロック図である。入力制御素子25、26は、図に示した記憶素子の他に、アドレス生成手段やデータ更新をプロセッサ4〜7に通知する手段を有する。図2(b)は、記憶素子の1素子分の回路の図であり、基本単位である。書き込みアドレス50が有効になると、メモリに書き込みデータ51が記憶され、読み出しアドレス52が有効になるとメモリの内容が読み出しデータ53として出力される。書き込み動作と読み出し動作は、独立に動作可能である。
市販されているパッケージングされたSRAM素子は、書き込みデータ51と読み出しデータ52が双方向のデータバスに接続されており、入力と出力が独立になっていない場合がある。一方、LSIやFPGAなどのメモリには入力と出力が独立していることが多く、入力制御素子25、26に利用可能である。入力と出力が同じクロック信号で動作するときは、競合が生じない。異なるクロック信号で動作させるときは、確率的には非常に低いが、書き込まれた直後のデータが確定していない期間にデータを読み出すことがないようにする。
図2(b)に括弧で示したように、読み出し回路を追加すると、独立動作する読み出し出力を複数形成できる。この図2(b)に示した素子を、所定のアドレス容量分だけ用意すれば、1個の入力ポートと複数の出力ポートを有し、入力と出力とを独立に動作する記憶素子を実現できる。入力制御素子25、26の他の例を、図2(c)に示す。この図に示した入力制御素子は、1個の入力ポートと1個の出力ポートを有する記憶回路55a〜55dを並列に接続したものである。本実施例によれば、各プロセッサ4〜7に対応する記憶素子をそれぞれプロセッサ4〜7の近くに配置することができる。特にバッファ27と一緒に各プロセッサ4〜7の近くに配置すると、ローカルバス8〜11の配線長を短縮でき、プロセッサ4〜7への高速アクセスが可能になる。
なお、図2(c)では、記憶回路55a〜55dとして図2(b)に示したメモリ回路を用いているが、レジスタを使用してもよい。プロセッサ4〜7は、記憶領域に書き込む必要がないので、書き込み入力ポートは1個あればよい。入力制御素子25、26では単一方向にだけデータが送信されるので、高速に動作できる。
入力パスを増設するときは入力制御素子を増設すればよく、また、出力パスを増設するときは出力制御素子を増設すればよい。入力および出力制御素子が独立に動作するので、動作速度は影響されない。図1に示したように、入出力装置3と入出力装置3bを直列に接続してもよい。その場合、入出力データ転送装置14は、アドレスをデコードして入出力装置3bまたは入出力制御装置1にデータを転送する。制御周期や実装可能プロセッサ数を考慮して他のモジュールのプロセッサ装置2aが必要なときには、1個の入出力装置3aを2個のプロセッサ装置2、2aに接続してもよい。出力データを高速に参照するときは、出力パスを入力パスに接続する。
図3に、複数のプロセッサ4、5と複数の入出力装置3、3aとの接続を模式的に示す。従来は、入出力装置を1本のグローバルバスに接続していたので双方向にデータが流れ、高速化できなかった。これに対して本実施例では、入出力装置3、3aから送信されたデータについて、データ入力更新時に最新データを入出力制御装置1へ転送している。その際、入出力装置3、3aから送信された入力データを、入出力制御装置1のメモリにミラーリングと称する手法で単一方向に送信しているので、レイテンシを低減できる。また、入出力制御装置1と入出力装置3、3aの接続が1対1の単方向接続なので、伝送できる周波数を数百MHz程度の高周波数にすることができる。また、アクセス競合を回避できる。プロセッサ4、5のローカルバス8、9は双方向バスのことが多いが、ローカルバス8、9との配線長が長くなるのを防止するために入出力制御装置1をプロセッサ4、5の近くに配置する。例えば、入出力制御装置1をプロセッサ装置2内に配置する。
図4に、上記実施例に示した制御装置100aを有する大型構造物70の振動試験装置73の一例を、模式的に示す。この振動試験装置73は、構造物の一部を模擬した実物モデルと残りの部分を模擬した数値モデルとを組み合わせて地震に対する挙動を試験するハイブリッド試験装置である。評価対象の大型構造物について、挙動解析にとって重要な部分のモデルを実際に加振し、それ以外の部分を数値モデル化してシミュレーションする。
例えば大型構造体70では、基礎部分について実物モデルとして供試体71を作製し、その上層部をモデル部分72として、数値モデル化する。制御装置100aは、制御入力74をAD変換器でサンプリングし、モデル部分72についてのシミュレーション演算を実行して供試体との境界部分の挙動を算出する。算出したデータをDA変換して制御出力75として加振機78に与える。制御装置100aは、所定の周期でこの制御を繰り返す。
供試体71に取り付けた各種センサが検出した計測入力76は、所定周期でサンプリングされて、供試体71の挙動が求められる。加振機78への制御信号75の一つに、地震波77を用いてもよい。図4には加振機78を1台だけ示しているが、振動台や複数の加振機を用いてもよい。制御入力74としては、反力や変位などを用いる。制御出力75としては、変位や荷重などを用いる。
試験装置73は、複数の振動台や加振機78のアクチュエータを制御する場合をも考慮して、最大数十〜百程度の制御用の高速入力と出力が要求される。また計測入力76の入力数は、多い場合数百〜千にまで達する。速度や加速度に大きく依存する粘弾性要素を有する構造物においては、実時間の実験が必要である。そこで、試験装置73は複数のプロセッサを有する並列演算処理装置を備えている。この並列演算処理装置は上述した入出力制御装置を備えているので、ハイブリッド試験装置において高速な演算処理が可能となり、制御の多機能化や複数アクチュエータの協調制御、試験の高精度化、制御周期の高速化が可能となる。車体設計などのボディダイナミクスの解析に利用されるリアルタイムシミュレータでも、上記実施例に示した制御装置を用いると、高速高精度化が可能となる。
なお、入力および出力制御素子の回路を、ハードウエアブロックで構成するかまたは予めソフトウエアを組み込んだ回路(ハードIPマクロまたはソフトIPマクロ)とすれば、周辺チップを設計するときに再利用可能であり、設計効率が向上する。このとき、IPマクロは、対応するプロセッサ数、入出力パス数、バッファ段数、記憶容量、入出力パスの規格などが設計ツール上で設定できるように構成することで、容易に多様なシステム構成に対応可能となる。
1…入出力制御装置、2、2a…プロセッサ装置、3、3a、3b…入出力装置、4〜7…プロセッサ、8〜11…ローカルバス、12…出力素子、13…入力素子、14…入出力データ転送装置、15、16…出力パス、17、18…入力パス、23、24…出力制御素子、25、26…入力制御素子、27…バッファ、31〜34…エラスティックバッファ、35…クロック、36…転送クロック、37…選択回路、38…選択素子、39…転送素子、40…ホールド信号、41…要求信号、42…読み出し信号、45…信号、46…選択信号、50…書き込みアドレス、51…書き込みデータ、52…読み出しアドレス、53…読み出しデータ、55…記憶回路、60…グローバルバス、61…バス制御回路、62…プロセッサ、63、66…ローカルバス、64、65…入出力装置、70…大型構造物、71…供試体、72…モデル部分、73…振動試験装置、74…制御入力、75…制御出力、76…計測入力、77…地震波、78…加振機、100…制御装置。
Claims (7)
- 複数のプロセッサを有するプロセッサ装置と、外部機器との間で信号を授受する出力素子と入力素子とを有する入出力装置とを有する制御装置において、前記プロセッサ装置は、前記複数のプロセッサからのデータを書き込む入力ポートと1個の転送出力ポートとを有し入力と出力が独立した出力制御素子と、前記複数のプロセッサにデータを出力する出力ポートと1個の転送入力ポートとを有し入力と出力とが独立した入力制御素子とを備え、前記入出力装置は、前記出力制御素子からのデータを出力素子に転送し入力素子から入力されるデータを入力制御手段へ転送する入出力データ転送装置を備え、出力制御素子と入力制御素子と入出力データ転送装置のいずれかの入力ポートと出力ポートとを1対1接続して単一方向にデータを転送する接続手段を設け、入力データと出力データが各接続手段を専有して送信されることを特徴とする制御装置。
- 前記出力制御素子はプロセッサからの書き込み入力に入出力が独立に動作する複数の入出力タイミング調整回路と、この複数の入出力タイミング調整回路の出力から1個選択して前記1個の転送出力にデータを出力する選択回路とを備え、複数のプロセッサからの同時書き込みを可能とすることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
- 前記入力制御素子は、1個の書き込み入力と複数の読み出し出力が独立に動作する記憶素子を有することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
- 前記接続手段はケーブルであることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 前記入力制御素子と前記出力制御素子はFPGAまたはLSIであり、この入力制御素子と出力制御素子とをプロセッサに近接して接続したことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 評価対象モデル一部を実物モデルで残りを数値モデルとして全体の挙動を解析する試験装置において、加振機と、この加振機への加振信号を制御する加振制御装置とを有し、この加振制御装置は複数のプロセッサを有するプロセッサ装置と、外部機器との間で信号を授受する出力素子と入力素子とを有する入出力装置とを有し、前記プロセッサ装置は、前記複数のプロセッサからのデータを書き込む入力ポートと1個の転送出力ポートとを有し入力と出力が独立した出力制御素子と、前記複数のプロセッサにデータを出力する出力ポートと1個の転送入力ポートとを有し入力と出力とが独立した入力制御素子とを備え、前記入出力装置は、前記出力制御素子からのデータを出力素子に転送し入力素子から入力されるデータを入力制御手段へ転送する入出力データ転送装置を備え、出力制御素子と入力制御素子と入出力データ転送装置のいずれかの入力ポートと出力ポートとを1対1接続して単一方向にデータを転送する接続手段を設け、入力データと出力データが各接続手段を専有して送信されることを特徴とする試験装置。
- 各々が異なるローカルバスに接続される複数のプロセッサと入出力装置間で信号を転送する入出力制御装置において、バッファを介して複数のローカルバスに接続され単一の入出力装置に信号を出力する複数の出力制御素子と、複数のローカルバスに直接接続され単一の入出力装置から信号を入力する複数の入力制御素子とを備え、前記複数の出力制御素子は互いに異なる入出力装置に接続されるものであり、前記複数の入力制御素子は互いに異なる入出力装置に接続されることを特徴とする入出力制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003381919A JP2005147724A (ja) | 2003-11-12 | 2003-11-12 | 制御装置および入出力制御装置、ならびに試験装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003381919A JP2005147724A (ja) | 2003-11-12 | 2003-11-12 | 制御装置および入出力制御装置、ならびに試験装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005147724A true JP2005147724A (ja) | 2005-06-09 |
Family
ID=34691119
Family Applications (1)
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JP2003381919A Pending JP2005147724A (ja) | 2003-11-12 | 2003-11-12 | 制御装置および入出力制御装置、ならびに試験装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005147724A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113721486A (zh) * | 2021-07-30 | 2021-11-30 | 中国航空工业集团公司沈阳飞机设计研究所 | 一种多通道可变频率信号采集系统及其方法 |
-
2003
- 2003-11-12 JP JP2003381919A patent/JP2005147724A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113721486A (zh) * | 2021-07-30 | 2021-11-30 | 中国航空工业集团公司沈阳飞机设计研究所 | 一种多通道可变频率信号采集系统及其方法 |
CN113721486B (zh) * | 2021-07-30 | 2024-04-19 | 中国航空工业集团公司沈阳飞机设计研究所 | 一种多通道可变频率信号采集系统及其方法 |
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