JP2005146291A - 遮熱コーティング部材、その評価方法および高温熱機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温熱機器の運転中に遮熱コーティングの剥離損傷を評価できる遮熱コーティング部材および評価方法を提供することである。
【解決手段】 本発明の遮熱コーティング部材は、金属基材11上に下地層12と表面層13とを積層して形成し、下地層12と表面層13との間に、中間層14として希土酸化物層を介装させる。中間層14として、好ましくはCeO2またはHfO2で形成した材料、あるいはCeO2とHfO2とを混合して形成した材料を用いる。また、本発明の遮熱コーティング部材の評価方法は、中間層14として希土酸化物層を介装させた遮熱コーティング部材を有するタービンの排気ガス通路部18に、X線または紫外線を照射し、排気ガス中に含まれる希土酸化物からの蛍光を測定し、遮熱コーティングの損傷有無を推定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の遮熱コーティング部材は、金属基材11上に下地層12と表面層13とを積層して形成し、下地層12と表面層13との間に、中間層14として希土酸化物層を介装させる。中間層14として、好ましくはCeO2またはHfO2で形成した材料、あるいはCeO2とHfO2とを混合して形成した材料を用いる。また、本発明の遮熱コーティング部材の評価方法は、中間層14として希土酸化物層を介装させた遮熱コーティング部材を有するタービンの排気ガス通路部18に、X線または紫外線を照射し、排気ガス中に含まれる希土酸化物からの蛍光を測定し、遮熱コーティングの損傷有無を推定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば発電用ガスタービンや航空用ジェットエンジンなどの高温熱機器における高温の酸化または腐食性雰囲気の下で使用される遮熱コーティング部材、その評価方法および高温熱機器に関する。
一般的な遮熱コーティングは、超合金材料である金属基材の上に、下地層と表面層とを積層して施工した2層構造が主流である。下地層は、NiあるいはCoなどを主成分とする金属粉末の溶射施工により形成されることが多く、表面層と金属基材との密着力を高める目的がある。一方、表面層は燃焼ガスによる高温環境から金属基材を保護することを目的に、金属基材の暴露温度を下げるため主にセラミックス層により形成されており、一般的にジルコニアが用いられている。
金属基材の上にセラミックス層を形成した遮熱コーティングは、金属基材とセラミックス層との熱膨張率の違いから発生する応力や金属基材と表面層との温度差から発生する熱応力などから、タービンの起動停止に伴う温度変動により、セラミックス層が剥離することがある。そこで、剥離損傷回避のために種々の検討がなされている。
その一つとして、下地層と表面層との間に熱膨張率の違いによる熱応力緩和層を設けて多層化することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、表面層の一部に低酸素雰囲気下で酸素解離能を有する酸化物系セラミックスを用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、遮熱コーティングの検査方法としては、主に目視検査が用いられている。目視検査は、遮熱コーティングが剥離した位置と剥離していない位置との表面状態の差を、直接目視にて観察したり、CCDカメラなどを用いてビデオに撮影したりする手法である。また、最近、遮熱コーティング下の剥離(空気層)を検出する赤外線検査法が用いられ、対象物の表面温度を瞬時に画像として赤外線カメラを用いて撮影し、複雑な形状の対象物であっても、そこに内在する空洞や割れ等の欠陥部を検出するようにしたものもある(例えば特許文献3参照)。
特開2001−279418号公報(図1)
特開平11−264081号公報(図1)
特開平11−166910号公報(図1、図2)
しかしながら、前述した遮熱コーティング部材および評価方法では、以下のような問題が生じる。遮熱コーティング(特に表面層)の剥離は金属基材の局部高温化を招き、腐食および酸化の進行が促進され強度の低下が生じるが、目視検査および赤外線検査法とも、タービンを静止させた状態でしたか検査できない。タービンを安全に運転するためには、金属基材の局所高温化が発生した時点で停止するほうが望ましいが、タービンの運転中に遮熱コーティングの剥離を検出することは、目視検査および赤外線検査でも物理的に不可能である。
また、一般的な発電用ガスタービンおよび航空用ジェットエンジンには、運転中にタービン軸の振動をモニターする監視装置が備わっていることが多い。しかし遮熱コーティングの剥離がタービン軸の振動となって現れることは考えにくいため、振動モニタリングでは遮熱コーティングの剥離を検出することはできない。
遮熱コーティングの下地層と表面層との間に熱応力緩和層などを設けて多層化したり、表面層の一部に低酸素雰囲気下で酸素解離能を有する酸化物系セラミックスを用いたりすることで、表面層の剥離時間を引き延ばすことは可能である。しかし、最終的に剥離に至ることは事実であり、遮熱コーティングの剥離を的確に評価することはできない。
本発明の目的は、高温熱機器の運転中に遮熱コーティングの剥離損傷を評価できる遮熱コーティング部材、その評価方法および高温熱機器を提供することである。
本発明の遮熱コーティング部材は、金属基材上に下地層と表面層とを積層して形成するとともに、前記下地層と前記表面層との間に、中間層として希土酸化物層を介装させたことを特徴とし、中間層として、好ましくはCeO2またはHfO2で形成した材料、あるいはCeO2とHfO2とを混合して形成した材料を用いる。
本発明の遮熱コーティング部材の評価方法は、中間層として希土酸化物層を介装させた遮熱コーティング部材を有するタービンの排気ガス通路部に、X線または紫外線を照射し、排気ガス中に含まれる希土酸化物からの蛍光を測定し、遮熱コーティングの損傷有無を推定することを特徴とする。
本発明の高温熱機器は、高温環境下で使用される部品ごとに、中間層として介装する希土酸化物の種類が異なる請求項1乃至請求項3のいずれか1項または請求項5または請求項6記載の遮熱コーティング部材を使用したことを特徴とする。
本発明によれば、遮熱コーティング部材の遮熱コーティングの剥離損傷を部材ごとに損傷程度別に評価することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる遮熱コーティング部材の概念図である。図1において、遮熱コーティング部材は、金属基材11上に下地層12と表面層13とを積層して形成するとともに、下地層12と表面層13との間に、中間層14として希土酸化物層が介装されている。下地層12は表面層13と金属基材11との密着力を高めるものであり、NiあるいはCoなどを主成分とする金属粉末の溶射施工により形成される。また、表面層13は燃焼ガスによる高温環境から金属基材を保護するためのものであり、主にセラミックス層により形成されておりジルコニアが用いられている。さらに、中間層14としては、希土酸化物であるCeO2またはHfO2で形成した材料、あるいはCeO2とHfO2とを混合して形成した材料が用いられる。中間層14は遮熱コーティングの剥離が生じた場合に、蛍光分析を行うために介装されている。
高温熱機器(例えばガスタービン)の部品に使用された遮熱コーティング部材では、ガスタービンの運転中の起動停止に伴う温度変動や異物衝突などにより遮熱コーティングの剥離が生じる。図2は遮熱コーティングの剥離が生じた場合の遮熱コーティング部材の模式図である。図2に示すように、剥離が生じた位置では中間層14として介装した希土酸化物の飛散物15が燃焼ガス中に飛散する。燃焼ガス中に飛散した希土酸化物の飛散物15は、排気ガス中に含まれて、低NOx処理をした後に大気中に放出されることになる。
図3は、第1の実施の形態における遮熱コーティングの評価方法を実現するための装置構成図である。ガスタービン設備16の動翼17に図1に示した遮熱コーティング部材が施されているとする。排気ガス通路部18にはX線発生装置19を設け、排気ガス通路部18を流れる排気ガスにX線を照射する。そして、排気プレナム中に含まれる希土酸化物の飛散物15がそのX線により発生した蛍光を蛍光分析装置20に入力し、蛍光分析装置20で排気プレナム中に含まれる希土酸化物を分析するように構成されている。
図4はガスタービン設備16の動翼17の翼部21に施した遮熱コーティング部材が剥離し中間層14である希土酸化物が飛散した場合の説明図である。動翼17の翼部21に施した遮熱コーティング部材が剥離すると、その遮熱コーティング部材の中間層14である希土酸化物の飛散物15が排気ガス中に飛散し、排気ガス通路部18を通過することになる。X線発生装置19および蛍光分析装置20は、ガスタービン設備の運転中に常時稼動させることができるため、ガスタービン設備の運転中においてX線発生装置19から排ガス中にXを照射して遮熱コーティングの剥離を常時モニタリングしている。
排気ガス中には、もともと燃焼ガス中に含まれる飛散物が数多く含まれているが、本発明の第1の実施の形態では、空気中にほとんど含まれない希土類元素を用いているので、中間層14からの飛散物15である例えばCe元素やHf元素が排ガス中に含まれていれば、Ce元素やHf元素からの蛍光が蛍光分析装置20にて検出され、中間層14まで遮熱コーティング部材が剥離したことが評価できる。
このX線発生装置と蛍光分析装置は、タービンの運転中に常時稼動させることができるため、運転中の遮熱コーティングの剥離を常時モニタリング可能である。排気ガス中には、もともと燃焼ガス中に含まれる飛散物が数多く含まれているが、本発明では空気中にほとんど含まれない希土類元素を用いているので、中間層からの飛散物であるCe元素が含まれていれば、Ceからの蛍光が蛍光分析装置にて検出され、中間層まで遮熱コーティング部材が剥離したことが評価できる。
ここで、排気ガス中の飛散物を収集するコレクターを設け、そのコレクター部分にX線を照射するようにしてもよい。また、中間層14はCeO2やHfO2に代えて、ThO2、DyO2、EuO3など他の希土酸化物、それらの混合物にて形成するようにしてもよい。これらの希土酸化物は、蛍光分析の際にバックグラウンドノイズが低いこと、およびジルコニアを主成分とする表面層13の遮熱効果と安定性に悪影響を及ぼさないことから選定している。また、X線発生装置の代わりに紫外線発生装置を用いてもよい。
本発明の第1の実施の形態によれば、高温熱機器の運転中に遮熱コーティング部材の遮熱コーティング剥離を常時モニターすることができる。また、遮熱コーティングの剥離が検出された時点で、高温熱機器を停止し詳細検査あるいは補修を行うことができるので、高温熱機器の恒久的な安全運転が可能となる。
図5は本発明の第2の実施の形態に係わる遮熱コーティング部材の概念図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、中間層14として第1中間層14Aと第2中間層14Bとを設け、第1中間層14Aと第2中間層14Bとは別種類の希土酸化物層を介装させたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図5において、遮熱コーティング部材は、金属基材11上に下地層12と表面層13とを積層して形成するとともに、下地層12と表面層13との間に、第1中間層14Aおよび第2中間層14Bが介装されている。第1中間層14Aおよび第2中間層14Bはともに希土酸化物層で形成されるが、第1中間層14Aの希土酸化物層と第2中間層14Bの希土酸化物層とは別種類の希土酸化物層で形成される。例えば第1中間層14AにはCeO2が使用され、第2中間層にはHfO2が使用される。なお、第1の実施の形態と同様に、CeO2やHfO2に代えて、ThO2、DyO2、EuO3など他の希土酸化物あるいはそれらの混合物を使用してもよい。
図6は、第1中間層14Aと第2中間層14Bとの間に熱応力を緩和する第3中間層14Cを設けた遮熱コーティング部材の概念図である。第3中間層14Cは、遮熱コーティングの熱応力を緩和するための熱応力緩和層であり、遮熱層として表面層と同じ材料を用いても有効である。
図7は、図6に示した遮熱コーティング部材の遮熱コーティングが剥離損傷を受けた場合の模式図を示す。図7では、剥離損傷の程度がまだ軽微である段階を示しており、第1中間層14Aまで遮熱コーティングが剥離した状態を表している。この状態では、排気ガス中に第1中間層14Aを構成する希土酸化物の飛散物15Aが飛散する。
第1の実施の形態と同様に、X線発生装置19および蛍光分析装置20により排ガス通路部18で飛散物15Aを検出することで、当該の遮熱コーティングに軽微な剥離損傷が進行していることがガスタービンの運転中に検出可能である。
図8は、遮熱コーティング部材の損傷がさらに進行した場合の模式図を示す。
この段階では、図7に示した軽微な損傷からさらに遮熱コーティングの剥離が進行した段階を示しており損傷としては重度である。図8に示した遮熱コーティングの剥離損傷の段階では、第1中間層14Aを構成する希土酸化物の飛散物15Aに加え、第2中間層14Bを構成する希土酸化物の飛散物15Bも飛散している。
第1の実施の形態と同様に、X線発生装置19および蛍光分析装置20により排ガス通路部18で第2中間層14Bの飛散物15Bを検出することで、当該の遮熱コーティングに重度の剥離損傷が進行していることがガスタービンの運転中に検出可能である。
図9は、第2の実施の形態に示した遮熱コーティング部材において、ガスタービンの運転時間Tと希土酸化物の飛散量Sとの関係を示したものである。ガスタービンの運転開始時および運転時間Tが比較的短い段階では、第1中間層14Aと第2中間層14Bを構成するいずれの希土酸化物に飛散物15A、15Bも検出されていない。運転時間Tの経過とともに、まず第1中間層14Aの希土酸化物の飛散物15Aが蛍光分析装置20にて検出されるようになる。第1の希土酸化物の飛散物15Aが認められるようになれば、当該の遮熱コーティング部材で剥離損傷が進行していると評価できる。さらに運転時間Tが経過すれば、第1中間層14Aの希土酸化物の飛散物15Aは徐々に増え局所剥離が進行していると評価できる。
その後、第1中間層14Aの希土酸化物の飛散物15Aがピークを迎えて徐々に低下している。この場合は、局所的な遮熱コーティングの剥離が一部の領域に限られており、剥離部位があまり広がっていないことを意味する。運転時間が経過しても第1中間層14Aの希土酸化物の飛散物15Aが減らなければ、剥離部位が広くなっていること、もしくは別の剥離部位が生じていることが予想できる。
第1中間層14Aの希土酸化物の飛散物15Aがピークを迎えて徐々に低下し始めると、第2中間層14Bの希土酸化物の飛散物15Bが検出され始める。これは、局所的に生じた遮熱コーティングの剥離が進行し、第2中間層14Bまで剥離し始めたことを意味している。
図9では、第2中間層14Bの希土酸化物の飛散物15Bがピークを迎え低下した状態を示している。このような状態、つまり、第1中間層14Aの希土酸化物の飛散物15Aおよび第2中間層14Bの希土酸化物の飛散物15Bがともに発生しその後に低下した状態では、局所的に発生した遮熱コーティングの剥離があまり進行していない状態を意味している。一方、第1中間層14Aの希土酸化物の飛散物15Aおよび第2中間層14Bの希土酸化物の飛散物15Bがともに発生し、その後も低下しない場合は、遮熱コーティングの剥離箇所が拡大していることを意味しており、ガスタービンの安定運転継続ができなくなることが予想される。
第2の実施の形態によれば、第1中間層14Aの希土酸化物の飛散物15Aもしくは第2中間層15Bの希土酸化物の飛散物15Bあるいはその両方の情報を基に、ガスタービンの運転中であっても遮熱コーティングの剥離状態を判断できるので、適切にガスタービンの停止を指示するが可能となり、未然に遮熱コーティングの剥離に起因する事故を防止できる。
図10は、第3の実施の形態における遮熱コーティングの評価方法を実現するための装置構成図である。この第3の実施の形態は、図3に示した第1の実施の形態に対し、高温環境下で使用される部品ごとに、中間層14として介装する希土酸化物の種類が異なる遮熱コーティング部材を使用し、高温熱機器の排気ガス通路部18にX線または紫外線を照射して排気ガス中に含まれるそれぞれの希土酸化物を検出し、各部品ごとの遮熱コーティングの損傷を評価するようにしたものである。図3と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
いま、ガスタービン設備16の動翼17および燃焼器22ともに図1に示した遮熱コーティング部材が施され、それぞれ中間層14、14’が異なる種類の希土酸化物であるとする。すなわち、タービン設備16を構成する複数の遮熱コーティング部材に対して異なる種類の希土酸化物を介装させており、図11に示すように、燃焼器22の遮熱コーティングには下地層12と表面層13との間に中間層14’を介装させ、一方、図12に示すように、動翼17の遮熱コーティングには下地層12と表面層13との間に中間層14を介装させている。
図11に示すように、燃焼器22の遮熱コーティングが剥離損傷を受けた場合には、燃焼ガス中に中間層14’の飛散物15’が放出され排気ガス中に飛散する。一方、動翼17の遮熱コーティングが剥離損傷を受けた場合には、燃焼ガス中に中間層14の飛散物15が放出され排気ガス中に飛散する。
第1の実施の形態と同様に、X線発生装置19および蛍光分析装置20により排ガス通路部18で中間層14’、14の飛散物15’、15を検出することで、どの部品からの飛散物15’、15であるかを識別できる。すなわち、排気ガス中に含まれる希土酸化物の飛散物15、15’の分析により、遮熱コーティングの損傷を動翼17と燃焼器20に分けて評価することが可能である。同様に、他の遮熱コーティング適用部材に、中間層14”としてさらに別の希土酸化物を介装しておけば、さらに多数の部材の遮熱コーティング損傷を統一的に評価可能である。また、遮熱コーティング部材ごとに、第2の実施の形態で述べたような第1中間層14Aと第2中間層14Bとを介装しておけば、遮熱コーティングの剥離損傷程度を遮熱コーティング部材ごとに評価できる。
第3の実施の形態によれば、各希土酸化物の飛散物15、15’の情報を基にガスタービン設備16のいずれの部品に剥離が生じたかを検出できるので、未然に遮熱コーティングの剥離に起因する事故を防止することが可能である。しかも、ガスタービンの運転中に遮熱コーティング部材ごとにモニタリングすることができるので、適切なタービン停止の指示を出すことができ、タービンの安全運転を継続することが可能である。
11…金属基材、12…下地層、13…表面層、14…中間層、15…飛散物、16…ガスタービン設備、17…動翼、18…排気ガス通路部、19…X線発生装置、20…蛍光分析装置、21…翼部、22…燃焼器
Claims (9)
- 金属基材上に下地層と表面層とを積層して形成するとともに、前記下地層と前記表面層との間に、中間層として希土酸化物層を介装させたことを特徴とする遮熱コーティング部材。
- 前記中間層として、CeO2またはHfO2で形成した材料を用いることを特徴とする請求項1記載の遮熱コーティング部材。
- 前記中間層として、CeO2とHfO2とを混合して形成した材料を用いることを特徴とする請求項1記載の遮熱コーティング部材。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の遮熱コーティング部材を有するタービンの排気ガス通路部に、X線または紫外線を照射し、排気ガス中に含まれる希土酸化物からの蛍光を測定し、遮熱コーティングの損傷有無を推定することを特徴とする遮熱コーティング部材の評価方法。
- 金属基材上に下地層と表面層とを積層して形成するとともに、前記下地層と前記表面層との間に、第1中間層として希土酸化物層を介装させ、第2中間層として第1中間層とは別種類の希土酸化物層を介装させたことを特徴とする遮熱コーティング部材。
- 前記第1中間層と前記第2中間層との間に熱応力の発生を抑制させる第3中間層を介装させたことを特徴とする請求項5記載の遮熱コーティング部材。
- 請求項5または請求項6記載の遮熱コーティング部材を有するタービンの排気ガス通路部に、X線または紫外線を照射し、排気ガス中に含まれる第1中間層または第2中間層の飛散物からの蛍光を測定し、遮熱コーティングの損傷程度を推定することを特徴とする遮熱コーティング部材の評価方法。
- 高温環境下で使用される部品ごとに、中間層として介装する希土酸化物の種類が異なる請求項1乃至請求項3のいずれか1項または請求項5または請求項6記載の遮熱コーティング部材を使用したことを特徴とする高温熱機器。
- 請求項8記載の高温熱機器の排気ガス通路部に、X線または紫外線を照射し、排気ガス中に含まれるそれぞれの希土酸化物を検出し、各部品ごとの遮熱コーティングの損傷を評価することを特徴とする遮熱コーティング部材の評価方法。
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