JP2005145730A - 爆薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械装填において、装填比重を容易に調整することできる爆薬を提供する。
【解決手段】酸化剤、油類、油溶性または油類と相溶性を示す樹脂、乳化剤及び微小中空体を含有する油中水滴型エマルション爆薬を成型してなる粒状爆薬が、22.9Nの荷重を掛けて35℃で10日間放置した際の嵩比重の変化率が30%以下であるという特性を有することを特徴とする爆薬。

Description

本発明は爆薬に関する。更に詳しくは隧道掘進、採石、採鉱等の産業用爆破作業に利用される油中水滴型エマルション爆薬に関するものである。
爆破作業等に用いられる産業用爆薬としては、ダイナマイト、含水爆薬、硝安爆薬、硝安油剤爆薬(以下ANFO爆薬と呼ぶ)等が良く知られている。これらの爆薬のうち含水爆薬は、組成物中に火薬成分が含まれていないことから従来のダイナマイトよりも比較的安全であり、産業用爆薬として広く用いられるようになっている。この含水爆薬はスラリー爆薬として特許文献1にて公開されて以来、様々な改良が行われてきており、現在では耐水性、安全性の点で、従来の爆薬より優れた性能を有しているものが得られている。
他方発破現場においては、爆薬の装填作業の簡便化や爆薬取扱時の安全性の確保という観点から、爆薬の装填作業の機械化が要望されるようになってきている。爆薬の機械装填作業を行うためには、使用される爆薬がより安全である必要があり、ANFO爆薬をローダー等によって機械装填する方法が鉱山や採石場等で実用化されている。また諸外国においては、非特許文献1にあるように、バルクエマルション爆薬と呼ばれる油中水滴型エマルション爆薬をモノポンプ等を利用して、直接発破孔に自動装填するバルクエマルションシステムと呼ばれる方法がすでに実用化されている。
ところがANFO爆薬は、発破後の残留ガスが劣るために十分な排気装置を設ける必要がある。また、発破孔中に水が存在する場合、水に溶解して所定の爆発性能が得られなくなるために、使用することが困難になる。バルクエマルションシステムについては、高粘度の油中水滴型エマルション爆薬を使用するために、装填作業後の清掃作業が煩雑になることが予想される。また、バルクエマルション爆薬を装填するためには、安全性の確保のためにも高価な装填用機械が必要となる。
このため、空気装填機のように比較的簡単な機械で装填が可能で、かつANFO爆薬のように水孔での使用制限の無い、安全性の高い爆薬が要望されている。これらの問題を解決する爆薬として、例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5に記載された、顆粒あるいは粒状形態の油中水滴型エマルション爆薬の開発が進められているが、未だ十分とは言えない。
米国特許第3,161,551号公報 特開平7−223888号公報(特許請求の範囲) 特開平11−278975号公報(特許請求の範囲) 特開2001−172096号公報(特許請求の範囲) 特開2001−206797号公報(特許請求の範囲) 「効果的なトンネル技術に関する検討報告書」(社)日本トンネル技術協会発行
ところが油中水滴型エマルション爆薬を顆粒あるいは粒状に成型した爆薬に、長期間の貯蔵、機械による装填等荷重が掛かる場合、成型体同士が凝集し付着、さらには塊化にまで至ることがある。特に、装填機械内で塊化を起こしてしまうと、装填作業を中断せざるを得なくなり、本来要望されている作業性、取扱性を損ねる可能性がある。
塊化を防止するために、油中水滴型エマルション爆薬の成型体に適度な硬度もたせる等の付着防止の措置を講じる必要がある。しかし、硬度を持たせすぎると爆薬が変形し難いために、発破孔に装填したとき爆薬間に空隙が生じて装填比重が軽くなり、爆薬の伝爆性低下や所定の性能を発揮できない等の問題を生じる可能性が有る。
本発明者等は、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油中水滴型エマルション爆薬を成型してなる粒状爆薬が特定の物性値を有する場合、長期貯蔵や機械装填等の荷重が掛かる場合でも塊化し難く、発破の際でも伝爆不良や性能低下しないことを見出し本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は
(1)酸化剤、油類、油溶性または油類と相溶性を示す樹脂、乳化剤及び微小中空体を含 有する油中水滴型エマルション爆薬を成型してなる粒状爆薬が、22.9Nの荷重 を掛けて35℃で10日間放置した際の嵩比重の変化率が30%以下であるという 特性を有することを特徴とする爆薬
(2)酸化剤、油類、油溶性または油類と相溶性を示す樹脂、乳化剤及び微小中空体を含 有する油中水滴型エマルション爆薬を成型してなる粒状爆薬が、1.96Jの運動 エネルギーを加えた際の嵩比重の変化率が10%以上であるという特性を有するこ とを特徴とする爆薬
(3)酸化剤、油類、油溶性または油類と相溶性を示す樹脂、乳化剤及び微小中空体を含 有する油中水滴型エマルション爆薬を成型してなる粒状爆薬が、22.9Nの荷重 を掛けて35℃で10日間放置した際の嵩比重の変化率が30%以下、1.96J の運動エネルギーを加えた際の嵩比重の変化率が10%以上であるという特性を有 することを特徴とする爆薬
(4)装填比重を変えることで爆轟速度を調整することが可能であることを特徴とする
(1)〜(3)のいずれか一項に記載の爆薬
(5)爆薬の成型体一粒当たりの平均重量が0.03〜5.0gである(1)〜(4)の いずれか一項に記載の爆薬、
に関する。
本発明の粒状爆薬は、長期貯蔵や機械装填時等の荷重が掛かる場合でも塊化を起こし難くいが、衝撃力により容易に変形する特性を持つため、機械装填機を用いて装填する際に装填比重の調整、即ち爆薬の威力の調整が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粒状爆薬に使用される酸化剤は、その水溶液として用いるのが好ましく、使用しうる酸化剤の具体例としては、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウムのようなアルカリ金属硝酸塩類、硝酸カルシウムのようなアルカリ土類金属硝酸塩類、塩素酸ナトリウムのようなアルカリ金属塩素酸塩類、塩素酸カルシウムのようなアルカリ土類金属塩素酸塩類、過塩素酸カリウムのようなアルカリ金属過塩素酸塩類、過塩素酸カルシウムのようなアルカリ土類金属過塩素酸塩類、過塩素酸アンモニウム等が挙げられ、これらは単独又は混合して使用することができる。これらの酸化剤のうち特に好ましいものは硝酸アンモニウム及び硝酸ナトリウムである。
酸化剤の水溶液には、所望により硝酸モノメチルアミン、硝酸モノエチルアミン、硝酸ヒドラジン、二硝酸ジメチルアミン等の水溶性アミン硝酸塩類、硝酸メタノールアミン、硝酸エタノールアミン等の水溶性アルカノールアミン硝酸塩類及び水溶性の一硝酸エチレングリコール等を補助鋭感剤として添加することが可能である。
本発明の粒状爆薬に使用される酸化剤中における水の含有量は、酸化剤の水溶液の結晶析出温度が30〜90℃になるような量だけ使用されることが好ましく、通常、酸化剤の水溶液に対して5〜40重量%、好ましくは7〜30重量%の範囲で使用される。酸化剤の水溶液中には析出温度を下げるために、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、ホルムアマイド、エチレングリコール,グリセリン等の水溶性有機溶剤が補助溶媒として使用可能である。酸化剤の水溶液は、爆薬中に50〜95重量%の範囲で含有される。
本発明の粒状爆薬に使用される乳化剤としては、通常油中水滴型エマルション爆薬に使用される乳化剤、例えば、ステアリン酸アルカリ金属塩、ステアリン酸アンモニウム塩、ステアリン酸カルシウム塩、ポリオキシエチレンエーテル塩、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル類等が挙げられ、これらは1種または2種以上の混合物として使用される。ソルビタン脂肪酸エステルには、例えばソルビタンモノオレ−ト等が挙げられる。乳化剤は、爆薬中に好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲で含有される。
本発明の粒状爆薬に含有される油類の具体例としては、軽油、灯油、ミネラルオイル、潤滑油、重油等の石油系油類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス類、その他疎水性の植物油、植物性ワックス、動物油、動物性ワックス類が挙げられ、これらは単独または2種類以上混合して用いることができる。油類は爆薬中に、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%の範囲で含有される。
本発明の粒状爆薬に含有される油溶性または油類と相溶性を示す樹脂の特性としては、油中水滴型エマルションの安定性を保つためにエマルション基材と反応しないような樹脂であればどのようなものでも構わない。例えば、常温で液体または低融点の熱硬化性樹脂や常温では固体で加熱すると流動性を示す熱可塑性樹脂や合成ゴム等が好ましく、具体例としては、フェノール樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、スチレンブタジエンゴム等が挙げられる。また、製造においては溶融させた樹脂を用いるため、JIS K7210に記された「熱可塑性プラスチックの流れ試験法」に基づき測定されたメルトフローレートが、10g/10min.以上であるものを好ましく使用でき、150g/10min.以上であるものをより好ましく使用できる。本発明の粒状爆薬に含有される油溶性または油類と相溶性を示す樹脂は、爆薬の重量全体に対し、30重量%以上含まれていることが好ましく、30〜80重量%含まれていることがより好ましい。
本発明の粒状爆薬には、適切な量の微小中空球体を含有せしめることによって雷管起爆性からブースター起爆に至る広範囲な感度性能が得られる、微小中空球体としては、例えば、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン等の無機質中空球体、発泡スチレン、樹脂バルーン等の有機質中空球体の1種または2種以上の混合物が使用される。微小中空球体の量は、当該爆薬の用途に応じ広い範囲で変化し、また微小中空球体の比重にもよるので一概には言えないが、通常、当該爆薬の比重を1.4以下、好ましくは1.3以下になるような量が使用される。
本発明の粒状爆薬には、例えばアルミニウム粉、マグネシウム粉等の金属粉末、木粉、澱粉等の有機粉末を添加剤として添加することも可能である。添加する物質の種類及び添加の目的にもよるが、通常、本発明の粒状爆薬に0.5〜10重量%の範囲で含有される。
本発明の粒状爆薬の形状については、特に限定されるものではなく、球状、円柱状、円盤状、角柱状等いずれでもよく、成型に使用する成型機によって任意の形に成型される。例えば、一般に良く使われる押出し成型機によって柱状に成型する方法や、造粒機等で球状化する方法等が挙げられる。成型物の大きさとしては、爆薬の成型体一粒当たりの平均重量が0.03〜5.0gとなる大きさに成型されることが望ましい。爆薬の大きさはその形状により一概には言えないが、円柱状の場合は直径3〜10mm、長さ5〜15mm程度が好ましい。
本発明の粒状爆薬には、成型後に必要に応じて付着防止剤を使用することもできる。付着防止剤には平均粒径が500μm以下、好ましくは平均粒径が300μm以下の粉体が使用される。使用しうる粉体の具体例を挙げると、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属塩類、酸化ケイ素、アルミナ等の金属酸化物類、タルク、カオリン、ベントナイト等の鉱物類、脂肪酸アミド、樹脂中空球体等の有機粉体、ガラス粉体等が使用される。本発明に使用される付着防止剤の添加量は、少なすぎると防止効果が十分でなく、多すぎると爆薬性能を低下させる恐れがある。付着防止剤の添加量は用いる粉体の比重により変化するため一概には言えないが、本発明の爆薬に通常0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%の範囲で含まれる。
本発明の粒状爆薬は、例えば次のようにして製造される。前記酸化剤及び、必要により、前記補助鋭感剤を約85〜95℃で水に溶解させ酸化剤の水溶液を得る。次いで約85〜95℃に加熱された油類と油溶性または油類と相溶性を示す樹脂及び乳化剤を添加した混合物に、十分撹拌しながら前述の酸化剤の水溶液を徐々に添加する。出来上がった油中水滴型エマルションに微小中空球体、必要に応じて他の添加剤を加えて捏和機で混合し、油中水滴型エマルション爆薬を得る。この油中水滴型エマルション爆薬を押出し成型機等で成型した後、必要に応じて付着防止剤として粉体を混合し粒状爆薬を得る。得られた粒状爆薬は耐水性が高く、かつ比重が1よりも大きいので、縦穴の水孔に装填された場合でも、乾燥孔と同様に支障なく使用することができる。
本発明の粒状爆薬は、粒状を呈しているので、爆薬装填機を用いて容易に発破孔に装填することができる。爆薬装填機は、爆薬を入れる容器、装填ホース、爆薬供給装置から構成されていれば、どのような形態のものでは構わない。例えば、ANFO装填機のような爆薬を入れる圧力容器、装填ホース、空気圧送装置から構成される空気装填機が好ましい具体例として挙げられる。
空気装填機は、圧力容器と装填ホースの接続部付近には、圧力容器からの圧縮空気とは別に、装填ホースに圧縮空気を送る装置を備えたものが望ましい。例えば、圧力容器と装填ホースの接続部に2重管を使用し、2重管の内側には圧力容器からの爆薬、外側には圧縮空気を同時に送るような構造を有するものが挙げられる。圧力容器からの圧縮空気のみでの爆薬の輸送では、装填ホース内を爆薬で閉塞するという問題が生じる場合がある。しかし、圧力容器とは別に圧縮空気のみを装填ホース内に送ることで、装填ホース内の爆薬の占有比率を下げて爆薬を輸送することが可能であり、ホース内を爆薬で閉塞するという問題を解消できる。
装填ホースは、内径が好ましくは15〜40mmのものが使用される。装填ホースは、発破孔の径に合わせて適宜異なる外径のものを接続しても良いが、装填中の詰まりを防ぐために装填ホースの先端のみの外径を小さくするのが好ましい。
本発明では、油中水滴型エマルション爆薬を成型してなる粒状爆薬が、22.9Nの荷重を掛けて35℃で10日間放置した際の嵩比重の変化率が30%以下である又は/及び1.96Jの運動エネルギーを加えた際の嵩比重の変化率が10%以上であるという特性を有する爆薬である。
本発明を実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
硝酸アンモニウム74.3重量部、硝酸ナトリウム4.8重量部、水10.5重量部からなる90℃の酸化剤の水溶液を、マイクロクリスタリンワックス1.9重量部、エチレン酢酸ビニル共重合体0.8重量部、ソルビタンモノオレエート2.9重量部の混合物に加え、十分撹拌混合して油中水滴型エマルションを得た。これに微小中空球体としてガラスマイクロバルーン3.8重量部を加えて撹拌混合し、油中水滴型エマルション爆薬を得た。この油中水滴型エマルション爆薬をダイスが5mm径の押出し成型機で成型し、8mmの長さになるようにナイフで切断した後、タルク1.0重量部を加えて混合し、本発明の粒状爆薬(形状は円柱状)を得た。
実施例2
硝酸アンモニウム74.3重量部、硝酸ナトリウム4.8重量部、水10.5重量部からなる90℃の酸化剤の水溶液を、マイクロクリスタリンワックス1.4重量部、水添石油樹脂1.3重量部、ソルビタンモノオレエート2.9重量部の混合物に加え、十分撹拌混合して油中水滴型エマルションを得た。これに微小中空球体としてガラスマイクロバルーン3.8重量部を加えて撹拌混合し、油中水滴型エマルション爆薬を得た。この油中水滴型エマルション爆薬をダイスが5mm径の押出し成型機で成型し、8mmの長さになるようにナイフで切断した後、タルク1.0重量部を加えて混合し、本発明の粒状爆薬(形状は円柱状)を得た。
比較例1
硝酸アンモニウム74.3重量部、硝酸ナトリウム4.8重量部、水10.5重量部からなる90℃の酸化剤の水溶液を、パラフィンワックス3.6重量部、ソルビタンモノオレエート2.1重量部の混合物に加え、十分撹拌混合して油中水滴型エマルションを得た。これに微小中空球体としてガラスマイクロバルーン3.8重量部を加えて撹拌混合し、油中水滴型エマルション爆薬を得た。この油中水滴型エマルション爆薬をダイスが5mm径の押出し成型機で成型し、8mmの長さになるようにナイフで切断し、比較例用の粒状爆薬を得た。
比較例2
硝酸アンモニウム74.3重量部、硝酸ナトリウム4.8重量部、水10.5重量部からなる90℃の酸化剤の水溶液を、マイクロクリスタリンワックス4.6重量部、ソルビタンモノオレエート1.0重量部の混合物に加え、十分撹拌混合して油中水滴型エマルションを得た。これに微小中空球体としてガラスマイクロバルーン3.8重量部を加えて撹拌混合し、油中水滴型エマルション爆薬を得た。この油中水滴型エマルション爆薬をダイスが5mm径の押出し成型機で成型し、8mmの長さになるようにナイフで切断した後、タルク1.0重量部を加えて混合し、比較例用の粒状爆薬を得た。
表1に実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2で得られた爆薬の組成比を示す。
表1
実施例1 実施例2 比較例1 比較例2
硝酸アンモニウム 74.3 74.3 74.3 74.3硝酸ナトリウム 4.8 4.8 4.8 4.8水 10.5 10.5 10.5 10.5マイクロクリスタリンワックス 1.9 1.4 --- 4.6パラフィンワックス --- --- 3.6 ---
ソルビタンモノオレエート 2.9 2.9 2.1 1.0エチレン酢酸ビニル共重合体 0.8 --- --- ---
水添石油樹脂 --- 1.4 --- ---
ガラスマイクロバルーン 4.0 4.0 4.0 4.0タルク 1.0 1.0 --- 1.0
試験例1
爆薬の静圧に対する耐性及び塊化性について評価するために簡易荷重試験を実施した。試験方法は、内径80mmの一方を栓をした円筒管に試験爆薬を300gいれ、開放端からピストンにより22.9Nの一定荷重を掛けたまま、35℃に設定した恒温槽内に放置し、10日後に取り出して爆薬の状態及び嵩比重の変化率を評価した。嵩比重の変化率が30%以下であれば長期の貯蔵及び圧力容器内で0.5MPaを掛けた場合でも塊化せず、通常通り装填できることが確認できている。特に変化率が20%以下であれば、実用の範囲外ではあるが、圧力容器内で0.7MPaを掛けた場合でも塊化せず、通常通り装填できることが確認できている。実施例1〜2及び比較例1〜2の試験結果を表2に示す。
試験例2
爆薬の動圧に対する可塑性を評価するために、荷重落下試験を実施した。試験方法は、内径80mmの一方を栓をした円筒管に試験爆薬を300gいれ、開放端にピストンを設置し、ピストン上部10cmの高さから2kgの標準分銅を落下させ、爆薬に1.96Jの運動エネルギーを与えた際の嵩比重の変化率について評価した。この嵩比重の変化率が10%以上であれば、爆薬装填機を使用して装填した際に、装填比重を0.6〜1.10g/ccの範囲で調整することができることが確認できている。実施例1〜2及び比較例1〜2の試験結果を表2に示す。
試験例3
爆薬の装填比重による影響を評価するために、爆轟速度測定を実施した。試験方法は、内径48mm、長さ1m、肉圧5mmの鋼管に、爆薬の装填比重が0.65、0.75、0.85及び1.05となるように装填し、ドートリッシュ法(鋼管に資料を充填し、導爆線及び鉛板を使用して、2点間の平均爆轟速度を測定)にて測定を実施した。実施例1〜2及び比較例1〜2の試験結果を表2に示す。
表2
実施例1 実施例2 比較例1 比較例2
簡易荷重試験
状態 部分的に軽く塊化 軽く塊化 部分的に団子状 軽く塊化
嵩比重の変化量(%) 18.85 27.31 32.87 10.23荷重落下試験
嵩比重の変化量(%) 21.0 28.5 33.5 7.4
爆轟速度(m/s)
装填比重
0.65 2854 2765 機械装填不可 2815
0.75 3348 3219 実施せず 3028
0.85 4232 4376 実施せず 装填できず 1.05 4891 4876 実施せず 装填できず
表2から明白なように本発明の粒状爆薬は、貯蔵や爆薬容器内などの静的な圧力には耐性を有しいるため圧力容器等を持つ機械装填機でも装填でき、且つ、装填時の衝撃力等の動的な力では容易に変形する特性を有しているため、装填比重を容易に調整することができることが明白である。

Claims (5)

  1. 酸化剤、油類、油溶性または油類と相溶性を示す樹脂、乳化剤及び微小中空体を含有する油中水滴型エマルション爆薬を成型してなる粒状爆薬が、22.9Nの荷重を掛けて35℃で10日間放置した際の嵩比重の変化率が30%以下であるという特性を有することを特徴とする爆薬
  2. 酸化剤、油類、油溶性または油類と相溶性を示す樹脂、乳化剤及び微小中空体を含有する油中水滴型エマルション爆薬を成型してなる粒状爆薬が、1.96Jの運動エネルギーを加えた際の嵩比重の変化率が10%以上であるという特性を有することを特徴とする爆薬
  3. 酸化剤、油類、油溶性または油類と相溶性を示す樹脂、乳化剤及び微小中空体を含有する油中水滴型エマルション爆薬を成型してなる粒状爆薬が、22.9Nの荷重を掛けて35℃で10日間放置した際の嵩比重の変化率が30%以下、1.96Jの運動エネルギーを加えた際の嵩比重の変化率が10%以上であるという特性を有することを特徴とする爆薬
  4. 装填比重を変えることで爆轟速度を調整することが可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の爆薬
  5. 粒状爆薬の成型体一粒当たりの平均重量が0.03〜5.0gである請求項1〜4のいずれか一項に記載の爆薬
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007322096A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Ohbayashi Corp スムースブラスティング発破工法
JP2010169342A (ja) * 2009-01-24 2010-08-05 Maeda Corp 雷管及び粒状化爆薬の装填方法

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