JP2005145683A - 帯電防止搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被搬送物と搬送体との間での静電気の発生自体が防止され、静電気の発生を防止させる特別な対策や、発生した静電気を速やかに逃がす特別な対策を採ることなく、静電気に起因する歩留まりの低下を抑えることができる帯電防止搬送装置を得る。
【解決手段】絶縁箱2は、PP材で作製され、例えばLSIを内臓した物品1が収納されている。搬送装置3は、静電気抑制ローラ5が搬送方向に所定ピッチで配列されて被搬送物の搬送路を構成するローラコンベア4を備えている。そして、各静電気抑制ローラ5は、鋼管製の基部ローラと、PP材で作製された絶縁箱2の仕事関数との差が±0.1eV以内の仕事関数を有する導電性PEフィルムを基部ローラの外表面を覆うように基部ローラに巻き付けて形成された静電気抑制層とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】絶縁箱2は、PP材で作製され、例えばLSIを内臓した物品1が収納されている。搬送装置3は、静電気抑制ローラ5が搬送方向に所定ピッチで配列されて被搬送物の搬送路を構成するローラコンベア4を備えている。そして、各静電気抑制ローラ5は、鋼管製の基部ローラと、PP材で作製された絶縁箱2の仕事関数との差が±0.1eV以内の仕事関数を有する導電性PEフィルムを基部ローラの外表面を覆うように基部ローラに巻き付けて形成された静電気抑制層とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばローラやベルト等により物品、あるいは、物品が納入された箱を搬送する帯電防止搬送装置に関し、特に物品、あるいは、物品が納入された箱の仕事関数に対しローラやベルト等の仕事関数の大きさを規定して静電気の発生を防止するようにした帯電防止搬送装置に関するものである。
ローラコンベアにて物品を搬送する際には、ローラ部材と物品資材や物品が納入された箱との接触摩擦により、静電気を発生しやすい。ここで記述する物品とは、プラスチックフィルム、プラスチックシート、紙、板、金属、電子デバイス(ICや絶縁性基板など)、電子電気機器などである。近年では電子デバイスを構成するLSIを内蔵した絶縁性基板や電気機器とローラあるいはベルト等との間に発生する摩擦により物品の搬送を行う自動搬送設備が増加している。このような設備では、物品、あるいは、物品が納入された箱とローラあるいはベルト等とで発生する静電気によって周囲の塵埃が物品に引き寄せられ、塵埃が物品に付着する可能性があり、物品の歩留まりが低下する問題が生じる。また、物品に帯電した静電気の量によっては、物品と外部との間で放電が発生する。そこで、物品が電子デバイスであるような場合、電子デバイス中のLSIが絶縁破壊により損傷を受け、物品が不良となる場合がある。したがって、静電気の発生を防止したり、発生した静電気を速やかに逃がすことができるような方策を講じることが、物品の歩留向上を図る上で極めて有用である。
前述のような観点にもとづき、搬送される資材と同じ帯電列になるように電荷制御剤をゴムローラや樹脂ローラ等に練り込み、あるいは表面に固定させることにより、また電荷制御剤を添加することにより、搬送される資材と同じ帯電列になるように調整された樹脂で金属ローラを被覆することにより、搬送される資材の表面への静電気の発生を防止する帯電防止方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この帯電防止方法による従来のローラは、66ナイロンをミキサーで粗砕し、これに電荷制御剤であるスピロンブラックを加え、加熱化合した後、ローラ形状に成形したものである。
従来のローラでは、搬送される資材表面での静電気の発生を防止することができるが、成形物を化合物から調合し、ローラ状に成形するため、製作に手間がかかるという課題があった。従来の帯電防止方法では、搬送される資材と同じ帯電列になるような電荷制御剤添加樹脂を被覆しているが、帯電列は定性的な序列にすぎず、また、測定者の測定状態や対象材料の純度により大きく異なる測定結果となることもあるため、文献記載の帯電列が正しいという保証もない。特に、主材料に少しの添加剤を加えるだけで、静電気発生量は変化する可能性が大であり、帯電列は科学的根拠に基づいた物性値とはいえない。また、電荷制御剤添加樹脂で被覆されたローラでは、電荷制御剤添加樹脂層が表面に露出し、短期間で添加樹脂層が摩耗することで、静電気防止の効果が得られなくなるという問題もあった。
さらに、他の静電気抑制対策として、除電器(イオナイザ)の多数箇所への設置がある。イオナイザは除電メーカから市販されており、イオナイザ設置は一般的な対策ということができる。しかし、搬送装置の設置環境は、場合によっては、ダストの多い屋外環境ということもあり、そのような環境では、イオナイザの放電針が汚染され、すぐに除電効率が悪化する。従って、毎日のメンテナンスと多数のイオナイザ設置が必要であり、設置・保守コストが大きくなるという問題点がある。
従って、多数のイオナイザ等の機器の設置を不要とし、静電気防止効果が長期間持続する方策が求められていた。本発明は、このような課題を解決することを目的とするものであり、簡便な装置で、静電気の発生自体を安定して長期間防止することができるようにした。
この発明によれば、被搬送物と搬送体との間に発生する摩擦により該被搬送物を搬送する帯電防止搬送装置であって、上記搬送体は、少なくとも上記被搬送物に接触する表面層が、接触する該被搬送物の部位の材料と実質的に同じ仕事関数を有するように構成されているものである。
この発明によれば、被搬送物と搬送体との間での静電気の発生自体が防止され、静電気の発生を防止させる特別な対策や、発生した静電気を速やかに逃がす特別な対策を採ることなく、静電気に起因する歩留まりの低下を抑えることができる。
まず、実施の形態を記載する前に、この発明の技術上の意義を明確にするために、接触する部材間における静電気の発生原理、静電気発生を抑制する必要性、さらには接触する部材間の仕事関数差に対する部材間に発生する静電気量の依存性等について説明する。
静電気の発生を防止するためには、搬送時における物品、あるいは、物品が納入された箱など(被搬送物)と接触するローラ部材やベルト部材など(搬送体)の材料に着目する必要がある。すなわち、2つの接触している物質AおよびBの剥離により生じる帯電(以下、「単に「剥離帯電」という)や物質AおよびBの摩擦により生じる帯電(以下、単に「摩擦帯電」という)などの静電気は、互いに電気的な特性が違う物質AおよびBが接触することによって起こる現象であり、つぎのように解釈することができる。
まず、はじめに、剥離帯電では、物質AおよびBが密着している際に、たとえば物質Aから物質Bへマイナスの電荷が移動し、物質Aがプラスの電気(静電気)を帯び、物質Bがマイナスの電気(静電気)を帯びる。しかし、この時点では物質AおよびBが密着しているため、物質AおよびB間の静電容量が極めて大きく、電位としてはほとんど観測されない。その後、プラスの電気(静電気)を帯びた物質Aと、マイナスの電気(静電気)を帯びた物質Bとが引き離され(剥離され)距離が生じると、物質AおよびB間の静電気容量が有限の値になる。したがって、物質AおよびB間で電位が発生し、物質AおよびBの帯電現象が外部から観察される。このように、剥離という動作によりはじめて帯電現象が観察されるが、該帯電現象は物質AおよびBが接触している間に生じる。
つぎに、摩擦帯電について説明する。物質AおよびBの接触界面を微視的に見れば、物質AおよびBのそれぞれの表面に凹凸があり、該凹凸の形状に応じて物質AおよびBは互いに部分的に接触している。接触した状態で摩擦という動作を行うことにより物質AおよびBの間で接触する部分が増加する。その結果、物質AおよびB間を移動する電荷が増え、物質AおよびBそれぞれの帯電量が増大する。したがって、摩擦帯電も物質AおよびBが接触することが直接の要因となって生じる。
これらの剥離帯電や摩擦帯電により生じる静電気は、基本的には電気的な特性が異なる2つ物質AおよびBが接触することによって引き起こされる現象であると考えることができる。また、静電気による不良を防ぐには、静電気の発生を防止する方法と、発生した静電気を逃がす方法とが考えられる。後者の場合、搬送工程での物品、あるいは物品が入った箱や接触するローラ部材側において、接地を行ったり、接地点へ電荷を逃がすための手段を講じたりする。また、接地の効果として、みかけ上の電位をさげる。つまり、接地から物品、あるいは物品が入った箱との距離が短いことは、静電容量が大きくなり、物品、あるいは物品が入った箱の電位が下がる。したがって、物品、あるいは物品が入った箱に対する放電などの静電気障害を防止することが可能である。しかし、かかる方策により除去できるのは金属でできた物品やローラ部材側に帯電した電荷であり、絶縁物の部材でできた物品、あるいは、物品が納入された絶縁箱に帯電した電荷は除去できないので、絶縁性物品、あるいは、物品が入った絶縁箱に静電気は発生し蓄積していく。したがって、静電気による不良を防ぐためには、基となる静電気の発生を抑制する必要がある。本発明ではかかる点に重点をおいた。
まず、搬送過程(搬送工程)における静電気発生と物品の不具合の一例をローラによる搬送系にて説明する。その概要を図10に示す。例えばLSIを内蔵した物品1を絶縁箱2に入れて、次工程へ搬送させる。そのとき、ローラ部材表面と絶縁箱2の裏面との間で静電気が発生する。これは上述したように、電気的な特性が違う物質AおよびBが接触することによって起こる接触摩擦帯電で発生する。図10では、例えば絶縁箱2がマイナスに帯電する。ローラ21は金属でアースされているので、電荷はすぐに逃げる。この状態で絶縁箱2に発生した静電気により、物品1に静電誘導現象が生じ、絶縁箱2と同レベルに帯電した物品1をアースや人体が接触したときに、静電気放電が生じ、物品1内の内蔵LSI中の絶縁膜が絶縁破壊を生じる可能性がある。
この静電気発生を防止するためには、絶縁箱2とローラ21との間で電荷が発生しない対策が必要である。そのために、ローラ材を帯電抑制材に変更し、絶縁箱2に静電気が発生しない搬送装置を提案する。この対策で物品1の静電気不具合も生じない。まずは、搬送過程(搬送工程)での静電気発生のメカニズムを明確にするために、基礎的な実験を行ったのでその結果を報告する。
基礎実験として各種フィルム材料を巻いたローラを設置したローラコンベアと、その上を搬送させた絶縁箱の電位を測定した。各種フィルム材料での搬送条件は同じである。絶縁箱は材質ポリプロピレン(PP)である。ローラに巻くフィルム材料には、導電性ポリエチレン(導電性PE)、絶縁性ポリエチレン(絶縁性PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、66ナイロン(ナイロン)の5種類を用いた。また、比較のため、搬送ローラとして一般的に用いられている鋼管(機械構造用炭素鋼管:STKM13A)での測定も実施した。これらローラの材料を用いて、搬送させた後の絶縁箱の表面電位を図11に示す。図11中、絶縁箱とローラ材とを接触させた場合の2回の表面電位をプロットし、白抜きの四角形はその平均値を示す。
この結果から、鋼管ローラでは約−1kVに帯電するのに対し、各種フィルム材料を巻付けたローラでは特性が大きく異なることが確認できた。つまり、絶縁性PEやPTFEでは、絶縁箱が正極性に帯電するのに対し、ナイロンやPETでは、逆に負極性に帯電し、材料依存性が顕著に見られた。なお、導電性PEでは、−0.1kV以内で、最も低電位であった。
この結果から、鋼管ローラでは約−1kVに帯電するのに対し、各種フィルム材料を巻付けたローラでは特性が大きく異なることが確認できた。つまり、絶縁性PEやPTFEでは、絶縁箱が正極性に帯電するのに対し、ナイロンやPETでは、逆に負極性に帯電し、材料依存性が顕著に見られた。なお、導電性PEでは、−0.1kV以内で、最も低電位であった。
このように材料により静電気の発生量が異なるが、絶縁物の静電気帯電メカニズムについては現在も研究中であり明らかにされていない。一般的な報告として静電気の発生は物質の組み合わせによって異なり、帯電列により決定されると言われている。帯電列とは様々な物質のプラスに帯電しやすいかマイナスに帯電しやすいかの相対的な序列であり、図12にその一例を示す。静電気の発生量は、帯電列で近い位置にあるもの同士の組み合わせの場合ほど、低くなると言われている。
ただし、帯電列では絶縁性PPと絶縁性PEは近い位置にあり、これら材料の接触では静電気発生量が少ないと予想される。しかし、図11に示したように、実測定では絶縁性PP材でできた絶縁箱が、接触する材質が絶縁性PEであるにも関わらず、高電位が発生している。このように必ずしも帯電列で近い位置にあるもの同士の組み合わせで、静電気の発生量を抑制することはできない。さらに、帯電列は材料の純度や測定環境で大きくことなり、報告書によっては材料の順序が異なり、相対的な序列にすぎないことがわかる。従って、帯電列で近い位置にあるもの同士の組み合わせで、静電気の発生量を求めることは、定性的な見解にすぎず、科学的根拠は乏しいものである。ちなみに、導電性PEについての帯電列記述は、どの文献にも示されていない。
ただし、帯電列では絶縁性PPと絶縁性PEは近い位置にあり、これら材料の接触では静電気発生量が少ないと予想される。しかし、図11に示したように、実測定では絶縁性PP材でできた絶縁箱が、接触する材質が絶縁性PEであるにも関わらず、高電位が発生している。このように必ずしも帯電列で近い位置にあるもの同士の組み合わせで、静電気の発生量を抑制することはできない。さらに、帯電列は材料の純度や測定環境で大きくことなり、報告書によっては材料の順序が異なり、相対的な序列にすぎないことがわかる。従って、帯電列で近い位置にあるもの同士の組み合わせで、静電気の発生量を求めることは、定性的な見解にすぎず、科学的根拠は乏しいものである。ちなみに、導電性PEについての帯電列記述は、どの文献にも示されていない。
このような観点から搬送工程で、物品、あるいは、物品が納入された箱と接触するローラの材料が変更されても、帯電防止が成立するためには、物品、あるいは、物品が納入された箱と、ローラ材との接触摩擦帯電現象を明確に解明しておく必要がある。
ここで、ローラに使用したフィルム材質の仕事関数(仕事関数値)の違いによる絶縁箱の帯電量の違いについて説明する。図13は、各種材料をローラに用いたときの絶縁箱の表面電位(図11の結果より)と各種材料の仕事関数の相関を示したグラフである。縦軸は絶縁箱の帯電量として表面電位(kV(キロボルト))、横軸は各種材料の仕事関数(eV(エレクトロンボルト))を示す。図13中、絶縁箱とローラ材とを接触させた2回の電位をすべて黒丸でプロットし、白抜きの四角形は平均値を示す。絶縁箱(PP材)自体の仕事関数は4.9eVであり図中に示した。図13から仕事関数と絶縁箱の表面電位は、絶縁箱(PP:仕事関数は4.9eV)の仕事関数を中心に増加していることが確認できる。
なお、仕事関数とは、物理学的には、固体内で平衡状態にある電子のうち、一番高いエネルギーをもつ電子を真空中で静止した電子のエネルギーまで引き上げるために要するエネルギーのことである。
ここで、ローラに使用したフィルム材質の仕事関数(仕事関数値)の違いによる絶縁箱の帯電量の違いについて説明する。図13は、各種材料をローラに用いたときの絶縁箱の表面電位(図11の結果より)と各種材料の仕事関数の相関を示したグラフである。縦軸は絶縁箱の帯電量として表面電位(kV(キロボルト))、横軸は各種材料の仕事関数(eV(エレクトロンボルト))を示す。図13中、絶縁箱とローラ材とを接触させた2回の電位をすべて黒丸でプロットし、白抜きの四角形は平均値を示す。絶縁箱(PP材)自体の仕事関数は4.9eVであり図中に示した。図13から仕事関数と絶縁箱の表面電位は、絶縁箱(PP:仕事関数は4.9eV)の仕事関数を中心に増加していることが確認できる。
なお、仕事関数とは、物理学的には、固体内で平衡状態にある電子のうち、一番高いエネルギーをもつ電子を真空中で静止した電子のエネルギーまで引き上げるために要するエネルギーのことである。
図13に示されるように、接触する材料によって絶縁箱の電位が異なる理由は、ローラ材質の仕事関数の違いで説明できる。すなわち、異なる2つの物質を接触させた場合、仕事関数の差だけ、ある物質から別の物質へ電荷が移動しやすく、すなわち接触時の帯電が発生しやすい。一方、仕事関数が近い2つの物質を接触させた場合、電荷の移動量が少なく、すなわち帯電しにくい。PPである絶縁箱の仕事関数は4.9eVである。図13に示されているように、絶縁箱の仕事関数と同じ仕事関数をもつ導電性PE材を用いた方が、帯電しづらいことがわかる。
さらに、図13において、絶縁箱の仕事関数は4.9eVであるのに対し、ナイロンの仕事関数は3.7eV、PETの仕事関数は4.4eV、PEの仕事関数は5.1eV、PTFEの仕事関数は5.4eVである。絶縁箱の仕事関数より小さい仕事関数のローラ材質では、接触させた場合に、絶縁箱はマイナスに帯電し、絶縁箱の仕事関数より大きな仕事関数のローラ材質では、接触させた場合に、絶縁箱はプラスに帯電する。接触材料間の仕事関数差が大きいほど、絶対値の帯電量が大きくなることがわかる。このとき、例えば絶縁箱の仕事関数とローラ材質の仕事関数との差が小さいほうが電荷発生を抑制することが可能である。この搬送装置(搬送工程)では約500V以上でLSIの絶縁膜の絶縁破壊が生じるため、500V以内に管理する必要があり、図13から絶縁箱の仕事関数に対して±0.1eV以内の仕事関数を持つ材料を用いることが望ましい。
さらに、図13において、絶縁箱の仕事関数は4.9eVであるのに対し、ナイロンの仕事関数は3.7eV、PETの仕事関数は4.4eV、PEの仕事関数は5.1eV、PTFEの仕事関数は5.4eVである。絶縁箱の仕事関数より小さい仕事関数のローラ材質では、接触させた場合に、絶縁箱はマイナスに帯電し、絶縁箱の仕事関数より大きな仕事関数のローラ材質では、接触させた場合に、絶縁箱はプラスに帯電する。接触材料間の仕事関数差が大きいほど、絶対値の帯電量が大きくなることがわかる。このとき、例えば絶縁箱の仕事関数とローラ材質の仕事関数との差が小さいほうが電荷発生を抑制することが可能である。この搬送装置(搬送工程)では約500V以上でLSIの絶縁膜の絶縁破壊が生じるため、500V以内に管理する必要があり、図13から絶縁箱の仕事関数に対して±0.1eV以内の仕事関数を持つ材料を用いることが望ましい。
次に、ローラ材質の仕事関数の測定方法について述べておく。導電性材料(金属)などは光電子分光法装置にて測定可能である。しかし、ローラ材質に適用された絶縁材料の仕事関数においては、文献による報告はほとんどなく、絶縁材料は主材成分よりも添加物などにより異なるので、今回実験した材料については測定する必要がある。その方法として、既知の仕事関数を有する各金属部材をローラ材質に適用された絶縁材料に接触剥離させる。その後の発生電荷量を測定することにより、等価的手法で測定した。
既知の仕事関数を有する金属部材にそれぞれアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)および金(Au)を用いた場合について具体的に説明する。
まず、既知の仕事関数を有する3種類の金属部材上で、被測定材料としての絶縁箱材料、あるいは、ローラ材質に用いた材料を接触剥離させることにより帯電させる。
次に、3個の表面電位計プローブで、3個の絶縁箱材料あるいはローラ材質の帯電電位を測定し、図14に示すような金属部材の既知の仕事関数に対する帯電電位の関係を表す検量線を作成する。なお、図14中、黒丸は測定した全プロットであり、白い四角形で表すプロットは平均値を表している。
図14は、被測定材料として絶縁箱材料あるいはローラ材質を用いた場合の検量線を示しており、また、前述したように金属部材としては、アルミニウム(Al:仕事関数4.19eV)、ニッケル(Ni:仕事関数4.68eV)、金(Au:仕事関数4.90eV)の3種類の金属を用いている。なお、これらの仕事関数は光電子分光法による測定値である。
次に、図14に示す検量線における帯電電位が0Vのときの仕事関数を、絶縁箱材料あるいはローラ材質の仕事関数として求める。PP絶縁箱の仕事関数は4.9eVであるのに対し、ローラ材質であるナイロンの仕事関数は3.7eV、PETの仕事関数は4.4eV、PEの仕事関数は5.1eV、PTFEの仕事関数は5.4eVである。導電性PEの仕事関数は光電子分光法による測定値であり4.9eVである。
まず、既知の仕事関数を有する3種類の金属部材上で、被測定材料としての絶縁箱材料、あるいは、ローラ材質に用いた材料を接触剥離させることにより帯電させる。
次に、3個の表面電位計プローブで、3個の絶縁箱材料あるいはローラ材質の帯電電位を測定し、図14に示すような金属部材の既知の仕事関数に対する帯電電位の関係を表す検量線を作成する。なお、図14中、黒丸は測定した全プロットであり、白い四角形で表すプロットは平均値を表している。
図14は、被測定材料として絶縁箱材料あるいはローラ材質を用いた場合の検量線を示しており、また、前述したように金属部材としては、アルミニウム(Al:仕事関数4.19eV)、ニッケル(Ni:仕事関数4.68eV)、金(Au:仕事関数4.90eV)の3種類の金属を用いている。なお、これらの仕事関数は光電子分光法による測定値である。
次に、図14に示す検量線における帯電電位が0Vのときの仕事関数を、絶縁箱材料あるいはローラ材質の仕事関数として求める。PP絶縁箱の仕事関数は4.9eVであるのに対し、ローラ材質であるナイロンの仕事関数は3.7eV、PETの仕事関数は4.4eV、PEの仕事関数は5.1eV、PTFEの仕事関数は5.4eVである。導電性PEの仕事関数は光電子分光法による測定値であり4.9eVである。
このことから、搬送過程での静電気発生を防止するためには、物品、あるいは、物品が納入された箱を搬送する装置において、物品、あるいは、物品が納入された箱と、搬送するローラコンベアにて、接触するローラの材料として、物品、あるいは、物品が納入された箱との仕事関数と等しい仕事関数を有する材料を用いることが最も好ましい。しかし、LSIの絶縁膜の絶縁破壊を防止するためには500V以内に管理する必要があることから、接触する物品や絶縁箱の仕事関数に対して±0.1eV以内の仕事関数を持つ材料をローラ材料に用いればよい。仕事関数をこのような条件にもとづき物品、あるいは、物品が納入された箱に接触するローラ材の材料を選択することによって、物品、あるいは、物品が納入された箱と該物品、あるいは、物品が納入された箱に接触するローラ材との間での静電気の発生自体が防止できる。同時に、静電気が発生しないので、物品、あるいは、物品が納入された箱で発生した電荷を逃がすことや除電することを考慮する必要がなく、そのための手段を講じる必要もなくなる。
なお、仕事関数が同じ材料にするためには、同じ材料にするのが一番であるが、各種制約から同じにできない場合がある。本発明はそのような場合にも帯電が防止・低減できることを目的とするものである。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る帯電防止搬送装置による物品の搬送状態を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る帯電防止搬送装置における静電気抑制ローラを示す断面図である。
図1および図2において、被搬送物としての絶縁箱2は、PP材で作製され、例えばLSIを内臓した物品1が収納されている。搬送装置3は、搬送体としての静電気抑制ローラ5が搬送方向に所定ピッチで配列されて被搬送物の搬送路を構成するローラコンベア4を備えている。そして、各静電気抑制ローラ5は、鋼管製の基部ローラ6と、導電性PEフィルムを基部ローラ6の外表面を覆うように基部ローラ6に巻き付けて形成された静電気抑制層7とを備えている。このローラコンベア4が物品1を次工程に搬送するように配設されている。また、ストッパ8が物品1の次工程への待機位置に物品1を停止させるようにローラコンベア4に配設されている。
図1はこの発明の実施の形態1に係る帯電防止搬送装置による物品の搬送状態を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る帯電防止搬送装置における静電気抑制ローラを示す断面図である。
図1および図2において、被搬送物としての絶縁箱2は、PP材で作製され、例えばLSIを内臓した物品1が収納されている。搬送装置3は、搬送体としての静電気抑制ローラ5が搬送方向に所定ピッチで配列されて被搬送物の搬送路を構成するローラコンベア4を備えている。そして、各静電気抑制ローラ5は、鋼管製の基部ローラ6と、導電性PEフィルムを基部ローラ6の外表面を覆うように基部ローラ6に巻き付けて形成された静電気抑制層7とを備えている。このローラコンベア4が物品1を次工程に搬送するように配設されている。また、ストッパ8が物品1の次工程への待機位置に物品1を停止させるようにローラコンベア4に配設されている。
つぎに、この搬送装置3を用いた物品1の搬送方法について説明する。
まず、搬送装置3が駆動されると、静電気抑制ローラ5が回転駆動される。そして、物品1が収納された絶縁箱2がローラコンベア4に載せられる。これにより、絶縁箱2は、静電気抑制ローラ5の回転により、ローラコンベア4上を次工程への待機位置まで移動する。そして、絶縁箱2が次工程への待機位置に到達すると、ストッパ8により待機位置に停止される。
まず、搬送装置3が駆動されると、静電気抑制ローラ5が回転駆動される。そして、物品1が収納された絶縁箱2がローラコンベア4に載せられる。これにより、絶縁箱2は、静電気抑制ローラ5の回転により、ローラコンベア4上を次工程への待機位置まで移動する。そして、絶縁箱2が次工程への待機位置に到達すると、ストッパ8により待機位置に停止される。
この実施の形態1では、絶縁箱2はPP材で作製されており、その仕事関数は4.9eVである。一方、絶縁箱2が接する静電気抑制層7は導電性PEフィルムで作製されており、その仕事関数は4.9eVである。このように、絶縁箱2と、絶縁箱2に接する静電気抑制ローラ5の静電気抑制層7とが、等しい仕事関数をもつ材料で作製されているので、絶縁箱2を帯電させることなくローラコンベア4上を搬送することができる。そこで、静電気の発生を防止させる特別な対策や、発生した静電気を速やかに逃がす特別な対策を採ることなく、静電気に起因する歩留まりの低下を抑えることができる。つまり、物品1に帯電した静電気の量によっては、物品1と外部との間で放電が発生し、電子デバイス中のLSIが絶縁破壊により損傷を受け、物品が不良になることを防止することができ、歩留りを向上させることができる。
また、導電性PEフィルムを基部ローラ6の外表面を覆うように基部ローラ6に巻き付けて静電気抑制層7を形成しているので、静電気抑制層7が劣化(破裂)や汚染されたとしても、静電気抑制層7が劣化や汚染された静電気抑制ローラ5のみを交換すればよく、ローラコンベア4のメンテナンスが容易となる。
また、導電性PEフィルムを基部ローラ6の外表面を覆うように基部ローラ6に巻き付けて静電気抑制層7を形成しているので、静電気抑制層7が劣化(破裂)や汚染されたとしても、静電気抑制層7が劣化や汚染された静電気抑制ローラ5のみを交換すればよく、ローラコンベア4のメンテナンスが容易となる。
なお、上記実施の形態1では、導電性PEフィルムを基部ローラ6の外表面を覆うように基部ローラ6に巻き付けて静電気抑制層7を形成しているものとしているが、導電性PEフィルムの薬品または環境による腐食および磨耗を考慮すれば、導電性PEフィルムの厚みは0.2μm以上とすることが望ましい。そこで、静電気抑制層7(導電性PEフィルム)の厚みを0.2μm以上にすれば、短期間で薬品または環境による腐食および磨耗を受けて鋼管製の基部ローラ6が露出することもなく、長期に安定して静電気の発生を防止することができるという効果が得られる。なお、鋼管製の基部ローラ6が露出すれば、絶縁箱2と基部ローラ6とが接触し、絶縁箱2が帯電してしまうことになる。
また、上記実施の形態1では、静電気抑制ローラ5の静電気抑制層7が絶縁箱2を作製する材料の仕事関数と等しい仕事関数を有する導電性PE材で作製されているものとしているが、静電気抑制層7の材料は絶縁箱2を作製する材料の仕事関数と等しい仕事関数を有する材料(導電性PE材)に限定されるものでなく、LSIの絶縁膜の絶縁破壊を防止するためには500V以内に管理する必要があることから、絶縁箱2を作製する材料の仕事関数に対して±0.1eV以内の仕事関数を持つ材料であればよい。
また、上記実施の形態1において、静電気抑制ローラ5の静電気抑制層7を接地するようにしてもよい。この場合、静電気抑制ローラ5自体の発生電荷のリークが可能であり、絶縁箱2の見かけの電位を下げる効果が得られる。
また、上記実施の形態1において、静電気抑制ローラ5の静電気抑制層7を接地するようにしてもよい。この場合、静電気抑制ローラ5自体の発生電荷のリークが可能であり、絶縁箱2の見かけの電位を下げる効果が得られる。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2に係る帯電防止搬送装置における静電気抑制ローラを示す断面図である。
図3において、静電気抑制ローラ9は、全体が絶縁箱2と等しい仕事関数(4.9eV)を有する導電性PE材で作製されている。
なお、この実施の形態2は、静電気抑制ローラ5に代えて静電気抑制ローラ9を用いている点を除いて上記実施の形態1と同様に構成されている。
図3はこの発明の実施の形態2に係る帯電防止搬送装置における静電気抑制ローラを示す断面図である。
図3において、静電気抑制ローラ9は、全体が絶縁箱2と等しい仕事関数(4.9eV)を有する導電性PE材で作製されている。
なお、この実施の形態2は、静電気抑制ローラ5に代えて静電気抑制ローラ9を用いている点を除いて上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態2においても、絶縁箱2と接するローラコンベアの静電気抑制ローラ9が絶縁箱2と等しい仕事関数を有する材料で作製されているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態2では、静電気抑制ローラ9の全体が導電性PE材で作製されているので、薬品または環境による腐食および磨耗を受けても鋼管製の基部ローラ6が露出することはない。そこで、長期に安定して静電気の発生を防止することができるという効果が得られる。
また、この実施の形態2では、静電気抑制ローラ9の全体が導電性PE材で作製されているので、薬品または環境による腐食および磨耗を受けても鋼管製の基部ローラ6が露出することはない。そこで、長期に安定して静電気の発生を防止することができるという効果が得られる。
なお、上記実施の形態2では、静電気抑制ローラ9の全体が絶縁箱2を作製する材料の仕事関数と等しい仕事関数を有する導電性PE材で作製されているものとしているが、静電気抑制ローラ9の材料は絶縁箱2を作製する材料の仕事関数と等しい仕事関数を有する材料(導電性PE材)に限定されるものでなく、LSIの絶縁膜の絶縁破壊を防止するためには500V以内に管理する必要があることから、絶縁箱2を作製する材料の仕事関数に対して±0.1eV以内の仕事関数を持つ材料であればよい。
また、上記実施の形態2において、静電気抑制ローラ9を接地するようにしてもよい。この場合、静電気抑制ローラ9自体の発生電荷のリークが可能であり、絶縁箱2の見かけの電位を下げる効果が得られる。
また、上記実施の形態2において、静電気抑制ローラ9を接地するようにしてもよい。この場合、静電気抑制ローラ9自体の発生電荷のリークが可能であり、絶縁箱2の見かけの電位を下げる効果が得られる。
ここで、上記実施の形態1、2では、被搬送物である絶縁箱2がPP材で作製されているものとしているが、絶縁箱2の材料が変われば、静電気抑制層7や静電気抑制ローラ9の材料も、絶縁箱を作製する材料の仕事関数に対して±0.1eV以内の仕事関数を持つ材料から適宜選択することになる。例えば、無アルカリガラス基板(仕事関数:4.9eV)を被搬送物とした場合、静電気抑制層や静電気抑制ローラの材料として銅(仕事関数:4.9eV)を用い、半導体ICを入れたアクリル樹脂製のトレイ(仕事関数:4.3eV)を被搬送物とした場合、静電気抑制層や静電気抑制ローラの材料としてポリエチレンテレフタレート(仕事関数:4.2eV)を用い、石英ガラス製のウエハケース(仕事関数:4.9eV)を被搬送物とした場合、静電気抑制層や静電気抑制ローラの材料として導電性ポリエチレン(仕事関数:4.9eV)を用いることができる。
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3に係る帯電防止搬送装置における静電気抑制ローラを示す上面図である。
図4において、搬送体としての静電気抑制ローラ10は、鋼管製の基部ローラ(図示せず)と、基部ローラの外表面を覆うように形成された静電気抑制層11とを備えている。そして、静電気抑制層11は、PETフィルムを巻き付けて形成された第1静電気抑制層11aと、PEフィルムを巻き付けて形成された第2静電気抑制層11bとを基部ローラの軸方向に交互に隙間なく規則的に配列して構成されている。そして、絶縁箱2と接触する第1静電気抑制層11aの面積と第2静電気抑制層11bの面積との比を、仕事関数差による実験で求めた検量グラフ(図13)の表面電位比で調整している。
なお、この実施の形態3は、静電気抑制ローラ5に代えて静電気抑制ローラ10を用いている点を除いて上記実施の形態1と同様に構成されている。
図4はこの発明の実施の形態3に係る帯電防止搬送装置における静電気抑制ローラを示す上面図である。
図4において、搬送体としての静電気抑制ローラ10は、鋼管製の基部ローラ(図示せず)と、基部ローラの外表面を覆うように形成された静電気抑制層11とを備えている。そして、静電気抑制層11は、PETフィルムを巻き付けて形成された第1静電気抑制層11aと、PEフィルムを巻き付けて形成された第2静電気抑制層11bとを基部ローラの軸方向に交互に隙間なく規則的に配列して構成されている。そして、絶縁箱2と接触する第1静電気抑制層11aの面積と第2静電気抑制層11bの面積との比を、仕事関数差による実験で求めた検量グラフ(図13)の表面電位比で調整している。
なお、この実施の形態3は、静電気抑制ローラ5に代えて静電気抑制ローラ10を用いている点を除いて上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態3では、静電気抑制層11は、PETフィルムを巻き付けて形成された第1静電気抑制層11aと、PEフィルムを巻き付けて形成された第2静電気抑制層11bとを基部ローラの軸方向に交互に隙間なく配列して構成されている。PET材とPE材とを静電気抑制層11に用いると、図13の検量グラフから第1静電気抑制層11a(PET材)はプラスに、第2静電気抑制層11b(PE材)はマイナスに帯電し、極性が異なる。絶対値の比は第1静電気抑制層11a(PET材):第2静電気抑制層11b(PE材)=2:3である。そこで、絶縁箱2と接触する面積比で、第1静電気抑制層11a(PET材)が3に対し、第2静電気抑制層11b(PE材)を2(ローラの面積比を第1静電気抑制層11a(PET材):第2静電気抑制層11b(PE材)=3:2)と調整している。
これにより、絶縁箱2と接触する静電気抑制層11全体の見かけ上の仕事関数が、絶縁箱2の仕事関数と等しい材料に相当することになる。
したがって、この実施の形態3においても、ローラコンベアで絶縁箱2を搬送する際に、絶縁箱2は帯電することがなく、発生した電荷を逃がしたり除電したりすることを考慮する必要がない。
これにより、絶縁箱2と接触する静電気抑制層11全体の見かけ上の仕事関数が、絶縁箱2の仕事関数と等しい材料に相当することになる。
したがって、この実施の形態3においても、ローラコンベアで絶縁箱2を搬送する際に、絶縁箱2は帯電することがなく、発生した電荷を逃がしたり除電したりすることを考慮する必要がない。
実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4に係る帯電防止搬送装置における静電気抑制ローラを示す上面図である。
図5において、搬送体としての静電気抑制ローラ12は、鋼管製の基部ローラ(図示せず)と、基部ローラの外表面を覆うように形成された静電気抑制層13とを備えている。そして、静電気抑制層13は、PETフィルムからなる第1静電気抑制層13aと、PEフィルムからなる第2静電気抑制層11bとを基部ローラの周方向に交互に隙間なく規則的に配列して構成されている。そして、絶縁箱2と接触する第1静電気抑制層13aの面積と第2静電気抑制層13bの面積との比を、仕事関数差による実験で求めた検量グラフ(図13)の表面電位比で調整している。
なお、この実施の形態4は、静電気抑制ローラ10に代えて静電気抑制ローラ12を用いている点を除いて上記実施の形態3と同様に構成されている。
図5はこの発明の実施の形態4に係る帯電防止搬送装置における静電気抑制ローラを示す上面図である。
図5において、搬送体としての静電気抑制ローラ12は、鋼管製の基部ローラ(図示せず)と、基部ローラの外表面を覆うように形成された静電気抑制層13とを備えている。そして、静電気抑制層13は、PETフィルムからなる第1静電気抑制層13aと、PEフィルムからなる第2静電気抑制層11bとを基部ローラの周方向に交互に隙間なく規則的に配列して構成されている。そして、絶縁箱2と接触する第1静電気抑制層13aの面積と第2静電気抑制層13bの面積との比を、仕事関数差による実験で求めた検量グラフ(図13)の表面電位比で調整している。
なお、この実施の形態4は、静電気抑制ローラ10に代えて静電気抑制ローラ12を用いている点を除いて上記実施の形態3と同様に構成されている。
この実施の形態4では、静電気抑制層13は、PETフィルムからなる第1静電気抑制層13aと、PEフィルムからなる第2静電気抑制層13bとを基部ローラの周方向に交互に隙間なく配列して構成されている。この実施の形態4においても、図13の検量グラフから第1静電気抑制層13a(PET材)はプラスに、第2静電気抑制層13b(PE材)はマイナスに帯電し、極性が異なる。絶対値の比は第1静電気抑制層13a(PET材):第2静電気抑制層13b(PE材)=2:3である。そこで、絶縁箱2と接触する面積比で、第1静電気抑制層13a(PET材)が3に対し、第2静電気抑制層13b(PE材)を2(ローラの面積比を第1静電気抑制層13a(PET材):第2静電気抑制層13b(PE材)=3:2)と調整している。
これにより、絶縁箱2と接触する静電気抑制層13全体の見かけ上の仕事関数が、絶縁箱2の仕事関数と等しい材料に相当することになる。
したがって、この実施の形態4においても、ローラコンベアで絶縁箱2を搬送する際に、絶縁箱2は帯電することがなく、発生した電荷を逃がしたり除電したりすることを考慮する必要がない。
これにより、絶縁箱2と接触する静電気抑制層13全体の見かけ上の仕事関数が、絶縁箱2の仕事関数と等しい材料に相当することになる。
したがって、この実施の形態4においても、ローラコンベアで絶縁箱2を搬送する際に、絶縁箱2は帯電することがなく、発生した電荷を逃がしたり除電したりすることを考慮する必要がない。
なお、上記実施の形態3、4では、静電気抑制層11、13が規則的に配列されたフィルム(PET、PE)を用いて構成されているものとしているが、PET材およびPE材の不規則な混合フィルムやコーティング材などにより所定の接触面積比の静電気抑制層を構成してもよい。
また、上記実施の形態3、4では、絶縁箱2に接触する静電気抑制層11、13をPET材とPE材との混合材で構成するものとしているが、静電気抑制層11、13を構成する材料はPET材とPE材との組み合わせに限定されるものではなく、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、金属から選択された2種類以上の材料の組み合わせでもよい。この場合、絶縁箱と接触する静電気抑制層全体の見かけ上の仕事関数が、絶縁箱の仕事関数との差が±0.1eV以内の仕事関数を有するように、選択された材料の面積比を調整することになる。
また、上記実施の形態3、4では、絶縁箱2に接触する静電気抑制層11、13をPET材とPE材との混合材で構成するものとしているが、静電気抑制層11、13を構成する材料はPET材とPE材との組み合わせに限定されるものではなく、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、金属から選択された2種類以上の材料の組み合わせでもよい。この場合、絶縁箱と接触する静電気抑制層全体の見かけ上の仕事関数が、絶縁箱の仕事関数との差が±0.1eV以内の仕事関数を有するように、選択された材料の面積比を調整することになる。
実施の形態5.
図6はこの発明の実施の形態5に係る帯電防止搬送装置におけるローラコンベアの要部を示す側面図である。
図6において、ローラコンベア14は、搬送体としての第1静電気抑制ローラ15と第2静電気抑制ローラ17とから構成されている。そして、第1静電気抑制ローラ15は、鋼管製の基部ローラ6と、PETフィルムを基部ローラ6の外表面を覆うように巻き付けて形成された第1静電気抑制層16とを備えている。また、第2静電気抑制ローラ17は、鋼管製の基部ローラ6と、PEフィルムを基部ローラ6の外表面を覆うように巻き付けて形成された第2静電気抑制層18とを備えている。そして、絶縁箱2と接触する第1静電気抑制層16の面積と第2静電気抑制層18の面積との比を、仕事関数差による実験で求めた検量グラフ(図13)の表面電位比で調整している。
なお、この実施の形態5は、静電気抑制ローラ10に代えて第1および第2静電気抑制ローラ15、17を用いている点を除いて上記実施の形態3と同様に構成されている。
図6はこの発明の実施の形態5に係る帯電防止搬送装置におけるローラコンベアの要部を示す側面図である。
図6において、ローラコンベア14は、搬送体としての第1静電気抑制ローラ15と第2静電気抑制ローラ17とから構成されている。そして、第1静電気抑制ローラ15は、鋼管製の基部ローラ6と、PETフィルムを基部ローラ6の外表面を覆うように巻き付けて形成された第1静電気抑制層16とを備えている。また、第2静電気抑制ローラ17は、鋼管製の基部ローラ6と、PEフィルムを基部ローラ6の外表面を覆うように巻き付けて形成された第2静電気抑制層18とを備えている。そして、絶縁箱2と接触する第1静電気抑制層16の面積と第2静電気抑制層18の面積との比を、仕事関数差による実験で求めた検量グラフ(図13)の表面電位比で調整している。
なお、この実施の形態5は、静電気抑制ローラ10に代えて第1および第2静電気抑制ローラ15、17を用いている点を除いて上記実施の形態3と同様に構成されている。
この実施の形態5においても、図13の検量グラフから第1静電気抑制層16(PET材)はプラスに、第2静電気抑制層18(PE材)はマイナスに帯電し、極性が異なる。絶対値の比は第1静電気抑制層16(PET材):第2静電気抑制層18(PE材)=2:3である。そこで、絶縁箱2と接触する面積比で、第1静電気抑制層16(PET材)が3に対し、第2静電気抑制層18(PE材)を2(ローラの面積比を第1静電気抑制層16(PET材):第2静電気抑制層18(PE材)=3:2)となるように第1および第2静電気抑制ローラ15、17の本数を調整している。つまり、ローラコンベア14は、PETフィルムからなる第1静電気抑制層16を有する3本の第1静電気抑制ローラ15と、PEフィルムからなる第2静電気抑制層18を有する2本の第2静電気抑制ローラ17とが交互に配列されたローラ列を搬送方向に配列して構成されている。
これにより、絶縁箱2と接触する第1および第2静電気抑制層16、18全体の見かけ上の仕事関数が、絶縁箱2の仕事関数と等しい材料に相当することになる。
したがって、この実施の形態5においても、ローラコンベア14で絶縁箱2を搬送する際に、絶縁箱2は帯電することがなく、発生した電荷を逃がしたり除電したりすることを考慮する必要がない。
これにより、絶縁箱2と接触する第1および第2静電気抑制層16、18全体の見かけ上の仕事関数が、絶縁箱2の仕事関数と等しい材料に相当することになる。
したがって、この実施の形態5においても、ローラコンベア14で絶縁箱2を搬送する際に、絶縁箱2は帯電することがなく、発生した電荷を逃がしたり除電したりすることを考慮する必要がない。
なお、上記実施の形態5では、ローラコンベア14を構成する第1および第2静電気抑制ローラ15、17の第1および第2静電気抑制層16、18がPET材およびPE材を用いて構成されているものとしているが、第1および第2静電気抑制ローラ15、17の第1および第2静電気抑制層16、18を構成する材料はPET材とPE材との組み合わせに限定されるものではなく、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、金属から選択された2種類以上の材料の組み合わせでもよい。この場合、絶縁箱と接触する静電気抑制層全体の見かけ上の仕事関数が、絶縁箱の仕事関数との差が±0.1eV以内の仕事関数を有するように、選択された材料の面積比を調整することになる。
実施の形態6.
図7はこの発明の実施の形態6に係る帯電防止搬送装置による物品の搬送状態を示す側面図である。
図7において、搬送装置は、静電気抑制ローラ5を搬送方向に配列して構成されたローラコンベア4を備え、物品1が収納された絶縁箱2が次工程への待機位置に停止しているときに、絶縁箱2が載って静電気抑制ローラ5の回転が停止するように制御されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
図7はこの発明の実施の形態6に係る帯電防止搬送装置による物品の搬送状態を示す側面図である。
図7において、搬送装置は、静電気抑制ローラ5を搬送方向に配列して構成されたローラコンベア4を備え、物品1が収納された絶縁箱2が次工程への待機位置に停止しているときに、絶縁箱2が載って静電気抑制ローラ5の回転が停止するように制御されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態6では、絶縁箱2が静電気抑制ローラ5の回転により、ローラコンベア4上を次工程への待機位置まで移動する。そして、絶縁箱2が次工程への待機位置に到達すると、ストッパ8により待機位置に停止される。そこで、絶縁箱2が載っている静電気抑制ローラ5の回転が停止される。
そこで、待機中の絶縁箱2が載っている静電気抑制ローラ5の回転がないので、絶縁箱2との接触摩擦時間や面積が減少し、静電気の絶縁箱5への電荷の蓄積が生じない。これにより、静電気の発生を防止させる特別な対策や、発生した静電気を速やかに逃がす特別な対策を採ることなく、静電気に起因する歩留まりの低下を抑えることができる。
そこで、待機中の絶縁箱2が載っている静電気抑制ローラ5の回転がないので、絶縁箱2との接触摩擦時間や面積が減少し、静電気の絶縁箱5への電荷の蓄積が生じない。これにより、静電気の発生を防止させる特別な対策や、発生した静電気を速やかに逃がす特別な対策を採ることなく、静電気に起因する歩留まりの低下を抑えることができる。
なお、待機中の絶縁箱2を鋼管製のローラ上へ置いたのみでも接触帯電にて電荷は発生するため、待機中の絶縁箱2が載っているローラは、その回転が停止されるとしても、上述した静電気抑制ローラ5を使用することが好ましい。
実施の形態7.
図8はこの発明の実施の形態7に係る帯電防止搬送装置による物品の搬送状態を示す側面図である。
図8において、搬送装置は、静電気抑制ローラ5を搬送方向に配列して構成されたローラコンベア4を備え、物品1が収納された絶縁箱2が次工程への待機位置に停止しているときに、待機中の絶縁箱2を静電気抑制ローラ5から離間させるリフト機構としてのシリンダ19が配設されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
図8はこの発明の実施の形態7に係る帯電防止搬送装置による物品の搬送状態を示す側面図である。
図8において、搬送装置は、静電気抑制ローラ5を搬送方向に配列して構成されたローラコンベア4を備え、物品1が収納された絶縁箱2が次工程への待機位置に停止しているときに、待機中の絶縁箱2を静電気抑制ローラ5から離間させるリフト機構としてのシリンダ19が配設されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態7では、絶縁箱2が静電気抑制ローラ5の回転により、ローラコンベア4上を次工程への待機位置まで移動する。そして、絶縁箱2が次工程への待機位置に到達すると、ストッパ8により待機位置に停止される。そこで、シリンダ19が作動され、絶縁箱2が静電気抑制ローラ5から離反するように持ち上げられる。
そこで、待機中の絶縁箱2が静電気抑制ローラ5の回転を受けないので、絶縁箱5との接触摩擦のための時間や面積が減少し、絶縁箱2への電荷の蓄積が生じない。これにより、静電気の発生を防止させる特別な対策や、発生した静電気を速やかに逃がす特別な対策を採ることなく、静電気に起因する歩留まりの低下を抑えることができる。
そこで、待機中の絶縁箱2が静電気抑制ローラ5の回転を受けないので、絶縁箱5との接触摩擦のための時間や面積が減少し、絶縁箱2への電荷の蓄積が生じない。これにより、静電気の発生を防止させる特別な対策や、発生した静電気を速やかに逃がす特別な対策を採ることなく、静電気に起因する歩留まりの低下を抑えることができる。
なお、上記実施の形態7では、シリンダ19を用いて絶縁箱2を持ち上げて静電気抑制ローラ5から離反させるものとしているが、リフト機構はシリンダ19に限定されるものではなく、静電気抑制ローラ5との間に隙間を作り、摩擦を生じさせないようにしたリフトで静電気抑制ローラ5から絶縁箱2を持ち上げることが可能な方法であれば良い。
ここで、上記各実施の形態では、搬送装置の全ローラを静電気抑制ローラで構成するものとして説明している。このように、搬送装置の全ローラを静電気抑制ローラで構成することが最も好ましい形態である。しかし、全ローラを静電気抑制ローラに変更することは、コスト、変更時間などの負担が増加してしまうので、特に輸送距離の長いラインでは問題となる。そこで、ローラコンベアの中で、静電気が発生、蓄積しやすい領域、あるいは次工程への移動、待機する領域の一部分に静電気抑制ローラを使用することが好ましい。
実施の形態8.
図9はこの発明の実施の形態8に係る帯電防止搬送装置による物品の搬送状態を示す側面図である。
図9において、静電気抑制ローラ5が次工程への移動、待機する領域に配列され、鋼管製のローラ21がその前段に配列されて、ローラコンベア20が構成されている。さらに、除電ブラシ22が静電気抑制ローラ5の配列領域の直前および領域中に配設され、イオナイザ23が静電気抑制ローラ5の配列領域の前段におけるローラ21の配列領域に配設されている。
図9はこの発明の実施の形態8に係る帯電防止搬送装置による物品の搬送状態を示す側面図である。
図9において、静電気抑制ローラ5が次工程への移動、待機する領域に配列され、鋼管製のローラ21がその前段に配列されて、ローラコンベア20が構成されている。さらに、除電ブラシ22が静電気抑制ローラ5の配列領域の直前および領域中に配設され、イオナイザ23が静電気抑制ローラ5の配列領域の前段におけるローラ21の配列領域に配設されている。
この実施の形態8では、絶縁箱2がローラ21で搬送されているときに、静電気が発生する可能性がある。ローラ21で発生した静電気は、静電気抑制ローラ5上を搬送されているときに除去されない。つまり、静電気抑制ローラ5では、新たな静電気の発生はないが、既に絶縁箱2に蓄積されている静電気(電荷)は除去されない。
しかし、除電ブラシ22が静電気抑制ローラ5の配列領域の直前に配設され、イオナイザ23が静電気抑制ローラ5の前段におけるローラ21の配列領域に配設されているので、ローラ21で搬送されているときに発生された電荷は、除電ブラシ22やイオナイザ23により除去された後、静電気抑制ローラ5上に搬送される。また、除電ブラシ22が静電気抑制ローラ5の配列領域に配設されているので、静電気抑制ローラ5上に搬送されてきた電荷が除電ブラシ22により除去される。
したがって、静電気抑制ローラ5が次工程への移動、待機する領域の一部分にのみ配設されているようなローラコンベア20においても、ローラ21で発生した電荷が効率的に除去されるので、コストや変更時間の負担を増加させることなく、輸送距離の長いラインに適用できる搬送装置が得られる。
しかし、除電ブラシ22が静電気抑制ローラ5の配列領域の直前に配設され、イオナイザ23が静電気抑制ローラ5の前段におけるローラ21の配列領域に配設されているので、ローラ21で搬送されているときに発生された電荷は、除電ブラシ22やイオナイザ23により除去された後、静電気抑制ローラ5上に搬送される。また、除電ブラシ22が静電気抑制ローラ5の配列領域に配設されているので、静電気抑制ローラ5上に搬送されてきた電荷が除電ブラシ22により除去される。
したがって、静電気抑制ローラ5が次工程への移動、待機する領域の一部分にのみ配設されているようなローラコンベア20においても、ローラ21で発生した電荷が効率的に除去されるので、コストや変更時間の負担を増加させることなく、輸送距離の長いラインに適用できる搬送装置が得られる。
なお、上記各実施の形態では、被搬送物として絶縁箱2を用いるものとして説明しているが、絶縁箱2を用いず物品1を直接ローラコンベアで搬送する場合に適用しても同様の効果が得られる。
また、上記各実施の形態では、搬送体としてローラを用いたローラコンベアについて説明しているが、この発明は、搬送体としてベルトを用いたベルトコンベアに適用しても同様の効果が得られる。
また、上記各実施の形態では、搬送体としてローラを用いたローラコンベアについて説明しているが、この発明は、搬送体としてベルトを用いたベルトコンベアに適用しても同様の効果が得られる。
1 物品、2 絶縁箱、3 搬送装置、4、14 ローラコンベア、5、9、10、12 静電気抑制ローラ、7、11、13 静電気抑制層、15 第1静電気抑制ローラ、17 第2静電気抑制ローラ、19 シリンダ(リフト機構)。
Claims (9)
- 被搬送物と搬送体との間に発生する摩擦により該被搬送物を搬送する帯電防止搬送装置であって、
上記搬送体は、少なくとも上記被搬送物に接触する表面層が、接触する該被搬送物の部位の材料と異なる材料を用い、接触する該被搬送物の部位の材料と実質的に同じ仕事関数を有するように構成されていることを特徴とする帯電防止搬送装置。 - 上記搬送体の少なくとも上記被搬送物に接触する表面層が、導電性ポリエチレンで作製されていることを特徴とする請求項1記載の帯電防止搬送装置。
- 上記搬送体の少なくとも上記被搬送物に接触する表面層が、複数の材料で構成されていることを特徴とする請求項1記載の帯電防止搬送装置。
- 上記複数の材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンおよび金属から選択されることを特徴とする請求項3記載の帯電防止搬送装置。
- 上記複数の材料のそれぞれで構成される上記搬送体の部位の上記被搬送物との接触面積比が、該複数の材料のそれぞれと該被搬送物との帯電電位との比に基づいて、該搬送体の少なくとも該被搬送物に接触する表面層の仕事関数と該表面層に接触する該被搬送物の部位の材料の仕事関数との差を±0.1eV以内にするように調整されていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の帯電防止搬送装置。
- 上記搬送体は、少なくとも上記被搬送物に接触する表面層が上記複数の材料で構成されたローラであり、該ローラが搬送方向に配列されて上記被搬送物の搬送路を構成していることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の帯電防止搬送装置。
- 上記搬送体は、それぞれ少なくとも上記被搬送物に接触する表面層が上記複数の材料の各単一材料で構成された該複数の材料の数と同数種のローラであり、該同数種のローラが搬送方向に交互に配列されて上記被搬送物の搬送路を構成していることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の帯電防止搬送装置。
- 上記被搬送物が次工程への移動を待機している間、当該被搬送物と接触している上記搬送体の駆動が停止するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の帯電防止搬送装置。
- 上記被搬送物が次工程への移動を待機している間、当該被搬送物を上記搬送体から離間させるリフト機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の帯電防止搬送装置。
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