JP2005145388A - 車高調整機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗り心地を損なわせることなく、微細な車高の調整を行うことができる車高調整機構を提供する。
【解決手段】スプリング部20は、シリンダ5、アジャスティングチューブ4、スプリングシート8、スプリング3および螺合手段とを備える。アジャスティングチューブ4が、シリンダ5が摺動自在に挿入され、シリンダ5との間に密閉された空間を形成する。スプリングシート8が、アジャスティングチューブ4の外周部に取り付けられる。螺合手段が、アジャスティングチューブ4に対するスプリングシート8の上下位置を調整可能なようにアジャスティングチューブ4とスプリングシート8とを螺合させる。空間に対して液体の給排を行うことにより車高調整を可能にされると共に、螺合手段によりアジャスティングチューブ4に対してスプリングシート8を回転させることにより車高調整を可能にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車高調整機構に関し、特に、スプリングとショックアブソーバとが別々に取り付けられて構成される車高調整機構に関する。
従来技術として、図7に示すような、車高調整機構を備えたブレーキ液圧制御装置が開示されている(例えば、特許文献1)。このブレーキ液圧制御装置は、車高調整にブレーキ液圧を用いて可動シリンダ112を上下させることにより、車高の調整を行う。このため、車室内から車高調整を行うことができる。
他の車高調整を行う手段としては、図8に示すような車高調整部材について開示されている(例えば、特許文献2)。
図8の車高調整部材は、車体の重量を支持したり、ばね下荷重を受けたりする等の目的で使用されるスプリングと、このスプリングの上下動を早期に減衰させるためのショックアブソーバとを別々に取り付けてなるサスペンションにおいて、スプリング55の上端面を受け止めるスプリング受け56を車体に固定された支持部材57に無段階に上下位置調整可能に取り付けたことを特徴としている。かかる車高調整部材は、車高の微調整が可能である。
更に、他の車高の調整を行うことのできる装置として、図9に示すように、スペーサを利用して手動にて車高を調整することのできる車高調整装置が開示されている(例えば、特許文献3)。
図9のような車高調整装置においては、車体61下部のボス部61´には、金属製支持筒62の上端に形成されたフランジ62´が嵌合固着されている。支持筒62´の外側には、その外形とほぼ均しい内径を有し、かつ上下面を平坦面に形成したハイスチレンラバー等の硬質弾性材質より構成される複数のスペーサ63が嵌着されている。最下部のスペーサの下端面には、その下部を受体64に支持されたコイルスプリング65の上端が支持筒62´の下端部に嵌合状態で当接し、車高を保持するように構成されている。車高調整は、スペーサの支持筒62´に対する装着個数を増減することにより行う。
実開昭59−24651号公報 登録実用新案第3069189号公報 登録実用新案第3075835号公報
図7に示す4輪自動車用ブレーキ液圧制御装置の車高調整機構は、ブレーキ液圧を用いているので、車室内から車高調整を行うことができる。しかし、かかる装置では、所望の車高を得るために、左右差を補正する等の微調整を行うためにはセンサが複数個必要になる。また、スプリング部の長さを変えることで車輌のバンプ、リバウンドストロークの割合が変化し、車高調整を行うと乗り心地も変化することになる、という問題があった。
図8の車高調整用部材は、車高の微調整が可能である。しかし、車室内からの車高調整が行えないため、かかる車高調整用部材のみで車高調整を行うのは手間を要する作業であった。
図9の車高調整装置に関しても、図8の車高調整用部材と同様、車高を上げようとするとき、スペーサの数を増加させるためにスプリングを外さなくてはならない等、手間を要する作業であった。
本発明は、乗り心地を損なわせることなく、微細な車高の調整を行うことができる車高調整機構を提供することを課題とする。
本発明の一態様によれば、車体と車軸との間にスプリング部とショックアブソーバ部とが別々に取り付けられて構成されるサスペンションの車高調整機構において、前記スプリング部は、前記車体および前記車軸のうちの一方の側に固定されたシリンダと、該シリンダが摺動自在に挿入され、該シリンダとの間に密閉された空間を形成するアジャスティングチューブと、該アジャスティングチューブの外周部に取り付けられたスプリングシートと、前記車体および車軸のうちの他方の側と前記スプリングシートとの間に介装されたスプリングと、前記アジャスティングチューブに対する前記スプリングシートの上下位置を調整可能なように前記アジャスティングチューブと前記スプリングシートとを螺合させる螺合手段とを備え、前記空間に対して液体の給排を行うことにより車高調整を可能にすると共に、前記螺合手段により前記アジャスティングチューブに対して前記スプリングシートを回転させることにより車高調整を可能にすることを特徴とする車高調整機構が提供される。なお、車体と車軸との間に他の部材(例えば実施例において示すようなロアーアーム)を介してスプリング部とショックアブソーバ部とが取り付けられた構成であっても、本発明の範囲内であることは言うまでもない。
車室内からの液体圧力を用いた車高調整に加え、アジャスティングチューブの周囲を、スプリングシートを手動で回転させることによる車高調整機構を備えている。手動による車高調整で、左右あるいは前後の車高差の微調整を行うことができる。シリンダの内部は、液体で満たされることとしてもよいし、空洞とされてもよい。
アジャスティングチューブの外周に、例えば溝、孔等の凹部を形成してもよい。手動にて車高調整を行う際に、アジャスティングチューブとシリンダとの間で回転しないようにアジャスティングチューブを固定し、スプリングシートを回転させる作業が容易になるよう補うことができる。
液体圧力を用いて、スプリング部およびショックアブソーバ部それぞれの長さを変更させることとしてもよい。乗り心地や操縦安定性を変更させずに車高を変更させることができる。
本発明によれば、液体圧力による車高調整機構と手動による車高調整機構とを併せ持つことにより、手動による車高調整で車輌の左右、前後等の車高差を吸収させつつ、液体圧力を用いた車高調整を行うことが可能となる。
以下、本発明を実施するために好適な実施の形態を具体的に述べる。なお、図で参照する番号については、同一の構成については同一の番号を用いている。
図1に、実施例1の油圧車高調整機構1を備えたリヤサスペンションの概略図を示す。ショックアブソーバ部30とスプリング3を含むスプリング部20とが、別々に取り付けられる。スプリング部20は、車体の重量を支持する、あるいはばね下荷重を受ける等の目的で使用される。ショックアブソーバ部30は、スプリング3の上下動を早期に減衰させる目的で使用される。スプリング部20およびショックアブソーバ部30は、上端を車体14に、下端を車体可動部であるロアーアーム15に懸架されている。
ロアーアーム15は、その一端(図1における左側の端)が車体14に回転軸44aにより支持されることで、この回転軸44aを支点として矢印45a方向に揺動自在に構成されており、他端(図1における右側の端)には車軸(不図示)が回動自在に取り付けられている。スプリング部20およびショックアブソーバ部30は、ロアーアーム15を介して、車体14と車軸との間に介装される。
スプリング部20は、アジャスティングチューブ4およびシリンダ5から構成されるシリンダ部と、スプリング3とから構成される。シリンダ部は、シリンダ5が車体14側に固定され、このシリンダ5に対してアジャスティングチューブ4が摺動自在に外嵌された構造を取る。スプリング3は、アジャスティングチューブ4の外周に設けられたスプリングシート8と、ロアーアーム15との間に介装されている。
シリンダ5の車体14に固定された端部は、配管継手13、配管12を介してモータ、ポンプ、タンク等から構成される油圧源ユニットと接続されている。
シリンダ5は中空の筒からなり、アジャスティングチューブ4の底面に対向する端部の外径は、アジャスティングチューブ4の内径よりも若干小さくなっており、上記端部の外周部にはガイドブッシュ6が取り付けられてその全体の外径がアジャスティングチューブ4の内径に等しくなっている。
ダストシール10が、アジャスティングチューブ4内に外部から水・埃等の異物が混入するのを防止するため、オイルシール11が、アジャスティングチューブ4内の圧油が外部に漏れるのを防止するためにそれぞれ取り付けられている。ガイドブッシュ7がアジャスティングチューブ4の内側に固定されており、オイルシール11との間に比較的小さな油室16が設けられている。
ガイドブッシュ6および7には、図2のような割り19が設けられている。ここで言う割りとは、ガイドブッシュの側面に設けられた溝もしくは隙間をいう。このガイドブッシュ6および7の割り19を、圧油が通過する。このため、シリンダ5によって隔てられた油室9および油室16の間を、圧油が自由に移動する。
ショックアブソーバ部30は、主にアウターケース31、インナーチューブ32、およびピストンロッド46から構成されている。ショックアブソーバ部30は、そのアウターケース31の下端がロアーアーム15に回転軸44bにより支持されることで、この回転軸44bを支点として矢印45b方向に揺動自在に構成されている。スプリング部20の全長の調整やスプリング3自体の伸縮等により、車体14に対するロアーアーム15の矢印45a方向の角度が変化し、これに伴い、ロアーアーム15に対するショックアブソーバ部30の角度も矢印45b方向へ変化しようとするが、このような変化に対しても、上記のようにショックアブソーバ部30が矢印45b方向に揺動自在に構成されていることで対応可能になっている。
インナーチューブ32は、アウターケース31内を摺動自在に挿入されている。
かかる構成のうち、インナーチューブ32、およびインナーチューブの一端から上方に伸び、車体14側でゴム37およびナット38にて支持されるピストンロッド46が、実質的にショックアブソーバの機能を有する。すなわち、路面から振動を受けると、インナーチューブ32に対してピストンロッド46が上下方向に移動しようとするが、インナーチューブ32内に充填された圧油の粘性抵抗によりピストンロッド46の上記移動を静止する方向に力がはたらき、その結果、路面から受ける振動が減衰される。
アウターケース31の底面側は、配管42を介し、スプリング部20と同様に油圧源ユニットと接続されている。油圧源ユニットから圧油が供給されることで、アウターケース31とインナーチューブ32との間には、油室が形成される。
インナーチューブ32の、アウターケース31の底面と接する部分には、ガイドブッシュ33が取り付けられている。ダストシール36が、アウターケース31内に外部から水・埃等の異物が混入するのを防止するため、オイルシール35が、アウターケース31内の圧油が外部に漏れるのを防止するためにそれぞれ取り付けられている。ガイドブッシュ34がアウターケース31の内側に固定されており、オイルシール35との間に比較的小さな油室41が設けられている。
スプリング部20のシリンダ5に取り付けられたガイドブッシュ6および7と同様、ガイドブッシュ33および34には、図2のような割り19が設けられている。このガイドブッシュ33および34の割り19を、圧油が通過する。また、微小ではあるが、割り以外の箇所も通過する。このため、インナーチューブ32によって隔てられたアウターケース31内の油室間を、圧油が自由に移動する。
スプリング部20は、油圧を用いることにより車高の調整を行う。また、手動にて車高の微調整を行うことも可能である。以下、それぞれの機構について順に説明する。
まず、油圧源ユニットからの油圧を用いることによる、車高調整の機構について、図3を参照しながら説明する。
図3(a)に示されるように、ガイドブッシュ6および7の割り19を圧油が通過することより、油圧源ユニットから供給される圧油は、アジャスティングチューブ4とシリンダ5の間に形成される油室9、16および17に満たされている。油室9、16および17に圧油が満たされた状態で、更に油圧源ユニットから圧油が供給/排出されると、アジャスティングチューブ4は、上下方向に移動する。
油圧源ユニットの切換弁を開いて高圧油を供給すると、図3(b)のように、シリンダ5は油圧により上向きの力を受け、上方に移動する。シリンダ5が上方に移動することにより、油室9内の体積が増加する。シリンダ5の位置の上昇により油室16の体積は減少し、圧油が油室16から油室9へと移動する。このように、油圧源ユニットから高圧油を供給することによりシリンダ5の位置が上昇する。シリンダ5の上昇に伴い、スプリング部20全体の長さも大きくなる。ゆえに、車高が上昇する。
所望の車高が得られた時点で、油圧源ユニットの切換弁を閉じる。油圧源ユニットからの圧油の供給が止められ、油室9、16および17の圧油の総量は一定になる。油室内の圧油とシリンダ5とで圧力の均衡が取れ、油室間の圧油の移動が止まり、したがって、シリンダ5の移動も停止する。こうして、スプリング部20の位置が所望の長さに設定される。
スプリング部20の長さを小さくしたいときは、まず、油圧源ユニットの切換弁を開き、油室9内の圧油を油圧源ユニットに対して排出させる。油室9の体積の減少によりシリンダ5は下方に移動する。シリンダ5が下方に移動することにより、油室16内の体積は増加する。図3では、(b)から(a)のようにシリンダ5が移動する。こうして、シリンダ5の下降に伴い、スプリング部20の全長も小さくなる。所望の車高が得られた時点で、油圧源ユニットの切換弁を閉じる。油圧源ユニットへの圧油の排出が止められ、油室9、16および17の圧油の総量は一定になり、油室間の圧油の移動が止まる。かくして、シリンダ5の移動が停止し、スプリング部20が所望の長さに設定される。
次に、手動で車高の微調整を行う機構について説明する。
アジャスティングチューブ4の筒部の外周表面には、例えば、雄ねじが形成されている。これに対し、スプリングシート8の内周には、例えばアジャスティングチューブ4の外周に形成された雄ねじに螺合させる雌ねじが、形成されている。スプリングシート8の雌ねじを、アジャスティングチューブ4の雄ねじに螺合させ、回転させる。スプリングシート8は、アジャスティングチューブ4の雄ねじに沿って移動し、その位置が変化する。このように、手動にてスプリングシート8のアジャスティングチューブ4取り付け位置を移動させ、スプリングシート8を所望の位置にまで上下移動させることができる。
なお、図1にあるように、スプリングシート8の上端にはスプリングシートロック8´が、スプリングシート8の回転止めの目的で設けられている。このスプリングシートロック8´が、スプリングシート8の不測の回転を防ぐ。スプリングシートロック8´の内周には、例えば雌ねじが形成されており、スプリングシート8と同様にアジャスティングチューブ4の外周に形成される雄ねじに螺合させ、回転させることにより移動する。
スプリングシート8を螺合させて回転させる際、アジャスティングチューブ4は車体14およびロアーアーム15のいずれにも固定されていない。このため、スプリングシート8をアジャスティングチューブ4の雄ねじに沿って回転させようとすると、アジャスティングチューブ4がスプリングシート8と共に回転し、調整を行い難くなる。そこで、スプリングシート8がアジャスティングチューブ4上を空転しないよう、アジャスティングチューブ4に凹部18が形成されていることが好ましい。
本実施例において、凹部18により、手動で微調整を行う際のアジャスティングチューブ4およびシリンダ5の空転を防ぐことのできる仕組みについて説明するため、図4を合わせて用いる。
アジャスティングチューブ4の筒部の外周表面上に形成されている凹部18は、例えば孔、溝等である。スプリングシート8をアジャスティングチューブ4の外周に沿って回転させる際、図4(a)のように、アジャスティングチューブ4とシリンダ5とで空回りを防ぐため、アジャスティングチューブ4を支持するための道具である固定治具81を凹部18に挿入し、アジャスティングチューブ4を固定する。
固定治具81でアジャスティングチューブ4を固定させたところを真上から見たのが図4(b)である。固定治具81は、例えば図4(b)のように、その先端が円筒形状を備えている。スプリングシート固定用レンチ82は、その先端の形状が例えば鉤状をしており、その先端部分と付け根部分とで、スプリングシート8を固定する。なお、スプリングシート8側にも、スプリングシート固定用レンチ82の先端と係合する凹部が設けられている。固定治具81は、円筒形状を備えていることにより、凹部18に嵌合される。スプリングシート固定用レンチ82でスプリングシート8を回転させても、アジャスティングチューブ4は空転しない。このように、アジャスティングチューブ4の空転を防ぎ、スプリングシート8のみを回転させることができる。
ショックアブソーバ部30は、油圧源ユニットからの圧油の給排によって、油室39内の圧油の量、すなわちインナーチューブ32の位置を変える機構を備える。このことを利用し、さらに、スプリング部20を油圧にて全長を変化させた際、インナーチューブ32の上下位置も変化させ、ショックアブソーバ部30の全長を変化させることとしてもよい。
スプリング部20の油圧による車高調整に合わせ、ショックアブソーバ部30のインナーチューブ32の上下位置を変化させ、ショックアブソーバ部30の全長を変化させる動作について、図5を用いて説明する。
ガイドブッシュ33および34の割り19を圧油が通過することより、油圧源ユニットから供給される圧油は、アウターケース31とインナーチューブ32との間に形成される油室39乃至油室41に満たされる。油室39乃至油室41に圧油が満たされた状態で、更に油圧源ユニットから圧油が供給/排出されると、インナーチューブ32は、上下方向に移動する。
ショックアブソーバ部30は、図5(a)の状態であるとする。まず、スプリング部20の油圧源ユニットの切換弁を開いた後に、ショックアブソーバ部30の油圧源ユニットの切換弁を開いて高圧油を供給すると、インナーチューブ32は油圧により上向きの力を受け、上方に移動する。インナーチューブ32が上方に移動することにより、油室39内の体積が増加する。インナーチューブ32の位置の上昇により油室40の体積は減少し、油室40内の圧油は油室39へと移動する。このように、油圧源ユニットから高圧油を供給することによりインナーチューブ32の位置が上昇し、図5のショックアブソーバ部30の全長が長くなる。図5(b)は、このようにして最大のショックアブソーバ部30の長さが得られた状態を示す。
所望のスプリング部20長さ(車高)が得られた時点で、スプリング部20に圧油を供給している油圧源ユニットの切換弁を閉じる。ショックアブソーバ部30についても同様に所望の長さが得られた時点で油圧源ユニットの切換弁が閉じられ、油室全体の圧油の量は一定になる。油室内の圧油とインナーチューブ32とで圧力の均衡が取れ、油室間の圧油の移動が止まり、したがって、インナーチューブ32の移動も停止する。こうして、ショックアブソーバ部30のインナーチューブ32の上下位置が、スプリング部20の全長の変化に合わせ移動する。
スプリング部20の全長を小さくする場合について説明する。前述したスプリング部20の全長を小さくする動作により、スプリング部20の所望の長さが得られた時点で、ショックアブソーバ部30の油圧源ユニットの切換弁を開き、油室39内の圧油を油圧源ユニットに対して排出させる。インナーチューブ32に封入された不図示のガスによる圧力および微小ではあるが自重による下向きの力を受け、油室39の体積が減少することによりインナーチューブ32は下方に移動する。インナーチューブ32が下方に移動することにより、油室40内の体積は増加し、ショックアブソーバ部30のインナーチューブ32の位置が下がる。所望のショックアブソーバ部30の長さが得られると、ショックアブソーバ部30の油圧源ユニットの切換弁も閉じる。油圧源ユニットへの圧油の排出が止められ、油室39乃至油室41全体の圧油の量は一定になり、油室間の圧油の移動が止まる。かくして、インナーチューブ32の移動が停止し、スプリング部20の長さの調整に合わせて、ショックアブソーバ部30のインナーチューブ32の上下位置が移動する。
以上説明したように、本実施例に係る油圧車高調整機構においては、あらかじめスプリング3の懸架されたときの長さを、スプリングシート8を上下移動させることで決定し、車体に取り付ける。その後、運転席等の遠隔から油圧を用いてスプリング部20の全長を所望の高さに設定し、車高の調整を行うことができる。
スプリングとショックアブソーバとが別々に取り付けられて構成されるサスペンションにおいては、スプリング部で車高を調整する場合、車輌のバンプ、リバウンドストロークの割合が変化し、これは、乗り心地に影響を与える。本実施例に係る車高調整機構は、スプリング部で車高調整することができ、更にショックアブソーバ部の長さも調整することができる。このため、車高を変化させても、乗り心地と操縦安定性が確保される。
なお、本実施例においては、シリンダが車体側に、スプリングが車軸側(ロアーアーム側)に取り付けられる例について説明したが、これに限定されるものではない。シリンダを車軸側(ロアーアーム側)に、スプリングが車体側に取り付けられる車高調整装置についても、本発明の範囲内であることは言うまでもない。
同様にショックアブソーバ部はアウターケースに雌ねじ、インナーチューブに雄ねじを螺設することにより、油圧による調整と同等の効果を奏することは言うまでもない。また、本実施例においては油圧を利用した車高調整装置について説明したが、これに限られるものではない。例えば、油圧に限定されず、例えばシリコン系の液体の圧力を利用した車高調整装置が考えられる。このほか、本発明は以上の例に限定されることなく、更に種々変形して実施することができる。
本実施例は、サスペンションがショックアブソーバ部とスプリング部から構成される点においては実施例と同様である。図6に示される本実施例に係るスプリング部20は、1本のシリンダが、径の異なる2つのシリンダ部を連結して構成されている点において、実施例1と異なる。なお、本実施例においては、ショックアブソーバ部30については実施例1と同様の構成および作用を有するので、ここでは説明を割愛し、スプリング部20のみについて述べる。
以下、図6を用いて本実施例に係るスプリング部20について、図3で表される実施例1のスプリング部20と比較しながら説明する。
実施例1においては、シリンダ5の内側およびシリンダ5とアジャスティングチューブ4とで囲まれる空間(油室9、16および17)に、圧油が満たされている。これに対し、本実施例においては、シリンダ73は内径の異なる第1のシリンダ部73aおよび第2のシリンダ部73bから構成され、シリンダ73がアジャスティングチューブ4´内に摺動自在に挿入され、シリンダ73の外側とアジャスティングチューブ4´との間にのみ圧油が満たされている。
図3のように底部が閉じられた形状ではなく、本実施例においては、図6のように、アジャスティングチューブ4´の両端が開放された形状を有している。シリンダ73が、2つの径の異なるシリンダ部73aおよび73bから構成され、上下方向から筒部を嵌合されている。配管継手13はシリンダ73の筒部に設けられており、シリンダ73の内周には空洞が形成されている。シリンダ73とアジャスティングチューブ4´との間に、油室75が形成される。アジャスティングチューブ4´の下端側には、図3の上端側と同様に第2のオイルシール71および第2のダストシール72が設けられている。第2のオイルシール71および第2のダストシール72が、アジャスティングチューブ4´の下端と第2のシリンダ73bとの空隙に設けられていることで、下端からも圧油が漏れ出さない。
油圧を用いて車高を調整する機構について説明する。なお、手動にてスプリングシート8を回転させて車高を調整する機構については、実施例1と同様であるため、ここでは省略する。
図6に示されるように、ガイドブッシュ6および7の割り19を圧油が通過することより、油圧源ユニットから供給される圧油は、アジャスティングチューブ4´とシリンダ73との間に形成される油室75に満たされる。油室75に圧油が満たされた状態で、更に油圧源ユニットから圧油が供給/排出されると、シリンダ73が、上下方向に移動する。
図6(b)は、アジャスティングチューブ4´は車体14と接しており、スプリング部20の全長が最小のときの状態を表す。この状態において、圧油を油室75に供給し、図6(a)のスプリング部20の全長最大の状態に調整する。
油圧源ユニットの切換弁を開いて高圧油を供給すると、油室75の体積を増大させる方向にシリンダが移動する。すなわち、シリンダ73は油圧により上向きの力を受け、上方に移動する。シリンダ73が上方に移動することにより、油室75内の体積が増加する。このように、油圧源ユニットから高圧油を供給することによりシリンダ73の位置が上昇する。シリンダ73の上昇に伴い、スプリング部20全体の長さも大きくなる。ゆえに、車高が上昇する。
所望の車高が得られた時点で、油圧源ユニットの切換弁を閉じる。油圧源ユニットからの圧油の供給が止められ、油室75の圧油の量は一定になる。油室内の圧油とシリンダ73とで圧力の均衡が取れ、シリンダ73の移動も停止する。こうして、スプリング部20の位置が所望の長さに設定される。
スプリング部20の長さを小さくしたいときは、まず、油圧源ユニットの切換弁を開き、油室75内の圧油を油圧源ユニットに対して排出させる。油室75の体積を減少させる方向にシリンダが移動する。すなわち、シリンダ73は下方に移動する。シリンダ73が下方に移動することにより、油室75内の体積は減少する。図6では、(a)から(b)のようにシリンダ73が移動する。こうして、シリンダ73の下降に伴い、スプリング部20の全長も小さくなる。所望の車高が得られた時点で、油圧源ユニットの切換弁を閉じる。油圧源ユニットへの圧油の排出が止められ、油室75の圧油の量は一定になる。かくして、シリンダ73の移動が停止し、スプリング部20が所望の長さに設定される。
かかる構造を備えたスプリング部20により、サスペンションを車体に取り付ける際、車輛側の大きさにより、取り付けることのできるサスペンションが大きさの点において制約を受ける場合であっても、より柔軟に対応することができ汎用性が向上する。このため、車体とロアーアームのスペースが小さい場合の取り付けに対応しやすくなる。
なお、本実施例においては、シリンダが車体側に、スプリングが車軸側(ロアーアーム側)に取り付けられる例について説明したが、これに限定されるものではない。シリンダを車軸側(ロアーアーム側)に、スプリングが車体側に取り付けられる車高調整装置についても、本発明の範囲内であることは言うまでもない。
また、本実施例においては油圧を利用した車高調整装置について説明したが、これに限られるものではない。例えば、油圧に限定されず、例えばシリコン系の液体の圧力を利用した車高調整装置が考えられる。このほか、本発明は以上の例に限定されることなく、更に種々変形して実施することができる。
実施例1にかかる車高調整機構を備えたサスペンションの概略図である。 ガイドブッシュの斜視図である。 スプリング部の車高調整機構について説明する図である。 (a)はスプリングシートの回転止めについて説明する斜視図であり、(b)は、これを真上から見た図である。 ショックアブソーバ部の全長の調整について説明する図である。 実施例2にかかる車高調整機構の、スプリング部について説明する図である。 従来における車高調整機構を備えた車両におけるブレーキ液圧制御装置を示す図である。 従来における車高調整用部材を示す図である。 従来における車高調整機構を示す図である。
符号の説明
1 車高調整機構
3 スプリング
4 アジャスティングチューブ
5 シリンダ
6、7 ガイドブッシュ
8 スプリングシート
8´ スプリングシートロック
9 油室
14 車体
15 ロアーアーム(車体可動部)
16、17 油室
18 凹部
19 割り
20 スプリング部
30 ショックアブソーバ
31 アウターケース
32 インナーチューブ
33、34 ガイドブッシュ
35 オイルシール
36 ダストシール
37 ゴム
38 ナット
39、40、41 油室
42 配管
44a、44b 回転軸
46 ピストンロッド
71 第2のオイルシール
72 第2のダストシール
73 シリンダ
73a 第1のシリンダ部
73b 第2のシリンダ部
75 油室
81 固定治具
82 スプリングシート固定用レンチ

Claims (8)

  1. 車体と車軸との間にスプリング部とショックアブソーバ部とが別々に取り付けられて構成されるサスペンションの車高調整機構において、
    前記スプリング部は、
    前記車体および前記車軸のうちの一方の側に固定されたシリンダと、
    該シリンダが摺動自在に挿入され、該シリンダとの間に密閉された空間を形成するアジャスティングチューブと、
    該アジャスティングチューブの外周部に取り付けられたスプリングシートと、
    前記車体および車軸のうちの他方の側と前記スプリングシートとの間に介装されたスプリングと、
    前記アジャスティングチューブに対する前記スプリングシートの上下位置を調整可能なように前記アジャスティングチューブと前記スプリングシートとを螺合させる螺合手段とを備え、
    前記空間に対して液体の給排を行うことにより車高調整を可能にすると共に、前記螺合手段により前記アジャスティングチューブに対して前記スプリングシートを回転させることにより車高調整を可能にすることを特徴とする車高調整機構。
  2. 前記アジャスティングチューブはその一端が閉じ、かつ他端が開放され、該開放された他端から前記アジャスティングチューブ内に前記シリンダが挿入されており、前記密封された空間は前記閉じた一端を含む前記アジャスティングチューブの内壁と前記シリンダとの間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車高調整装置。
  3. 前記シリンダは、第1のシリンダ部と、該第1のシリンダ部よりも外径の小さな第2のシリンダ部とを上下に連結した構成を有し、
    前記アジャスティングチューブはその上下の両端が開放され、該開放された両端を上下に貫通して前記アジャスティングチューブ内に前記シリンダが挿入されており、前記密封された空間は、前記アジャスティングチューブの内周部と前記シリンダにおける前記第1のシリンダ部から前記第2のシリンダ部にかけての外周部との間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車高調整機構。
  4. 前記アジャスティングチューブの筒部の外周部に、前記螺合手段により車高調整を行う際に前記アジャスティングチューブが回転しないよう固定用治具で固定するための凹部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車高調整機構。
  5. 前記凹部は、溝であることを特徴とする請求項4に記載の車高調整機構。
  6. 前記凹部は、孔であることを特徴とする請求項4に記載の車高調整機構。
  7. 前記空間に対する液体の給排により車高調整を行う際、これと同時に前記ショックアブソーバ部の長さをも調整可能にすることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車高調整機構。
  8. 前記液体が圧油であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車高調整装置。

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