JP2005145066A - 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なヒートシール特性および剥離特性を有し、特に、CPET又はAPET/CPETから成るトレー、カップ等の蓋材として好適に使用できる、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】ベース層Bとヒートシール性外層Aとから成る二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、当該製造方法は、(a)押出法により少なくともベース層Bを有する未延伸シートを得る工程、(b)得られた未延伸シートを1方向に延伸する第1の延伸工程、(c)第1の延伸方向と直角方向に延伸を行う第2の延伸工程、(d)得られた2軸延伸フィルムを熱固定する工程および(e)別工程で形成したヒートシール性外層Aをベース層B上に積層する工程とから成り、上記積層工程(e)が第1の延伸工程(b)の前または第1の延伸工程(b)と第2の延伸工程(c)との間に行われる。
【選択図】なし

Description

本発明は、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に関し、詳しくは、良好なヒートシール特性および剥離特性を有し、溶媒などを使用しないインライン積層法によってヒートシール性外層をベース層上に積層する二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に関する。
欧州において、既製食品の販売量が倍増している。既製食品は、通常トレーに移され、外部環境から保護するため蓋に、トレーの縁部分にフィルムがヒートシールされ、封が行われる。こうして出来た既製食品は、電子レンジで加熱調理する場合と、電子レンジ又はオーブンで加熱調理する場合があり、後者の場合では、通常のオーブンを使用するため、220℃までの加熱に耐えられるトレー及び蓋などの包装材が要求される。
上記の電子レンジ/オーブンで加熱調理できるトレー及び蓋を構成する材料としては、上記の加熱温度に耐えられるだけの性質を有する必要があるため制限を受ける。トレー材料としては、結晶ポリエチレンテレフタレート(以下CPETと略記する場合がある)、アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート(PET)で被覆またはPETフィルムで被覆された厚紙が使用されている。CPETから成るトレーにおいて、厚いCPET層は、オーブン等で加熱した際により高温となるため、粒子などを添加して安定化させる。非晶ポリエチレンテレフタレート(以下APETと略記する場合がある)/CPETから成るトレーの場合、外部にCPET層を、内容物に触れる面にAPET層をそれぞれ配置する(図1参照)。厚みのあるCPET層は、オーブン等から熱に対するトレーの安定性に寄与し、APET層はトレーとフィルムとの間の接着を改善する。
蓋フィルム材料としては、優れた寸法安定性および220℃の温度で固体である等の理由から、通常PETが使用され、中でも諸条件を満足する二軸延伸PETフィルムが使用されている。ポリエチレンやポリプロピレン等の汎用ポリマーは融点が低いため、蓋フィルム材料として適さない。
上記の既製食品を内蔵するトレーをオーブンで加熱する前または加熱後において、蓋フィルムであるPET等のポリエステルフィルムは、容易に剥離できる必要があり、剥離の際に必要以上の応力によってフィルムに引裂きが生じてはならない。すなわち、この種の蓋フィルムは、良好なヒートシール特性と良好な剥離特性とを合わせ持つ必要がある。フィルムの剥離特性は、フィルムの材料や厚さにも影響するが、基本的にはトレーにシールされる側の蓋フィルムの表面特性に影響を受ける。
フィルムの剥離特性は、例えば図2に示すような応力テスター(例えばZwick等)を使用して、実験質的に容易に測定することが出来る。この測定では、15mm幅で50mm長のポリエステルフィルム試料を用意し、トレー部材にヒートシールする。ヒートシールされた試料のフィルム側とトレー側をそれぞれ治具で把持し、180°剥離試験を実施する。フィルムの剥離速度は200mm/分で行う。最も良好な剥離状態は、トレーから完全にフィルムが剥離する(ASTM−D 3330に準る)。
上記の剥離試験を行った場合、次の2つの事例が生じ得る。第1の事例としては、図3−(a)に示すように、剥離力(応力)が急速に上昇した後、突然剥離力が0となる場合で、応力が最大となった時に、剥離する前にフィルムの引裂きが発生する。そのため、突然剥離力が0となる。この場合、トレーからフィルムを剥離させることは出来ず、フィルムは破壊される。このような場合は、蓋フィルムがトレーに溶着している。フィルムが破断する場合、フィルムをトレーから剥離する際に、はさみやナイフ等を使用しなければ容易に蓋を開けることが出来ない。
一方、もう一つの事例は、図3−(b)に示すように、剥離力(応力)が所定値まで上昇した後、一定値となり、フィルムとトレーが分離していく場合で、この場合、フィルムの引裂きが生じず、比較的小さな剥離力でフィルムをトレーから剥離させることが出来る。
上記の剥離力は、基本的に積層フィルムのシール性外層を構成するポリマー種に因る。さらに、ヒートシール温度にも影響を受ける。すなわち、ヒートシール温度が上昇すれば、通常剥離力が増大する。図4に示すポリマー1のような場合、ヒートシール温度を高くし過ぎると剥離が困難となるため、低い温度でヒートシールを行うことにより、剥離性が良好となる。このようなヒートシール温度と剥離力との関係を有するポリマー1は、フィルムの種々の態様に対し不利となる。一方、図4に示すポリマー2のように、ヒートシール温度の上昇に伴いゆるやかに剥離力が増大する場合、広い温度範囲においてヒートシール/剥離が可能となる。通常150〜220℃、好ましくは150〜200℃、より好ましくは150〜190℃の種々のヒートシール温度において、ヒートシール特性及び剥離特性が良好であるフィルムが望まれている。
上記のヒートシール/剥離可能なポリエステルフィルムは、通常オフライン法により製造されている。すなわち、先ず、通常の方法でポリエステルフィルムを製造し、更に、オフライン法でヒートシール/剥離可能な層を塗布形成する。塗布層を形成する塗布剤は、ヒートシール/剥離層を形成するポリマーを予め有機溶媒に溶解させて調製する。塗布液は、ナイフコーター、パターンロール、ダイ等を使用して塗布され、次いで、オーブンで溶媒を蒸発させて乾燥し、ヒートシール/剥離層を形成する。
しかしながら、上記のオフライン法は、(1)塗布を行うための別な装置が必要、(2)地球環境保護の観点から、有機溶媒を回収再利用する必要がある、(3)塗布層の残存有機溶媒濃度を一定以下にするために装置の制御が複雑などの問題点を有し、コスト高となる。有機溶媒を完全に除去せず、多少残存している状態でフィルムとして使用する経済的な方法もあるが、内容物が食品である場合、食品の風味を損なったり、健康被害の観点から、食品トレー用の蓋フィルムとしては使用できない。
上記のオフライン法によって製造されたヒートシール/剥離性フィルムは、シール性外層の構成成分の違いにより、種々の剥離強度のフィルムが製造されている。一般的に、中剥離性(剥離力1〜4N/15mm幅)、中剥離性(剥離力3〜8N/15mm幅)、難剥離性(剥離力5N/15mm幅を超える)と分類される。
ヒートシール性PETフィルムの製造方法は公知である。例えば、ポリエステルから成るベース層とポリエステル組成物から成るシール性外層とから成る共押出二軸延伸ポリエステルフィルムも知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のポリエステルフィルムは、共押出法、インラインコーティング法、インライン積層法およびそれらの組合せによって製造できる。インラインコーティング法とは、シール性層を形成するポリマーの分散液または溶液を塗布する方法である。インライン積層法とは、例えば2方向の延伸の間に溶融押出により、シール性層を積層する方法である。
上記のシール性外層は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオール各単位から成り、ポリエステルA及びポリエステルBの混合物から成る。少なくともポリエステルBは脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジオール各単位を有する。シール特性は、上記フィルムのシール性外層同士をシールした場合(フィンシーリング)、400gforce・cm/15mm幅(4N・cm/15mm幅)を超える。シール性外層は、それを構成するポリエステルに不要な無機粒子を0.1〜5重量%含有する。この種のフィルムでは、最大0.3重量%の添加量で有機粒子を含有する。この種のフィルムのフィルム同士のヒートシール/剥離特性は良好であるが、APET/CPET又はCPETから成るトレーに対する剥離特性は不明である。さらに、この種のフィルムでは、原料が付着しやすいため、製造・加工特性を改良する必要がある。
さらに、インラインコーティング法により、ポリエステルフィルムにヒートシール/剥離性層を形成したヒートシール/剥離性フィルムも知られている(例えば、特許文献3参照)。製造過程において、少量の有機溶媒を使用する。ヒートシール/剥離性層を構成する共重合ポリエステルは、a)40〜90モル%の芳香族ジカルボン酸単位、b)10〜60モル%の脂肪族ジカルボン酸単位、c)0.1〜10モル%の酸性基またはその塩基を有するジカルボン酸単位、d)40〜90モル%の炭素数2〜12のグリコール単位、e)10〜60モル%のポリアルキルジオール単位とから成る。インラインコーティング法による塗布は、水または有機溶媒を10重量%以下含有する塗布液を使用して行われる。この場合、塗布液として使用できるポリマーや、ヒートシール/剥離が可能な塗布層の厚みが制限される。ヒートシール/剥離が可能な塗布層の厚みの最大値は0.5μmであり、最大のシールシーム強度は500〜600g/25mm((500〜600)/170(N/15mm幅))と低い。
さらに、インラインコーティング法により、ポリエステルフィルムにヒートシール/剥離性層を形成したヒートシール/剥離性フィルムの製造方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。この方法では、好ましくは長手方向延伸フィルムに対し、溶融塗布によりヒートシール/剥離性層を形成する。ヒートシール/剥離性層を構成するポリマーは、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族グリコール各単位を有する共重合ポリエステルから成り、そのガラス転移温度は−10℃未満である。そのため、ヒートシール/剥離性層が柔らか過ぎて、通常の延伸ロールを使用した延伸方法ではロールに付着するために延伸できない。ヒートシール/剥離性層の厚さは8μm未満である。溶融塗布による方法は溶融体の粘度に制限がある。そのため、溶融粘度が極めて低く(50Pa*秒以下)低分子の流動ポリマーでなければ使用できず、剥離特性に影響を及ぼす。さらに、溶融塗布は塗布速度に限界があり、生産性が悪い。また、フィルムの光学特性も悪く、塗布縞が視認される。さらに、均一な厚さの塗布層を形成することが出来ないため、ヒートシール/剥離性の信頼性に欠ける。
欧州特許出願公開第0379190号明細書 国際公開第96/19333号パンフレット 国際公開第02/59186号パンフレット
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、良好なヒートシール特性および剥離特性を有し、特に、CPET又はAPET/CPETから成るトレー、カップ等の蓋材として好適に使用できる、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法を提供することである。本製造方法において、上記のような食品などを内容物とするトレー、カップ等に使用するため、毒性や環境汚染の問題となる有機溶媒の使用を廃止した方法である。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定のポリエステルから成るヒートシール性外層をベース層に積層するに当り、特定の時期に、別工程で形成したヒートシール性外層Aをベース層B上に積層することにより、上記目的が達成できるとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、その第1の要旨は、ベース層Bとヒートシール性外層Aとから成る二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、ヒートシール性外層Aは60〜99重量%のポリエステル(a)から成り且つポリエステルに対しヒートシール及び剥離が可能であり、上記ポリエステル(a)は12〜89モル%の1つ以上の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位と11〜88モル%の1つ以上の脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位とをジカルボン酸単位として有するポリエステルであり、上記製造方法は、(a)押出法により少なくともベース層Bを有する未延伸シートを得る工程、(b)得られた未延伸シートを1方向に延伸する第1の延伸工程、(c)第1の延伸方向と直角方向に延伸を行う第2の延伸工程、(d)得られた2軸延伸フィルムを熱固定する工程および(e)別工程で形成したヒートシール性外層Aをベース層B上に積層する工程とから成り、上記積層工程(e)が第1の延伸工程(b)の前または第1の延伸工程(b)と第2の延伸工程(c)との間に行われることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に存する。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法は、インライン積層法によってヒートシール性外層をベース層上に積層するため、溶媒などを使用することなく、CPET又はAPET/CPETに対し良好なヒートシール特性および離特性を有し、CPET又はAPET/CPETから成るトレー用蓋材を製造するのに好適に使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の製造方法は(a)押出法により少なくともベース層Bを有する未延伸シートを得る工程、(b)得られた未延伸シートを1方向に延伸する第1の延伸工程、(c)第1の延伸方向と直角方向に延伸を行う第2の延伸工程、(d)得られた2軸延伸フィルムを熱固定する工程および(e)別工程で形成したヒートシール性外層Aをベース層B上に積層する工程とから成り、上記積層工程(e)が第1の延伸工程(b)の前または第1の延伸工程(b)と第2の延伸工程(c)との間に行われることを特徴とする。先ず、本発明の製造方法により製造されるフィルムについて説明する。
本発明の製造方法により製造される二軸延伸ポリエステルフィルムは、基本的にベース層Bとヒートシール性外層Aとの2層から成るが、他の外層Cを積層したABC構造を有することが特に好ましい。また、中間層Dをベース層Bと外層A及び/又は外層Cとの間に共押出法などにより設けた4層または5層構造を有していてもよい。
ベース層Bは、通常80重量%以上、好ましくは90重量%以上の熱可塑性ポリエステルから成る。熱可塑性ポリエステルとしては、エチレングリコールとテレフタル酸から製造されるポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレングリコールとナフタレン−2,6−ジカルボン酸から製造されるポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンとテレフタル酸から製造されるポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(PCDT)、エチレングリコールとナフタレン−2,6−ジカルボン酸とビフェニル−4,4’−ジカルボン酸から製造されるポリ(エチレン2,6−ナフタレートビベンゾエート)(PENBB)が例示される。中でも、エチレングリコールとテレフタル酸から成るエチレンテレフタレート単位および/またはエチレングリコールとナフタレン−2,6−ジカルボン酸から成るエチレン−2,6−ナフタレート単位を含有することが好ましく、これらの単位を90%以上、好ましくは95%以上含有するポリエステルが好ましい。
上記のモノマー以外の残余のモノマー単位は、他のジオール及び/又はジカルボン酸から誘導されたモノマーである。
共重合ジオールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、HO−(CH−OHの式で示される脂肪族グリコール(nは3〜6の整数を表す、具体的には、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる)、炭素数6までの分岐型脂肪族グリコール、HO−C−X−C−OHで示される芳香族ジオール(式中Xは−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−O−、−S−、−SO−を表す)、式:HO−C−C−OHで表されるビスフェノールが好ましい。
共重合ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸の好ましい例としては、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレン−1,4−又は−1,6−ジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸などのビフェニル−x,x’−ジカルボン酸、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジカルボン酸などのジフェニルアセチレン−x,x−ジカルボン酸、スチルベン−x,x−ジカルボン酸などが挙げられる。
脂環式ジカルボン酸の好ましい例としては、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸などのシクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸の好ましい例としては、C−C19のアルカンジカルボン酸が挙げられ、当該アルカンは直鎖状であっても分岐状であってもよい。
ベース層Bに共重合体を使用する場合は、テレフタル酸エステル単位に少量、好ましくは5モル%未満のイソフタル酸エステル単位を有する共重合体またはテレフタル酸エステル単位に少量、好ましくは5モル%未満のナフタレン−2,6−ジカルボン酸エステル単位を有する共重合体を使用することが、生産性や光学的特性が優れるために好ましい。特に、ベース層Bが、テレフタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコール単位から成る共重合ポリエステル及び/又はテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸およびエチレングリコール単位から成る共重合ポリエステルから成ることが好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコール単位から成る共重合ポリエステルから成ることが特に好ましい。
上記のポリエステルは、通常エステル交換反応により製造される。その出発原料は、ジカルボン酸エステルとジオール及び亜鉛塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム、マンガン塩などの公知のエステル交換反応用触媒である。生成した中間体は、更に、三酸化アンチモンやチタニウム塩などの重縮合触媒の存在下で重縮合に供される。また、ポリエステルの製造は、出発原料のジカルボン酸とジオールに重縮合触媒を存在させて直接または連続的にエステル化反応を行う方法であってもよい。
フィルムに白色性を付与する場合、ベース層Bおよび/または他の追加された層に、白色顔料および必要に応じて光沢剤を含有させる。
白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化ケイ素などが例示され、中でも二酸化チタン及び硫酸バリウムが好ましい。
二酸化チタンとしてはルチル型とアナターゼ型があり、ルチル型二酸化チタンが好ましい。特にルチル型二酸化チタンが95重量%以上含有されている二酸化チタンが好ましい。二酸化チタンは公知の方法(例えば、塩化物と硫酸塩から)により製造されたものが使用できる。白色顔料の添加量は、ベース層Bの重量を基準として、通常3〜20重量%、好ましくは4〜18重量%、より好ましくは5〜16重量%である。白色顔料の粒径は、通常0.1〜0.3μmである。
白色顔料として硫酸バリウムを使用することも好ましい。硫酸バリウムの含有量は、通常0.1〜25重量%、好ましくは0.2〜23重量%、より好ましくは0.3〜22重量%である。硫酸バリウムの平均粒径は、通常のものよりも小さいのが好ましく、通常0.1〜5μm、好ましくは0.2〜3μmである。硫酸バリウムの密度は通常4〜5g/cmである。硫酸バリウムは、フィルム製造工程において、マスターバッチ法により直接添加されるのが好ましい。
硫酸バリウムとしては、沈殿法による硫酸バリウムが好ましい。沈殿法による硫酸バリウムは、無色の微粒子であり、バリウム塩と硫酸塩または硫酸から得られ、得られた微粒子の平均粒径は反応条件により制御できる。沈殿法による硫酸バリウムの製造方法は、クンストストッフ−ジャーナル(Kunststoff−Journal)第8巻、No.10、第30−36頁、又はNo.11、第26−31頁に記載されている。
白色度を更に高めるために、結晶性熱可塑性樹脂に、白色顔料に加えて光沢剤を含有させることが好ましい。光沢剤の含有量は、ベース層Bに対し、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.002〜3重量%、より好ましくは0.005〜2.5重量%である。蛍光増白剤は、フィルム製造工程において、マスターバッチ法により直接添加されるのが好ましい。
蛍光増白剤としては、360〜380nmの紫外線領域の光を吸収し、この波長より長い波長の光、すなわち、青−紫の可視光線を放出するのが好ましい。蛍光増白剤としては、ベンズオキサゾール類、トリアジン類、フェニルクマリン類およびビスステアリルビフェニル類が例示され、好ましくはフェニルクマリン類、特に好ましくはトリアジンフェニルクマリンが好ましく、ティノパール(Tinopal、登録商標)(チバ−ガイギ(Ciba−Geigy)社製)Basle、スイス)、ホスタルックスKS(Hostalux、登録商標)(クラリアント(Clariant)社製、ドイツ)、イーストオブライトOB−1(Eastobrite、登録商標)(イーストマン(Eastman社製))が市販品として入手できる。
蛍光増白剤と供に、結晶性熱可塑性樹脂に可溶な青色染料を含有させることが好ましい。青色染料としては、コバルトブルー、ウルトラマリンブルー、アントラキノン系染料、スーダンブルー2(Sudan Blue 2、BASF社製、ルードヴィッヒシャッフェン、ドイツ))等が挙げられ、スーダンブルー2が特に好ましい。青色染料の含有量は、結晶性熱可塑性樹脂の重量を基準として通常10〜10000ppm、好ましくは20〜5000ppmより好ましくは50〜1000ppmである。
本発明において、二酸化チタン又は硫酸バリウム、必要に応じて光沢剤、青色染料を予め所定量を計量し、熱可塑性樹脂、例えばベース層B用熱可塑性樹脂にマスターバッチ法により添加され、固体キャリアー材料中に充分に分散させることが好ましい。固体キャリアとしては、例えばポリエチレンテレフタレート等の使用する熱可塑性樹脂自身、または熱可塑性樹脂に充分相溶する他のポリマーである。マスターバッチの粒径および嵩密度は、熱可塑性樹脂の粒径および嵩密度と同じであることが好ましく、それにより、均一に上記の添加剤が分散し、均一な白色度および不透明性が達成できる。
ベース層B上に積層されるヒートシール性外層Aは、CPET又はCPET/APETにヒートシールした後にこれらから剥離させることが出来る特性を有する。ヒートシール性外層Aは、60〜99重量%のポリエステル(a)から成る。
ヒートシール性外層Aを構成するポリエステル(a)は、12〜89モル%、好ましくは30〜84モル%、より好ましくは40〜82モル%の1つ以上の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位と11〜88モル%、好ましくは16〜70モル%、より好ましくは18〜60モル%の1つ以上の脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位とから成り、対応するジオール単位は脂肪族ジオールであることが好ましい。上記のジカルボン酸単位および好ましくは脂肪族ジオール単位を有しているのであれば、ポリエステル(a)は、共重合ポリエステル、ホモポリエステルと共重合ポリエステルの混合物、異なる2種以上の共重合ポリエステルの混合物の何れであってもよい。
ポリエステル(a)を構成する芳香族ジカルボン酸単位としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸などが例示され、好ましくはテレフタル酸およびイソフタル酸であり、これらは2種以上組合せて使用してもよい。ポリエステル(a)を構成する脂肪族ジカルボン酸としては、琥珀酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタール酸およびアジピン酸が例示され、好ましくはアゼライン酸、セバシン酸およびアジピン酸であり、これらは2種以上組合せて使用してもよい。ポリエステル(a)を構成する脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール(ブチレングリコール)、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが例示され、好ましくはエチレングリコール、ブチレングリコール及びネオペンチルグリコールであり、これらは2種以上組合せて使用してもよい。
好ましい態様として、ポリエステル(a)のジカルボン酸エステル単位が、12〜89モル%、好ましくは25〜79モル%、より好ましくは30〜72モル%のテレフタル酸エステル単位と、0〜25モル%、好ましくは5〜20モル%、より好ましくは10〜20モル%のイソフタル酸エステル単位と、11〜88モル%、好ましくは16〜70モル%、より好ましくは17〜58モル%のアゼライン酸エステル単位と、0〜50モル%、好ましくは0〜40モル%、より好ましくは0.2〜30モル%のセバシン酸エステル単位と、0〜50モル%、好ましくは0〜40モル%、より好ましくは0〜30モル%のアジピン酸エステル単位とから成り、ポリエステル(a)のアルキレン単位は30モル%を超える、好ましくは40モル%を超える、より好ましくは50モル%を超えるエチレン及び/又はブチレン単位から成る。
ポリエステル(a)はポリエステル(a−1)とポリエステル(a−2)の2種から成ることが好ましい。ポリエステル(a−1)としては、1つ以上の芳香族ジカルボン酸エステル単位と1つ以上の脂肪族アルキレン単位とから成り、ヒートシール性外層A中のポリエステル(a−1)の含有量は、通常0〜50重量%、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
ポリエステル(a−1)は、通常70〜100モル%、好ましくは72〜95モル%、より好ましくは74〜93モル%のテレフタル酸エステル単位と、通常0〜30モル%、好ましくは5〜28モル%、より好ましくは7〜26モル%のイソフタル酸エステル単位と、通常50モル%を超え、好ましくは65モル%を超え、より好ましくは80モル%を超えるエチレン単位とから成る。残余の構成成分としては、ベース層Bのポリエステルにおいて例示した他の芳香族ジカルボン酸成分および脂肪族ジオール成分が使用できる。
好ましい態様として、ポリエステル(a−1)は、テレフタル酸エステル単位、イソフタル酸エステル単位およびエチレン単位とから成る共重合ポリエステルと、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ホモポリエステルとの混合物から成る。特に好ましい態様としては、ポリエステル(a−1)が74〜88モル%のテレフタル酸エステル単位、12〜26モル%のイソフタル酸エステル単位および100モル%のエチレン単位から成る。すなわちポリエチレンテレフタレート/イソフタレートから成ることが特に好ましい。
ポリエステル(a−1)のガラス転移温度は、通常50℃以上、好ましくは55℃以上、より好ましくは60℃以上である。ポリエステル(a−1)のガラス転移温度が50℃未満の場合、ロールなどの製造装置にフィルムのヒートシール性外層A側が付着しやすくなり、フィルムの破断が起きやすく、製造安定性に劣る場合がある。特に長手方向延伸においてそれが顕著となり、破断したフィルムがロールに巻付いて装置の破損を招くことがある。また、押出においてポリエステルが金属壁に付着すると、ブロッキングが起こる。
ヒートシール性外層A中のポリエステル(a−2)の含有量は、通常50〜100重量%、好ましくは55〜95重量%、より好ましくは60〜90重量%である。
ポリエステル(a−2)としては、1つ以上の芳香族ジカルボン酸エステル単位と1つ以上の脂肪族ジカルボン酸エステル単位と1つ以上の脂肪族アルキレン単位とから成る共重合ポリエステルであることが好ましい。脂肪族ジカルボン酸エステル単位の含有量は、通常20〜90モル%、好ましくは30〜70モル%、より好ましくは35〜60モル%である。残余のジカルボン酸エステル単位は芳香族ジカルボン酸エステル単位であり、好ましくはテレフタル酸エステル単位および/またはイソフタル酸エステル単位である。芳香族ジカルボン酸エステル単位が10モル%以上存在することにより、共押出や長手方向延伸の際の装置への付着が低減する効果がある。脂肪族アルキレン単位および残余のアルキレン単位としては、ベース層Bのポリエステルの説明で例示したものが使用できる。
好ましい態様として、ポリエステル(a−2)は、通常20〜90モル%、好ましくは30〜65モル%、より好ましくは35〜60モル%のアゼライン酸エステル単位と、通常0〜50モル%、好ましくは0〜45モル%、より好ましくは0〜40モル%のセバシン酸エステル単位と、通常0〜50モル%、好ましくは0〜45モル%、より好ましくは0〜40モル%のアジピン酸エステル単位と、通常10〜80モル%、好ましくは20〜70モル%、より好ましくは30〜60モル%のテレフタル酸エステル単位と、通常0〜30モル%、好ましくは3〜25モル%、より好ましくは5〜20モル%のイソフタル酸エステル単位と、通常30モル%を超え、好ましくは40モル%を超え、より好ましくは50モル%を超えるエチレンまたはブチレン単位とから成る。残余の構成成分としては、ベース層Bのポリエステルにおいて例示した他の芳香族ジカルボン酸成分および脂肪族ジオール成分が使用できる。また、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸も使用できる。
ポリエステル(a−2)のガラス転移温度は、通常20℃以下、好ましくは15℃以下、より好ましくは10℃以下である。ポリエステル(a−2)のガラス転移温度が20℃を超える場合、CPETから成るトレーにヒートシールした後にフィルムを剥離させる際、フィルムが引裂かれやすくなり、剥離可能な状態とならない場合がある。
ポリエステル(a)がポリエステル(a−1)とポリエステル(a−2)の2種から成ることにより、1種のポリエステルから成る場合と比較して、(1)ガラス転移温度が高いポリエステル(a−1)とガラス転移温度が低いポリエステル(a−2)とを混合することにより、両者の混合で得られるガラス転移温度と同じ1種のポリエステルと比較して装置への付着性を低減でき、押出およびフィルムの製造が容易となる、(2)原料共重合ポリエステルにおいて、モノマーの組合せの制約が無く、種々のモノマーの組合せが可能で、製造が容易となる、(3)ヒートシール性外層Aをヒートシールした後に剥離させる際の剥離特性が、1種のポリエステルから成る場合と比較して良好である、(4)ポリエステル(a−1)に容易に粒子を含有させることが出来る等の利点を有する。
ヒートシール性外層Aは、通常2〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは7〜20重量%のポリエステルに非相溶なポリマー(アンチPETポリマー)を含有させることが好ましい。ポリエステルに非相溶なポリマーの含有量が2重量%未満の場合、トレーからの剥離特性の改良効果が得られず、剥離の際にフィルムの引裂きが生じることがある。特に、シール温度が160℃を超えるような高温の場合、ポリエステルに非相溶なポリマーの添加効果が顕著となり、引裂き等を生じることなくトレーからフィルムを剥離させることが出来る。ポリエステルに非相溶なポリマーの含有量が30重量%を超えるとフィルムの不透明度が高くなる。
ポリエステルに非相溶なポリマーとしては、エチレン、プロピレン、シクロオレフィン、アミド及びスチレンから選択される1つ以上の構成単位から成る。具体的には、LLDPE及びHDPE等のエチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、アミド系ポリマー、スチレン系ポリマー等が例示され、共重合体であることが好ましい。当該共重合体としては、C2/C3及びC2/C3/C4等のエチレン系共重合体、C2/C3及びC2/C3/C4等のプロピレン系共重合体、C2/C4、C3/C4及びC2/C3/C4等のブチレン系共重合体、ノルボルネン/エチレン及びテトラシクロドデセン/エチレン等のシクロオレフィン系共重合体などが例示される。特に好ましいポリエステルに対し非相溶のポリマー(b)としては、シクロオレフィン系共重合体であり、例えば、欧州特許出願公開第1068949号明細書および特開平5−9319号公報に記載のシクロオレフィン系共重合体が使用できる。
上記シクロオレフィン系共重合体としては、ノルボルネン構造を有する多環オレフィンを重合させた共重合体が好ましく、中でもノルボルネン及びテトラシクロドデセンの共重合体が好ましく、エチレン等の非環式モノマーとの共重合体が好ましい。特に好ましい態様としては、ノルボルネン/エチレン及びテトラシクロドデセン/エチレン共重合体であり、エチレン単位の含有量が、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜60重量%である。
シクロオレフィン系重合体のガラス転移温度は、通常−20〜400℃と幅広いが、剥離性を向上させるためには、シクロオレフィン系共重合体のガラス転移温度が、通常160℃未満、好ましくは120℃未満、より好ましくは80℃未満である。シクロオレフィン系共重合体のガラス転移温度が80℃未満となると、気泡が発生しなくなるため、光学的な観点(低不透明度)からは80℃以上であることが好ましい。シクロオレフィン系共重合体のガラス転移温度の下限は、通常50℃より高く、好ましくは55℃より高く、より好ましくは60℃より高い。DIN53728に準じデカリン中135℃で測定した粘度数は、通常0.1〜200ml/g、好ましくは50〜150ml/gである。
シクロオレフィン系共重合体は種々に文献に記載されている単一または複合触媒によって製造できる。混合触媒系としては、チタン化合物および/またはバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物を併用した触媒が東ドイツ特許出願公開第DD109224号明細書、東ドイツ特許出願公開第DD237070号明細書および欧州特許出願公開第0156464号明細書に記載されている。
さらに、欧州特許出願公開第0283164号明細書、欧州特許出願公開第0407870号明細書、欧州特許出願公開第0485893号明細書および欧州特許出願公開第0503422号明細書には、可溶性メタロセン錯体を使用したシクロオレフィン系共重合体およびその製造が記載されている。シクロオレフィン系共重合体の市販品としては、Topas(登録商標、Ticona社製、フランクフルト)が例示される。
フィルムの取扱い性(耐ブロッキング性)およびトレーからの剥離性を向上させるため、ヒートシール性外層Aは、無機および/または有機粒子粒子(耐ブロッキング剤)を含有させることが好ましい。
粒子は、2種以上組合せて使用してもよく、また、同じ種類で粒径や粒径分布が異なる2種以上を組合せて使用してもよい。粒子(顔料も含む)としては、無機および/または有機粒子が好ましく、具体的には、炭酸カルシウム、非晶シリカ、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、LiF、ジカルボン酸のカルシウム、バリウム、亜鉛またはマンガン塩、カーボンブラック、二酸化チタン、カオリン、架橋ポリスチレン粒子、架橋アクリレート粒子などが例示される。これらの粒子は、重縮合中のグリコール分散系または押出し中マスターバッチを介して個々の層に所定量添加することも出来る。
上記の粒子の中でも合成非晶シリカ粒子(コロイド状シリカ粒子)が好ましい。コロイド状非晶シリカ粒子はポリマーマトリックス中に良好に分散し、気泡が出来にくい利点がある。
合成シリカ粒子(公知のシリカゲルを含む)は、通常、反応条件を制御しながら、硫酸とナトリウムシリケートを混合することによってハイドロゾルの形態で得ることができる。最終的に、透明な塊状のハイドロゲルとなる。複生成物の硫酸ナトリウムを水洗にて除去し、乾燥した後加工する。得られたシリカゲルの重要な物性値としては、孔体積、孔径および表面積であり、これらは水洗に於けるpHや乾燥条件によって調製される。本発明で規定されるメジアン粒径d50及びSPAN98法で表される粒径分布を有する合成シリカ粒子を得るためには、シリカゲルを機械的または流体力学的に粉砕して調製することが好ましい。なお、合成シリカ粒子は、Grace社(米国)、Fuji社(日本)、Degussa社(ドイツ)およびIneos社(英国)より入手することが出来る。
目的とする剥離特性を達成するための添加粒子の添加量は、通常1〜10重量%、好ましくは2.5〜10重量%、より好ましくは4〜10重量%である。粒子の添加量が1重量%未満の場合、剥離特性において粒子を添加した効果が認められない。一方、10重量%を超える場合、フィルムの不透明性が低下する。
添加粒子の平均粒径d50は。通常2〜8μm、好ましくは2.5〜7μm、より好ましくは3〜6μmである。粒子の平均粒径d50が2μ未満の場合、フィルムをトレーから剥離する際の粒子を添加した効果が認められない。一方、粒子の平均粒径d50が8μmを超える場合、押出機に供給する際の不純物を取除くフィルターが目詰まりする問題が生じる。
ヒートシール性外層Aに添加する粒子の粒径d50/ヒートシール性外層Aの厚さdの比は、通常1.1以上、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.5以上である。上記の範囲内において、トレーからのフィルムの剥離特性が向上する。
ヒートシール性外層Aに添加する粒子のSPAN98法で規定される粒径分布は、通常2.0以下、好ましくは1.9以下、より好ましくは1.8以下である。SPAN98法で規定される粒径分布が2.0を超える粒子を使用した場合、フィルムの光学特性およびシール特性が悪化する。
ヒートシール性外層Aの表面粗度Raは、通常60nmより大きく、好ましくは80nmより大きく、より好ましくは100より大きい。表面粗度Raの上限は、通常400nm、好ましくは350nm、より好ましくは300nmである。表面粗度Raは、粒子の種類、粒径、濃度およびヒートシール性外層Aの厚さによって調節することが出来る。
ヒートシール性外層Aは、後述するように、A層とA’層から形成されていてもよい。この場合、A’層(ベース層Bと非接触側)はシール性および剥離性を有する適切な厚さを有する層であり、A層(ベース層Bと接触する層)はベース層Bを構成するポリエステル又はヒートシール性外層Aを構成するポリエステル(a−1)から成ることが好ましい。このような構成により、ヒートシール性外層Aとベース層Bとの接着性が良好になる。
本発明の製造方法で得られる二軸延伸ポリエステルフィルムは、製造・加工特性を改良するために、ヒートシール性外層A以外にも粒子を含有させることが好ましい。フィルムがベース層Bとヒートシール性外層AとのAB構造を有する場合、ベース層Bに粒子を添加し、他の外層Cを積層したABC構造を有する場合、巻き取り特性を向上させるために、非シール性外層Cに粒子(耐ブロッキング剤)を添加することが好ましい。非シール性外層Cの添加粒子は以下の特性を有することが好ましい。
(1)粒子のメジアン粒径d50は、通常1.5〜6μm、好ましくは2〜5μm、より好ましくは2.5〜4μmである。(2)粒子のSPAN98法で規定される粒径分布は、通常2.0以下、好ましくは1.9以下、より好ましくは1.8以下である。(3)粒子の含有量は、含有される層を基準として、通常0.1〜0.5重量%、好ましくは0.12〜0.4重量%、より好ましくは0.15〜0.3重量%である。
ABC構造を有するフィルムにおいて、優れた光学特性、シール特性および剥離特性を達成するために、ベース層Bの粒子の含有量がヒートシール性外層Aの粒子の含有量より小さいことが好ましい。この場合、ベース層Bの粒子の含有量は、通常2.0重量%以下、好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下である。ベース層Bに含有される粒子は、フィルム端材などの再生品を使用した際に、再生品から由来する粒子のみから成ることが好ましく、この場合、不透明性などの光学特性が良好となる。
非シール性外層Cは、フィルムのグロスを増加させ、フィルムが白色フィルムの場合、白色ベース層Bに含有される粒子の摩耗を防ぐ。ABC構造を有するフィルムのC側表面のグロス(入射角を20°とし、ASTM−D 523−78及びISO 2813を参照し、DIN 67530に準じて測定)は、通常100を超え、好ましくは110を超え、より好ましくは120を超える。この様なフィルムは、更なる機能性層の塗布、印刷、メタル化などの処理に好適である。本発明の製造方法で得られるフィルムの透明度は高く(低不透明度)、通常20%未満、好ましくは16%未満、より好ましくは12%未満である。
ヒートシール性外層A、ベース層B及び他の外層Cには、ポリエステルフィルムの分野で使用される耐紫外線、耐加水分解などの安定剤、難燃剤、充填剤などの公知の添加剤を含有させてもよい。ヒートシール性外層A中の添加剤の含有量は10重量%以下である。これらの添加剤は、ポリマーまたはポリマー混合物を溶融させる前に添加することが好ましい。
本発明の共押出透明二軸延伸ポリエステルフィルムは、基本的にベース層Bとヒートシール性外層Aとの2層を共押出して成るが、他の外層Cを積層したABC構造を有することが特に好ましい。また、中間層Dをベース層Bと外層A及び/又は外層Cとの間に設けた4層または5層構造を有していてもよい。中間層はベース層の説明において記載したポリマーから成り、ベース層と同じポリマーからなることが好ましい。中間層も、ベース層Bで説明した添加剤を含有してもよい。中間層の厚さは、通常0.3μmを超え、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1.0〜10μm、特に好ましくは1.0〜5μmである。
ヒートシール性外層Aの厚さdは1.0〜7.0μm、好ましくは1.3〜6.5μm、より好ましくは1.6〜6.0μmである。ヒートシール性外層Aの厚さdが7.0μmを超える場合、剥離力Fが増大し、本願発明の好ましい範囲を超え、剥離特性が悪化する。ヒートシール性外層Aの厚さdが0.8μm未満の場合、剥離特性が悪化する。
非シール性層である他の外層Cの厚さはヒートシール性外層Aの厚さと同じであっても異なっていてもよく、通常0.5〜5μmである。
本発明のポリエステルフィルムの厚さは、広い範囲をとることができ、通常3〜200μm、好ましくは4〜150μm、より好ましくは5〜100μmである。ベース層Bの厚さがポリエステルフィルム全体の厚さの45〜97%を占めることが好ましい。
次いで、本発明のポリエステルフィルムの製造方法を説明する。本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、(a)押出法により少なくともベース層Bを有する未延伸シートを得る工程、(b)得られた未延伸シートを1方向に延伸する第1の延伸工程、(c)第1の延伸方向と直角方向に延伸を行う第2の延伸工程、(d)得られた2軸延伸フィルムを熱固定する工程および(e)別工程で形成したヒートシール性外層Aをベース層B上に積層する工程とから成り、上記積層工程(e)が第1の延伸工程(b)の前または第1の延伸工程(b)と第2の延伸工程(c)との間に行われる。
ヒートシール性外層Aのポリエステル(a)は上述のようにポリエステル(a−1)とポリエステル(a−2)との混合物であることが好ましく、必要に応じて、ポリエステルに非相溶なポリマー(アンチPETポリマー)、粒子をマスターバッチ法で添加してもよい。共押出装置としては公知の装置が使用でき、脱気装置を有する二軸押出機を使用することが好ましい。押出は、通常200〜260℃で行われる。
乾燥処理における異種成分の付着、混合および均一化ならびに低劣化などの工程における観点から、ヒートシール性外層Aの押出は、脱気装置を有する二軸押出機で行うことが好ましい。
ヒートシール性外層Aを形成する溶融体は、スロットダイ(製膜プロセス)を介して平坦フィルムに成形され、又はラウンドダイ(ブロー成形プロセス)を介してチューブ状に成形される。製膜プロセスを採用する場合、溶融フィルム(シート)を引取り、冷却ロール及び他のロールにより冷却固化を行う。ブロー成形プロセスを採用する場合、チューブ状フィルムを公知の方法で膨張させた後、冷風により冷却固化を行う。得られたヒートシール性外層Aのフィルムは通常の方法により巻取られる(例えば、Hensen、Knappe、Potenteらによる「Kunststoffextrusion−technik II、Extrusionsanlagen(ポリマー押出技術 II、押出プラント)」、(Carl Hanser Verlag ISBN 3−446−14340−8)に開示されている。
別の巻取り機を使用し、上記の巻取られたヒートシール性外層Aフィルムを取り出し、二軸延伸工程における積層ユニットに供給する(図6を参照)。2つ以上のロールを使用して、ベース層Bフィルム上にヒートシール性外層Aフィルムを加圧下でインライン積層する。ヒートシール性外層Aフィルムは、引き続いて行われる延伸工程、好ましくは横延伸工程において、ベース層Bに溶着される。横延伸工程は、通常テンターフレームを使用して行われ、延伸雰囲気温度で、線圧20〜60N/cmで行われる。
ヒートシール性外層Aの積層後の厚さは、第2の延伸(横延伸)後の厚さdに対し、通常3〜5倍、好ましくは4倍とする。通常、ヒートシール性外層Aの積層後の厚さは4〜28μmであり、第2の延伸(横延伸)後の厚さdは、通常1〜7μmとなる。また、積層前の厚さが15μm未満であれば、ヒートシール性外層Aフィルムを2層以上から構成することが出来る。ヒートシール性外層AフィルムがA層とA’層から形成されている場合、A’層(ベース層Bと非接触側)はシール性および剥離性を有する適切な厚さを有する層であり、A層(ベース層Bと接触する層)はベース層Bを構成するポリエステル又はヒートシール性外層Aを構成するポリエステル(a−1)から成ることが好ましい。このような構成により、ヒートシール性外層Aとベース層Bとの接着性が良好になる。
ヒートシール性外層Aとベース層Bとの接着性を向上させるために、第2の延伸(横延伸)の上手側で予備加熱を行ってもよい。
ベース層Bの形成について説明する。それぞれの押出し機に、ベース層B、他の外層C、中間層などの各層のポリマー又はポリマー混合物をそれぞれ供給する。各溶融体は多層ダイを介して各層の溶融フラットシートを積層し、冷却ロール及びその他のロールを使用して冷却固化して多層シートを得る。
次いで、得られた多層シートを二軸延伸する。通常、二軸延伸は連続的に行われる。このため、初めに第1の延伸(長手方向)に延伸し、次いで第2の延伸(第1の延伸方向と直角方向の延伸、通常横方向)に延伸するのが好ましい。これにより分子鎖が配向する。また、同時延伸も可能ではあるが、逐次延伸が好ましい。通常、長手方向の延伸は、延伸比に対応する異なる回転速度を有する複数のロールを使用して行われ、横手方向の延伸はテンターフレームを使用し、フィルムの両端を把持して行われる。
延伸時の温度は、所望とするポリエステルフィルムの物性によって決定され、広い範囲で選択できる。長手方向の延伸は、60〜130℃の温度(加熱温度)、2.0〜5.5、好ましくは2.3〜5.0の延伸比で行い、横方向の延伸は、90〜140℃の温度(延伸開始時〜延伸終了時)、2.4〜5.0、好ましくは2.6〜4.5の延伸比で行われる。
ヒートシール性外層Aとベース層B(他の外層C及び中間層も含む)とのインライン積層は、第1の延伸工程の前または第1の延伸工程(長手方向の延伸)と第2の延伸工程(横方向の延伸)との間に行われる。なお、第2の延伸を行う前にフィルムに他の所望の物性を付与するため、公知のインラインコーティングにより塗布処理を施してもよい。塗布によって形成される層により、その上に設けられるメタル層、印刷層、他のフィルムなどへの接着力を強めたり、帯電防止性や加工特性が改良することが出来、更に、EVOH、PVOH等の層を設けることによりガスバリヤー性を付与することが出来る。塗布は、通常他の外層C上に行われる。
続いてフィルムの熱固定が150〜250℃の温度において0.1〜10秒間行われる。フィルムは冷却後、通常の方法で巻取られる。
本発明の製造方法で得られるフィルムは、再生原料(例えば、製造工程において発生するフィルム端材)をフィルムの重量に対して、通常60重量%以下、好ましくは5〜50重量%含有させることが出来る。再生原料の添加によって、本発明のフィルムの特性に影響を受けること(例えば応力破断強度が10%を超えて低下すること等)はない。
本発明の製造方法で得られるフィルムの機械的特性としては、弾性率が長手方向、横方向とも通常3500Nmmより大きく、好ましくは3800Nmmより大きく、より好ましくは4200Nmmより大きい。熱的性質としては、収縮率が長手方向、横方向とも通常3%以下、好ましくは2.8%以下、より好ましくは2.5%以下である。フィルムの巻取り特性や、印刷性、メタルやセラミックによる蒸着などの加工特性に優れる。
本発明の製造方法で得られるフィルムは、CPET又はAPET/CPETから成るトレーにヒートシール性外層Aをヒートシールすることが出来る。そして、トレーから本発明のフィルムを良好に剥離させることが出来る。通常、シールジョー等で挟んで加熱するため、ベース層Bを形成するポリマーの融点はヒートシール性外層Aを形成するポリマーの融点より通常高い。ベース層BにPET(融点=254℃)を使用した場合、ヒートシール性外層Aの融点は、通常230℃未満、好ましくは210℃未満、より好ましくは190℃未満である。
CPETから成るトレー又はAPET/CPETから成るトレーのA側に対するヒートシール性外層Aの最低シール温度は、通常165℃以下、好ましくは160℃以下、より好ましくは155℃以下である。なお、最低シール温度の測定方法は実施例に記載した。
CPETから成るトレー又はAPET/CPETから成るトレーのA側に対するヒートシール性外層Aのシールシーム強度(剥離力)は、15mm幅のフィルムにおいて通常1.5N以上、好ましくは2.0N以上、より好ましくは2.5N以上、上限は通常8Nであり、易〜中剥離性を有する。なお、シールシーム強度の測定方法は実施例に記載した。
CPETから成るトレー又はAPET/CPETから成るトレーのA側に対するヒートシール性外層Aの最高シール温度は、通常220℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下である。なお、最高シール温度の測定方法は実施例に記載した。
CPET又はAPET/CPETから成るトレーに対してヒートシール性外層Aをヒートシールした後、引裂きを生じることなく剥離を行うと、通常、ヒートシール性外層AとCPET層との間の接着部分が破壊することにより、剥離が行われる(Ahlhaus、O.E、Verpackung mit Kunststoffenn(プラスチックによる包装)、Carl Hanser Verlag、271頁、1997、ISBN 3−446−17711−6参照)。この現象を、図2に示すような180°剥離試験によって、剥離力(応力)と剥離したフィルム長を測定すると、図3に示すようにほぼ一定の剥離力(例えば約4N/15mm、±20%の範囲でほぼ一定)の関係となる。
なお、本発明の製造方法で得られるフィルムのヒートシールについては、シールジョーによって、140〜220℃のシール温度、2〜5barの圧力、0.2〜2秒の時間でフィルムのヒートシール性外層A同士を、又は熱可塑性樹脂から成る基材(特にCPET又はAPET/CPETから成るトレー)にシールすることが出来る。
CPETから成るトレー又はAPET/CPETから成るトレーのA側に対するヒートシール性外層Aとのヒートシールにおいて、シール温度T(℃)と剥離力F(N/15mm)とが以下の(I)式を満足することが好ましい。
Figure 2005145066
以上説明した様に、本発明の製造方法で得られるフィルムは、ヒートシール特性、剥離特性、加工特性などに優れる。また、塗布やその他の製造工程に由来の有機溶媒などを含有していない。さらに、通常の製造装置で製造することが出来、500m/分の高速装置も使用できる。また、個々の層間の接着力は2N/15mmより大きく、実用上問題が無い。そのため、食品または他の消費物品用包装フィルム、特に、CPET又はAPET/CPETから成るトレーにヒートシールし、後で剥離することを目的とした蓋材用フィルムに好適に使用できる。
本発明のポリエステルフィルムの特性を、表1に纏めて示す。
Figure 2005145066
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。以下の記載で「%」は「重量%」を示す。以下の実施例および比較例で使用した評価方法について以下に示す。
(1)平均粒径d50
メジアン粒径d50はMalvern Instruments社(英国)製「Malvern Master Sizer」を使用したレーザーによる一般的な方法で測定した(Horiba Europe社(ドイツ)製「Horiba LA 500」又は「Sympathec Helos」装置でも基本的に同一の測定である)。水を入れたセルにサンプルを入れ、試験装置にセットする。粒径分布は、メジアン粒径d50(平均値)とSPAN98(粒径の分布度合い)の2つのパラメータにより表現される。試験は自動的に行われ、粒径d50の数学的な計算も一緒に行われる。粒径d50の値は、累積粒径分布曲線から決定する。50%におけるd50の値を求めた。
(2)SPAN98の測定:
粒径分布を示すSPAN98は、上記のメジアン粒径d50の測定で使用した装置を使用して測定した。SPAN98は、SPAN98=(d98−d10)/d50の式で表される。なお、d98及びd10は、それぞれ、累積粒径分布曲線の98%および10%における粒径である。
(3)標準粘度SV:
1%ジクロロ酢酸溶液中25℃でウベローデ型粘度計を使用し、比粘度(ηrel)を測定し、SV=(ηrel−1)×1000の式より算出した。
(4)ガラス転移温度Tg:
ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)により測定した。DSCとしてはPerkin−Elmer社製「DSC 1090」を使用した。昇温速度は20K/分で、試料の重さは12mgであった。熱履歴を解消するために、試料を300℃で5分間加熱した後、液体窒素を使用して急冷する。再度昇温し、熱量曲線上に現れたピークの半値に達した時の温度を2ガラス転移温度とした。
(5)シールシーム強度:
図2に示す様な方法で測定した。APET層/CPET層から成るトレーの断片のAPET側に、100×15mmの本発明のフィルムのシール性外層A側を重ね合わせ、シール温度140℃、シール時間0.5秒、シール圧3barでシールした(使用装置:ブラガー社製「HSG/ET」、ドイツ、シールジョーは両側加熱した)。以下に示す方法によってシールしたサンプルの180°シールシーム強度を求めた。図2に示す様に、フィルムのシールされていない端部を応力測定器(例えばZwick、ドイツ)の治具(6)に固定し、矢印方向に200mm/分の速度で、シール部分に対して直角方向に応力をかけ、シール部分が剥離する際の応力を測定する。標記は、応力(N)/フィルムの幅(15mm)で表す。
(6)最低シール温度の決定:
Brugger HSG/ETシール装置を使用して熱シールした試料(シール合わせ目=15mm×100mm)を作成した。シールは、異なる温度で、2つの加熱したシール挟みを使用し、4barのシール圧で、シール時間0.5秒で行った。剥離法によりシールした試料のシール力(180°シールシーム強度)を測定し、シール力とした。シール力が1.0N/15mmに達した際の温度を最低シール温度とした。
(7)表面粗度Ra:
フィルムの表面粗度RaはDIN 4768に準じて測定した。カットオフ値は0.25mmであった。この測定法は、ガラス板の上で行なうのではかく、リングの中で行なう。このリング法では、2つの表面が第3の表面(例えばガラス)に接する様にサンプルを固定する。
(8)不透明度(光透過率):
光透過率とは入射光の量に対する総透過光の比率である。光透過率は、ASTM−D1003−52に準じ、「Haze gard plus(登録商標、Pausch−Messtechnik社製、Haan、ドイツ)」を使用して測定した。
(9)グロス値:
グロス値はDIN 67530に準じて測定した。反射率を、フィルム表面の光学的特性として測定した。ASTM−D 523−78及びISO 2813を基準とし、入射角を20°とした。所定の入射角で試料の平坦な表面に光線を照射すると、反射および/または散乱が起こる。光電検知器に当った光が電気的な比率変数として表示される。得られた無次元値は入射角と共に表示される。
(10)引張強度:
フィルムの引張強度はDIN 53455に準じて測定した。23℃、50%相対湿度において、1%/分の引張速度で測定した。
(11)弾性率:
フィルムの弾性率はDIN 53457に準じて測定した。23℃、50%相対湿度において、1%/分の引張速度で測定した。
実施例1:
表2に示すジカルボン酸組成およびグリコール組成でポリエステル(a−1)、ポリエステル(a−2)の混合物を調製し、ヒートシール性外層A用の脱気式二軸押出機に供給した。二軸押出機内で、溶融混合して均一にした後、スロットダイより230℃で押出し、冷却ロールを使用して冷却固化した。得られた未配向フィルムは、通常の方法で巻取った。
一方、ポリエチレンテレフタレートチップをベース層B用の押出機に供給し、ポリエチレンテレフタレートチップと粒子とを非シール性外層C用の押出機に供給した。各原料は押出機中で充分均一に溶融混合された。ベース層B用押出機および非シール性外層C用押出機からそれぞれ溶融体を押出し、3層ノズル内で共押出し、ダイリップを介してベース層B/非シール性外層Cの積層フィルム(シート)を得た。得られたシートを冷却固化した後、長手方向に延伸した。
別の巻取り機を使用して上記で得られたヒートシール性外層Aフィルムを取り出し、長手方向の延伸後の積層ユニットに導いた(図6参照)。2つのロールによりヒートシール性外層Aフィルムをベース層B/非シール性外層Cの積層フィルム上に積層した。積層は線圧40N/cmで、雰囲気温度で行った。引続き、テンターフレームを使用して横方向の延伸を行い、ヒートシール性外層Aフィルムがベース層B上に溶着された(線圧20〜600N/cmで、雰囲気温度)。得られた二軸延伸フィルムの熱固定を行ない、厚さ25μmのABC型3層透明積層フィルムを得た。外層Aの厚さは3.0μmであった。
Figure 2005145066
フィルムの製造条件を以下に示す。
Figure 2005145066
CPET層から成るトレーに得られたフィルムのヒートシール性外層Aを140、160、180、200℃でヒートシール(シール圧:4bar、シール時間:0.5秒)を行った。最低シール温度は120℃であった。ヒートシールしたフィルムに対し、図2に示す方法により剥離を行った結果、すべてのシール温度において良好に剥離することが出来た。シール部分の長さL(cm)と剥離力F(N)の関係は図3(b)に示す関係となった。剥離力Fは5N/15mmであり(中剥離性)であり、過剰な剥離力を必要とせず、フィルムを引裂くことなく剥離させることが出来た。また、フィルムは、良好な光学特性および製造・加工特性を有していた。フィルムの特性を表5及び7に示す。
実施例2:
実施例1において、ヒートシール性外層Aのポリエステル(a−1)の粒子を合成シリカ(Fuji社製「Sylysia」440、登録商標)d50=5.0μm)に変更し、ヒートシール性外層Aの厚さを3.0μmから4.0μmに変更した以外は、実施例1と同様の製造条件でフィルムを製造した。最低シール温度は118℃であった。すべてのシール温度において良好に剥離することが出来た。シール部分の長さL(cm)と剥離力F(N)の関係は図3(b)に示す関係となった(易〜中剥離性)。剥離力Fは、実施例1と比較して大きくなったが、本発明の好ましい範囲内(易〜中剥離性)であり、過剰な剥離力を必要とせず、フィルムを引裂くことなく剥離させることが出来た。また、フィルムの光学特性および製造・加工特性は実施例1と同様に良好であった。フィルムの特性を表5及び7に示す。
実施例3:
実施例1において、ヒートシール性外層Aの組成を以下の表に示す様に変更した以外は、実施例1と同様の組成および製造条件でフィルムを製造した。
Figure 2005145066
最低シール温度は125℃であった。すべてのシール温度において良好に剥離することが出来た。シール部分の長さL(cm)と剥離力F(N)の関係は図3(b)に示す関係となった(易〜中剥離性)。剥離力Fは、実施例1とほぼ同じであり、本発明の好ましい範囲内(易〜中剥離性)であり、過剰な剥離力を必要とせず、フィルムを引裂くことなく剥離させることが出来た。また、フィルムの光学特性および製造・加工特性は実施例1と同様に良好であった。フィルムの特性を表5及び7に示す。
図5に、本発明のフィルムにおけるシール温度T(℃)と剥離力F(N/15mm)との関係を示す。本発明のフィルムのシール温度T(℃)と剥離力F(N/15mm)は以下の式を満足している。
Figure 2005145066
比較例1:
欧州特許出願公開第0379190号明細書に記載の実施例1を追試した。すべてのシール温度において良好な剥離可能なフィルムを得ることが出来なかった。すなわち、図3(a)に示されるように、フィルムを剥離させようとすると、直ちにフィルムの引裂きが起きた。したがって、本発明の目的を達成できない「溶着」フィルムであった。フィルムの特性を表6及び8に示す。
比較例2:
欧州特許出願公開第0379190号明細書に記載の実施例22を追試した。すべてのシール温度において良好な剥離可能なフィルムを得ることが出来なかった。すなわち、図3(a)に示されるように、フィルムを剥離させようとすると、直ちにフィルムの引裂きが起きた。したがって、本発明の目的を達成できない「溶着」フィルムであった。フィルムの特性を表6及び8に示す。
比較例3:
国際公開第02/59186号パンフレットに記載の実施例1を追試した。すべてのシール温度において良好な剥離可能なフィルムを得ることが出来なかった。すなわち、フィルムを剥離させようとすると、剥離力があまりにも小さすぎた。フィルムの特性を表6及び8に示す。
Figure 2005145066
Figure 2005145066
Figure 2005145066
Figure 2005145066
CPETトレー及びAPET/CPETトレーを示す模式図である。 シールシーム強度の測定を示す模式図である。 剥離力と剥離長の関係を示すグラフで、(A)はフィルムに引裂きが発生した場合を示し、(B)は良好な剥離が行われた場合を示す。 剥離力とヒートシール温度との関係をポリマーの種類によって異なることを示したグラフである。 本発明のフィルムにおけるシール温度T(℃)と剥離力F(N/15mm)との関係を示すグラフである。 本発明の製造方法におけるインライン積層法を示す模式図である。
符号の説明
1:APET/CPETトレー
2:蓋
3:食品
4:CPET試料
6:治具
51:PETフィルム
52:シール性外層A
100:ベース層フィルム
110:シール性外層Aフィルム
120:ローラー

Claims (31)

  1. ベース層Bとヒートシール性外層Aとから成る二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、ヒートシール性外層Aは60〜99重量%のポリエステル(a)から成り且つポリエステルに対しヒートシール及び剥離が可能であり、上記ポリエステル(a)は12〜89モル%の1つ以上の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位と11〜88モル%の1つ以上の脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位とをジカルボン酸単位として有するポリエステルであり、上記製造方法は、(a)押出法により少なくともベース層Bを有する未延伸シートを得る工程、(b)得られた未延伸シートを1方向に延伸する第1の延伸工程、(c)第1の延伸方向と直角方向に延伸を行う第2の延伸工程、(d)得られた2軸延伸フィルムを熱固定する工程および(e)別工程で形成したヒートシール性外層Aをベース層B上に積層する工程とから成り、上記積層工程(e)が第1の延伸工程(b)の前または第1の延伸工程(b)と第2の延伸工程(c)との間に行われることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  2. ヒートシール性外層Aの厚さdが1〜7μmである請求項1に記載の製造方法。
  3. 積層工程(e)が2つ1組のローラーによって行われる請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 積層工程(e)が第1の延伸工程(b)と第2の延伸工程(c)との間に行われる請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
  5. 積層工程(e)が、線圧20〜60N/cm、温度がその工程における雰囲気温度で行われる請求項1〜4の何れかに記載の製造方法。
  6. 第1の延伸工程(b)が長手方向の延伸であり、第2の延伸工程(c)が横方向の延伸である請求項1〜5の何れかに記載の製造方法。
  7. 長手方向の延伸温度が60〜130℃であり、横方向の延伸温度が90〜140℃である請求項6に記載の製造方法。
  8. 長手方向の延伸比が2.0〜5.5であり、横方向の延伸比が2.4〜5.0である請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 熱固定工程(d)が、150〜250℃の温度において0.1〜10秒間行われる請求項1〜8の何れかに記載の製造方法。
  10. ヒートシール性外層Aが2層から成る請求項1〜9の何れかに記載の製造方法。
  11. ポリエステル(a)における芳香族ジカルボン酸が、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸から選択される1つ以上である請求項1〜10の何れかに記載の製造方法。
  12. ポリエステル(a)における脂肪族ジカルボン酸が、琥珀酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタール酸およびアジピン酸から選択される1つ以上である請求項1〜11の何れかに記載の製造方法。
  13. ポリエステル(a)のジカルボン酸エステル単位が、12〜89モル%のテレフタル酸エステル単位、0〜25モル%のイソフタル酸エステル単位、11〜88モル%のアゼライン酸エステル単位、0〜50モル%のセバシン酸エステル単位および0〜50モル%のアジピン酸エステル単位から成り、ポリエステル(a)のアルキレン単位が30モル%を超えるエチレン又はブチレン単位から成る請求項1〜12の何れかに記載の製造方法。
  14. 結晶ポリエチレンテレフタレート層または結晶ポリエチレンテレフタレート層/非晶ポリエチレンテレフタレート層から成るトレーに対するヒートシール性外層Aの最低シール温度が165℃以下である請求項1〜13の何れかに記載の製造方法。
  15. 結晶ポリエチレンテレフタレート層または結晶ポリエチレンテレフタレート層/非晶ポリエチレンテレフタレート層から成るトレーに対するヒートシール性外層Aのシールシーム強度が1.5N/15mm以上である請求項1〜14の何れかに記載の製造方法。
  16. ポリエステル(a)がポリエステル(a−1)とポリエステル(a−2)の2種から成る請求項1〜15の何れかに記載の製造方法。
  17. ポリエステル(a−1)が1つ以上の芳香族ジカルボン酸エステル単位と1つ以上の脂肪族アルキレン単位とから成る請求項16に記載の製造方法。
  18. ポリエステル(a−1)が、テレフタル酸単位、イソフタル酸単位およびエチレン単位を有する請求項16又は17に記載の製造方法。
  19. ヒートシール性外層A中のポリエステル(a−1)の含有量が50重量%以下である請求項16〜18の何れかに記載の製造方法。
  20. ポリエステル(a−1)のガラス転移温度が50℃を超える請求項16〜19の何れかに記載の製造方法。
  21. ポリエステル(a−2)が1つ以上の芳香族ジカルボン酸エステル単位と1つ以上の脂肪族ジカルボン酸エステル単位と1つ以上の脂肪族アルキレン単位とから成る請求項16〜20の何れかに記載の製造方法。
  22. ポリエステル(a−2)が、アゼライン酸単位、テレフタル酸単位、イソフタル酸単位およびエチレン単位を有する請求項16〜21の何れかに記載の製造方法。
  23. ヒートシール性外層A中のポリエステル(a−2)の含有量が50重量%以上である請求項16〜22の何れかに記載の製造方法。
  24. ポリエステル(a−2)のガラス転移温度が20℃未満である請求項16〜23の何れかに記載の製造方法。
  25. ヒートシール性外層Aが無機および/または有機粒子を含有する請求項1〜24の何れかに記載の製造方法。
  26. ヒートシール性外層A中の無機および/または有機粒子の含有量が1〜10重量%である請求項25に記載の製造方法。
  27. ヒートシール性外層Aに、ポリエステルに対して非相溶なポリマーが含有されている請求項1〜26の何れかに記載の製造方法。
  28. ポリエステルに対して非相溶なポリマーがシクロオレフィン共重合体である請求項27に記載の製造方法。
  29. ポリエステルフィルムが、ベース層Bとヒートシール性外層Aと他の外層Cとの3層から成り、ABC構造を有する請求項1〜28の何れかに記載の製造方法。
  30. ベース層Bが80重量%以上の熱可塑性ポリエステルから成る請求項1〜29の何れかに記載の製造方法。
  31. ベース層Bを構成する熱可塑性ポリエステルが、テレフタル酸単位および/またはイソフタル酸単位、およびエチレン単位を有する請求項30に記載の製造方法。
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