JP2005144724A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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吉彦 小野
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Abstract

【課題】 キャリッジの走査で発生する気流によって、インク液滴の着弾位置がずれるのを防ぐことを課題とする。
【解決手段】 インクジェット記録ヘッド12が走査する際、インクジェット記録ヘッド12の走査方向の先頭側に設置された記録ヘッド14近傍では、インクジェット記録ヘッド12の走査方向の後方側に設置された記録ヘッド14近傍で発生する気流よりも速い気流が発生する。ここで、インクジェット記録ヘッド12の走査方向の先頭側に設置された記録ヘッド14から吐出されるインク液滴の吐出速度をインクジェット記録ヘッド12の走査方向の後方側に設置された記録ヘッド14から吐出されるインク液滴の吐出速度よりも速くすることで、インク液滴が流される距離が短くなり、各記録ヘッド14から吐出されたインク液滴の着弾位置の間隔は、各記録ヘッド14のノズルの間隔と等しくなる。これにより、記録ヘッド14間のインク液滴の着弾ずれが生じなく、画像乱れを防ぐことができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
近年、オフィスにおけるカラー文書の普及はめざましく、そのための様々な出力機器が提案されている。特に、小型化が可能で低価格なインクジェット記録装置が様々な出力機器に使用されている。
インクジェット記録装置で用いられる記録ヘッドは、エネルギ発生手段と、エネルギ発生手段で発生したエネルギをインク吐出力に変換するエネルギ変換手段と、インク吐出力によってインク滴を吐出するインク吐出口と、インク吐出口に連通してインクを供給するインク供給路とから構成される。エネルギ発生手段としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた手段や発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクを加熱してバブルを発生させ、このバブルの生成によってインク滴を吐出させる手段等がある。
また、インクジェット記録ヘッドが記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジに搭載され、記録媒体の所定ピッチごとの搬送とキャリッジの往復移動とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を記録するシリアル型では、記録ヘッドのノズルからインク液滴を吐出して、記録媒体に画像を記録する際、このインク液滴の一部が微小液滴となり、記録装置内を浮遊してインクミストとなる。このインクミストが記録装置内の様々な部分に付着して、良好な画像が記録されない原因の一つとなる。
これらの問題を解決するため、吐出口の周縁近傍でインク気泡を発生させ、大気と連通させることで、インクミストを発生させないでインク液滴を吐出させる構成(特許文献1参照)、また、ヒータと吐出口間の液路部分の体積Vとヒータの面積Sとの数値関係が50×S>Vを満たすように、ヒータの面積を決めることで、ヒータで生起したバブルを効率良く吐出口より外気と連通させてインクを安定的に吐出させる構成(特許文献2参照)が開示されている。
しかし、いずれの場合も、キャリッジが移動した際に発生する気流の影響までは考慮されておらず、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の色毎に独立した記録ヘッドが搭載されているインクジェット記録装置では、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッドから吐出されたインク液滴は、キャリッジの移動によって発生した気流の影響を受け、記録媒体への着弾ずれを起こして、画像の乱れを発生させてしまう。
特開平05−016365号広報(第3項、第1図) 特開平05−116289号公報(第5項、第9図)
本発明は上記問題を考慮し、キャリッジの走査で発生する気流によって、インク液滴の着弾位置がずれるのを防ぐことを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、複数の記録ヘッドを備えたインクジェット記録ヘッドを走査し、インク液滴を吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度を、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置されたの記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度より速くすることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、インクジェット記録ヘッドは複数の記録ヘッドを備えており、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッドは、インクジェット記録装置の走査方向の後方側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の速度よりも速い速度でインクを吐出して、記録媒体に画像を記録する。
インクジェット記録ヘッドが走査する際、インクジェット記録ヘッドと記録媒体との間には、インクジェット記録ヘッドの走査方向と反対方向に気流が発生する。この気流は、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド近傍では、インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド近傍よりも速くなる。
ここで、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度を、インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度よりも速くすることで、インク液滴が気流によって流される距離が短くなり、各記録ヘッドから吐出されたインク液滴の着弾位置の間隔は、各記録ヘッドのノズルの間隔と等しくなる。
これにより、記録ヘッド間のインク液滴の着弾ずれが生じなく、画像乱れを防ぐことができる。また、速い速度でインク液滴を吐出することで、インク液滴を吐出する際に発生する小滴が着弾できずにインクジェット記録装置内を浮遊することがなく、インクジェット記録装置内の汚れを防止することにも繋がる。
請求項2に記載の本発明は、前記記録ヘッドのインク流路内には、インク液滴を吐出するためのバブルを発生させるメインヒーターが設けられ、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内に設けたられたメインヒーターに印加される駆動パルス条件を、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーターに印加される駆動パルス条件と異ならせることを特徴としている。
請求項3に記載の本発明は、前記駆動パルス条件は、前記インクの吐出に至らないプレ駆動パルスと前記インクの吐出に至るメイン駆動パルスとによって構成され、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーターに印加されるプレ駆動パルスの数を、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーターに印加されるプレ駆動パルスの数よりも多くしたことを特徴としている。
請求項2及び請求項3に記載の発明によれば、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーターと、インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーターとで、印加される駆動パルス条件を異ならせる。例えば、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーターには、インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーターに印加されるプレパルスの数よりも多いプレパルスを印加する。これにより、印加されたプレパルスの数が多いインクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内のインクは、インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内のインクよりも温められるので、インクの粘性が低くなり、インク液滴の吐出速度が速くなる。このため、記録ヘッドの構造を、色毎に変えることなく、インク液滴の吐出速度を調整できる。
なお、駆動パルス条件を異ならせる方法として、メインヒーターに印加する駆動電圧を変えて、発生するバブルの大きさでインク液滴の吐出速度を調整してもよい。
請求項4に記載の本発明は、前記記録ヘッド内には、インク液滴を吐出するためのバブルを発生させるメインヒーターが設けられ、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内に、前記メインヒーターとは別にバブルを発生させずにインク液滴の温度を上昇させるサブヒーターが設けられたことを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内に設けられたサブヒーターにより、記録ヘッド内のインクをインクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内のインクよりも温度を高くして、粘性を低くする。
この粘性が低いインクは、粘性が高いインクよりも速い速度で吐出されるので、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度は、インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度よりも速くなる。このため、記録ヘッドへ印加する駆動パルス条件を色毎に変化させる必要がない。
請求項5に記載の本発明は、前記記録ヘッド内には、インク液滴を吐出するためのバブルを発生させるメインヒーターと、該メインヒーターとは別にバブルを発生させずにインク液滴の温度を上昇させるサブヒーターが設けられ、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭の記録ヘッド内に設けられたサブヒーターは、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方の記録ヘッド内に設けられたサブヒーターよりも大きくしたことを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内に設けられたサブヒーターの大きさを、インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内に設けられたサブヒーターの大きさよりも大きくすることで、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内のインクは、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内のインクよりも温度が高くなる。これにより、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内のインクは、インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内のインクよりも粘性が低くなり、速い速度で吐出される。
請求項6に記載の本発明は、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内のインクは、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内のインクよりも粘性が低いことを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内のインクの粘性を、インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内のインクの粘性よりも低いものを使用する。これにより、インクジェット記録ヘッドの先頭側に配置された記録ヘッドからインク液滴を吐出すると、インクジェット記録ヘッドの後方側に配置された記録ヘッドからインク液滴を吐出する速度よりも速く吐出することができる。
このように、インクの粘性を色によって変えることで、記録ヘッドの構造を色毎に変えたり、記録ヘッドへ印加する駆動パルス条件を色毎に変化させる必要がない。
請求項7に記載の本発明は、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出のタイミングを、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出のタイミングより速くすることを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッドからは、インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッドからインク液滴を吐出するときのタイミングよりも速いタイミングで、インク液滴を吐出する。
これにより、インクジェット記録ヘッドが走査する際にインクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド近傍に発生した気流によって、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴が流されても、このインク液滴が記録媒体へ着弾するときには、記録媒体の着弾するべき位置に移動しているので、記録媒体への着弾ずれが生じない。
請求項8に記載の本発明は、複数の記録ヘッドを備えたインクジェット記録ヘッドを走査し、走査方向の往路及び復路でインク液滴を吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドの両端に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度を、前記インクジェット記録ヘッドの内側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度より速くすることを特徴としている。
請求項8に記載の発明によれば、インクジェット記録ヘッドが走査する際、インクジェット記録ヘッドと記録媒体との間には、走査方向と反対方向に気流が発生する。この気流は、インクジェット記録ヘッドの先頭側に配置された記録ヘッド近傍では、インクジェット記録装置の後方よりも速くなる。すなわち、走査方向の往路及び復路でインク液滴を吐出するタイプのインクジェット記録ヘッドでは、往路を走査する際は、インクジェット記録ヘッドの一方の端部に配置された記録ヘッド近傍に発生する気流速度が、その他の記録ヘッド近傍に発生する気流速度よりも速くなる。また、復路を走査する際は、インクジェット記録ヘッドの他方の端部に配置された記録ヘッド近傍に発生する気流速度が、その他の記録ヘッド近傍に発生する気流速度よりも速くなる。
ここで、インクジェット記録ヘッドの両端に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度を、インクジェット記録ヘッドの内側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度よりも速くすることで、インクジェット記録ヘッドの往路を走査する際、及び、復路を走査する際のインクジェット記録ヘッドの先頭側に配置された記録ヘッド近傍に発生した、後方側に配置された記録ヘッド近傍に発生した気流よりも速い気流によって、インクジェット記録ヘッドの先頭側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴が流される距離が短くなる。これにより、各記録ヘッドから吐出されたインク液滴の着弾位置の間隔は、各記録ヘッドのノズルの間隔と等しくなる。
請求項9に記載の本発明は、複数の記録ヘッドを備えたインクジェット記録ヘッドを走査し、走査方向の往路又は復路のどちらか一方でインク液滴を吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭から順に、記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出の速度をV1、V2、V3、・・Vn−1、Vnとしたとき、該インク液滴の吐出の速度をV1>V2>V3>・・Vn>Vn−1とすることを特徴としている。
請求項9に記載の発明によれば、往路又は復路のどちらか一方でインク液滴を吐出するインクジェット記録装置の場合、インクジェット記録ヘッドが走査する際にインクジェット記録ヘッドと記録媒体との間に発生する気流の速度は、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭から順に後方に向かって速度が遅くなる。すなわち、この気流をインクジェット記録ヘッドの先頭から順にW1、W2、W3、・・Wn−1、Wnとしたとき、W1>W2>W3>・・Wn>Wn−1の関係が発生する。
ここで、インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭から順に、記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度をV1、V2、V3、・・Vn−1、Vnとしたとき、気流の速度に対応させてV1>V2>V3>・・Vn>Vn−1とすることで、各記録ヘッドから吐出されたインク液滴は、確実に記録媒体の着弾するべき位置に着弾させることができる。従って、記録媒体へのインク液滴の着弾ずれが生じない。
本発明は上記構成としたので、キャリッジの走査で発生する気流によって、インク液滴の着弾位置がずれるのを防ぐことができる。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。
図1には、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置としてのインクジェットプリンタ10が示されている。
インクジェットプリンタ10には、キャリッジ16が設けられており、キャリッジ16には、ノズル18(図4参照)を有するインクジェット記録ヘッド12が、ノズル18が記録用紙20と対向するようにして搭載されている。キャリッジ16は、走査位置信号に基づき主走査機構(図示省略)によって主走査方向(矢印A、Bで示す)に移動される。これにより、インクジェット記録ヘッド12は、副走査機構(図示省略)によって副走査方向(矢印Cで示す)へ搬送される記録用紙20へ、画像情報に応じてインク液滴を吐出することにより、記録用紙20の全面に画像の記録を行う。
また、インクジェット記録ヘッド12には、インク液滴が吐出されるノズル18(図4参照)が形成されており、ノズル18からインク液滴を吐出して、記録用紙20に記録が行われる。ここでは、記録媒体として記録用紙20を用いたが、これに限らずフィルムやOHPシートなどであってもよい。また、記録用紙20は、ロール状でも短冊状のものでもよく、制限はない。
次に、図2に示すように、インクジェット記録ヘッド12は、図中左から順に、ブラック色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の記録ヘッド14K、14C、14M、14Yで構成されている。
なお、本実施形態では、走査の往路及び復路で共に印字を行うタイプのインクジェット記録ヘッド12について説明する。
図2(A)に示すように、インクジェット記録ヘッド12が矢印D方向に走査すると、記録ヘッド14Y、14M、14C、14Kのインク液滴吐出面14Aと記録用紙20の間には、矢印E方向に気流が発生する。この気流は、インクジェット記録ヘッド12の走査方向の先頭から後方に向かって、速度が序々に遅くなる傾向がある。
インクジェット記録ヘッド12の走査速度が1.1m/sの時の、各記録ヘッド14Y、14M、14C、14Kの近傍に発生する気流速度を、表1に示す。
Figure 2005144724
表1から、インクジェット記録ヘッド12の走査方向の先頭の記録ヘッド、すなわち、イエロー色の記録ヘッド14Yの近傍に発生する気流が、後方の記録ヘッド、すなわち、マゼンタ色の記録ヘッド14Mの近傍に発生する気流速度より速いことがわかる。また、記録ヘッド14Y、14M、14C、14Kの近傍の気流速度は、先頭の記録ヘッド(イエロー色の記録ヘッド14Y)から順に、マゼンタ色の記録ヘッド14M、シアン色の記録ヘッド14Cの順で遅くなることがわかる。走査方向の末尾の記録ヘッド、すなわち、ブラック色の記録ヘッド14K近傍に発生する気流は、ブラック色の記録ヘッド14Kの側面14Bを抜けて上昇するので、シアン色の記録ヘッド14C近傍に発生する気流速度よりも速くなる。
また、図2(B)に示すように、インクジェット記録ヘッド12が、矢印Dと反対方向(矢印F)に走査するときは、インクジェット記録ヘッド12のインク液滴吐出面14Aと記録用紙20の間には、矢印G方向に気流が発生する。表2に、インクジェット記録ヘッド12の走査速度が1.1m/sの時の、各記録ヘッド14Y、14M、14C、14Kの近傍に発生する気流速度を示す。
Figure 2005144724
インクジェット記録ヘッド12の走査方向の先頭の記録ヘッド、すなわち、ブラック色の記録ヘッド14Kの近傍に発生する気流が、後方の記録ヘッド、すなわち、シアン色の記録ヘッド14Cの近傍に発生する気流速度より速いことがわかる。また、記録ヘッド14Y、14M、14C、14Kの近傍に発生する気流の気流速度は、先頭の記録ヘッド(ブラック色の記録ヘッド14K)から順に、シアン色の記録ヘッド14C、マゼンタ色の記録ヘッド14Mの順で遅くなることがわかる。走査方向の末尾の記録ヘッド、すなわち、イエロー色の記録ヘッド14Y近傍に発生する気流は、イエロー色の記録ヘッド14Yの側面14Bを抜けて上昇するので、マゼンタ色の記録ヘッド14M近傍に発生する気流速度よりも速くなる。
ここで、記録ヘッド14Y、14M、14C、14Kからインク液滴が吐出されたとき、インク液滴がインクジェット記録ヘッド12の走査によって発生する気流から受ける影響について説明する。
インクジェット記録ヘッド12が矢印D方向に走査するとき、各色の記録ヘッド14Y、14M、14C、14Kから同じ速度でインク液滴を吐出すると、図3(A)に示すように、記録ヘッド14Y、14M、14C、14Kと記録用紙20の間に発生する気流によって、イエロー色の記録ヘッド14Yから吐出されたインク液滴は、マゼンタ色の記録ヘッド14M側に流されてしまう。同様に、図示は省略するが、インクジェット記録ヘッド12が矢印Dと反対方向に走査しているとき、各色の記録ヘッド14Y、14M、14C、14Kから同じ速度でインク液滴を吐出すると、ブラック色の記録ヘッド14Kから吐出されたインク液滴は、シアン色の記録ヘッド14C側に流されてしまう。
以上のことから、走査の往路及び復路で共に印字を行うタイプのインクジェット記録ヘッド12では、両端の記録ヘッド、すなわち、イエロー色の記録ヘッド14Y、ブラック色の記録ヘッド14Kからインク液滴を吐出する速度を、それ以外の記録ヘッド、すなわち、マゼンタ色の記録ヘッド14M、シアン色の記録ヘッド14Cからインク液滴を吐出する速度よりも速い構造とすれば良いことが判る。
本実施形態では、イエロー色の記録ヘッド14Yとブラック色の記録ヘッドKから吐出されるインク液滴の最大吐出速度を16m/sとし、シアン色の記録ヘッド14Cとマゼンタ色の記録ヘッド14Mから吐出されるインク液滴の最大吐出速度を10m/sとした。
このように、インクジェット記録ヘッド12が走査した際に発生する気流の影響を受けるイエロー色、ブラック色のインク液滴の最大吐出速度を、マゼンタ色、シアン色のインク液滴を吐出する速度よりも速くすることで、図3(B)に示すように、インクは気流から影響を受けにくくなり、記録用紙20に向かってほぼまっすぐに飛ぶようになる。
ここで、インクジェット記録ヘッド12の色毎にインクの吐出速度を変化させる構造について説明する。
図2に示すように、インクジェット記録ヘッド12は、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の記録ヘッド14K、14C、14M、14Yを備えている。なお、記録ヘッド14K、記録ヘッド14C、記録ヘッド14M、記録ヘッド14Yは同構成なので、ここではイエロー色の記録ヘッド14Yを例にとって説明する。
図4に示すように、記録ヘッド14Yは、発熱素子基板24と、インク流路が形成された流路基板26が積層されており、発熱素子基板24には、後述するメインヒーター22とメインヒーター22を駆動するドライバ回路21が設けられている。
流路基板26の一方の端面にはノズル18が形成されており、ノズル18は、インクを供給する個別流路30に連通している。また、個別流路30は共通液室32に連通しており、共通液室32に形成された開口部34が、インクジェット記録ヘッド12に接続されるインク供給体(図示省略)の供給室に連通している。
発熱素子基板24に設けられたメインヒーター22は、ドライバ回路21によって制御され、図示しない電源から供給されるエネルギを熱に変換してバブルを発生させ、そのバブルの圧力によってノズル18からインク液滴を吐出する。
ドライバ回路21は、インクジェット記録ヘッド12を駆動するための駆動パルスをインクジェット記録ヘッド12に出力する。なお、駆動パルスには、インクの吐出に至らないマルチプレパルス(プレ駆動パルス)と、インクの吐出に至るメイン駆動パルスとが含まれる。
図5では、1つのメインヒーター22でバブルを発生させるための駆動パルスを示している。この例では、インクを吐出させないでインクを加熱するためのプレパルスP1と、実際にインクを吐出させるためのメインパルスP3とをメインヒーター22に印加してインクを吐出させる。
ここで、イエロー色及びブラック色記録ヘッド14Y、14Kでは、図5(A)に示すように、駆動パルスを9つのプレパルスと1つのメインパルスで行ない、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14Cでは、図5(B)に示すように、1つのプレパルスと1つのメインパルスで行なう。
図6には、プレパルス数とインク液滴速度の関係のグラフを示す。なお、本実施形態では、駆動電圧を25Vとし、プレパルスP1を0.1μs、プレパルスP1のインターバルP2を0.4μs、メインパルスを1.5μsとする。
このグラフによると、プレパルス数を1回とした時、メインヒーター22によって加熱されたインク液滴は吐出速度が9m/sでノズル18から吐出され、プレパルス数を9回とした時は、インク液滴はメインヒーター22によって加熱されて、吐出速度が16m/sでノズル18から吐出されることがわかる。このように、プレパルス数を変えることで、インクの吐出速度を変化させることができる。
従って、イエロー色及びブラック色のインクは、16m/sの速度で吐出され、マゼンタ色及びシアン色のインクは、9m/sの速度で吐出される。
次に、本発明の第1の実施形態の作用について説明する。
インクジェット記録ヘッド12が走査する際、インクジェット記録ヘッド12と記録用紙20との間には、インクジェット記録ヘッド12の走査方向と反対方向に気流が発生する。この気流は、インクジェット記録ヘッド12の走査方向の先頭側に設置された記録ヘッド、すなわち、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14K近傍では、インクジェット記録ヘッド12の走査方向の後方側に設置された記録ヘッド、すなわち、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14C近傍よりも速くなる。
ここで、インクジェット記録ヘッド12の走査方向の先頭側に設置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーター22には、インクジェット記録ヘッド12の走査方向の後方側に設置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーター22に印加されるプレパルスの数よりも多いプレパルスを印加する。これにより、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14K内のインクは、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14C内のインクよりも温められるので、インクの粘性が低くなり、インク液滴吐出時の速度が速くなる。
これにより、インクジェット記録ヘッド12の走査によって、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14K近傍に発生した、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14C近傍に発生した気流よりも速い気流によって、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14Kから吐出されるインク液滴が流される距離が短くなり、各記録ヘッド14から吐出されたインク液滴の着弾位置の間隔は、各記録ヘッド14のノズル18の間隔と等しくなる。
従って、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14Kから吐出されたインク液滴と、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14Cから吐出されるインク液滴の着弾する間隔が、各色の記録ヘッド14のノズル18の間隔と等しくなるので、記録用紙20へのインク液滴の着弾ずれが生じなく、画像乱れを防ぐことができる。また、速い速度でインク液滴を吐出することで、インク液滴を吐出する際に発生する小滴が着弾できずにインクジェットプリンタ10内を浮遊することがなく、インクジェットプリンタ10内の汚れを防止することにも繋がる。
この記録ヘッド14と上記駆動パルス条件を用いてインクジェット用紙ハイグレード(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)に印字したところ、画質劣化のない画像が得られた。
次に、本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
図7及び図8に示すように、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14Kの発熱素子基板24に設けられたメインヒーター22の上下にはサブヒーター23が設けられている。メインヒーター22は、図示しない電源から供給されるエネルギを熱に変換して記録ヘッド14内のインク内にバブルを発生させ、このバブルの圧力によってノズル18からインク液滴を吐出する。一方、サブヒーター23は、メインヒーター22と同様に図示しない電源からエネルギが供給されるが、バブルを発生させるほどの高温までには達っすることはなく、例えば90度まで上昇してノズル18内のインクの温度を上昇させる。このような構成により、ノズル18内のインクは、サブヒーター23で温められ、メインヒーター22で生成されたバブルによってノズル18から吐出される。
次に、本発明の第2の実施形態の作用について説明する。
図8に示すように、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14K内に設けられたサブヒーター23により、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14K内のインクをマゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14C内のインクよりも温度を高くして、粘性を低くする。
粘性が低いインクは、粘性が高いインクよりも速い速度で吐出されるので、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14Kから吐出されるインク液滴の吐出速度は、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14Cから吐出されるインク液滴の吐出速度よりも速くなる。このため、記録ヘッド14Y、14M、14、14Kへ印加する駆動パルス条件を色毎に変化させる必要がない。
次に、本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
図7及び図9に示すように、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14Kの発熱素子基板24に設けられたメインヒーター22の上下にはサブヒーター23が設けられており、マゼンタ色、シアン色の記録ヘッド14M、14Cの発熱素子基板24に設けられたメインヒーター22の上下にはサブヒーター25が設けられている。
図9に示すように、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14K内のサブヒーター23の大きさは、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14C内のサブヒーター25よりも大きくされている。
次に、本発明の第3の実施形態の作用について説明する。
図9に示すように、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14K内に設けられたサブヒーター23の大きさを、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14C内に設けられたサブヒーター25の大きさよりも大きくすることで、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14K内のインクは、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14C内のインクよりも温められて粘性が低くなる。
従って、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14Kから吐出されるインク液滴の吐出速度を、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14Cから吐出されるインク液滴の吐出速度より速くすることができる。
なお、本発明の第2の実施形態及び第3の実施形態においては、サブヒーター23、25をメインヒーター22の上下にそれぞれ1つずつ、合計2つ設ける構成としたが、サブヒーター23、25はメインヒーター22の上下どちらか1箇所に設ける構成としてもよい。また、3つ以上のサブヒーターを設けてもよい。
また、本実施形態では、記録ヘッド14のインク流路内にサブヒーター23を設ける構成としたが、図12に示すように、記録ヘッド14のインク流路の外にサブヒーター27を設ける構成としてもよい。このように、サブヒーターを設ける場所は、特に限定されない。
さらに、本発明の第3の実施形態においては、イエロー色及びブラック色のインクの吐出速度を、マゼンタ色及びシアン色のインク液滴の吐出速度よりも速くするために、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14Kに設置されたサブヒーター23を、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14Cに設置されたサブヒーター25よりも大きくすることで、イエロー色及びブラック色のインクの粘性を、マゼンタ色及びシアン色のインクの粘性よりも低くする構成としたが、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14Kに設置されたサブヒーター23とマゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14Cに設置されたサブヒーター25を同じ大きさにして、イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14Kに設置されたサブヒーター23に印加する電圧を、マゼンタ色及びシアン色の記録ヘッド14M、14Cに設置されたサブヒーター25に印加する電圧よりも大きくすることで、イエロー色及びブラック色のインクの粘性を、マゼンタ色及びシアン色のインクの粘性よりも低くすることもできる。
次に、本発明の第4の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
ブラック色及びイエロー色の記録ヘッド14Y、14K内のインクを、シアン色及びマゼンタ色の記録ヘッド14M、14C内のインクよりも粘性が低いものにする。例えば、ブラック色及びイエロー色の記録ヘッド14Y、14K内のインクは、ジエチレングリコールの配分量を15wt%に、シアン色及びマゼンタ色の記録ヘッド14M、14C内のインクは、ジエチレングリコールの配分量を25wt%にしている。これにより、ブラック色及びイエロー色の記録ヘッド14Y、14Kから吐出されるインク液滴の吐出速度は12.1m/sとなり、シアン色及びマゼンタ色の記録ヘッド14M、14Cから吐出されるインク液滴の吐出速度は8.7m/sとなる。
なお、その他のインクの組成は、顔料5wt%、スフラン3wt%、サーフィノール0.5wt%、残分が水分となっている。
次に本発明の第4の実施形態の作用について説明する。
イエロー色及びブラック色の記録ヘッド14Y、14Kから吐出するインク液滴の吐出速度は、シアン色及びマゼンタ色の記録ヘッド14C、14Mから吐出するインク液滴の吐出速度よりも速くすることができるので、記録ヘッド14の構造を色毎に変えたり、記録ヘッド14へ印加する駆動パルス条件を色毎に変化させる必要がない。
次に、本発明の第5の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
第1〜第4の実施形態では、インクジェット記録ヘッド12の走査の往路及び復路において印字を行うタイプについて説明したが、本実施形態のインクジェット記録装置としてのインクジェットプリンタ50に搭載されるインクジェット記録ヘッド12は、インクジェット記録ヘッド12の走査の往路又は復路のどちらか一方の走査のみで印字を行うタイプのインクジェット記録ヘッドの場合について説明する。
図10に示すように、インクジェット記録ヘッド52は、図の矢印D方向に走査するときにのみ、印字を行う。インクジェット記録ヘッド52が走査するとき、走査方向の先頭の記録ヘッド、すなわち、イエロー色の記録ヘッド54Yから順に、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の記録ヘッド54M、54C、54Kから吐出されるインク液滴の吐出の速度をそれぞれV1、V2、V3、V4とし、各記録ヘッド54から、V1>V2>V4>V3の関係を満たすように、インク液滴を吐出する。
次に、本発明の第5の実施形態の作用について説明する。
往路又は復路のどちらか一方でインク液滴を吐出するタイプのインクジェット記録ヘッド52の場合、インクジェット記録ヘッド52が走査する際にインクジェット記録ヘッド52と記録用紙20との間に発生する気流の速度は、インクジェット記録ヘッド52の先頭から順に後方に向かって遅くなる。すなわち、図8に示すように、この気流をインクジェット記録ヘッド52の先頭から順にW1、W2、W3、W4としたとき、W1>W2>W4>W3の関係が発生する。
ここで、インクジェット記録ヘッド52の先頭から順に、記録ヘッド54から吐出されるインク液滴の吐出速度をV1、V2、V3、V4としたとき、気流の速度に対応させてV1>V2>V4>V3とすることで、各記録ヘッド54から吐出されたインク液滴は、確実に記録用紙20の着弾するべき位置に着弾させることができる。従って、記録用紙20へのインク液滴の着弾ずれが生じない。
次に、本発明の第6の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
図11に示すように、インクジェット記録ヘッド62が矢印D方向に走査するとき、イエロー色の記録ヘッド64Yに印加する電圧のタイミングを、マゼンタ色、シアン色及びブラック色の記録ヘッド64M、64C、64Kに印加する電圧のタイミングより速くして、イエロー色の記録ヘッド64Yから、マゼンタ色、シアン色及びブラック色の記録ヘッド64M、64C、64Kよりも早いタイミングでインク液滴を吐出する。すなわち、マゼンタ色、シアン色及びブラック色の記録ヘッド64M、64C、64Kからインク液滴を吐出するよりも先に、イエロー色の記録ヘッド64Yからインク液滴を吐出する。
また、インクジェット記録ヘッド62が矢印D方向と反対方向に走査するときは、ブラック色の記録ヘッド64Kからは、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の記録ヘッド64C、64M、64Yよりも速いタイミングでインク液滴を吐出する。
次に、本発明の第6の実施形態の作用について説明する。
インクジェット記録ヘッド62が矢印D方向に走査するとき、記録ヘッド64と記録用紙20の間には、走査方向と反対方向の矢印E方向に気流が発生する。ここで、図11(A)に示すように、イエロー色の記録ヘッド64Yから、マゼンタ色、シアン色及びブラック色の記録ヘッド64M、64C、64Kよりも早いタイミングでインク液滴を吐出することで、イエロー色の記録ヘッド64Yの近傍に発生したマゼンタ色、シアン色及びブラック色の記録ヘッド64M、64C、64Kの近傍に発生した気流よりも速い気流によって流されて、図11(B)に示すように、記録用紙20の着弾するべき位置に着弾させることができる。
また、インクジェット記録ヘッド62を、矢印D方向と反対方向に走査するときは、記録ヘッド64と記録用紙20の間には、矢印E方向と反対方向の気流が発生する。ここで、ブラック色の記録ヘッド64Kから、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の記録ヘッド64C、64M、64Yよりも早いタイミングでインク液滴を吐出することで、ブラック色の記録ヘッド64Kの近傍に発生したシアン色、マゼンタ色及びイエロー色の記録ヘッド64C、64M、64Yの近傍に発生した気流よりも速い気流に流されて、記録用紙20の着弾するべき位置に着弾させることができる。
なお、本実施形態においては、個別流路30に配設されたメインヒーター22に通電し、インクを気化させた圧力でノズル18からインクを吐出させるサーマル型のインクジェット記録ヘッドについて説明したが、画像情報に基づいたパルス電圧を、圧電材料によって圧力室を機械的に変形させることによって発生した圧力によってノズルからインクを吐出させるピエゾ型のインクジェット記録ヘッドにも適用できる。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドを示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドを示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドの走査状態を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドの駆動パルス制御回路から送出される駆動パルスの一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドに印加される駆動パルスと、記録ヘッドから吐出されるインク液滴の関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドの走査状態を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドの走査状態を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドの走査状態を示す模式図である。 本発明の第5の実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドの走査状態を示す模式図である。 本発明の第6の実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドの走査状態を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態及び第3の実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドの変形例を示す模式図である。
符号の説明
10 インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)
12 インクジェット記録ヘッド
14 記録ヘッド
20 記録用紙(記録媒体)
22 メインヒーター
23 サブヒーター
25 サブヒーター
50 インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)
52 インクジェット記録ヘッド
54 記録ヘッド
62 インクジェット記録ヘッド
64 記録ヘッド

Claims (9)

  1. 複数の記録ヘッドを備えたインクジェット記録ヘッドを走査し、インク液滴を吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度を、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度より速くすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録ヘッドのインク流路内には、インク液滴を吐出するためのバブルを発生させるメインヒーターが設けられ、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内に設けたられたメインヒーターに印加される駆動パルス条件を、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーターに印加される駆動パルス条件と異ならせることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記駆動パルス条件は、前記インクの吐出に至らないプレ駆動パルスと前記インクの吐出に至るメイン駆動パルスとによって構成され、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーターに印加されるプレ駆動パルスの数を、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内に設けられたメインヒーターに印加されるプレ駆動パルスの数よりも多くしたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録ヘッド内には、インク液滴を吐出するためのバブルを発生させるメインヒーターが設けられ、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内に、前記メインヒーターとは別にバブルを発生させずにインク液滴の温度を上昇させるサブヒーターが設けられたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録ヘッド内には、インク液滴を吐出するためのバブルを発生させるメインヒーターと、該メインヒーターとは別にバブルを発生させずにインク液滴の温度を上昇させるサブヒーターが設けられ、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内に設けたサブヒーターは、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内に設けられたサブヒーターよりも大きくしたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッド内のインクは、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッド内のインクよりも粘性が低いことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出のタイミングを、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の後方側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出のタイミングより速くすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  8. 複数の記録ヘッドを備えたインクジェット記録ヘッドを走査し、走査方向の往路及び復路でインク液滴を吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記インクジェット記録ヘッドの両端に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度を、前記インクジェット記録ヘッドの内側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度より速くすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 複数の記録ヘッドを備えたインクジェット記録ヘッドを走査し、走査方向の往路又は復路のどちらか一方でインク液滴を吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の先頭から順に、記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出の速度をV1、V2、V3、・・Vn−1、Vnとしたとき、該インク液滴の吐出速度をV1>V2>V3>・・Vn>Vn−1とすることを特徴とするインクジェット記録装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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