JP2005143632A - 脈圧発生装置 - Google Patents

脈圧発生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005143632A
JP2005143632A JP2003382310A JP2003382310A JP2005143632A JP 2005143632 A JP2005143632 A JP 2005143632A JP 2003382310 A JP2003382310 A JP 2003382310A JP 2003382310 A JP2003382310 A JP 2003382310A JP 2005143632 A JP2005143632 A JP 2005143632A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
pulse pressure
mount
pressing
blood
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003382310A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Hiroura
学 廣浦
Eiji Nishizawa
英次 西澤
Takao Nakamura
貴雄 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chinontec KK
Original Assignee
Chinontec KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chinontec KK filed Critical Chinontec KK
Priority to JP2003382310A priority Critical patent/JP2005143632A/ja
Publication of JP2005143632A publication Critical patent/JP2005143632A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)

Abstract

【課題】 血液中に含まれる血球の破壊を防止しつつ脈圧を発生させる。
【解決手段】 モータ11と、そのモータ11の軸12に取り付けられ、そのモータ11の軸12を中心に偏心回転する偏心カム13と、その偏心カム13に接して配置され、その偏心カム13の回転に従動して往復動作する従動部14と、その従動部14に取り付けられた押圧部20と、血液を流すチューブ21を支持するチューブ架台22とを備え、押圧部20は、従動部14の往復動作により、チューブ架台22に支持されたチューブ21に対し所定の周期で圧力を加え、脈圧を発生させる脈圧発生装置とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、医療用チューブに外部から圧力を加え、生体に近い一定周期の脈圧を人工的に発生させる脈圧発生装置に関する。
従来から、心疾患患者の体内に血液を送る血液ポンプとして様々な種類のポンプが知られている。血液ポンプは、一般に、運動型と容積型とに大別される。前者に属する代表的なポンプは、血液を回転させてその遠心力によって血液を送る遠心ポンプである。この遠心ポンプは、無拍動でしか血液を送ることが出来ないものである。
一方、後者に属する代表的なポンプは、ローラの回転でチューブをしごくことによってチューブ内の血液を定量的に送ることができるローラポンプである。このローラポンプのほとんどのタイプは無拍動であるが、長時間の体外循環時にも対応可能なように、拍動流を発生させるべく改良を施したものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平1−214369号公報(産業上の利用分野、従来の技術)
しかし、上記の拍動流を発生可能なローラポンプを使用した場合には、血液中に含まれる血球を破壊してしまうという問題がある。
また、血液ポンプに何らかの異常事態が発生した場合、その異常を報知することはあっても、その異常に対し安全な対応を行い、患者への送液を確保する措置は講じられていない。
本発明は、上述の課題を解決すべくなされた発明であり、血液中に含まれる血球の破壊を防止しつつ脈圧を発生させることを目的とする。また、別の本発明は、異常事態が発生した際に血液の送液を確保することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成すべくなされたものであり、モータと、そのモータの軸に取り付けられそのモータの軸を中心に偏心回転する偏心カムと、その偏心カムに接して配置され、その偏心カムの回転に従動して往復動作する従動部と、その従動部に取り付けられた押圧部と、血液を流すチューブを支持するチューブ架台とを備え、押圧部は、従動部の往復動作により、チューブ架台に支持されたチューブに対し所定の周期で圧力を加え、脈圧を発生させる脈圧発生装置としている。
また、別の本発明は、さらに、押圧部が、チューブを押圧した状態において、チューブに内部空間を残して押圧する脈圧発生装置としている。
また、別の本発明は、さらに、内部空間が、チューブを押圧した状態におけるチューブの内部空間がチューブを押圧していない状態におけるチューブの内部空間に対して3%から7%である脈圧発生装置としている。
また、別の本発明は、血液を流すチューブに外部から所定の周期で圧力を加えて、所定周期の脈圧を発生させる脈圧発生装置であって、チューブを支持するチューブ架台と、チューブ架台との間でチューブを押圧する押圧部と、チューブの押圧方向とチューブの押圧を解放する方向に押圧部を駆動する駆動部と、押圧と解放の繰り返しの周期を検出するセンサと、センサからの信号を通じて、その周期が予め設定された時間を超える事態が発生したか否かを判断する判断部と、判断部から異常を示す信号を受けると、チューブを解放するようにチューブ架台を動作させるチューブ架台駆動部とを備える脈圧発生装置としている。
また、別の本発明は、さらに、センサを、駆動部の動きを検出する駆動部検出センサとして複数備え、判断部は、それぞれの駆動部検出センサからの信号を受け取る駆動部検出回路を複数有し、それぞれの上記駆動部検出回路は、駆動部検出センサからの信号を受け取ると共に、互いに他の駆動部検出回路から他の駆動部検出回路の状態を示す信号を受け取り、駆動部検出センサおよび他の駆動部検出回路のいずれか一方から異常を示す信号を受け取ると、チューブ架台駆動部に対して異常を示す信号を送る脈圧発生装置としている。
また、別の本発明は、さらに、チューブ架台がチューブを解放する方向に動いたかどうかを検出するチューブ架台検出センサと、チューブ架台検出センサから、チューブ架台がチューブを解放する方向に移動したことを示す信号を受けなかった場合に、警告を示す信号を発する警告信号発生部とを備える脈圧発生装置としている。
また、別の本発明は、さらに、チューブ架台駆動部が、チューブを解放する方向にのみチューブ架台を駆動する脈圧発生装置としている。
また、別の本発明は、血液を流すチューブに外部から所定の周期で圧力を加えて、所定周期の脈圧を発生させる脈圧発生装置であって、チューブを支持するチューブ架台と、チューブ架台との間でチューブを押圧する押圧部と、チューブの押圧方向とチューブの押圧を解放する方向に押圧部を駆動する駆動部と、メイン電源がオフになった際に装置に電源を供給するサブ電源と、メイン電源がオフの際に、サブ電源からの電力の供給を受けて、チューブ架台をチューブを解放する方向に駆動するチューブ架台駆動部とを備える脈圧発生装置としている。
また、別の本発明は、さらに、チューブ架台がチューブを解放する方向に動いたかどうかを検出するチューブ架台検出センサと、チューブ架台検出センサから、チューブ架台がチューブを解放する方向に移動したことを示す信号を受けなかった場合に、警告を示す信号を発する警告信号発生部とを備える脈圧発生装置としている。
また、別の本発明は、血液を流すチューブに外部から一定周期で圧力を加えて、所定の周期の脈圧を発生させる脈圧発生装置であって、チューブを支持するチューブ架台と、チューブ架台との間でチューブを押圧する押圧部と、チューブの押圧方向とチューブの押圧を解放する方向に押圧部を駆動する駆動部と、押圧と解放の繰り返しの周期を検出するセンサと、チューブ架台がチューブを解放する方向に動いたかどうかを検出するチューブ架台検出センサと、チューブ架台検出センサから、チューブ架台がチューブを押圧する方向に移動したことを示す信号を受けると、センサからの信号を通じて、その周期が予め設定された時間を超える事態が発生したか否かを判断する判断部と、判断部から、予め設定された時間を超える事態が発生したことを示す信号を受けて、チューブを解放するようにチューブ架台を駆動するチューブ架台駆動部とを備える脈圧発生装置としている。
また、別の本発明は、さらに、チューブ架台検出センサから、チューブ架台がチューブを解放する方向に移動したことを示す信号を受けなかった場合に、警告を示す信号を発する警告信号発生部を備える脈圧発生装置としている。
本発明によれば、血液中に含まれる血球の破壊を防止しつつ脈圧を発生させることができる。また、別の本発明によれば、異常事態が発生した際に血液の送液を確保することができる。
以下、本発明に係る脈圧発生装置を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に使用される脈圧発生装置の原理を説明する図である。
この脈圧発生装置は、図1(1A)に示すように、脈圧発生装置本体1(以後、単に「本体1」という。)と、当該本体1に制御部信号を送出する制御装置2とから構成されている。
本体1は、血液を送るための血液チューブ21に対して押圧部20を一定の周期で押圧と解放を繰り返すように押しつけて、脈圧を発生させる機構を備えている。なお、血液チューブ21内には、遠心ポンプ等の不図示の血液ポンプにより血液が流されている。
制御装置2は、心電図のR波を入力すると共に、患者3に比較的近い血液チューブ21の一部に備えられたセンサ4から実際の加圧波を入力し、生体に近い脈圧を発生させるための制御部信号を、本体1に送出している。図1(1B)は、上から順に、心電図のR波、心電図のP波、本体1に組み込まれたモータ(不図示)の駆動波形(これは、制御部信号に対応している)、実際の加圧波を示す。なお、正常な生体の1回の鼓動で発生する脈圧の心電図には、P波で始まりT波で終わるP波、Q波、R波、S波、T波の5つの一連の波形が含まれている。つまり、心電図には鼓動毎にP波からT波の一連の波形が含まれている。図1(1B)において示されている心電図は、連続する2回の鼓動のそれぞれのR波とP波のみを表している。R波は、先の鼓動で発生した脈圧のR波であり、P波はこの先の鼓動に続く次の鼓動で発生した脈圧のP波である。脈圧発生装置においては、先の鼓動に対応して発生した実際の加圧波形が、続く次の鼓動による脈圧が発生する前に終了していることが要求される。
しかし、モータの駆動波形と実際の加圧波との間には、図1(1B)に示すように、本体1から患者3までの距離等に起因して、a(msec)という時間差が発生する。このため、図1(1B)の左側に示すように、R波のピークを検出してから制御部信号を送出させた場合には、実際の加圧波形が、次の鼓動で発生する脈圧のP波に重なってしまうという問題が生ずる。つまり、先の鼓動に対応して発生した実際の加圧波形が、続く次の鼓動による脈圧に重なってしまうという問題が生ずる。これに対して、図1(1B)の右側は、この時間差a(msec)を考慮して、制御部信号の送出時期を早めるように補正した場合の波形を示している。本発明の脈圧発生装置は、先の鼓動に対応して発生させた実際の加圧波が、続く次の鼓動による脈圧のP波が立ち上がる時期に終了するように、制御部信号の送出時期を補正している。このような補正を行うことにより、先の鼓動に対応して発生させた実際の加圧波が続く次の鼓動による脈圧に重なってしまうという問題が生ずることはない。
図2は、本発明の実施の形態に使用される脈圧発生装置の本体1の正面図である。また、図3は、図2に示す本体1を左側から見た左側面図である。
本体1の上部にはモータ11が横向きに配置されている。そのモータ11の軸(回転軸)12には、偏心カム13が接続されている。また、偏心カム13の下方には、偏心カム13の回転に従動して上下方向に往復駆動される従動部14が配置されている。この従動部14は、偏心カム13に当接するカム当接板15と、そのカム当接板から下方に伸びる2本の軸16,16と、2本の軸16,16の下方に接続される押圧部取付板17とから構成されている。
また、スプリング18,18は、軸16,16の直下にあって軸16,16より大径のスリーブ19,19と、カム当接板15との間において、軸16,16を挿通した状態で配置されている。軸16,16は、スリーブ19,19を上下方向に貫通して、押圧部取付板17に接続されている。
したがって、モータ11の回転によって偏心カム13が偏心回転すると、カム当接板15は、偏心カム13に接触したまま下方に移動し、次に当該移動によって圧縮されたスプリング18,18が上方に伸びる力を利用して上方に移動する往復ピストン運動を繰り返す。押圧部取付板17は、上述のようにカム当接板15と連接されているので、モータ11の回転によって、カム当接板15と同様、上下方向に往復ピストン運動を行う。
図2および図3に示すように、押圧部取付板17の下面には、1個の押圧部20が接続されている。押圧部20は、縦長の円柱を半分に縦割した形状を有し、その縦割面を押圧部取付板17に接して固定されている。押圧部20の下方には、図2の左右方向に伸びる血液チューブ21が配置される。
血液チューブ21は、その上方にある押圧部20に対して、押圧部20の半球状の下面がモータ11の回転によって血液チューブ21に接触したり離れたりできる距離を隔てて、チューブ架台22の上に載置される。また、血液チューブ21は、腕部23における図3の上下方向に長細い楕円形の孔23aの上方に存在するようにチューブ架台22の上に載置されている。
チューブ架台22は、図3の紙面の表裏方向に伸びる軸24の回りに回動可能に配置されている。軸24は、図3において縦に伸びる支持体25に取り付けられている。また、軸24の上方には、チューブ架台22を水平状態から上方に回動することを防止するストッパ26が設けられている。チューブ架台22の下方には、チューブ架台22を略水平に保持するように、スライド板27が配置されている。チューブ架台22の下面に接触するスライド板27の上面には、ローラ取付板28が設けられ、そのローラ取付板28には、図3における時計回りと反時計回りに回転可能な複数のローラ29が備えられている。
また、図2に示すように、本体1の最下部にある架台30の上面には、ソレノイド監視センサ31が備えられている。このソレノイド監視センサ31は、発光部31aと受光部31bを有する光透過型のセンサである。また、チューブ架台22には、このソレノイド監視センサ31にて検出されるクランク形状の被検出部32が固定されている。
スライド板27の血液チューブ21から遠い側の端部27aは、架台30から伸びる突出部(図3の左側に存在)33に一端を固定されたスプリング34と接続されている。スプリング34は、通常の使用状態では、自然長より長く伸張された状態で保持されている。後述するように、安全機構が働く際には、スプリング34は、スライド板27を図3の左側に引っ張りながら自然長に戻る。
架台30には、スライド板27の移動をガイドするガイドレール35が設けられている。また、スライド板27とガイドレール35との間には、これら双方27,35を連結するガイドレールホルダ36が設けられている。また、図3のガイドレールホルダ36の右側には、ガイドレールホルダ36の端部と当接して、スライド板27の端部の位置を規制するストッパ37が備えられている。
図3における押圧部20の左側に配置される架台38には、1個のソレノイド39が配置されている。ソレノイド39は、後述する安全機構をオンにする主要な構成部であり、チューブ架台駆動部の一構成部である。ソレノイド39の略中央には、図3の表裏方向に動く駆動軸40がある。駆動軸40には、駆動軸40を半割した形で、連結体41が固定されている。
図2に示すように、連結体41のソレノイド39側の端面とソレノイド39との間には、レバー42をソレノイド39から離す方向に付勢されたスプリング41aが取り付けられている。ソレノイド39に通電すると、駆動軸40は、そのスプリング41に抗して、ソレノイド39側に引っ込む。
連結体41は、さらにレバー42と連結されている。レバー42は、図2において紙面表裏方向に伸びており、図2において縦に伸びる留め具43を軸として回動可能に備えられている。後述する安全機構がオンになると、ソレノイド39の駆動軸40が図3の紙面裏方向に引っ込み、レバー42が留め具43を中心に、レバー42の図3右方向の端部が同図の紙面表方向に向かうように回動する。
レバー42には、レバー42からスライド板27の方向に向かってレバー42を貫通するストッパ44が設けられている。ストッパ44のスライド板27の側にある先端には、係止部44aが設けられている。係止部44aは、通常の使用時に、スライド板27に設けられた凹部(後述する凹部53)にはまった状態である。また、ストッパ44の軸は、ネジ山45を有しており、レバー42のネジ穴にねじ込まれている。ストッパ44のねじ込み量によって、係止部44aの凹部にはまる量を変えられるようになっている。
ソレノイド39がオンとなると、レバー42が留め具43を中心に回動するので、ストッパ44は、スライド板27の凹部からはずれる。これによって、スライド板27は、スプリング34に引っ張られて図3の左方向に移動する。図3におけるスライド板27の左側には、その紙面の表裏方向に2つのストッパ46,46が設けられており(図8参照)、スプリング34に引っ張られたスライド板27は、留め具46,46に当接して停止する。
軸12を貫通させる穴を有すると共に、モータ11を固定するブラケット47を載置する架台48は、本体1の上下方向の略中央に設けられている。ソレノイド39および押圧部20は、架台48の下方に配置されている。架台48の下面には、ソレノイド39と押圧部取付板17との間の空間を下方に伸びるセンサ取付板49が固定されている。センサ取付板49には、図3の紙面表裏方向に並んで、3個のモータセンサ50(50a,50b,50c)が固定されている。
図4は、押圧部取付板17のみを抜き出して示す斜視図である。
押圧部取付板17には、図4に示すように、3つの薄板51(51a,51b,51c)が設けられている。モータセンサ50a,50b,50cは、それぞれ発光部とこれと対向する受光部とを有する光透過型のセンサである。モータセンサ50a,50b,50cは、モータ11の回転によって上下方向に往復ピストン運動する各薄板51(51a,51b,51c)が発光部と受光部との隙間を通過するのを検出する。つまり、モータセンサ50a,50b,50cからは、各薄板51(51a,51b,51c)が発光部と受光部の隙間を通過するタイミングに対応したパルス信号が出力される。
図5は、チューブ架台22とソレノイド監視センサ31とを抜き出して示す斜視図である。
チューブ架台22が軸24を中心に下方向に向かって回動すると、被検出部32がソレノイド監視センサ31の発光部31aと受光部31bとの隙間に落ちる。逆に、回動後のチューブ架台22を水平に戻すまで回動させると、ソレノイド監視センサ31による被検出部32の検出は行われなくなる。すなわち、チューブ架台22の両矢印Aの動きによって、被検出部32は、両矢印Bで示すように、ソレノイド監視センサ31に検出される位置および検出されない位置へと動く。このような被検出部32の動きによって、チューブ架台22が水平状態か否かを検出できるようになっている。
図6は、図3に示す本体1が血液チューブ21を押圧する様子を示す図である。
図6に示すように、押圧部20が血液チューブ21を押圧すると、それまでの押圧部取付板17の上面の位置は、一点鎖線Aから一点鎖線A’へと変化する。押圧部20が血液チューブ21を押圧すると、血液チューブ21は完全につぶれず、わずかな内部空間を残した状態でつぶれる。血液チューブ21の単位長さ当たりの当該内部空間の容積は、解放時の血液チューブ21における単位長さ当たりの内部空間の容積に対して5%となるようにしている。このように、解放時の内部空間の容積に対する押圧時の内部空間の容積の比率を5%とすると、生体に近い脈圧を生成しつつも、血液中の血球を大量に破壊することなく、患者3に血液を送ることができる。
ただし、解放時の内部空間の容積に対する押圧時の内部空間の容積の比率が3%以上7%以下の範囲内であれば、生体に近い脈圧の発生と血球の破壊低減に効果的である。上述の比率が3%を下回ると、血球の破壊が目立つようになる。逆に、同比率が7%を超えると、脈圧は少し弱くなる。
次に、脈圧発生装置に異常が起きた場合に、血液チューブ21を解放して患者3への血液を送り続ける安全機構を実現する際の本体1の動作につき、詳細に説明する。
図7は、通常の使用状態における図3に示す本体1の下半分の構成を抜き出して示す図である。図8は、図7に示す構成部を本体1の上方から見た図である。また、図9は、安全機構をオンにした状態における図3に示す本体1の下半分の構成を抜き出して示す図である。図10は、図9に示す構成部を本体1の上方から見た図である。
図8および図10に示すように、レバー42のスライド板27側には、突起52が設けられている。この突起52の先端部は、支持体25に当接し、レバー42の留め具43を回転中心とした反時計方向への回動位置を規制する。本実施の形態においては、突起52が凹部53に真っ直ぐな状態ではまるようにレバー42の反時計方向への回動位置が規制されている。
図10に示すように、ソレノイド39がオンとなると、ソレノイド39の駆動軸40がソレノイド39の内部に引っ込む。その結果、駆動軸40と連結体41を介して接続されていたレバー42の連結体41側の端部が、駆動軸40に引っ張られる。すると、レバー42は、ストッパ44の係止部44aをスライド板27の凹部53から外れる方向に、留め具43を中心に回動する。
すると、係止部44aによってスプリング34に抗して保持されていたスライド板27は、解放されて、スプリング34の力で、ソレノイド39の方向へと引っ張られる。この際、スライド板27の上面に複数のローラ29によって、スライド板27は、チューブ架台22との間で大きな摩擦を生ずることなく、スムーズにソレノイド39の方向に移動する。
図7および図9に示すように、スライド板27がスプリング34に引っ張られることによって、下方向の支えを失ったチューブ架台22は、軸24を中心として下方に回動する。その結果、チューブ架台22上の血液チューブ21は、図9に示す2点鎖線の状態から実線の状態へと下降する。先に述べたように、腕部23の楕円形の孔23aは上下方向に細長いので、血液チューブ21は、その孔23aの下方向に移動し、押圧部20によって押圧されない状態になる。
スライド板27をスプリング34に抗して、再びチューブ架台22の真下に移動するためには、手動でスライド板27をストッパ37側に引っ張る必要がある。例えば、スライド板27のストッパ46,46に当接する端面を、不図示の棒等を使ってストッパ37,37に向かって、凹部53に係止部44aがはまる位置まで押す。
次に、制御装置2の構造、制御装置2内の主な信号処理および本体1と制御装置2との間における主な信号処理につき説明する。
図11は、制御装置2の外部および内部の構造の概略を示す概略図である。
制御装置2の外面には、スタートボタン60と、リセットボタン61と、ロータリースイッチ62と、モータ制御用ボタン63と、ブザー64と、インレット65と、ブレーカ66とが備えられている。
スタートボタン60は、本体1を駆動するためのスイッチである。リセットボタン61は、本体1の駆動条件をリセットするためのスイッチである。ロータリースイッチ62は、モータ11のスピードを固定あるいは可変のいずれかに切り替えるためのスイッチである。モータ11のスピードが固定の場合には、60rpmと90rpmの2種類のスピードに設定可能である。また、モータ制御用ボタン63は、モータ11のスピードを可変に切り換えた場合に、そのスピードを調整するためのものであり、50〜120rpmの範囲で連続的に切り換えることができる。したがって、ロータリースイッチ62およびモータ制御用ボタン63により設定したモータ11のスピードに対応した周期で押圧部20が上下方向に往復ピストン運動を行うため、血液チューブ21がこの周期で押圧される。ブザー64は、ソレノイド39がオンになった場合にチューブ架台22が下方に回動しなかった時に警告音を発する警告信号発生部の一構成部である。インレット65は、メイン電源である外部交流電源を供給する電源供給口である。ブレーカ66は、電源供給が過剰の場合に働くと共に、外部交流電源の制御装置2への電源の供給と切断の切り換えを行うメインスイッチの機能を兼ね備えている。
また、制御装置2の内部には、DC電源70と、DC電源71と、サブ電源である無停電電源72と、3つのモータセンサ監視基板73,74,75と、ソレノイドセンサ監視基板76と、モータスピードコントロールユニット77とが、主に備えられている。
DC電源70は、通常の使用時において、インレット65または無停電電源72からの交流を直流に変換して、かつ電圧を下げてから、モータセンサ監視基板73,74,75およびソレノイドセンサ監視基板76に電力を供給する。また、DC電源70は、本体1のソレノイド39と接続されており、異常事態発生の時に、ソレノイド39を駆動する。一方、DC電源71は、インレット65からの交流を直流に変換して、かつ電圧を下げてから、モータセンサ監視基板73,74,75、ソレノイドセンサ監視基板76およびモータスピードコントロールユニット77に電力を供給する。停電、あるいはメインスイッチとして機能するブレーカ66がオフされた等の理由によってインレット65からの電力供給が途絶える状態であるメイン電源がオフとなった際に、DC電源71からモータセンサ監視基板73,74,75、ソレノイドセンサ監視基板76およびモータスピードコントロールユニット77への電力供給も途絶える。
モータセンサ監視基板73,74,75には、モータセンサ50a,50b,50cからのパルス信号が入力され、このパルス信号の信号周期が所定周期であるかどうかを監視すると共に、互いに正常であることを示す信号を送り合う駆動部検出回路を持つ回路基板である。つまり、モータセンサ監視基板73,74,75では、モータセンサ50a,50b,50cからのパルス信号を通じて、血液チューブ21の押圧と解放の繰り返しの周期が予め設定された時間を超える事態が発生したか否かが判断されることに加えて、駆動部検出回路の状態がお互いに監視されている。ソレノイドセンサ監視基板76は、ソレノイド39がオンになった時にソレノイド監視センサ31により被検出部32を検出したかどうかを監視する回路基板であると共に、チューブ架台22を駆動させる信号を送出するチューブ架台駆動部とチューブ架台22が下方に回動しない時に警告信号を送出させる警告信号発生部とを兼ねる回路基板である。モータスピードコントロールユニット77は、モータ11のスピードを調整するユニットである。
図12は、制御装置2の内部における信号処理、および本体1と制御装置2との間における信号処理の様子を簡単に示す図である。
モータ11の回転によって、押圧部20が血液チューブ21に対して押圧と解放とを繰り返すと、モータセンサ50a,50b,50cは、薄板51a,51b,51cを検出する検出信号を、それぞれモータセンサ監視基板73,74,75に送出する。モータセンサ監視基板73,74,75は、各モータセンサ50a,50b,50cからのパルス信号の周期が5秒をこえた場合には、異常事態が発生したものと判断し、異常を示す信号を出力し、ソレノイド39をオンさせる。
また、それとは別に、モータセンサ監視基板73は、自己が正常であることを示す信号を、モータセンサ監視基板74に送出する。また、モータセンサ監視基板74もモータセンサ監視基板75に、モータセンサ監視基板75はモータセンサ監視基板73に、それぞれ自己が正常であることを示す信号を送出する。この正常であることを示す信号を受け取らなかったモータセンサ監視基板(73、74または75)は、異常を示す
信号を出力し、ソレノイド39をオンさせる。
したがって、押圧部20が何らかの異常によって駆動を停止した場合には、3つ全てのモータセンサ50a,50b,50cからの信号が途絶えるので、ソレノイド39はオンとなる。また、モータセンサ50a,50b,50cのいずれか1つが故障した場合にも、その故障したモータセンサ(50a、50bまたは50c)からの信号が途絶えるので、ソレノイド39はオンとなる。さらに、いずれか1つのモータセンサ監視基板73、74または75が故障した場合にも、故障した回路基板とは別のモータセンサ監視基板73、74または75が正常信号を受け取らなくなるので、ソレノイド39がオンとなる。
このように、血液チューブ21を正常に押圧しない場合の他、モータセンサ50a,50b,50cの故障、モータセンサ監視基板73,74,75の故障でも、ソレノイド39がオンとなり、血液チューブ21の押圧が解放される。さらに、何らかの異常によりチューブ架台22が下方に回動しない場合には、ソレノイドセンサ監視基板76は、ソレノイド監視センサ31からの検出信号を受け取らないので、ブザー64をならすための信号を送出する。
次に、安全機構の動作工程につき、説明する。
図13は、モータセンサ50a,50b,50cまたはモータセンサ監視基板73,74,75に異常が起こった際、およびメイン電源がオフになった際における安全機構の動作の流れを示すフローチャートである。
ブレーカ66をオンにしてメイン電源がオンになると(ステップS101)、モータセンサ監視基板73,74,75は、各モータセンサ50a,50b,50cが正常か否かを判断する(ステップS102)。具体的には、モータセンサ監視基板73,74,75は、各モータセンサ50a,50b,50cからの信号を5秒以内に受け取ったか否かを判断する。同時に、モータセンサ監視基板73,74,75は、各モータセンサ監視基板73,74,75が正常か否かを判断する(ステップS103)。具体的には、モータセンサ監視基板73,74,75は、互いに他のモータ監視基板73,74,75の1つから、正常であることを示す信号を受け取ったか否かを判断する。
また、モータセンサ監視基板73,74,75およびソレノイドセンサ監視基板76は、メイン電源がオンかどうかも判断する(ステップS104)。ステップS102〜S104の判断の結果、いずれのステップでも異常が検出されない場合には、チューブ解放機構オフの状態が維持され、ステップS102〜S104が繰り返される。一方、ステップS104においてメイン電源がオフの場合には、無停電電源(サブ電源)72が働き、無停電電源72からの電力供給が行われる(ステップS105)。
ステップS105の工程後、あるいはステップS102若しくはステップS103において異常と判断された後には、ソレノイドセンサ監視基板76によって、ソレノイド39がオン、すなわちチューブ解放機構がオンとされる(ステップS106)。次に、ソレノイド監視基板76は、ソレノイドセンサ31からの信号を待って、血液チューブ21が解放されたか否かを判断する(ステップS107)。この結果、ソレノイド監視基板76は、ソレノイドセンサ31からの信号を受け取らなかった場合には、ブザー64によりアラームを出力させる(ステップS108)。一方、ソレノイドセンサ31から正常に信号を受け取った場合には、処理を終了する。
脈圧発生装置が駆動されている際に、ステップS102〜S104のいずれかの事態が発生した場合には、血液チューブ21を解放して、患者3に対して確実な血液供給を行うようにしている。また、本体1のセッティング時において、スタートスイッチ60がオフの状態でチューブ架台22を上方に回動させると、ステップS106に逆う手動の動作となるので、アラームが出力される。したがって、誤って、血液チューブ21を押圧した状態を長時間放置する事故を防止することができる。
以上説明したように、本発明は、モータ11と、そのモータ11の回転軸12に取り付けられ、その回転軸12を中心に偏心回転する偏心カム13と、その偏心カム13に接して配置され、その偏心カム13の回転に従動して往復動作する従動部14と、その従動部14に取り付けられた押圧部20と、血液を流す血液チューブ21(チューブの一形態)を支持するチューブ架台22とを備え、押圧部20は、従動部14の往復動作により、チューブ架台22に支持された血液チューブ21に対し一定周期で圧力を加え、脈圧を発生させる脈圧発生装置としている。
このため、患者3に対して生体に近い脈圧を維持させて血液を供給できる。しかも、ローラポンプを使用しないので、血液中の血球を破壊する危険性が低く、実用性の高い装置を提供できる。
また、押圧部20は、血液チューブ21を押圧した状態における血液チューブ21の内部空間が、血液チューブ21を押圧していない状態における血液チューブ21の内部空間に対して3%以上7%以下の範囲となるように血液チューブ21を押圧するようにしている。
このため、血液中の血球の破壊をより効果的に防止できる。血液チューブ21を完全につぶす押圧を行っても、ローラポンプを使用する場合に比べて血球を破壊する率は少ないが、血液チューブ21を押圧したときのチューブ内の空間を解放時の空間に対して3%以上7%以下の範囲とすると、血球の破壊をより少なくできる。しかも、生体に近い脈圧をも発生可能である。
また、本発明は、血液を流す血液チューブ21に外部から所定の周期で圧力を加えて、所定周期の脈圧を発生させる脈圧発生装置であって、血液チューブ21を支持するチューブ架台22と、チューブ架台22との間で血液チューブ21を押圧する押圧部20と、血液チューブ21の押圧方向と血液チューブ21の押圧を解放する方向に押圧部20を駆動するモータ11(駆動部の一形態)と、押圧と解放の繰り返しの周期を検出するモータセンサ50(センサの一形態)と、そのモータセンサ50からの信号を通じて、その周期が予め設定された時間を超えるか否かを判断するモータセンサ監視基板73,74,75(判断部の一形態)と、モータセンサ監視基板73,74,75から異常を示す信号を受けると、血液チューブ21を解放するようにチューブ架台22を動作させるソレノイド39およびソレノイドセンサ監視基板76(チューブ架台駆動部を構成)とを備えた脈圧発生装置としている。
このため、モータセンサ50により押圧部20の正常な往復ピストン運動を示す信号が送られてこない場合には、異常事態が発生したものと判断し、血液チューブ21を解放して患者3に確実に血液を送り込むことができる。
特に、モータセンサ50(50a,50b,50c)は、モータ11の動きを検出する駆動部検出センサとして複数備えられ、モータセンサ監視基板73,74,75は、それぞれのモータセンサ50a,50b,50cからの信号を受け取る駆動部検出回路を複数有し、それぞれは、モータセンサ50からの信号と、他の駆動部検出回路の状態を示す信号とを受け取り、モータセンサ50および他の駆動部検出回路のいずれか一方から異常を示す信号を受け取ると、ソレノイドセンサ監視基板76(チューブ架台駆動部の一部)に対して異常を示す信号を送る。
このため、モータセンサ50a,50b,50cのいずれか1つでも故障したり、あるいはモータセンサ監視基板73,74,75のいずれか1つでも故障すれば、異常事態が発生したものと判断し、血液チューブ21を解放して患者3に確実に血液を送り込むことができる。
また、チューブ架台22が血液チューブ21を解放する方向に動いたかどうかを検出するソレノイド監視センサ31(チューブ架台検出センサの一形態)と、ソレノイド監視センサ31から、チューブ架台22が血液チューブ21を解放する方向に移動したことを示す信号を受けなかった場合に、警告信号を出力させるブザー64およびソレノイドセンサ監視基板76(警告信号発生部を構成)とをさらに備えるようにしている。
このため、チューブ架台22が血液チューブ21を解放する方向に動かないという異常が発生した場合には、アラームを出力して、使用者に報知することが可能である。
また、ソレノイド39およびソレノイドセンサ監視基板76(チューブ架台駆動部を構成)は、血液チューブ21を解放する方向にのみチューブ架台22を駆動するので、自動でチューブ架台22をセットすることはできない。したがって、脈圧発生装置の誤動作等により、血液チューブ21をつぶした状態のまま長時間放置する危険性が少ない。
また、本発明は、血液を流す血液チューブ21に外部から所定の周期で圧力を加えて、所定周期の脈圧を発生させる脈圧発生装置であって、血液チューブ21を支持するチューブ架台22と、チューブ架台22との間で血液チューブ21を押圧する押圧部20と、血液チューブ21の押圧方向と血液チューブ21の押圧を解放する方向に押圧部20を駆動するモータ11(駆動部の一形態)と、メイン電源がオフになった際に装置に電源を供給するサブ電源72と、メイン電源がオフの際に、無停電電源72から電力の供給を受けて、チューブ架台22を、血液チューブ21を解放する方向に駆動するソレノイド39およびソレノイドセンサ監視基板76(チューブ架台駆動部を構成)とを備える脈圧発生装置としている。
このため、停電等の異常事態の際には、血液チューブ21を解放し、患者3に確実に血液を送り込むことができる。
また、前述の脈圧発生装置において、チューブ架台22が血液チューブ21を解放する方向に動いたかどうかを検出するソレノイド監視センサ31(チューブ架台検出センサの一形態)と、ソレノイド監視センサ31から、チューブ架台22が血液チューブ21を解放する方向に移動したことを示す信号を受けなかった場合に、警告信号を出力させるブザー64およびソレノイドセンサ監視基板76(警告信号発生部を構成)とをさらに備えるようにしている。
このため、チューブ架台22が血液チューブ21を解放する方向に動かないという異常事態が発生した場合には、アラームを出力して、使用者に報知することが可能である。
また、本発明は、血液を流す血液チューブ21(チューブの一形態)に外部から所定の周期で圧力を加えて、所定周期の脈圧を発生させる脈圧発生装置であって、血液チューブ21を支持するチューブ架台22と、チューブ架台22との間で血液チューブ21を押圧する押圧部20と、血液チューブ21の押圧方向と血液チューブ21の押圧を解放する方向に押圧部20を駆動するモータ11(駆動部の一形態)と、押圧と解放の繰り返しの周期を検出するモータセンサ50(センサの一形態)と、チューブ架台22が血液チューブ21を解放する方向に動いたかどうかを検出するソレノイド監視センサ31(チューブ架台検出センサの一形態)と、ソレノイド監視センサ31から、チューブ架台22が血液チューブ21を押圧する方向に移動したことを示す信号を受けると、モータセンサ50からの信号を通じて、その周期が予め設定された時間を超えるか否かを判断するモータセンサ監視基板73,74,75(判断部の一形態)と、モータセンサ監視基板73,74,75から、予め設定された時間を超える事態が発生したことを示す信号を受けて、血液チューブ21を解放するようにチューブ架台22を駆動するソレノイド39およびソレノイドセンサ監視基板76(チューブ架台駆動部を構成)とを備える脈圧発生装置としている。
このため、本体1が稼働していない場合にチューブ架台22をセットしても、モータセンサ50から正常な信号が来ないので、予め設定された時間後(この実施の形態では、5秒後)に、血液チューブ21を解放し患者3に確実に血液を送り込むことができる。
また、ソレノイド監視センサ31から、チューブ架台22が血液チューブ21を解放する方向に移動したことを示す信号を受けなかった場合に、警告信号を出力させるブザー64およびソレノイドセンサ監視基板76(警告信号発生部を構成)を、さらに備えるようにしているので、使用者に対して、誤ったセットをしたことを報知することができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、種々の変形を施した実施の形態にて実施可能である。
例えば、上述の実施の形態では、チューブ架台22は、血液チューブ21を載置する構成部とし、血液チューブ21を、その上方に設けられた押圧部20とチューブ架台22とによって上下方向に挟むようにしている。しかし、かかるチューブ架台22に代えて、血液チューブ21の左または右方向から血液チューブ21を支持し、血液チューブ21を挟んで対向する方向から押圧部20を押圧するようにしても良い。また、血液チューブ21を、血液以外の薬液であって、患者3の体内に供給すべき薬液を通すチューブとしても良い。
また、上述の実施の形態では、血液チューブ21の解放時の内部空間に対する押圧時の内部空間の比率が3%以上7%以下の範囲になるように押圧しているが、同比率を7%以上20%以下の範囲とするように押圧しても良い。7%以上20%以下の範囲とすれば、血液中の血球の破壊は、さらに少なくできるが、脈圧は小さくなる。しかし、心臓外科手術の状況によっては、発生させる脈圧の程度が生体のそれと比して多少弱くても良い場合がある。例えば、手術を受ける患者自身の脈圧が強い場合には、本体1により発生させる脈圧をあまり高くする必要がない場合がある。ただし、同比率が20%より大きくなると、発生させる脈圧は、生体のそれに比べて非常に弱くなる。したがって、同比率は、患者の態様等に応じて、3%以上20%以下の範囲とし、特に3%以上7%以下の範囲とするのが好ましい。
また、モータ11以外の駆動部として、ソレノイドを使用しても良い。すなわち、ソレノイドのオン・オフを繰り返すことによって、押圧部20を往復ピストン駆動するようにしても良い。また、モータセンサ50は、押圧部取付板17と共に上下する薄板51の動きを検出しているが、モータセンサ50以外のセンサを使用し、モータ11自体の回転、あるいは偏心カム13の回転が正常であるか否かを検出するようにしても良い。また、モータセンサ50を2つあるいは4つ以上設けても良い。
また、判断部としてのモータセンサ監視基板73,74,75は、モータセンサ11から薄板51の通過を検出する信号を5秒間経過しても受け取らない場合、異常事態が発生したと判断しているが、5秒未満の時間(例えば、4.5秒、4秒、3秒)あるいは5秒を超える時間(5.5秒、6秒)を経過してもモータセンサ11から薄板51の通過を検出する信号を受け取らない場合に、異常事態が発生したと判断するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、ソレノイドセンサ監視基板76は、異常時に、モータセンサ監視基板73,74,75から異常時であることを示す信号を受け取り、ソレノイド39を駆動させるようにしている。しかし、ソレノイドセンサ監視基板76は、正常時に、モータセンサ監視基板73,74,75から正常時であることを示す信号を受け取り、その正常を示す信号を受け取らなかった時に、ソレノイド39を駆動させるようにしても良い。また、チューブ架台22を駆動するチューブ架台駆動部をモータとし、モータの回転によって、チューブ架台22を駆動しても良い。
また、上述の実施の形態では、モータセンサ監視基板73,74,75は、正常時に、他のモータセンサ監視基板73,74,75から正常時であることを示す信号を受け取っている。しかし、モータセンサ監視基板73,74,75は、異常時に、他のモータセンサ監視基板73,74,75から異常時であることを示す信号を受け取ると、ソレノイドセンサ監視基板76からの指令を介してソレノイド39を駆動させるようにしても良い。
また、ソレノイドセンサ監視基板76は、警告を報知する信号を出力する機能を備えているが、かかる機能を備えず、警告を報知する信号を発する回路基板を別個に設け、当該別個の回路基板からの信号を通じてブザ−64を鳴らしても良い。また、異常事態の際には、チューブ架台22を下方に回動させて血液チューブ21を解放するだけでも良い。すなわち、チューブ架台22が下方に回動しない場合でも、アラームを出力しなくても良い。また、警告信号発生部の一構成部であるブザー64の代わりに、発光する構成部を備えて、チューブ架台22が下方に回動しない場合には、点滅発光させて使用者に知らせるようにしても良い。
本発明の脈圧発生装置は、医療機器メーカが製造し、医療の現場、特に、心臓外科手術時に心臓疾患者に血液を供給する際に使用可能である。
本発明の実施の形態に使用される脈圧発生装置の原理を説明する図である 本発明の実施の形態に使用される脈圧発生装置の本体の正面図である。 図2に示す本体を左側から見た左側面図である。 図3に示す押圧部取付板のみを抜き出して示す斜視図である。 図3に示すチューブ架台とソレノイド監視センサとを抜き出して示す斜視図である。 図3に示す本体が血液チューブを押圧する様子を示す図である。 通常の使用状態における図3に示す本体の下半分の構成を、抜き出して示す図である。 図7に示す構成部を本体の上方から見た図である。 安全機構をオンにした状態における図3に示す本体の下半分の構成を、抜き出して示す図である。 図9に示す構成部を本体の上方から見た図である。 図1に示す制御装置の外部および内部の構造の概略を示す概略図である。 図1に示す制御装置の内部における信号処理、および本体と制御装置との間における信号処理の様子を簡単に示す図である。 図2に示す本体において、モータセンサまたはモータセンサ監視基板に異常が起こった際、およびメイン電源がオフになった際の安全機構の動作の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
11 駆動部(モータ)
12 回転軸(軸)
13 偏心カム
14 従動部
20 押圧部
21 血液チューブ(チューブ)
22 チューブ架台
31 ソレノイド監視センサ(チューブ架台検出センサ)
39 ソレノイド(チューブ架台駆動部)
50 モータセンサ(駆動部検出センサ,センサ)
50a モータセンサ(駆動部検出センサ,センサ)
50b モータセンサ(駆動部検出センサ,センサ)
50c モータセンサ(駆動部検出センサ,センサ)
64 ブザー(警告信号発生部)
72 無停電電源(サブ電源)
73 モータセンサ監視基板(判断部,駆動部検出回路)
74 モータセンサ監視基板(判断部,駆動部検出回路)
75 モータセンサ監視基板(判断部,駆動部検出回路)
76 ソレノイドセンサ監視基板(チューブ架台駆動部,警告信号発生部)

Claims (11)

  1. モータと、
    そのモータの軸に取り付けられ、そのモータの軸を中心に偏心回転する偏心カムと、
    その偏心カムに接して配置され、その偏心カムの回転に従動して往復動作する従動部と、
    その従動部に取り付けられた押圧部と、
    血液を流すチューブを支持するチューブ架台と、
    を備え、
    上記押圧部は、上記従動部の往復動作により、上記チューブ架台に支持された上記チューブに対し所定の周期で圧力を加え、脈圧を発生させることを特徴とする脈圧発生装置。
  2. 前記押圧部は、前記チューブを押圧した状態において、前記チューブに内部空間を残して押圧することを特徴とする請求項1記載の脈圧発生装置。
  3. 前記内部空間は、前記チューブを押圧していない状態における前記チューブの内部空間に対して3%から7%としたことを特徴とする請求項2記載の脈圧発生装置。
  4. 血液を流すチューブに外部から所定の周期で圧力を加えて、所定周期の脈圧を発生させる脈圧発生装置であって、
    上記チューブを支持するチューブ架台と、
    上記チューブ架台との間で上記チューブを押圧する押圧部と、
    上記チューブの押圧方向と上記チューブの押圧を解放する方向に、上記押圧部を駆動する駆動部と、
    上記押圧と上記解放の繰り返しの周期を検出するセンサと、
    上記センサからの信号を通じて、上記周期が予め設定された時間を超える事態が発生したか否かを判断する判断部と、
    上記判断部から異常を示す信号を受けると、上記チューブを解放するように上記チューブ架台を動作させるチューブ架台駆動部と、
    を備えることを特徴とする脈圧発生装置。
  5. 前記センサは、前記駆動部の動きを検出する駆動部検出センサとして複数備えられ、
    前記判断部は、それぞれの上記駆動部検出センサからの信号を受け取る駆動部検出回路を複数有し、
    それぞれの上記駆動部検出回路は、上記駆動部検出センサからの信号を受け取ると共に、互いに他の上記駆動部検出回路から他の上記駆動部検出回路の状態を示す信号を受け取り、上記駆動部検出センサおよび他の上記駆動部検出回路のいずれか一方から異常を示す信号を受け取ると、前記チューブ架台駆動部に対して異常を示す信号を送ることを特徴とする請求項4記載の脈圧発生装置。
  6. 前記チューブ架台が前記チューブを解放する方向に動いたかどうかを検出するチューブ架台検出センサと、
    上記チューブ架台検出センサから、前記チューブ架台が前記チューブを解放する方向に移動したことを示す信号を受けなかった場合に、警告を示す信号を発する警告信号発生部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項4または5記載の脈圧発生装置。
  7. 前記チューブ架台駆動部は、前記チューブを解放する方向にのみ前記チューブ架台を駆動することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項記載の脈圧発生装置。
  8. 血液を流すチューブに外部から所定の周期で圧力を加えて、所定周期の脈圧を発生させる脈圧発生装置であって、
    上記チューブを支持するチューブ架台と、
    上記チューブ架台との間で上記チューブを押圧する押圧部と、
    上記チューブの押圧方向と上記チューブの押圧を解放する方向に、上記押圧部を駆動する駆動部と、
    上記メイン電源がオフになった際に装置に電源を供給するサブ電源と、
    上記メイン電源がオフの際に、上記サブ電源からの電力の供給を受けて、上記チューブ架台を、上記チューブを解放する方向に駆動するチューブ架台駆動部と、
    を備えることを特徴とする脈圧発生装置。
  9. 前記チューブ架台が前記チューブを解放する方向に動いたかどうかを検出するチューブ架台検出センサと、
    上記チューブ架台検出センサから、前記チューブ架台が前記チューブを解放する方向に移動したことを示す信号を受けなかった場合に、警告を示す信号を発する警告信号発生部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項8記載の脈圧発生装置。
  10. 血液を流すチューブに外部から所定の周期で圧力を加えて、所定周期の脈圧を発生させる脈圧発生装置であって、
    上記チューブを支持するチューブ架台と、
    上記チューブ架台との間で上記チューブを押圧する押圧部と、
    上記チューブの押圧方向と上記チューブの押圧を解放する方向に、上記押圧部を駆動する駆動部と、
    上記押圧と上記解放の繰り返しの周期を検出するセンサと、
    上記チューブ架台が上記チューブを解放する方向に動いたかどうかを検出するチューブ架台検出センサと、
    上記チューブ架台検出センサから、上記チューブ架台が上記チューブを押圧する方向に移動したことを示す信号を受けると、上記センサからの信号を通じて、上記周期が予め設定された時間を超える事態が発生したか否かを判断する判断部と、
    上記判断部から、上記予め設定された時間を超える事態が発生したことを示す信号を受けて、上記チューブを解放するように上記チューブ架台を駆動するチューブ架台駆動部と、を備えることを特徴とする脈圧発生装置。
  11. 前記チューブ架台検出センサから、前記チューブ架台が前記チューブを解放する方向に移動したことを示す信号を受けなかった場合に、警告を示す信号を発する警告信号発生部を、さらに備えることを特徴とする請求項10記載の脈圧発生装置。
JP2003382310A 2003-11-12 2003-11-12 脈圧発生装置 Pending JP2005143632A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003382310A JP2005143632A (ja) 2003-11-12 2003-11-12 脈圧発生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003382310A JP2005143632A (ja) 2003-11-12 2003-11-12 脈圧発生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005143632A true JP2005143632A (ja) 2005-06-09

Family

ID=34691421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003382310A Pending JP2005143632A (ja) 2003-11-12 2003-11-12 脈圧発生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005143632A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023501179A (ja) * 2019-11-18 2023-01-18 マグアシスト インコーポレイテッド 体外血液ポンプのためのモータ、体外血液ポンプ、および体外血液ポンプシステム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023501179A (ja) * 2019-11-18 2023-01-18 マグアシスト インコーポレイテッド 体外血液ポンプのためのモータ、体外血液ポンプ、および体外血液ポンプシステム
JP7426753B2 (ja) 2019-11-18 2024-02-02 マグアシスト インコーポレイテッド 体外血液ポンプのためのモータ、体外血液ポンプ、および体外血液ポンプシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8555876B2 (en) Fail-safe module integral with a sedation and analgesia system and method
CA2268176C (en) Safety monitoring apparatus for a patient care system
JP6916194B2 (ja) 薬液投与装置
AU2005248856B2 (en) Flow monitoring system for a flow control apparatus
US9205190B2 (en) Modular infusion pump
JP2008135059A (ja) 高精度投薬装置、システム及び方法
US20070270724A1 (en) Servo motor for cpr
EP2388036A3 (en) Cardiac monitoring and therapy using a device for providing pressure treatment of sleep disordered breathing
JPS63503207A (ja) コンピュ−タゲ−テッド陽圧呼気システム
WO2003057016A3 (en) Diagnostic algorithms for a csf physiologic controller
CN211704605U (zh) 一种红外生命体征检测器
JP2005143632A (ja) 脈圧発生装置
JP2010501239A (ja) 心臓蘇生のための医薬の投与
JP2001104478A (ja) 携帯型投液装置
JP7459549B2 (ja) 流量監視装置、輸液装置及び異常報知方法
US20240041696A1 (en) Automated cardiopulmonary resuscitation device
US20230158230A1 (en) Infusion apparatus and method for testing extravasation
JPH0321259A (ja) 血液ポンプの駆動装置
CN106823050A (zh) 微量输注泵安全系统
CN116077336A (zh) 一种静脉配药生物安全柜
CN111407956A (zh) 一种带有监控提醒功能的输液椅
JPH1080481A (ja) 注腸機
KR20020070706A (ko) 배터리 상태 표시 및 경보기능을 갖는 인슐린 패치 제어기
WO2018188234A1 (zh) 自动清洁消毒装置
Reagor Ventricular Assist Device Malfunction: Sometimes It Is a Zebra