JP2005143444A - キメラ酵素及び洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 脂質に親和性を有するポリペプチドをC末端側に、酵素をN末端側に有し、かつポリペプチドと酵素とをリンカーで連結したことを特徴とするキメラ酵素。
【効果】 本発明によれば、脂質に親和性を有するポリペプチドと酵素とを安定的に連結させることができ、この洗浄中において脂質関連汚れ成分に対して効果的に結合し、脂質含有複合汚れに対して高い洗浄力を有するキメラ酵素及びこれを含有する洗浄剤組成物を提供することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、脂質に親和性を有するポリペプチドと酵素をリンカーで連結したキメラ酵素及び洗浄剤組成物に関するものである。
繊維織物製品には皮脂や蛋白質等の人体に由来する汚れだけでなく、食物や生活環境に由来する様々な汚れが付着し、これら汚れの除去を目的として、様々な洗浄剤組成物及び酵素が開発されている(上島孝之著、「産業用酵素」、丸善株式会社発行(1995))。
この場合、繊維織物製品への洗浄力を向上させるため、洗浄剤組成物中にプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等の酵素を配合することが広く行われている(上島孝之著、「産業用酵素」、丸善株式会社発行(1995))。さらに洗浄力を向上させるため、比活性の高い酵素の開発や、洗浄剤組成物中の酵素の増量、汚れの構成成分に適した酵素の開発等が行われている。
しかしながら、繊維に固着している汚れやしみの除去は未だ充分なものではない。日常生活で落ちにくい汚れ成分の一つとして、エリ、ソデ、脇の下等に付着する皮脂汚れをはじめとした脂質関連汚れが挙げられる。該汚れは落ちにくいだけでなく、臭いや黄ばみ等の原因にもなり、該汚れの除去は強く求められている。これは、洗浄中の酵素は洗浄液中に分散しているので、汚れに対して効率的に作用しにくく、酵素による洗浄力を向上させるためには汚れに配向する酵素濃度が低いのがその理由の一つである。
かかる課題の解決策の一つとして、セルラーゼのセルロース結合ドメインが保有する繊維に対する親和性を酵素に付与する方法が提案されている(例えば、特許文献1:WO97/28243号パンフレット、特許文献2:WO98/16191号パンフレット、特許文献3:WO01/46514号パンフレット)。
また、脂質関連汚れを対象とした場合には汚れの本体、すなわち、脂質に親和性を持つ分子の利用が望ましいと考えられ、酵素と脂肪酸結合蛋白質を融合して、酵素を脂質汚れに滞留させることによる汚れ洗浄力の向上についても提案されている(例えば、特許文献4:特開2002−51768号公報)。
しかしながら、脂質に親和性を有するポリペプチドを有するキメラ酵素は、他のキメラ酵素と比較して洗浄力が低い場合があった。脂質に親和性を有するポリペプチドを有するキメラ酵素は、滞留化機能素材としての性能が十分に引き出されていない傾向があり、この脂質に親和性を有するポリペプチドを安定的に酵素に連結した活性の高いキメラ酵素が強く望まれていた。
WO97/28243号パンフレット WO98/16191号パンフレット WO01/46514号パンフレット 特開2002−51768号公報 上島孝之、「産業用酵素」、丸善株式会社発行、1995年、p15−23 P.Tommeら、「Adv.Microbiol.Physiol.」、1995年、37、p1−81
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、脂質に親和性を有するポリペプチドと酵素とを安定的に連結させてなる優れた洗浄効果をもたらすことのできるキメラ酵素及びこのキメラ酵素を含む洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、脂質に親和性を有するポリペプチドと酵素とを有するキメラ酵素の洗浄力が低い場合がある要因として、キメラ化した脂質に親和性を有するポリペプチドの立体構造が正しく形成されずに、十分な機能を発揮できなかった可能性を推測した。そこで、リンカー領域を、C末端側の脂質に親和性を有するポリペプチドと、N末端側の酵素との間に挿入することにより、連結時に正しく構造形成し、活性の高いキメラ酵素を作り出せることを見出し本発明をなすに至った。
さらに、リンカーを介して脂質に親和性を有するポリペプチドと酵素を連結させてなるキメラ酵素とすることにより、洗浄中において脂質関連汚れ成分に対して効果的に連結し、脂質含有複合汚れに配向する酵素濃度を高めることができ、脂質含有複合汚れに対して今までにない高い洗浄力を有することを知見した。
従って、本発明は
[1].脂質に親和性を有するポリペプチドをC末端側に、酵素をN末端側に有し、かつポリペプチドと酵素とをリンカーで連結したことを特徴とするキメラ酵素、
[2].脂質に親和性を有するポリペプチドが脂肪酸結合蛋白質であることを特徴とする[1]記載のキメラ酵素、
[3].リンカーがプロリンとスレオニンの反復配列を含むことを特徴とする[1]又は[2]に記載のキメラ酵素、
[4].酵素が、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ペクチン質分解酵素及び酸化還元酵素から選ばれる1類又は2種以上の酵素であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のキメラ酵素、
[5].[1]〜[4]のいずれかに記載のキメラ酵素を含むことを特徴とする洗浄剤組成物を提供する。
本発明によれば、脂質に親和性を有するポリペプチドと酵素とを安定的に連結させることができ、この洗浄中において脂質関連汚れ成分に対して効果的に結合し、脂質含有複合汚れに対して高い洗浄力を有するキメラ酵素及びこれを含有する洗浄剤組成物を提供することができる。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
本発明のキメラ酵素は、脂質に親和性を有するポリペプチドをC末端側に、酵素をN末端側に有し、かつポリペプチドと酵素とをリンカーで連結したことを特徴とするキメラ酵素である。
本発明は、脂質に親和性を有するポリペプチドを用いるものであるが、本発明において、「親和性」という言葉は、結合性、吸着性、相互作用性、吸脱着性、又は基質としての認識性を意味する。なお、本発明で利用可能な脂質に親和性を有するポリペプチド及び酵素はその機能を有する部分を含んだポリペプチドの一部分、あるいは前述のポリペプチドに対して化学修飾、糖鎖修飾、アミノ酸配列の変更や削除又は追加等の操作を行ったもの、及び合成ポリペプチドも含まれる。
上記脂質に対する親和性を有するポリペプチド(脂質親和性ポリペプチド)の一例としては、脂質類の合成・運搬・代謝・分解などに関与する蛋白質や酵素などが挙げられる。より具体的には、脂肪酸合成酵素、トリアシルグリセロール合成酵素、脂肪酸アシルCoA合成酵素、脂肪酸輸送蛋白質、アポリポ蛋白質、アルブミン、チロクロムP450、ホスホリパーゼ、リパーゼ、ジアシルグリセロールキナーゼ、脂肪酸結合蛋白質及びそのファミリー、又は各種の膜蛋白質の膜結合領域のアミノ酸配列上において、脂質結合に関与する領域の利用も可能である。さらに、疎水性ペプチドの利用も可能である。この中でも脂肪酸結合蛋白質(ペプチド)を用いることが好ましい。脂肪酸結合蛋白質とは、脂肪酸に結合する部位を含む蛋白質(ペプチド)である。本発明の脂質に対する親和性を有するポリペプチドとしては、これらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
以下、本発明での好適なポリペプチドの由来の事例を示すが、本発明で利用できるポリペプチドは、下記の事例及びそれらの由来に限定されるものではない。
本発明の脂質に対する親和性を有するポリペプチドの遺伝子は、動物、植物、カビやバクテリア等の微生物に由来するものが適当であり、一般的に行われている方法により取得することができる。例えば、脂質に対する親和性を有するポリペプチドのDNA配列を含む染色体、RNA、プラスミド、又はcDNAライブラリーから、PCR等により目的のDNA領域を選択的に増幅して取得するか、適当な制限酵素を用いて切り出すことによっても、目的の遺伝子を取得することができる。さらには、脂質に対する親和性を有するポリペプチドをコードする遺伝子が市販されている場合には、それを用いてキメラ酵素の遺伝子を構築してもよい。
次に、本発明のキメラ酵素の洗浄を担う領域の成分となる酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼファミリー、セルラーゼ、ペクチン質分解酵素、及びペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、オキシダーゼ類(例えばグルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ))等の酸化還元酵素から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。なお、対象となる汚れやしみの成分にあわせて、対象成分の分解や漂白に関わる酵素であれば、上記の酵素以外であっても利用することができる。
上記酵素DNA又は酵素ポリペプチドの取得源については、動物、植物、カビやバクテリア等の微生物に由来するものが適当である。また、ここで用いる酵素には、既知の酵素又は市販されている酵素を用いることもできる。さらには、本発明で利用できる酵素には、化学修飾や遺伝子工学的な修飾を施した酵素も含まれる。
以下、本発明の好適な酵素の種類及び由来の事例を示すが、本発明で利用できる酵素は、下記の事例及びそれらの由来に限定されるものではない。
i.プロテアーゼ:
本発明で用いる蛋白質分解酵素(E.C.3.4)の種類や由来は限定されない。好適な蛋白質分解酵素の由来の例としては、微生物、動物、植物が挙げられるが、特に微生物(バクテリア又はカビ)由来のプロテアーゼが好ましい。各種のタイプのプロテアーゼが利用できるが、E.C.3.4.21のセリンプロテアーゼが好適であり、中でも、アルカリプロテアーゼが好適である。好ましい酵素の一例としては、バチルス(Bacillus)属に由来するアルカリプロテアーゼが挙げられる。有用な酵素の一例としては、ズブチリシンファミリー、Ya酵素(霜垣ら、Agric.Biol.Chem.,55,2251−2258(1991))等が挙げられる。
ii.リパーゼ:
本発明で利用できるリパーゼ(E.C.3.1.1)の種類や由来は限定されない。E.C.3.1.1.3のトリアシルグリセロールリパーゼ、E.C.3.1.1.13のコレステロールエステラーゼ、E.C.3.1.23のモノアシルグリセロールリパーゼ、E.C.3.1.1.34のリポプロティンリパーゼが好ましく、それら由来は限定されないが、特に微生物(バクテリア又はカビ)に由来するものが好ましい。有用なリパーゼの一例としては、フミコーラ(Humicola)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ペニシリウム(Penicillium)属、リゾパス(Rhizopus)属、バチルス(Bacillus)属等に由来するものが挙げられる。
iii.アミラーゼファミリー:
本発明で利用できるアミラーゼの種類や由来は限定されない。E.C.3.2.1.1のα−アミラーゼ、E.C.3.2.1.2のβ−1,3−アミラーゼ、及びE.C.3.2.1.3のエキソ−α−1,4−グルコシダーゼ、エンド−α−1,4−グルコシダーゼが好ましく、特に微生物(バクテリア又はカビ)に由来するものが好ましい。有用なアミラーゼの一例としては、バチルス(Bacillus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾパス(Rhyzopus)属、パイロコッカス(Pyrococcus)属等に由来するものが挙げられる。
iv.セルラーゼ:
本発明で利用できるセルラーゼの種類や由来は限定されない。E.C.3.2.1.4のセルラーゼ、E.C.3.2.1.21のβ−グルコシターゼ、及びE.C.3.2.1.74のエキソ−1,4−β−グルコシターゼが好ましく、特に微生物(バクテリア又はカビ)に由来するものが好ましい。有用なセルラーゼの一例としては、バチルス(Bacillus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、クロストリディウム(Clostridium)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、セルロモナス(Cellulomonas)属等に由来するものが挙げられる。
v.ペクチン質分解酵素:
本発明で利用できるペクチン酸分解酵素の種類や由来は限定されない。3.2.15のペクチナーゼ、E.C.4.2.2.2のペクチン酸リアーゼが好適である。植物や微生物から得ることができるが、由来は限定されない。アルカリ領域で活性の高い酵素も好適に用いられる。好ましいペクチン酸分解酵素としては、微生物由来の酵素が挙げられ、一例としてバチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属等に由来するものが挙げられる。
vi.ペルオキシダーゼ:
本発明で利用できるペルオキシダーゼ(E.C.1.11)の種類や由来は限定されないが、E.C.1.11.7のペルオキシダーゼが好ましく、特に植物又は微生物(バクテリア、担子菌類、又はカビ等)に由来するものが好ましい。有用なペルオキシダーゼの一例としては、植物由来では、西洋わさび、大豆等に由来するもの、微生物由来では、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、フミコーラ(Humicola)属、コプリナス(Coprinus)属等に由来するものが挙げられる。
vii.ラッカーゼ:
本発明で利用できるラッカーゼ(EC1.10.3.2)の種類や由来は限定されないが、植物又は微生物(バクテリア、カビ、又は担子菌類等)に由来するものが好ましい。有用なラッカーゼの一例としては、植物由来では、ウルシ等の樹木や野菜類に由来するもの、微生物由来では、アスペルギルス(Aspergillus)属、ニューロスポラ(Neurospor)属、コプリナス(Coprinus)属、コリオラス(Coriolus)属等に由来するものが挙げられる。
viii.オキシダーゼ:
本発明で利用できるオキシダーゼの種類や由来は限定されない。E.C.1.1.3.4のグルコースオキシダーゼ、E.C.1.1.3.5のヘキソースオキシダーゼ、E.C.1.1.3.6のコレステロールオキシダーゼ、E.C.1.1.3.10のピラノースオキシダーゼ、E.C.1.1.3.13のアルコールオキシダーゼ、E.C.1.1.3.9のガラクトースオキシダーゼ、E.C.1.10.3.1のカテコールオキシダーゼが好適である。これらの酵素は動物、植物、及び微生物から得ることができるが、微生物(バクテリア、カビ、又は担子菌類等)由来のものが好適である。有用なオキシダーゼの一例としては、アスペルギルス(Aspergillus)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、ポリポラス(Polyporus)属、バチルス(Bacillus)属等に由来するものが挙げられる。
なお、その他の種類の酵素であっても、汚れ成分の分解に関わる酵素であれば利用することが可能である。
本発明でいうリンカーとは、蛋白質間を連結するつなぎとなるスペーサー分子のことであり、ポリサッカライドを分解する各種の酵素によく見られるような、触媒活性領域と基質結合ドメインとの間をつなぐ領域として存在するペプチドである(P.Tommeら、Adv.Microbiol.Physiol.,37,1−81(1995))。目的に応じて各種のリンカーが利用でき、人工的に設計したポリペプチド等も用いることができる。
本発明においては、リンカー領域を、C末端側の脂質に親和性を有するポリペプチドと、N末端側の酵素との間に挿入することにより、連結時に正しく構造形成し活性の高いキメラ酵素を作り出せる。さらに、このような構造とすることで、脂質に親和性を有するポリペプチドがアンカーとして(脂)汚れに結合すると、リンカーによってつながれた酵素が基質である汚れに集まり、分解・解離のサイクルを繰り返すことができる。これにより、飛躍的な洗浄力の向上が期待できる。
リンカーの長さは1〜400アミノ酸が適当であり、より好ましくは5〜100アミノ酸、さらに好ましくは10〜50アミノ酸である。
リンカーの分解が懸念される場合には、プロテアーゼに感受性の低いアミノ酸配列のリンカーを用いたり、リンカーのアミノ酸配列をプロテアーゼが認識しにくく変更したり、リンカーを糖鎖により修飾することができる。また、酵素領域を離脱する目的でキメラ酵素を作製する場合は、リンカー部分にプロテアーゼ切断部位のアミノ酸配列を挿入して、系中に存在するプロテアーゼ、又は後で添加したプロテアーゼなどにより、リンカーを分解させることも可能である。
好ましいリンカーの種類として、プロリンとスレオニンの反復配列を含む構成であるリンカーが挙げられる。
キメラ酵素の構成は、C末端側に親和性を有するポリペプチド、N末端側に酵素、それらの間にリンカーが位置していれば、脂質に親和性を有するポリペプチド、酵素及びリンカーを各々2つ以上複数組み合わせることも可能である。
本発明の脂質に親和性を有するポリペプチドと酵素とのリンカーによる連結は、遺伝子工学的な手法、又は化学的な架橋方法等によって行うことができる。具体的には、遺伝子工学的手法により、脂質に親和性を有するポリペプチドの遺伝子配列と洗浄や漂白を担う酵素の遺伝子配列の間にリンカーの遺伝子配列を融合することにより、脂質に親和性を有するポリペプチドをリンカーで連結したキメラ酵素の遺伝子を得ることができる。
本発明の洗浄剤組成物は、上記のようにして得られる脂質に親和性を有するポリペプチドをC末端側に、酵素をN末端側に有し、かつポリペプチドと酵素とをリンカーで連結してなるキメラ酵素を含むものである。キメラ酵素は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
この場合、洗浄剤組成物中のキメラ酵素の配合量の下限は、0.001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。上限は好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。キメラ酵素の配合量が少なすぎると十分な洗浄力が得られない場合があり、一方、多すぎると配合量に見合った洗浄力が期待できない場合がある。
本発明の洗浄剤組成物には、キメラ酵素以外にも、一般に洗浄剤に使用される界面活性剤等の洗浄成分を併用することができる。
界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩及び/又はアルキル硫酸塩を含有するものが好ましい。これらの具体例としては、平均炭素数10〜16のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸塩等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物中に使用される界面活性剤の配合量は、一般的には5〜40質量%、好ましくは15〜40質量%である。界面活性剤の配合量が少なすぎると洗浄力が不足する場合があり、一方、多すぎると洗剤製造性が悪化する場合がある。
上記界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩及び/又はアルキル硫酸塩の含有物以外にも、必要に応じて、他の界面活性剤を配合することができる。具体的には、平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、分子中に平均0.15〜8モルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエトキシ硫酸塩、平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するオレフィンスルホン酸塩、平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するα−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、平均炭素数8〜20高級脂肪酸塩等の他のアニオン性界面活性剤;平均炭素数10〜20のアルキル基を有し、分子中に平均1〜20モルのアルキレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物等の非イオン性界面活性剤;その他べタイン型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、カチオン性界面活性剤等を含有してもよい。
その他、本発明の洗浄剤組成物には以下の成分を必要に応じて用いることができる。これらの成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(1)アクリル酸とマレイン酸の共重合体
(2)無機ビルダー
A型ゼオライト、P型ゼオライト、X型ゼオライト、非晶質アルミノケイ酸塩、結晶性ケイ酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等が挙げられる。
(3)2価金属イオン捕捉剤
アミノ酸誘導体(アミノ酸骨格としてグリシン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸から誘導される−COOX基を分子内に3〜4個持つキレート剤であり、Xは水素、又はアルカリ金属塩、特にナトリウム塩が好ましい。具体的には、グリシン2酢酸塩、セリン2酢酸塩、アスパラギン酸2酢酸塩、グルタミン酸2酢酸塩、イミノジコハク酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩等)、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、ニトリル三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、ポリアクリル酸、ポリアセタールカルボン酸塩等が挙げられる。
(4)アルカリ剤及び無機塩
ケイ酸塩、炭酸塩、セスキ炭酸塩、硫酸塩、塩化ナトリウム等が挙げられる。
(5)再汚染防止剤
ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
(6)漂白剤、漂白活性化剤、蛍光剤等
漂白剤として過炭酸ソーダ、過ホウ酸ソーダ、硫酸ナトリウムや塩化ナトリウムの過酸化水素付加物等が挙げられ、漂白活性化剤としては、特開平8−157876号公報記載のもの等、また、増白剤として市販染料の他、香料、青味付剤等も必要に応じて配合することができる.
(7)キャリーオーバー成分
原料の不純物は、性能等に悪影響を及ぼさない限り含有することができる。α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩に含有されるメチル硫酸ナトリウム、メタンスルホン酸ナトリウム、α−スルホ脂肪酸塩、アクリル酸とマレイン酸の共重合体(塩)に含有されるアクリル酸やマレイン酸のモノマー又はその塩、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物に含有される高級アルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
以下、製造例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。なお、製造例中の操作は特に断らない限り、「Maniatisら、Molecular Cloning Second Edition」に記載されている方法に従い行った。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%を示す。表4中の各成分の量は純分換算した量である。
[製造例1]
リンカー(以下、PTと略記する)遺伝子の取得
ムタナーゼに含有されるPro−Thr繰り返し配列リンカーの遺伝子配列を以下のようにして取得した。
特開平10−201483号公報に記載のプラスミドpRM1SKを鋳型として、5’末端側にBlnI部位を有する下記プライマー1(配列番号1)及びプライマー2(配列番号2)を用いてPCRを行った。
プライマー1:配列番号1
acctaggacg cctactccta ctc
プライマー2:配列番号2
ttcctaggcg gaggaggcgt c
増幅した断片をpT7Blue(ノバジェン社製)にクローニングして、リンカー遺伝子配列を含むプラスミドpT7PTを得た。
[製造例2]
脂肪酸結合蛋白質(以下、FABPと略記する)遺伝子の取得
脂肪酸結合蛋白質FABP遺伝子配列を以下のようにして取得した。
QuickPrep mRNA purification Kit(アマシャム・ファルマシア社製)により、ヒト皮膚由来ケラチノサイトのmRNAを調製した。
まず、GeneBankデータベース登録番号MN001444を参考にして、N末端側にBlnI部位を含む下記プライマー3,C末端側にPstI部位を含む下記プライマー4(配列番号3及び4)を作製し、RNA PCR Kit(AMV) Ver.2.1(宝酒造社製)を用いてRT−PCRを行った。
プライマー3:配列番号3
cctaggatgg ccacagttca g
プライマー4:配列番号4
ctgcagttat tctacttttt catagatcc
増幅した断片をpT7Blue(ノバジェン社製)にクローニングし、導入したFABPのDNA配列の3’末端側にpT7BlueのマルチクローニングサイトのPstI部位が存在するクローンを選択し、FABP遺伝子配列を含むプラスミドpT7FABPを得た。
[製造例3]
アルカリプロテアーゼ遺伝子の取得
アルカリプロテアーゼ(以下、ALPと略記する)(特開平4−197182号公報)を含む遺伝子配列を以下の方法により調製した。
まず、特開平4−197182号公報記載のプラスミドpTBE3ESを鋳型として、EcoRI部位を含む下記プライマー5(配列番号5)及びBlnI部位を含む下記プライマー6(配列番号6)を用いてPCRを行った。
プライマー5:配列番号5
gatgaggaat tcaggagaaa tgaag
プライマー6:配列番号6
cctaggatgt acgatagcta gtg
増幅した断片をpT7Blue(ノバジェン社製)にクローニングし、導入したALPのDNA配列の3’末端側にpT7BlueのマルチクローニングサイトのPstI部位が存在するクローンを選択し、ALP遺伝子配列を含むプラスミドpT7ALPを得た。
[製造例4]
アミラーゼ(以下、AMYと略記する)遺伝子の取得
「生物化学実験講座2:核酸の化学I、日本生化学会編、東京化学同人発行」記載の方法によりバチルス・リヘニホルミス(Bacillus licheniformis)の染色体DNAを調製した。
まず、GeneBankデータベース登録番号X67133を参考にして、EcoRI部位を有する下記プライマー7(配列番号7)及びBlnI部位を含む下記プライマー8(配列番号8)を作製し、PCRを行った。
プライマー7:配列番号7
ggaattcaaa aggaggaaac atg
プライマー8:配列番号8
cctaggtctt tgaacataaa ttgaaacc
増幅した断片をpT7Blue(ノバジェン社製)にクローニングし、導入したAMYのDNA配列の3’末端側にpT7BlueのマルチクローニングサイトのPstI部位が存在するクローンを選択し、AMY遺伝子配列を含むプラスミドpT7AMYを得た。
[製造例5]
リパーゼ(以下、LIPと略記する)の遺伝子の取得
「生物化学実験講座2:核酸の化学I、日本生化学会編、東京化学同人発行」記載の方法によりバチルス・サーモカテヌロウタス(Bacillus thermocatenulatus)の染色体DNAを調製した。
まず、GeneBankデータベース登録番号X95309を参考にして、EcoRI部位を有する下記プライマー9(配列番号9)及びBlnI部位を含む下記プライマー10(配列番号10)を作製し、PCRを行った。
プライマー9:配列番号9
aagaattcgt tatgtgaggg
プライマー10:配列番号10
cctaggaggc cgcaaactc
増幅した断片をpT7Blue(ノバジェン社製)にクローニングし、導入したLIPのDNA配列の3’末端側にpT7BlueのマルチクローニングサイトのPstI部位が存在するクローンを選択し、LIP遺伝子配列を含むプラスミドpT7LIPを得た。
[製造例6]
ペクチナーゼ(以下、PECと略記する)遺伝子の取得
「生物化学実験講座2:核酸の化学I、日本生化学会編、東京化学同人発行」記載の方法によりシュードモナス・マルギナリス(Pseudomonas marginalis)の染色体DNAを調製した。
まず、GeneBankデータベース登録番号D32122を参考にして、EcoRI部位を有する下記プライマー11(配列番号11)及びBlnI部位を含む下記プライマー12(配列番号12)を用いてPCRを行った。
プライマー11:配列番号11
aactgaattc aatcaaggat c
プライマー12:配列番号12
cctagggagc ttaccggctc
増幅した断片をpT7Blue(ノバジェン社製)にクローニングし、導入したPECのDNA配列の3’末端側にpT7BlueのマルチクローニングサイトのPstI部位が存在するクローンを選択し、PEC遺伝子配列を含むプラスミドpT7PECを得た。
[製造例7]
ラッカーゼ(以下、LACと略記する)遺伝子の取得
QuickPrep mRNA Purification Kit(アマシャム・ファルマシア社製)により、オイスターマッシュルーム(Pleurotus ostreatus)のmRNAを調製した。
まず、GeneBankデータベース登録番号Z34827を参考にして、EcoRI部位を有する下記プライマー13(配列番号13)及びBlnI部位を含む下記プライマー14(配列番号14)を作製し、RNA PCR Kit(AMV) Ver.2.1(宝酒造社製)を用いてRT−PCRを行った。
プライマー13:配列番号13
cagaattcgt atgtttccag g
プライマー14:配列番号14
cctaggagct atgccacctt tg
増幅した断片をpT7Blue(ノバジェン社製)にクローニングし、導入したLACのDNA配列の3’末端側にpT7BlueのマルチクローニングサイトのPstI部位が存在するクローンを選択し、LAC遺伝子配列を含むプラスミドpT7LACを得た。
[製造例8]
ペルオキシダーゼ(以下、PODと略記する)遺伝子の取得
QuickPrep mRNA Purification Kit(アマシャム・ファルマシア社製)により、西洋わさび(Armoracia rusticana)のmRNAを調製した。
まず、GeneBankデータベース登録番号X57564を参考にして、EcoRI部位とpKK223−3のリボソーム結合部位を有するように設計した下記プライマー15(配列番号15)及びBlnI部位を含む下記プライマー16(配列番号16)を作製し、RNA PCR Kit(AMV) Ver.2.1(宝酒造社製)を用いてRT−PCRを行った。
プライマー15:配列番号15
caaggaattc aggaaatgaa aacac
プライマー16:配列番号16
cctaggatta ataaccctgc agtttg
増幅した断片をpT7Blue(ノバジェン社製)にクローニングし、導入したPODのDNA配列の3’末端側にpT7BlueのマルチクローニングサイトのPstI部位が存在するクローンを選択し、POD遺伝子配列を含むプラスミドpT7PODを得た。
[製造例9]
オキシダーゼ遺伝子の取得
グルコースオキシダーゼ(以下、GODと略記する)の取得方法を以下に記す。
QuickPrep mRNA Purification Kit(アマシャム・ファルマシア社製)により、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のmRNAを調製した。
まず、GeneBankデータベース登録番号J05242を参考にして、EcoRI部位を有するように設計した下記プライマー17(配列番号17)、及びBlnI部位を含む下記プライマー18(配列番号18)を作製し、RNA PCR Kit(AMV) Ver.2.1(宝酒造社製)を用いてRT−PCRを行った。
プライマー17:配列番号17
cctcatctgg aattcatgca gactc
プライマー18:配列番号18
cctaggctgc atggaagcat aatc
増幅した断片をpT7Blue(ノバジェン社製)にクローニングし、導入したGODのDNA配列の3’末端側にpT7BlueのマルチクローニングサイトのPstI部位が存在するクローンを選択して、pT7GODを得た。次に、pUC118をBamHI及びSphIで切断したものに、pT7GODのBamHI及びSphI断片を連結し、プラスミドpUCGODを作製した。
GOD遺伝子配列内部に存在するEcoRI部位のアミノ酸配列を変えずに消失させるために、LA PCR invitor Mutagenesis Kit(宝酒造社製)用いて、pUCGODを鋳型として下記EcoRI消失プライマー19(配列番号19)にて、GOD遺伝子内部のEcoRI部位を消失させたプラスミドpUCGODEを作製した。
プライマー19:配列番号19
tgccaaattc cacgccaacg
さらに、GOD遺伝子配列内部に存在するPstI部位もアミノ酸配列を変えずに消失させるために、LA PCR invitro Mutagenesis Kit(宝酒造社製)用いて、pUCGODEを鋳型として下記PstI消失プライマー20(配列番号20)を用いて、GOD遺伝子内部のPstI部位を消失させたプラスミドpUCGODEPを作製した。
プライマー20:配列番号20
ctggtcctga aggttcaagc
これにより、GOD遺伝子配列を含むプラスミドpUCGODEPを得た。
Figure 2005143444
[実施例1]
<キメラ酵素の調製方法>
表1に示した製造例3〜9に記載の方法で取得した各種の酵素をコードするDNAを含むプラスミド群のBlnI−PstI部位に、表1に示した製造例2に記載の方法で取得したFABPをコードするDNAを含むプラスミドのBlnI−PstI消化断片を組み込み、キメラ酵素DNAを調製した。
具体的には、製造例3〜9の酵素遺伝子を含むプラスミドのEcoRI−BlnI消化断片に、pT7FABPのBlnI−PstI断片を連結した。次に、リンカー遺伝子pT7PTのBlnI断片を先に作製した酵素の遺伝子配列とFABP遺伝子配列の連結部分(BlnI部位)に挿入した。
構築したキメラ酵素のDNA配列を含むプラスミドのEcoRI及びPstI消化断片を、pKK233−3(アマシャム・ファルマシア社製)のEcoRI及びPstI部位に挿入したプラスミドを作製し、このプラスミドによる形質転換体を一夜培養した後、1mMのIPTGを添加し、さらに4時間培養することにより、表2に示したキメラ酵素を得た。
[実施例1]
表2のキメラ酵素AP−PT−Fの調製例を代表例として記載する。
製造例3に記載のpT7ALPをEcoRIとBlnIで消化し、製造例2記載のpT7FABPのEcoRI−BlnI消化断片を連結して、大腸菌を形質転換し、pT7ALP−FABPを得た。このpT7ALP−FABPをBlnIで消化し、製造例1記載のpT7PTのBlnI消化断片を連結して、大腸菌を形質転換し、pT7ALP−PT−FABPを得た。
また、このクローンに由来するキメラ酵素を大腸菌で発現するために、pT7ALP−PT−FABPをEcoRI及びPstIにて消化し、その断片をEcoRI及びPstIで切断したpKK233−3(アマシャム・ファルマシア社製)に連結した。このキメラ酵素の遺伝子配列を含むプラスミドpKK−ALP−PT−FABPで大腸菌JM105を形質転換して、その形質転換体を一夜培養した後に、1mMのIPTGを添加してさらに4時間培養することにより、キメラ酵素を得た。
[比較例1,2]
実施例1の方法に準じて、AP−F、F−APのキメラ酵素を調製した。
[比較例3]
プライマーに制限酵素部位を挿入して連結する実施例1の方法を応用して、ALPとFABPの連結の順番を逆にFABP−PT−ALPの順で連結したキメラ遺伝子を調製した。そして、そのキメラ酵素遺伝子をpKK233−3(アマシャム・ファルマシア社製)に連結し、大腸菌を形質転換し、上記と同様にしてキメラ酵素を培養生産した。
調製したキメラ酵素とその性状を調べた結果を表2に示す。キメラ酵素の分子量を調べた結果、F−APとF−PT−APは自己分解していた。AP−Fについては脂肪酸結合活性が低下していた。プロテアーゼの自己分解を受けずに、期待した性状を持っていたキメラ酵素は、AP−PT−Fのみであった。これにより、FABPとALPのキメラ酵素の場合は、酵素をN末端側に、FABPをC末端側に配置して、リンカーにより連結することにより、連結安定性が高く、かつ高い活性を発現するキメラ酵素を得ることができた。
Figure 2005143444
ND:検出なし
[実施例2〜7]
実施例1に準ずる方法で、表3に示す各種酵素とFABPをリンカーで連結したキメラ酵素を調製した。
Figure 2005143444
[比較例4〜9]
実施例1に準ずる方法で、表5に示す各種酵素とFABPとのキメラ酵素を調製した。
[実施例8〜14、比較例10〜24]
表3,5記載の各種キメラ酵素を、表4に示した組成の洗浄剤組成物に含まれるように調製し、これら洗浄剤組成物の洗浄力試験を下記方法に従って行った。なお、比較例17〜23はキメラ化しない酵素を配合し、比較例24は酵素を配合しなかった。比較例10〜23は、実施例のキメラ酵素と酵素活性が同じになるように調整した。
<洗浄力試験方法>
(1)汚染布の作製方法
結晶性鉱物であるカオリナイト、バーミキュライト等を主成分とする粘土を200℃で30時間乾燥したものを無機汚垢として使用した。10質量%葡萄果汁と、1質量%上新粉と、1%ヘモグロビンとをミキサーで混和した液900mLに、上記無機汚垢50gを加えてポリトロンで分散させながら、オレイン酸15gと、トリオレイン15gとを加えて汚垢浴を作製した。この汚垢浴中に10cm×20cmの綿布20番を浸漬した後、ゴム製2本ロールで水を絞り、汚垢の付着量を均一化した。この布を105℃で30分乾燥した後、布の両面を左右2回づつラビングした。これを5cm×5cmに裁断して評価用汚染布を作製した。
(2)洗浄力試験
U.S.Testing社(米国)のTerg−0−tometerを使用し、これに上記汚染布10枚とメリヤス布を入れて浴比を30倍に合わせ、洗剤組成物で、30℃、120rpm、10分間洗浄した。その後、すすぎ、乾燥工程終了後のもの(洗浄布)の
、反射率を測定し洗浄力を求めた。この場合、洗浄液は、洗浄剤濃度0.066%のもの900mLを用い、すすぎは900mLの水で3分間洗浄した。使用水は硬度3°DHで、塩素濃度1ppmのものを用いた。
(3)評価方法
下記数式1で表されるクベルカムンク式により洗浄力(%)を求めた。なお、洗浄力の評価は、試験布10枚の平均値で行った。なお、標準白布とは、綿布20番を表4に記載の組成の洗浄剤組成物(酵素なし)で洗浄したものである。
洗浄力評価は、漂白力以外に、各々酵素が対応する比較例17〜23に対する洗浄力向上率を下記評価基準で示した。
<評価基準>
5−10%未満:△
10%以上:○
Figure 2005143444
(式中、Rは日本電色(株)製の色彩計Σ−9000を用いて測定した反射率である。)
Figure 2005143444
表4中の略号の意味及び詳細は以下の通りである。なお、EOpはエチレンオキサイドの平均付加モル数を、また、POpはプロピレンオキサイドの平均付加モル数を示す。
(1)アニオニン界面活性剤
α−SF:α−スルホ脂肪酸(C14〜C16)メチルエステルナトリウム
AOS:C14〜C18α−オレフィンスルホン酸ナトリウム
LAS:C10〜C14直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
AE:C12アルコールエトキシレート(EOp=12)
AEP:C13アルコールのEO,PO付加物(EOp=12、POp=3)
石けん:C12〜C18パーム油由来脂肪酸ナトリウム
コポリマー:アクリル酸とマレイン酸のモル比60:40、平均分子量50,000の共
重合体のナトリウム塩、独国;BASF社製、商品名ソカランCP7
ゼオライト:4A型ゼオライト(平均粒子径1.2μm)
蛍光剤:4.4−ビス(スルホスチリル)ビフェニル2ナトリウム/4.4−ビス{(4
−アニリノ−6−モノホリノ−1,3,5−トリアジン−2イル)アミノ}スチ
ルペン−2,2−ジスルホン2ナトリウム=1/1の混合物(商品名チノパール
CBS/商品名チノパールAMS)
Figure 2005143444

Claims (5)

  1. 脂質に親和性を有するポリペプチドをC末端側に、酵素をN末端側に有し、かつポリペプチドと酵素とをリンカーで連結したことを特徴とするキメラ酵素。
  2. 脂質に親和性を有するポリペプチドが脂肪酸結合蛋白質であることを特徴とする請求項1記載のキメラ酵素。
  3. リンカーがプロリンとスレオニンの反復配列を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のキメラ酵素。
  4. 酵素が、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ペクチン質分解酵素及び酸化還元酵素から選ばれる1類又は2種以上の酵素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のキメラ酵素。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のキメラ酵素を含むことを特徴とする洗浄剤組成物。
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