JP2005140113A - 内燃機関のクランク軸の惰性停止の制御方法および装置 - Google Patents

内燃機関のクランク軸の惰性停止の制御方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 希望の停止位置がより大きな確実性および精度で達成されるように内燃機関クランク軸の惰性停止を制御する方法、コンピュータ・プログラムおよび制御装置を改良する。
【解決手段】 希望停止位置への内燃機関のクランク軸の惰性停止の制御方法は、惰性回転過程の間にクランク軸の実際回転速度(n)を測定し、実際回転速度(n)が所定の目標回転速度(nsoll)の周りの所定の公差範囲(Δn)内に存在するかどうかを検査するステップ(S5)であって、希望停止位置へのクランク軸の惰性停止が保証される前記ステップと、実際回転速度が実際に公差範囲内に存在しないことを検査が示したとき、クランク軸の実際回転速度(n)を公差範囲(Δn)内に移行させるために、内燃機関の少なくとも1つの選択されたシリンダ内の燃料/空気混合物の補正点火を、少なくとも1回開始させるステップ(S15a、S15b)と、を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は希望停止位置への内燃機関クランク軸の惰性停止の制御方法およびコンピュータ・プログラムに関するものである。さらに、本発明はこの方法を実行するための制御装置並びにコンピュータ・プログラムを有するデータ媒体に関するものである。
このような方法および制御装置は、DE 102 55 149A1から、基本的に既知である。正確にいうと、この特許出願から、惰性回転過程の間に内燃機関の選択されたピストンを、クランク軸の所定角速度で所定の位置に移動させることが既知である。この場合、用語「惰性回転過程」は、内燃機関に付属の制御装置が点火および噴射の遮断を開始させた後に、内燃機関がとる時間的な過程を表わす。このとき、基本的に内燃機関シリンダ内において燃料/空気混合物のトルク形成燃焼は行われない。惰性回転過程の間に選択されたピストンが移動されるべき位置は、いわゆる下死点または上死点であることが好ましい。上記特許出願は、惰性回転過程の終点におけるこの死点において、クランク軸の回転速度は所定の回転速度範囲内に存在しなければならず、これにより、惰性回転過程に続く停止過程において、例えば希望クランク軸角度により定義される希望停止位置へのクランク軸の停止が達成されることを教示する。目的とする停止位置が達成されたとき、内燃機関は、次の始動において最適始動特性を示すことが保証される。
クランク軸の回転速度を希望範囲に移行させるために、上記特許出願は、惰性回転過程の間における、種々の信号、例えば高圧ポンプの操作信号または内燃機関絞り弁の操作信号による内燃機関の操作および/または制御を教示する。しかしながら、内燃機関の回転速度へのこのような影響力の付加は、実際には不正確であり且つ必ずしも目的を達成しない。これは、既知の方法によっては、惰性回転過程の終点において内燃機関の回転速度が実際には希望の回転速度範囲内に設定されることが保証されていないことを意味する。
本発明の課題は、従来技術から出発して、内燃機関クランク軸の惰性停止を制御するための既知の方法、コンピュータ・プログラムおよび制御装置を、希望の停止位置がより大きな確実性および精度で達成されるように改良することである。
本発明によれば、希望停止位置への内燃機関クランク軸の惰性停止の制御方法は、惰性回転過程の間にクランク軸の実際回転速度を測定し、実際回転速度が所定の目標回転速度の周りの所定の公差範囲内に存在するかどうかを検査するステップであって、この場合に、希望停止位置へのクランク軸の惰性停止が保証されるであろう、上記の測定し且つ検査するステップと、実際回転速度が実際に公差範囲内に存在しないことを検査が示したとき、クランク軸の実際回転速度を公差範囲内に移行させるために、内燃機関の少なくとも1つの選択されたシリンダ内の燃料/空気混合物の補正点火を少なくとも1回開始させるステップとを含む。
本発明によれば、一般的に、内燃機関クランク軸の惰性停止の過程を、従来技術において行われるよりもより正確にモニタリングし、場合により、モニタ過程の間にクランク軸の希望停止位置が予測により自動的に達成されないことが示されたとき、補正しながらクランク軸の惰性停止に係合することができる。惰性停止のモニタリングは、惰性回転の間における内燃機関の実際回転速度の測定により、および実際回転測定と所定の目標回転速度との比較により行われる。実際回転速度の目標回転速度からの偏差の大きさに応じてそれぞれ、好ましくは内燃機関の1つのシリンダのみにおいて補正点火が実行され、これにより、より大きな確実性および精度で希望停止位置が達成されるであろうことが保証される。
目標停止位置を達成するために、補正点火により内燃機関に供給される追加エネルギーの量が、内燃機関の実際運転状況を考慮して、即ち特に回転速度差を考慮して、正確に決定されることが必要である。このエネルギーの量の決定は、一方で、補正点火において点火される燃料/空気混合物の量によって影響される。クランク軸が補正点火により希望停止位置で停止するように、この混合物は、決定回転速度差と、内燃機関の実際温度と、および/または実際クランク軸角度とに基づいて適切に選択される。
他方で、前記エネルギーは、補正点火時期により本質的に影響される。本発明により、この時期は、実際クランク軸角度に基づいて適切に選択され、この場合、クランク軸角度は、実際回転速度差および内燃機関の実際温度の関数である。
点火時期を最適に設定するために、計画された点火時期の直前において新たに実際回転速度の測定が行われ、且つ最初に予測された最適点火時期を、決定された実際回転速度に応じて、場合により補正することが有利である。
内燃機関の実際回転速度が公差範囲を考慮して目標回転速度の上方に存在する場合、補正点火により内燃機関の回転速度の減速ないし低下を達成することが必要である。これは、補正点火が、時間的に、クランク軸が上死点に到達する前の選択されたシリンダの圧縮行程の間に開始されることにより形成される。
この場合において、補正点火の時期が上死点に到達する前の半回転に割り当てられる場合、補正点火が実行されるシリンダのピストンが排気行程内に存在することによりこれが保証されることが有利である。これは、補正点火により発生する排気ガスがシリンダの内部から逃げることが可能であるという利点を有している。
しかしながら、回転速度が公差範囲を考慮して目標回転速度の下方に存在する場合、補正点火により内燃機関の回転速度を上昇させることが必要である。このために、補正点火の時期は選択されたシリンダの作業工程内に割り当てられ、即ち補正点火の時期は、時間的に、クランク軸の上死点を超えた後に行われる。
惰性回転過程の終点における、特に最後の1回転の間における本方法の実行は、停止位置に到達させるために追究されるべき目標回転速度が、それより前の時点よりも正確に設定可能であるという利点を有している。回転速度の測定から内燃機関の停止までの時間間隔はこのとき特に小さい。これにより、測定により検出不可能なその他の妨害影響(例えば、摩擦効果)は低減される。
ガソリン直接噴射は、吸気管噴射よりも、回転速度の測定から内燃機関の停止までの過程をさらに短縮させることを可能にする。したがって、測定により検出不可能なその他の妨害影響はさらに低減される。
先行する補正点火後に決定された、実際回転速度と目標回転速度との間の回転速度差がまだ所定の公差範囲内に存在していないとき、少なくとも1つの他の補正点火が開始されることが有利である。
内燃機関のそれぞれ1つの他のシリンダ内で、周期的に交互に反復補正点火が行われることが有利である。このようにして、停止位置に到達する精度が上げられる。
上記の課題は、さらに、請求方法を実行するためのコンピュータ・プログラムおよび制御装置により、並びにコンピュータ・プログラムを有するデータ媒体により解決される。これらの解決方法の利点は上記の利点に対応する。
図1に、内燃機関のクランク軸(図示せず)の惰性停止が、クランク軸の回転速度nの変化をクランク軸角度KWに対して示した線図の形で表わされている。図1に示すように、クランク軸の惰性停止において、相前後して現れる3つの過程、即ち初期化過程、惰性回転過程、および停止過程が区別される。
初期化過程は内燃機関のアイドリングを表わす。初期化過程の間においては基本的に噴射および燃料/空気混合物の点火が行われるが、初期化過程の間においてはギアが投入されていないので、初期化過程は駆動系へのトルク伝達を行わない。初期化過程は、内燃機関に付属の制御装置が噴射および点火を遮断させたときに終了する。この時点は、初期化過程の終点を表わすのみならず、同時にそれに続く惰性回転過程の始点をも表わす。
惰性回転過程の目的は、内燃機関の選択されたシリンダ内のピストンを、クランク軸の所定の角速度で、例えば所定のクランク軸角度の形で設定される所定の位置に移動させることである。この場合、好ましい位置は上死点または下死点である。ここで、惰性回転過程に続く停止過程の終点においてクランク軸が所定の希望停止位置で停止するように、所定の角速度が達成されるか、ないしはクランク軸の実際回転速度nが所定の目標回転速度nsollの周りの所定公差範囲内に存在しなければならない。クランク軸が希望停止位置で停止したとき、これは、次の始動における内燃機関の最適始動特性を保証する。
図1から、初期化過程の間においては、内燃機関クランク軸の回転速度nがほぼ一定の回転速度、いわゆるアイドル回転速度の周りで変動していることがわかる。場合により発生する、例えば摩擦力の形の損失は、初期化過程の間における前記点火により補償されるので、初期化過程の間において、回転速度はほぼ一定のままである。初期化過程の終点において噴射および点火が遮断されたとき、内燃機関には基本的にいかなるエネルギーも供給されず且つ特に摩擦力の形の損失が惰性回転過程の間に回転速度の定常的低下を形成する。図1に、惰性回転過程の間における回転速度のこの低下が、3つの異なる曲線線図の形で表わされている。この場合、太い実線は、回転速度の理想的な低下を表わし、一方、その上方に存在する点線は、回転速度のきわめて緩やかな低下を表わし、その下方に存在する一点鎖線の特性曲線は、回転速度のきわめて急速な低下を表わす。理想的な回転速度線図は、惰性回転過程の終点において、即ち最初に予測されたクランク軸の下死点または上死点OTの最終超過において、クランク軸の回転速度が、希望停止位置へのクランク軸の惰性停止ないし停止を保証する希望の所定回転速度範囲内に存在することを意味する。
ここで、以下に記載の本発明による方法は、惰性回転過程の間に、特にその終点の直前において、点線線図または一点鎖線線図の形の実際の回転速度低下の理想的な回転速度線図からの偏差が特定されたとき、実際の回転速度線図の理想的な回転速度線図の方向への補正を行うように設計されている。
この補正を実行するための方法を、図2aないし図2cにより以下詳細に説明する。この方法は、惰性回転過程の間に、偏差のある回転速度特性の検出および補正のみを行うことは明らかである。それに続く停止過程の間においては、内燃機関それ自体は、既知のばね質量系として挙動し続け且つ外部からの作用は行われない。しかしながら、内燃機関の特性はばね質量系とみなされ、この場合、内燃機関のクランク機構は質量を表わし、圧縮行程ないし作業行程の間に内燃機関のシリンダ内に閉じ込められているガスはばねを表わすので、内燃機関のばね質量系としての挙動は、追究目的、即ち停止過程の終点における希望停止位置の達成を妨害することになる。したがって、ばね質量系に対する入力変数として所定の回転速度または回転速度範囲を設定したとき、結果として得られる停止位置を一義的に予測ないし予想することができる。したがって、希望停止位置を達成するために、必要ならば、クランク軸が停止過程に入る実際回転速度を補正するだけで十分である。
方法ステップS0において惰性回転過程が開始した後に、はじめに、クランク軸が下死点または上死点を超えたかどうかに関するモニタリングが続く。下死点または上死点OTN−1、OTは、本発明においては、それぞれ特に回転速度測定に対する基準点として使用される。死点への移行が特定されないかぎり、図2aに示すように、本方法は再び方法ステップS1の入口に戻される。しかしながら、このような移行が特定されたとき直ちに、方法ステップS2において,クランク軸の実際回転速度nが測定される。次に方法ステップS3において、この回転速度が所定の第1の回転速度しきい値nより小さいかどうかが検査される。この問い合わせにより、内燃機関ないしそのクランク軸が実際に惰性回転過程の始め、中間または終りのいずれに存在するかが検査される。後に記載の実行されるべき回転速度の補正は、惰性回転過程の終点においてはじめて、即ちクランク軸が実行する最後の1回転または最後の2つの1回転の間に行われる。
したがって、方法ステップS3において、クランク軸の回転速度nがまだ所定の第1の回転速度しきい値nより小さくないことが特定されたとき、惰性回転過程はまだ終点に近づいてなく、クランク軸の動的残留エネルギーはさらに多数の1回転を実行するのになお十分であることが推測される。方法ステップS3において、実際回転速度nが前記第1の回転速度しきい値nより小さいので、クランク軸は明らかにあと1つまたは2つの1回転のみが実行されるにすぎないことが特定されたときにはじめて、本発明による方法は方法ステップS4により続行される。方法ステップS4において、クランク軸が実際に所定のクランク軸角度位置KWを超えたかどうかが検査される。これが特定されないかぎり、本方法は常に再び方法ステップS4の入口に戻る。この特性が特定されたときにはじめて、前記クランク軸角度KWにより、それに続いて方法ステップS5のように実行されるべき回転速度測定に対する適切な基準点が到達される。方法ステップS5において決定されたクランク軸のそのときの実際回転速度nは、それに続いて、方法ステップS6において、図1に示されている理想的な回転速度線図上の1つの点を表わす所定の目標回転速度nsoll1と比較される。この比較において、回転速度差nsoll1−nの絶対値が所定の公差範囲Δnより小さいことが特定された場合、クランク軸は停止過程の終点において希望停止位置に到達するであろうことが推測可能である。したがって、クランク軸回転速度の補正は行われず且つ本方法は方法ステップS7に分岐され、方法ステップS7により、内燃機関は自由に回転し続け且つ惰性回転過程および停止過程の終点への到達が待機される。
他方で、方法ステップS6において、回転速度差の絶対値が所定の公差範囲Δnより大きいことが特定されたとき、希望停止位置への到達を最終的に保証するために、本発明による回転速度線図の補正が必要である。このために、このとき、本方法は方法ステップS6から方法ステップS8(図2b)に分岐し、方法ステップS8において、はじめに内燃機関の実際温度TMotが決定される。次に、方法ステップS9において、クランク軸が第2の所定のクランク軸角度KWを超えるまで待機される。この所定の第2のクランク軸角度は、予め測定された内燃機関の温度TMotおよび測定回転速度差の関数である。次に、所定の第2のクランク軸角度に基づいて噴射量mが定義され且つ内燃機関の選択シリンダの燃焼室内にこれが噴射される(方法ステップS10参照)。次に、方法ステップS11により、クランク軸の上死点ないし下死点が超えられるまで待機される。死点OTN−1を超える時点は、それに続いて方法ステップS12により実行される新たな実際回転速度測定に対する基準時点として使用される。回転速度を測定したのちに、方法ステップS13において、シリンダの内燃機関内に存在する実際の空気/燃料混合物が十分に圧縮されるまで待機される。クランク軸が所定の第3のクランク軸角度KWに到達したとき、この問い合わせは肯定であり、この所定の第3のクランク軸角度KWは、一方で、方法ステップS8において測定された内燃機関の温度TMotと、および方法ステップS12において最後に測定された回転速度を考慮して決定された実際回転速度差との関数である。
圧縮が十分であるとき、即ち第3の所定のクランク軸角度KWに到達したとき、方法ステップS14において、方法ステップS12において決定されたクランク軸のその時点の実際回転速度nが第2の所定の回転速度しきい値nsoll2より大きいかまたは小さいかが検査される。わかりやすくいうと、方法ステップS14におけるこの問い合わせにより、これが図1に表わされているように、実際回転速度線図が理想的な回転速度線図の上方に存在するかまたは下方に存在するかが検査される。この問い合わせにおいて、実際回転速度nが著しく上昇したことが示されたとき、クランク軸の制動が行われなければならず、これにより、停止過程の終点において希望停止位置が設定され、本方法は方法ステップS15aに分岐し、方法ステップS15aにより、最初に予測された最後の1つ前の上死点に到達する前に既に補正点火が開始される。上死点前の点火により、ばね質量系のダンピング即ち回転速度の希望低減が達成される。他の場合、方法ステップS14において、クランク軸の実際回転速度nが理想的な回転速度線図に比較してきわめて僅かにまたは僅かにのみ上昇していることが特定されたとき、クランク軸は、方法ステップS15bにより、最初に予測された最後の1つ前の上死点を超えた後に内燃機関の選択されたシリンダ内において燃料/空気混合物の点火が開始されることによって加速される。
用語「最初に」は、停止過程の間において、調節がない内燃機関ないしクランク軸の特性に関係している。次に、惰性回転過程は、上死点ないし下死点の予測された最終超過により終了される。停止過程において、クランク軸はもはや完全な1回転を行わず、したがってもはや下死点または上死点を超えることもない。したがって、特に方法ステップS15bによる補正点火に基づき、予測された時間計画は無効となり、その理由は、補正点火によりクランク軸の回転速度はさらに上昇され且つ死点をさらに超えることになるからである。
方法ステップS15aおよびS15bの説明において、はじめに、たとえ点火が最初に予測された最後の1つ前の死点の前または後に点火が行われるべきであると記載されていても、これは必ずしも強制されるものではない。むしろ、この点火は、基本的に、時間的により早い死点超過付近で発生しても、または最初に予測される最後の死点超過付近で行われてもよい。
方法ステップS15aまたはS15bにおける点火時期、並びに方法ステップS10による燃料噴射量は、補正の必要性を考慮して正確に決定されているので、基本的に、方法ステップS15aまたはS15bの終了後に、クランク軸の回転速度は停止過程の始点において正しく補正され且つクランク軸は停止過程の終点において希望停止位置をとることを推測可能である。しかしながら、オプションとして、クランク軸の回転速度特性が、方法ステップS15aまたはS15bによる補正点火の後に再度検査されてもよい。このために、方法ステップS16(図2c)において、新たに、それに続く回転速度測定に対する基準点としての死点が超えられるまで待機される。死点を超えたことが特定されたとき直ちに、方法ステップS17において補正点火後における内燃機関クランク軸の実際回転速度が測定され、これにより、方法ステップS18において、実際回転速度を第2の所定の目標回転速度nsoll2と比較することができる。この比較において、実際回転速度nと第2の所定の目標回転速度nsoll2との間の偏差(nsoll2−n)が所定の公差範囲Δn内に存在することが明らかになったとき、実行された補正点火は成功し且つ十分なものであった。このとき、自動的に方法ステップS19による停止過程への移行が行われ、方法ステップS19においては、他の補正手段は必要ではなく且つ実行されない。しかしながら、方法ステップS18において、回転速度差が所定の公差範囲より大きいことが特定されたとき、方法ステップS20−S22において、第2の補正点火が準備され且つ実行される。このために、はじめに方法ステップS20において、実際回転速度状況に対して適切な燃料噴射量mが形成され且つ内燃機関の選択されたシリンダの燃焼室内に噴射される。この燃料量mは、方法ステップS18による回転速度差のほかに、方法ステップS8において特定された内燃機関の実際温度TMotの関数でもある。次に、方法ステップS21において、クランク軸が、第4の所定のクランク軸角度KWにより定義されている適切な点火位置にくるまで待機される。この所定のクランク軸角度KWそれ自体は、同様に内燃機関の温度および回転速度差の関数である。最適クランク軸角度KWに到達したとき、方法ステップS22において第2の補正点火の開始が行われる。
基本的に、方法ステップS16−S22(図2c)に記載されているクランク軸の回転速度特性の検査は、補正点火が行われた後に、ここで新たに実行されてもよい。しかしながら、これは図示されていない。しかしながら、一般的に、遅くとも第2の補正点火後に、惰性回転過程の終点において回転速度が希望回転速度範囲内に移行されたことが推測されるので、このとき、方法ステップS23により停止過程に移行され、停止過程の終点において希望停止位置が達成されることが推測可能である。
上記の補正方法はコンピュータ・プログラムの形で実行されることが好ましい。このコンピュータ・プログラムは、場合により、内燃機関を制御するための他のコンピュータ・プログラムと共に、コンピュータが読取り可能なデータ媒体上に記憶されていてもよい。データ媒体は、フロッピーディスク、コンパクトディスク、いわゆるフラッシュ・メモリ等であってもよい。データ媒体上に記憶されているコンピュータ・プログラムは、このとき、製品として顧客に引渡しまたは販売可能である。しかしながら、データ媒体とは独立に、このようなコンピュータ・プログラムは、電子通信ネットワーク、特にインターネットを介して顧客に引き渡されまたは販売されてもよい。
図1は、内燃機関クランク軸の惰性停止を表わす線図である。 図2aは、図2bおよび図2cと共に本発明による方法の流れ図である。 図2bは、図2aおよび図2cと共に本発明による方法の流れ図である。 図2cは、図2aおよび図2bと共に本発明による方法の流れ図である。
符号の説明
KW クランク軸角度
KW、KW、KW、KW 所定のクランク軸角度
m、m 燃料噴射量
n 回転速度
soll、nsoll1、nsoll2 目標回転速度
回転速度しきい値
OTN−1、OT 死点
Mot 内燃機関温度
Δn、Δn 公差範囲

Claims (15)

  1. 希望停止位置への内燃機関のクランク軸の惰性停止の制御方法において、
    惰性回転過程の間にクランク軸の実際回転速度(n)を測定し、実際回転速度(n)が所定の目標回転速度(nsoll)の周りの所定の公差範囲(Δn)内に存在するかどうかを検査するステップ(S5)であって、希望停止位置へのクランク軸の惰性停止が保証される前記ステップと、
    前記実際回転速度が実際に公差範囲内に存在しないことを検査が示したとき、クランク軸の実際回転速度(n)を公差範囲(Δn)内に移行させるために、内燃機関の少なくとも1つの選択されたシリンダ内の燃料/空気混合物の補正点火を、少なくとも1回開始させるステップ(S15a、S15b)と、
    を含む内燃機関のクランク軸の惰性停止の制御方法。
  2. 混合物の量が、実際回転速度と目標回転速度との間の回転速度差、内燃機関の実際温度、および/または実際クランク軸角度に基づいて、クランク軸が補正点火により希望停止位置で停止するように選択される(S10)ことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
  3. 補正点火の時期が、実際回転速度差と内燃機関の実際温度との関数である実際クランク軸角度に基づいて、クランク軸が補正点火により希望停止位置で停止するように選択される(S13)ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御方法。
  4. 実際回転速度差を決定するために、計画された補正点火の時期の直前において新たに実際にクランク軸の実際回転速度が決定される(S12)ことを特徴とする請求項3に記載の制御方法。
  5. 実際回転速度が所定の目標回転速度(nsoll)の上方に存在するとき、補正点火が、時間的に、クランク軸が上死点に到達する前の選択されたシリンダの圧縮行程の間に行われる(S15a)ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の制御方法。
  6. 補正点火の時期が、上死点に到達する前のクランク軸の半回転に存在することを特徴とする請求項5に記載の制御方法。
  7. 実際回転速度が所定の目標回転速度(nsoll)の下方に存在するとき、補正点火が、クランク軸が上死点を超えた後の選択されたシリンダの作業行程の間に行われる(S15b)ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の制御方法。
  8. クランク軸が予測により最後に死点を超える前に、実際回転速度の測定が、時間的に、惰性回転過程の終点において行われることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の制御方法。
  9. クランク軸が予測により最後の1つ前に上死点または下死点を超えた後ではあるが、クランク軸が予測により最後に上死点または下死点を超える前に、クランク軸の実際回転速度の測定が行われることを特徴とする請求項8に記載の制御方法。
  10. ガソリン直接噴射を有する内燃機関に対して実行されることを特徴とする請求項8に記載の制御方法。
  11. 先行する補正点火の後に決定された、実際回転速度と目標回転速度との間の回転速度差が、まだ所定の公差範囲内に存在していないとき、少なくとも1つの他の補正点火が開始される(S22)ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の制御方法。
  12. 内燃機関のそれぞれ1つの他のシリンダ内で、周期的に交互に反復の補正点火が行われることを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
  13. 請求項1ないし12のいずれかの制御方法を実行するために、プログラム・コードが形成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置用プログラム・コードを有するコンピュータ・プログラム。
  14. 請求項13のコンピュータ・プログラムを有するデータ媒体。
  15. 請求項1ないし12のいずれかの制御方法を実行するために形成されていることを特徴とする内燃機関を制御するための制御装置。
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