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Description
この発明は、電解研磨方法及び該方法に使用する導電性研磨パッドに係り、詳記すればデバイスウェ−ハの配線材を電気化学的に研磨するのに適した研磨方法及び該方法に使用する導電性研磨パッドに関する。
半導体デバイスの高集積化、微細化に伴って、配線の積層化が行われている。すなわち、半導体ウェーハの表面に配線材をパターン形成し、この上を酸化シリコン等の絶縁物膜で覆い、次の配線材をパターン形成し、これを順次繰り返すプロセスが採用されている。
配線材をパターン形成するプロセスでは、反応性イオンエッチングによってプラグ用ホールと配線溝を酸化シリコン等の絶縁物(以下層間絶縁膜という)に形成し、プラグ用ホールと配線溝を同時に銅配線材で埋め込み配線し、表面の余分な銅を化学的機械的研磨(以下CMPという)によって除去し、平坦化する方法が採用されている。
近年、半導体デバイスの低消費電力化及び高速化の目的で、層間絶縁膜に低誘電率材料の導入が検討されている。しかし、低誘電率材料は、機械強度、化学的安定性に乏しく、CMPプロセスにおける回転数や研磨圧力に依存する摩擦力によって、銅配線材が層間絶縁膜から剥離するため、研磨圧力を極端に低下させた超低圧研磨方法が検討されている。しかしながら、この超低圧CMPプロセスでは、研磨レートの低下と均一性の低下の問題があるため、CMPプロセスに代わって、電気化学的研磨方法が提案されている。
電気化学的研磨方法は、ウェーハ表面の銅配線材をアノードとして、別に設けたカソードとの間に電解液を介して直流電流を通電し、ウェーハ表面の銅配線材を電気化学的に溶解、除去する方法である。
しかしながら、従来の電気化学研磨方法では、ウェーハ表面の銅配線材をアノードとするためには、配線材(Cuシード層も含む)に電極を直接接触させる必要がある。従って、ウェーハを研磨ヘッドに設置し、研磨パッドに押し付ける(押圧する)プラテン・ロータリー型研磨装置では、配線材に電極を直接接触させるスペースを確保することが困難であるため、電気化学研磨方法を採用または、併用することが困難であった。
また、銅配線材の研磨プロセスでは、銅配線材の研磨と共に、バリアメタルを研磨する必要があるので、一般には多段階(数ステップ)研磨が実施されている。即ち、第1ステップで銅配線材を、第2ステップでバリアメタルを、場合によっては、第3ステップで銅配線材と相間絶縁膜をそれぞれ除去、加工する。そのため、CMP装置は、マルチプラテン・マルチヘッド型が主流であるが、電気化学研磨を併用することは、装置が大型化し高価になる欠点があった。
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、超低圧研磨プロセスにおいて、研磨レ−トの低下と均一性の低下が改善できる電気化学的研磨方法及び該方法に使用する導電性研磨パッドを提供することを目的とする。また、本発明は、数ステップの研磨を同様の装置構成で実施できる電気化学的研磨方法及び該方法に使用する導電性研磨パッドを提供することを目的とする。
上記目的に沿う本発明のうち請求項1に記載の発明は、デバイスウェ−ハの配線材をアノ−ドとし、該アノ−ドとその対極のカソ−ドとの間に、電解液をアノ−ドと接触し得るように満たす複数の電解液収容部を有する絶縁体を位置させ、該アノ−ドとカソ−ドと電解液とでウェーハ径より小さい複数の電解セルを形成し、該電解液収容部を配線材に対して移動させながら、前記デバイスウェ−ハの配線材を電解研磨することを特徴とする。
前記絶縁体を、開口を有する導電性表層と該開口と連結して前記電解液収容部を形成する開口を有する絶縁体との積層構造とし、前記導電性表層に直流電源のプラス極を接続し、前記導電性表層とデバイスウェーハの配線材とを電気的に接触させるによって、該配線材をアノードとすることが好ましい(請求項2)また、前記対極としては、回転定盤(プラテン)を使用するのが好ましい(請求項3)。
前記開口を有する導電性表層を、該開口と連結して前記電解液収容部を形成する開口を有する絶縁体に積層した導電性パッドを、前記プラテン上に載置し、該導電性パッド上に電解液を供給するのが好ましい(請求項4)。
前記研磨ヘッドに固定されたデバイスウェ−ハの配線材を、前記電解セルに接触させて、前記プラテンと前記研磨ヘッドとを回転させるのが好ましい(請求項5)。
前記研磨パッドに接触させた電極にプラス電位を、プラテンにマイナス電位を印加して、直流電流を通電しながら電解研磨するのが好ましい(請求項6)。
前記電解液を、酸化シリコン等の研磨材を分散させた電解液とするのが、電気化学的研磨面の表面粗さを改善できることから好ましい(請求項7)。
前記電解液を、酸化シリコン等の研磨材を分散させた電解液とするのが、電気化学的研磨面の表面粗さを改善できることから好ましい(請求項7)。
前記研磨パッドの導電性を有する表層に、研磨材を担持させるのが、同様に電気化学的研磨面の表面粗さを改善できることから好ましい(請求項8)。
前記研磨パッドの絶縁層の厚さは、0.5mm〜5mmとするのが好ましい(請求項9)。
前記研磨パッドの絶縁層の厚さは、0.5mm〜5mmとするのが好ましい(請求項9)。
本発明の導電性研磨パッドは、ウェーハ径より小さい複数の開口を有する導電性表層を、該開口と連結して前記電解液収容部を形成する開口を有する絶縁体に積層したことを特徴とする。
要するに本発明は、電解セルを被研磨材に対して相対移動可能に形成することによって、配線材近傍の電解液濃度の低下を防ぎ、配線材近傍の電解液中の配線材金属イオン(Cuイオンなど)の増加を抑えることにより、均質な研磨を実現すると共に、電解セルを形成することによって、配線材に電極を直接接触させる必要をなくしたことを要旨とするものである。
本発明によれば、研磨パッドの導電性を有する表層とデバイスウェーハの銅配線材を接触させることによって、間接的に銅配線材をアノ−ドとし、プラテンをカソ−ドとして電解セルを形成させるので、配線材に電極を直接接触させる必要がないから、プラテン・ロ−タリ−型研磨装置に電気化学的研磨方法を採用することができる。その結果、従来のプラテン・ロ−タリ−型研磨装置を使用し、マルチプラテン/マルチヘッドの一つのプラテン/ヘッドを電気化学的研磨用とすることができるので、数ステップ研磨を同一の装置で行うことができるから、装置の小型化とコストダウンを達成させることができる。
また、電解セルをデバイスウェーハに対して相対移動可能に形成して、デバイスウェーハの表面の余分な銅配線材を電気化学的に溶解、除去することによって、超低圧CMPの課題である研磨レ−トの低下の改善と均質な研磨を達成することができる。
また、電解セルをデバイスウェーハに対して相対移動可能に形成して、デバイスウェーハの表面の余分な銅配線材を電気化学的に溶解、除去することによって、超低圧CMPの課題である研磨レ−トの低下の改善と均質な研磨を達成することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明の電解研磨方法を実施するための研磨装置の一例を示すものであり、プラテン1上に本発明の導電性研磨パッド2を、導電性表層3を上にして固定し、同導電性表層3に接触電極4を接触させて直流電源のプラス電極に接続し、同時にプラテン1にマイナス電極を接続して通電させる例を示す。
ウエ−ハ5は、研磨ヘッドに装着され、ウエハのシリコン基板14下面の銅配線材(被研磨面)15は、導電性研磨パッド2の導電性表層3に接触している。尚、導電性表層の上方には、電解液13を供給するノズル7が位置している。
本発明の導電性パッド2は、図4及び図5に示すように、絶縁層8の表面に導電性表層9を裏面に導電性シ−ト10を積層してなり、導電性表層9には、貫通孔11が形成され、絶縁層8にも同貫通孔11と連通して電解セルを形成する貫通孔12が形成されている。
導電性シ−ト10の裏面には導電性粘着テプを固定し、導電性研磨パッド2をプラテン1に貼付して使用するようにすると良い。尚、導電性シ−ト10や粘着テ−プは、Cuの析出等による汚染からプラテン等を保護するものであるが、導電性粘着テ−プを使用すれば、導電性シ−ト10を省略することもできる。
絶縁層8の貫通孔12(電解液収容部)は、導電性表層9の貫通孔11と連結するように形成されていれば、その形状は特に限定されない。また、円形若しくは多角形のような孔でなくともリング状若しくは直線状の開口に形成しても差し支えない。要は、複数の開口が形成されていれば良い。
貫通孔11,12の大きさは、円形の貫通孔の場合は、直径0.5mm〜100mmとするのが好ましい。パッド面積に対する貫通孔11の総面積の割合は、50%〜80%であるのが好ましい。この割合が少なすぎると研磨能率が低下し、多すぎると、導電性表層の電気抵抗が大きくなりすぎる。
導電性表層の材質としては、導電性繊維からなる不織布若しくは織布などの導電性を有する非金属シ−トを使用するのが好ましい。これらの導電性表層9材に、熱硬化性樹脂若しくはエラストマ−を含浸させたものを使用することもできる。この場合、熱硬化性樹脂若しくはエラストマーに研磨砥粒を分散させた導電性表層9材を使用するのが、電気化学的研磨面の表面粗さを改善し得ることから好ましい。上記非金属シ−トと研磨砥粒を含有するシ−トとを、研磨面に垂直に交互に配列することもできる。
本発明に使用する砥粒としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化亜鉛、炭化ケイ素、炭化ホウ素及び合成ダイヤモンド粉体の単独若しくは二種以上が挙げられる。
本発明に使用する絶縁層材8としては、電気絶縁性を有する合成樹脂、好ましくは粘弾性を有する発泡構造体が好適に使用できる。
本発明に使用する導電性シ−ト材10としては、電解液に対して不溶性であれば金属、非金属を問わず使用することができる。このようなものとしては、好ましくは、カボン、黒鉛、ステンレス等が挙げられる。
本発明においては、電解液収容部を配線材に対して相対移動させるように構成したことを特徴としているが、相対移動の方法は、対極(プラテンなど)及び絶縁体を固定して、デバイスウェ−ハを回転若しくは規則的に平行移動させたり、絶縁体が固定されるプラテンや走行ベルト(対極)を、回転若しくは平行移動させれば良い。勿論、デバイスウェ−ハと対極の両方を移動させるようにしても良い。
本発明の研磨方法は、図1及び図2に示すようにウェ−ハ5の被研磨面を導電性パッドの導電性表層に接触させ、電解液を供給しながらプラテンと研磨ヘッドを回転させて研磨する。このとき、導電性表層3に接触電極4を接触させて直流電源のプラス電極に接続し、同時にプラテン1にマイナス電極を接続して通電させる。
図3は、プラテン、導電性パッド、デバイスウェ−ハ部の断面を拡大して模式的に示したものであるが、図3を参照しながら更に詳細を説明する。
デバイスウェ−ハの銅配線材は、接触電極4、導電性表層3を介して電気的に接続されているため、直流電源のプラス電極が接触電極に接続されるとアノードとなり、マイナス電極接続されたプラテンがカソードとなり、貫通孔11,12に充填された電解液13で電解セルが形成され。アノードでは、Cu→Cu2++2e−になる電気化学反応によって、デバイスウェーハの銅配線材が溶解除去される。
導電性シ−ト10材表面のカソ−ド側では、Cuの析出反応や水素発生反応などにより、アノ−ドである配線材15で生成した電子が消費され、電気回路が形成されて、配線材15の電解が進行する。
本発明の電解研磨方法では、プラテン1と研磨ヘッド6を回転させることにより、パッド上に形成された貫通孔が、回転によるプラテン1と研磨ヘッド6の相対速度でアノ−ドである配線材15に対して移動する。このため、貫通孔内の電解液13が常に入れ替わることになり、配線材15近傍の電解液濃度や配線材15の銅イオンなどの金属イオン濃度が一定に保たれるため、配線材表面は、均一性のよい電解研磨ができる。
また、導電性表層3に配線材15を接触させてアノ−ドを形成しているため、図6(A)に示すように配線材15の研磨が進んで、層間絶縁膜の配線溝上部のバリアメタル6に達すると、接触面積が極端に小さくなる。このため、電気抵抗が増大して、電解電流が減少し、電解研磨量が減少するので、配線溝内の配線材料の研磨が抑えられから、図6(B)に示すような研磨を行うことができる。
図6(B)は、図6(A)の配線材の電解研磨が進んで層間絶縁膜の溝上部に達したことを示す図である。図6(B)まで電解研磨が進むと、配線材は電気的に孤立し、電流のパスがなくなるため、アノ−ド溶解が停止する。
次に、実施例を挙げて、本発明を更に説明する。
実施例1
直径5mmの貫通孔を10mmピッチで設置した研磨パッドを使用し、図1に示した電解研磨方法により定電圧Cu電解研磨特性を測定した。結果を図7に示す。尚、電解液には市販試薬リン酸を50倍希釈して使用し、プラテン、研磨ヘッドの回転数はともに45rpmとし、研磨圧力は18.7g/cm2とした。
直径5mmの貫通孔を10mmピッチで設置した研磨パッドを使用し、図1に示した電解研磨方法により定電圧Cu電解研磨特性を測定した。結果を図7に示す。尚、電解液には市販試薬リン酸を50倍希釈して使用し、プラテン、研磨ヘッドの回転数はともに45rpmとし、研磨圧力は18.7g/cm2とした。
図7中、電流密度(40x40mmCuメッキ基板、単位面積あたりの電流)0のときのRRは、電解を実施していないときの研磨速度、即ちエッチング速度を示すものである。従って、それぞれ電流密度値の時の研磨速度からエッチング速度を差し引いた値が、電解による除去膜速度を示すものである。
図7の結果から明らかなように、電流密度の増加により、Cuメッキ基板の研磨速度(RR)が直線的に増加する。
実施例2
図1に示した電解研磨方法により定電圧によるCu電解研磨の電解電圧依存測定をした。結果を図8に示す。電解液には市販試薬リン酸を50倍希釈して使用し、プラテン、研磨ヘッドの回転数はともに45rpmとし、研磨圧力は18.7g/cm2とした。
図1に示した電解研磨方法により定電圧によるCu電解研磨の電解電圧依存測定をした。結果を図8に示す。電解液には市販試薬リン酸を50倍希釈して使用し、プラテン、研磨ヘッドの回転数はともに45rpmとし、研磨圧力は18.7g/cm2とした。
図8の結果から明らかなように、図7から勘案されるエッチング速度を考慮しても、電源電圧3V付近から電解による研磨効果が確認できる。
図9は、電解液には市販試薬リン酸を10倍希釈して使用したときの、プラテン回転数の影響を測定した結果である。図9の結果からプラテン回転数が大きくなるほど、除去膜速度が低下する傾向にあるが、研磨面の精度は、40rpm程度以上で良好となり、40rpm以下では、不十分であった。これは、パッドに設置した貫通孔の直径と設置ピッチに関係するものと考えられる。
1………プラテン
2………導電性研磨パッド
3………導電性表層
4………接触電極
5………ウェーハ
6………研磨ヘッド
7………ノズル
8………絶縁層
9………導電性表層
10………導電性シート
11………貫通孔(開口)
12………貫通孔(開口)
13………電解液
14………層間絶縁膜(シリコン基板)
15………配線材
16………バリアメタル
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5………ウェーハ
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7………ノズル
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10………導電性シート
11………貫通孔(開口)
12………貫通孔(開口)
13………電解液
14………層間絶縁膜(シリコン基板)
15………配線材
16………バリアメタル
Claims (10)
- デバイスウェーハの配線材をアノードとし、該アノードとその対極のカソードとの間に、電解液を接触し得るように満たす複数の電解液収容部を有する絶縁体を位置させ、該アノードとカソードと電解液とでウェーハ径より小さい複数の電解セルを形成し、該電解液収容部を配線材に対して相対移動させながら、前記デバイスウェーハの配線材を電解研磨することを特徴とする研磨方法。
- 前記絶縁体を、開口を有する導電性表層と該開口と連結して前記電解液収容部を形成する開口を有する絶縁体との積層構造とし、前記導電性表層に直流電源のプラス電極を接続し、前記導電性表層とデバイスウェーハの配線材とを電気的に接触させることによって、該配線材をアノードとする請求項1記載の研磨方法。
- 前記対極が、回転定盤である請求項1又は請求項2記載の研磨方法。
- 前記開口を有する導電性表層を、該開口と連結して前記電解液収容部を形成する開口を有する絶縁体に積層した導電性研磨パッドを、前記プラテン上に載置し、該導電性研磨パッド上に電解液を供給する請求項3に記載の研磨方法。
- 研磨ヘッドに固定されたデバイスウェ−ハの配線材を、前記電解セルに接触させて、前記プラテンと前記研磨ヘッドとを回転させる請求項4に記載の研磨方法。
- 前記導電性研磨パッドに接触させた電極にプラス電位を、前記プラテンにマイナス電位を印加して、直流電流を通電しながら電解研磨する請求項4又は5に記載の研磨方法。
- 前記電解液が、研磨材を分散させた電解液である請求項1〜6のいずれかに記載の研磨方法。
- 前記導電性研磨パッドの導電性を有する表層に、研磨材を担持させる請求項4〜7のいずれかに記載の研磨方法。
- 前記導電性研磨パッドの絶縁層の厚さは、0.5mm〜5mmである請求項4〜8のいずれかに記載の研磨方法。
- ウエーハ径より小さい複数の開口を有する導電性表層を、該開口と連結して前記電解液収容部を形成する開口を有する絶縁体に積層したことを特徴とする導電性研磨パッド。
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