JP2005138158A - 溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造工程中に溶接する接合部の強度評価を精度よく行なうことが可能なモニタ方法を提供する。
【解決手段】 被溶接部材9と相対的に移動可能なレーザ照射部1から被溶接部材9へレーザ光1aを照射する溶接方法において、レーザ照射部1の相対的移動に従って、被溶接部材9に入熱開始と入熱終了を繰り返すことで、接合部41を複数個形成する帯状接合部形成工程と、接合部41の入熱終了から所定の期間経過したときに、接合部41の温度を測定する接合部温度測定工程と、接合部温度から帯状接合部4の接合強度を評価する接合強度評価工程とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、溶接方法に関し、例えば溶接した接合部の接合強度を保証する溶接方法に適用して好適なものである。
従来、被溶接部材等に溶接した接合部の強度評価方法としては、破壊検査、非破壊検査による方法がある。破壊検査は、一般に、製造工程よりワークをサンプリングした後、工程から離れた測定室等にて引張試験等を実施して強度評価を行なう。非破壊検査では、測定室内にて超音波探傷等を実施することで強度評価を行なう。
一方、製造工程内で非破壊検査を実施する方法として、溶接の熱源の管理を行なうものがある。例えばアーク溶接機を熱源として用いるアーク溶接では、電流値のモニタリングが行なわれている(特許文献1参照)。レーザ発振器を熱源として用いるレーザ溶接では、発振器のレーザ出力に相当する電圧のモニタリングが行なわれている。
特開平7−130293号公報
従来の破壊検査による方法では、製造工程中の全てのワークを検査することはできない。また、判定まで時間がかかる。また、従来の測定室内で行なう非破壊検査の方法では、ワーク全数を検査することは可能であるが、検査に費やす時間と、人または設備のための費用とがかかる。
従来の製造工程中で実施していた熱源の管理を行なう方法では、被溶接部材への真の入熱とは必ずしも一致せず、強度評価における信頼性で劣る部分があった。アーク溶接では、溶接部以外への電流リークが生じる場合があり、その電流リークが生じると、熱源では所定値を確保していても、被溶接部材への実入熱が減少するため、実際の強度は低下するという問題がある。レーザ溶接では、レーザ光に干渉する物の存在、あるいは光学的焦点位置のずれ等により、発振出力は所定値を確保していても、被溶接部材への実入熱が減少する。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、製造工程中に溶接する接合部の強度評価を精度よく行なうことが可能な溶接方法を提供することにある。
また、別の目的は、製造工程中に溶接する接合部の強度評価を精度よく行なうことが可能であるとともに、全数強度検査が可能な溶接方法を提供することにある。
本発明の請求項1によると、被溶接部材と相対的に移動可能なレーザ照射部から被溶接部材へレーザ光を照射する溶接方法において、レーザ照射部の相対的移動に従って、被溶接部材に入熱開始と入熱終了を繰り返すことで、接合部を複数個形成する帯状接合部形成工程と、接合部の入熱終了から所定の期間経過したときに、接合部の温度を測定する接合部温度測定工程と、接合部温度から接合部の接合強度を評価する接合強度評価工程とを備えることを特徴とする。
これによると、帯状接合部形成工程では、レーザ照射部の相対的移動に従って被溶接部材に入熱開始と入熱終了を繰り返すことで、複数個の接合部からなるいわゆる帯状接合部が形成される。高エネルギー熱源であるレーザ光を利用した溶接のため、レーザ光の入熱による被溶接部材の溶融範囲(接合部の形成予定範囲)を精度よく限定することができる。
さらに、接合部温度測定工程では、各接合部の入熱終了から所定の期間経過したときに、その接合部の温度、つまり冷却過程にある接合部(溶け込み部)の温度を測定する。冷却過程にある接合部の温度を測定するので、レーザ光による入熱時における被溶接部材の材料で決まる材料溶融温度ではなく、溶け込み部の冷却過程における入熱量に応じた温度を測定することができる。
さらに、接合強度評価工程では、接合部温度から接合部の接合強度を評価するので、入熱量に応じた溶け込み部の深さつまり接合強度を、測定した接合部温度から推定することができる。
上記の接合強度評価工程では、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の方法によって接合強度を評価するので、被接合部材を溶接して接合部を形成する間には、ほぼ評価を完了する。したがって、検査時間等の無駄時間がほとんど発生することなく、全数検査が可能である。
請求項2に記載の溶接方法では、複数個からなる接合部の全入熱が完了した後に測定した接合部温度に基いて接合強度を判定するので、帯状接合部全体の接合強度を推定することができる。
請求項3に記載の溶接方法では、被溶接部材が所定の一定形状で形成されている場合において、複数個の接合部に対応した接合部温度特性は、入熱量が同じならば、ほぼ再現性があるため、例えば最高温度付近の特定区間の平均温度に基いて、帯状接合部全体の接合強度を推定することができる。
請求項4に記載の溶接方法では、例えば最高温度となる時刻等の所定時刻経過したときの接合部温度に基いて接合強度を判定することで、請求項2または請求項3における温度測定方法のように連続的に測定する必要はなく、所定時刻経過時に1回測定するだけでよいので、温度測定作業の負荷軽減が図れる。
本発明の請求項5によると、被溶接部材は、中空部材と、中空部材に挿入可能な挿入部材とからなるものに適用して好適である。
以下、本発明の溶接方法を、具体化した実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態における溶接方法を示すブロック図である。図2は、本実施形態の溶接方法に係わる接合部温度測定工程の説明図であって、図1の温度センサからみた模式的斜視図である。図3は、図2の帯状接合部のうちのi番目の接合部41(i)におけるレーザ光の照射による入熱開始から入熱終了後以降の状態変化を示す図であって、図3(a)は接合部41(i)の温度特性を示すグラフ、図3(b)は接合部(溶け込み部)41(i)の断面図である。図4は、図2の帯状接合部を構成する複数の接合部41(i)b {i=1〜n}の温度を時系列に並べて示すグラフである。図5は、図4の複数の接合部の温度のうちの最高温度Tmaxと接合強度の関係を示すグラフであって、レーザ光の出力をW3〜W6のパラメータで変えたデータをプロットした説明図である。なお、図6は、図4の複数の接合部の温度のうちの最高温度Tmaxと接合強度の関係を示すグラフであって、レーザ光の焦点位置をf4〜f6のパラメータで変えたデータをプロットした説明図である。
図1に示すように、本発明の溶接方法を適用する溶接装置は、レーザ照射部(以下、レーザヘッドと呼ぶ)1と、レーザ発振機11と、温度センサ5と、制御装置6と、被溶接部材9とから構成されている。被溶接部材9は、図1に示すように、中空部材9aと、中空部材9aに挿入可能な挿入部材9bとから構成されている。中空部材9aは、内部に挿入部材9bを挿入可能なものであれば、円筒状体、中空多角柱状体等いずれの形状を有するものであってもよい。また、挿入部材9bは、中空部材9aに挿入可能なものであれば、円柱状体、多角柱体等いずれの形状を有するものであってもよい。なお、以下本実施形態で説明する被溶接部材9は、中空部材9aを円筒状体とし、、挿入部材9bを円柱状体であって、円筒状体9aに挿入される挿入部を、円柱に二面幅を形成したものとするものからなるものとして説明する。また、中空部材9aおよび挿入部材9bは、ステンレス鋼等の金属材料で形成されている。
レーザヘッド1は、図1に示すように凸レンズ等の光学系を有するものであって、レーザ発振機11から出力されるレーザ光1aの焦点fを所定の焦点位置に、光学系の組合せで調節するものである。そして、レーザ発振機11は、高エネルギーの熱源であるレーザ光1aを発生させる発生装置であって、レーザ光1aの出力(以下、溶接出力と呼ぶ)Wを変えることで、レーザヘッド1から被溶接部材9へ入熱する入熱量を調整する。なお、以下本実施形態の例では、レーザ光1aの焦点は被溶接部材9(詳しくは中空部材9a)の溶融部表面(接合部表面)でジャストフォーカスで示すが、所定の接合部(以下、帯状接合部と呼ぶ)4が形成されるものであれば、アンダーフォーカスまたはオーバーフォーカスであってもよい。なお、所定の帯状接合部4とは、所定の接合強度以上である等の強度保証を有するものである。
また、レーザヘッド1は、被溶接部材9に対して相対的に移動可能である。なお、詳しくは、レーザヘッド1は固定されており、図示しない支持台に支持された被溶接部材9が支持台とともに回転される。支持台は駆動装置によって図1の矢印方向に回転可能である。そして、レーザヘッド1からのレーザ光1aは、被溶接部材9の周方向に移動する。なお、被溶接部材9を固定し、レーザヘッド1が被溶接部材9を中心として回転するものであってもよい。
また、レーザヘッド1には、レーザ光1aを照射する照射端部に、図1に示す保護ガラス3を配置することが好ましい。保護ガラス3は、レーザ光によって被溶接部材9を溶融するとき生じるスパッタが、レーザヘッド1へ侵入することを防止する。レーザヘッド1から被溶接部材に向けてレーザ光を照射するとき、レーザ光が照射される溶融表面に向けて、ノズル2によってAr(アルゴン)ガス等のアシストガスを供給することが好ましい。レーザ光による高エネルギー照射によって溶融表面の溶融金属と空気中の酸素との反応を防止することで、帯状接合部4の接合強度の低下を防止する。
温度センサ5は、図1に示すように、レーザヘッド1に対して、ワークである被溶接部材9の回転方向側に所定の角度αだけずらした位置に固定されている。温度センサ5は角度αの位相差を維持しながらレーザヘッド1とともに、被溶接部材9に対して相対的移動が可能である。温度センサ6は、図1および図2に示すように、レーザ光1aの照射によって入熱した帯状接合部4(詳しくは、帯状接合部4を構成する個々の接合部41)の温度を測定し、測定した温度信号を制御装置6へ出力する。
制御装置6は、温度センサ5で検出した温度信号から、制御装置6内に記憶されているマップ等の情報に基いて、検出した温度信号から帯状接合部4の強度を判定する機能を有する。
上述の構成を有する溶接装置による溶接方法を、図2から図5に従って説明する。
まず、挿入部材9bの円弧部に当接する中空部材9aの外周面上の接合部41(1)形成予定域にレーザ光1aの照射を開始する。接合部41(1)形成予定域(溶融部)に照射開始すると、入熱によって溶融部41(1)が材料溶融温度まで上昇して溶融状態となる。被溶接部材9(詳しくは、挿入部材9bおよび中空部材9a)は駆動装置により矢印方向に回転しているため、レーザ光1aの照射位置は、回転速度に従って帯状接合部4が図2の左方向に延びるように移動する。移動により溶融部41(1)の入熱が終了するため、溶融部41(1)は徐々に冷却固化していく。その結果、帯状接合部4は、レーザ光1aの相対移動によって入熱開始と入熱終了が繰り返されることで生じた複数(本実施例では、説明の便宜上n個)の接合部41が生じる。
なお、図2においては、入熱の繰り返しにより1番目からi番目の接合部41(1)〜41(i)からなる帯状接合部4が形成されている状態を示している。さらに被溶接部材9を回転させることで、n番目の接合部41(n)まで形成し、1番目からn番目の接合部41(1)〜41(n)からなる円弧状の帯状接合部4の形成が完了する。
なお、ここで、レーザヘッド1の相対移動に従って被溶接部材9に入熱開始と入熱終了を繰り返すことで、接合部41を複数個(実施例ではn個)形成する工程を、帯状接合部形成工程と呼ぶ。
このとき、個々の接合部41の温度状態を、温度センサ5によって測定する。レーザヘッド1と温度センサ5との間には位相角αが設けられているため、温度センサ5は、レーザヘッド1によるレーザ光の照射位置(以下、溶接入熱点と呼ぶ)41aより遅れた(溶融部が冷却過程にあって接合部となる)位置(以下、温度測定点と呼ぶ)41bの温度を測定する。ここで、位相角αは、個々の接合部41における入熱終了から所定の期間経過した時刻に相当する。
なお、ここで、接合部の入熱終了から所定の期間経過したときに、接合部の温度を測定する工程を、接合部温度測定工程と呼ぶ。なお、この接合温度測定工程において、入熱終了から所定の期間経過ときに測定する温度としては、複数の接合部41(1)〜41(n)のうち、全接合部41(1)〜41(n)の温度を測定するものに限らず、所定の特定区間に対応する接合部41群の温度群、あるいは所定時刻経過したときの接合部41の温度のみを測定するものであってもよい。
なお、以下で説明する接合部温度測定工程では、全接合部41(1)〜41(n)の温度を測定するものとする。図4に全接合部41(1)〜41(n)の温度を時系列して示す。
さらに、本実施形態では、接合部温度測定工程で測定した全接合部41(1)〜41(n)の温度のうちの最高温度Tmaxに基いて接合強度を判定する。例えば図5に示すグラフにおいて、W6は正規の所定の溶接出力で溶接した場合を示し、他の溶接出力W5〜W3については、所定の溶接出力W6に比べて、W6>W5>W4>W3の関係にある。接合強度を指数で表し、保証する接合強度の指数を100以上とすると、接合部温度が660℃以上にある場合、ワークとしてのレーザ溶接した被溶接部材は、合格とし、接合部温度に基いて接合強度を良否判定する。なお、図5の接合部温度と接合強度のグラフから、最小二乗法等により接合部温度と接合強度の回帰式(関係式)を算出し、この関係式を用いて接合温度から接合強度を推定する方法を用いても、良否判定できる。
なお、ここで、全接合部41(1)〜41(n)の温度のうちの最高温度Tmaxに基いて接合強度を判定する工程を、接合強度評価工程と呼ぶ。
ここで、接合部41(i)の温度を時系列で示す図3(a)で以下説明する。図3(a)の縦軸は接合部41(i)の温度、横軸は時間を表している。レーザヘッド1によって入熱開始すると、接合部41(i)形成予定域は、高エネルギーのレーザ光の入熱により、材料溶融温度Tmまで上昇し、中空部材9aおよび挿入部材9bの一部が溶融する図3(b)の溶融部41(i)が形成される。この時点が溶接入熱点41aに対応する。レーザヘッド1の相対移動によって入熱が終了すると、溶接出力W2に示す温度特性のように、溶融部41(i)は入熱を失って冷却される。図3(a)および図3(b)において、溶接出力W2に比べて溶接出力が小さい溶接出力W1(W2>W1)で形成した接合部41(i)の場合が比較例として破線で示されている。入熱終了から所定の期間経過した温度測定点bにおける溶接出力W2、W1の測定された温度はT2>T1という関係にある。また、溶接出力W2、W1における溶融部(溶け込み部)の深さは、図3(b)に示すように、h2>h1の関係にあり、溶接出力Wが減少するほど、接合強度が低下する。すなわち、接合部41(i)において測定された温度が低いほど、接合強度が低下することになる。さらに、1番目の接合部41(1)からi番目の接合部41(i)まで入熱位置は回転速度に応じて移動しているが、被溶接部材9の全体からみると、常に被溶接部材9に入熱され続けられているため、接合部41(1)の温度に比べて接合部41(i)の温度が高くなる傾向にある(図4参照)。n番目の接合部41(n)形成予定域への入熱が終了した後に、測定される接合部41群は徐々に温度が低下する傾向にある(図4参照)。
ここで、実入熱がばらつく要因としては、主に以下の2つの要因がある。第1の要因として、スパッタの発生によるものがある。レーザヘッド1の光学系等への侵入防止は保護ガラス3で対策できるが、レーザヘッド1による照射中のレーザ光内にスパッタが浮遊すると、スパッタに当ったレーザ光の部分は光散乱するため、光散乱によってレーザヘッド1から照射されたレーザ光の一部がスパッタによって遮られることになり、実入熱量が低下する。第2の要因としては、レーザ光は高エネルギーであるため、照射された溶融表面は、金属が材料溶融温度に達するだけでなく、一部の金属は蒸発するいわゆるヒュームが発生する場合がある。ヒュームが発生すると、レーザ光が散乱してレーザヘッド1の光学系の焦点位置のずれ等が発生して実入熱量が低下する。
なお、図6に示すグラフにおいて、f6は正規の所定の焦点位置で溶接した場合を示し、他の焦点位置f5〜f4については、所定の焦点位置f6からのずれ量がf5<f4の関係にある。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、(1)帯状接合部形成工程では、レーザヘッド1の相対的移動従って被溶接部材9の各接合部41に入熱開始と入熱終了を繰り返すことで、複数個(n個)の接合部41(1)〜41(n)からなる帯状接合部4が形成される。高エネルギー熱源であるレーザ光1aを利用した溶接のため、レーザ光1aの入熱による被溶接部材9の溶融範囲(接合部41の形成予定範囲つまり帯状接合部4)を精度よく限定することができる。さらに、接合部温度測定工程では、各接合部41(i){i=1〜n}の入熱終了から所定の期間経過したときの接合部41(i)の温度、つまり冷却過程にある接合部(溶融部、溶け込み部)41(i)の温度を測定する。冷却過程にある接合部41(i)の温度を測定するので、レーザ光1aによる入熱時における被溶接部材9の材料で決まる材料溶融温度ではなく、溶け込み部41(i)の冷却過程における入熱量に応じた温度を測定することができる。さらに、接合強度評価工程では、最高温度Tmaxとなった接合部温度から帯状接合部4の接合強度を評価するので、例えば溶け込み部41(i)の深さh等で示される入熱量に応じた接合強度を、測定した接合部温度から推定することができる。
(2)さらに、本実施形態では、帯状接合部形成工程、接合部温度測定工程、および接合強度評価工程の順序で前工程が終了すると次工程を開始するというものではく、帯状接合部形成工程と接合部温度測定工程とは、所定の時間差(角度αに相当する所定の期間経過後)で同時並行に帯状接合部形成作業、接合部温度測定作業とを実施することができるため、温度測定に費やす無駄時間の発生を防止可能である。さらに、接合強度評価工程では、制御装置に記憶された情報マップ(図5参照)に基いて、一つの代表データ(最高温度Tmaxとなる接合部温度)から接合強度を判定するため、素早く判定できる。したがって、検査時間等の無駄時間をほとんど発生させることなく、製造工程で生産する全ワーク(被溶接部材をレーザ溶接したもの)の全数検査が可能である。
(3)実入熱量のばらつき要因となるスパッタ発生がある場合でも、正規の溶接出力(実入熱量)W6に対して、W5とW4間程度に実入熱量の低下が生じても、全数検査した上で、良否判定できるため(図5参照)、生産の歩留まりが改善され、生産性向上が図れる。なお、ヒーム発生のような実入熱量低下の要因であっても、全数検査した上で良否判定できるため(図6参照)、生産の歩留まりが改善され、生産性向上が図れる。
(他の実施形態)
なお、上述した実施形態では、接合部温度測定工程で測定する接合部温度として、全接合部41(1)〜41(n)の温度を測定するもの(図4参照9として説明したが、最高温度Tmaxとなる接合部温度は、n番目の接合部41(n)形成予定域への入熱が終了した直後に測定される接合部温度のものにほぼ限られるため、温度測定方法として1番目からn番目までの全ての接合部温度を連続的に測定する必要はなく、所定時刻(本実施例では、図4に示す約330mS)経過時に1回測定する方法であってもよい。これにより、人手、制御装置6等の機械によるものに係わらず、温度測定作業の負荷軽減が図れる。さらに、この接合部温度測定方法では、帯状接合部形成工程でのn番目の接合部41(n)の入熱終了の直後に温度測定作業も終了できるため、製造工程で生産する全ワークを、時間と費用をほとんど増加させずに、全数検査可能である。
なお、上述した実施形態では、円弧状の帯状接合部4を形成するものとして説明したが、全周溶接する環状接合部としてもよい。なお、このとき、挿入部材9bは、挿入部の円柱を二面幅にしたものではなく、円柱のままとする。接合部温度測定工程で測定する接合部温度として、全接合部41(1)〜41(n)の温度を測定すると、図7に示す温度特性となる。特定区間Lst(本実施例では、図7に示すt1=350〜t2=600mSの間)の平均温度Ttを、接合部温度測定工程で測定する接合部温度とすることができる。そして、この平均温度Ttに基いて環状接合部の接合強度を判定することが可能である。
本発明の実施形態における溶接方法を示すブロック図である。 本発明の実施形態の溶接方法に係わる接合部温度測定工程の説明図であって、図1の温度センサからみた模式的斜視図である。 図2の帯状接合部のうちのi番目の接合部41(i)におけるレーザ光の照射による入熱開始から入熱終了後以降の状態変化を示す図であって、図3(a)は接合部41(i)の温度特性を示すグラフ、図3(b)は接合部(溶け込み部)41(i)の断面図である。 図2の帯状接合部を構成する複数の接合部41(i)b {i=1〜n}の温度を時系列に並べて示すグラフである。 図4の複数の接合部の温度のうちの最高温度Tmaxと接合強度の関係を示すグラフであって、レーザ光の出力をW3〜W6のパラメータで変えたデータをプロットした説明図である。 図4の複数の接合部の温度のうちの最高温度Tmaxと接合強度の関係を示すグラフであって、レーザ光の焦点位置をf4〜f6のパラメータで変えたデータをプロットした説明図である。 他の実施形態に係わる帯状接合部を構成する複数の接合部41(i)b {i=1〜n}の温度を時系列に並べて示すグラフである。
符号の説明
1 レーザヘッド(レーザ照射部)
1a レーザ光
11 レーザ発振機
2 ノズル
3 保護ガラス
4 帯状接合部(複数個からなる接合部)
41 接合部
5 温度センサ
6 制御装置
9 被溶接部材
9a 中空部材
9b 挿入部材

Claims (5)

  1. 被溶接部材と相対的に移動可能なレーザ照射部から前記被溶接部材へレーザ光を照射する溶接方法において、
    前記レーザ照射部の相対的移動に従って、前記被溶接部材に入熱開始と入熱終了を繰り返すことで、接合部を複数個形成する帯状接合部形成工程と、
    前記接合部の入熱終了から所定の期間経過したときに、前記接合部の温度を測定する接合部温度測定工程と、
    前記接合部温度から前記接合部の接合強度を評価する接合強度評価工程とを備えることを特徴とする溶接方法。
  2. 前記溶接強度評価工程では、複数の前記接合部温度のうちの最高温度に基いて接合強度を判定することを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
  3. 前記溶接強度評価工程では、複数の前記接合部温度からなる接合部温度特性のうち、特定区間の平均温度に基いて接合強度を判定することを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
  4. 前記溶接強度評価工程では、複数の前記接合部温度からなる接合部温度特性のうちから、所定時刻経過したときの接合部温度に基いて接合強度を判定することを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
  5. 前記被溶接部材は、中空部材と、前記中空部材に挿入可能な挿入部材とからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の溶接方法。
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