JP2005136962A - 色処理装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 色材の組み合わせを最適化するには、数万の色材の組み合わせであるカラーパッチを形成し、それらカラーパッチを測色して、色材の組み合わせと測色値の関係を取得する必要がある。
【解決手段】 濃度変動による色差に起因する出力画像の画質劣化を最小限に抑える色材の組み合わせを決定する際に、色材の発色性を予測し(S11)、濃度変動による色差を計算し(S12)、濃度変動による色差を最小にする色材の組み合わせを決定する(S13)。
【選択図】 図17

Description

本発明は色処理装置およびその方法に関し、色材の組み合わせなどを決定する色処理に関する。
インクジェットプリンタの高画質化に伴い、プロ写真家の作品出力や印刷プルーフの出力先として、インクジェットプリンタの使用頻度が劇的に増加している。このような状況の中、プロやハイアマチュアを満足させる画質を実現するために、色域拡大や「光源による色の見えの違い」を考慮した最適な色材開発が強く求められている。
銀塩写真フィルムなどの透過原稿は、色域拡大やグレーバランスの安定化など高画質化を目指し、シミュレーション技術によるカラーフィルムの自動設計が古くから行われている。しかし、インクジェットプリンタが出力する反射原稿における色材の発色性、すなわちインクの打込量と測色値(三刺激値や分光反射率)の関係は非線形性が強く、色材の発色性を精度よく予測することが困難であり、コンピュータによる自動設計化技術の立ち上げが遅れている。
色材の発色性のシミュレーションが難しいために、各色インクの打込量の関係(以下「色材の組み合わせ」という)を最適化するには、数万の色材の組み合わせであるカラーパッチを形成し、それらカラーパッチを測色して、色材の組み合わせと測色値の関係を取得する必要がある。しかし、このような作業を必要とするインクの開発は、効率が悪い上、検討者や検討方法により結果にばらつきが生じ易い。
また、近年、インクジェットプリンタの高解像度化、多ノズル化により、ノズル密度が大幅に高まった。その結果、印刷中にプリンタヘッドが非常に高温になり、インクの吐出が不安定となって、出力画像に濃度変動によるすじや色むらが生じる問題がある。
特開2003-326768公報
本発明は、上述の問題を個々にまたはまとめて解決するもので、濃度変動による色差に起因する出力画像の画質劣化を抑えることができる色材の組み合わせを決定することを目的とする。
また、色域を最大にする色材の組み合わせを決定することを他の目的とする。
また、光源による色の見えの違い、または、グレイバランスの変動を抑えることができる色材の組み合わせを決定することを他の目的とする。
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
本発明は、濃度変動による色差に起因する出力画像の画質劣化を抑えることができる色材の組み合わせを決定する際に、色材の発色性を計算し、濃度変動による色差を計算し、濃度変動による色差に応じた色材の組み合わせを決定することを特徴とする。
また、所定の明度領域において、最大の色域を得る色材の組み合わせを決定する際に、色材の発色性を計算し、発色性の計算に基づき、色材の色域境界を探索して、色域面積を計算し、色域面積の計算に基づき、最大の色域を得る色材の組み合わせを決定することを特徴とする。
また、光源による色の見えの違いを抑えることができる色材の組み合わせを決定する際に、色材の発色性を計算し、発色性の計算に基づき、色材が再現するカラーチャートの分光反射率を計算し、得られる分光反射率と、予め測色された、カラーチャートの分光反射率の差分を計算し、差分に応じた色材の組み合わせを決定することを特徴とする。
また、光源によるグレイバランスの変動を抑えることができる色材の組み合わせを決定する際に、色材の発色性を計算し、発色性の計算に基づき、色材が再現するカラーチャートの分光反射率および第一の光源における第一の三刺激値を計算し、得られる分光反射率から、第二の光源における第二の三刺激値を計算し、第一および第二の三刺激値の差分を計算し、差分に応じて色材の組み合わせを決定することを特徴とする。
本発明によれば、濃度変動による色差に起因する出力画像の画質劣化を抑えることができる色材の組み合わせを決定することができる。
また、色域を最大にする色材の組み合わせを決定することができる。
また、光源による色の見えの違い、または、グレイバランスの変動を抑えることができる色材の組み合わせを決定することができる。
以下、本発明にかかる実施形態の色処理を図面を参照して詳細に説明する。
実施例1では、上述した濃度変動による出力画像のすじや色むらを最小限に抑える三色の色材の組み合わせを求める、言い換えれば、色材の組み合わせを最適化するシミュレーション(色処理)を説明する。図17は、このシミュレーションを示すフローチャートである。
まず、予測式1により、色材の発色性、つまり色材の組み合わせ(インクの打込量)に対する三刺激値または分光反射率を予測する(S11)。
上述した濃度変動による出力画像のすじや色むらは、色差がある一定以上の値になると発生する(観察される)現象である。そこで、予測式2により、濃度変動による色差を計算する(S12)。
そして、予測式3(非線形最適化手法)により、濃度変動による色差を最小にする色材の組み合わせを求める(S13)。以下では、これら予測式を詳細に説明する。
[予測式1]
色材の発色性を精度よく予測可能なプリンタモデルを検討した。その検討条件、検討対象のプリンタモデル、検討方法および検討結果は次のとおりである。
● 検討条件
インクジェットプリンタ:出力解像度1200dpi×1200dpi、ノズル数512
吐出量4ピコリットル
インク :シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)
メディア :プロフェッショナルフォト紙(コート紙)
測色器 :GretagMacbeth社製の分光光度計SpectroScan
● プリンタモデル
一つ目のプリンタモデルは、クベルカムンク(Kubelka-Munk)の理論式(以下「KMモデル」と呼ぶ)で、式(1)(2)により色材の組み合わせの分光反射率Rλ(λ)を予測することができる。
Rλ(λ) = Rλ,p(λ)・exp{-2(Σicikλ,i)} …(1)
kλ,i = -0.5・ln{Rλ,i(λ)/ Rλ,p(λ)} …(2)
ここで、Rλ,i(λ)は一次色の色材の分光反射率
Rλ,pは記録紙の分光反射率
cは一次色の色材の濃度(インクの打ち込み量に相当する)
kは一次色の色材の吸収係数
iは一次色の色材C、MまたはYを表す
なお、一次色(プライマリカラー)の色材は検討条件に記載したようにC、M、Y三色の色材(インク)であるが、必要に応じてライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系色材、グリーンやオレンジなどの特色系色材を加えてもよい。
二つ目のプリンタモデルは、クベルカムンクの理論式の改良型(以下「改良KMモデル」と呼ぶ)で、式(3)(4)(5)によりドットゲインを考慮(補正)した一次色の色材の分光反射率R'λ,i(λ)を予測することができる。
D'λ,i(λ) = 1.0 - {1.0 - Dλ,i(λ)}b …(3)
b = f(c) …(4)
R'λ,i(λ) = 10-t, t = D'λ,i(λ) …(5)
ここで、Dλ,i(λ)は一次色の色材の分光濃度
D'λ,i(λ)はドットゲイン補正後の一次色の色材の分光濃度
cは一次色の色材の濃度(インクの打ち込み量に相当する)
iは一次色の色材C、MまたはYを表す
式(3)から(5)によってドットゲインを補正した後、式(2)のRλ,i(λ)にR'λ,i(λ)を代入することで、式(1)と(2)から色材の組み合わせの分光反射率を予測することができる。
三つ目のプリンタモデルは、ウィリアムとクラッパが提案した理論式(以下「WCモデル」と呼ぶ)で、式(6)によりベースペーパに対する分光反射率R(λ)を予測することができる。
R(λ) = 0.193T2.13[{1/2RB(λ)} - ∫0 π/2T2secθrθsinθcosθdθ]-1 …(6)
ここで、Tはインク吸収層の分光透過率(色材の特性を反映する)
RB(λ)はベースペーパの分光反射率
θはベースペーパに対する光の反射角
rθは反射角に対する内部フレネル反射率
ここで、屈折率は1.53としたが、記録紙(塗工用材料)により、この係数は異なる。例えば、塗工用材料が二酸化チタンの場合は2.55-2.70、その他は約1.5である。また、インク吸収層は、図1に示すインクを吸収した記録紙層1であり、ベースペーパは、インク吸収層1の下のインクが届かない記録紙層2の上面(ペース面)のことである。なお、図1に符号3で示す矢印は、ベースペーパからの反射光を示す。従って、色材の組み合わせの分光反射率Rλ(λ)は式(7)に示すようになる。
Rλ(λ) = Rλ,p(λ)R(λ) …(7)
ここで、Rλ,pは記録紙の分光反射率
● 検討方法
上記のプリンタモデルにより一次色の色材の分光反射率を予測し、CMY各色33ステップの階調パッチ(図2参照)の測色値との色差を求めた。
また、上記のプリンタモデルにより一次色の色材の色域をL*=40、50、60、70の四つの明度領域で予測し、予測精度の非常によいセルラノイゲバウアモデル(以下「CNモデル」と呼ぶ)の予測結果と比較した。
● 検討結果
図3から図5は各プリンタモデルによる一次色の色材の分光反射率の予測結果と、図2に示す階調パッチの測色値の色差を示す表である。
一般に、カラーマッチングなどの画像処理で使用するには平均色差ΔE94<1.0、実効分光反射率誤差<0.015が望ましいが、KMモデルとWCモデルは、平均色差ΔE94≧1.0、実効分光反射率誤差≧0.015であり不満足な結果となった。他方、改良KMモデルは、平均色差ΔE94<1.0、実効分光反射率誤差<0.015であり満足な結果となった。なお、平均色差ΔE94および実効分光反射率誤差RMSobjはそれぞれ式(8)および(9)によって定義される。
ΔE94 = √{(ΔL*/SI)2+(ΔC*ab/SC)2+(ΔH*ab/SH)2} …(8)
ここで、SI = 1
SC = 1 + 0.045C*ab
SH = 1 + 0.015C*ab
RMSobj = √{Σ(Rλ - R'λ)2/31} …(9)
ここで、λ = 400, 410, …, 700nmの31点
図6から図9はL*=70、60、50、40におけるCNモデル(実線)、KMモデル(破線)、WCモデル(点線)による色域の予測結果を示す図、図10から図13はL*=70、60、50、40におけるCNモデル(実線)、改良型KMモデル(点線)による色域の予測結果を示す図である。
図6から図9に示すように、KMモデルとWCモデルの色域の予測結果は、CNモデルの色域の予測結果にほぼ一致し、大雑把ではあるが色域を予測することができたと言える。また、図10から図13に示すように、改良KMモデルの色域の予測結果は、一部領域を除き、CNモデルの色域の予測結果と一致し、ほぼ正確に色域を予測できたと言える。
しかしながら、実施例1においては、平均色差ΔE94<1.0、実効分光反射率誤差<0.015など絶対的な予測精度よりも、色域が最大になる色材の組み合わせを各色のピーク位置や半値幅などパラメータとして把握できることが重要である。また、実際の製品においては、プリンタヘッドの個体差、紙面の状態などにより、印刷ごとに、多少なりとも印刷のばらつきが生じる。これらを考慮すれば、改良KMモデル、さらにKMモデルおよびWCモデルにより、色材の組み合わせから色域を予測することは可能であると言える。従って、改良KMモデル、KMモデル、WCモデルを予測式1として採用する。
[予測式2]
上述したように、濃度変動による出力画像のすじや色むらは、色差がある一定以上の値になると発生する(観察される)現象である。予測式2は、濃度変動による色差を求めるもので、次の三要素から構成される。
(a) 濃度変動の幅の決定
(b) 色材の最大濃度+濃度変動の幅(最大値と最小値)に対する三刺激値の計算
(c) 最大値と最小値の色差の計算
● 色むらの発生メカニズム
2ピコリットル以下の極小液滴化、1インチヘッドによる多ノズル化、4800dpi×2400dpiの高解像度化によるノズル密度の劇的な増大によって、インクの吐出を安定させることは非常に困難になりつつある。図14に示すように、インクの吐出が不安定になると、インクの吐出量が変化し、紙面上のドット径が変わる。その結果、同じ数のドットを打っても平均濃度が変動する。この平均濃度の変動は、人間の視覚特性上、ある観察距離においてすじや色むらとして認識される。なお、図14(a)はインクの吐出量が低下した場合を、図14(b)はインクの吐出量が理想的な状態にある場合を、図14(c)はインクの吐出量が増加した場合をそれぞれ示している。
濃度変動の幅をαとすると最大濃度はODmax±αと定義できる。なお、ODmaxは理想的なドット配置における最大濃度である。幅αは、出力画像に生じたすじや色むらの測色値から経験的に設定してもよいし、あるいは、濃度変動の幅の目標値として設定してもよい。
● スプライン関数による色材の分光濃度の近似
人間の視覚波長領域の例えば400nmから700nmの波長領域において、例えば10nmごとに色材の分光濃度(形状)を定義する。従って、色材の分光濃度は全31点(λ=400, 410, …, 700nm)から構成される。なお、色材の組み合わせ一つに対して、三つの色材による分光濃度S1(λ)、S2(λ)、S3(λ)を定義する必要がある。なお、より広い波長領域、例えば380nmから780nmにおいて、例えば5nmごとに色材の分光濃度を定義してもよい。
以下、スプライン関数による色材の分光濃度の定義方法を説明する。
まず、色材の分光濃度はすべて正の値とする。また、S(λ)の形状は現実的で滑らかであるとする。そして、色分離を考慮して、S(λ)のピークは単独であるとする。
色材の分光濃度は、式(10)に示すスプライン関数によって定義する。図15は式(10)によって定義されるスプライン関数を示す図である。
|λ|≦ωの場合
C(λ) = {ω3 + 3ω2(ω-|λ|) + 3ω(ω-|λ|)2 + 3(ω-|λ|)3}/6ω3
ω<|λ|≦2ωの場合
C(λ) = (2ω-|λ|)/6ω3 …(10)
2ω<|λ|の場合
C(λ) = 0
ここで、ωは半値幅で分光濃度の幅を決める係数
λは波長[nm]である。
ただし、最大濃度を1.0で正規化する
ピーク位置をλ0[nm]とすると、分光濃度S(λ)は式(10)のスプライン関数C(λ)を使用して、式(11)のように定義される。
S(λ) = C(λ - λ0) …(11)
従って、各色のピーク位置をそれぞれλ1,0、λ2,0、λ3,0とすると、分光濃度は式(12)のように定義される。
S1(λ) = C(λ - λ1,0)
S2(λ) = C(λ - λ2,0) …(12)
S3(λ) = C(λ - λ3,0)
ここで、400≦λ1,0<λ2,0<λ3,0≦700
式(12)によって定義される色材の分光濃度に、濃度変動幅αを考慮した最大濃度ODmax±αを掛けて、式(13)および式(14)を得る。
S1(λ) = C(λ - λ1,0)×(ODmax - α)
S2(λ) = C(λ - λ2,0)×(ODmax - α) …(13)
S3(λ) = C(λ - λ3,0)×(ODmax - α)
S1(λ) = C(λ - λ1,0)×(ODmax + α)
S2(λ) = C(λ - λ2,0)×(ODmax + α) …(14)
S3(λ) = C(λ - λ3,0)×(ODmax + α)
次に、色材の組み合わせそれぞれについて、光源D65、視野角2度の下での反射率を求める(式(15))。
R(λ) = f(S1(λ), S2(λ), S3(λ)) …(15)
そして、式(16)を使用して三刺激値を計算する。
X = k∫400 700R(λ)・P(λ)・x(λ)dλ
Y = k∫400 700R(λ)・P(λ)・y(λ)dλ …(16)
Z = k∫400 700R(λ)・P(λ)・z(λ)dλ
ここで、k = 100/∫400 700P(λ)・y(λ)dλ
x(λ)、y(λ)、z(λ)は等色関数
P(λ)は光源の分光分布
● 色差の計算
色材の組み合わせの三刺激値の最大値と最小値を求めた後、XYZ表色系をLCH表色系に変換して式(8)を使用することで、最大値と最小値の色差を計算することができる。
[予測式3]
予測式3は、色材の発色性を示す物理モデル式(予測式1)と、色材の分光濃度の、スプライン関数による近似式(予測式2)を使って、濃度変動による色差を最小限に抑える三色の色材の組み合わせを求める式である。
非線形最適化手法の一つである修正パウエル法を使用して、色差が最小になる三色の色材の組み合わせを求める。なお、下記の非線形最適化手法の説明において関数fが、予測式2によって得られる色差に対応する。
なお、非線形最適化手法としては、Abadieが1970年に提案したGREGアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム(GA)、免疫型アルゴリズム(IA)、ニューラルネットワークの使用も可能である。また、コンピュータと対話しつつ最適化を進める一種の繰り返し法(iterative method)の使用も可能である。勿論、総当り計算によって最適解を見付ける手法でもよい。
図16は修正パウエル法を説明するためのフローチャートである。
まず、方向集合として単位ベクトルui=e1, e2, …, eNをとり(CMY三色場合)、出発点をP0(式(10)のパラメータの集合ω1、ω2、ω3、λ1,0、λ2,0、λ3,0)とする(S1)。次に、i=1, …, Nについて、Pi-1を方向uiに沿った最小に移動し、その点をPiとする(S2)。次に、i=1, …, N-1について、ui+1をuiに、PN-P0をuNとする(S3)。次に、PNを方向uNに沿った最小に移動し、その点をP0とする(S4)。
そして、式(17)に示す関数を定義し、現在の反復で各方向に沿った減少量のうち最も大きい値をΔfとする(S5)。本実施例では、式(17)の関数fは、式(13)と式(14)で定義される色材の組み合わせ間の色差とする。
f0≡f(P0)
fN≡f(PN) …(17)
fE≡f(2PN - P0)
ここで、fEは新しい方向に沿って少し余分に進んだ点での関数値
次に、式(18)を判定し(S6)、式(19)を判定し(S7)、何れかの判定結果が真ならば、現在の方向集合を次回まで持ち越す(S8)。
fE≧f0 …(18)
2(f0 - 2fN + fE)(f0 - fN - Δf)2≧(f0 - fE)2≧(f0 - fE)2Δf …(19)
次に、式(20)を判定し(S9)、真ならば処理を終了し、偽ならば処理をステップS2に戻す。
2.0|f0 - fN|≦min×(|f0|+|fN|) …(20)
ここで、minは処理の終了を見極めるための定数(例えば10-6
[ハードウェア構成]
図18に示すような構成のコンピュータ装置に、上記のシミュレーション用のプログラムを供給することで、上記のシミュレーション(色処理)を実行することができる。
CPU 1は、RAM 2をワークメモリとして、ROM 3に格納された基本IOシステム(BIOS)、ハードディスクドライブ(HDD)6に格納されたオペレーティングシステム(OS)や各種プログラム(上記のシミュレーション用のプログラムを含む)を実行し、システムバス10を介して各構成を制御する。
CPU 1は、ビデオインタフェイス(I/F) 5を介してモニタ9にユーザインタフェイスや各種プログラムの処理結果を表示し、例えばUniversal Serial Bus (USB)やIEEE1394などのシリアルバスインタフェイスであるデバイスI/F 4に接続されたキーボード・マウス8からユーザの指示を受け取る。
CPU 1は、上記のシミュレーションの結果として得られる色材の組み合わせを示すデータを、モニタ9に表示したり、デバイスI/F 4を介してプリンタ(不図示)に印刷させたり、デバイスI/F 4に接続されたリムーバルメディアドライブ(不図示)によりリムーバルメディアに記録したりする。
また、CPU 1は、デバイスI/F 4を介して測色機7を制御して、図2に示した階調パッチなどの測色値を得ることができる。
このように、実施例1によれば、色材の発色性をシミュレートすることができ、色材の組み合わせを最適化するために、数万の色材の組み合わせであるカラーパッチを形成し、それらカラーパッチを測色して、色材の組み合わせと測色値の関係を取得する、従来の作業を必要としない。従って、濃度変動による出力画像の画質劣化(すじや色むらの発生)を最小限に抑えることができる色材の組み合わせを、高精度に、かつ、短時間に効率よく決定することができる。
以下、本発明にかかる実施例2の色処理を説明する。なお、実施例2において、実施例1と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
実施例2では、色材の組み合わせを最適化するシミュレーション(色処理)を用いて、色域を最大にする色材の組み合わせを求める。図19は、このシミュレーションを示すフローチャートである。
まず、予測式1により、色材の発色性、つまり色材の組み合わせ(インクの打込量)に対する三刺激値または分光反射率を予測する(S21)。
次に、予測式4により、色域を求め、その面積を計算する(S22)。
そして、予測式5により、色域を最大にする色材の組み合わせを求める(S23)。
[予測式1]
予測式1は、実施例1と同様に、改良KMモデル、KMモデル、WCモデルを採用するので、詳細な説明は省略する。
[予測式4]
予測式4は次の四要素から構成され、以下では、これら要素を順に説明する。
(a) 出発点の決定
(b) 色域境界の探索
(c) 色域の描画
(d) 色域面積の計算
● 出発点の決定
図20は出発点の決定手順の一例を示すフローチャートである。
まず、CIE LAB色空間上の色域を予測すべきL*平面で点(a*, b*)をランダムに発生し(S31)、発生した点に対して、図21に示すシンプレックス法を使用したカラーマッチングにより、色材の組み合わせ量(c, m, y)を求め(S32)、色材の組み合わせ量が式(21)を満たすか否かを判定し(S33)、式(21)を満たすまでステップS31、S32を繰り返して、式(21)を満たす色材の組み合わせ量を有する点が得られると、その点を色域内の出発点(a0, b0)とする。
0≦c, y, m≦1.0
0≦c + m + y≦max …(21)
ここで、maxは色材の最大量を示す。
なお、式(21)において色材の最大量maxを設定するのは、例えば、必要以上にインクを記録紙に打ち込めばインクの滲みや溢れが発生するなど、画質を著しく損ねるからである。
図21はシンプレックス法を使用するカラーマッチングを説明するフローチャートで、関数f(x)は予測式1に相当する。なお、xはパラメータの集合(各色材のピーク位置や半値幅)、f(x)は色域の面積(1/A、ただしAは面積)や、色の見えの違い(反射スペクトルの差分値もしくはΔE94)である。
まず、パラメータxiを設定する(S81)。色材が三色だとするとパラメータxiは、ピーク位置λ1,0、λ2,0、λ3,0と、半値幅ω1、ω2、ω3の合わせて六個である。式(22)はパラメータと、その制限条件を示している。ただし、ピーク位置は10、半値幅は5ごとに変化させる。
xi = (λi,1,0, λi,2,0, λi,3,0, ωi,1, ωi,2, ωi,3) …(22)
ただし、i = 1, 2, … , 7
400≦λ1,0≦500
500≦λ2,0≦600
600≦λ3,0≦700
5≦ω1, ω2, ω3≦110
次に、シンプレックス法でのパラメータの最適化のために、ベクトルを以下のように設定する(S82)。
xh = max{f(xi )} (i = 1, 2, … , n+1)
xs = max{f(xi )} (i ≠ h)
xL = min{f(xi )} (i = 1, 2, … , n+1) …(23)
x0 = Σxi /n (i ≠ h、i = 1, 2, … , n+1)
ただし、f(xi) = 1/A
Aは色域の面積
次に、式(23)(24)を使用して、シンプレックス法で式(23)のxhが最小となるパラメータを求める(S83)。ただし、図22に示すローカルミニマムの可能性があれば、後述する補足処理を実行する。
xr = (1 + α)x0 - αxh
xE = βxR + (1 - β)x0 …(24)
xe = γxh + (1 - γ)x0
ここで、α>0、β>0、γ>0は係数(本実施例ではα=1、β=2、γ=1/2)
xhが最小となるパラメータが求まると、それらパラメータを予測式1に代入し、色域が最大になる色材の組み合わせを設定する(S84)。なお、ローカルミニマムの可能性がある場合は、以下の補足処理を実行する。
(1) ピーク位置の範囲を変化させる。例えば、
400≦λ1,0≦550
450≦λ2,0≦650
550≦λ3,0≦700
(2) ピーク位置の変動距離を例えば20nmごとに変化させる。
(3) 半値幅の範囲を変化させる。例えば、
40≦ω1, ω2, ω3≦90
(4) 半値幅の変動距離を例えば10ごとに変化させる。
上記(1)から(4)の変化を与えた場合の各処理結果と、ステップS83の処理結果(変化を与えない場合の処理結果)を比較して、式(23)のxhが最小となる処理結果を採用する。
● 色域境界の探索
図23は挟み打ち法による色域境界の探索手順の一例を示すフローチャートである。
まず、移動量rを初期化(例えばr=-10)し(S41)、出発点(a0, b0)をb*方向に移動量rだけ移動する(S42)。
次に、移動後の点に対して、上記のカラーマッチングにより色材の組み合わせ量を求め(S43)、式(21)を満足する点か否か、つまり色域内の点か否かを判定して(S44)、色域内の点であれば、さらに、点をb*方向に移動量rだけ移動する(S42)。つまり、点が色域外に出るまでステップS42からS44を繰り返す。
点が色域外に出ると、予測式1(y=f(x)とする)により、その点nの発色性f(n)と、色域外に出る直前の点n-1の発色性f(n-1)を求め、その差|f(n)-f(n-1)|が処理の終了を見極めるための定数min(例えば10-6)以下か否かを判定する(S45)。
差が定数minを超える場合は、移動量rを半分にし、符号を反転し(例えばr=5にする)(S46)、点をb*方向に移動量rだけ移動し(S47)、移動後の点に対して、上記のカラーマッチングにより色材の組み合わせ量を求め(S48)、式(21)を満足する点か否か、つまり色域外の点か否かを判定して(S49)、色域外の点であれば、さらに、点をb*方向に移動量rだけ移動する(S47)。つまり、点が色域内に入るまでステップS47からS49を繰り返す。
点が色域内に入ると、予測式1(y=f(x)とする)により、その点nの発色性f(n)と、色域内に入る直前の点n-1の発色性f(n-1)を求め、その差|f(n)-f(n-1)|が定数min以下か否かを判定する(S50)。差が定数minを超える場合は、移動量rを半分にし、符号を反転し(例えばr=-2.5にする)(S51)、処理をステップS42に戻す。
ステップS45またはS50の判定により、発色性の差が定数min以下になった場合は、点nを色域境界上の点(a0, b1)とする(S52)。
ここでは、色域境界上の一点を決定する手順を説明したが、必要であれあ、b*方向(垂直方向)だけでなくa*方向(水平方向)に出発点を移動して、色域境界を描くのに必要な色域境界上の点を求めればよい。
● 色域の描画
図24は色域境界上の点から色域を描く処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の説明では、図25に示すように、色域境界の探索で得られた色域境界上の点を(a1, b1)とする。
まず、回転角度θおよび移動量rを初期化(例えばθ=+30度、r=10)し、始点を(a1, b1)に設定して(S61)、点(a1, b1)と、点(a1, b1)からa*方向へ移動量rだけ移動した点(a1+r, b1)を結ぶ線分を設定し(回転角度0とする)(S62)、点(a1, b1)を中心に線分を-90度(時計回りに90度回転した角度)から回転角度θだけ回転した端点(a1+r・cos(-90+θ), b1+r・sin(-90+θ))を求める(S63)。なお、回転角度θが正の場合は反時計回りに回転し、負の場合は時計回りに回転する。
次に、線分の回転角度が+180度に達したか否かを判定し(S64)、未達であれば線分を回転角度θだけ、さらに回転した端点を求め(S65)、上記のカラーマッチングおよび式(21)により、回転の前後で、端点が色域内から色域外へ、または、色域外から色域内へ変化(以下「色域の変化」と呼ぶ)したか否かを判定する(S66)。もし、色域の変化がない場合は処理をステップS64へ戻し、回転角度θごとに、色域の変化が現れるまでステップS64、S65を繰り返す。
また、ステップS64の判定で回転角度が+180度に達した場合は、移動量rおよび回転角度θを小さくし(例えばそれぞれ1/5、1/3にする)(S67)、処理をステップS62に戻す。
色域の変化が現れると、予測式1(y=f(x)とする)により、回転前後の二つの端点n-1、nの発色性f(n-1)、f(n)を求め、その差|f(n)-f(n-1)|が処理の終了を見極めるための定数min(例えば10-6)以下か否かを判定する(S68)。
差が定数minを超える場合は、回転角度θを半分にし、符号を反転し(例えばθ=-15度にする)(S69)、線分を回転角度θだけ回転し(S70)、回転前後で端点に色域の変化が現れたか否かを判定する(S71)。もし、色域の変化がない場合は処理をステップS70へ戻し、回転角度θごとに、色域の変化が現れるまでステップS70、S71を繰り返す。
色域の変化が現れると、予測式1により、回転前後の二つの端点n-1、nの発色性f(n-1)、f(n)を求め、その差|f(n)-f(n-1)|が定数min以下か否かを判定する(S72)。差が定数minを超える場合は、処理をステップS69に戻し、回転角度θを半分にし、符号を反転(例えばθ=7.5度)する。
ステップS68またはS72の判定により、発色性の差が定数min以下になった場合は、端点nを色域境界上の点(an, bn)にする(S73)。
そして、ステップS74の判定により、以上の処理を、始点(an-1, bn-1)と色域境界上の点(an, bn)の距離L=√{(an, bn)2+an-1, bn-1)2}が移動量rの初期値以下になるまで繰り返し、L≦r(初期値)になると色域の描画処理を終了する。なお、処理をステップS61に戻した場合、始点を(an, bn)に設定する。
● 色域面積の計算
三角形の面積Aは、その三つの辺a、b、cから式(25)によって計算される。
A = √{s(s - a)(s - b)(s - c)} …(25)
式(25)を発展させて、ある点の集合で囲まれたポリゴンの面積Aを式(26)で計算する。
A = (U0V1 - U1V0)+(U1V2 - U2V1) + … + (Un-1Vn - UnVn-1)
= Σi=1 m(uivi+1 - ui+1vi) …(26)
ただし、(ui, vi)はポリゴン上の点
(u0, v0)は最左端の点
従って、色域の描画によって得た色域境界の点が形成するポリゴンの面積Aを、式(26)を用いて計算すれば、色域の面積を得ることができる。
[予測式5]
予測式5は次の三要素から構成され、以下では、これら要素を順に説明する。
(a) 仮想的な色材の作成
(b) 予測式4による色域面積の計算
(c) 色域が最大になる色材の組み合わせの選択
● 色材の作成
400から700nmの波長域において、10nmごとに色材の分光濃度(形状)を定義する。従って、色材の分光濃度は全31点(410, 420, …, 700nm)から構成する。なお、色材の組み合わせ一つに対して、三つの色材による分光濃度S1(λ)、S2(λ)、S3(λ)を定義する必要がある(図26参照)。
以下、スプライン関数による仮想的な色材の作成方法を説明する。
まず、色材の分光濃度はすべて正の値とする。また、S(λ)の形状は現実的で滑らかであるとする。そして、色分離を考慮して、S(λ)のピークは単独であるとする。色材の分光濃度は、式(10)に示したスプライン関数C(λ)によって定義する。ただし、式(10)とは異なり、最大濃度を2.0で正規化する。
ピーク位置をλ0[nm]とすると、分光濃度S(λ)は、スプライン関数C(λ)を使用して、式(11)に示したように定義される。従って、各色のピーク位置λ1,0、λ2,0、λ3,0は式(12)に示したように定義される。
● 予測式4による色域面積の計算
上記で作成した仮想的な色材の組み合わせについて、予測式4により色域を求め、その面積を計算する。
● 色域が最大になる色材の組み合わせの選択
ピーク位置λ1,0、λ2,0、λ3,0と半値幅ω1、ω2、ω3を変化させ(図27参照)、各仮想色材の組み合わせについて色域の面積を計算し、その中から色域が最大になる色材の組み合わせを選択する。色域の面積は、L*=40からL*=90の明度領域において、L*=10ごとに計算し、それら六つの面積の合計値とする。
図28は色域が最大になる色材の組み合わせを選択する手順の一例を示すフローチャートである。
まず、半値幅をω123=50に設定し(S91)、各色材のピーク位置λ1,0、λ2,0、λ3,0を変化させて、すべてのピーク位置の組み合わせについて色域面積を計算する(S92)。ただし、ピーク位置は、λ1,0は400から500nmの範囲で10nmごとに、λ2,0は500から600nmの範囲で10nmごとに、λ3,0は600から700nmの範囲で10nmごとに変化させる。
次に、色域が最大になるピーク位置の組み合わせλmax,1,0、λmax,2,0、λmax,3,0を選択し(S93)、各色材の半値幅を10から110の範囲で5ずつ変化させて、すべての半値幅の組み合わせについて色域面積を計算し(S94)、色域が最大になる半値幅の組み合わせωmax,1, ωmax,2, ωmax,3を選択する(S95)。
そして、ステップS93で選択したピーク位置の組み合わせλmax,1,0、λmax,2,0、λmax,3,0、および、ステップS95で選択した半値幅の組み合わせωmax,1, ωmax,2, ωmax,3によって作成される色材の組み合わせが、色域が最大になる色域の組み合わせとする(S96)。
上記手順は、あらゆる組み合わせを計算する総当り計算に近い方法であり、非常に計算時間を要するが、近年のコンピュータの発展により、現実的な手順として利用できるようになった。なお、最適化手法として、上述したGREGアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム(GA)、免疫型アルゴリズム(IA)、ニューラルネットワーク、コンピュータと対話しつつ最適化を進める一種の繰返し法(iterative method)を使用し、計算時間の短縮を図ることも可能である。
このように、実施例2によれば、色材の組み合わせを最適化するシミュレーション(色処理)を用いて、色域を最大にする色材の組み合わせを求めることができる。
以下、本発明にかかる実施例3の色処理を説明する。なお、実施例3において、実施例1、2と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
実施例3では、実施例2で説明したシミュレーション(色処理)を四色の色材の組み合わせに適用する例を説明する。
実施例3のシミュレーションは、実施例2の図19と同様に、予測式1により、色材の発色性を予測し(S21)、予測式4により、色域を求め、その面積を計算し(S22)、予測式5により、色域を最大にする色材の組み合わせを求める(S23)ものである。予測式1、4は実施例2と同様であるので説明を割愛し、ここでは、予測式5における実施例2との差異を説明する。
予測式5の構成は、実施例2と同様に、(a)仮想的な色材の作成、(b)予測式4による色域面積の計算、(c)色域が最大になる色材の組み合わせの選択から構成される。
● 色材の作成
色材の作成において、実施例3は四色の色材を対象にするので、色材の組み合わせ一つに対して、四つの色材による分光濃度S1(λ)、S2(λ)、S3(λ)、S4(λ)を定義する必要がある(図29参照)。
スプライン関数C(λ)による色材の分光濃度は式(10)によって定義されるが、式(10)とは異なり、最大濃度を2.2で正規化する。
ピーク位置をλ0、半値幅をωとすると、分光濃度は、スプライン関数C(λ)を用いて式(27)のように定義される。
S(λ) = f1 + 0.1×f2 + 0.1×f3 + 0.05×f4 + 0.05×f5 …(27)
ここで、f1 = C(λ - λ0)
f2 = C(λ - λ0 - ω)
f3 = C(λ - λ0 + ω)
f4 = C(λ - λ0 - 2ω)
f5 = C(λ - λ0 + 2ω)
より好ましくは、現実の色材の特性(分光濃度)と適合させるために、式(27)における係数(0.1、0.05)を調整するとよい。例えば、よりブロードバンドな波形にしたいならば式(28)にようにし、よりナローバンドな波形にしたいなら式(29)のように調整すればよい。
S(λ) = f1 + 0.2×f2 + 0.2×f3 + 0.1×f4 + 0.1×f5 …(28)
S(λ) = f1 + 0.05×f2 + 0.05×f3 + 0.025×f4 + 0.025×f5 …(29)
従って、各ピーク位置をS1,0(λ)、S2,0(λ)、S3,0(λ)、S4,0(λ)とすると、各色材の分光濃度は式(30)のように定義される。
S1(λ) = C(λ - λ1,0)
S2(λ) = C(λ - λ2,0)
S3(λ) = C(λ - λ3,0) …(30)
S4(λ) = C(λ - λ3,0)
ここで、400≦λ1,0<λ2,0<λ3,0<λ4,0≦700
● 色域が最大になる色材の組み合わせの選択
ピーク位置λ1,0、λ2,0、λ3,0、λ4,0と半値幅ω1、ω2、ω3、ω4を変化させ、各仮想色材の組み合わせについて色域の面積を計算し、その中から色域が最大になる色材の組み合わせを選択する。色域の面積は、L*=40からL*=90の明度領域において、L*=10ごとに計算し、それら六つの面積の合計値とする。
図30は色域が最大になる色材の組み合わせを選択する手順の一例を示すフローチャートである。
四色の色材から一つを選び、その色材のピーク値および半値幅を初期値(最小値)に設定する(S101)。例えば、λ4の色材を選んだとすれば、λ4の色材の初期値(例えばλ4,0=620nm、ω4=10)を設定する。
次に、選択した色材のピーク値および半値幅を固定して、図28に示した処理を行う(S102)。その際、例えば、λ1,0は400nmから480nm、λ2,0は470nmから550nm、λ3,0は550nmから630nmとし、半値幅の範囲は10から110とする。
次に、λ4,0が最大値(例えば700nm)に達したか否かを判定し(S103)、未達であればピーク値を10nm増加して(S104)、処理をステップS102に戻す。また、最大値に達した場合は、ω4が最大値(例えば110)に達したか否かを判定し(S105)、未達であればλ4,0を初期値に戻し、ω4を5増加して(S106)、処理をステップS102に戻す。
λ4,0、ω4がともに最大値に達した場合は、色域が最大になるピーク位置および半値幅の組み合わせλmax,1,0、λmax,2,0、λmax,3,0、λmax,4,0、ωmax,1, ωmax,2, ωmax,3、ωmax,4によって作成される色材の組み合わせが、色域が最大になる色域の組み合わせとする(S107)。
[予測式4の変形]
予測式4は、次の三要素でも構成することができる。以下では、これら要素を順に説明する。
(a) 始点と終点の決定
(b) 色域の描画
(c) 色域面積の計算
● 始点と終点の決定
図31は始点と終点の決定手順の一例を示すフローチャート、図32は始点と終点の一例を示す図である。なお、図32においてcginは色域内を、cgoutは色域外を示す。
まず、ai、biを最小値(例えば-120)に設定し(S111)、予測式1により点(ai, bi)が色域内か否かを判定し(S112)、色域外の点であればbiが最大値(例えば120)か否かを判定し(S113)、biが最大値未満であればbiに所定値(例えば+5)を加えて(S114)、処理をステップS102に戻す。また、biが最大値であればbiを最小値に設定し、aiに所定値(例えば+10)を加えて(S115)、処理をステップS112に戻す。
ステップS112で色域内の点と判定した場合、点(ai, bi)を起点として上述した挟み打ち法を実行し、色域境界の点(a1, b1)を求め、(a1, b1)を始点とする(S116)。
次に、ai、biを最大値(例えば120)に設定し(S117)、予測式1により点(ai, bi)が色域内か否かを判定し(S118)、色域外の点であればbiが最小値(例えば-120)か否かを判定し(S119)、biが最小値を超える場合はbiに所定値(例えば-5)を加えて(S120)、処理をステップS108に戻す。また、biが最小値であればbiを最大値に設定し、aiに所定値(例えば-10)を加えて(S121)、処理をステップS118に戻す。
ステップS118で色域内の点と判定した場合、点(ai, bi)を起点として上述した挟み打ち法を実行し、色域境界の点(an, bn)を求め、(an, bn)を終点とする(S122)。
● 色域の描画
図33は色域の描画手順の一例を示すフローチャートである。
まず、始点(a1, b1)と終点(an, bn)のa*方向の距離√(a1-an)2を計算し、h≧40であれば移動量の増分をr'=10、h<40ならば移動量の増分をr'=2、移動量r=r'とする(S131)。
次に、始点(a1, b1)からa*方向に移動量rだけ移動した点(a1+r, b1)において、biを-120から+120まで変化させて、色域境界の二点(a1+r, bLo)(a1+r, bHi)を求める(S132)(図34参照)。なお、上記と同様に、色域内外の判定に予測式1を、色域境界上の点を決定するために挟み打ち法を用いることは言うまでもない。
次に、移動量r=r+r'とし(S133)、a1+r≧anか否かを判定し(S134)、a1+r≧anになるまでステップS132およびS133を繰り返す。
なお、移動量rおよび増分r'は、色材の特性(色域の大きさや形状)によって経験的に変更してもよい。また、始点a1からa*方向に移動する例を説明したが、始点b1からb*方向に移動してもよい。
● 色域面積の計算
実施例2と同様に色域面積を計算するので、詳細は省略する。
[予測式5の変形]
実施例2、3においては、予測式5の(c)色域が最大になる色材の組み合わせの選択に、総当り法や非線形最適化法を使用したが、図21に示したシンプレックス法を用いることもできる。
[半値幅の定義の変形]
実施例2、3においては、半値幅を一つ定義したが、半値幅を左右別にωL、ωRと定義することで半値幅のパラメータを倍増し、実際の色材の分光濃度により近い形を求めることができる。この場合はスプライン関数は式(31)に示すように定義される。
0≦|λ|≦ωRの場合
C(λ) = {ωR 3 + 3ωR 2R-|λ|) + 3ωRR-|λ|)2 + 3(ωR-|λ|)3}/6ωR 3
L|λ|≦0の場合
C(λ) = {ωL 3 + 3ωL 2L-|λ|) + 3ωLL-|λ|)2 + 3(ωL-|λ|)3}/6ωL 3
ωR<|λ|≦2ωRの場合
C(λ) = (2ωR-|λ|)/6ωR 3 …(31)
-2ωL<|λ|≦-ωLの場合
C(λ) = (2ωL-|λ|)/6ωL 3
λ<-2ωL、λ>2ωRの場合
C(λ) = 0
ここで、ωは半値幅で分光濃度の幅を決める係数
λは波長[nm]である。
ただし、最大濃度を2.0で正規化する
以下、本発明にかかる実施例4の色処理を説明する。なお、実施例4において、実施例1から3と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
実施例4では、光源による色の見えの違いを最小にする三色の色材の組み合わせを求める、言い換えれば、分光分布的色再現の実現を目指す色材を開発することである。図35は実施例4の処理を示すフローチャートである。
まず、予測式6により、色材の発色性を予測し(S141)、測色値との差分を計算し(S142)、予測式7により、差分を最小にする色材の組み合わせを選択する(S143)。
[予測式6]
予測式6は、次の構成を備える。
(a) 予測式1による色材の発色性の計算
具体的には、色材の組み合わせから分光反射率を計算する。
(b) 色材が再現する被写体の分光反射率R'(λ)の計算
図21に示したシンプレックス法を用い、xiを色材の組み合わせ量、
f(xi)を予測式1、光源をD65、視野二度とする。
(c) 分光反射率R'(λ)と被写体の測色値R(λ)の差分の計算
具体的には、式(9)により実効分光反射率誤差RMSobjを計算する。
なお、被写体として、図36に示すマクベスカラーチャート(24色)を使用する。
[予測式7]
予測式7は、図16に示した修正パウエル法を用いて、実効分光反射率誤差RMSobjを最小にする色材の組み合わせを求める。
図37は予測式7の処理を示すフローチャートである。
まず、任意のパラメータを代入し、式(30)のスプライン関数により色材の組み合わせを作成し(S151)、マクベスカラーチャートの各色について、KMモデルにより、作成した色材の発色性を予測し、シンプレックス法による、色材が再現する被写体の分光反射率R'(λ)の計算(シンプレックス法による測色的カラーマッチング)を行う(S152)。その際、光源は、上述したようにD65とする。
次に、分光反射率R'(λ)と、マクベスカラーチャートの測色値R(λ)の実効分光反射率誤差RMSobjを式(9)により求め(S153)、処理の終了を見極めるための定数(上述したminなど)により実効分光反射率誤差RMSobjが最小か否かを判定し(S154)、最小と判定するまでステップS151からS154の処理を繰り返す。
以下、本発明にかかる実施例5の色処理を説明する。なお、実施例5において、実施例1から3と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
実施例5では、光源による色の見えの違い、とくにグレイバランスの変動を最小にする三色の色材の組み合わせを求める。図38は実施例5の処理を示すフローチャートである。
まず、予測式8により、色材の発色性を予測し(S161)、光源D65と光源Aの下における被写体の三刺激値XYZを計算し(S162)、測色値との差分(色差)を計算する(S163)。次に、予測式9により、差分を最小にする色材の組み合わせを選択する(S164)。
[予測式8]
予測式8は、次の構成を備える。
(a) 予測式1による色材の発色性の計算
具体的には、色材の組み合わせ量から分光反射率R'(λ)、
三刺激値XYZを計算する。
(b) 色材が再現する被写体の分光反射率R'(λ)、三刺激値XD65YD65ZD65の計算
図21に示したシンプレックス法を用い、xiを色材の組み合わせ量、
f(xi)を予測式1、光源をD65、視野二度とする。
(c) 分光反射率R'(λ)から光源A下の三刺激値XAYAZAの計算
(d)XAYAZAとXD65YD65ZD65の差分の計算
具体的には、式(8)により色差ΔE94を計算する。
なお、被写体として、図39に示すようなグレイチャート(20色)を使用する。
[予測式9]
予測式9は、図16に示した修正パウエル法を用いて、色差を最小にする色材の組み合わせを求める。
図40は予測式9の処理を示すフローチャートである。
まず、任意のパラメータを代入し、式(30)のスプライン関数により色材の組み合わせを作成し(S161)、グレイチャートの各色について、KMモデルにより、作成した色材の発色性を予測し、シンプレックス法による測色的カラーマッチングを行い、光源D65下の三刺激値XD65YD65ZD65および分光反射率R'(λ)を計算する(S162)。
次に、分光反射率R'(λ)から光源A下の三刺激値XAYAZAを計算し、式(8)によりD65YD65ZD65との色差ΔE94を計算し(S163)、処理の終了を見極めるための定数(上述したminなど)により色差ΔE94が最小か否かを判定し(S164)、最小と判定するまでステップS161からS164の処理を繰り返す。
[他の実施例]
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施例の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
インク吸収層およびベースペーパを説明する図、 階調パッチの一例を示す図、 KMモデルによる一次色の色材の分光反射率の予測結果を示す図、 WCモデルによる一次色の色材の分光反射率の予測結果を示す図、 改良KMモデルによる一次色の色材の分光反射率の予測結果を示す図、 L*=70におけるCN、KMおよびWCモデルによる色域の予測結果を示す図、 L*=60におけるCN、KMおよびWCモデルによる色域の予測結果を示す図、 L*=50におけるCN、KMおよびWCモデルによる色域の予測結果を示す図、 L*=40におけるCN、KMおよびWCモデルによる色域の予測結果を示す図、 L*=70におけるCNおよび改良KMモデルによる色域の予測結果を示す図、 L*=60におけるCNおよび改良KMモデルによる色域の予測結果を示す図、 L*=50におけるCNおよび改良KMモデルによる色域の予測結果を示す図、 L*=40におけるCNおよび改良KMモデルによる色域の予測結果を示す図、 インク吐出量の変動と濃度の関係を説明する図、 スプライン関数を示す図、 修正パウエル法を説明するためのフローチャート、 実施例1における、色材の組み合わせを最適化するシミュレーション(色処理)を示すフローチャート、 コンピュータ装置の構成例を示すブロック図、 実施例2における、色域を最大にする色材の組み合わせを求めるシミュレーション(色処理)を示すフローチャート、 出発点の決定手順の一例を示すフローチャート、 シンプレックス法を使用するカラーマッチングを説明するフローチャート、 ローカルミニマムを説明する図、 挟み打ち法による色域境界の探索手順の一例を示すフローチャート、 色域境界上の点から色域を描く処理手順の一例を示すフローチャート、 色域境界の探索で得られた色域境界上の点を説明する図、 色材の分光濃度(形状)の定義を説明する図、 ピーク位置と半値幅を説明する図、 色域が最大になる色材の組み合わせを選択する手順の一例を示すフローチャート、 実施例3の色材の分光濃度(形状)の定義を説明する図、 色域が最大になる色材の組み合わせを選択する手順の一例を示すフローチャート、 予測式4の変形における始点と終点の決定手順の一例を示すフローチャート、 始点と終点の一例を示す図、 予測式4の変形における色域の描画手順の一例を示すフローチャート、 色域境界の二点を説明する図、 実施例4の処理を示すフローチャート、 マクベスカラーチャートを説明する図、 予測式7の処理を示すフローチャート、 実施例5の処理を示すフローチャート、 グレイチャートを説明する図、 予測式9の処理を示すフローチャートである。

Claims (15)

  1. 濃度変動による色差に起因する出力画像の画質劣化を抑えることができる色材の組み合わせを決定する色処理方法であって、
    前記色材の発色性を計算する第一のステップと、
    前記濃度変動による色差を計算する第二のステップと、
    前記濃度変動による色差に応じて前記色材の組み合わせを決定する第三のステップとを有することを特徴とする色処理方法。
  2. 所定の明度領域において、最大の色域を得る色材の組み合わせを決定する色処理方法であって、
    色材の発色性を計算する第一のステップと、
    前記第一のステップによる前記発色性の計算に基づき、色材の色域境界を探索して、色域面積を計算する第二のステップと、
    前記第二のステップによる色域面積の計算に基づき、前記最大の色域を得る色材の組み合わせを決定する第三のステップとを有することを特徴とする色処理方法。
  3. 色材の発色性を計算する第一のステップと、
    前記第一のステップによる前記発色性の計算に基づき、色材が再現するカラーチャートの分光反射率を計算する第二のステップと、
    前記第二のステップで得られる分光反射率と、予め測色された、前記カラーチャートの分光反射率の差分を計算する第三のステップと、
    前記差分を最小にする色材の組み合わせを決定する第四のステップとを有することを特徴とする色処理方法。
  4. 色材の発色性を計算する第一のステップと、
    前記第一のステップによる前記発色性の計算に基づき、色材が再現するカラーチャートの分光反射率および第一の光源における第一の三刺激値を計算する第二のステップと、
    前記第二のステップで得られる分光反射率から、第二の光源における第二の三刺激値を計算する第三のステップと、
    前記第一および第二の三刺激値の差分を計算する第四のステップと、
    前記差分に応じて色材の組み合わせを決定する第五のステップとを有することを特徴とする色処理方法。
  5. 前記第一のステップは、下記のクベルカムンクの理論式により、一次色の色材の組み合わせに対する分光反射率Rλ(λ)を計算することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載された色処理方法。
    Rλ(λ) = Rλ,p(λ)・exp{-2(Σicikλ,i)}
    kλ,i = -0.5・ln{Rλ,i(λ)/ Rλ,p(λ)}
    ここで、Rλ,i(λ)は前記一次色の色材の分光反射率
    Rλ,pは記録媒体の分光反射率
    cは前記一次色の色材の濃度
    kは前記一次色の色材の吸収係数
  6. 前記第一のステップは、下記の改良型のクベルカムンクの理論式により、一次色の色材のドットゲインを補正するステップと、
    D'λ,i(λ) = 1.0 - {1.0 - Dλ,i(λ)}b
    b = f(c)
    R'λ,i(λ) = 10-t, t = D'λ,i(λ)
    ここで、Dλ,i(λ)は前記一次色の色材の分光濃度
    D'λ,i(λ)は前記補正後の前記一次色の色材の分光濃度
    R'λ,i(λ)は前記補正後の前記一次色の色材の分光反射率
    下記のクベルカムンクの理論式により、前記一次色の色材の組み合わせに対する分光反射率Rλ(λ)を計算するステップとを有することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載された色処理方法。
    Rλ(λ) = Rλ,p(λ)・exp{-2(Σicikλ,i)}
    kλ,i = -0.5・ln{R'λ,i(λ)/ Rλ,p(λ)}
    ここで、Rλ,pは記録媒体の分光反射率
    cは前記一次色の色材の濃度
    kは前記一次色の色材の吸収係数
  7. 前記第一のステップは、下記のウィリアムとクラッパが提案した理論式により、一次色の色材の組み合わせに対する分光反射率Rλ(λ)を計算することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載された色処理方法。
    R(λ) = 0.193T2.13[{1/2RB(λ)}-∫0 π/2T2secθrθsinθcosθdθ]-1
    Rλ(λ) = Rλ,p(λ)R(λ)
    ここで、Tは記録媒体の色材吸収層の分光透過率
    RB(λ)は前記記録紙のベース面の分光反射率
    θは前記ベース面に対する光の反射角
    rθは反射角に対する内部フレネル反射率
    Rλ,pは前記記録媒体の分光反射率
  8. 前記第二のステップは、前記濃度変動の幅を決定し、前記色材の最大濃度に前記濃度変動の幅を加えた濃度の最大値および最小値を計算し、前記最大値および最小値の色差を計算することを特徴とする請求項1に記載された色処理方法。
  9. 前記第三のステップは、非線形最適化手法により前記濃度変動による色差を最小にする前記色材の組み合わせを決定することを特徴とする請求項1または請求項8に記載された色処理方法。
  10. 濃度変動による色差に起因する出力画像の画質劣化を抑えることができる色材の組み合わせを決定する色処理装置であって、
    前記色材の発色性を計算する第一の手段と、
    前記濃度変動による色差を計算する第二の手段と、
    前記濃度変動による色差に応じて前記色材の組み合わせを決定する第三の手段とを有することを特徴とする色処理装置。
  11. 所定の明度領域において、最大の色域を得る色材の組み合わせを決定する色処理装置であって、
    色材の発色性を計算する第一の手段と、
    前記第一のステップによる前記発色性の計算に基づき、色材の色域境界を探索して、色域面積を計算する第二の手段と、
    前記第二のステップによる色域面積の計算に基づき、前記最大の色域を得る色材の組み合わせを決定する第三の手段とを有することを特徴とする色処理装置。
  12. 色材の発色性を計算する第一の手段と、
    前記第一の手段による前記発色性の計算に基づき、色材が再現するカラーチャートの分光反射率を計算する第二の手段と、
    前記第二の手段でにより得られる分光反射率と、予め測色された、前記カラーチャートの分光反射率の差分を計算して、前記差分に応じて色材の組み合わせを決定する第三の手段とを有することを特徴とする色処理装置。
  13. 色材の発色性を計算する第一の手段と、
    前記第一の手段による前記発色性の計算に基づき、色材が再現するカラーチャートの分光反射率および第一の光源における第一の三刺激値を計算する第二の手段と、
    前記第二の手段により得られる分光反射率から、第二の光源における第二の三刺激値を計算する第三の手段と、
    前記第一および第二の三刺激値の差分を計算して、前記差分に応じて色材の組み合わせを決定する第四の手段とを有することを特徴とする色処理方法。
  14. 情報処理装置を制御して、請求項1から請求項9の何れかに記載された色処理を実現することを特徴とするプログラム。
  15. 請求項14に記載されたプログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
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