JP2005134895A - 微小可動デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 光スイッチのミラーの二つの切替え位置をヒンジにより自己保持させ、作製歩留りが高いものとする。
【解決手段】 ミラー4を保持する可動ロッド7を、変形S字状板ばねヒンジ6A〜6Dにより固定部10に支持し、ロッド7に固定した櫛歯電極5と、固定櫛歯電極8との間に電圧を印加し、その静電吸引力によりミラー4を中心部1cから抜き、その状態を、ヒンジ6A〜6Dの屈曲状態の反転により、印加電圧解除後も自己保持し、この状態で電極8と電極9間に電圧を印加して、ミラー4を中心部1cに移動させ、ヒンジ6A〜6Dが前の形状に反転し、印加電圧解除後もその状態を保持する。作製初期状態でヒンジ6A〜6Dとその両側の対向壁面との間隔D1とD3、またD2とD4をそれぞれ同一とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、静電駆動部により駆動されるミラーを可動部としてもつ光スイッチ、可動電極を可動部としてもつリレーデバイスなど基板上にヒンジにより可動部が保持され、そのヒンジの2つの異なる屈曲状態で可動部を安定に自己保持し、かつそのヒンジの可動範囲を挟んで両側に壁面が上記基板に形成されている微小可動デバイスに関する。
可動部が2つの安定状態に自己保持されるものでないが、可動部を備える微小可動デバイス、特にフォトリソグラフィによるマスクの形成と、ガス反応性の異方性ドライエッチングにより作製されるものとして基板上にミラー、ヒンジ、アクチュエータ、光導波部の各要素を形成し、光導波部にミラーを挿抜することによって光路の切換えを行なう機能を有する光スイッチを説明する。
図3に特許文献1のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)光スイッチの構造を示す。基板100(図3では100aと100bに分割分離して示しているが一体のものである)の上面(100u)に4本のファイバ溝1A〜1Dが一端を互に連続して十字状に形成され、その互いに直角なファイバ溝1Aと1B間の基板100を駆動体形成部101とし、駆動体形成部101にファイバ溝1Aと1Bに対しそれぞれ45度をなすスロット103が上面(100u)に形成され、スロット103内に可動ロッド116が配され、可動ロッド116の両側に支持枠134A,134Bの一端が固定され、支持枠134A,134Bの他端が板ばねヒンジ128A,128Bにより固定支持部130A,130Bに固定され、可動ロッド116はその延長方向に、かつ基板100の板面(上面100u)と平行に移動自在に保持されている。4本の光ファイバ106A〜106Dがファイバ溝1A〜1D内に配置され、光ファイバ106A〜106Dの放射状配置の中心部1cにミラー102が位置して可動ロッド116の一端に支持され、可動ロッド116の他端に櫛歯型静電アクチュエータ122が連結される。
櫛歯型静電アクチュエータ122は可動ロッド116の両側にそれぞれ延長された可動櫛歯電極110と固定櫛歯電極108が可動ロッド116の延長方向に配列され、可動櫛歯電極110が可動ロッド116に固定され、固定櫛歯電極108が、駆動体形成部101にそれぞれ固定される。なお基板100の上面100uの駆動体形成部101領域に浅い方形状凹部115がスロット103とつながって形成され、この凹部115内に可動ロッド116が延長挿入され、静電アクチュエータ122、ヒンジ128A,128B、支持枠134A,134Bが位置され、固定櫛歯電極108、固定支持部130A,130Bは凹部115の底に固定されているが、その他の可動部は凹部115の底面との間に隙間があり浮かされている。櫛歯電極110と108の間に電圧を印加することにより静電気の吸引力が発生し、可動ロッド116が固定櫛歯電極108側に移動し、ミラー102が中心部1cから抜き出た状態に維持させる。この電圧印加を解くと、可動ロッド116はヒンジ128A,128Bの復帰力で中心部1cに移動しミラー102が中心部1cに位置し、元の状態に戻る。
ミラー102が中心部1cに挿入されている状態では光ファイバ106Aから出射した光がミラー102で反射されて光ファイバ106Bに入射し、光ファイバ106Dから出射した光はミラー102で反射されて光ファイバ106Cに入射する。ミラー102を中心部1cから抜き出した状態では光ファイバ106Aから出射した光は光ファイバ106Cに入射し、光ファイバ106Dから出射した光は受光用光ファイバ106Bに入射する。
特表2003−506755号公報
図3に示した微小光スイッチではミラー102を中心部1cから抜けている状態を保持するには両櫛歯電極108と110間に電圧を印加し続けなければならず、その間電力消費がなされ、経済的でない。この点から異なる屈曲状態をもつことができるヒンジを用いることにより、静電型アクチュエータに電圧を印加してミラー102を中心部1cに位置させた状態、又は中心部1cから抜いた状態にすると、電圧印加を解除してもその状態に保持される微小光スイッチを考えた。以下にこの光スイッチを説明する。図4にその平面図を、その断面を図5に示すように、基板31の上面31uに十字状にファイバ溝1が形成され、十字状ファイバ溝1の中心部1cに対し、放射状となっている4本のファイバ溝1A〜1Dにそれぞれ、光ファイバ32A〜32Dが挿入され、図6に示すようにファイバ溝1A〜1Dが光ファイバ径に十分近い溝幅で作成されているため上方から圧入すれば溝の両側壁面に安定して挟持されると共に、中心部1cの近くの突き当て突部3に各光ファイバ端面が突き当てられて基板31に対して光ファイバ32A〜32Dが位置決めされる。各光ファイバ32A〜32Dの端面は例えば6°に斜面研磨されたコリメーションファイバが用いられた例である。
図4に示すように基板31の上面31u側における十字状ファイバ溝1により4分割された1つの領域が駆動体形成部10とされ、駆動体形成部10はこれを2分するように中心部1cと連通したロッド溝33が形成され、ロッド溝33に可動ロッド7が配され、可動ロッド7の中心部1c側の一端にミラー4が保持され、可動ロッド7の両側の各2個所に連結された変形S字状板ばねヒンジ6A〜6Dにより、可動ロッド7がその延長方向に移動自在に駆動体形成部10に支持される。ヒンジ6A,6Cと6B,6Dとの間において、櫛歯型静電アクチュエータが設けられ、その可動櫛歯電極5が可動ロッド7の両側に固定され、可動櫛歯電極5のヒンジ6C,6D側とヒンジ6A,6B側とに第1、第2固定櫛歯電極8,9が駆動体形成部10に固定されている。また板ばねヒンジ6A,6Bと6C,6Dは駆動体形成部10に形成されたヒンジ用凹部14aと14b内に配されている。
また板ばねヒンジ6A〜6Dの断面形状は、その両側面がわずか、例えばθ1=0.5°程度傾斜したテーパ面とされ、基板31の表面(上面31u)側の面6s側より内面に近づくに従って、漸次幅が狭くなるようにされていることが好ましい。例えば図7Aに示すように下の底辺に対し上辺が広い台形状あるいは図7Bに示すようにくさび形三角形状とするとよい。
変形S字状板ばねヒンジ6A〜6Dは異なる屈曲状態を保持するものである。従ってこの光デバイスの作製直後の初期形状(第1安定状態)において、例えばミラー4が中心部1cに挿入されているようにする。この時、光ファイバ32Aから出射された光はミラー4によって反射され光ファイバ32Bに入射される。光ファイバ32Dから出射された光は光ファイバ32Cへ反射入射される。可動ロッド7、可動櫛歯電極5と板ばねヒンジ6A〜6Dを介して電気的につながれている駆動体形成部10、第2固定櫛歯電極9をそれぞれアースした状態で第1固定櫛歯電極8に電圧を印加すれば、第1固定櫛歯電極8と可動櫛歯電極5との間に静電吸引力が働き、その力が第1安定状態の保持力よりも大きい場合、板ばねヒンジ6A〜6Dは第2安定状態へと反転し、その電圧の印加を絶ってもその状態で自己保持される。この時、図8に示すようにミラー4は中心部1cから退避した状態となり、光ファイバ32A,32Dからの各出射光は光ファイバ32C,32Bにそれぞれ入射される。駆動体形成部10、第1固定櫛歯電極8をアースした状態で第2固定櫛歯電極9に電圧を印加すれば、第2固定櫛歯電極9と可動櫛歯電極5との間に静電吸引力が作用し、その力が第2安定状態よりも大きい場合には再び第1安定状態へと戻る。なお、第1又は第2固定櫛歯電極8又は9と可動電極5との間にそれぞれ電圧を印加するには
、例えば第1、第2固定櫛歯電極8,9にそれぞれボンディングワイヤを接続しておき、これらボンディングワイヤと駆動体形成部10との間に電圧を印加すればよい。また板ばねヒンジ6A〜6Bは2つの安定な異なる屈曲状態間を反転することができるものであればよい。
この光デバイスにおいて、ミラー4以外の可動部はミラー駆動方向と平行な中心線(可動ロッド7の中心線)に関して線対称な構造を有し、尚且つ、4本の板ばねヒンジ6A,6B,6C,6Dによる可動ロッド7の支持点A,B,C,D(すなわち、ヒンジ反力作用点)は可動櫛歯電極5と可動ロッド7との連結部(すなわち、駆動力作用点S)に関して対象な位置に配置されている。更に、前記駆動力作用点Sは可動部の重心にほぼ一致するように設計されている。このような構造をとることにより、例え、アクチュエータの駆動力が前記可動部を駆動すべき所望の方向とは異なるベクトル成分を含有している場合においても、前記駆動力の不要ベクトル成分に対し前記4本の板ばねヒンジ6A,6B,6C,6Dから均等に反力が作用するため、前記可動部の所望の駆動方向以外への動きを効果的に抑制することができる。
また、衝撃力等の外乱が作用した場合においても、1)可動部の重心に関し対称な位置に4本の板ばねヒンジ6A,6B,6C,6Dが設けられていること、2)重い構造体である可動櫛歯電極5を4本の板ばねヒンジ6A,6B,6C,6Dが均等に支持していること、以上2点の構造的特徴により可動部の不必要な動きを効果的に抑制することができる。
次に図4〜6に示した光デバイスを作製する方法としては以下のようにすることが考えられる。図9はその各工程における図4中5A−5A線断面を示す。
図9Aに示すように中間絶縁層41を介して2枚のシリコン単結晶層42,43が接合された基板、いわゆるSOI基板31を用意する。例えばシリコン単結晶層42として厚さ350μmの単結晶シリコン基板を用い、そのシリコン基板42上に厚さ3μmのシリコン酸化膜41が中間絶縁層として形成され、更にその上にシリコン単結晶層43として単結晶のシリコンデバイス層43が形成されて基板31とされる。
その基板31上、つまりシリコンデバイス層43上にマスク材層44を形成する。マスク材層44としては例えばシリコン酸化膜が用いられる。
ミラー4、ヒンジ6A〜6B、可動ロッド7、可動櫛歯電極5、第1、第2固定櫛歯電極8,9上と、ファイバ溝1、ロッド溝33及び板ばねヒンジ6A〜6Bの屈曲動作に影響を与えない空間部分(ヒンジ用凹部14)を除く基板31上、つまりミラー面と、ミラー面以外の基板板面に垂直な側壁面とを規定するパターン、この例では図4に示す形状パターンに、例えばフォトリソグラフィ技術を用いてマスク材層44をパターニングして図9Bに示すようにマスク45を作成する。
次に例えばICP(Inductively Coupled Plasma)によるドライエッチングにより、マスク45をマスクとしてシリコンデバイス層43を、図9Cに示すように中間絶縁層41が露出するまで、基板31の板面に対し、ほぼ垂直にエッチングする。これによりファイバ溝1、ロッド溝33、ヒンジ用凹部14、各櫛歯電極の櫛歯などが形成される。
このエッチングにより形成された側壁を含むシリコンデバイス層43の表面を洗浄した後、中間絶縁層41に対して選択的なエッチング液、例えば弗素酸(HF)の50%溶液(又は弗化水素酸と弗化アンモニウムの混合液)に浸して中間絶縁層41に対しエッチングを行う。このエッチング時間は、ミラー4、可動櫛歯電極5、ヒンジ6A〜6D、可動ロッド7などの可動部と対応する部分の中間絶縁層41は完全に除去されるが、第1、第2固定櫛歯電極8,9の櫛歯以外の部分などの基体31に固定されているべき部分の中間絶縁層41は周縁のわずかな部分が除去されるのみとする。このエッチング処理により、
前記可動部は板ばねヒンジ6A〜6Dにより、移動自在に基板31に支持される。またこの例では中間絶縁層41とマスク材層44は同一材とし、マスク45も同時に除去している。
ミラー4の両側面に高反射率の金属、例えばAu/Pt/Ti多層膜をスパッタによりコーティングして、ミラー本体を形成する。
以上述べたように異なる2つの屈曲状態をもつばねヒンジを用いることにより、駆動部に電圧を印加してミラーを変位させた後、この電圧の印加を解除してもそのミラーの変位した状態が保持され消費電力を減少させることができる。
しかし、実際にこの光スイッチを試作したところ、図4中に破線で示すように、ヒンジの1乃至複数がこれと対向するヒンジ用凹部14の壁面に付いた状態になっているものが生じ、歩留りが期待できないことが判明した。このような問題が生じないようにするには、ヒンジ6A〜6Dの機械的剛性を大にすればよい、例えばヒンジ6A〜6Dの厚みを大きくすればよい。しかしこのようにするとミラーを変位させるための駆動電圧も大きなものが必要となり、このように微小デバイスを用いるモジュールや装置などに比較的大きな電圧源を用意することは適しない。
そこでヒンジが壁面に付いた状態になる原因を追求し、ガス反応性のドライエッチングの後に、ウエットエッチングを行い、その後の乾燥工程が終了した状態においてヒンジが壁面に付いた状態のものが生じることが判明した。そこで乾燥工程として、減圧下で昇華する液体でエッチング液を置換した後、低温にし固化させ、減圧下で昇華させる方法や、液化二酸化炭素(CO2 )でエッチング液を置換し、液相から気相への状態変化を伴わない高温高圧下で行う超臨界乾燥法、あるいは単純に表面張力の小さい液体で置換した後、乾燥するといった方法などについて検討した。これらのなかで、表面張力の小さい液体から乾燥する方法が簡便であるが、確実性に欠けることがわかった。
リレーの可動接点を2安定性のヒンジにより保持し、可動接点を2つの固定接点に対し切替接続してその状態を自己保持させたり固定接点との接触又は非接触にしてその状態を自己保持させたりするリレーデバイス、あるいは前述した光スイッチのミラー部を質量部とし、静電アクチュエータにかえて、静電容量型の変位センサとし、あるしきい値を超える加速度が入力されると質量部の位置が切替わる衝撃センサなどを、微小デバイスとして構成する場合は、同様の問題が生じると考えられる。
この発明目的は2つの異なる屈曲状態をもつヒンジにより可動部を支持し、その可動部の変位された状態を自己保持する微小可動デバイスであって、歩留りよく作製することができるものを提供することにある。
この発明によれば可動部が2つの異なる屈曲状態をもつヒンジにより支持され、ヒンジの2つの安定な屈曲状態の一方において、ヒンジとその両側のヒンジと接触可能な対向壁面との両間隔が、ヒンジの長手方向の各点で互いに等しくされている。ここでヒンジの一端部の壁面との間隔と、他端部の壁面との間隔は等しくなくてもよいことに注意されたい。
図4に示した光スイッチではヒンジ6A〜6Dとその両側のヒンジ用凹部14の対向壁面との間隔、例えばヒンジ6Aについては間隔D1とD3が異なっているため、デバイス作製時のウエットエッチング後の乾燥工程で図10に示すようにヒンジ6(6A)の両側においてエッチング液の蒸発状態が不平衡となり、ヒンジの両側の液体が蒸発してしまうタイミングがずれ、ヒンジと壁面との両側において壁面との間隔が狭側は蒸発が遅れ液が残るが間隔が広い側には液がなくなる状態が生じ、この状態で液体の表面張力によりヒンジ6(6A)が凹部14の壁面に引き寄せられ、乾燥工程が終了してもそのままヒンジ6
(6A)が壁面についたままになってしまうと考えられる。
この発明によればヒンジの長手方向における各点でヒンジの両側でその対応壁面との間隔が互いに等しいため、デバイス作製におけるウエットエッチングの後の乾燥工程で、液体がヒンジの両側で同様に減少してゆくため、ヒンジが壁面についた状態になり難い。
この発明を図4に示した光スイッチを適用した実施形態を、図1に図4及び図5と対応する部分に同一参照番号を付けて示し、重複説明を省略する。
この実施形態では、初期状態、つまり光スイッチを作製した時、図1ではミラー4が十字状ファイバ溝1の中心部1cに位置している状態で板ばねヒンジ6A,6B,6C,6Dの長手方向における各点の両側のヒンジ用凹部14a,14bとの対向壁面14a1,14a2,14a3,14a4,14b1,14b2,14b3,14b4との間隔(距離)は互いに等しくされている。図1の例ではヒンジ6A〜6Dと、これらそれぞれ対向するヒンジ用凹部14a,14bの対応壁面とは互いに平行し、ヒンジ6A及び6Bとその両側の壁面との間隔(距離)D1,D3、ヒンジ6C及び6Dと、その両側の対向壁面との各間隔(距離)D2,D4は全て等しくD1=D2=D3=D4とされている。しかしD1=D3かつD2=D4とするがD1≠D2であってもよい。更にこのように各ヒンジ6A〜6Dとその両側の壁面との間隔(距離)がそのヒンジ長手方向における各点で同一、つまり均一でなくてもよい。即ち図2に示すようにヒンジ6(6A)の可動ロッド7側の端部におけるヒンジ6と対向壁面14a1,14a2との間隔(距離)D3aとD1aは等しく、ヒンジ6の反対側の端部におけるヒンジ6と対向壁面14a1,14a2との間隔(距離)D3bとD1bは等しいが、これら両端部の間隔D3aとD3bは互いに異なっていてもよい。また上記のD3bとD1b等を等しくすることは、ヒンジ6A〜6Dの全長に亙らなくとも、少なくとも対向する壁面と接触可能な長手方向の各点において成立すればよい。
またこの実施形態においては可動櫛歯電極5、第1、第2固定電極8,9、ヒンジ6A〜6Dが形成、収容されている凹部内は、基板31のこれら櫛歯電極、ヒンジが形成されている面31uに形成され、基板31の辺縁に開放されている溝と接続されている。この例ではヒンジ用凹部14aはロッド溝33を通じて十字状ファイバ溝1の中心部1cとつながっている。ファイバ溝1(1A〜1D)はその中心部1cと反対側の端が、基板31の各角から外部に開放されている。更にロッド溝33の延長方向において、これを中心部1cと反対方向に延長するように開放用溝16が基板31の辺縁に達するまで形成され、ヒンジ用凹部14bが開放用溝16とつながっている。更にヒンジ用凹部14aと14bの各櫛歯電極側は、その可動ロッド7と平行な壁面に沿った連通溝17,18により互いにつながっている。また好ましくはこれら連通溝17,18につながり、基板31の辺縁(図1では下側の辺縁)に達する開放溝19,20が形成されている。
この実施形態1に示した光スイッチは図9に示した製法と同様に作製することができる。その場合、マスク材層44をパターニングする際に、板ばねヒンジ6A〜6Bが2つの安定な屈曲状態の一方の形状(目的とする初期状態の形状)になるようにすると共に、ヒンジ用凹部14a,14bの壁面形状、またこれら壁面とヒンジとの間隔が先に述べたようにし、かつ開放用溝16,19,20や連通溝17,18が形成されるようにする。つまり図1に示す平面形状にパターニングすればよい。
この実施形態1では、ヒンジ6A〜6Dと、その長手方向の各点でその両側のヒンジ用凹部14a,14bとの壁面との間隔が等しいため、図2に示すように蒸発遅れした液体15がヒンジ6A〜6Dの両側で同一量となり、ヒンジが壁面に引き寄せられたままになるおそれがない。しかも作製時のウエットエッチング後の乾燥工程で簡便な液体からの直接乾燥を利用することができ、かつ歩留りがよいものとなる。
またヒンジ用凹部14a,14b、櫛歯電極5,8,9が形成、収容されている凹部は
基板31に形成され、外部に解放されているファイバ溝1や開放用溝16,19,20とつながっているため、作製時のウエットエッチング後の乾燥工程において、エッチング液を基板31から外部へ流出させることができ、それだけ乾燥工程を短かくすることができる。なおヒンジ用凹部14a,14bの板ばねヒンジ6A〜6Dの両側の部分は板ばねヒンジ6A〜6D、可動ロッド7と凹部14a,14bの底面との隙間でつながっているので、図示された開放用溝19、20を設けることなく開放用溝16のみを設ける構成であってもエッチング液を流出させ、乾燥工程を短くする効果が得られる。しかし開放用溝16のみの構成の場合は基板31の外部へ開放される溝に直結している凹部14aのヒンジ6A、6Bより壁面14a1、14a3側の部分および凹部14bのヒンジ6C、6Dより壁面14b2、14b4側の部分のエッチング液の方がより速く排出され、各凹部14a、14bのヒンジ6A〜6Dより壁面14a2、14a4及び14b1、14b3側の各部分のエッチング液の流出が相対的に遅くなる傾向をもつので、さらに開放用溝19,20も設けてこれらヒンジ6A〜6Dより壁面14a2、14a4、14b1、14b3側の各部分の液の流出を促進させ、乾燥工程におけるヒンジ両側の液の減少の平衡をより確実にすることが望ましい。
この発明は微小光スイッチのみならず、先にも述べたようにフォトリソグラフィ、深彫りドライエッチング、ウエットエッチングを用いて、2つの互いに異なる安定な屈曲状態をもつことができるヒンジで可動部を、その駆動体形成部に支持して、可動部を2つの位置の一方の選択的に自己保持させるリレーデバイス、衝撃センサなどの微小可動デバイスに適用することができる。
この発明の実施形態を示す平面図。 この発明デバイスを作製する際のウエットエッチング後の乾燥、工程の途中における液体の残存状態を示す図。 従来の光スイッチを示す平面図。 2安定状態のいずれも自己保持可能な光スイッチの一例を示す平面図。 図4に示した光スイッチの5A−5A線断面、5B−5B線断面、5C−5C線断面を示す図。 図4に示した光スイッチの十字状ファイバ溝の中心部付近の構造を説明するための拡大平面図。 図4に示した光スイッチに用いた板ばねヒンジの拡大断面図。 図4に示した光スイッチにおいてミラーがファイバ溝中心部1cから抜けた状態を示す平面図。 図4に示した光スイッチの作製方法を説明するための各工程における図4の5A−5A線断面を示す図。 図4に示した光スイッチの作製時のウエットエッチング後の乾燥工程途中における液体の残存状態を示す図。

Claims (2)

  1. 基板上に形成され、その基板板面と平行に変位する可動部と、上記基板上に形成された駆動体形成部と、上記可動部と上記駆動体形成部とに両端が連結され、2つの相異なる屈曲状態で上記可動部を2つの位置に自己保持する双安定動作をするヒンジと、このヒンジの可動範囲を挟んで両側にヒンジと対向して上記駆動体形成部に形成されている壁面とを備える微小可動デバイスであって、
    上記ヒンジとそのヒンジと接触可能な上記両側の壁面との各間隔が、上記ヒンジの2つの安定な屈曲状態の一方において、上記ヒンジの長手方向の各点で互いに等しいことを特徴とする微小可動デバイス。
  2. 上記ヒンジと上記両側の壁面とにより構成される各溝が、上記基板の上記駆動体形成部形成面に形成され、基板の辺縁に開放されている溝に連続していることを特徴とする請求項1記載の微小可動デバイス。
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JP2010284738A (ja) * 2009-06-10 2010-12-24 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 微小可動デバイス

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