JP2005134356A - 超臨界水反応容器 - Google Patents

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豊 渡辺
Tetsushi Kajigaya
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Abstract

【課題】 亜臨界条件下及び該条件以下で生成される金属サンプル表面の酸化皮膜を除去し、超臨界状態のみでの反応の観測及び生成物の分析が可能な観測窓付き反応容器を提供することである。
【解決手段】 本反応容器には、超臨界水を循環できる本体容器を備え、該容器内にサンプル表面をスクラッチ機構、サンプルホルダー及び移動機構を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、反応容器内で超臨界状態以前に形成される金属サンプル表面の酸化皮膜を除去するスクラッチ機構及び超臨界状態のみで形成される金属サンプル表面の酸化皮膜の組成及びその時間的挙動の分析が可能な観察窓付き反応容器に関する。
従来は、観測窓付き反応容器内に超臨界流体反応場及び該流体で反応させない非反応場を備え、サンプルを非反応場から超臨界流体反応場へ移動させ、分析している(例、特許文献1参照)。
特開2003−10673号
また、高温高圧水中にて回転する切削工具に試料を押し付けて、試料表面の酸化皮膜を除去する方法も提案されている(例、特許文献2参照)。
特開平9−250995号
反応容器内の流体例えば水は、加圧ポンプにより加圧及び外部ヒーターによる加熱により、常温常圧から水の臨界点(圧力22.1MPa、温度374℃)以下でその温度に近い領域の亜臨界状態を経て、水の臨界点以上の超臨界状態まで達する。この昇温過程において生じる反応は、必ずしも目的温度下での反応と同一でなく、形成される表面皮膜も異なる場合がある。通常、外部ヒーターによる加熱では昇温速度が比較的遅く、亜臨界状態及び亜臨界状態以下が長時間続く。亜臨界条件下では、サンプルの反応が著しく進行されるため、超臨界状態に達してサンプル表面の酸化皮膜を分析すると、亜臨界条件下での生成された物が含まれている可能性がある。
一方、超臨界状態において、回転する切削工具で試料表面の酸化皮膜を除去しようとした場合、切削工具の先端についた酸化物を酸化皮膜を除去した新生面に押し付けてしまい、真新しい試料表面を得られ難い欠点がある。また、試料の光学分析を行う場合、試料表面の酸化皮膜を除去した新生面を光学装置の焦点位置に合せるため、試料の位置の微調整機構が必要である。
そこで、亜臨界条件及び亜臨界条件以下でのサンプル表面の酸化皮膜を除去し、超臨界状態のみでの反応の観測及び生成物の分析が可能な観測窓付き反応容器を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の反応容器は、超臨界水を循環できる本体容器を備え、該容器内にサンプル表面スクラッチ機構、サンプルホルダー及びサンプル移動機構を備える。
前記サンプル表面スクラッチ機構は、反応容器内超臨界状態で該容器外部より操作して、サンプル表面をスクラッチする。
前記サンプルホルダー及びサンプル移動機構は、反応容器の熱膨張によるサンプル位置変動を補正し、かつサンプル表面をスクラッチする面圧を調整する。また3本の軸によりサンプルホルダーを固定しているので、サンプル表面の角度も微調整できる。
また、本発明においては、反応容器内のサンプル表面を該容器の外側から観測するための観測窓をサンプル表面に対し、垂直な平面に2個備える。ここで言う観測とは、観察窓を介して使用者がCCDカメラ等を利用した目視で反応容器内を直接観察すること及び分析機器を用いて反応容器内のサンプル表面を観測する事である。
本発明にかかる観測窓付き反応容器によれば、昇温過程における亜臨界状態及び亜臨界状態以下で生成されるサンプル表面の酸化皮膜を超臨界状態でサンプル表面をスクラッチすることにより除去し、実質的に超臨界状態のみで生成されるサンプル表面の酸化皮膜の観測を行うことができる。またサンプルの操作及びサンプル表面のスクラッチ操作を反応容器外側から機械的に操作することで、装置の小型化及び簡略化できる。
例えば、サンプル表面の酸化皮膜のラマン散乱光による分析の際、サンプル表面に入射レーザーが当たり散乱したラマン散乱光の信号は微弱であり、サンプルの角度を調整することにより、微弱なラマン散乱光をより精度良く検出する事ができる。
また本発明において、反応容器に観測窓を2個装備する事により、超臨界状態でのサンプルの観測が確実かつ連続的に行える。
従来の移動機構と比較すると、超臨界状態でサンプル表面の酸化皮膜を除去し、金属の新生面を超臨界状態にさらすことで、超臨界条件下でのみ生成される酸化物を確実に観測することができる。
以下に、本発明の反応容器の実施形態を図面に従って説明する。
図1に本発明の実施形態にかかる反応容器の概略立体図、図2及び図3に縦断面図を示す。図2はサンプルを反応容器内のサンプル表面をスクラッチする前の縦断面図、図3は反応容器内のサンプル表面をスクラッチした状態の縦断面図である。超臨界水発生装置により発生される超臨界水が入口管1から反応容器13内部を経て出口管2へ一定の流量で循環している。同図に示す容器本体の接液部を耐腐食性に優れるニッケル基合金の材質等を用い、その他はステンレス等の材質を使用している。
反応容器13内のサンプル3はサンプルホルダー4に固定されていて、サンプルホルダー4は3本のホルダーシャフト12に連結され、反応容器13外部のサンプル操作部8に機械的に連結される。サンプル表面スクラッチ用の刃5は板バネ6に固定され、反応容器13外部のスクラッチ操作部9へ1本の昇降シャフト7に連結される。
図2で示すように、反応容器13内を超臨界状態で反応容器13外部のサンプル操作部8を操作し、サンプル3の表面に刃5を当て、所定の面圧をかける。このとき、サンプル3表面にかかる刃5の面圧は、板バネ6のたわみ量により調整する。
図3で示すように、サンプル3の表面に所定の面圧で刃5を当てた状態で、反応容器13外部のスクラッチ操作部9を操作して刃5を上下させることにより、サンプル3の表面をスクラッチする。
図4は図2及び図3におけるA−A線断面矢視図である。反応容器13内のサンプル3の表面を該容器の外側から観測するための観測窓10、11を、サンプル3の表面に対し垂直な平面に2個反応容器13に付随している。また2個の観測窓10、11は、各観測窓の中心軸線が同一平面上に90度の角度を有して配置されている。
ここで前記のように配置された観測窓10、11を介して、反応容器13内のスクラッチしたサンプル3表面を光学機器等を用いて分析する。例えば、観測窓10方向の反応容器13外側にレーザー入射装置を配置し、観測窓11方向の反応容器13外側にラマン散乱光検出器を配置する。観測窓10を介して、反応容器13内のスクラッチしたサンプル3の表面に入射レーザーを当てると、スクラッチしたサンプル3の表面に当たり散乱したラマン散乱光を、観察窓11を介して検出する。このように反応容器13の外側から、超臨界水中のサンプル3を連続的に観測及びサンプル表面の酸化皮膜の組成を分析できる。また、サンプルホルダー4は独立した3本のホルダーシャフト12に連結されるため、反応容器13の外側から3本のホルダーシャフト12を操作し、サンプル3の表面の角度を光学測定し易いように、調節できる。
本発明の超臨界水反応容器の概略立体図である。 反応容器内のサンプル表面をスクラッチする前の縦断面図である。 反応容器内のサンプル表面をスクラッチした状態の縦断面図 図2及び図3のA−A線断面矢視図である。
符号の説明
1 入口管
2 出口管
3 サンプル
4 サンプルホルダー
5 刃
6 板バネ
7 昇降シャフト
8 サンプル操作部
9 スクラッチ操作部
10、11 観測窓
12 ホルダーシャフト
13 反応容器
14,15 冷却水流路

Claims (3)

  1. 反応容器13内のサンプル3の表面を、サンプル3表面スクラッチ用の刃5により超臨界水中においてスクラッチし、サンプル3の表面酸化皮膜を除去する機構。
  2. 反応容器13内のサンプル3表面の光学分析するための、サンプル表面の角度を調整する機構。
  3. 請求項1及び請求項2記載の機構を有し、かつ光学機器等による超臨界水中でのサンプル3表面分析が可能な観測窓付き超臨界水反応容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103543138A (zh) * 2013-10-25 2014-01-29 中国华能集团清洁能源技术研究院有限公司 一种高温高压反应系统与拉曼光谱分析仪联用的实验系统
CN111879640A (zh) * 2020-06-22 2020-11-03 北京科技大学 管状和棒状试样表面预制圆弧形划伤的试验装置及方法

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