JP2005133574A - エンジン用回転速度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スロットルバルブを操作するステッピングモータが脱調した場合でも回転速度の制御を的確に行うことができるようにしたエンジン用回転速度制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン1の回転速度Nと指示回転速度Noとの偏差No−NにPID演算を施してスロットルバルブの目標開度を演算し、ステッピングモータのステップ数に対応するスロットル開度認識値から認識される開度を目標開度に一致させるようにステッピングモータに操作信号を与えて回転速度Nを制御する。制御中に目標開度とスロットル開度認識値から認識される開度とが等しく、かつ目標開度が全閉時または全開時の開度であると判定されたときにスロットルバルブを全閉位置または全開位置まで移動させるための操作信号を出力してスロットルバルブを全閉位置または全開位置に移動させることにより、スロットル開度認識値とスロットルバルブの実際の開度との対応関係を修正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンの回転速度を指示回転速度に一致させるように制御するエンジン用回転速度制御装置に関するものである。
エンジンの回転速度を制御するエンジン用回転速度制御装置として、特許文献1に示されているように、ステッピングモータを駆動源としてエンジンのスロットルバルブを操作するアクチュエータを設けて、スロットルバルブの開度を目標開度に保つようにステッピングモータを制御することにより、エンジンの回転速度を指示回転速度に一致させるように制御するものがある。
この種の制御装置では、エンジンの回転速度と指示回転速度との偏差にPID演算を施すことによりエンジンの回転速度を指示回転速度に一致させるために必要なスロットルバルブの目標開度を演算するPID演算部を設けるとともに、スロットルバルブの全閉位置または全開位置を基準にしてステッピングモータのステップ数(励磁回数)を計数することによりスロットルバルブの開度を示すスロットル開度認識値を演算するスロットル開度認識値演算手段を設けて、スロットルバルブの開度をPID演算部により演算された目標開度に一致させるようにステッピングモータに操作信号(駆動パルス)を与えることにより、回転速度を指示回転速度に一致させる制御を行うようにしている。ここで、操作信号は所定の周波数のパルスであり、ステッピングモータは、このパルスが与えられる毎に1ステップずつ回転する。
この制御装置では、スロットルバルブの全開位置または全閉位置を基準にしてステップ数を計数することによりスロットルバルブの開度を認識するため、電源を立ち上げた際に行うイニシャライズ時に、スロットルバルブを全閉位置及び全開位置まで実際に移動させて、全閉位置及び全開位置を求め、以後、このイニシャライズ時に求めた全閉位置と全開位置との間でスロットルバルブを変位させるようにしており、スロットルバルブが全閉位置に達したとき及び全開位置に達したときには、ステッピングモータの駆動を停止して、スロットルバルブをそれ以上変位させないようにしている。
特開平2000−170549号公報
従来の制御装置では、ステッピングモータを駆動する際のステップ数によりスロットルバルブの開度を認識して、認識した開度を目標開度に一致させるように制御しているが、この制御では、ステッピングモータに操作信号が与えられたときにステッピングモータが確実に応答して1ステップだけ回転することが、制御を正しく行うための前提条件となる。しかし、ステッピングモータは、その出力軸に負荷側から大きな外力が作用したときに、与えられた駆動パルスにモータの回転が同期できなくなる脱調現象が生じやすいため、上記の前提条件が崩れることがある。ステッピングモータが操作信号に確実に応答して1ステップずつ回転するという前提条件が崩れると、以下に示すような問題が生じる。
エンジンの回転速度が指示回転速度よりも低い場合には、PID演算部がスロットルバルブの開度を増加させる側に目標開度を演算する。このときステッピングモータに与えられるパルスの数が増加させられるが、モータの出力軸に大きな外力がかかって脱調現象が生じると、モータがまともに回転しないため、スロットル位置認識手段が認識しているスロットルバルブ位置と実際のスロットルバルブ位置との間にずれが生じる。モータが脱調した状態では、スロットルバルブの位置がほとんど変化せず、回転速度が指示回転速度まで上昇しないため、PID演算部はスロットルバルブの開度を増加させる演算を繰り返し、ステッピングモータには駆動パルスが与えられ続ける。そのため、スロットルバルブの位置が変化しないままの状態でやがてスロットルバルブの位置が全開位置に達したと認識される。スロットルバルブの位置が全開位置に達したと認識されると、ステッピングモータへの駆動パルスの供給が停止するため、スロットルバルブは未だ全開位置に達していないにもかかわらずそれ以上開けなくなり、エンジンの回転速度を指示回転速度に向けて上昇させことができなくなってしまう。
またエンジンの回転速度が指示回転速度よりも高い場合には、PID演算部がスロットルバルブの開度を減少させる側に目標開度位置を演算し、ステッピングモータに与えられるパルスの数が減少させられるが、その過程でモータが脱調すると、スロットルバルブの位置がほとんど変化しなくなるため、PID演算部はスロットルバルブの開度を減少させる演算を繰り返し、ステッピングモータに駆動パルスが与えられ続ける。そのため、スロットルバルブの位置が回転速度を指示回転速度に一致させるために必要な位置まで変位する前にスロットルバルブの位置が全閉位置に達したと認識され、ステッピングモータへの駆動パルスの供給が停止する。従ってスロットルバルブはそれ以上閉じなくなり、エンジンの回転速度を指示回転速度まで低下させることができなくなってしまう。
また従来の回転速度制御装置では、電源の立ち上げ時に行うイニシャライズ処理において、スロットルバルブを全閉位置または全開位置まで動かす操作を行う必要があったため、イニシャライズを行うのに要する時間が長くなるという問題があった。
本発明の目的は、ステッピングモータが脱調した場合に、制御を正常な状態に回復させることができるようにしたエンジン用回転速度制御装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、電源の立ち上げ時にスロットルバルブを全開位置または全閉位置まで移動させる操作を行う必要がないようにしてイニシャライズに要する時間を短縮することができるようにしたエンジン用回転速度制御装置を提供することにある。
本発明は、ステッピングモータを駆動源としてエンジンのスロットルバルブを操作するアクチュエータと、エンジンの回転速度を検出する回転速度検出部と、エンジンの指示回転速度を与える回転速度指示部と、回転速度検出部により検出された回転速度と指示回転速度との偏差を演算する偏差演算部と、偏差演算部により演算された偏差に比例、積分及び微分演算を施して偏差を零にするように制御する際のスロットルバルブの目標開度を演算するPID演算部と、スロットルバルブの開度をPID演算部により演算された目標開度に一致させるためにステッピングモータに与える操作信号を出力する操作信号出力部とを備えて、操作信号をステッピングモータに与えてスロットルバルブの開度を目標開度に一致させるようにステッピングモータを駆動することによりエンジンの回転速度を指示回転速度に一致させるように制御するエンジン用回転速度制御装置を対象とする。
本発明においては、上記操作信号出力部が、操作信号を出力する毎にスロットルバルブの開度を示すスロットル開度認識値を演算するスロットル開度認識値演算手段と、スロットル開度認識値により認識されるスロットルバルブの開度が前記目標開度よりも大きいときにスロットルバルブの開度を増加させるように操作信号を出力し、スロットル開度認識値により認識されるスロットルバルブの開度が目標開度よりも小さいときにはスロットルバルブの開度を減少させるように操作信号を出力する操作信号出力手段と、PID演算部により演算された目標開度とスロットル開度認識値演算手段により演算されたスロットル開度認識値から認識されるスロットルバルブの開度とが等しく、かつPID演算部により演算されている目標開度が全閉時の開度であると判定されたときにスロットルバルブを全閉位置に向けて移動させるための操作信号をステッピングモータに与え、PID演算部により演算された目標開度とスロットル開度認識値演算手段により演算されたスロットル開度認識値から認識されるスロットルバルブの開度とが等しく、かつPID演算部により演算されている目標開度が全開時の開度であると判定されたときにスロットルバルブを全開位置に向けて移動するための操作信号をステッピングモータに与えるスロットル開度認識値修正手段とを備えている。
上記のように、スロットルバルブが全閉位置または全開位置に達したと認識され、かつPID演算部により演算された目標開度が全閉時または全開時の開度であると判定されたときに、アクチュエータに操作信号を与えて、スロットルバルブを全閉位置または全開位置に向けて駆動するようにしておくと、制御中にスロットルバルブが全閉位置または全開位置に達したと認識され、かつ目標開度が全閉時または全開時の開度になる毎に、スロットルバルブを実際の全閉位置または全開位置まで移動させて、スロットルバルブの実際の開度と、スロットル開度認識値との対応関係を修正することができるため、ステッピングモータが脱調して、スロットルバルブが実際に全閉位置または全開位置に達する前に、スロットル開度認識値により全閉位置または全開位置に達したと認識される状態が生じた場合でも、スロットルバルブを全閉位置または全開位置まで変位させて、回転速度を指示回転速度に一致させる制御を支障なく行わせることができる。
またスロットルバルブの開度の変化範囲が電気的に制限されることがないため、ステッピングモータの脱調の有無の如何に関わりなく、常にエンジンの性能を最大限に引き出すことができる。
更に上記のように構成すると、イニシャライズ時にスロットル開度認識値の初期値を0とし、目標開度の初期値を全閉時の開度とするようにしておけば、制御開始時にスロットルバルブが先ず全閉位置まで動かされ、スロットルバルブが全閉位置に達した時にスロットル開度認識値とスロットルバルブの開度との対応関係が自動的に修正される。従って、イニシャライズ時に実際にスロットルバルブを全開位置または全閉位置まで動かしてスロットルバルブの全閉位置または全開位置を認識する処理を省略することができ、イニシャライズに要する時間を短縮して、電源を立ち上げた後、短時間で制御を開始することができる。
以上のように、本発明によれば、スロットルバルブが全閉位置または全開位置に達したと認識され、かつPID演算部により演算された目標開度が全閉時または全開時の開度であるときに、アクチュエータに操作信号を与えて、スロットルバルブを全閉位置または全開位置に向けて駆動するようにしたので、スロットルバルブが全閉位置または全開位置に達したと認識され、かつ目標開度が全閉時または全開時の開度になる毎に、スロットルバルブを実際の全閉位置または全開位置に到達させて、スロットルバルブの実際の開度と、スロットル開度認識値との対応関係を自動的に修正することができる。従って、ステッピングモータが脱調して、スロットルバルブが実際に全閉位置または全開位置に達する前に、スロットル開度認識値により全閉位置または全開位置に達したと認識される状態が生じた場合でも、スロットルバルブを全閉位置または全開位置まで変位させて、回転速度を指示回転速度に一致させる制御を支障なく行わせることができる。
また本発明によれば、スロットルバルブの開度の変化範囲が電気的に制限されることがないため、ステッピングモータの脱調の有無の如何に関わりなく、常にエンジンの性能を最大限に引き出すことができる。
更に、本発明によると、イニシャライズ時にスロットル開度認識値の初期値を0とし、目標開度の初期値を全閉時の開度としておけば、制御開始時にスロットルバルブを先ず全閉位置まで動かして、スロットル開度認識値とスロットルバルブの開度との対応関係を修復することができるため、イニシャライズ時に実際にスロットルバルブを全開位置または全閉位置まで動かしてスロットルバルブの全閉位置または全開位置を認識する処理を省略することができ、イニシャライズに要する時間を短縮して、電源を立ち上げた後、短時間で制御を開始することができる。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態の構成を示したもので、同図において1はエンジン(内燃機関)、2はエンジンへ1の混合気の供給量を調節するスロットルバルブ、3は回転速度制御装置である。
回転速度制御装置3は、ステッピングモータを駆動源としてスロットルバルブ2を操作するアクチュエータ4と、エンジンの回転速度Nを検出する回転速度検出部5と、エンジンの指示回転速度Noを与える回転速度指示部6と、回転速度検出部5により検出された回転速度Nと指示回転速度Noとの偏差No−Nを演算する偏差演算部7と、制御ゲインVsを設定する制御ゲイン設定部8と、制御ゲイン設定部8により設定された制御ゲインVsで、偏差演算部7により演算された偏差No−Nに比例、積分及び微分演算(PID演算)を施して偏差を零にするように制御する際のスロットルバルブ2の目標開度を演算するPID演算部9と、スロットルバルブの開度をPID演算部により演算された目標開度に一致させるためにアクチュエータ4のステッピングモータに与える操作信号を出力する操作信号出力部10とを備えている。
アクチュエータ4は、例えば図2に示したようにスロットルバルブ2に取り付けられる。同図において20はスロットルボディで、スロットルボディ20に設けられた軸受部21a,21bにスロットル軸22が回転自在に支持されている。スロットル軸22のスロットルボディ内に位置する部分にバタフライバルブ23が取り付けられ、スロットル軸22及びバタフライバルブ23によりスロットルバルブ2が構成されている。スロットル軸22にジョイント24を介してアクチュエータ4のステッピングモータの出力軸4aが連結され、ステッピングモータの出力軸の回転によりスロットルバルブ2が操作されるようになっている。この場合、ステッピングモータの1ステップ当たりの回転角度(ステップ角)をθs、ステッピングモータのステップ数をS(全閉位置でS=0)とすると、スロットルバルブの開度θは、θ=θs×Sで与えられる。
図3に示したように、スロットルボディ内にはエアAが供給される、スロットルバルブ2を通過したエアは、インジェクタやキャブレターなどの燃料供給手段から与えられる燃料(ガソリンまたはLPガス)と混合されて混合気となってエンジンのシリンダに供給される。バタフライバルブ23は、スロットル軸22の回転に伴って、最小開度θoと最大開度θmaxとの間を回動させられる。バタフライバルブ23が最小開度θoの位置から最大開度θmaxの位置まで回動する間に、混合気の量が最小値Fθoから最大値Fθmaxまで変化させられる。混合気量の最大値Fθmaxは、スロットルバルブ内に供給されるエアAの最大値にほぼ等しくなる。
図1に示した回転速度検出部5は、機関の回転速度に比例した周波数fの信号を出力する回転センサ5Aと、回転センサ5Aの出力周波数fを電圧信号に変換するF/V変換器5Bとからなっていて、F/V変換器5Bから機関の回転速度Nに比例した速度検出信号を出力する。偏差演算部7は減算手段からなっていて、指示回転速度Noから速度検出部5により検出された回転速度Nを減じて回転速度と指示回転速度との偏差(No−N)を演算する。
PID演算部9は、制御ゲイン設定部8から与えられる制御ゲインVsに応じて、比例ゲインP、積分ゲインI及び微分ゲインDを決定し、これらのゲインで下記の(1)式を用いて偏差(No−N)に比例、積分及び微分演算を施すことにより、偏差(No−N)を零にする制御を行う際のスロットルバルブの目標開度Soを与える制御信号を出力する。
So=P(No−N)+I∫(No−N) dt +D{d(No−N)/dt} …(1)
操作信号出力部10は、操作信号Qを出力する毎にスロットルバルブの開度を示すスロットル開度認識値Sを演算するスロットル開度認識値演算手段と、このスロットル開度認識値により認識されるスロットルバルブの開度θが目標開度Soよりも大きいときにスロットルバルブの開度を増加させるように操作信号Qを出力し、スロットル開度認識値により認識されるスロットルバルブの開度θが目標開度Soよりも小さいときにはスロットルバルブの開度θを減少させるように操作信号Qを出力する操作信号出力手段とを備えている。
スロットル開度認識値Sは、ステッピングモータのステップ数に対応している。スロットル開度認識値Sは、例えばスロットルバルブが全閉位置にあるときに0の値をとり、ステッピングモータに操作信号が与えられる毎に1ずつ増加または減少させられる。即ち、スロットルバルブを開側に変位させるようにステッピングモータを駆動する際には、ステッピングモータに操作信号が与えられる毎にスロットル開度認識値Sが1ずつ増加させられ、スロットルバルブを閉位置側に変位させるようにステッピングモータを駆動する際には、ステッピングモータに操作信号が与えられる毎にスロットル開度認識値Sが1ずつ減少させられる。
操作信号Qは、目標開度に相応したパルス数を有するパルス信号で、その周波数は、ステッピングモータを脱調させることなく駆動できる範囲に設定されている。ステッピングモータは、操作信号(パルス信号)Qが1つ与えられる毎に1ステップだけ(所定の角度だけ)所定の方向に回転して、スロットル軸22を目標開度に相応する角度だけ開側または閉側に回転させ、これによりスロットルバルブの開度を目標開度に一致させてエンジンの回転速度を指示回転速度に一致させる。
操作信号出力部10はまた、スロットル開度認識値修正手段を備えている。この修正手段は、PID演算部9により演算された目標開度とスロットル開度認識値演算手段により演算されたスロットル開度認識値Sから認識されるスロットルバルブの開度とが等しく、かつPID演算部9により演算されている目標開度が全閉時の開度であるときにスロットルバルブを全閉位置に向けて移動させるための操作信号をアクチュエータ4のステッピングモータに与え、PID演算部9により演算された目標開度とスロットル開度認識値演算手段により演算されたスロットル開度認識値から認識されるスロットルバルブの開度とが等しく、かつPID演算部により演算されている目標開度が全開時の開度であるときにスロットルバルブを全開位置に向けて移動するための操作信号をステッピングモータに与えるように構成されている。
一般にエンジンにおいては、図4に示したように、スロットルバルブ開度θの増大に伴って回転速度Nが高くなっていく傾向にある。上記のようにステッピングモータのステップ数からスロットルバルブの開度を認識する場合、スロットル開度認識値Sとエンジンの回転速度Nとの間には図5に示したような関係がある。
エンジンにおいては、スロットルバルブ開度の増大に伴ってトルクが増加する特性を有するが、スロットルバルブ開度が大きくなっていくと、エンジンのトルクの増え方が頭打ちになってくる。ここで、スロットルバルブ開度が微小量だけ変化したときの回転速度の単位時間当たりの変化量を「エンジンの感度」と定義すると、エンジン感度はエンジンの回転速度の上昇に伴って小さくなっていく。またエンジン感度はスロットルバルブ開度θの増大に伴って小さくなっていき、スロットルバルブ開度が大きい領域でのエンジン感度は、スロットルバルブ開度が小さい領域でのエンジン感度よりも小さくなる。
上記のように、エンジンの回転速度が高くなる領域では、エンジン感度が小さくなるため、エンジンの回転速度と指示回転速度との偏差にPID演算を施すことによりスロットルバルブの目標開度を演算して、スロットルバルブの開度を目標開度に一致させるように制御する場合、制御性を良好にするためには、制御ゲインVsを一定とするのではなく、エンジンの回転速度の上昇に伴って大きくしていくのが好ましい。
図1に示した例では、速度検出部5により検出された回転速度Nを制御ゲイン設定部8に与えて、エンジンの回転速度の上昇に伴って制御ゲインVsを増加させることにより、PID演算に用いる比例ゲインP,積分ゲインI及び微分ゲインDを回転速度の上昇に伴って増加させるようにしている。
図1に示した回転速度制御装置3において、アクチュエータ4及び回転速度検出部5以外の部分はマイクロコンピュータにより構成される。操作信号出力部10に設けるスロットル開度認識値演算手段と、スロットル開度認識値修正手段とを構成するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図6に示した。図6において、SoはPID演算部により演算される目標開度、Sはスロットル開度認識値、Smaxはスロットルバルブの全開時の開度であり、これらはすべてステッピングモータのステップ数で表されるものとする。
図6に示したルーチンは、操作信号出力部10が操作信号Q(1パルス)を発生する毎に実行される。図6に示したアルゴリズムによる場合には、先ずステップ1において目標開度Soがスロットル開度認識値S(現在のスロットルバルブ開度)よりも大きいか否か(So>Sでるか否か)を判定する。その結果So>Sであると判定されたときには、ステップ2に進んでスロットルバルブを開く方向にステッピングモータを回転させるように、ステッピングモータに操作信号(開信号)Qを与えて、該ステッピングモータを1ステップ回転させ、スロットルバルブを開方向に1ステップ分回転させる。次いでステップ3においてスロットル開度認識値Sを1だけインクリメントし、このルーチンを終了する。
ステップ1において、So>Sでないと判定されたときには、ステップ4に移行して目標開度Soがスロットル開度認識値Sよりも小さいか否か(So<Sであるか否か)を判定する。その結果So<Sであると判定されたときには、ステップ5に進んでスロットルバルブを閉じる方向にステッピングモータを回転させるように、ステッピングモータに操作信号(閉信号)Qを与えて、該ステッピングモータを1ステップ回転させ、スロットルバルブを1ステップ分閉方向に回転させる。次いでステップ6でスロットル開度認識値Sを1だけデクリメントし、このルーチンを終了する。
ステップ4においてSo<Sでないと判定されたとき(So=Sであると判定されたとき)には、ステップ7に移行して目標開度Soが0(全閉時の開度)であるか否かを判定する。その結果、目標開度Soが0であると判定されたときには、ステップ8に進んでスロットルバルブを全閉位置に向けて移動させるための操作信号(閉信号)Q(1パルス)を出力してこのルーチンを終了する。
ステップ7においてSo=0でないと判定されたときには、ステップ9に進んでSoがSmax(全開時の開度)に等しいか否かを判定する。その結果、So=Smaxであると判定されたときにはステップ10に進んでスロットルバルブを全開位置に向けて移動させるための操作信号(開信号)Q(1パルス)を出力してこのルーチンを終了する。ステップ9においてS=Smaxでないと判定されたときには何もしないでこのルーチンを終了する。
図6に示したアルゴリズムによる場合、ステップ3,6によりスロットル開度認識値演算手段が構成される。またステップ1,2,4,5によりスロットルバルブの開度を目標開度に一致させるために必要な操作信号を出力する操作信号出力手段が構成され、ステップ7,8,9及び10により、スロットル開度認識値修正手段が構成される。
図6に示したアルゴリズムによる場合には、PID演算部9により演算された目標開度とスロットル開度認識値演算手段により演算されたスロットル開度認識値Sから認識されるスロットルバルブの開度とが等しく、かつPID演算部9により演算されている目標開度が全閉時の開度であるときに、ステップ8が繰り返し実行されるため、ステッピングモータは、スロットルバルブが全閉側の限界位置で機械的に停止させられるまで回転を続ける。スロットルバルブが全閉位置で停止した状態では、スロットル開度認識値Sが0であるので、スロットル開度認識値Sとスロットルバルブの開度との対応関係は自動的に修正される。
また、PID演算部9により演算された目標開度とスロットル開度認識値演算手段により演算されたスロットル開度認識値から認識されるスロットルバルブの開度とが等しく、かつPID演算部により演算されている目標開度が全開時の開度(Smax)であるときには、ステップ10が繰り返し実行されるため、ステッピングモータは、スロットルバルブが全開側の限界位置で機械的に停止させられるまで回転を続ける。スロットルバルブが全開位置で停止した状態では、スロットル開度認識値SがSmaxであるので、スロットル開度認識値Sとスロットルバルブの開度との対応関係が自動的に修正される。
マイクロコンピュータを立ち上げる際には、メインルーチンを開始させるに際してイニシャライズ処理が行われるが、このイニシャライズ処理においては、スロットル開度認識値Sの初期値を0とし、目標開度Soの初期値を全閉時の開度とする。このようにスロットル開度認識値及び目標開度の初期値を設定しておくと、制御開始時にステップ8が実行されて、スロットルバルブが全閉位置まで動かされるため、スロットル開度認識値とスロットルバルブの開度との対応関係が修正される。従って、イニシャライズ時に実際にスロットルバルブを全開位置または全閉位置まで動かしてスロットルバルブの全閉位置または全開位置を認識する処理を省略することができる。
参考のため、従来の回転速度制御装置において、操作信号出力部を構成するためにマイクロコンピュータに実行させていたプログラムのアルゴリズムを図7に示した。図7に示したルーチンは、図6に示したルーチンからステップ7以降を省略したものに相当する。図7に示したようなアルゴリズムによった場合には、スロットル開度認識値とスロットルバルブの開度との対応関係を自動的に修正することができないため、電源の立ち上げ時に行うイニシャライズ処理において、スロットルバルブを全閉位置または全開位置まで変位させて、スロットルバルブの全閉位置または全開位置を認識する処理が必要になる。
また制御中にステッピングモータが脱調すると、スロットル開度認識値とスロットルバルブの実際の開度との対応関係が崩れるが、図7に示したアルゴリズムによった場合には、両者の対応関係を修正することができないため、スロットルバルブを全閉位置から全開位置まで変位させることができない状態が生じて制御が的確に行われなくなるおそれがある。本発明によれば、制御中にスロットル開度認識値とスロットルバルブ開度との対応関係を自動的に修正することができるため、上記のような問題が生じるのを防ぐことができる。
本発明の一実施形態の構成を示したブロック図である。 制御の対象とするエンジンに設けられるスロットルバルブとアクチュエータの構成の一例を示した構成図である。 図2に示したスロットルバルブの動作を説明するための断面図である。 エンジンの回転速度とスロットルバルブ開度との関係の一例を示したグラフである。 エンジンの回転速度とスロットル開度認識値との関係の一例を示したグラフである。 本発明の実施形態において、操作信号出力手段と、スロットル開度認識値演算手段と、スロットル開度認識値修正手段とを構成するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムを示したフローチャートである。 従来の回転速度制御装置において、操作信号出力部を構成するためにマイクロコンピュータに実行させていたプログラムのアルゴリズムを示したフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 スロットルバルブ
3 回転速度制御装置
4 アクチュエータ(ステッピングモータ)
5 回転速度検出部
6 回転速度指示部
7 PID演算部
8 制御ゲイン設定部
9 PID演算部
10 操作信号出力部

Claims (1)

  1. ステッピングモータを駆動源としてエンジンのスロットルバルブを操作するアクチュエータと、前記エンジンの回転速度を検出する回転速度検出部と、前記エンジンの指示回転速度を与える回転速度指示部と、前記回転速度検出部により検出された回転速度と前記指示回転速度との偏差を演算する偏差演算部と、前記偏差演算部により演算された偏差に比例、積分及び微分演算を施して前記偏差を零にするように制御する際の前記スロットルバルブの目標開度を演算するPID演算部と、前記スロットルバルブの開度を前記PID演算部により演算された目標開度に一致させるために前記ステッピングモータに与える操作信号を出力する操作信号出力部とを備え、前記操作信号を前記ステッピングモータに与えて前記スロットルバルブの開度を前記目標開度に一致させるように前記ステッピングモータを駆動することにより前記エンジンの回転速度を指示回転速度に一致させるように制御するエンジン用回転速度制御装置において、
    前記操作信号出力部は、
    前記操作信号を出力する毎に前記スロットルバルブの開度を示すスロットル開度認識値を演算するスロットル開度認識値演算手段と、
    スロットル開度認識値により認識されるスロットルバルブの開度が前記目標開度よりも大きいときに前記スロットルバルブの開度を増加させるように前記操作信号を出力し、スロットル開度認識値により認識されるスロットルバルブの開度が前記目標開度よりも小さいときには前記スロットルバルブの開度を減少させるように前記操作信号を出力する操作信号出力手段と、
    前記PID演算部により演算された目標開度と前記スロットル開度認識値演算手段により演算された前記スロットル開度認識値から認識されるスロットルバルブの開度とが等しく、かつ前記PID演算部により演算されている目標開度が全閉時の開度であると判定されたときに前記スロットルバルブを全閉位置に向けて移動させるための操作信号を前記ステッピングモータに与え、前記PID演算部により演算された目標開度と前記スロットル開度認識値演算手段により演算されたスロットル開度認識値から認識されるスロットルバルブの開度とが等しく、かつ前記PID演算部により演算されている目標開度が全開時の開度であると判定されたときに前記スロットルバルブを全開位置に向けて移動するための操作信号を前記ステッピングモータに与えるスロットル開度認識値修正手段とを備えていること、
    を特徴とするエンジン用回転速度制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010007513A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Honda Motor Co Ltd 電子スロットル制御装置
CN104421005A (zh) * 2013-08-30 2015-03-18 福特环球技术公司 控制机动车辆发动机的停止和启动的方法
EP3871916A1 (en) 2020-02-28 2021-09-01 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Accelerator device of vehicle

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