JP2005133239A - 抄紙機の原料・灰分歩留り向上方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 薬品コストの低廉化を図りながら効果的に原料・灰分歩留りを向上できる抄紙機の原料・灰分歩留り向上方法を提供する。
【解決手段】 原料に対して凝集剤とともに、窒素含量が0.30〜0.36で、粘度が1.5%、50℃の条件下で400〜600cpsの高歩留カチオン化澱粉を添加し、高歩留カチオン化澱粉の凝結効果で効果的に原料・灰分の歩留りを向上させるようにした。【選択図】 図1
【解決手段】 原料に対して凝集剤とともに、窒素含量が0.30〜0.36で、粘度が1.5%、50℃の条件下で400〜600cpsの高歩留カチオン化澱粉を添加し、高歩留カチオン化澱粉の凝結効果で効果的に原料・灰分の歩留りを向上させるようにした。【選択図】 図1
Description
本発明は、抄紙機における原料・灰分歩留り向上方法に関するものである。
抄紙機において、操業中のワイヤーパートでの原料及び灰分の歩留りは、微細繊維とアニオントラッシュ、灰分をフロック化させて紙中に原料繊維分とともに歩留らせることで向上することができ、従来は歩留りの向上を図るためカチオンポリマー凝結剤や凝集剤が原料に添加されている。
また、紙力増強剤としてカチオン化澱粉が添加されている。このカチオン化澱粉としては、タピオカ澱粉から成るもの(例えば、イメリス・ミネラルズ社製の「キャスターチM」など)などが知られている。このカチオン化澱粉の窒素含量(置換度)は0.24〜0.28で、分子量及び分子構造に起因する粘度は、1.5%、50℃の条件下で10〜50cps程度である。
ところが、カチオンポリマー凝結剤や凝集剤を添加するだけでは、抄紙機の抄造速度が速くなるにつれて添加量増加による歩留り向上に限界が表れてきており、薬品コストが高くなる一方で歩留り向上効果が十分に得られないという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、薬品コストの低廉化を図りながら効果的に原料・灰分歩留りを向上できる抄紙機の原料・灰分歩留り向上方法を提供することを課題とする。
本発明の抄紙機の原料・灰分歩留り向上方法は、原料に対して凝集剤とともに、窒素含量が0.30〜0.36で、粘度が1.5%、50℃の条件下で400〜600cpsの高歩留カチオン化澱粉を添加するものである。
この構成によると、高歩留カチオン化澱粉は、その窒素含量、すなわち置換度(カチオン化度に対応する)が、一般的なカチオン化澱粉の0.24〜0.28に対して0.30〜0.36と高く、またその粘度も一般的なカチオン化澱粉の10〜50cpsに対して400〜600cpsと格段に高いことから分子量が大きくかつ分子鎖の構造が複雑であるため、高い凝結効果を有しており、この高歩留カチオン化澱粉の凝結効果で微細繊維とアニオントラッシュ及び灰分を効果的に凝結させてフロック形成を推進させ、別途に適量添加されるカチオンポリマー凝結剤の働きを助けてその効果を最大限に引き出すことができ、原料・灰分の歩留りを向上させることができる。また、高歩留カチオン化澱粉の添加によりカチオンポリマーの添加領域も広げることができる。その結果、系内の排出粕を低減できるとともに系内の汚れを抑制することができる。
また、高歩留カチオン化澱粉は、マシンチェスト以後、凝集剤添加工程の前に添加することで高歩留カチオン化澱粉の凝結作用を効果的に活かすことができて、一層原料・灰分の歩留りを向上させることができる。添加場所をマシンチェスト近傍にすると原料との混合がより均一化し、凝集剤添加場所の近傍にすると歩留り効果がより向上するので、その特長を勘案して1又は複数の適当な場所で添加するのが好適である。
本発明によれば、原料に対して凝集剤とともに高歩留カチオン化澱粉を添加することで、高歩留カチオン化澱粉の凝結効果で効果的に微細繊維とアニオントラッシュ及び灰分を凝結させてフロック形成を推進し、別途に適量添加されるカチオンポリマー凝結剤の働きを助け、その効果を最大限に引き出すことができ、原料・灰分の歩留りを向上させることができる。
以下、本発明の抄紙機の原料・灰分歩留り向上方法の一実施形態について、図1を参照して詳細に説明する。
図1において、配合チェスト1で所定のパルプ材料や填料を用いて原料を調整する。填料の配合量は、本実施形態では歩留りが向上するため、1〜8%程度低減することができる。例えば、炭酸カルシウムとタルクを添加する例では、従来に比して炭酸カルシウムを1〜3%、タルクを5〜8%低減できる。こうして配合した原料がマシンチェスト2に供給されるとともに、このマシンチェスト2内の原料に対して高歩留りカチオン化澱粉3が添加される。高歩留りカチオン化澱粉3の添加量は紙力低下を防止するため従来とほぼ同量添加している。高歩留りカチオン化澱粉3が添加された原料はマシンチェスト2から種箱4に供給され、ファンポンプ5a、クリーナー6、ファンポンプ5b、スクリーン7を介してストックインレット8に供給され、ストックインレット8にて抄紙機11のワイヤ12上にその幅方向に均等に供給される。
ストックインレット8に供給される原料に対して、スクリーン7の手前でカチオンポリマーから成る凝結剤9が添加される。なお、凝結剤9はスクリーン7の後工程で添加しても良い。この凝結剤9の添加量は、従来に比して15〜20%程度低減することができる。また、スクリーン7とストックインレット8の間で凝集剤10が添加される。この凝集剤10の添加量も、高歩留りカチオン化澱粉3を添加することで、25〜30%と大幅に低減できる。
なお、高歩留カチオン化澱粉3の添加場所は、マシンチェスト2以後、凝集剤10の添加場所以前とすることで、高歩留カチオン化澱粉3の凝結作用を効果的に活かすことができて、原料・灰分の歩留りを向上させることができる。詳しくは、添加場所をマシンチェスト2又はその近傍とすると原料との混合がより均一化するが歩留り効果が若干低下し、逆に凝集剤10の添加場所の近傍にすると歩留り効果はより向上するが十分に混合されずに原料に対する効果が不均一になる恐れがあるので、その特長を勘案して1又は複数の適当な場所で添加するのが好適である。例えば、図1に破線で示すように、種箱4とファンポンプ5aの間で添加したり、マシンチェスト2とファンポンプ5aの手前の両方で添加するのが好適である。
高歩留りカチオン化澱粉3は、窒素含量(置換度)が0.30〜0.36で、分子量及び分子鎖の構造に関係する粘度が、1.5%、50℃の条件下で400〜600cpsのものが用いられる。具体例としては、日本エヌエスシー株式会社製の「MicroCAT(マイクロキャット)330」が好適に適用される。
カチオンポリマー凝結剤9としては、PAM(ポリマーアクリルアミド)、PDADMAC(ポリダドマック)、pAm(ポリアミン)、PEI(ポリエチレンイミン)などが好適に用いられる。
また、凝集剤10としては、アニオン性官能基としてカルボキシル基をポリアクリルアミドに導入したものが一般的に用いられ、スルホン基を導入したものも好適に用いられ、さらにアニオン性アクリルアマイドやアニオン変性澱粉も用いられる。
また、凝集剤10として、カチオン性ポリアミン樹脂、カチオン性ポリアミンポリアミド樹脂、カチオン性ポリアクリルアマイド、カチオン変性澱粉、スチレンアクリル樹脂などのカチオン系凝集剤が用いられることもある。
以上のように高歩留りカチオン化澱粉3を添加することにより、高歩留カチオン化澱粉3の凝結効果で効果的に微細繊維とアニオントラッシュ及び灰分を凝結させてフロック形成を推進し、カチオンポリマー凝結剤9の働きを助けてその効果を最大限に引き出すことができるので、凝結剤9及び凝集剤10の添加量を低減しつつ、灰分歩留りを約3〜5%、トータル歩留りを約2%向上することができる。従って、従来のカチオン化澱粉に比して高歩留りカチオン化澱粉3は30〜35%程度コスト高となっても、凝結剤や凝集剤や填料の添加量を低減できることにより、総合的に薬品コストの低廉化を図りながら効果的に原料・灰分歩留りを向上できる。
次に、本発明の一実施例と従来例を比較して説明する。填料として炭酸カルシウムとタルクを含有する代表品種(A3BP)の抄造に際して、従来例としてカチオン化澱粉と凝結剤と凝集剤を添加して抄造するとともに、その後カチオン化澱粉を高歩留カチオン化澱粉に切り換え、その前後の原料歩留り、灰分歩留り、マシン前凝結剤、凝集剤の添加量の変化を確認した。図2(a)に原料歩留り、灰分歩留りの変化を、図2(b)各マシン前凝結剤、凝集剤の添加量の変化を示す。なお、図2(b)において、変更前後で階段状に変化している直線は、変更前後における凝結剤と凝集剤の添加量の平均値を示す。
その集計結果によれば、原料歩留りは従来66.8%であったものが、切り換え後は69.1%となって2.3%向上し、また灰分歩留りは従来32.5%であったものが、切り換え後は39.2%となって6.7%向上した。また、この灰分歩留りの向上の結果、炭酸カルシウムの添加量を2.0%、タルクの添加量を6.0%低減でき、新規填料の添加量は総合的に4.0%程度低減できる。また、凝結剤や凝集剤の添加量についても、凝結剤は19%、凝集剤を28%低減した。
その結果、使用するカチオン化澱粉の切り換えによる単価の高騰は34%程度であるが、凝結剤や凝集剤の添加量の低減、及び填料の低減によって、トータルには3〜4%程度のコスト低減を実現された。また、歩留り向上により白水系がクリアになって、安定操業にも効果的であった。
本発明の抄紙機の原料・灰分歩留り向上方法は、高歩留カチオン化澱粉の凝結効果で効果的に原料・灰分の歩留りを向上させることができ、全ての抄紙機及び抄造品種のリテンションシステム制御に有用である。
1 配合チェスト
2 マシンチェスト
3 高歩留カチオン化澱粉
9 凝結剤
10 凝集剤
11 抄紙機
2 マシンチェスト
3 高歩留カチオン化澱粉
9 凝結剤
10 凝集剤
11 抄紙機
Claims (2)
- 原料に対して凝集剤とともに、窒素含量が0.30〜0.36で、粘度が1.5%、50℃の条件下で400〜600cpsの高歩留カチオン化澱粉を添加することを特徴とする抄紙機の原料・灰分歩留り向上方法。
- 高歩留カチオン化澱粉は、マシンチェスト以後、凝集剤添加工程の前に添加することを特徴とする請求項1記載の抄紙機の原料・灰分歩留り向上方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003370122A JP2005133239A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | 抄紙機の原料・灰分歩留り向上方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003370122A JP2005133239A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | 抄紙機の原料・灰分歩留り向上方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005133239A true JP2005133239A (ja) | 2005-05-26 |
Family
ID=34647228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003370122A Pending JP2005133239A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | 抄紙機の原料・灰分歩留り向上方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005133239A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009524749A (ja) * | 2006-01-25 | 2009-07-02 | バックマン・ラボラトリーズ・インターナショナル・インコーポレーテッド | 凝固剤および蛍光増白剤を使用する製紙法 |
JP2013538299A (ja) * | 2010-08-25 | 2013-10-10 | アシュランド・ライセンシング・アンド・インテレクチュアル・プロパティー・エルエルシー | 紙および板紙の生産でパルプ化セルロース系材料中のデンプンの利点を増加させる方法 |
JP2014047451A (ja) * | 2012-09-03 | 2014-03-17 | Daio Paper Corp | 無機粒子凝集体の製造方法、無機粒子凝集体及び紙の製造方法 |
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2003
- 2003-10-30 JP JP2003370122A patent/JP2005133239A/ja active Pending
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