JP2005131793A - 簡易鉛筆 - Google Patents

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Abstract

【課題】 極めて簡単で安価に製作でき、かつ、消しゴムの固定状態が1日程度の字消し作業に耐え得る簡易鉛筆が望まれている。
【解決手段】 簡易鉛筆1は、本体軸部2の下部に鉛筆芯3を植設した簡易鉛筆であって、本体軸部2の上面6に軸体7を立設し、軸体7に軸径方向外向きに突出した返し突起8を設け、消しゴム4の下面10に形成した竪穴11に軸体7および返し突起8を挿入して消しゴム4を本体軸部2に固定したものである。この簡易鉛筆1は、返し突起8付きの軸体7を消しゴム4の竪穴11に挿入するだけで出来上がる。従って、極めて簡単に製作でき、安価に提供することができる。加えて、軸体7の返し突起8が消しゴム4の竪穴11の内周面に掛かって消しゴム4を本体軸部2に固定するので、十分な固定状態を得ることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えばマークシートなどの記入に使用される使い捨てタイプの簡易鉛筆に関するものである。
一般に、競輪、競馬、競艇、サッカートトカルチョなどの投票用紙として、マークシートが使用されている。これらのマークシートは、それぞれの会場で配布される簡易鉛筆を用いて投票内容が記入される。このような簡易鉛筆を図6に示す。図に示した簡易鉛筆51は、上部にクリップ5を有する合成樹脂製の本体軸部2Aと、本体軸部2Aの下端に植え込まれた短い鉛筆芯3とから成っている。
また、上記したマークシートの一例を図7に示す。図示のマークシートSは競輪投票用であり、簡易鉛筆の鉛筆芯で該当欄に欄からはみ出さないように縦線マークを記入するのが正しいとされている。例えば、一つ目の投票欄P1において、利用者は1着が1番車、2着が5番車であると予想し、この内容で5千円分の車券を買うつもりでいた。しかしながら、誤って3千円(記入ミスM1)の欄も簡易鉛筆51で記入してしまったのである。また、二つ目の投票欄P2においては、1着が4番車、2着が3番車であると予想し、それぞれの該当欄に記入したのであるが、横線マーク(記入ミスM2)やチェックマーク(記入ミスM3)は無効とされる。
このような場合、記入ミスの部分を消しゴムで消して書き直せばよいのであるが、消しゴムを持参していない人がほとんどである。そのため、上記のような記入ミスM1,M2,M3をすると、ミスした時点でマークシートSを捨てなければならない。かかるマークシートSは上質紙でできており、むやみやたらと捨てられるのは如何にももったいない。また、せっかく途中まで正しく記入していたにも拘わらず一度でも書き間違うと、別のマークシートに初めから書き直さなければならず二度手間になる。
そこで、マークシート用の消しゴム付き鉛筆が下記の特許文献1に記載されている。この鉛筆は、鉛筆芯の一端に鉛筆芯と同径の芯状消しゴムを連結し、これらの鉛筆芯および芯状消しゴムを木製の本体軸部で被包したものである。
ところが、この鉛筆は、初めて使用するときや鉛筆芯または消しゴムの露出部分が短くなったときに本体軸部の先端および鉛筆芯を削る作業を必要とし、鉛筆削り器やナイフを手元に用意しなければならない。加えて、上記のように構成が複雑であり製作費が高くつくため、繰り返し使用する用途には適するが、使い捨ての簡易鉛筆としては不向きである。
実開昭59−59385号公報
他方、本体軸部の下端に鉛筆芯を植設し、本体軸部の上面に形成した装着用穴に消しゴムを内装し、穴内面との摩擦嵌合または接着剤により消しゴムを固定したゴルフティーが下記の特許文献2に記載されている。これは、ゴルフボールを載せるティーを主用途とするものであるが、ゴルフスコアなどに記入する鉛筆機能も併有している。また、消しゴムで記入内容を消せるようになっている。
特表平8−511455号公報(図1)
ところが、上記の特許文献2に記載された技術において、摩擦嵌合により消しゴムを固定した場合は保持力が弱すぎて、字消し動作の際に消しゴムが装着用穴から簡単に外れることがある。一方、接着剤で固定する場合は、装着用穴の周囲や消しゴムに接着剤が付着して汚れやすく、商品価値を損なうおそれがある。そのため、接着剤で汚れないように、緻密な作業が要求され作業性が低下するという問題もある。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、極めて簡単で安価に製作でき、かつ、消しゴムの固定状態が1日程度の字消し作業に耐え得る簡易鉛筆の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る簡易鉛筆は、本体軸部の下部に鉛筆芯を植設した簡易鉛筆であって、本体軸部の上面に軸体を立設し、当該軸体に軸径方向外向きに突出した返し突起を設け、消しゴムの下面に形成した竪穴に前記軸体および返し突起を挿入して消しゴムを本体軸部に固定した構成にしてある。
本発明に係る簡易鉛筆は、返し突起付きの軸体を消しゴムの竪穴に挿入するだけで出来上がる。従って、極めて簡単に製作でき、安価に提供することができる。加えて、軸体の返し突起が消しゴムの竪穴の内周面に掛かって消しゴムを本体軸部に固定するので、1日程度の字消し作業に耐えるに十分な固定状態を得ることができる。
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係る簡易鉛筆を示す正面図、図2は前記簡易鉛筆の側断面図、図3は前記簡易鉛筆の組立斜視図である。但し、図6に示した従来の簡易鉛筆と同一の構成要素には、同一の符号を付すとともにその詳細な説明を省略することがある。
各図において、この実施形態に係る簡易鉛筆1は、例えば合成樹脂で形成された本体軸部2と、本体軸部2の下端に植設された鉛筆芯3と、本体軸部2の上面6に取り付けられた消しゴム4とから構成されている。
本体軸部2は上端部が平断面円形状で下部が平断面半円状に形成され、上部にクリップ5が分岐して設けられている。本体軸部2の上面6は平たんに形成され、この上面6のほぼ中央部に軸体7が立設されている。軸体7の先端部9は上に細い先細状に形成されている。また、軸体7には軸径方向外向きで斜め下向きに突出した返し突起8が形成されている。返し突起8は先端部9から続く傾斜面を有し周方向に連続した傘状に形成されている。これらの本体軸部2、クリップ5、上面6、軸体7、返し突起8、および先端部9は所定の成型金型(図示省略)に溶融合成樹脂原料が注入されることにより全てが一体に形成される。鉛筆芯3は前記した成型金型の端部に仮止めされた状態で溶融合成樹脂原料が金型内に注入されることにより、その上部が本体軸部2に植え込まれる。
消しゴム4の下面10には、上向きに陥入した竪穴11が形成されている。竪穴11はほぼ円柱状の空間形状となっている。この消しゴム4も所定の成型金型(図示省略)にゴム原料が注入されて形成される。竪穴11の内径は、本体軸部2の軸体7を挿入可能で、かつ、竪穴11の内周面が軸体7に密着して挟持できるような径、すなわち消しゴム4の弾性変形を考慮して軸体7よりもいくぶん小さな内径に設定されている。
前記した消しゴム4を本体軸部2に取り付ける際は、消しゴム4の竪穴11に本体軸部2の軸体7を差し込むだけで簡単に出来上がる(図3参照)。このとき、返し突起8および軸体7は竪穴11を外向きに押し広げて消しゴム4を弾性変形させる。そのうち、消しゴム4はその下面10が本体軸部2の上面6に当接して止まる。このとき、返し突起8よりも下方位置の竪穴11の内周面が軸体7を締め付ける。この締め付け部分に返し突起8の外端8aが乗り掛かった状態となって、消しゴム4が本体軸部2に固定され抜け落ちが防止されるのである。すなわち、簡易鉛筆1は簡単な構成により極めて安価に製作されるので、使い捨てタイプの鉛筆として好適である。因みに、本例の簡易鉛筆1は例えば全長を100mmとし、本体軸部2下端からの鉛筆芯3の突出長を6mmにしてある。但し、本発明の簡易鉛筆は前記した寸法、形状に限るものでない。
上記した構成の簡易鉛筆1は競輪場などの窓口に置いてあり、持ち帰り自由に使用できるようになっている。そこで、利用者は投票用のマークシートの所定欄を鉛筆芯3で塗りつぶすことにより、所望の投票内容を記入していく。そして、記入ミスをしたときは、記入ミスの部分を消しゴム4で擦って消す。その場合、消しゴム4は返し突起8および軸体7による十分な保持力で本体軸部2に固定されているので、簡単には本体軸部2から外れない。因みに、この簡易鉛筆1は、レース終了後に用済みとなるが、消しゴム4がその日の全てのレースで頻繁に使用されたとしても消しゴム4が本体軸部2から外れない程度に十分な保持力を備えている。
そして、上記のように記入ミスの部分が消しゴム4で消されたマークシートには、あらためて正しい内容が鉛筆芯3で記入される。これにより、上質紙でできているマークシートを捨てずに済み、資源の無駄を省くことができる。
尚、上記の実施形態では、ひとつの返し突起8を軸体7に設けた例を示したが、本発明はそれに限定されるものでなく、図4に示す簡易鉛筆1aのように、例えば傘状に形成された2つの返し突起12,13を軸体7に設けたものでもよい。これらの返し突起12,13は適宜の間隔で上下離間して配置することが望ましい。上側の返し突起12は前記した簡易鉛筆1の返し突起8と同様の形状に形成されている。使用される消しゴム4も簡易鉛筆1のものと同じである。
かかる簡易鉛筆1aによれば、返し突起12よりも下の竪穴11内周面と、返し突起13よりも下の竪穴11内周面といった上下2ヶ所が、返し突起12の外端12aおよび返し突起13の外端13aに掛止されるので、消しゴム4を固定する保持力が既述した簡易鉛筆1の場合よりも高くなり、消しゴム4は本体軸部2からいっそう外れにくくなる。
また、図5に示すような簡易鉛筆1bも本発明に含まれる。すなわち、簡易鉛筆1bでは、軸体7の外周面に軸径方向外向きに突出した螺旋状の返し突起14が形成されている。かかる返し突起14の外端14aは斜め下向きに尖っている。
この簡易鉛筆1bで使用される消しゴム4も簡易鉛筆1のものと同じである。軸体7を消しゴム4の竪穴11にあてがい、消しゴム4を回しながら軸体7を竪穴11に挿入すると、返し突起14の螺旋形状に沿って消しゴム4がねじ込まれて固定される。無論、消しゴム4を回すことなく真っ直ぐ挿し込んでも、消しゴム4の弾性変形により軸体7および突起14を竪穴11の奥まで差し込むことは可能である。
かかる簡易鉛筆1bによれば、返し突起14の螺旋長全体が前記した返し突起8の周長、または返し突起12および返し突起13の合計周長よりも長いので、本体軸部2に消しゴム4を固定する保持力が簡易鉛筆1,1aよりも高くなり、消しゴム4をよりいっそう本体軸部2から外れにくくすることができる。
尚、上記した簡易鉛筆1,1a,1bにおいて、返し突起8,12,13,14は軸体7の全周に連続して形成したものを例示したが、分割した複数の返し突起を軸体7の周方向に適宜の間隔で設けても構わない。また、簡易鉛筆1,1a,1bにおいて、軸体7の上端に少量の接着剤を付けておけば、より確実に固定することができ、周囲を汚すこともない。
ところで、マークシートと異なり、ゴルフ場のスコアカードは文字(数字)を記入するので、書き間違ってもその傍に正しい文字を記入すれば済む。その場合でも、簡易鉛筆1,1a,1bの消しゴム4を使って誤記を訂正すれば、きれいに記入したスコアカードを提出することができる。
本発明の一実施形態に係る簡易鉛筆を示す正面図である。 前記簡易鉛筆の側断面図である。 前記簡易鉛筆の組立斜視図である。 本発明の別の実施形態に係る簡易鉛筆の要部を示す部分側面図である。 本発明の他の実施形態に係る簡易鉛筆の要部を示す部分側面図である。 従来汎用の簡易鉛筆を示す正面図である。 競輪投票用のマークシートおよび記入例を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b 簡易鉛筆
2 本体軸部
3 鉛筆芯
4 消しゴム
6 上面
7 軸体
8,12,13,14 返し突起
10 下面
11 竪穴

Claims (1)

  1. 本体軸部の下部に鉛筆芯を植設した簡易鉛筆であって、本体軸部の上面に軸体を立設し、当該軸体に軸径方向外向きに突出した返し突起を設け、消しゴムの下面に形成した竪穴に前記軸体および返し突起を挿入して消しゴムを本体軸部に固定したことを特徴とする簡易鉛筆。
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